説明

ゲーム装置及び、それに接続される拡張デバイス

【課題】既存の各ゲームを組み合わせた新しいゲームを実行することができるゲーム装置を提供する。
【解決手段】ゲーム装置は、第1のゲームGAを実現するための第1ゲームプログラム31等を含む第1ゲームファイル21が記憶される第1ゲーム領域GR1と、第2のゲームGBを実現するための第2ゲームプログラム35等を含む第2ゲームファイル22が記憶される第2ゲーム領域GR2とが設けられた外部記憶装置20を備え、第1のゲームGAと第2のゲームGBとが択一的に実行される。更に、ゲーム装置は外部記憶装置20とは物理的に別の装置として当該ゲーム装置に接続される拡張デバイス40を備え、拡張デバイス40は所定の条件が満たされたか否かを判別し、その判別結果に基づいて、所定の条件が満たされた場合に、当該ゲーム装置にて実行されるゲームを第1のゲームGAと第2のゲームGBとの間でスイッチさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のゲームが択一的に実行されるゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ゲームにて使用されるシンボルに他の機能を付与する拡張デバイスを備えたゲーム装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2〜4が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0081493号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2007/0155505号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2008/0171599号公報
【特許文献4】米国特許第5356144号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゲームによっては、内容の改変や追加等が行われる場合に、事前に申請の上、許認可を受けなければならないゲームも存在する。特許文献1のゲーム装置では、拡張デバイスによりゲームで使用されるシンボルに他の機能が付与され、ゲームの性質が変化する。このため、既存のゲームに拡張デバイスを追加して顧客に提供する場合、拡張デバイスについて許認可を受ければ、拡張デバイスを追加したゲーム装置の再申請等を行わなくても、ゲームの性質を変化させた新たなゲームを提供することができる。しかし、ゲーム装置が複数のゲームを実行可能に構成されている場合において、特許文献1の拡張デバイスは、いずれのゲームに対しても一律に同様の変化を発生させるに過ぎない。例えば、拡張デバイスが払い出しの実行されるゲームの払い出し率を85%にするという機能を付与するものであれば、特許文献1の拡張デバイスは、ゲーム装置で実行されるいずれのゲームに対しても同じように払い出し率を85%にするという変化を生じさせることしかできない。従って、各ゲームに異なる変化を発生させる場合には、複数の拡張デバイスを用意しなければならない。或いは、異なる変化にそれぞれ対応する複数のプログラム等が記憶された拡張デバイスが必要である。一方で、例えば、変化させるゲームの性質がゲームの入賞率や払い出し率などであるときには、変化後の入賞率等に対応するデータを有する別のゲームがゲーム装置に予め存在している場合もある。しかし、ゲーム装置で実行される各ゲームは、通常択一的に実行されるように構成されている。このため、ゲーム装置にて実行される一のゲームに他のゲームのデータ等を利用することはできない。
【0005】
そこで、本発明は、既存の各ゲームを組み合わせた新しいゲームを実行することができるゲーム装置、及び、それに接続される拡張デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲーム装置は、第1のゲームを実現するためのプログラム及びデータを含む第1ゲームファイルが記憶される第1ゲーム領域と、第2のゲームを実現するためのプログラム及びデータを含む第2ゲームファイルが記憶される第2ゲーム領域とが設けられたゲーム用ファイル記憶装置を備え、前記第1のゲームと前記第2のゲームとが択一的に実行されるゲーム装置であって、前記ゲーム用ファイル記憶装置とは物理的に別の装置として当該ゲーム装置に接続される拡張デバイスを備え、前記拡張デバイスには、所定の条件が満たされたか否かを判別する判別手段と、前記判別手段の判別結果に基づいて、前記所定の条件が満たされた場合に、当該ゲーム装置にて実行されるゲームを前記第1のゲームと前記第2のゲームとの間でスイッチさせるスイッチ手段とが設けられているゲーム装置である。
【0007】
本発明の拡張デバイスは、第1のゲームを実現するためのプログラム及びデータを含む第1ゲームファイルが記憶される第1ゲーム領域と、第2のゲームを実現するためのプログラム及びデータを含む第2ゲームファイルが記憶される第2ゲーム領域とが設けられたゲーム用ファイル記憶装置を備え、前記第1のゲームと前記第2のゲームとが択一的に実行されるゲーム装置に、前記ゲーム用ファイル記憶装置とは物理的に別の装置として接続され、所定の条件が満たされたか否かを判別する判別手段と、前記判別手段の判別結果に基づいて、前記所定の条件が満たされた場合に、前記ゲーム装置にて実行されるゲームを前記第1のゲームと前記第2のゲームとの間でスイッチさせるスイッチ手段とが設けられている拡張デバイスである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一形態に係る拡張デバイスが適用されたゲーム装置の機能ブロック図。
【図2】スイッチプログラムと各ゲームデータとの関係を説明するための説明図。
【図3】スイッチプログラムが付与する機能を説明するためのソフト機能図。
【図4】ゲーム装置にて実行される各ゲームにそれぞれ対応する各ゲームデータの一例の詳細を示す図。
【図5】各ゲーム間のスイッチが実行される場合にゲーム装置で実行されるゲームの流れの一例を説明するための説明図。
【図6】図5に示す各ゲームデータが利用される場合の設定画面の一例を示す図。
【図7】スイッチ処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図。
