説明

ゲーム機用コントローラ

【課題】画一的に設計されたコントローラを把持するユーザは、その体格や癖がそれぞれで全く異なるため、コントローラは必ずしもユーザの全員に適した構造や配置をしたものではない。つまり感覚的、瞬間的な操作が要求されるようなゲームをプレイするに当たり、ボタン配置やコントローラの構造によってユーザによって有利・不利があるという課題がある。
【解決手段】上記課題を鑑み、本発明は、コントローラに配置されたキーの角度を調節する機能を備えることを特徴とするゲーム機用コントローラを提供する。具体的には、ゲームを行う者によって把持されるように構成された本体と、本体を把持したゲームを行う者の手の指で操作されるように本体に対して配置される操作入力部と、ゲームを行う者の手に合わせるために本体に対する操作入力手段の配置を変更するための配置変更部と、を有するゲーム機用コントローラを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はキーの角度を調節可能なゲーム機でプレイするために利用されるコントローラに関する
【背景技術】
【0002】
従来、ゲーム機を利用してゲームをプレイしようとする場合、その多くの場合はゲーム機に接続されたコントローラを把持してコントローラに備えられたキーを操作することでゲームを楽しむ場合が多い。
【0003】
ところで、ゲーム機を利用してゲームをプレイするのに利用するコントローラは、例えば、特許文献1に記載のような一定の形状をしたコントローラなど、メーカが設計した標準的なコントローラが一般的に使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3380233号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、画一的に設計されたコントローラを把持するユーザは、その体格や癖はそのユーザそれぞれで全く異なる。例えば、前者であれば、手の大きさや、指の長さ、太さなどであり、後者であれば、コントローラの把持の仕方や、キーやボタンを押下する指やその部分が異なるなどである。
【0006】
したがって、必ずしもユーザはコントローラを提供するメーカが想定する最適な操作方法に従って操作しているわけではない。
このように、コントローラは必ずしもユーザの全員に適した構造や配置をしたものではない。つまり、感覚的、瞬間的な操作が要求されるような例えば格闘ゲームをプレイするに当たり、ボタン配置やコントローラの構造によってユーザによって有利・不利があるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明は上記課題を鑑み、コントローラに配置されたキーの角度を調節する機能を備えることを特徴とするゲーム機用コントローラを提供する。具体的には、以下のようなゲーム機用コントローラである。
【0008】
第一発明は、ゲームを行う者によって把持されるように構成された本体と、本体を把持したゲームを行う者の手の指で操作されるように本体に対して配置される操作入力部と、ゲームを行う者の手に合わせるために本体に対する操作入力手段の配置を変更するための配置変更部と、を有するゲーム機用コントローラを提供する。
【0009】
第二発明は、第一発明を基本として、操作入力部は、上下左右の十字方向の操作情報発生のための十字キー手段を有し、配置変更部は、十字キー手段の略中心を中心として面内回転させることで十字キー手段の上下左右押しこみ操作位置を変更することができる十字変更手段を有するゲーム機用コントローラを提供する。
【0010】
第三発明は、第一発明又は第二発明を基本として、操作入力部は、操作情報発生のための複数のボタンをまとめて備えるボタン手段を有し、配置変更部は、複数のボタンの略中心を中心として面内回転させることで、ボタンの配置を変更することができるボタン変更手段を有するゲーム機用コントローラを提供する。
【0011】
第四発明は、第一発明又は第二発明を基本として、操作入力部は、無操作状態である中立状態を中心として360度好みの方向入力をスティックの傾斜向きで操作させるアナログスティック手段を有し、配置変更部は、前記スティックに対する無操作状態である中立状態のスティックの本体に対する立設方向を変更する立設方向変更手段を有するゲーム機用コントローラを提供する。
【発明の効果】
【0012】
