説明

ゲーム装置及びコンピュータプログラム

【課題】 プレイヤーが、実在する道路を用いた所望のコースを設定することができるゲーム装置及びコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】 液晶ディスプレイ14と、少なくとも現実の道路の位置及び形状を表すデジタル地図データを記憶するデジタル地図データベース21と、デジタル地図データ上の少なくとも1つの地点の選択を受け付けるタッチパネル16とを備え、タッチパネル16によって受け付けられた選択に係る地点に基づいて特定される道路を、レース用のコースに設定し、その設定したコースを液晶ディスプレイ14上に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間に設けられたコースに沿って車両を示す車両画像を移動させるゲーム装置及びコンピュータをその装置として機能させるためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理技術の進展に伴って、コンピュータを利用した種々のゲーム装置が開発されている。特に、レーシングゲーム又はドライビングゲームなどと呼ばれる、仮想空間に設けられたコースに沿って車両を示す車両画像を移動させるゲーム装置は人気が高く、種々の形態のものが提案されている。
【0003】
そのようなゲーム装置としては、例えば、自車両と他車両とがレースを行う場合において、そのレース中における他車両の走行状況を逐次監視してレーサーの感情をリアルタイムで数値化し、その感情の変化に応じて他車両の走行を制御することにより、感情を持った他車両と対戦することができるゲーム装置などが提案されている(特許文献1を参照。)。このゲーム装置によれば、プレイヤーは、現実のレースにきわめて近い状況でゲームを行うことが可能となる。
【0004】
このように、現実に近い状況を仮想空間上に形成することによって、プレイヤーはゲームをより一層楽しむことができる。
【0005】
現実に近い状況を形成するためには、上述した従来のゲーム装置のように、他車両の挙動をより現実に近づけるようにする場合の他、例えば、仮想のコースをより現実に近づけるようにすることが考えられる。そのようなゲーム装置としては、現実に存在するサーキット場を表現したコースを画面上に表示し、そのコースに沿って車両を移動させることが可能なように構成されたものが普及している。このようなゲーム装置によれば、プレイヤーは、あたかも実際のサーキット場でレースをしているような感覚を得ることができ、ゲームを楽しむことができる。
【特許文献1】特開平11−123283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述したように、現実に存在するサーキット場を表現したコースを用いることとした場合、プレイヤーは、ゲーム装置において予め用意されたコースのみしか利用することができず、自由度に欠けるという問題がある。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、プレイヤーが、実在する道路を用いた所望のコースを設定することができるゲーム装置及びコンピュータをその装置として機能させるためのコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、現実に近い状況を形成することができ、しかもプレイヤーが所望のコースを設定することができるようなゲーム装置を実現するにあたって、いかなる技術を活用すべきかについて鋭意検討した。そして、本発明者等は、カーナビゲーションシステムの分野において、現実の道路の位置及び形状を表すデジタル地図データが利用されている点に着目し、このデジタル地図データを用いることによって、例えばプレイヤーが実際に自動車等の車両を運転する場合に走行する道路を用いてゲーム上のコースを生成することが可能であると考えた。
【0009】
これらの知見に基づいて、本発明者等は、以下に示す発明をした。
【0010】
本発明のゲーム装置は、表示画面を有する表示部を備え、当該表示画面上で、車両を示す車両画像を仮想のコースに沿って移動させるゲーム装置において、少なくとも現実の道路の位置及び形状を表すデジタル地図データを記憶するデジタル地図データベースと、前記デジタル地図データ上の少なくとも1つの地点の選択を受け付ける受付手段と、前記受付手段によって受け付けられた選択に係る地点に基づいて特定される道路を、前記仮想のコースに設定するコース設定手段とを備える。
【0011】
このように構成すると、現実の道路に基づいた仮想のコースを生成することが可能となる。このようにして生成されたコースを用いてレーシングゲーム及びドライビングゲーム等を実現することによって、プレイヤーは、現実感を得ながらゲームを楽しむことができる。
