説明

ゲーム用入力装置、ゲーム機

【課題】被殴打部が殴打された殴打領域を簡易的に求め、殴打強さと、殴打方向に基づいてプレイ進行するゲームを、簡単な構造で、かつ、低コストで実現できるゲーム用入力装置、ゲーム機を提供する。
【解決手段】操作部3は、プレイヤが殴打して操作し、立体的な殴打領域を有する球体3と、球体3に設けられ、球体3の加速度及び加速度の方向の情報を、球体3の中心に向けて入力したものとして把握してプレイ進行する制御部41を備えるゲーム機1に出力する加速度センサ36,236とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作対象を操作するゲーム用入力装置、ゲーム機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤが被叩打体を殴打して、その殴打領域と、殴打力の強さとを検出してプレイ進行するゲーム機があった(例えば特許文献1)。
しかし、従来のゲーム機は、殴打領域と、殴打力の強さとを検出するため、少なくとも2つの検出部が必要であり、構造が複雑であり、また、高コストであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−313764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、被殴打部が殴打された殴打領域を簡易的に求め、殴打強さと、殴打方向に基づいてプレイ進行するゲームを、簡単な構造で、かつ、低コストで実現できるゲーム用入力装置、ゲーム機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下のような解決手段により、課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。また、符号を付して説明した構成は、適宜改良してもよく、また、少なくとも一部を他の構成物に代替してもよい。
【0006】
第1の発明は、プレイヤが殴打して操作し、立体的な殴打領域を有する被殴打部(35,235,355A,355B,355C)と、前記被殴打部に設けられ、前記被殴打部の加速度及び前記加速度の方向の情報を、前記被殴打部の中心に向けて入力したものとして把握してプレイ進行する制御部(41(41a,41b))を備えるゲーム機に出力する三次元加速度検出部(36,236)と、を備えるゲーム用入力装置である。
第2の発明は、第1の発明のゲーム用入力装置において、前記被殴打部(35,235)は、球体であること、を特徴とするゲーム用入力装置である。
第3の発明は、第1又は第2の発明のゲーム用入力装置において、前記被殴打部(35)は、殴打位置を示す複数の発光部(37)を有し、前記制御部(41(41a,41b))の出力に基づいて、前記複数の発光部のうちプレイ進行に応じた殴打位置を示す発光部を発光するように制御すること、を特徴とするゲーム用入力装置である。
第4の発明は、第1から第3までのいずれかの発明のゲーム用入力装置において、前記被殴打部(35,235,355A,355B,355C)を殴打するスティック(38,238)を有すること、を特徴とするゲーム用入力装置である。
第5の発明は、第1から第3までのいずれかの発明のゲーム用入力装置(3(3A,3B,3C),203,303A,303B,303C)と、前記制御部(41(41a,41b))と、を備えるゲーム機である。
第6の発明は、第5の発明のゲーム機において、前記制御部は、前記被殴打部(35,235,355A,355B,355C)に対応した形状の操作対象(51,251(251A,251B,251C))を制御すること、を特徴とするゲーム機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)本発明は、被殴打部に設けられた三次元加速度検出部が、被殴打部の加速度及び加速度の方向の情報を、被殴打部の中心に向けて入力したものとして把握してプレイ進行する制御部を備えるゲーム機に出力するので、検出部が1つであっても、被殴打部の殴打位置を簡易的に定め、殴打位置と、その殴打位置に加えられた殴打力の強さと、殴打力の方向とに基づいてプレイ進行するゲームを提供できる。また、検出部が1つでよいので、入力装置を簡単な構造にでき、かつ、低コストである。
(2)本発明は、被殴打部が球体であるので、球体の中心に向かって殴打されたとしてプレイ進行できる。また、被殴打部が球体の場合には、プレイヤは、通常は、球体の中心に向けて殴打しようとする。このため、本発明は、プレイヤに対して、被殴打部の中心に向けて殴打するように促しやすい。
【0008】
(3)本発明は、制御部の出力に基づいて、複数の発光部のうちプレイ進行に応じた殴打位置を示す発光部を発光するので、プレイヤに対して、殴打位置を報知できる。
(4)本発明は、被殴打部を殴打するスティックを有するので、被殴打部に加速度を加えることが容易である。
【0009】
(5)本発明は、ゲーム機が、上記ゲーム用入力装置と上記制御部とを備えるので、上記効果を奏するゲーム機を提供できる。