【図8】変形例に係るゲーム装置の機能ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明の一形態に係る拡張デバイスが適用されたゲーム装置について説明する。図1は、本発明の一形態に係る拡張デバイスが適用されたゲーム装置1Aの機能ブロック図である。図1に示すように、ゲーム装置1Aは、入力装置2と、表示装置6と、音声出力装置7と、制御ユニット10と、を備えている。入力装置2は、プレイヤの操作等を入力するために利用される。入力装置2には、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等が含まれる。表示装置6は、ゲーム画面等を表示するために利用される。表示装置6には、モニタやプロジェクタ等が含まれる。音声出力装置7は、ゲームの効果音、BGM等の音声の出力に利用される。音声出力装置7には、スピーカ等が含まれる。各装置2、6、7は、制御ユニット10に接続されている。
【0010】
制御ユニット10は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種の周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。また、制御ユニット10は、ゲーム装置1Aにて実行されるゲームの進行、及び各種装置の制御を実行する制御主体としての制御部16を備えている。制御部16は、表示装置6に所定の画像を表示させるための映像信号の出力及び、音声出力装置7に所定の音声を再生せるための音声再生信号の出力等の制御を実行する。
【0011】
制御ユニット10には、ゲーム用ファイル記憶装置としての外部記憶装置20が接続されている。外部記憶装置20には、DVDROM、CDROM等の光学式記憶媒体、あるいはEEPROM等の不揮発性半導体メモリ装置、ハードディスクといった、電源の供給がなくても記憶を保持可能な記憶媒体が使用される。外部記憶装置20が接続されることにより、制御部16は、外部記憶装置に記憶されている各種データ等を利用することができる。
【0012】
外部記憶装置20には、第1ゲーム領域GR1と、第2ゲーム領域GR2とが設けられている。第1ゲーム領域GR1は、第1ゲームファイル21を記憶するための領域である。一方、第2ゲーム領域GR2は、第2ゲームファイル22を記憶するための領域である。第1ゲームファイル21にはゲーム装置1Aで実行される第1のゲームを実現するためのプログラム及び各種データが、第2ゲームファイル22にはゲーム装置1Aで実行される第2のゲームを実現するためのプログラム及び各種データが、それぞれ含まれている。
【0013】
具体的には、第1ゲームファイル21には、第1ゲームプログラム31と、第1ゲームデータ32とが含まれている。第2ゲームファイル22には、第2ゲームプログラム35と、第2ゲームデータ36とが含まれている。第1ゲームプログラム31及び第2ゲームプログラム35はいずれもゲーム装置1Aにゲームを実行させるために必要なプログラムである。一方、第1ゲームデータ32は第1ゲームプログラム31が実行された際に、第2ゲームデータ36は第2ゲームプログラム35が実行された際に、それぞれ利用される各種情報を含んでいる。なお、第1ゲームプログラム31及び第2ゲームプログラム35には、各ゲームを実行するたに必要な各種のプログラムモジュールが含まれるが、それらの図示は省略した。第1ゲームデータ32及び第2ゲームデータ36には、他にも各ゲームを実現するために利用されるべき画像データ、音声データ等の各種データが含まれるが、それらの図示も省略した。
【0014】
制御部16は、内部記憶装置に記憶されたオペレーションプログラムを実行してゲーム装置1Aとして動作するために必要な各種の処理を実行する。続いて、制御部16は、外部記憶装置20から各ゲームプログラム31、35を読み込んで、これを実行する。制御部16は、これらの各ゲームプログラム31、35を実行することにより、各ゲームプログラム31、35に従ってゲームを実行するための環境を設定する。また、各プログラム31、35が実行されることにより、制御部16にはゲーム制御部16Aが生成される。ゲーム制御部16Aは、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現される論理的装置である。ゲーム制御部16Aは、制御部16が実行する処理のうち、ゲームを開始させるための指示或いは、進行させるための指示といったゲームを実行するための処理を担う。また、第1ゲームプログラム31が使用された場合と第2ゲームプログラム35が使用された場合とでは、互いに別のゲーム環境が設定され、択一的に実行される互いに独立した別のゲームが実行される。
【0015】
また、制御ユニット10には、拡張デバイス40が接続されている。拡張デバイス40は、外部記憶装置20とは、物理的に別の装置である。拡張デバイス40には、スイッチプログラム41が記憶されている。スイッチプログラム41は、制御部16によって実行されることにより、ゲーム装置1Aに新たな機能を付与するものである。スイッチプログラム41が実行されることにより、制御部16にはスイッチ制御部16Bが生成される。スイッチ制御部16Bも、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせによって実現される論理的装置である。スイッチ制御部16Bは、制御部16が実行する処理のうち、所定の条件が満たされたか否かの判別や次回に実行されるべきゲームのスイッチといったゲームをスイッチさせるための処理を担う。なお、制御部16には、その他の論理的装置も生成され得るが、それらの図示は省略した。
【0016】
次に、スイッチプログラム41が付与する機能について説明する。図2は、スイッチプログラム41と各ゲームファイル21、22との関係を説明するための説明図である。図2では、第1ゲームファイル21を使用した第1のゲームが実行されている状態でスイッチプログラム41が実行された場合を示している。図2に示すように、第1ゲームファイル21による第1のゲームにて、イベントを発生させる所定の条件が満たされた場合に、スイッチプログラム41は、次回のゲームとして第2ゲームファイル22による第2のゲームが実行されるような処理を制御部16に実行させる。このようなスイッチプログラム41の機能に基づいて、制御部16は、第2ゲームファイル22に含まれるプログラム35等の読み込みを行う。そして、制御部16は、ゲーム装置1Aにて次回に実行されるゲームを、今回の第1ゲームファイル21による第1のゲームから第2ゲームファイル22による第2のゲームへとスイッチする。つまり、スイッチプログラム41は、所定の条件が満たされた場合に、次回に実行されるゲームが第1のゲームから第2のゲームにスイッチされるような機能を付与する。この際、スイッチプログラム41は、第2ゲームファイル22を使用した第2のゲームの特徴とともに、次回のゲームを第2のゲームにスイッチするか否か選択させる画面を表示装置6に表示させる機能も付与するように構成されていてもよい。