本発明である、ゲーム機用コントローラによってコントローラを把持するユーザの最適なキーの配置や角度などにキーを調節することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1のゲーム機用コントローラにおける構成の一例を表す外観図
【図2】実施形態1のゲーム機用コントローラにおける操作入力部の角度調整の一例を表す図
【図3A】実施形態1のゲーム機用コントローラにおける十字手段の角度調整の一例を表す外観図
【図3B】実施形態1のゲーム機用コントローラにおける十字変更手段の内部構造の特徴的な部分の一例を表す図
【図4A】実施形態1のゲーム機用コントローラにおけるボタン手段の角度調整の一例を表す外観図
【図4B】実施形態1のゲーム機用コントローラにおけるボタン変更手段の内部構造の特徴的な部分の一例を表す図
【図5A】実施形態1のゲーム機用コントローラにおける立設方向手段の角度調整の一例を表す外観図
【図5B】実施形態1のゲーム機用コントローラにおける立設方向変更手段の外観及び内部構造の特徴的な部分の一例を表す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれらの実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
実施形態1は主に請求項1、2、3、4について説明する。
【0015】
≪実施形態1≫
【0016】
<実施形態1 概要>
【0017】
本実施形態のゲーム機用コントローラは、図1に示すように把持されるように構成された本体(0101)に、操作入力部を備え、本体に対する操作入力部の配置を変更することができることを特徴とするゲーム機用コントローラである。なお、図1の上図は本実施形態のゲーム機用コントローラの正面の外観図、下図は裏面からの外観図を示す。
【0018】
そして本実施形態のゲーム機用コントローラは、操作入力部として十字キー手段(0102)、「ボタン手段」や、「アナログスティック手段」を備え、各手段の配置を変更可能な機能を備えている(例えば、図2(a)(角度調整前)の状態から図2(b)(角度調整後)に示すように十字キー手段の操作位置を変更可能など)。
【0019】
<実施形態1:構成>
【0020】
≪(ゲーム機用コントローラ)本体≫
【0021】
「本体」(0101)はゲームを行う者によって把持されるように構成された本体である。具体的には、利用者(ゲームを行う者)がゲーム機を利用してゲームをプレイする際に把持して操作を行うコントローラである。例えば、PlayStation3(登録商標)、Wii(登録商標)、XBOX 360(登録商標)などの各種ゲーム機を利用するに当たり使用されるコントローラである。
【0022】
≪操作入力部≫
【0023】
「操作入力部」(0102、0103、0104)は、本体を把持したゲームを行う者の手の指で操作されるように本体に対して配置される入力部である。具体的には、各種ゲーム機を使用してゲームをプレイする際に把持して操作するコントローラに配置された入力インターフェースなどである。
【0024】
なお、本実施例では操作入力部の一例として図1に示す、十字キー、各種ボタン、アナログスティックをその対象としているが、実際にはそれだけに限定されない。各種ゲーム機利用してプレイするために使用されるコントローラに備えられた入力インターフェースであれば何でもよい。例えば一般的なコントローラの側面や本体がガン型のコントローラに設けられた「トリガーボタン」や、車の運転席を模したコントローラの「アクセルボタン(ペダル)」、「ブレーキボタン(ペダル)」なども挙げられる。
【0025】
ここで、本実施形態の操作入力部におけるその入力手段の一例を以下に説明する。
【0026】
(十字キー手段(十字キー))
【0027】
「十字キー手段」(0102)は、上下左右の十字方向の操作情報発生のためのキーである。具体的には、例えば図1に示すように上下左右に配置されたボタンである。十字キー手段は、一般的に方向指示操作(例えばゲーム上におけるキャラクターを移動させる操作や、画面上に出力された選択肢を選択する操作)をするために利用される。
【0028】
(ボタン手段(ボタン))
【0029】
「ボタン手段」(0103)は、操作情報発生のための複数のボタンをまとめて備えるものである。具体的には、図1に示すように、複数のボタンの集合体である。ボタン手段は、一般的に動作指示(例えば、ゲーム上における選択肢の決定、キャンセル、キック、パンチなど)をするために利用される。