(6)本発明は、制御部が、被殴打部に対応した形状の操作対象を制御するので、被殴打部及び操作対象の形状を対応付けることができるため、操作対象を操作する場合に、移動方向等の操作内容を分かりやすい態様にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1実施形態のゲーム機1の斜視図である。
【図2】第1実施形態の操作部3の斜視図、断面図である。
【図3】第1実施形態のゲーム機1のブロック図である。
【図4】第1実施形態のゲーム機1の動作を示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態のプレイ画面4a、殴打位置指示LED37が発光した状態を示す図である。
【図6】第2実施形態のプレイ画面204aを示す図、操作部203を示す図、プレイ画面204aのボール251(251A,251B,251C)が移動する態様を示す図である。
【図7】第3実施形態の操作部303A,303B,303Cの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1実施形態)
以下、図面等を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のゲーム機1の斜視図である。
図1に示すように、ゲーム機1は、主にゲームセンタ等の店舗等に設置される大型のゲーム装置である。
ゲーム機1は、ケース2、操作部3(ゲーム用入力装置)、表示部4、スピーカ5、コイン投入口6を備える。
ケース2は、ゲーム機1の筐体である。
【0012】
操作部3(3A,3B,3C)は、ケース2の手前側Y1に設けられた操作パネル2aに配置されている。ゲーム機1は、3人のプレイヤが同時にプレイできるように、3つの操作部3A,3B,3Cを備える。なお、操作部3A,3B,3Cは、同様な構成であるので、以下の説明において、単に操作部3という。操作部3の構成は、後述する。
【0013】
表示部4は、プレイ画面4aを出力する液晶表示装置等のモニタである。表示部4は、プレイ画面がプレイヤに対向するように、ケース2に配置されている。
スピーカ5は、BGM、効果音を出力する音声出力装置である。
【0014】
コイン投入口6は、プレイヤがプレイするために、コインを投入する投入口である。コイン投入口6には、投入されたコインを検出するコイン投入センサ6a(図3参照)が設けられている。コイン投入センサ6aは、例えば光学センサであり、コインを検出すると、検出情報を制御部41(図3参照)に出力する。
【0015】
図2は、第1実施形態の操作部3の斜視図、断面図である。
図2(a)は、操作部3の斜視図である。
図2(b)は、操作部3を手前側Y1から見たときの断面図である。
操作部3は、支持台31、支軸32、バネ取り付けリング33、左右方向支持バネ34x、奥行方向支持バネ34y、鉛直方向支持バネ34z、球体35(被殴打部)、加速度センサ36(三次元加速度検出部)、殴打位置指示LED37(発光部)、スティック38を備える。
【0016】
支持台31は、操作部3のベースとなる部材である。
支軸32は、軸方向が鉛直方向Zになるように配置されている。支軸32は、上端に球体35が設けられ、下端が支持台31に接続されている。支軸32は、支持台31に対して、水平方向の回転(図2示す回転方向θx,θy参照)、鉛直方向Zに移動可能に設けられている。
【0017】
バネ取り付けリング33は、左右方向支持バネ34x、奥行方向支持バネ34yを取り付けるためのブラケットである。バネ取り付けリング33は、ケース2に対して固定されている。
左右方向支持バネ34xは、支軸32を左右方向X(図2示す回転方向θx)に回転可能に支持する圧縮コイルバネである。左右方向支持バネ34xは、一端がバネ取り付けリング33に固定され、他端が支軸32に固定されている。左右方向支持バネ34xは、左側X1及び右側X2にそれぞれ設けられている。
奥行方向支持バネ34yは、支軸32を奥行方向Y(図2示す回転方向θy)に回転可能に支持する圧縮コイルバネであり、左右方向支持バネ34xと同様な構成である。奥行方向支持バネ34yは、手前側Y1及び奥側Y2にそれぞれ設けられている。
鉛直方向支持バネ34zは、支軸32を鉛直方向Zに移動可能に支持する圧縮コイルバネである。鉛直方向支持バネ34zは、上端が支軸32に固定され、下端が支持台31に固定されている。
【0018】
支軸32は、各バネによって支持されることにより負荷が付与され、プレイヤに対して、操作感を与えることができる。なお、操作部3は、球体35の移動量を検出する構成ではないので、操作レバーのような大きなストロークが必要ない。このため、支軸32の回転ストローク、移動ストロークは、プレイヤが球体35を殴打したときの感覚をつかめればいい程度の小さい量に設定されている。
【0019】
球体35は、プレイヤがスティック38によって殴打して操作する部材である。球体35は、その表面が殴打されるようになっているので、立体的な殴打領域を有する。