【0012】
前記発明に係るゲーム装置において、前記受付手段が、前記デジタル地図データ上の連続する地点で形成される線を受け付けるように構成されており、前記コース設定手段が、前記受付手段によって受け付けられた前記連続する地点で形成される線に基づいて特定される道路を、前記仮想のコースに設定するように構成されていてもよい。
【0013】
また、前記発明に係るゲーム装置において、前記受付手段が、前記デジタル地図データ上の複数の地点の選択を受け付けるように構成されており、前記コース設定手段が、前記受付手段によって受け付けられた選択に係る複数の地点を結ぶ経路に基づいて特定される道路を、前記仮想のコースに設定するように構成されていてもよい。
【0014】
また、前記発明に係るゲーム装置において、前記デジタル地図データには、道路の位置と対応付けられた施設に関する施設情報が含まれており、前記受付手段が、前記施設情報の入力を受け付けることによって、当該施設情報に係る施設と対応付けられている道路の位置を示す地点の選択を受け付けるように構成されていてもよい。
【0015】
また、前記発明に係るゲーム装置が、自位置の緯度及び経度を取得可能な自位置取得手段を更に備え、当該ゲーム装置において、前記受付手段が、前記自位置取得手段によって取得された自位置を示す地点の選択を受け付けるように構成されていてもよい。
【0016】
さらに、前記発明に係るゲーム装置において、前記デジタル地図データには、道路の位置と対応付けられた道路周辺に関する周辺情報が含まれており、前記表示部が、前記コース設定手段によって設定されたコースに沿って車両画像が移動している間に、当該車両画像の位置周辺の道路の位置と対応付けられた周辺情報を前記表示画面上に表示するように構成されていてもよい。
【0017】
本発明のコンピュータプログラムは、少なくとも現実の道路の位置及び形状を表すデジタル地図データを記憶するデジタル地図データベースを備えるコンピュータに、車両を示す車両画像を仮想のコースに沿って移動させるためのコンピュータプログラムであって、 前記コンピュータに、前記デジタル地図データ上の少なくとも1つの地点の選択を受け付けさせる手順と、受け付けられた選択に係る地点に基づいて特定される道路を、前記仮想のコースに設定させる手順とを実行させる。
【0018】
前記発明に係るコンピュータプログラムでは、前記選択を受け付けさせる手順において、前記コンピュータに、前記デジタル地図データ上の連続する地点で形成される線を受け付けさせ、前記コースを設定させる手順において、前記コンピュータに、前記連続する地点で形成される線で特定される道路を、前記仮想のコースに設定させるようにしてもよい。
【0019】
また、前記発明に係るコンピュータプログラムでは、前記選択を受け付けさせる手順において、前記コンピュータに、前記デジタル地図データ上の複数の地点の選択を受け付けさせ、前記コースを設定させる手順において、前記コンピュータに、前記複数の地点を結ぶ経路に基づいて特定される道路を、前記仮想のコースに設定させるようにしてもよい。
【0020】
さらに、前記発明に係るコンピュータプログラムにおいて、前記デジタル地図データには、道路の位置と関連付けられた施設に関する施設情報が含まれており、前記コンピュータに、前記施設情報の入力を受け付けさせる手順を更に実行させ、前記選択を受け付けさせる手順において、前記コンピュータに、前記受け付けさせた施設情報に係る施設と関連付けられている道路の位置を示す地点の選択を受け付けさせるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係るゲーム装置及びコンピュータプログラムによれば、現実に近い状況を形成することができ、しかもプレイヤーが所望のコースを設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0023】
本発明のゲーム装置は、プレイヤーの操作に応じて、自車両を示す車両画像を仮想のコースに沿って移動させることにより自車両と他車両との間でレースを行ったり、仮想のコースに沿って自車両を移動させてタイムラップを争ったりするゲームを実行するものである。なお、以下では、タイムラップを争うゲームを行う場合について例示するが、本発明のゲーム装置はこれに限定されるわけではなく、仮想のコースに沿って車両を示す車両画像を移動させるあらゆるゲーム装置に本発明を適用することができる。
【0024】
(実施の形態1)
[ゲーム装置の構成例]
