説明

ゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラム

【課題】ゲームキャラクタが不安を感じていることをプレイヤが実感し易くすることが可能なゲーム装置を提供すること。
【解決手段】ゲーム空間は、プレイヤキャラクタが一方の端から他方の端に向かって通過すべき障害領域を含む。表示制御手段(64)は、ゲーム空間のうちの、プレイヤキャラクタを含む一部領域を表すゲーム画面を表示手段に表示させる。記憶手段(60)は、プレイヤキャラクタが感じている不安の程度に関する不安度情報を記憶する。制限手段(66)は、障害領域の一方の端に対応する所定領域にプレイヤキャラクタが到達した場合、不安度情報に基づいて、障害領域の全体が前記ゲーム画面に表示されることを制限する。解除手段(68)は、プレイヤキャラクタが障害領域を通過するための動作を行った場合、制限手段(66)による制限を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のゲーム装置では、ゲームキャラクタの感情を表現するための方法として、ゲームキャラクタの能力パラメータの値を内部的に変化させる方法が用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−210848号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記方法によれば、例えば、ゲームキャラクタが不安を感じていることをプレイヤに感じさせようとする場合、ゲームキャラクタの能力を内部的に低下させる。この場合、プレイヤは、ゲームキャラクタが不安を感じていることに起因してゲームキャラクタが自分の能力を十分に発揮できていないことを実感できるようになる。
【0005】
しかしながら、ゲームキャラクタの能力を内部的に低下させる方法では、ゲームキャラクタの能力が低下していることにプレイヤが気づかない場合があり、その結果、ゲームキャラクタが不安を感じていることをプレイヤが実感し難い場合があった。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、例えば、ゲームキャラクタが不安を感じていることをプレイヤが実感し易くすることが可能なゲーム装置、ゲーム装置の制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るゲーム装置は、プレイヤによって操作されるプレイヤキャラクタがゲーム空間内を移動するゲームを実行するゲーム装置において、前記ゲーム空間は、前記プレイヤキャラクタが一方の端から他方の端へ向かって通過すべき障害領域を含み、前記ゲーム装置は、前記ゲーム空間のうちの、前記プレイヤキャラクタを含む一部領域を表すゲーム画面を表示手段に表示させる表示制御手段と、前記プレイヤキャラクタが感じている不安の程度に関する不安度情報を記憶する記憶手段と、前記障害領域の前記一方の端に対応する所定領域に前記プレイヤキャラクタが到達した場合、前記不安度情報に基づいて、前記障害領域の全体が前記ゲーム画面に表示されることを制限する制限手段と、前記プレイヤキャラクタが前記障害領域を前記一方の端から前記他方の端に向かって通過するための動作を行った場合、前記制限手段による制限を解除する解除手段と、を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係るゲーム装置の制御方法は、プレイヤによって操作されるプレイヤキャラクタがゲーム空間内を移動するゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、前記ゲーム空間は、前記プレイヤキャラクタが一方の端から他方の端へ向かって通過すべき障害領域を含み、前記ゲーム装置の制御方法は、前記ゲーム空間のうちの、前記プレイヤキャラクタを含む一部領域を表すゲーム画面を表示手段に表示させる表示制御ステップと、前記プレイヤキャラクタが感じている不安の程度に関する不安度情報を記憶してなる記憶手段の記憶内容を取得するステップと、前記障害領域の前記一方の端に対応する所定領域に前記プレイヤキャラクタが到達した場合、前記不安度情報に基づいて、前記障害領域の全体が前記ゲーム画面に表示されることを制限する制限ステップと、前記プレイヤキャラクタが前記障害領域を前記一方の端から前記他方の端に向かって通過するための動作を行った場合、前記制限ステップによる制限を解除する解除ステップと、を含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係るプログラムは、プレイヤによって操作されるプレイヤキャラクタがゲーム空間内を移動するゲームを実行するゲーム装置として、家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、又はサーバコンピュータ等のコンピュータを機能させるためのプログラムであって、前記ゲーム空間は、前記プレイヤキャラクタが一方の端から他方の端へ向かって通過すべき障害領域を含み、前記プログラムは、前記ゲーム空間のうちの、前記プレイヤキャラクタを含む一部領域を表すゲーム画面を表示手段に表示させる表示制御手段、前記プレイヤキャラクタが感じている不安の程度に関する不安度情報を記憶してなる記憶手段の記憶内容を取得する手段、前記障害領域の前記一方の端に対応する所定領域に前記プレイヤキャラクタが到達した場合、前記不安度情報に基づいて、前記障害領域の全体が前記ゲーム画面に表示されることを制限する制限手段、及び、前記プレイヤキャラクタが前記障害領域を前記一方の端から前記他方の端に向かって通過するための動作を行った場合、前記制限手段による制限を解除する解除手段、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0010】
また、本発明に係る情報記憶媒体は、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0011】
本発明によれば、ゲームキャラクタが不安を感じていることをプレイヤが実感し易くすることが可能になる。なお、「ゲーム空間」とは、3つの座標要素によって構成される3次元ゲーム空間であってもよいし、2つの座標要素によって構成される2次元ゲーム空間であってもよい。
【0012】