【0017】
図3は、スイッチプログラム41が付与する機能を説明するためのソフト機能図である。図3に示すように、第1ゲームプログラム31に基づくゲームの終了の情報及び、第2ゲームプログラム35に基づくゲームの終了の情報は、スイッチプログラム41が付与する機能でも利用される。各ゲームプログラム31、35のゲーム終了の情報は、スイッチプログラム41によって間接的に利用されてもよい。また、このスイッチプログラム41によって利用されるゲーム終了の情報には、イベント終了の情報やゲーム結果に関する情報が含まれていてもよい。スイッチプログラム41は、各プログラム31、35のゲーム終了の情報をゲームのスイッチ指示或いは、ゲーム選択の指示に利用する。制御部16は、スイッチプログラム41により得られたゲームのスイッチ指示等に基づいて、次回に実行すべきゲームの選択を実行する。そして、各プログラム31、35のうちの選択された方のプログラムに基づくゲームが次回のゲームとして実行される。なお、図3では、ソフト機能図として、便宜的に各プログラム31、35、41を利用して各情報の入出力に対応する矢印を図示しているが、実際には、ゲームの終了の情報の取得や出力或いは、ゲーム実行の指示等はゲーム制御部16Aが、ゲームスイッチ指示或いはゲーム選択の指示はスイッチ制御部16Bが、それぞれ実行する。ゲーム制御部16A及び、スイッチ制御部16Bが実行する処理の詳細は後述する。
【0018】
次に、図4を参照して、ゲーム装置1Aにて実行される各ゲームの一例を説明する。図4は、ゲーム装置1Aにて実行される各ゲームにそれぞれ対応する各ゲームファイル21、22の一例の詳細を示す図である。図4の例では、各ゲームファイル21、22は、いずれも所定の遊技価値を消費することによってプレイが開始され、プレイ開始によって所定の入賞条件の成立の機会が提供されるゲームを実行するように構成されている。なお、遊技価値には、貨幣のみならず、コインやチップ、メダル等、価値の象徴となるものが含まれる。ゲーム画面には、ベット欄、クレジット欄が設けられていてもよい。ベット欄は、プレイヤが1回のゲームにベットした遊技価値の枚数又は額等を示す。クレジット欄は、ゲームに対してベットすることが可能な遊技価値としてゲーム装置1Aがプレイヤから現に預かっている遊技価値の枚数又は額等を示す。遊技価値は、ベットされる毎に消費され、クレジット欄が減少する。ゲーム装置1Aは、このようにベット欄及び、クレジット欄を利用して、ゲームをプレイする機会が提供されるように構成されていてもよい。
【0019】
各ゲームファイル21、22が実行させる各ゲームでは、いずれにおいてもプレイ中に所定の入賞条件が満たされると、プレイヤに対して特典として遊技価値の払い出しが行われる。プレイヤへの遊技価値の払い出しは、各ゲームファイル21、22中に含まれる各ペイテーブルに従って実行される。各ゲームファイル21、22中には、遊技価値の払い出し率の異なる複数のペイテーブルが用意されている。払い出し率は、遊技価値の消費量に対してプレイヤへ払い出される理論上の遊技価値の量の割合を示す。つまり、払い出し率は、払い出される遊技価値の量を遊技価値の消費量で割ること(払い出される遊技価値の量/遊技価値の消費量)により得られる理論上の値である。各ゲームファイル21、22には、払い出し率が互いに異なるペイテーブルが含まれている。つまり、図4の例では、各ゲームファイル21、22は、遊技価値の消費に伴って入賞の機会が付与される同じゲームであって、払い出し率の互いに異なる各ペイテーブルが利用されるゲームを実行させるようにそれぞれ構成されている。なお、払い出しは、クレジット欄の増加という形で提供されてもよい。
【0020】
図4に示すように、この例では、第1ゲームファイル21の第1ゲームデータ32には、ローペイテーブル32L、ミドルペイテーブル32M、及び、ハイペイテーブル32Hの払い出し率の異なる3つのペイテーブルが含まれている。これらの各ペイテーブル32L、32M、32Hの払い出し率は、ローペイテーブル32L、ミドルペイテーブル32M、ハイペイテーブル32Hの順に高い。つまり、ローペイテーブル32L、ミドルペイテーブル32M、ハイペイテーブル32Hの順にプレイヤにとって有利に作用する。一方、第2ゲームファイル22の第2ゲームデータ36には、ベリーハイペイテーブル36Vが含まれている。ベリーハイペイテーブル36Vは、第1ゲームデータ32に含まれるハイテーブル32Hよりも更に払い出し率が高い。従って、これら4つの各ペイテーブル32L、32M、32H、36Vの中で、ベリーハイペイテーブル36Vが最もプレイヤに有利に作用する。
【0021】
各ゲームは、ゲーム装置1Aを通じて、プレイヤによってそれぞれ択一的に実行される。一方、イベントを発生させる所定の条件が満たされれば、拡張デバイス40の機能によりゲーム装置1Aにて実行されるゲームは、第1のゲームと第2のゲームとの間でスイッチされる。例えば、ローペイテーブル32Lが利用された第1ゲームファイル21の第1のゲームが実行されている状態において、イベントを発生させる所定の条件が満たされれば、拡張デバイス40の機能により、プレイヤのプレイするゲームは第1ゲームファイル21による第1のゲームから第2ゲームファイル22による第2のゲームにスイッチされる。このため、プレイヤには、第1ゲームファイル21による第1のゲームで発生し得る最も有利なハイペイテーブル32Hを利用したゲームよりも更に有利なベリーハイペイテーブル36Vを利用した第2のゲームが提供される。このように、ゲーム装置1Aでは、拡張デバイス40の機能によって各ゲームの流れに互いのゲームが組み込まれ、一つのゲームファイルのみでは提供されないようなゲームが実行される。
【0022】
図5を参照して、スイッチプログラム41が実行された場合の各ゲームの流れの一例を説明する。図5は、各ゲーム間のスイッチが実行される場合にゲーム装置1Aで実行されるゲームの流れの一例を説明するための説明図である。図5に示すように、この例では、第1ゲームファイル21を使用した第1のゲームGAにて、イベントを発生させる所定の条件が満たされると、スイッチプログラム41によって第2ゲームファイル22を使用した第2のゲームGBをプレイする機会が一定の回数(図5の例では3回)だけ提供される。この際、第2のゲームGBの特徴とともに、第1のゲームGAから第2のゲームGBにスイッチされる旨が案内される。第2のゲームGBが3回プレイされた後に、第2のゲームGBをプレイする機会が終了し、再度、ゲーム装置1Aにて実行されるゲームが第1のゲームGAに戻される。この際、第1のゲームGAに戻る旨が案内されてもよい。所定のイベント及び、所定のイベント発生後に第2のゲームGB(イベントとして利用されるスイッチされた後のゲーム)がプレイされる回数は、ゲーム装置1Aの管理者により設定される。