図1は、本発明の実施の形態1に係るゲーム装置の外観を示す平面図である。図1に示すように、本実施の形態のゲーム装置1は、矩形状の液晶ディスプレイ14と、その液晶ディスプレイ14の両側に沿って配設された複数の操作キーK1乃至K4とを備えている。液晶ディスプレイ14の上面には、抵抗膜方式又は静電容量方式などで実現されるタッチパネル16が配設されている。このタッチパネル16は、ゲームのプレイヤーによって操作されるタッチペンTPでタッチされた位置を検出する。
【0025】
また、ゲーム装置1は、所定の記憶領域を有するメモリカードMCが着脱自在に構成されている。このメモリカードMCには、後述するように、本発明を実施するにあたって必要なデータ及びコンピュータプログラム等が記憶される。
【0026】
なお、本発明において、ディスプレイの形状及び位置並びに操作キーの数及び配置などは、図1に示す態様に限定されるわけではない。
【0027】
図2は、本発明の実施の形態1に係るゲーム装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、ゲーム装置1は、CPU11を備えており、当該CPU11は、バスを介して、ROM12、RAM13、上述した液晶ディスプレイ14、入力インタフェース(I/F)15、及びメモリカードインタフェース(I/F)の各ハードウェアと接続されている。ここで、入力I/F15には、上述したタッチパネル16と操作キー17(図1における操作キーK1乃至K4に相当)とが接続される。また、メモリカードI/F18には、本発明のコンピュータプログラムであるゲームプログラム20が記憶されたメモリカードMC1と、デジタル地図データを蓄積する地図データベース21及び後述する地点探索を実行する場合に用いられる案内検索データベース22が記憶されたメモリカードMC2とが着脱自在に接続される。
【0028】
CPU11は、これらのハードウェアの動作を制御するとともに、RAM13にロードされるコンピュータプログラムを実行する。これにより、ゲーム装置1は、後述するように動作することが可能となる。
【0029】
ROM12は、ゲーム装置1の起動時に実行されるコンピュータプログラム等を記憶する読み出し専用のメモリである。また、RAM13は、例えばDRAMまたはSRAMなどで構成され、コンピュータプログラムを実行する場合に発生する一時的なデータ等を記憶する。このような一時的なデータには、図11乃至図16を参照しながら後述する車両データ、ユーザ操作データ、状況データ、車両操作データ、車両状態データ、及び車両移動データ等の各データが含まれる。さらに、この一時的なデータには、後述するようにして生成されるコースデータも含まれる。なお、コースデータは、このようにRAM13に記憶されるのではなく、メモリカードMC1又はMC2等の他の記憶手段に記憶されるようにしてもよい。
【0030】
タッチパネル16は、タッチペンでタッチされた位置を示すデータをCPU11へ出力する。CPU11は、そのデータを参照することにより、どの地点がタッチされたかを確認することができる。
【0031】
地図データベース21に蓄積されるデジタル地図データは、ノード及び補間点によって、現実に存在する道路の位置及び形状が表されている図形情報で構成される。図形情報は、道路の位置及び形状の他、道路の種別(高速道路、国道等)、背景(公園、建物等)、規制(一方通行等)、及び地点名称(交差点、IC等)等に関する情報で構成される。この図形情報を用いることによって、所定の拡大/縮小レベルの地図を液晶ディスプレイ14上に表現すること可能になる。
【0032】
案内検索データベース22は、地図データ上の施設に係る電話番号、ジャンル(公共機関、レストラン等)、及び施設名等の施設に関する施設情報と、ノード又は補間点で示される道路の位置とが対応付けられて構成される案内検索データを蓄積するデータベースである。この案内検索データを用いることによって、プレイヤーが所望の施設の電話番号などの施設情報を入力した場合、その施設情報に基づいて当該施設を特定し、その施設が地図データ上のどの地点に存在するのかを表示することができる。
【0033】
[ゲーム装置の動作例]
次に、上述したように構成された本実施の形態のゲーム装置1の動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。なお、以下では、プレイヤーが所望のコースを設定する機能を実現する「コースデータ生成処理」と、当該コースデータ生成処理によって生成されたコース上を車両が走行する場合の「車両挙動処理」とに分けて説明する。また、ゲーム装置1が備えるメモリカードI/F18には、メモリカードMC1及びMC2が装着されているものとする。
【0034】
〔コースデータ生成処理〕
図3乃至図5は、コースデータ生成処理に伴う、本発明の実施の形態1に係るゲーム装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【0035】