また本発明の一態様では、前記障害領域は、前記プレイヤキャラクタが飛び越すべき領域であってもよい。前記制限手段は、前記障害領域の前記他方の端が前記ゲーム画面に表示されることを制限するようにしてもよい。前記解除手段は、前記プレイヤキャラクタが前記障害領域を飛び越すための動作を行った場合、前記制限手段による制限を解除するようにしてもよい。
【0013】
また本発明の一態様では、前記表示制御手段は、前記プレイヤキャラクタの移動に応じて、前記ゲーム画面をスクロールさせる手段を含むようにしてもよい。前記制限手段は、前記プレイヤキャラクタが前記所定領域に到達した場合、前記不安度情報に基づいて、前記ゲーム画面のスクロールを制限することによって、前記障害領域の全体が前記ゲーム画面に表示されることを制限するようにしてもよい。前記解除手段は、前記プレイヤキャラクタが前記障害領域を前記一方の端から前記他方の端に向かって通過するための動作を行った場合、前記ゲーム画面のスクロールを再開するようにしてもよい。
【0014】
また本発明の一態様では、前記制限手段は、前記プレイヤキャラクタが前記所定領域に到達した場合、前記不安度情報に基づいて、前記障害領域の前記一方の端と前記他方の端との間の距離を通常の距離よりも長い距離に変えることによって、前記障害領域の前記他方の端が前記ゲーム画面に表示されることを制限するようにしてもよい。前記解除手段は、前記プレイヤキャラクタが前記障害領域を前記一方の端から前記他方の端に向かって通過するための動作を行った場合、前記障害領域の前記一方の端と前記他方の端との間の距離を通常の距離に戻すようにしてもよい。
【0015】
また本発明の一態様では、前記ゲームの状況に関連する情報に基づいて、前記不安度情報を更新する更新手段を含むようにしてもよい。前記ゲームの状況に関連する前記情報は、前記プレイヤキャラクタの位置に基づいて設定される領域内に位置している敵キャラクタの数に関する数値情報と、前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの間の距離に関する距離情報と、前記プレイヤキャラクタが受けたダメージに関する数値情報と、前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの接触と敵キャラクタからの攻撃との少なくとも一方に基づいて増減される数値情報と、前記ゲーム画面に表示された、所定状態にあるゲームキャラクタの数と、のうちの少なくとも一つを含むようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本実施の形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。
【図2】ゲーム空間の一例を示す図である。
【図3】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図4】本実施の形態に係るゲーム装置の機能ブロック図である。
【図5】不安度パラメータの一例を示す図である。
【図6】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図7】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図8】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図9】ゲーム画面の一例を示す図である。
【図10】ゲーム装置が実行する処理を示すフロー図である。
【図11】ゲーム装置が実行する処理を示すフロー図である。
【図12】障害領域の他の例について説明するための図である。
【図13】障害領域の他の例について説明するための図である。
【図14】障害領域の他の例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態の一例について図面に基づき詳細に説明する。本発明の実施形態に係るゲーム装置は、例えば家庭用ゲーム機(据置型ゲーム機)、携帯ゲーム機、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、又はサーバコンピュータ等によって実現される。ここでは、本発明の実施形態に係るゲーム装置を家庭用ゲーム機によって実現する場合について説明する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態に係るゲーム装置のハードウェア構成を示す図である。図1に示すゲーム装置10は、家庭用ゲーム機11、表示部32、音声出力部34、及び光ディスク36(情報記憶媒体)を含む。表示部32及び音声出力部34は家庭用ゲーム機11に接続される。例えば、家庭用テレビ受像機又は液晶ディスプレイ等が表示部32として用いられる。例えば、家庭用テレビ受像機に内蔵されたスピーカ又はヘッドホン等が音声出力部34として用いられる。
【0019】
家庭用ゲーム機11は公知のコンピュータゲームシステムである。家庭用ゲーム機11は、バス12、制御部14、主記憶16、画像処理部18、入出力処理部20、音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30を含む。
【0020】
制御部14は一又は複数のマイクロプロセッサを含む。制御部14は、図示しないROMに格納されるオペレーティングシステムや、ハードディスク26又は光ディスク36から読み出されるプログラムに基づいて、家庭用ゲーム機11の各部を制御する処理やその他の情報処理を実行する。主記憶16は例えばRAMを含み、ハードディスク26又は光ディスク36から読み出されたプログラム及びデータが書き込まれる。主記憶16は制御部14の作業用メモリとしても用いられる。バス12はアドレス及びデータを家庭用ゲーム機11の各部でやり取りするためのものである。
【0021】
画像処理部18はVRAMを含み、制御部14から送られる画像データに基づいてVRAM上にゲーム画面を描画し、VRAM上に描画されたゲーム画面をビデオ信号に変換して所定のタイミングで表示部32に出力する。
【0022】
入出力処理部20は制御部14が音声処理部22、光ディスク読み取り部24、ハードディスク26、通信インタフェース28、及びコントローラ30にアクセスするためのインタフェースである。音声処理部22はサウンドバッファを含み、ハードディスク26又は光ディスク36からサウンドバッファに読み出された音声データを音声出力部34から出力する。通信インタフェース28はインターネット等の通信ネットワークに家庭用ゲーム機11を有線又は無線接続するためのインタフェースである。
