説明

ゲーム装置に用いる操作体

【課題】スクリーンに投影される画像に従ってゲームを進行させるゲーム装置に用いた場合に確実に検出可能なブロックを提供する。
【解決手段】ブロック6は、外観が略直方体に形成されており、上面には二つの突出部6aが設けられ、底面には二つの陥没部6bが設けられている。ブロック6の各側面には予め定められた円形状をした穴部6cが設けられ、各穴部6cには円形状に形成された空間をブロック6の内側から塞ぐ遮光板6dが設けられている。遮光板6dの表面は、ブロック6の表面よりも赤外線の吸収率が高くなるように加工されている。赤外線CCDカメラを用いてブロック6の側面を撮影すると、ブロック6の穴部6cに形成される円形状が周辺よりも強調されて映し出される。撮影された映像から予め定められた円形状を認識することで、ブロック6を確実に検出することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スクリーンに投影される画像に従ってゲームを進行させるゲーム装置に用いる操作体に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、スクリーンの前面側に接触した物体の接触位置を、スクリーンの背面側から投射した赤外線を用いて決定する装置が開示されている。この装置では、赤外線が投射されているスクリーンで反射した放射光を含む背景画像を予め記憶しておき、スクリーンの前面側に指を接触させた場合に、指で反射する放射光を含むモニタ画像から、予め記憶した背景画像を減算することで指の接触位置を決定している。
【0003】
下記特許文献2には、互いに嵌合可能な凸凹を有する直方体のブロック玩具が開示されている。
【特許文献1】特表2000−506643号公報
【特許文献2】特開平6−190154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1の技術を、スクリーンに投影される画像に従ってゲームを進行させるゲーム装置に採用することができれば、遊技者がゲームに参加しながら楽しくゲームを進行させることが可能となる。
【0005】
しかしながら、スクリーンの手前側に載置される物体として、上記特許文献2に記載されているような直方体のブロック玩具を採用した場合には、ブロック玩具の端部付近の反射光がぼやけてしまい、スクリーンの手前側に載置されたブロック玩具を確実に検出できないことも考えられる。
【0006】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、スクリーンに投影される画像に従ってゲームを進行させるゲーム装置に用いる操作体であって、確実に検出可能な操作体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明にかかる操作体は、所定波長の光を反射する操作体からの反射光によって上記操作体を検出し、検出した操作体に対応する画像をスクリーンに投影させるとともに、スクリーンに投影される画像に従ってゲームを進行させるゲーム装置に用いる操作体であって、表面の一部分に、所定波長の光を、表面の他の部分よりも吸収する標識を設けたことを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、例えば、操作体に所定波長の光を投射し、所定波長領域に感度分布を持つカメラを用いて操作体を撮影した場合に、操作体に設けられた標識を周辺よりも強調して映し出させることができるため、カメラの画像を用いて標識を認識することで確実に操作体を検出することができる。
【0009】
本発明において、上記操作体は多面体であって、上記標識は、スクリーンの手前側に設けられた操作体載置台上に操作体が載置されたときに、多面体を構成する各面のうち、少なくともスクリーン面と対向し得る面に設けることを特徴とする。
【0010】
これにより、操作体の少なくともスクリーンと対向し得る面に標識を設けることができるため、スクリーンを透過した光を確実に反射することができる。
【0011】
本発明において、上記標識は、スクリーン面と対向し得る面ごとに一または複数設けることを特徴とする。
【0012】
これにより、操作体のスクリーンと対向し得る面ごとに標識の数を変えることができるため、操作体におけるどの面がスクリーンと対向しているのかを認識させることができ、遊戯者の操作体の積み方の幅を広げることができる。
【0013】
本発明において、上記標識は、予め定められた特定の形であることを特徴とする。
【0014】