なお、後述するように、ゲーム装置1は、以下に示す複数のステップにおいて、レース用のコースを示すコースデータを生成する。そのようにコースデータを生成する都度、ゲーム装置1は、生成したコースデータをRAM13に記憶するものとする。
【0036】
図3に示すように、ゲーム装置1は、メモリカードMC2に記憶されている地図データベースから、液晶ディスプレイ14の表示画面の中心位置に係る図形情報を取得する(S101)。この取得した図形情報に基づいて、ゲーム装置1は、液晶ディスプレイ14上に地図を表示する(S102)。
【0037】
次に、ゲーム装置1は、ソフトウェアによって形成される機能ボタンを、地図に重ねて表示する(S103)。この結果、液晶ディスプレイ14上に表示される画面の一例を、図6に示す。
【0038】
図6においては、機能ボタンとして、拡大ボタンB1、縮小ボタンB2、地点検索ボタンB3、消去ボタンB4、及びレース開始ボタンB5が、地図上に示されている。ここで、拡大ボタンB1及び縮小ボタンB2は、表示される地図の拡大/縮小レベルを指定する場合にタッチペンTPによってタッチされる。また、地点探索ボタンB3は後述する地点探索処理を開始する場合、消去ボタンB4はコースデータを消去する場合、レース開始ボタンB5は生成したコースデータを用いてレースを開始する場合にそれぞれタッチペンTPによってタッチされる。
【0039】
図3に戻り、ゲーム装置1は、ステップS103で画面表示を行った後、画面上の地図部分(機能ボタン以外の部分)がタッチペンTPによってタッチされたか否かを判定する(S104)。ここで、CPU11が、タッチパネル16からの出力に基づいて、タッチペンTPによって画面上の地図部分がタッチされたと判定した場合(S104でYES)、ゲーム装置1は、図4に示すように、コースデータがRAM13に記憶されているか否かを判定する(S201)。
【0040】
ステップS201において、RAM13にコースデータが記憶されていないと判定した場合(S201でNO)、ゲーム装置1は、タッチペンTPによってタッチされている地点のノード又は補間点を、レース用のコースのスタート地点として取得する(S202)。そして、ゲーム装置1は、そのスタート地点を液晶ディスプレイ14上に表示する(S203)。
【0041】
次に、ゲーム装置1は、タッチペンTPによる地図部分へのタッチが終了したか否か、すなわちタッチペンTPがタッチパネル16上から離されたか否かを判定する(S204)。ここで、CPU11が、タッチパネル16からの出力に基づいて、タッチペンTPがタッチパネル16上から離されていないと判定した場合(S204でNO)、ゲーム装置1は、タッチされている箇所が移動しているか否かを判定する(S205)。
【0042】
タッチパネル16からの出力に基づいて、タッチされている箇所が移動していないとCPU11が判定した場合(S205でNO)、ゲーム装置1は、ステップS204に戻る。他方、タッチされている地点が移動していると判定した場合(S205でYES)、ゲーム装置1は、タッチ地点が移動したルート(連続するタッチ地点で形成される線)に係る図形情報を取得し、その図形情報を用いてコースを表すコースデータを生成する(S206)。ここで、移動ルートが地図データの道路からそれている場合はそのルート周辺の道路をコースとして生成したり、また、一方通行の道路に逆行する方向に移動ルートが延びている場合は液晶ディスプレイ14上に警告を表示してそのルートをコースとして採用しない等の補正処理を、ゲーム装置1が実行する。このコースデータは、図形情報に含まれるノード及び補間点等の各種の情報で構成される。
【0043】
コースデータを生成した後、ゲーム装置1は、そのコースデータを液晶ディスプレイ14上に表示する(S207)。その結果、液晶ディスプレイ14上に表示される画面の一例を、図7に示す。
【0044】
図7において、RはタッチペンTPによるタッチ地点が移動したルートを、SはそのルートRの始点(ステップS202にて取得されたスタート地点)を、CDはステップS206により生成されたコースデータが示すコースをそれぞれ示している。ルートRは、上述したようにプレイヤーの操作によってタッチペンTPのタッチ地点が移動して形成されるものであり、図7に示す画面例では、スタート地点Sから地図データ上の道路に沿って、画面右方向へ蛇行しながら延びている。そして、コースCD(ハッチングで図示)は、そのルートRに係る道路により形成されている。
【0045】
図4に戻り、ゲーム装置1は、ステップS207で画面表示を行った後、ステップS204へ戻る。これ以降、ステップS204にてタッチが終了したと判定されるまで、ゲーム装置1は、ステップS204乃至S207を繰り返し実行する。そして、ステップS204にてタッチが終了したと判定した場合(S204でYES)、ゲーム装置1は、ステップS104へ戻る。