【0023】
光ディスク読み取り部24は光ディスク36に記録されたプログラムやデータを読み取る。なお、ここではプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するために光ディスク36を用いるが、メモリカード等、他の情報記憶媒体を用いるようにしてもよい。また、例えばインターネット等の通信ネットワークを介して遠隔地からプログラムやデータを家庭用ゲーム機11に供給するようにしてもよい。ハードディスク26は一般的なハードディスク装置(補助記憶装置)である。なお、以下で光ディスク36に記憶されることとして説明するプログラムやデータはハードディスク26に記憶されていてもよい。
【0024】
コントローラ30はプレイヤが各種ゲーム操作を行うための操作部である。家庭用ゲーム機11には複数のコントローラ30を有線又は無線接続することが可能である。入出力処理部20は一定周期毎(例えば1/60秒ごと)にコントローラ30の状態をスキャンし、そのスキャン結果を表す操作信号をバス12を介して制御部14に渡す。制御部14はその操作信号に基づいてプレイヤのゲーム操作を判定する。
【0025】
ゲーム装置10では、例えば、プレイヤによって操作されるゲームキャラクタ(以下「プレイヤキャラクタ」と記載する。)がゲーム空間内を移動するゲームが実行される。このゲームは、光ディスク36から読み出されたプログラムが実行されることによって実現される。
【0026】
図2は、主記憶16に構築されるゲーム空間の一例を示す。図2に示すゲーム空間40は、互いに直交する3つのXw,Yw,Zw軸が設定された仮想3次元空間である。なお、ゲーム空間は、互いに直交する2つの軸が設定され仮想2次元空間であってもよい。
【0027】
図2に示すように、ゲーム空間40には、地面を表すオブジェクトである地面オブジェクト(以下、単に「地面」と記載する。)42が配置される。また、プレイヤキャラクタを表すプレイヤキャラクタオブジェクト(以下、単に「プレイヤキャラクタ」と記載する。)44と、敵キャラクタを表す敵キャラクタオブジェクト(以下、単に「敵キャラクタ」と記載する。)46と、が地面42上に配置される。実際には複数の敵キャラクタ46が地面42上に配置されるが、図2では省略されている。
【0028】
プレイヤキャラクタ44はプレイヤの操作に従ってゲーム空間40内を移動する。一方、敵キャラクタ46は所定のアルゴリズム(又は人工知能)に従ってゲーム空間40内を移動する。プレイヤキャラクタ44が敵キャラクタ46に接触したり、プレイヤキャラクタ44が敵キャラクタ46からの攻撃を受けたりすると、プレイヤキャラクタ44の体力パラメータ(ヒットポイント)が減少する。プレイヤキャラクタ44の体力パラメータが所定値(例えば0)になると、ゲームオーバーになる。
【0029】
また、ゲーム空間40には障害領域が存在する。「障害領域」は、プレイヤキャラクタ44の移動が制限される領域であって、かつ、プレイヤキャラクタ44が通過すべき領域である。例えば、図2に示すゲーム空間40には、障害領域として、崖48が存在している。崖48は、プレイヤキャラクタ44の移動を妨げる領域であって、かつ、プレイヤキャラクタ44が飛び越すべき領域である。プレイヤは、コントローラ30を用いてプレイヤキャラクタ44にジャンプを指示することによって、プレイヤキャラクタ44に崖48の一方の端48a(岸)から他方の端48b(対岸)へとジャンプさせる。プレイヤキャラクタ44が崖48を飛び越すことに失敗すると、ゲームオーバーになる。なお、例えば穴、池、又は沼等が崖48の代わりに障害領域として存在するようにしてもよい。また、障害領域は、プレイヤキャラクタ44が飛び越すべき領域に限られない。この点については後述する(図12〜図14参照)。
【0030】
なお、プレイヤキャラクタ44の体力パラメータの値が所定値になった場合や、プレイヤキャラクタ44が崖48を飛び越すことに失敗した場合、直ちにゲームオーバーとするのではなく、いわゆる残機(言い換えれば、プレイヤがゲームをプレイ可能な残り回数)を減少させるようにしてもよい。そして、この残機が0になった場合にゲームオーバーになるようにしてもよい。
【0031】
プレイヤは、ゲームオーバーにならないように配慮しつつ、プレイヤキャラクタ44をスタート領域40sからゴール領域40gまで移動させる。なお、ゲーム空間40(地面42)には、敵キャラクタ46の攻撃等によって行動不可能な状態になっているゲームキャラクタ(ゲームキャラクタオブジェクト)が配置されるようにしてもよい。
【0032】
ゲーム空間40には仮想カメラ50が設定される。仮想カメラ50から見たゲーム空間40を表すゲーム画面が表示部32に表示される。言い換えれば、ゲーム空間40のうちの、仮想カメラ50の視野領域がゲーム画面に表示される。図3はゲーム画面の一例を示す図である。
【0033】
本実施形態の場合、プレイヤキャラクタ44が常にゲーム画面に表示されるように(言い換えれば、プレイヤキャラクタ44が常に仮想カメラ50の視野領域に含まれるように)、仮想カメラ50が制御される。例えば、原則として、プレイヤキャラクタ44が常にゲーム画面の所定領域(中央領域)に表示されるように、プレイヤキャラクタ44の位置に基づいて仮想カメラ50はゲーム空間40内を移動する。その結果として、プレイヤキャラクタ44の移動に応じて、ゲーム画面がスクロールする。
【0034】
以下、このゲームにおいて、プレイヤキャラクタ44が不安を感じていることをプレイヤが比較的容易に実感できるようにすることが可能になる技術について説明する。
【0035】
図4は、ゲーム装置10で実現される機能のうち、本発明に関連する機能を主に示す機能ブロック図である。図4に示すように、ゲーム装置10は、ゲームデータ記憶部60、不安度情報更新部62、及び表示制御部64を含む。例えば、ゲームデータ記憶部60は主記憶16及び光ディスク36によって実現され、不安度情報更新部62及び表示制御部64は制御部14がプログラムを実行することによって実現される。
【0036】
ゲームデータ記憶部60はゲームを実行するために必要なデータを記憶する。例えば、ゲームの現在の状況を示すゲーム状況データがゲームデータ記憶部60に記憶される。例えば、下記に示すようなデータがゲーム状況データに含まれる。