これにより、操作体の検出に用いる特定の形をした標識を操作体に付与することができ、特定の形をした標識を認識することで操作体を確実に検出することが可能となる。また、スクリーンに対向し得る面ごとに標識の形を変えることで、操作体におけるどの面がスクリーンと対向しているのかを認識させることができるため、遊戯者の操作体の積み方の幅を広げることができる。
【0015】
本発明において、上記標識は、穴部を設けて形成することを特徴とする。
【0016】
これにより、穴部が光源から投射される光を透過させることができるため、穴部以外の操作体の表面と穴部とにおける光への反応を確実に識別することができる。
【0017】
本発明において、上記穴部を操作体の内側から塞ぐ遮光板をさらに設け、当該遮光板の表面が、操作体の上記穴部以外の表面よりも上記所定波長の光の吸収率が高くなるように加工することを特徴とする。
【0018】
これにより、遮光板によって所定波長の光が吸収されるので、操作体を確実に認識することができる。
【0019】
本発明において、上記標識は、下端部に設けられた切欠部によって形成することを特徴とする。
【0020】
これにより、操作体を積み上げたときに認識可能な標識を形成させることができるため、操作体が正確に積み上げられているか否かの判定も兼ねることができる。穴部ではなく切欠部とすることで型抜きができ、また、操作体ごとに切り欠きの位置を変えることでブロックの種類分けをすることができる。
【0021】
本発明において、上記他の操作体との接合部付近に接合補助具を設けることとしてもよい。
【0022】
これにより、操作体を積み上げる際に、操作体同士を確実に嵌合させることができるため、操作体同士が完全に嵌合されていない状態で積み上げられてしまう事態を防止することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、スクリーンに投影される画像に従ってゲームを進行させるゲーム装置に用いる操作体を確実に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るゲーム装置に用いる操作体の好適な実施形態を詳細に説明する。本実施形態におけるゲーム装置は、スクリーンの手前側に設けられた台の上に遊戯者がブロック(操作体)を積み上げていき、積み上げられたブロックの載置状態に応じてゲーム内容を展開させていくアクション型のゲーム装置である。このようなゲーム装置の構成を以下に説明する。
【0025】
まず、本実施形態におけるゲーム装置の外観構成について説明する。図1は、ゲーム装置の外観構成図である。図1に示すように、ゲーム装置1は、筺体2と、ゲーム画像を表示するためのスクリーン3と、遊戯者が操作するブロック6を載置するための載置台4と、ブロック6を収納するための収納部5と、を有する。以下の記述では、筐体2において、スクリーン3がある側を前方とする。
【0026】
スクリーン3は、筺体2の前面側に設けられ、筺体2によって略鉛直状態に支持されている。スクリーン3は、筺体2の内部に設けられたプロジェクタによってスクリーン3の背面側から投射された光を透過させ、スクリーン3の前面に映像を映し出す透過型のスクリーンである。なお、スクリーン3は、必ずしも略鉛直状態に支持されている必要はない。
【0027】
載置台4は、スクリーン3の前面側の下端部に設けられている。この載置台4上に載置する各ブロック6には、ブロック6同士を互いに組み合わせるための突出部6aおよび陥没部6bが設けられている。載置台4のブロック6を載置する面上には、突起部4aが設けられている。載置台4の突起部4aとブロック6の陥没部6bを嵌合させることで、ブロック6の載置位置は限定される。これにより、ブロック6が存在するか否かを判定するための検出位置を限定的に設定することができる。すなわち、ブロック6が存在する可能性のある位置のみにおいてブロック6の検出の有無を判定することで、ブロック6の載置状態を精度良く判定することができる。なお、検出位置の場所や数は、ブロック6の大きさや形状に応じてブロック6の載置状態を判定することができるよう、適宜設定することができる。例えば、ブロック6の表面に穴があるなど形状に特徴がある場合には、その特徴部分のみを検出するようにすればよい。
【0028】
次に、図2および図3を参照して、本実施形態におけるブロックの構成について説明する。図2は、ブロックの正面図であり、その一部が断面図として表わされている。図3は、ブロックの分解斜視図である。
【0029】
ブロック6は、外観が略直方体に形成されており、上部ケース6xと下部ケース6yを接合することで組み立てられる。ブロック6の上面にあたる上部ケース6xの外側の上面には二つの突出部6aが設けられ、ブロック6の底面にあたる下部ケース6yの外側の底面には二つの陥没部6bが設けられている。また、上部ケース6xと下部ケース6yを接合することで、ブロック6の各側面に予め定められた円形状をした穴部6cが形成される。四つの側面のうち、面積が大きい方の二つの側面にはそれぞれ二つの穴部6cが設けられており、面積が小さい方の二つの側面にはそれぞれ一つの穴部6cが設けられている。