球体35は、透明又は半透明な材料(例えばアクリル樹脂等)により形成されており、内部が中空になっている。このため、プレイヤは、球体35の内部の構造を視認できる。
【0020】
加速度センサ36は、球体35の中心に、設けられている。加速度センサ36は、球体35の内面に設けられた支持棒36aによって支持されている。加速度センサ36は、左右方向X、奥行方向Y、鉛直方向Zの3方向(三次元)の加速度を検出可能なセンサである。加速度センサ36は、検出情報を制御部41(図3参照)に出力する。後述するように、制御部41は、加速度センサ36の検出情報を解析して、殴打された方向を算出する。
【0021】
殴打位置指示LED37は、球体35の内面に設けられたLED(発光ダイオード)である。殴打位置指示LED37は、殴打位置を示すために所定間隔毎に複数設けられている。殴打位置指示LED37の光線は、球体35が透明又は半透明な材料により形成されているので、プレイヤが視認できる。殴打位置指示LED37は、制御部41(図3参照)により制御されて、複数のなかからプレイ進行に応じた殴打位置を示す殴打位置指示LED37が発光するようになっている。
【0022】
スティック38は、プレイヤが球体35を殴打するための棒材である。スティック38は、プレイヤが左右の手で別々に殴打できるように、2本設けられている(図1参照)。スティック38は、紛失しないように、紐によってケース2に繋がれている。ゲーム機1は、スティック38を用いることにより、スティック38の運動量を球体35に伝えやすくできるので、球体35に加速度を加えることが容易である。
【0023】
図3は、第1実施形態のゲーム機1のブロック図である。
ゲーム機1は、前述したハードウェアの他に、記憶部40、制御部41を備えている。
記憶部40は、ゲーム機1の動作に必要なプログラム、情報等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶装置である。記憶部40は、ゲームプログラム40aを記憶している。
ゲームプログラム40aは、プレイ進行に必要なプログラムである。ゲームプログラム40aは、出力画像、出力音声に関する情報や、操作部3に関する制御に関する情報及びプログラム等を備える。
【0024】
制御部41は、ゲーム機1を統括的に制御するための制御部であり、例えば、CPU(中央処理装置)等から構成される。制御部41は、殴打制御部41a、プレイ進行制御部41b、必要に応じてこれら各制御部の間で情報を伝達するためのバス(図示せず)を備えている。
制御部41は、記憶部40に記憶された各種プログラムを適宜読み出して実行することにより、前述したハードウェアと協働し、本発明に係る各種機能を実現している。
【0025】
殴打制御部41aは、操作部3の加速度センサ36の検出情報の出力に基づいて、球体35に加えられた加速度の大きさ、方向、球体35の殴打位置を算出する制御部である。
例えば、図2(b)に示すように、球体35がスティック38によって殴打され、球体35に対してZX平面内の加速度aが加えられた場合には、加速度センサ36は、鉛直方向Zの加速度az、左右方向Xの加速度axを、殴打制御部41aに出力する。殴打制御部41aは、この加速度az及び加速度axを出力に基づいて、殴打制御部41aは、加速度センサ36の出力に基づいて、加速度aの大きさ及びその方向を算出する。
【0026】
そして、殴打制御部41aは、加速度aが球体35の中心に向けて入力されたとして把握し、球体35表面のどの位置が殴打位置であるかを算出する。これにより、殴打制御部41aは、センサが加速度センサ36が1つであっても、殴打位置35aを検出するセンサ(ロードセル等)を設けることなく、球体35表面の殴打位置35aを簡易的に求めることができる。
ここで、被殴打部が球体35であるので、プレイヤは、通常は、球体35の中心に向けて殴打しようとする。すなわち、ゲーム機1は、プレイヤに対して、球体35の中心に向けて殴打するように促すような構成であるので、前述したように、球体35の殴打位置35aを簡易的に定めても、殴打位置35aの誤差を小さくできるため、プレイヤが操作に対して違和感を感じることを、抑制できる。
【0027】
このように、ゲーム機1は、検出部として加速度センサ36が1つであっても、殴打位置と、その殴打位置に加えられた加速度つまり殴打力の強さと、殴打力の方向との3つに基づいてプレイ進行するゲームを提供できる。また、検出部が1つでよいので、操作部3を簡単な構造にでき、かつ、低コストである。
【0028】
プレイ進行制御部41bは、プレイ進行を統括的に制御するための制御部である。プレイ進行制御部41bは、殴打制御部41aが算出した加速度aの大きさ、方向、球体35表面の殴打位置に応じて、プレイ進行する。後述するように、プレイ進行制御部41bは、仮想空間内のキャラクタの頭部51(操作対象)を、表示部4に表示したボクシングゲームを進行する(図5(a)参照)。