【0023】
管理者による所定のイベント等の設定は、例えば、設定画面を通じて行われる。また、この設定画面を表示させる等の機能は、スイッチプログラム41によって付与されればよい。図6は、図5に示す各ゲームファイル21、22が使用される場合の設定画面の一例を示す図である。図6に示すように、設定画面50には、スイッチプログラム41の有効、無効を設定するためのオートスイッチ設定領域SRと、イベントに関する条件を設定するためのイベント設定領域ERと、設定結果を参照するための設定結果参照領域KRとが含まれている。
【0024】
オートスイッチ設定領域SRには、スイッチプログラム41を有効にするイネイブルボタン51と、無効にするデセイブルボタン52とが設けられている。設定画面50にて、イネイブルボタン51が有効になっている場合にはスイッチプログラム41が実行され、イベントを発生させる所定の条件が満たされた場合に、ゲームが自動でスイッチする。一方、デセイブルボタン52が選択されている場合には、スイッチプログラム41は無効にされ、所定の条件が満たされた場合でもゲームのスイッチが実行されない。
【0025】
イベント設定領域ERには、サイクル欄53と、対象ゲーム設定欄54と、イベントゲーム欄55と、終了条件設定欄56とが設けられている。サイクル欄53は、イベントサイクルを入力するために使用される。この例では、サイクル欄53は、イベントを発生させるための所定の条件の設定に利用される。つまり、サイクル欄53には、イベントを発生させるべきサイクルが入力される。対象ゲーム設定欄54は、サイクル欄53に入力されたサイクルのカウント対象となるゲームを設定するために使用される。イベントゲーム欄55は、対象ゲーム設定欄54に設定されたゲームがサイクル欄53のサイクル条件を満たした場合にイベントとして発生させるゲームを設定するために使用される。終了条件設定欄56は、イベントを終了させる条件を設定するために使用される。この例では、イベントの終了条件として、イベントゲーム欄55に設定されたゲームの実行回数が利用されている。従って、終了条件設定欄56には、イベントゲーム欄55に設定されたゲームをイベントとして実行する回数が入力される。
【0026】
設定結果参照領域KRには、スイッチアクティブ欄57と、スイッチインアクティブ欄58と、ボーナスリワード欄59とが設けられている。これらの欄57、58、59には、イベント設定領域ERに設定された内容に応じた結果が表示される。具体的には、スイッチアクティブ欄57には、スイッチプログラム41が有効な状態でイベント設定領域ERの設定結果に従った場合の遊技価値の払い出し率が表示される。一方、スイッチインアクティブ欄58には、スイッチプログラム41が無効な場合の遊技価値の払い出し率が表示される。ボーナスリワード欄59には、スイッチアクティブ欄57とスイッチインアクティブ欄58との間の払い出し率の差が表示される。このボーナスリワード欄59に表示される払い出し率の差がイベント設定領域ERの設定結果に従った場合の効果に該当する。
【0027】
図6の例では、サイクル欄53に“1イン200ゲーム”が、対象ゲーム設定欄54に“85%ペイテーブル アズ ゲームファイル1”が、イベントゲーム欄55に“250%ペイテーブル アズ ゲームファイル2”が、それぞれ設定されている。“85%ペイテーブル アズ ゲームファイル1”は第1ゲームファイル21のローペイテーブル32Lに対応する。一方、“250%ペイテーブル アズ ゲームファイル2”は第2ゲームファイル22のベリーハイペイテーブル36Vに対応する。“85%ペイテーブル”は、遊技価値の消費量に対して払い出される理論上の期待値が85%となる払い出し率のペイテーブルである。同様に、“250%ペイテーブル”は、遊技価値の消費量に対して払い出される理論上の期待値が250%、つまり理論上の期待値が消費量の2.5倍となる払い出し率のペイテーブルである。
【0028】
図6の例では、終了条件設定欄56に“5ゲーム”、つまり、イベントゲーム欄55のゲームが5回実行された場合に終了されるといった設定がされている。従って、図6の例では、ローペイテーブル32Lを利用した第1ゲームファイル21の第1のゲームGAが200回実行された場合にイベント開始条件が満たされ、イベントが1回発生する。その1回のイベントとして、ベリーハイペイテーブル36Vを利用した第2ゲームファイル22の第2のゲームGBが実行され、その第2のゲームGBが5回実行されれば、その回のイベントが終了するといった設定がされている。
【0029】
図6の例では、スイッチアクティブ欄57に“”89.02%“が、スイッチインアクティブ欄58に”“85.00%”が、それぞれ表示されている。つまり、スイッチプログラム41をイベント設定領域ERの設定内容に従って有効にすればプレイヤに対する遊技価値の払い出し率が89.02%に、無効にすれば遊技価値の払い出し率が85%に、それぞれ変化するという結果が表示されている。この2つの欄57、58間の差として、ボーナスリワード欄59には、“4.02%”が表示されている。つまり、スイッチプログラム41をイベント設定領域ERの設定内容に従って有効にした場合と無効にした場合との間の払い出し率の差が4.02%であることを示している。即ち、スイッチプログラム41をイベント設定領域ERの設定内容に従って有効にした場合の効果として、プレイヤが払い出し率で4.02%だけ有利になるという結果が示されている。ゲーム装置1Aを管理する管理者は、この設定画面50を利用して、スイッチプログラム41に関する設定を実行する。
【0030】
設定画面50に対する設定には、入力装置2が利用される。入力装置2を利用して、例えばパスワード等の管理者であることを識別可能な情報が入力された場合に、表示装置6に設定画面50が表示される。なお、設定画面50への設定を行うための入力装置2及び、設定画面50を表示する表示装置6は、ゲームのための入力装置2及び、表示装置6と共有される形態に限定されない。例えば、設定画面50の設定用に、別途、入力装置、表示装置及び、制御ユニットを備えた管理装置が設けられていてもよい。この場合、管理装置にて設定された設定内容を制御部16の実行内容に反映可能なように、管理装置が制御ユニット10に接続されていればよい。この管理装置を通じて、設定画面50の設定等が実現される。
【0031】