【0030】
(アナログスティック手段(アナログスティック))
【0031】
「アナログスティック手段」(0104)は、無操作状態である中立状態を中心として360度好みの方向入力をスティックの傾斜向きで操作させるスティックである。具体的には、図1に示すようにスティックからの入力(レバーを倒した角度など)を多値で処理可能なスティックである。アナログスティック手段は、主に前記十字キー手段と同様に一般的には方向指示操作をするために利用される。
【0032】
なお、本実施形態における操作入力部の一例として、「十字キー手段」、「ボタン手段」、「アナログスティック手段」を挙げたが実際にはそれだけに限定されない。各種ゲーム機を利用してプレイするために利用されるコントローラに配置され、操作入力に利用されるインターフェースであればそれに限定されない。
【0033】
≪配置変更部≫
【0034】
「配置変更部」(0105、0106、0107)は、ゲームを行う者の手に合わせるために本体に対する操作入力手段の配置を変更するための配置変更機能である。具体的には、ゲーム機を利用してゲームをプレイするために利用するコントローラに配置された各種入力手段(例えば、十字キー、各種ボタン、アナログスティックなど)の配置を利用者の手によって任意に配置を変更させるという具合である。
【0035】
以下にその具体例として、前記にて説明した各種入力手段における配置変更部の動作について以下説明する。
【0036】
(十字変更手段(十字キー手段))
【0037】
「十字変更手段」(0105)は、十字キー手段の略中心を中心として面内回転させることで十字キー手段の上下左右押しこみ操作位置を変更することができる機能である。具体的には、十字キー手段の中心を軸に自由に面内回転可能な構造を有するとともに、十字キー手段を固定するためのストッパを備えており、十字キー手段を面内回転させてストッパを用いて固定することで、十字キー手段の配置を変更させることができるという具合である。
【0038】
図3は、本実施形態のコントローラにおける実際の十字変更手段の一例を示したものである。図3Aは、コントローラ(十字変更手段)の外観を示しており、図3Bは、本実施形態のコントローラにおける十字変更手段の内部構造の特徴的な部分を示したものである。
【0039】
図3Bに示すように十字変更手段は、十字キー手段を面内回転させる構造(0308)を備えることで十字キー手段を面内回転可能とし、これを固定するためのストッパ(0309)をコントローラ左側面に備えている。これによりユーザは、十字キー手段調整する際には、ストッパが固定された状態(図3B(a))で、ストッパによる固定を解除し任意の角度に回転させ(図3B(b))、そののち再度ストッパで固定する(図3B(a))ことにより、図3Aに示すように十字キー手段の角度を変更するという具合である。
【0040】
(ボタン変更手段(ボタン手段))
【0041】
「ボタン変更手段」(0106)は、複数のボタンの略中心を中心として面内回転させることで、ボタンの配置を変更することができる機能である。具体的には、ボタン手段の中心を軸に自由に面内回転可能な構造を有するとともに、ボタン手段を固定するためのストッパを備えており、ボタン変更手段を面内回転させてストッパを用いて固定することで、ボタン変更手段の配置を変更させることができるという具合である。
【0042】
図4は、本実施形態のコントローラにおける実際のボタン変更手段の一例を示したものである。図4Aは、コントローラ(ボタン変更手段)の外観を示しており、図4Bは、本実施形態のコントローラにおけるボタン変更手段の内部構造の特徴的な部分を示したものである。
【0043】
図4Bに示すようにボタン変更手段は、ボタン手段を面内回転させる構造(0410)を備えることでボタン手段を面内回転可能とし、これを固定するためのストッパ(0411)をコントローラ右側面に備えている。これによりユーザは、ボタン手段調整する際には、ストッパが固定された状態(図4B(a))で、ストッパによる固定を解除し任意の角度に回転させ(図4B(b))、そののち再度ストッパで固定する(図4B(a))ことにより、図4Aに示すようにボタン手段の角度を変更するという具合である。
【0044】
(立設方向変更手段(アナログスティック手段))
【0045】