このように、ゲーム機1は、操作対象が、球体35に対応した形状の頭部51であるので、球体35及び操作対象の形状を対応付けることができる。これにより、プレイヤが球体35を殴打する場合に、操作内容が分かりやすい態様にできる。
【0029】
次に、ゲーム機1の動作について説明する。
図4は、第1実施形態のゲーム機1の動作を示すフローチャートである。
図5は、第1実施形態のプレイ画面4a(図5(a))、殴打位置指示LED37が発光した状態を示す図(図5(b))である。
最初に、ステップS(以下、単に「S」という)1において、プレイヤがコイン投入口6にコインを投入すると、コイン投入センサ6aからの出力に基づいて、制御部41が処理を開始する。
S2において、図5(a)に示すように、プレイ進行制御部41bは、表示部4に、プレイ進行に応じて、キャラクタ50の頭部51の殴打位置を指示する円形の指標51a,51bを表示する。
また、図5(b)に示すように、プレイ進行制御部41bは、球体35に設けられた複数の殴打位置指示LED37のうち、頭部51に対応した位置に配置された殴打位置指示LED37a,37bを発光して、プレイヤに対して殴打位置を報知する。
図5(b)に示す場面は、プレイ進行制御部41bが、殴打位置指示LED37a,37bの2つを発光することにより、プレイ進行に応じて、ワンツーパンチを打つように指示した場面である。
【0030】
S3において、プレイヤがスティック38で球体35を殴打すると、加速度センサ36が加速度の検出情報を殴打制御部41aに出力する。
S4において、殴打制御部41aは、加速度センサ36の検出情報に基づいて、加速度の方向、大きさ、殴打位置を算出する。
【0031】
S5において、プレイ進行制御部41bは、S4で殴打制御部41aが算出した殴打位置と、S2で指示した殴打位置とが一致するか否かを判定する。プレイ進行制御部41bは、殴打位置が一致すると判定した場合には(S5:YES)、S6に進み、一方、殴打位置が一致しないと判定した場合には(S5:NO)、S51に進む。
【0032】
S6において、プレイ進行制御部41bは、殴打位置が一致することにより、殴打が成功したとして、プレイ進行する。プレイ進行制御部41bは、例えば、加速度の大きさ、つまり殴打力に対応した数値の得点を加算したり、キャラクタ50に対してダメージを付与する。
S51において、プレイ進行制御部41bは、殴打位置が一致しないことにより、殴打が失敗したとして、プレイ進行する。プレイ進行制御部41bは、例えば、得点を減算したり、キャラクタ50をダメージから回復させる。
【0033】
S7において、プレイ進行制御部41bは、プレイ時間が制限時間を経過したか等を判定することにより、プレイ終了であるか否かを判定する。プレイ進行制御部41bは、プレイ終了であると判定した場合には(S7:YES)、S8に進んで、得点等を表示して一連の処理を終了し、一方、プレイ終了ではないと判定した場合には(S7:NO)、S1からの処理を繰り返す。
【0034】
以上説明したように、本実施形態のゲーム機1は、検出部が1つであっても、殴打位置、殴打力の強さと、殴打力の方向に基づいてプレイ進行でき、また、操作部3を簡単な構造にでき、かつ、低コストである。
【0035】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
なお、以下の説明及び図面において、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号又は末尾に同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
図6は、第2実施形態のプレイ画面204aを示す図(図6(a))、操作部203を示す図((図6(b))、プレイ画面204aのボール251(251A,251B,251C)が移動する態様を示す図(図6(c))である。
図6(a)に示すように、第2実施形態のゲーム機は、プレイ画面204aに、仮想空間内のゴルフ場252の画像を表示して、3人のプレイヤが各操作部203(図1に操作部3A,3B,3C参照)を操作して、各ボール251をカップ(穴)253に導くプレイを行う装置である。
操作部203は、被殴打部が球体235である。球体235は、操作対象であるボール251に対応した形状である。このため、第2実施形態のゲーム機は、プレイヤが球体235を殴打するときに、ボール251の移動方向と、球体235の殴打位置及び移動方向とを対応付けることができ、操作内容が分かりやすい。
【0036】
第2実施形態のゲーム機は、第1実施形態と同様に、加速度センサ236が球体235の3方向の加速度を検出して、制御部が加速度の大きさ、方向を算出する。
例えば、図6(b−1)に示すように、プレイヤがスティック238で、右側X2に向けて球体235を殴打すると、加速度センサ236の出力に基づいて、制御部が加速度の大きさ及び方向を算出する。そして、図6(c−1)に示すように、制御部は、その加速度の大きさに対応した速度で、その加速度の方向に対応した方向である右側X2に、ボール251が仮想空間内で移動するように制御し、プレイ画面204aに表示する。