(1)プレイヤキャラクタ44の状態データ
(2)敵キャラクタ46の状態データ
(3)仮想カメラ50の状態データ(位置及び視線方向等)
【0037】
プレイヤキャラクタ44の状態データには、例えば、プレイヤキャラクタ44の現在の位置又は移動方向等を示すデータや、プレイヤキャラクタ44が行っている動作(歩行、走行又はジャンプ等)の種類を示すデータが含まれる。その他、プレイヤキャラクタ44の体力の残りを示す体力パラメータ(ヒットポイント)がプレイヤキャラクタ44の状態データに含まれる。
【0038】
さらに、プレイヤキャラクタ44が感じている不安の程度を示す不安度情報もプレイヤキャラクタ44の状態データに含まれる。本実施形態の場合、プレイヤキャラクタ44が感じている不安の程度を示す数値情報である不安度パラメータが記憶される。図5は不安度パラメータの一例を示す図である。例えば、不安度パラメータは0〜100の数値をとる。プレイヤキャラクタ44が感じている不安の程度が大きいほど、不安度パラメータの値が大きくなる。なお、不安度パラメータは、プレイヤキャラクタ44が感じている恐怖の程度を示すパラメータ、又はプレイヤが怖じ気づいている程度を示すパラメータとも言い換えることができる。不安度パラメータは後述の不安度情報更新部62によって更新される。
【0039】
不安度情報更新部62は、ゲームの状況に関する情報に基づいて、ゲームデータ記憶部60に記憶される不安度情報(不安度パラメータ)を更新する。例えば、不安度情報が示す不安の程度が増すように、不安度情報が更新される。
【0040】
例えば、不安度情報更新部62は、プレイヤキャラクタ44の位置に基づいて設定される領域内に位置している敵キャラクタ46の数に基づいて、不安度パラメータを更新する。ここで、「プレイヤキャラクタ44の位置に基づいて設定される領域」とは、例えば、プレイヤキャラクタ44からの距離が基準距離以内である領域のことである。
【0041】
具体的には、不安度情報更新部62は、上記領域内に位置している敵キャラクタ46の数が基準数よりも多い場合に不安度パラメータを増加させるようにしてもよい。または、不安度情報更新部62は、上記領域内に位置している敵キャラクタ46の数が多くなるほど、不安度パラメータが増加するようにして、不安度パラメータを更新するようにしてもよい。
【0042】
また例えば、不安度情報更新部62は、プレイヤキャラクタ44と敵キャラクタ46との間の距離に基づいて、不安度パラメータを更新するようにしてもよい。具体的には、不安度情報更新部62は、上記距離が基準距離よりも短い場合に不安度パラメータを増加させるようにしてもよい。または、不安度情報更新部62は、上記距離が短くなるほど、不安度パラメータが増加するようにして、不安度パラメータを更新するようにしてもよい。
【0043】
また例えば、不安度情報更新部62は、プレイヤキャラクタ44が敵キャラクタ46から受けたダメージに関する数値情報に基づいて、不安度パラメータを更新するようにしてもよい。ここで、上記「数値情報」は、例えば、敵キャラクタ46から攻撃を受けたことに起因するプレイヤキャラクタ44の体力パラメータの変化量(減少量)である。
【0044】
具体的には、不安度情報更新部62は、上記ダメージの量が基準量よりも大きい場合に不安度パラメータを増加させるようにしてもよい。または、不安度情報更新部62は、上記ダメージの量が大きくなるほど、不安度パラメータが増加するようにして、不安度パラメータを更新するようにしてもよい。
【0045】
また例えば、不安度情報更新部62は、プレイヤキャラクタ44と敵キャラクタ46との接触と敵キャラクタ46からの攻撃との少なくとも一方によって増減される数値情報に基づいて、不安度パラメータを更新するようにしてもよい。ここで、上記「数値情報」は、例えば、プレイヤキャラクタ44の体力パラメータである。
【0046】
具体的には、不安度情報更新部62は、体力パラメータの値が基準値よりも小さい場合に不安度パラメータを増加させるようにしてもよい。または、不安度情報更新部62は、体力パラメータの値が小さくなるほど、不安度パラメータが増加するようにして、不安度パラメータを更新するようにしてもよい。
【0047】
また例えば、不安度情報更新部62は、ゲーム画面に表示された、行動不可能な状態になっているゲームキャラクタの数に基づいて、不安度パラメータを更新するようにしてもよい。具体的には、不安度情報更新部62は、ゲーム画面に表示された、行動不可能な状態になっているゲームキャラクタの数が基準数よりも多い場合に不安度パラメータを増加させるようにしてもよい。または、不安度情報更新部62は、ゲーム画面に表示された、行動不可能な状態になっているゲームキャラクタの数が多いほど、不安度パラメータが増加するようにして、不安度パラメータを更新するようにしてもよい。
【0048】
表示制御部64は、ゲーム空間40のうちの、プレイヤキャラクタ44を含む一部領域を表すゲーム画面を表示部32に表示する。すなわち、表示制御部64は、プレイヤキャラクタ44の周辺領域を表すゲーム画面を表示部32に表示する。
【0049】
本実施形態の場合、表示制御部64は、仮想カメラ50から見たゲーム空間40を表すゲーム画面を表示部32に表示する。また、表示制御部64は、プレイヤキャラクタ44が常に仮想カメラ50の視野領域に含まれるように、プレイヤキャラクタ44の移動に応じて仮想カメラ50を移動させる。その結果、仮想カメラ50の視野領域には常にプレイヤキャラクタ44が含まれ、仮想カメラ50の視野領域が「ゲーム空間40の一部領域」に相当することになる。
【0050】
なお、表示制御部64はプレイヤキャラクタ44の移動に応じてゲーム画面をスクロールさせる。すなわち、表示制御部64は、プレイヤキャラクタ44の移動に応じて、ゲーム画面への表示対象とするゲーム空間40の一部領域を変える。本実施形態の場合、原則としてプレイヤキャラクタ44がゲーム画面(言い換えれば、仮想カメラ50の視野領域)のうちの所定領域(中央領域)に位置するように、プレイヤキャラクタ44の移動に応じて仮想カメラ50が移動する。その結果として、プレイヤキャラクタ44の移動に応じてゲーム画面をスクロールするようになっている。
【0051】