「立設方向変更手段」(0107)は、前記スティックに対する無操作状態である中立状態のスティックの本体に対する立設方向を変更する機能である。具体的には、アナログスティック手段の傾きを変更可能な構造を有するとともに、アナログスティック手段を固定するためのストッパを備え、アナログスティック手段の傾きを変更させてストッパで固定することによって、アナログスティックの傾きを変更させることができるという具合である。
【0046】
図5は、本実施形態のコントローラにおける実際の立設方向変更手段の一例を示したものである。図5Aは、コントローラ(立設方向手段)の外観を示しており、図5Bは、本実施形態のコントローラにおける立設方向変更手段の外観及び内部構造の特徴的な部分を示したものである。
【0047】
図5B(a)に示すように本実施形態のコントローラのアナログスティック手段は、回転軸(0512)を介してコントローラ本体と接続するとともに、回転軸を中心に回転するアナログスティック手段を固定するためのストッパ(0513)をアナログスティック手段の背面(図5B(a))に備えている(断面図:図5B(b)(c))。これにより、ユーザはアナログスティック手段の傾斜を変更する場合には、ストッパが固定された状態(図5B(b))で、ストッパによる固定を解除し、任意の傾きに回転させ(図5B(c))で、そののち再度ストッパで固定する。これにより、図5Aに示すようにアナログスティック手段の立設方向を変更することができるという具合である。
【0048】
なお、本実施形態では、操作入力部(本実施形態では、十字キー手段、ボタン手段、アナログスティック手段)における配置変更部(十字変更手段、ボタン変更手段、立設方向変更手段)の実例の一形態を示したが、実際にはそれだけに限定されない。各種ゲーム用コントローラに備えられる入力インターフェース(操作入力部)であれば、本発明は適用可能である。
【0049】
<実施形態1:効果の簡単な説明>
以上のように、本実施形態のゲーム機用コントローラによって、ゲーム機用コントローラの各種操作入力部(十字キーやボタン、アナログスティックなど)の角度や配置を、ユーザの体格や癖などに合せて適宜調整することができる。
【符号の説明】
【0050】
0101 本体
0102 操作入力部(十字キー手段)
0103 操作入力部(ボタン手段)
0104 操作入力部(アナログスティック手段)
0105 配置変更部(十字変更手段)
0106 配置変更部(ボタン変更手段)
0107 配置変更部(立設方向変更手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームを行う者によって把持されるように構成された本体と、
本体を把持したゲームを行う者の手の指で操作されるように本体に対して配置される操作入力部と、
ゲームを行う者の手に合わせるために本体に対する操作入力手段の配置を変更するための配置変更部と、
を有するゲーム機用コントローラ。
【請求項2】
操作入力部は、上下左右の十字方向の操作情報発生のための十字キー手段を有し、
配置変更部は、十字キー手段の略中心を中心として面内回転させることで十字キー手段の上下左右押しこみ操作位置を変更することができる十字変更手段を有する請求項1に記載のゲーム機用コントローラ。
【請求項3】
操作入力部は、
操作情報発生のための複数のボタンをまとめて備えるボタン手段を有し、
配置変更部は、
複数のボタンの略中心を中心として面内回転させることで、ボタンの配置を変更することができるボタン変更手段を有する請求項1又は2に記載のゲーム機用コントローラ。
【請求項4】
操作入力部は、
無操作状態である中立状態を中心として360度好みの方向入力をスティックの傾斜向きで操作させるアナログスティック手段を有し、
配置変更部は、
前記スティックに対する無操作状態である中立状態のスティックの本体に対する立設方向を変更する立設方向変更手段を有する請求項1から3のいずれか一に記載のゲーム機用コントローラ。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【公開番号】特開2012−55340(P2012−55340A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−198244(P2010−198244)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000113414)株式会社ホリ (9)
【Fターム(参考)】