同様に、図6(b−2)に示すように、プレイヤがスティック238で、右上に向けて球体235を殴打すると、図6(c−2)に示すように、制御部は、ボール251が右上に移動するように制御する。
また、図6(b−3)に示すように、図6(b−1)よりも弱く球体235を殴打すると、制御部は、図6(c−3)よりも遅い速度で、ボール251が右側に仮想空間内で移動するように制御し、プレイ画面204aに表示する。
【0037】
以上説明したように、第2実施形態のゲーム機は、球体235が殴打された態様に応じて、操作対象であるボール251が、仮想空間内を移動するようなゲームを提供できる。
【0038】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図7は、第3実施形態の操作部303A,303B,303Cの斜視図である。
図7(a)に示すように、操作部303Aの被殴打部355Aは、直方体と、その上下に配置された四角錐とから構成される。これにより、操作部303Aは、プレイヤが被殴打部355Aを殴打する場合に、水平方向に殴打するときには、直方体を殴打するように促し、斜め上方向や、斜め下方向に殴打するときには、四角錐を殴打するように促すことができる。
【0039】
図7(b)に示すように、操作部303Bの被殴打部355Bは、円盤状である。
これにより、操作部303Bは、プレイヤが被殴打部355Bを殴打する場合に、水平方向にのみ殴打するように促すことができる。
図7(c)に示すように、操作部303Cの被殴打部355Cは、プレイ画面の操作対象の形状(図示せず)等に応じて、球体の周囲に円環を配置して構成される。操作部303Cは、このような特殊な形状であっても、球体内部に加速度センサ(図示せず)を配置することにより、被殴打部355Cの加速度を検出できる。
【0040】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、後述する変形形態のように種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、前述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0041】
(変形形態)
(1)本実施形態において、操作部の入力は、スティックを用いる例を示したが、これに限定されない。例えば、プレイヤが手で、被殴打部を直接殴打してもよい。
【符号の説明】
【0042】
1…ゲーム機 3(3A,3B,3C),203,303A,303B,303C…操作部 35,235…球体 36,236…加速度センサ 37…殴打位置指示LED 38,238…スティック 41…制御部 41a…殴打制御部 41b…プレイ進行制御部 51…頭部 251(251A,251B,251C)…ボール 355A,355B,355C…被殴打部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤが殴打して操作し、立体的な殴打領域を有する被殴打部と、
前記被殴打部に設けられ、前記被殴打部の加速度及び前記加速度の方向の情報を、前記被殴打部の中心に向けて入力したものとして把握してプレイ進行する制御部を備えるゲーム機に出力する三次元加速度検出部と、
を備えるゲーム用入力装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム用入力装置において、
前記被殴打部は、球体であること、
を特徴とするゲーム用入力装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のゲーム用入力装置において、
前記被殴打部は、殴打位置を示す複数の発光部を有し、
前記制御部の出力に基づいて、前記複数の発光部のうちプレイ進行に応じた殴打位置を示す発光部を発光するように制御すること、
を特徴とするゲーム用入力装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲーム用入力装置において、
前記被殴打部を殴打するスティックを有すること、
を特徴とするゲーム用入力装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のゲーム用入力装置と、
前記制御部と、
を備えるゲーム機。
【請求項6】
請求項5に記載のゲーム機において、
前記制御部は、前記被殴打部に対応した形状の操作対象を制御すること、
を特徴とするゲーム機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−157636(P2012−157636A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−20920(P2011−20920)
【出願日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(310009993)株式会社タイトー (207)
【Fターム(参考)】