表示制御部64は制限部66及び解除部68を含む。制限部66は、プレイヤキャラクタ44が通過すべき障害領域の一方の端に対応する所定領域にプレイヤキャラクタ44が到達したか否かを判定する。そして、制限部66は、プレイヤキャラクタ44が所定領域に到達した場合、不安度パラメータに基づいて、障害領域の全体がゲーム画面に表示されることを制限する。
【0052】
ここで、上記「障害領域」とは、例えば図2に示すような崖48である。なお、上記「障害領域」は、例えば穴、池、又は沼等であってもよい。また、上記「所定領域」とは、例えば図2に示すように、崖48の一方の端48aからの距離が基準距離(L)以内であるような所定領域52である。
【0053】
例えば、不安度パラメータが基準値より小さい場合(すなわち、不安度が基準不安度よりも小さい場合)、制限部66は、崖48の他方の端48b(対岸)がゲーム画面に表示されることを制限しない。図6はこの場合のゲーム画面の一例を示している。図6に示すゲーム画面では、図3に示すゲーム画面と同様、プレイヤキャラクタ44がゲーム画面の中央領域に表示されている。また、図6に示すゲーム画面では崖48の他方の端48bが表示されている。
【0054】
一方、不安度パラメータが基準値より大きい場合(すなわち、不安度が基準不安度よりも大きい場合)、制限部66は、崖48の他方の端48bがゲーム画面に表示されることを制限する。すなわち、制限部66は、崖48の全体がゲーム画面に表示されることを制限する。例えば、制限部66は、ゲーム画面のスクロールを制限(例えば停止)し、崖48の他方の端48bがゲーム画面に表示されることを制限する。
【0055】
図7はこの場合のゲーム画面の一例を示している。図7に示すゲーム画面では、ゲーム画面のスクロールが停止されたことによって、ゲーム画面の中央領域よりも前方側(右側)の領域にプレイヤキャラクタ44が表示されている。また、図7に示すゲーム画面では、ゲーム画面のスクロールが停止されたことによって、崖48の他方の端48bがゲーム画面に表示されていない。
【0056】
解除部68は、プレイヤキャラクタ44が障害領域を通過するための動作を行った場合、制限部66による制限を解除する。本実施形態の場合、解除部68は、プレイヤキャラクタ44が崖48(障害領域)を飛び越すための動作を行った場合、制限部66による制限を解除する。
【0057】
例えば、解除部68は、プレイヤキャラクタ44が崖48を飛び越すためにジャンプを行った場合、ゲーム画面のスクロールを再開させる。図8はこの場合のゲーム画面の一例を示している。図8に示すように、この場合、崖48の他方の端48bがゲーム画面に表示されるようになる。すなわち、崖48の全体がゲーム画面に表示されるようになる。
【0058】
ここで、制限部66及び解除部68の動作の他の例について説明する。
【0059】
図9はゲーム画面の一例を示す図であり、制限部66の動作の他の一例を説明するための図である。なお、図9において、ゲーム画面内の点線は、通常の場合(すなわち、不安度パラメータが基準値より小さい場合)における崖48の他方の端48bを示している。
【0060】
例えば、不安度パラメータが基準値より大きい場合、制限部66は、図9に示すように、崖48の一方の端48aと他方の端48bとの間の距離を通常の距離(D1)よりも長い距離(D2)に変えることによって、崖48の他方の端48bがゲーム画面に表示されることを制限する。この場合、距離(D2)は、他方の端48bがゲーム画面に表示されなくなるような距離に設定される。
【0061】
また、プレイヤキャラクタ44が崖48を飛び越えるためにジャンプを行った場合、解除部68は、崖48の一方の端48aと他方の端48bとの間の距離を通常の距離(D1)に戻す。その結果として、図8に示すように、崖48の他方の端48bがゲーム画面に表示されるようになる。
【0062】
なお、不安度パラメータが基準値より大きい場合、制限部66は、崖48の他方の端48bの透明度を高める(すなわち、崖48の他方の端48bの透明度を通常の透明度よりも高い透明度に設定する)ようにしてもよい。こうすることによって、崖48の他方の端48bがゲーム画面に表示されることを制限するようにしてもよい。
【0063】
そして、解除部68は、プレイヤキャラクタ44が崖48を飛び越すためにジャンプを行った場合に、崖48の他方の端48bの透明度を元に戻す(すなわち、崖48の他方の端48bの透明度を通常の透明度に設定する)ようにしてもよい。
【0064】
次に、不安度情報更新部62及び表示制御部64を実現するための処理について説明する。図10及び図11は、ゲーム装置10が所定時間(例えば1/60秒)ごとに繰り返し実行する処理のうちの、本発明に関連する処理を主に示すフロー図である。図10及び図11に示す処理を制御部14が実行することによって、不安度情報更新部62及び表示制御部64が実現される。また、制御部14は光ディスク36に記憶されるプログラムに従って、図10及び図11に示す処理を実行する。
【0065】
図10に示すように、まず、制御部14はプレイヤキャラクタ44を制御する(S101)。例えば、制御部14は、コントローラ30から入力される操作信号に基づいて、プレイヤキャラクタ44の状態データ(位置、姿勢及び移動方向等)を更新する。
【0066】
また、制御部14は敵キャラクタ46を制御する(S102)。例えば、制御部14は、所定のアルゴリズム(又は人工知能)に従って、敵キャラクタ46の状態データ(位置、姿勢及び移動方向等)を更新する。また、制御部14は敵キャラクタ46にプレイヤキャラクタ44への攻撃を行わせる。
【0067】
次に、制御部14は、プレイヤキャラクタ44がダメージを受けたか否かを判定する(S103)。例えば、制御部14は、プレイヤキャラクタ44が敵キャラクタ46に接触したか否かを判定する。また例えば、制御部14は、敵キャラクタ46からの攻撃がプレイヤキャラクタ44に当たったか否かを判定する。
【0068】
プレイヤキャラクタ44がダメージを受けた場合、制御部14はプレイヤキャラクタ44の体力パラメータの値を減少させる(S104)。そして、制御部14は、プレイヤキャラクタ44の体力パラメータの値が0(所定値)であるか否かを判定する(S105)。プレイヤキャラクタ44の体力パラメータの値が0である場合、制御部14はゲームオーバー画面を表示部32に表示する(S107)。
【0069】