【0030】
各穴部6cには、円形状に形成された空間をブロック6の内側から塞ぐ遮光板6dが設けられている。遮光板6dの表面は、ブロック6の表面よりも赤外線の吸収率が高くなるように加工されている。例えば、赤外線を吸収し易い色である黒色の板を遮光板として用いることができる。これにより、赤外線領域に感度分布を持つCCDカメラを用いて、赤外線が投射されているブロック6の側面を撮影すると、ブロック6の穴部6cに形成される円形状が周辺よりも強調されて映し出されることになる。したがって、CCDカメラを用いて撮影された映像から予め定められた円形状を認識することで、ブロック6を検出することが可能となる。なお、遮光板6dの大きさや形は図に示すものには限定されない。
【0031】
他のブロック6との接合部となる突出部6aおよび陥没部6bには、それぞれ接合補助具としての座金6eおよび磁石6fが付設されている。磁石6fは、下部ケース6yの陥没部6bの内側に設けられた磁石係止部6jによって係止されている。座金6eは、上部ケース6xの突出部6a内側に設けられた溝部6kに嵌め込まれて係止されている。このように構成することで、ブロック6同士を突出部6aと陥没部6bとで嵌合させようとして近づけると、磁石6fに金属片である座金6eが引き寄せられてブロック同士が吸着することになる。これにより、ブロック6を積み上げる際に、ブロック同士を磁石と金属片との吸着によって確実に嵌合させることができるため、ブロックが嵌合されていない状態で積み上げられてしまう事態を防止することができる。なお、ブロック同士を嵌合させる部材は、座金および磁石には限定されず、ブロック同士を接合可能な接合補助具であればよい。
【0032】
ブロック6の上部ケース6xと下部ケース6yの各穴部6cに対応する側面の内側には、遮光板6dを係止するための遮光板係止部6iがそれぞれ設けられている。遮光板係止部6iは、左右係止部6iaと、上部係止部6ibと、下部係止部6icとを有する。ブロック6の上部ケース6xと下部ケース6yの内側の四隅には、それぞれ円柱上のネジ穴6hが設けられている。ネジ穴6hは、上部ケース6xと下部ケース6yをネジで接合する際に用いられる。なお、ネジ穴6hの位置や個数は、これに限定されない。
【0033】
ブロック6は、例えば、以下の手順で組み立てることができる。最初に、磁石6fが取り付けられた下部ケース6yの左右係止部6iaおよび下部係止部6icに6枚の遮光板6dをセットする。続いて、座金6eが取り付けられた上部ケース6xを、上部ケース6xの左右係止部6iaに遮光板6dを挿入させながら、下部ケース6yに載せる。これにより、各遮光板6dは、左右係止部6iaと下部係止部6icと上部係止部6ibとで固定される。続いて、ネジ穴6hにネジを回し込んで上部ケース6xと下部ケース6yをネジ止めする。これにより、ブロック6の穴部6cの内側に遮光板6dが配置され、穴部6cをブロック6の内側から遮光板6dで塞ぐことができる。
【0034】
次に、本実施形態におけるゲーム装置1の内部構成について説明する。図4は、図1のIV−IV線断面図である。図4に示すように、ゲーム装置1の筺体2の内部には、プロジェクタ10と、プロジェクタ用鏡19と、光源部20と、カメラ30と、カメラ用鏡39とが備えられている。
【0035】
プロジェクタ10は、スクリーン3にゲーム画像を投影するための投影装置である。このプロジェクタ10の光軸は、ゲーム装置1の後部側に設けられたプロジェクタ用鏡19に向けられている。プロジェクタ用鏡19は、プロジェクタ10からスクリーン3に至るまでの光路を屈折させる反射部材である。プロジェクタ10とプロジェクタ用鏡19は、プロジェクタ10からゲーム装置1の後方側上方に向けて投射された光線が、プロジェクタ用鏡19で屈折してスクリーン3の背面全体に行き渡る位置に配置されている。このようにプロジェクタ10とプロジェクタ用鏡19を配置することで、スクリーン3の前面全体にゲーム画像を表示させることが可能となる。
【0036】
光源部20は、スクリーン3を透過する赤外線をスクリーン3の背面側から載置台4上のブロック6に投射するLEDを複数有する。LEDは、例えば波長890nmの赤外線を投射する。なお、光源部20が投射する光は、波長890nmの赤外線には限定されない。例えば、不可視光であってもよく、スクリーン3を透過することが可能な所定波長の光であればよい。