次に、ゲーム制御部16Aが実行する処理及び、スイッチプログラム41がスイッチ制御部16Bを通じて制御部16に実行させるスイッチ処理について説明する。ゲーム制御部16Aは、ゲームを開始するための開始条件が満たされた場合にゲームを開始させ、ゲーム中にゲームを終了するための終了条件が満たされた場合にゲームを終了させるための処理を実行する。開始条件が満たされたか否かは、例えば、所定の遊技価値がベットされた場合に開始条件が満たされたと判断されればよい。また、ゲーム制御部16Aは、ゲームの終了条件が満たされた場合に、表示装置6にゲーム結果を表示させてもよい。なお、これらの処理は、周知のため詳細の説明を省略する。
【0032】
一方、図7は、スイッチプログラム41がスイッチ制御部16Bを通じて制御部16に実行させるスイッチ処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。スイッチプログラム41により制御部16に生成されたスイッチ制御部16Bは、ゲーム装置1Aにて実行されているゲームが終了する毎に図7のルーチンを実行する。つまり、スイッチプログラム41により、図7の例のようなスイッチ処理が実現される。また、スイッチプログラム41が制御ユニット10に制御部16を通じて図7のようなルーチンを実行させることにより、判別手段及びスイッチ手段として機能する。
【0033】
図7のルーチンが開始されると、スイッチ制御部16Bは、まずステップS1にて、設定画面50を通じて設定された各種設定条件を取得する。続くステップS2にて、スイッチ制御部16Bは、ステップS1にて取得した設定条件に基づいて、前回実行されたゲーム(直前に終了したゲーム)が所定の条件を満たしているか否か判別する。この判別は、例えば、次のように実行される。
【0034】
まずスイッチ制御部16Bは、ステップS2にて、前回実行されたゲームが所定の条件として、イベント開始条件を満たしているか否かを判別する。この判別は、一例として図6の例を利用して説明すると、前回実行されたゲームが85%ペイテーブルを利用した第1ゲームファイル21の第1のゲームGAであって、かつ、その第1のゲームGAが実行された回数が200回目であるか否かが判別されることにより実現される。また、200回目であるか否かは、例えば、85%ペイテーブルを利用した第1ゲームファイル21の第1のゲームGAが実行される毎にカウントアップされ、イベント開始条件が満たされるとともにリセットされる数字を利用して実現されればよい。この判別結果が否定的結果の場合、つまり前回実行されたゲームが200回目の85%ペイテーブルを利用した第1ゲームファイル21の第1のゲームGAでなかった場合には、ステップS2にて、スイッチ制御部16Bは、所定の条件を満たしていないと判別する。一方、前回実行されたゲームが200回目の85%ペイテーブルを利用した第1ゲームファイル21の第1のゲームGAであった場合、つまり判別結果が肯定的結果の場合には、ステップS2にて、スイッチ制御部16Bは、所定の条件を満たしていると判別する。
【0035】
なお、イベント開始条件が満たされたか否かの判別は、このような形態に限定されない。例えば、ゲーム開始毎に抽選が実行され、その抽選にて所定の条件が満たされたか否かが判別されてもよい。この場合、例えば、図6の例のように、イベントサイクルとしてサイクル欄53に“1イン200ゲーム”と設定されていれば、所定の条件が満たされる理論上の確率が1/200となるように抽選が実行されればよい。また、例えば、このような処理は、スイッチプログラム41によりスイッチ制御部16Bを通じて実行されるように構成されていてもよい。
【0036】
また、ステップS2にて、スイッチ制御部16Bは、スイッチ後のゲームにおいても所定の条件が満たされたか否かを判別する。つまり、スイッチ制御部16Bは、ステップS2にて、前回実行されたゲームがイベントとしてスイッチされたスイッチ後のゲームの場合には、所定の条件としてイベント終了条件が満たされたか否かを判別する。このイベント終了条件が満たされたか否かの判別は、例えば、次のように実行される。
【0037】
まずスイッチ制御部16Bは、前回のゲームがイベントとしてスイッチされた後のゲームであった場合、前回のゲームがスイッチされた後に何回目に実行されたゲームであったかを判別する。この判別は、一例として図6の例を利用して説明すると、前回実行された第2のゲームGBが実行された回数を取得し、その取得した実行回数を利用して実行される。前回実行された第2のゲームGBがイベント開始条件の成立によりイベントとして実行されたか否かは、例えば、イベント開始条件が満たされることによりイベントとして実行されるゲームに付与され、イベント終了により削除されるフラグ等を利用して判別されればよい。また、前回の第2のゲームGBがイベントとして何回目に実行された第2のゲームGBであったかは、イベント開始を示すフラグ等の付与により、第2のゲームGBが実行される毎にカウントアップされ、フラグ等の削除とともにリセットされる数字を利用して実現されればよい。スイッチ制御部16Bは、第2のゲームGBが実行された回数が1〜4回目の場合にはイベント終了条件が満たされていないと判断し、5回目の場合にはイベント終了条件が満たされていると判別することにより、所定の条件が満たされたか否かを判別する。
【0038】
スイッチ制御部16Bは、ステップS2にて、上述のように、所定の条件としてイベント開始条件或いは、イベント終了条件が満たされているか否かを判別し、所定の条件を満たしていないと判別した場合には、以降のステップをスキップして、今回のルーチンを終了する。一方、ステップS2にて、所定の条件を満たしていると判別した場合には、スイッチ制御部16Bは、ステップS3に進む。
【0039】
ステップS3にて、スイッチ制御部16Bは、ステップS1で取得した各種設定条件に基づいてスイッチ後に実行されるべきゲームを判別し、判別結果に基づいて次回のゲームが前回のゲームからスイッチされるようにゲーム制御部16Aに対して次回に実行すべきゲームを指示する。例えば、図6の例を利用して説明すると、スイッチ制御部16Bは、ステップS2でイベント開始条件が満たされたと判別した場合には、ステップS3にて、ゲーム制御部16Aに対して次回に実行すべきゲームとして、250%ペイテーブルを利用した第2ゲームファイル22の第2のゲームGBを指示する。一方、ステップS2でイベント終了条件が満たされたと判別した場合には、ステップS3にて、スイッチ制御部16Bは、ゲーム制御部16Aに対して次回に実行すべきゲームとして、85%ペイテーブルを利用した第1ゲームファイル21の第1のゲームGAを指示する。これにより、イベント開始条件が満たされた場合には、85%ペイテーブルを利用した第1ゲームファイル21の第1のゲームGAから次回は250%ペイテーブルを利用した第2ゲームファイル22の第2のゲームGBにスイッチされる。一方、イベント開始後にイベント終了条件が満たされた場合には、250%ペイテーブルを利用した第2ゲームファイル22の第2のゲームGBから元の85%ペイテーブルを利用した第1ゲームファイル21の第1のゲームGAにスイッチされる。ステップS3の処理を終えると、スイッチ制御部16Bは、今回のルーチンを終了する。