一方、ステップS103においてプレイヤキャラクタ44がダメージを受けていないと判定された場合、又はステップS105においてプレイヤキャラクタ44の体力パラメータの値が0でないと判定された場合、制御部14はプレイヤキャラクタ44が崖48に落ちたか否かを判定する(S106)。すなわち、制御部14は、プレイヤキャラクタ44が崖48を飛び越すことに失敗したか否かを判定する。プレイヤキャラクタ44が崖48に落ちた場合、制御部14はゲームオーバー画面を表示部32に表示する(S107)。
【0070】
一方、プレイヤキャラクタ44が崖48に落ちていない場合、図11に示すように、制御部14(不安度情報更新部62)は不安度パラメータを更新する(S108)。上述したように、例えば、制御部14は、プレイヤキャラクタ44の体力パラメータの値に基づいて、不安度パラメータを更新する。
【0071】
その後、制御部14はゲーム画面のスクロールが制限されている状態であるか否かを判定する(S109)。なお、ゲーム画面のスクロールは後述のステップS112によって制限される場合がある。
【0072】
ゲーム画面のスクロールが制限されている状態でない場合、制御部14は、プレイヤキャラクタ44が崖48付近に到達したか否かを判定する(S110)。すなわち、制御部14は、プレイヤキャラクタ44の位置が崖48の一方の端48aに対応する所定領域52に含まれるか否かを判定する。
【0073】
プレイヤキャラクタ44が崖48付近に到達した場合、制御部14は不安度パラメータの値が基準値よりも大きいか否かを判定する(S111)。すなわち、制御部14は不安度が基準不安度よりも大きいか否かを判定する。そして、不安度パラメータの値が基準値よりも大きい場合(すなわち、不安度が基準不安度よりも大きい場合)、制御部14(制限部66)は、ゲーム画面のスクロールを制限しつつ、ゲーム画面を更新する(S112)。
【0074】
このステップS112では、制御部14は、仮想カメラ50から見たゲーム空間40を表すゲーム画面をVRAM上に生成し、そのゲーム画面を表示部32に表示する。特に、このステップS112では、プレイヤキャラクタ44が移動したとしても、ゲーム画面への表示対象となるゲーム空間40の領域が変わらないようにして、ゲーム画面が生成される。具体的には、制御部14は、プレイヤキャラクタ44が移動したとしても、仮想カメラ50の位置及び視線方向を一定に保つ。この場合の仮想カメラ50の位置及び視線方向は、崖48の他方の端48b(対岸)がゲーム画面に表示されないような位置及び視線方向に設定される。その結果として、例えば図7に示すようなゲーム画面が表示部32に表示される。
【0075】
一方、ステップS110においてプレイヤキャラクタ44が所定領域52に到達していないと判定された場合、又はステップS111において不安度パラメータの値が基準値よりも大きくないと判定された場合、制御部14は、ゲーム画面のスクロールを制限しないようにしつつ、ゲーム画面を更新する(S113)。
【0076】
このステップS113でも、制御部14(表示制御部64)は、仮想カメラ50から見たゲーム空間40を表すゲーム画面をVRAM上に生成し、そのゲーム画面を表示部32に表示する。特に、このステップS113では、制御部14は、プレイヤキャラクタ44の位置に基づいて、仮想カメラ50を移動させる。具体的には、制御部14は、プレイヤキャラクタ44がゲーム画面(言い換えれば、仮想カメラ50の視野領域)の中央領域に位置するように、仮想カメラ50を移動させる。その結果として、例えば図6に示すようなゲーム画面が表示部32に表示される。
【0077】
ステップS109においてゲーム画面のスクロールが制限されている状態であると判定された場合、制御部14は、プレイヤキャラクタ44が崖48を飛び越す動作を行ったか否かを判定する(S114)。すなわち、制御部14は、プレイヤキャラクタ44が崖48の一方の端48aから他方の端48bに向けてジャンプを行ったか否かを判定する。言い換えれば、制御部14は、プレイヤキャラクタ44に上記ジャンプを指示する操作に対応する操作信号がコントローラ30から入力されたか否かを判定する。
【0078】
プレイヤキャラクタ44が崖48を飛び越す動作を行った場合、制御部14(解除部68)は、ゲーム画面のスクロールを再開させつつ、ゲーム画面を更新する(S115)。このステップS115ではステップS113と同様の処理が実行される。その結果として、例えば図8に示すようなゲーム画面が表示部32に表示される。一方、プレイヤキャラクタ44が崖48を飛び越す動作を行っていない場合、制御部14(制限部66)は、ゲーム画面のスクロールを制限した状態を保ちつつ、ゲーム画面を更新する(S116)。このステップS116ではステップS112と同様の処理が実行される。
【0079】
以上に説明したゲーム装置10では、プレイヤキャラクタ44が感じている不安の程度に関する不安度パラメータの値が比較的大きい場合に、崖48の対岸(他方の端48b)がゲーム画面に表示されなくなる。プレイヤキャラクタ44が崖48に落ちるとゲームオーバーになってしまうので、このように崖48の対岸が見えない状況でプレイヤキャラクタ44をジャンプさせることにプレイヤは躊躇することになる。
【0080】
すなわち、ゲーム装置10によれば、プレイヤキャラクタ44が感じている不安の程度が比較的大きい場合に、図7(又は図9)に示すようなゲーム画面を表示することによりプレイヤの操作を躊躇させ、プレイヤキャラクタ44が感じている不安をプレイヤに実感させることが可能になる。
【0081】
また、ゲーム装置10によれば、プレイヤキャラクタ44が感じている不安の程度をゲームの状況に基づいて取得できるようになる。
【0082】
なお、本発明は以上に説明した実施の形態に限定されるものではない。
【0083】
(1)例えば、ゲームデータ記憶部60は、不安度パラメータの代わりに、プレイヤキャラクタ44が有している自信の大きさを示すパラメータを記憶するようにしてもよい。プレイヤキャラクタ44が有している自信が小さいほど(すなわち、プレイヤキャラクタ44が感じている不安が大きいほど)、このパラメータの値は小さくなる。このパラメータの値が基準値よりも小さい場合とは、不安度パラメータの値が基準値よりも大きい場合に相当する。このため、この態様では、上記パラメータが基準値より小さい場合、制限部66は、崖48の他方の端48bがゲーム画面に表示されることを制限する。
【0084】