【0037】
カメラ30は、光源部20による赤外線の投射先をスクリーン3の背面側から撮影するための撮影装置である。すなわち、カメラ30は、ブロック6で反射した赤外線を検出するための装置である。カメラ30は、入射光の光量を抑える減光フィルタと、特定の赤外線波長の光をピークとして透過させるバンドパスフィルタと、赤外線領域に感度分布を持つCCDカメラとを有する。バンドパスフィルタのピーク波長は、LEDが投射する赤外線の波長(本実施形態では890nm)と同値に設定される。なお、カメラ30は、赤外線のみを検出する撮影装置である必要はなく、赤外線に加えて赤外線以外の光も検出可能な撮影装置であってもよい。
【0038】
カメラ30の光軸は、ゲーム装置1の後部側に設けられたカメラ用鏡39に向けられている。カメラ用鏡39は、スクリーン3からカメラ30に至るまでの光路を屈折させる反射部材である。カメラ30とカメラ用鏡39は、カメラ用鏡39で反射されて形成されるスクリーン3の背面全体を含む写像が、カメラ用鏡39からゲーム装置1の前方側上方に向けて投射され、この投射された写像をカメラ30で撮影できる位置に配置されている。このようにカメラ30とカメラ用鏡39を配置することで、LEDから投射されてスクリーン3を透過した後に載置台4上のブロック6の表面で反射した赤外線をカメラ30で捉えることが可能となる。
【0039】
このように、カメラ30とプロジェクタ10をスクリーン3の背面側に配置したうえで、カメラ30をゲーム装置1の上方側に配置し、プロジェクタ10をカメラ30よりも下方側に配置するとともに、カメラ用鏡39をカメラ30よりも後方かつ下方側に配置し、プロジェクタ用鏡19を、カメラ用鏡39よりも下方側であってプロジェクタ10よりも後方かつ上方側に配置することで、プロジェクタ10の光路とカメラ30の光路が互いに干渉し合う事態を防止することができる。
【0040】
また、ゲーム装置1の筺体2の内部には、図示しない制御部が備えられている。制御部は、物理的には、中央演算処理装置としてのCPUと、記憶部としてのROMおよびRAMを有する。このような制御部では、CPUが、ROMに記憶されている各種の制御プログラムに従って、ROMやRAMに記憶されている各種のデータを用いながら各種の処理を実行することでゲームを進行させる。これにより、上述したゲーム装置1の各部が制御され、ゲーム状況が制御される。
【0041】
制御部は、例えば以下のような制御を行う。制御部は、ゲームを開始すると、載置台4上に載置されたブロック6によって前面側が遮蔽されたスクリーン3上の領域を決定する。制御部50は、決定したスクリーン3上の領域に対応するゲーム画面上にオブジェクトを配置する。制御部は、配置したオブジェクトに対してスクリーンに映されたキャラクタを反応させながらゲーム状況を制御する。キャラクタの反応としては、例えば、キャラクタにオブジェクトを登らせる等が該当する。
【0042】
載置台4上に載置されたブロック6に対応するスクリーン3上の領域は、例えば以下のように決定する。最初に、制御部は、カメラ30で撮影された映像を用いて、載置台4上に載置されたブロック6を検出する。ここで、上述したように光源部20から投射される赤外線はスクリーン3を透過する。したがって、スクリーンを隔てて載置台4上に載置されているブロック6にも赤外線が投射され、赤外線はブロック6の表面で反射することになる。これにより、カメラ30は、スクリーン3を隔てて置かれているブロック6の映像を撮影することができる。
【0043】
制御部は、カメラ30によって得られた画像情報を用いて、予め定められた上記ブロック検出位置に物体が存在するか否かを判定し、物体が存在する場合には、その物体がブロック6であるか否かをパターン認識により判定することで載置台4上に載置されたブロック6を検出する。続いて、制御部50は、検出したブロック6のブロック検出位置を用いて、このブロック検出位置に対応するスクリーン上の領域を決定する。
【0044】
パターン認識は、例えば、記憶部に予め登録されている認識パターンを用いて、カメラ30によって得られた画像情報に含まれる物体の特定位置に、認識パターンと一致するパターンが存在するか否かを判定することにより、行うことができる。認識パターンとしては、ブロック6の穴部6cに形成される円形状と同一のパターンが用いられる。
【0045】
上述してきたように、本実施形態のゲーム装置1に用いられるブロック6では、ブロック6に赤外線を投射し、赤外線領域に感度分布を持つCCDカメラを用いてブロック6を撮影した場合に、ブロック6に設けられた穴部6cによって形成される円形状を周辺よりも強調させて映し出させることができるため、CCDカメラの映像から当該円形状を認識することで、確実にブロック6を検出させることができる。したがって、ゲームの進行中に、スクリーン3の前面側下端部に設けられた載置台4上にブロック6が載置された場合に、ブロックが載置されたことを確実に検出させることが可能となる。