【0040】
なお、ステップS2の所定の条件として、イベント開始後に、更に別のイベント開始条件が判別されてもよい。この場合、ステップS3では、例えば、更にプレイヤに有利な条件が用意された第3のゲーム等、別のゲームにスイッチされてもよい。また、イベント終了後にスイッチされるゲームも元のゲームに限定されない。つまり、イベント開始後にスイッチされるゲームとして、元のゲームが選択される形態に限定されず、任意のゲームが選択されるように構成されていてもよい。また、スイッチ指示の後、次回のゲームが前回のゲームと異なること、及び、次回のゲームの特徴がプレイヤに案内されてもよい。この案内は、スイッチ指示の後、実際に次回に実行されたゲームの結果が出る前までに行われればよい。また、このような案内は、スイッチ制御部16B、ゲーム制御部16Aのいずれが行ってもよい。例えば、このような案内を行う機能は、スイッチプログラム41により付与され、スイッチ制御部16Bが実行してもよい。
【0041】
以上に説明したように、この形態の拡張デバイス40によれば、所定の条件が満たされることにより、ゲーム装置1Aで実行されるゲームが第1ゲームファイル21による第1のゲームGAから第2ゲームファイル22による第2のゲームGBへとスイッチされる。このため、第2のゲームGBを第1のゲームGAの流れに組み込むことができる。これにより、互いに択一的に実行される各ゲームGA、GBを互いに組み合わせた新しいゲームをゲーム装置1Aに実行させることができる。スイッチ後の第2のゲームは、第1のゲームよりもプレイヤに有利である。従って、スイッチ後の第2のゲームをイベントとして利用することができる。これにより、ゲームの興趣性を向上させることができる。また、拡張デバイス40は、外部記憶装置20とは物理的に異なる装置である。このため、外部記憶装置20とは別に、拡張デバイス40を後から制御ユニット10に接続することができる。従って、外部記憶装置20に予め記憶された各ゲームファイル21、22を改変することなく、そのまま利用して、新しいゲームを提供することができる。
【0042】
例えば、市販のゲームでは、ゲームを実現するためのゲームプログラム等がDVDROM等に記憶され、家庭ではその内容を改変することができない。このため、複数のDVDROM等が存在し、それらにより複数のゲームが実行可能な場合でも、各DVDROM等がそれぞれ単独で使用され、それぞれが実現する単独のゲームが実行されるに過ぎない。しかし、この拡張デバイス40によれば、このような複数のDVDROM等に記憶された各ゲームを組み会わせて利用することができる。つまり、この拡張デバイス40によれば、既存の各DVDROM等内のゲームプログラム等を改変せずにそのまま組み合わせて利用して、新しいゲームを提供することができる。
【0043】
また、ゲームの種類によっては、ゲームファイルの改変、或いは追加といった行為に申請等を行って、許認可を受けなければならない場合がある。このため、このようなゲームの場合、例えば、新しい払い出し率のペイテーブルを追加する場合には、追加する毎に申請等を行う必要がある。従って、複数種類のペイテーブルの追加や改変には手間がかかってしまう。一方で、既に許可され、外部記憶装置に記憶されている他のゲームファイルの中には、追加等によって得られる払い出し率のペイテーブルと同様のペイテーブルが別のゲームのペイテーブルとして存在している場合がある。また、既に外部記憶装置に記憶されている他のゲームファイルを適切に組み合わせて利用することにより追加等によって得られる払い出し率のペイテーブルを利用したゲームと同様のゲームを実行可能な場合もある。これらのような場合、この拡張デバイス40によれば、既に許可を受けた各ゲームファイル21、22を互いに利用して、ゲームを実行させることができる。このため、この拡張デバイス40に記憶されているスイッチプログラム41の許認可が得られれば、改変等毎に申請等を行う必要がない。これにより、申請等にかかる手間や時間等の経費を削減することができるので、既存のゲームの性質を効率的に変化させることができる。
【0044】
本発明は上述した形態に限らず、適宜の形態にて実施することができる。上述の形態では、外部記憶装置20に記憶されている各ゲームファイル21、22は、同じルールのゲームであって、異なるペイテーブルを利用するゲームを実行させるように、それぞれ構成されている。但し、各ゲームファイルは、このような形態に限定されない。例えば、外部記憶装置20に記憶されている各ゲームファイルは、共通する複数のゲームシンボルを利用するゲームであって、互いに入賞条件に伴う特典の種類が異なるゲームを実行させるように、それぞれ構成されていてもよい。このようなゲームの一つとして、いわゆるスロットマシンタイプのゲームが実行されてもよい。つまり遊技価値がベットされることによりプレイが提供され、プレイ中に複数の列に所定の配置で同じシンボルが揃った場合(一例として、同じシンボルが隣接して3つ揃う等した場合)に所定の入賞条件成立と判定され、ベット量に応じた遊技価値が払い出されるゲームである。この場合、特典の種類が異なるゲームの一例として、第1ゲームファイル21は入賞の特典として遊技価値が払い出されるゲームを、第2ゲームファイル22は入賞の特典として遊技価値を消費せずに一定回数のプレイの機会を提供するゲームを、それぞれ実行させるように構成されていてもよい。これにより、所定の条件が満たれた場合に、入賞の機会が遊技価値の消費不要で繰り返し提供される繰り返し入賞型のゲームをゲーム装置に実行させることができる。また、プレイヤに異なるゲームが実行されていることを容易に認識させることもできる。この場合、第2ゲームファイル22が実行させるゲームは、入賞条件を成立させるシンボルの種類によって、入賞の特典として遊技価値の払い出しが行われるように構成されていてもよい。更に、第2ゲームファイル22で利用されるペイテーブルとして、第1ゲームファイル21のペイテーブルよりも払い出し率が高いペイテーブルが利用されていてもよい。これにより、遊技価値の払い出し率の高いゲームが繰り返し対価の消費不要で提供されるので、プレイヤの入賞への期待感をより向上させることができる。
【0045】