(2)また例えば、ゲームデータ記憶部60は、体力パラメータの代わりに、プレイヤキャラクタ44が受けたダメージの累計値を示すパラメータを記憶するようにしてもよい。このパラメータの値は、プレイヤキャラクタ44が敵キャラクタ46と接触した場合やプレイヤキャラクタ44が敵キャラクタ46から攻撃を受けた場合に増加される。このパラメータの値が基準値よりも大きい場合とは、体力パラメータの値が基準値よりも小さい場合に相当する。このため、この態様では、不安度情報更新部62は、上記パラメータの値が基準値よりも大きい場合に不安度パラメータを増加させる。または、不安度情報更新部62は、上記パラメータの値が大きくなるほど、不安度パラメータが増加するようにして、不安度パラメータを更新する。
【0085】
(3)また例えば、障害領域は崖48に限られない。図12、図13、及び図14は障害領域の他の例について説明するための図である。なお、図12〜図14において、実線で表された部分はゲーム画面に表示される部分であり、点線で表された部分はゲーム画面に表されていない部分である。
【0086】
(3−1)図12に示す例では岩70が配置されている。岩70の先端部分70aには複数の尖部分が設けられており、先端部分70aはのこぎりの歯のようになっている。この先端部分70aにプレイヤキャラクタ44が接触すると、プレイヤキャラクタ44の体力パラメータ(ヒットポイント)が減少し、ゲームオーバーになる場合がある。このため、プレイヤキャラクタ44は、岩70の先端部分70aに接触しないようにしつつ、岩70と地面42との間の領域72(障害領域)を一方の端72aから他方の端72bに向かって通過する必要がある。具体的には、プレイヤキャラクタ44は上記領域72をしゃがんだ状態で移動したり、スライディングしながら移動したりする必要がある。
【0087】
この例では、プレイヤキャラクタ44が上記領域72の一方の端72a側の所定領域(図2に示す所定領域52に相当する領域)に達した場合、制限部66は、不安度パラメータに基づいて、上記領域72の全体がゲーム画面に表示されることを制限する。言い換えれば、制限部66は、不安度パラメータに基づいて、上記領域72の他方の端72bがゲーム画面に表示されることを制限する。例えば、不安度パラメータが基準値より大きい場合(すなわち、不安度が基準不安度よりも大きい場合)、制限部66は、ゲーム画面のスクロールを制限(例えば停止)し、図12に示すように、上記領域72の他方の端72bがゲーム画面に表示されることを制限する。
【0088】
また、この例では、プレイヤキャラクタ44が上記領域72を一方の端72aから他方の端72bに向かって通過するための動作を行った場合、解除部68は制限部66による制限を解除する。すなわち、制限部66はゲーム画面のスクロールを再開させる。なお、「上記領域72を通過するための動作」は、例えば、しゃがんだ状態での移動動作、又はスライディングしながらの移動動作である。
【0089】
(3−2)図13及び図14に示す例では岩74が配置されている。この場合、プレイヤキャラクタ44は岩74と地面42との間の領域78を一方の端78aから他方の端78bに向かって通過する必要がある。
【0090】
岩74は不安定な状態にあり、上記領域78の一方の端78aにプレイヤキャラクタ44が近づくと、岩74が落下するようになっている(図14参照)。落下した岩74にプレイヤキャラクタ44が挟まれると、ゲームオーバーになる。なお、上記領域78内には支柱76が立てられている。支柱76は他方の端78b側に立てられている。すなわち、支柱76は、他方の端78bとの間の距離が一方の端78aとの間の距離よりも短くなるような位置に立てられている。落下した岩74はこの支柱76によって支えられる。このため、落下した岩74は地面42に接しないようになっている。また、一定時間が経過すると、落下した岩74は元の位置に戻るようになっている(図13参照)。
【0091】
岩74が落下した状態では、プレイヤキャラクタ44は上記領域78をしゃがんだ状態で移動したり、スライディングしながら移動したりする必要がある。そして、落下した岩74が元の位置に戻ったタイミングで、プレイヤキャラクタ44は支柱76を越えて進んでいく必要がある。
【0092】
この例では、プレイヤキャラクタ44が上記領域78の一方の端78a側の所定領域(図2に示す所定領域52に相当する領域)に達した場合、制限部66は、不安度パラメータに基づいて、上記領域78の全体がゲーム画面に表示されることを制限する。すなわち、制限部66は、不安度パラメータに基づいて、上記領域78の他方の端78b及び支柱76がゲーム画面に表示されることを制限する。例えば、不安度パラメータが基準値より大きい場合(すなわち、不安度が基準不安度よりも大きい場合)、制限部66は、ゲーム画面のスクロールを制限(例えば停止)し、図13及び図14に示すように、上記領域78の他方の端78b及び支柱76がゲーム画面に表示されることを制限する。
【0093】
また、この例では、プレイヤキャラクタ44が上記領域78を一方の端78aから他方の端78bに向かって通過するための動作を行った場合、解除部68は制限部66による制限を解除する。すなわち、制限部66はゲーム画面のスクロールを再開させる。なお、「上記領域78を通過するための動作」は、例えば、しゃがんだ状態での移動動作、又はスライディングしながらの移動動作である。
【0094】
なお、図12〜図14における岩70,74及び支柱76は他のオブジェクトであってもよい。
【0095】
(4)また例えば、ゲーム装置10で実行されるゲームは、以上に説明したようなゲーム以外のゲームにも適用することが可能である。また、本発明は複数のプレイヤがネットワークを介して参加するネットワークゲームにも適用することができる。
【符号の説明】
【0096】
10 ゲーム装置、11 家庭用ゲーム機、12 バス、14 制御部、16 主記憶、18 画像処理部、20 入出力処理部、22 音声処理部、24 光ディスク読み取り部、26 ハードディスク、28 通信インタフェース、30 コントローラ、32 表示部、34 音声出力部、36 光ディスク、40 ゲーム空間、40s スタート領域、40g ゴール領域、42 地面、44 プレイヤキャラクタ、46 敵キャラクタ、48 崖、50 仮想カメラ、52 所定領域、60 ゲームデータ記憶部、62 不安度情報更新部、64 表示制御部、66 制限部、68 解除部、70,74 岩、72,78 領域、76 支柱。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレイヤによって操作されるプレイヤキャラクタがゲーム空間内を移動するゲームを実行するゲーム装置において、