【0046】
なお、上述した実施形態では、ブロック6同士を嵌合させる際に、磁石6fと座金6eを用いて吸着させているが、ブロック6同士を嵌合させる方法はこれに限定されない。例えば、一方のブロック6の突出部6aを他方のブロック6の陥没部6bに外力を用いて嵌め込ませることでブロック6同士を嵌合させることとしてもよい。図5〜図6に示すブロックを参照して具体的に説明する。図5は、本変形例におけるブロックの正面図であり、図6は、同ブロックを真下から見た図である。
【0047】
図5に示すように、突出部6aは、突出部6aの端部から中程に向かうにしたがって徐々に外径が拡がっていき、突出部6aの中程から根元に向かうにしたがって徐々に外径が狭まっていき、最後に根元付近に向けで外径が拡がるように設計されている。突出部6aの中程の外径は、陥没部6bの内径よりも大きく設計されている。一方、図6に示すように、陥没部6bは、ブロック6の各側面の下端部に設けられた切欠部6gと接続されている。切欠部6gは、陥没部6bの内径を拡げる機能を有する。また、陥没部6bには、陥没によって形成される内壁から陥没部の内径の中心に向けて突出する凸部6baが設けられている。このような凸部6baを設けることで、陥没部6bに嵌め込まれた突出部6aを係止させ、外れ難くすることができる。
【0048】
このように構成することで、突出部6aを陥没部6bに嵌め込む際には、突出部6aが中程まで挿入される段階では、陥没部6bの内径は徐々に拡げられていき、突出部6aが中程まで挿入された後の段階では、陥没部6bの内径は徐々に狭まっていく。一方、陥没部6bから突出部6aを抜き出す際には、突出部6aが中程まで抜き出される段階では、陥没部6bの内径が徐々に拡げられていき、突出部6aが中程まで抜き出された後の段階では、陥没部6bの内径が徐々に狭まっていく。
【0049】
ここで、陥没部6bの内径を拡げるためには外力が必要となる。したがって、突出部6aを陥没部6bに嵌め込む際や、陥没部6bから突出部6aを抜き出す際には、外力が必要となる。それゆえ、磁石を設けることなく、ブロック6同士を簡単に外れないように接合させることが可能となる。
【0050】
また、本変形例におけるブロック6では、上述した実施形態におけるブロック6の穴部6cを設けることなく、切欠部6gを穴部6cと同様に用いてブロックを検出させている。その仕組みを以下に説明する。ブロック6同士を上下に嵌合させると、上側のブロック6の切欠部6gによって特定形状の空間が形成される。この特定形状の空間は、下側のブロック6の突出部6aの壁面によって内側から塞がれる。これと同様に、ブロック6をゲーム装置1の載置台4の突起部4aに嵌合させた場合にも、ブロック6の切欠部6gによって特定形状の空間が形成され、この空間は載置台4の突起部4aの壁面によって内側から塞がれることになる。
【0051】
したがって、突出部6aの壁面および載置台4の突起部4aの壁面を、ブロック6の表面よりも赤外線の吸収率が高くなるように加工しておくことで、赤外線領域に感度分布を持つCCDカメラを用いて、赤外線が投射されている設置台上に載置されたブロック6を撮影すると、ブロック6の切欠部6gによって形成される特定形状が周辺よりも強調されて映し出されることになる。つまり、CCDカメラを用いて撮影された映像から予め定められた特定形状を認識することで、ブロック6を検出することが可能となる。なお、特定形状を認識する方法は、赤外線の吸収度合に応じて認識することには限定されず、例えば、光の反射度合に応じて認識することとしてもよい。
【0052】
ここで、ブロック6の切欠部6gによって形成される特定形状は、ブロック6が正確に積み上げられたときに認識可能な形状となるため、この特定形状を認識することで、ブロック6が正確に積み上げられているか否かの判定も兼ね備えることができる。また、切欠部6gの位置や形状、大きさに種類を持たせることで、ブロック6のどの位置に設けられた切欠部6gであるのかを判定することができるとともに、ブロックがどのように積み上げられているのかも判定することが可能となる。例えば、略直方体の二つのブロックAとブロックBの嵌合において、ブロックAの陥没部6bの一部をブロックBの突出部6aの一部にのみ嵌め込んだ状態で積み上げた場合には、ブロックAは、その半分がブロックBから突き出した状態で積み上げられていること等を認識することが可能となる。
【0053】