上述の形態では、各ゲームとして、同じルールのゲームであって払い出し率という特典の内容が異なるゲームが実行されている。或いは、いずれもシンボルマークを利用するゲームであって特典の内容が全く異なるゲームが実行されている。例えば、シンボルマークが所定の配置を形成した場合、一方には遊技価値の払い出しが、他方には無償のゲームの提供が、それぞれ特典として付与されるといった具合である。つまり、上述の形態では、各ゲームとして、所定の入賞条件の成立に伴って少なくとも一つの特典が付与されるゲームであって特典の内容の一部若しくは全部が互いに異なるゲームが実行されている。しかし、本発明のゲーム装置にて実行される各ゲームは、このような形態に限定されない。例えば、外部記憶装置20に記憶されている各ゲームファイルは、互いにルールの全く異なるゲームを実行させるように、それぞれ構成されていてもよい。この場合、プレイヤに複数種類のゲームをプレイさせることができる。これにより、ゲームの興趣性を向上させることができるとともに、イベント発生に伴うゲームの変化等をプレイヤに明確に認識させることができる。
【0046】
上述の形態では、第1のゲームGAを実現するための第1ゲームプログラム31と、第2のゲームGBを実現するための第2ゲームプログラム35とが、別々に設けられているが、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、各ゲームを実現するためのゲームプログラムとして、第1のゲーム及び、第2のゲームの両方を実現するために共用される一つのゲームプログラムが用意されていてもよい。この形態では、互いに内容の少なくとも一部が異なる第1ゲームデータ及び、第2ゲームデータが互いに択一的に使用されることにより、第1のゲーム及び、第2のゲームが実現される。この場合、第1ゲームファイルに含まれるプログラム及びデータに、共用されるゲームプログラム及び第1ゲームデータがそれぞれ対応する。一方、第2ゲームファイルに含まれるプログラム及びデータに、共用されるプログラム及び第2ゲームデータがそれぞれ対応する。これとは反対に、各ゲームを実現するために利用されるゲームデータとして、第1のゲーム及び第2のゲームの両方で共用される一つのゲームデータが用意されていてもよい。この形態では、共通のゲームデータを使用する第1ゲームプログラム又は、第2ゲームプログラムが択一的に実行されることにより、第1のゲーム及び、第2のゲームが実現される。この場合、第1ゲームファイルに含まれるプログラム及びデータに、第1ゲームプログラム及び共用されるゲームデータがそれぞれ対応する。一方、第2ゲームファイルに含まれるプログラム及びデータに、第2ゲームプログラム及び共用されるゲームデータがそれぞれ対応する。そして、これらの場合、第1ゲームファイルが記憶される領域が第1ゲーム領域として、第2ゲームファイルが記憶される領域が第2ゲーム領域として、それぞれ機能する。
【0047】
上述の形態では、第1ゲームファイル21を記憶する第1ゲーム領域GR1及び、第2ゲームファイル22を記憶する第2ゲーム領域GR2が共通の外部記憶装置20に設けられているが、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、第1ゲームファイル21を記憶する第1ゲーム領域GR1と第2ゲームファイル22を記憶する第2ゲーム領域GR2とは、互いに物理的に異なる2つの外部記憶装置にそれぞれ設けられていてもよい。図8は、変形例に係るゲーム装置の機能ブロック図である。なお、図1と共通する構成については共通の符号を付して、説明を省略する。図8に示すように、制御ユニット10には、物理的に互いに別の2つの外部記憶装置61、62が接続されている。一方の第1ゲーム用ファイル記憶装置としての第1外部記憶装置61には、第1ゲームファイル21を含む第1ゲーム領域GR1が設けられている。他方の第2ゲーム用ファイル記憶装置としての第2外部記憶装置62には、第2ゲームファイル22を含む第2ゲーム領域GR2が設けられている。つまり、スイッチプログラム41は、ゲーム装置1Bで実行されるゲームを、このように物理的に異なる各外部記憶装置61、62に記憶されている各ゲームファイル21、22間のゲームでスイッチさせてもよい。
【0048】
本発明は、各ゲームファイルがゲームファイル毎に物理的に同じゲーム用ファイル記憶装置に記憶されている形態に限定されない。例えば、ゲーム用ファイル記憶装置として3つの記憶装置が利用されている場合において、一つのゲーム用ファイル記憶装置に第1ゲームプログラム及び、第2ゲームプログラムが記憶され、他の二つのゲーム用ファイル記憶装置の一方に第1ゲームデータが、他方に第2ゲームデータが、それぞれ記憶されていてもよい。つまり、第1ゲームファイル(或いは、第2ゲームファイル)に含まれるプログラム及びデータが互いに物理的に別のゲーム用ファイル記憶装置にそれぞれ記憶されていてもよい。また、拡張デバイス40がゲーム用ファイル記憶装置の一つとして機能してもよい。つまり、第1のゲームを実現するために利用されるプログラム及びデータの少なくともいずれか一方が拡張デバイスに記憶されていてもよい。或いは、第1ゲーム領域GR1又は第2ゲーム領域GR2のいずれか一方が、拡張デバイスに設けられていてもよい。
【0049】
上述の形態では、各ゲーム装置1A、1Bで実行されるゲームとして、2つのゲームを示しているが、ゲーム装置では二つ以上の複数のゲームが実行されてよい。この場合、複数のゲームのいずれか二つにおいて、上述の形態の第1のゲームGAと第2のゲームGBとの間の関係と同様の関係が成立していればよい。
【0050】
上述の形態では、スイッチプログラム41がスイッチを実行する所定の条件として、所定の回数が利用されている。この場合、プレイ回数に応じてゲームがスイッチされるので、プレイヤにプレイ回数に対する動機付けを行うことができる。但し、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、所定の条件として、ゲーム中の特定の入賞条件が成立した場合、所定のアイテムが選択された場合、或いは一定以上の遊技価値が一度に消費された(一度にベットされた)場合、特定の時刻等、各種の条件が採用されてもよい。同様に、イベント終了条件もプレイ回数が利用される形態に限定されない。例えば、イベント終了条件として、ゲーム中の特定の入賞条件が成立した場合、所定のアイテムが選択された場合、一定時間が経過した場合等、各種の条件が利用されてもよい。同様に、入賞条件も実行されるゲームに応じた、各種の条件が利用されてよい。例えば、入賞条件として、ゲーム中の特定の入賞条件が成立した場合、所定のアイテムが選択された場合等、各種の条件が利用されてもよい。更に、ゲーム結果に応じてゲームがスイッチされるように、所定の条件としてゲーム結果が利用されてもよい。
【0051】