前記ゲーム空間は、前記プレイヤキャラクタが一方の端から他方の端へ向かって通過すべき障害領域を含み、
前記ゲーム装置は、
前記ゲーム空間のうちの、前記プレイヤキャラクタを含む一部領域を表すゲーム画面を表示手段に表示させる表示制御手段と、
前記プレイヤキャラクタが感じている不安の程度に関する不安度情報を記憶する記憶手段と、
前記障害領域の前記一方の端に対応する所定領域に前記プレイヤキャラクタが到達した場合、前記不安度情報に基づいて、前記障害領域の全体が前記ゲーム画面に表示されることを制限する制限手段と、
前記プレイヤキャラクタが前記障害領域を前記一方の端から前記他方の端に向かって通過するための動作を行った場合、前記制限手段による制限を解除する解除手段と、
を含むことを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
請求項1に記載のゲーム装置において、
前記障害領域は、前記プレイヤキャラクタが飛び越すべき領域であり、
前記制限手段は、前記障害領域の前記他方の端が前記ゲーム画面に表示されることを制限し、
前記解除手段は、前記プレイヤキャラクタが前記障害領域を飛び越すための動作を行った場合、前記制限手段による制限を解除する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のゲーム装置において、
前記表示制御手段は、前記プレイヤキャラクタの移動に応じて、前記ゲーム画面をスクロールさせる手段を含み、
前記制限手段は、前記プレイヤキャラクタが前記所定領域に到達した場合、前記不安度情報に基づいて、前記ゲーム画面のスクロールを制限することによって、前記障害領域の全体が前記ゲーム画面に表示されることを制限し、
前記解除手段は、前記プレイヤキャラクタが前記障害領域を前記一方の端から前記他方の端に向かって通過するための動作を行った場合、前記ゲーム画面のスクロールを再開する、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のゲーム装置において、
前記制限手段は、前記プレイヤキャラクタが前記所定領域に到達した場合、前記不安度情報に基づいて、前記障害領域の前記一方の端と前記他方の端との間の距離を通常の距離よりも長い距離に変えることによって、前記障害領域の前記他方の端が前記ゲーム画面に表示されることを制限し、
前記解除手段は、前記プレイヤキャラクタが前記障害領域を前記一方の端から前記他方の端に向かって通過するための動作を行った場合、前記障害領域の前記一方の端と前記他方の端との間の距離を通常の距離に戻す、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のゲーム装置において、
前記ゲームの状況に関連する情報に基づいて、前記不安度情報を更新する更新手段を含み、
前記ゲームの状況に関連する前記情報は、
前記プレイヤキャラクタの位置に基づいて設定される領域内に位置している敵キャラクタの数に関する数値情報と、
前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの間の距離に関する距離情報と、
前記プレイヤキャラクタが受けたダメージに関する数値情報と、
前記プレイヤキャラクタと前記敵キャラクタとの接触と、敵キャラクタからの攻撃と、の少なくとも一方に基づいて増減される数値情報と、
前記ゲーム画面に表示された、所定状態にあるゲームキャラクタの数と、のうちの少なくとも一つを含む、
ことを特徴とするゲーム装置。
【請求項6】
プレイヤによって操作されるプレイヤキャラクタがゲーム空間内を移動するゲームを実行するゲーム装置の制御方法において、
前記ゲーム空間は、前記プレイヤキャラクタが一方の端から他方の端へ向かって通過すべき障害領域を含み、
前記ゲーム装置の制御方法は、
前記ゲーム空間のうちの、前記プレイヤキャラクタを含む一部領域を表すゲーム画面を表示手段に表示させる表示制御ステップと、
前記プレイヤキャラクタが感じている不安の程度に関する不安度情報を記憶してなる記憶手段の記憶内容を取得するステップと、
前記障害領域の前記一方の端に対応する所定領域に前記プレイヤキャラクタが到達した場合、前記不安度情報に基づいて、前記障害領域の全体が前記ゲーム画面に表示されることを制限する制限ステップと、
前記プレイヤキャラクタが前記障害領域を前記一方の端から前記他方の端に向かって通過するための動作を行った場合、前記制限ステップによる制限を解除する解除ステップと、
を含むことを特徴とするゲーム装置の制御方法。
【請求項7】
プレイヤによって操作されるプレイヤキャラクタがゲーム空間内を移動するゲームを実行するゲーム装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記ゲーム空間は、前記プレイヤキャラクタが一方の端から他方の端へ向かって通過すべき障害領域を含み、
前記プログラムは、
前記ゲーム空間のうちの、前記プレイヤキャラクタを含む一部領域を表すゲーム画面を表示手段に表示させる表示制御手段、
前記プレイヤキャラクタが感じている不安の程度に関する不安度情報を記憶してなる記憶手段の記憶内容を取得する手段、
前記障害領域の前記一方の端に対応する所定領域に前記プレイヤキャラクタが到達した場合、前記不安度情報に基づいて、前記障害領域の全体が前記ゲーム画面に表示されることを制限する制限手段、及び、
前記プレイヤキャラクタが前記障害領域を前記一方の端から前記他方の端に向かって通過するための動作を行った場合、前記制限手段による制限を解除する解除手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−177405(P2011−177405A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46245(P2010−46245)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(506113602)株式会社コナミデジタルエンタテインメント (1,441)
【Fターム(参考)】