また、上述した実施形態では、略直方体のブロックについて説明したが、ブロックの形状は略直方体には限定されない。ブロックの形状は、積み上げ可能な立体形状であればよく、多面体であることが好ましい。
【0054】
また、上述した実施形態では、ブロックの各側面に穴部を設けているが、穴部を設ける面は、側面には限定されない。載置台4上にブロック6が載置されたときに、ブロックを構成する各面のうち、少なくともスクリーン面と対向し得る面に設けることができればよい。また、各面に設ける穴部は、一つや二つに限定されず、三つ以上設けることとしてもよい。
【0055】
また、上述した実施形態では、ブロックを認識させるために、穴部6cおよび遮光板6dを用いているが、これに限定されない。例えば、遮光板を設けずに穴部だけを設けることとしてもよいし、穴部を設けずに、例えば、赤外線の吸収率が高い黒色の塗料やシール等を用いて標識を設けることとしてもよい。つまり、ブロックの表面の一部分に、表面の他の部分よりも赤外線を吸収する標識を設けることができればよい。ただし、標識が吸収する対象は赤外線に限定されず、上述した不可視光であってもよい。
【0056】
また、上述した実施形態では、円形状の穴部6cを用いて説明しているが、穴部によって形成される形状は、円形状に限定されず、他の形状であってもよい。ブロック検出時のパターン認識で用いる認識パターンと一致する特定の形状であればよい。
【0057】
また、上述した実施形態では、遊技者が操作する操作体としてブロック6を用いて説明しているが、操作体はブロック6に限定されない。遊技者が操作可能な物体であって、載置台4上に積み重ね可能な物体であれば他の物体にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】実施形態におけるゲーム装置の外観構成図である。
【図2】実施形態におけるブロックの正面図および断面図である。
【図3】実施形態におけるブロックの分解斜視図である。
【図4】図1のIV−IV線断面図である。
【図5】変形例におけるブロックの正面図である。
【図6】変形例におけるブロックを真下から見た図である。
【符号の説明】
【0059】
1…ゲーム装置、2…筺体、3…スクリーン、4…載置台、4a…突起部、5…収納部、6…ブロック、6a…突出部、6b…陥没部、6ba…凸部、6c…穴部、6d…遮光板、6e…座金、6f…磁石、6g…切欠部、6h…ネジ穴、6i…遮光板係止部、6j…磁石係止部、6k…溝部、6x…上部ケース、6y…下部ケース、10…プロジェクタ、19…プロジェクタ用鏡、20…光源部、30…カメラ、39…カメラ用鏡。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定波長の光を反射する操作体からの反射光によって前記操作体を検出し、前記検出した操作体に対応する画像をスクリーンに投影させるとともに、前記スクリーンに投影された画像に従ってゲームを進行させるゲーム装置に用いる操作体であって、
表面の一部分に、前記所定波長の光を、表面の他の部分よりも吸収する標識を設けたことを特徴とする操作体。
【請求項2】
前記操作体は多面体であって、
前記標識は、スクリーンの手前側に設けられた操作体載置台上に操作体が載置されたときに、前記多面体を構成する各面のうち、少なくともスクリーン面と対向し得る面に設けられることを特徴とする請求項1に記載の操作体。
【請求項3】
前記標識は、前記スクリーン面と対向し得る面ごとに一または複数設けられることを特徴とする請求項2に記載の操作体。
【請求項4】
前記標識は、予め定められた特定の形であることを特徴とする請求項1〜3に記載の操作体。
【請求項5】
前記標識は、穴部を設けて形成されることを特徴とする請求項1〜4に記載の操作体。
【請求項6】
前記穴部を操作体の内側から塞ぐ遮光板をさらに設け、当該遮光板の表面が、操作体の前記穴部以外の表面よりも前記所定波長の光の吸収率が高くなるように加工されていることを特徴とする請求項5に記載の操作体。
【請求項7】
前記標識は、下端部に設けられた切欠部によって形成されることを特徴とする請求項1〜4に記載の操作体。
【請求項8】
他の操作体との接合部付近に接合補助具を設けたことを特徴とする請求項1〜7に記載の操作体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−68879(P2010−68879A)
【公開日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−237172(P2008−237172)
【出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】