上述の形態では、ゲームをプレイするために遊技価値が消費されているが、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、各ゲームファイルは、遊技価値を消費せずにプレイの機会が提供されるゲームを実行させるように、それぞれ構成されていてもよい。遊技価値を消費せずにプレイ可能なゲーム装置の一例として、本発明は、家庭用のゲーム装置に適用されてもよい。上述の形態では、各ゲームとして所定の入賞条件の成立に伴って特典が付与されるゲームが実行されているが、本発明のゲーム装置で実行される各ゲームは、このような形態に限定されない。例えば、各ゲームとして家庭用のゲーム装置で実行されるゲームのように、プレイ中に入賞条件の成立の機会がないゲームが実行されてもよい。従って、各ゲームは、入賞条件の成立に伴う特典が付与されないゲームであってもよい。また、ゲームは、互いに異なるメーカーにより提供されたゲーム間でスイッチされてもよい。この場合、本来スイッチが前提とされていない異なるメーカーの各ゲームを組み合わせることができる。
【0052】
上述の形態では、所定の条件が満たされた場合に、払い出し率の低いゲームから高いゲームへスイッチしている。或いは、遊技価値を消費せずに一定回数の入賞条件の成立の機会が付与される繰り返し入賞型のゲームにスイッチしている。更に、スイッチ後の繰り返し入賞型のゲームとして、スイッチ前の払い出し率よりも高い払い出し率のゲームが実行されるといった具合に複数の特典が付与されるゲームにスイッチされる場合もある。つまり、上述の形態では、所定の条件が満たされた場合に、プレイヤにより有利な特典が付与されるようにゲームがスイッチされているが、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、上述の形態とは反対に、払い出し率の高いゲームから低いゲームにスイッチされるといった具合に、プレイヤにとって特典の条件が不利になるように各ゲーム間のスイッチが実行されてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のゲームを実現するためのプログラム及びデータを含む第1ゲームファイルが記憶される第1ゲーム領域と、第2のゲームを実現するためのプログラム及びデータを含む第2ゲームファイルが記憶される第2ゲーム領域とが設けられたゲーム用ファイル記憶装置を備え、前記第1のゲームと前記第2のゲームとが択一的に実行されるゲーム装置であって、
前記ゲーム用ファイル記憶装置とは物理的に別の装置として当該ゲーム装置に接続される拡張デバイスを備え、
前記拡張デバイスには、所定の条件が満たされたか否かを判別する判別手段と、前記判別手段の判別結果に基づいて、前記所定の条件が満たされた場合に、当該ゲーム装置にて実行されるゲームを前記第1のゲームと前記第2のゲームとの間でスイッチさせるスイッチ手段とが設けられているゲーム装置。
【請求項2】
前記第1のゲーム及び、前記第2のゲームとして、所定の入賞条件の成立に伴って少なくとも一つの特典が付与されるゲームであって、前記特典の内容の少なくとも一部が互いに異なるゲームが実行される請求項1のゲーム装置。
【請求項3】
前記第1のゲーム及び、前記第2のゲームとして、遊技価値の消費によって前記所定の入賞条件の成立の機会が提供され、前記所定の入賞条件の成立に伴って前記特典の一つとして前記遊技価値が払い出されるゲームであって、払い出される前記遊技価値の量を前記遊技価値の消費量で割ることにより得られる払い出し率が互いに異なるゲームがそれぞれ実行される請求項2のゲーム装置。
【請求項4】
前記判別手段は、前記第1のゲーム及び前記第2のゲームのうち前記払い出し率の低い方において前記所定の条件が満たされたか否かを判別し、
前記スイッチ手段は、前記所定の条件が前記払い出し率の低い方で満たされた場合に、当該ゲーム装置にて実行されるゲームを前記払い出し率の低い方から前記払い出し率の高い方にスイッチさせる請求項3のゲーム装置。
【請求項5】
前記第1のゲーム及び前記第2のゲームのうちのいずれか一方のゲームとして、遊技価値を消費せずに一定回数の前記所定の入賞条件の成立の機会を前記特典の一つとして提供するゲームが実行され、
前記判別手段は、前記第1のゲーム及び前記第2のゲームのうちの他方のゲームにおいて前記所定の条件が満たされたか否かを判別し、
前記スイッチ手段は、前記所定の条件が前記他方のゲームで満たされた場合に、当該ゲーム装置にて実行されるゲームを前記他方のゲームから前記一方のゲームにスイッチさせる請求項2又は3のゲーム装置。
【請求項6】
前記第1のゲーム及び、前記第2のゲームとして、互いに異なるルールのゲームが実行される請求項1〜5のいずれか一項のゲーム装置。
【請求項7】
前記判別手段は、前記第1のゲーム及び、前記第2のゲームのいずれか一のゲームが所定の回数実行された場合に、前記所定の条件が満たされたと判別し、
前記スイッチ手段は、当該ゲーム装置にて実行されるゲームを前記一のゲームから当該一のゲームに対する前記第1のゲーム及び、前記第2のゲームのうちの他のゲームにスイッチさせる請求項1〜6のいずれか一項のゲーム装置。
【請求項8】
前記ゲーム用ファイル記憶装置として、互いに物理的に別の第1ゲーム用ファイル記憶装置と、第2ゲーム用ファイル記憶装置と、を備え、
前記第1ゲーム領域は前記第1ゲーム用ファイル記憶装置に、前記第2ゲーム領域は前記第2ゲーム用ファイル記憶装置に、それぞれ設けられている請求項1〜7のいずれか一項のゲーム装置。
【請求項9】
第1のゲームを実現するためのプログラム及びデータを含む第1ゲームファイルが記憶される第1ゲーム領域と、第2のゲームを実現するためのプログラム及びデータを含む第2ゲームファイルが記憶される第2ゲーム領域とが設けられたゲーム用ファイル記憶装置を備え、前記第1のゲームと前記第2のゲームとが択一的に実行されるゲーム装置に、前記ゲーム用ファイル記憶装置とは物理的に別の装置として接続され、
所定の条件が満たされたか否かを判別する判別手段と、前記判別手段の判別結果に基づいて、前記所定の条件が満たされた場合に、前記ゲーム装置にて実行されるゲームを前記第1のゲームと前記第2のゲームとの間でスイッチさせるスイッチ手段とが設けられている拡張デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−232122(P2012−232122A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−99575(P2012−99575)
【出願日】平成24年4月25日(2012.4.25)
【出願人】(501405122)コナミゲーミング インコーポレーテッド (37)
【Fターム(参考)】