【0046】
他方、ステップS201において、RAM13にコースデータが記憶されていると判定した場合(S201でYES)、ゲーム装置1は、タッチペンTPによってタッチされている地点のノード又は補間点を、レース用のコースのゴール地点として取得し(S208)、そのゴール地点を液晶ディスプレイ14上に表示する(S209)。そして、ゲーム装置1は、地図データ中の図形情報を用いて、そのゴール地点と、RAM13に記憶されているコースデータで示されるコースとを結ぶ経路の探索を実行する(S210)。次に、ゲーム装置1は、探索の結果得られた探索ルートに係る図形情報を取得し、その図形情報とRAM13に記憶されているコースデータに係る図形情報とを用いて、コースデータを生成する(S211)。
【0047】
コースデータを生成した後、ゲーム装置1は、そのコースデータを液晶ディスプレイ14上に表示する(S212)。その結果、液晶ディスプレイ14上に表示される画面の一例を、図8に示す。
【0048】
図8において、GはステップS208で取得されたゴール地点を、C1はRAM13に記憶されているコースデータにより示されるコースを、C2はコースC1とゴール地点Dとを結ぶルートにより示されるコースをそれぞれ示している。コースC1及びコースC2で構成されるコースCDが、ステップS211で生成されるコースデータによって示されるコースとなる。図8に示すように、ステップS211の結果、既存のコースC1に新たなコースC2を付加することによって、より大きなコースCDが生成されることになる。
【0049】
図3に戻り、ステップS104において、タッチペンTPによって画面上の地図部分以外がタッチされたと判定した場合(S104でNO)、ゲーム装置1は、地点探索ボタンB3がタッチされたか否かを判定する(S105)。ここで、CPU11が、タッチパネル16からの出力に基づいて、タッチペンTPによって地点探索ボタンB3がタッチされていると判定した場合(S105でYES)、ゲーム装置1は、施設に関する施設情報を入力するための施設情報入力画面を液晶ディスプレイ14上に表示する(S106)。
【0050】
図9(a)は、施設情報入力画面の表示例を示す図である。図9(a)に示すように、施設情報入力画面30には、電話番号を入力することが可能なように、ソフトウェアによって形成される番号ボタンが表示されており、それらのボタンをタッチペンTPでタッチすることによって、プレイヤーが検索したい施設の電話番号を入力することができる。
【0051】
なお、ここでは施設情報入力画面に入力可能な施設情報として電話番号を例示したが、これ以外にも、上述したようなジャンル及び施設名等が施設情報としてもよい。
【0052】
図3に戻り、ゲーム装置1は、施設情報入力画面を介して、プレイヤーから施設情報の入力を受け付ける(S107)。次に、ゲーム装置1は、案内検索データベース22を検索し、入力された施設情報を含む案内検索データを取得する(S108)。そして、ゲーム装置1は、取得した案内検索データに含まれている道路の位置(ノード又は補間点)を用いて、プレイヤーが検索したい施設に係る図形情報を地図データベース21から取得し(S109)、取得した図形情報を用いて、ステップS202にて取得したスタート地点と前記道路の位置とを結ぶコースを示すコースデータを、液晶ディスプレイ14上に表示する(S110)。その結果、液晶ディスプレイ14上に表示される画面の一例を、図9(b)に示す。
【0053】
図9(b)において、SはステップS202にて取得したスタート地点を、Fはプレイヤーが検索したい施設を、CDはスタート地点Sと、施設Fと対応付けられている道路の位置とを結ぶコースをそれぞれ示している。本実施の形態では、プレイヤーが施設Fの電話番号を施設情報として入力している。そして、ゲーム装置1が、施設Fと対応付けられている道路の位置を、案内検索データに基づいて特定し、その道路の位置とスタート地点Sとを結ぶコースCDを示すコースデータを生成している。
【0054】
なお、ここでは、スタート地点Sと、施設Fと対応付けられている道路の位置とを結ぶコースを示すコースデータを生成する場合について説明したが、コースデータがRAM13に記憶されている場合であれば、そのコースデータに示すコースの終点と、施設Fと対応付けられている道路の位置とを結ぶコースを示すコースデータを、ゲーム装置1が生成するようにしてもよい。
【0055】
図3に戻り、ステップS105において、CPU11が、タッチパネル16からの出力に基づいて、タッチペンTPによって地点探索ボタンB3以外の部分がタッチされていると判定した場合(S105でNO)、ゲーム装置1は、図5に示すように、拡大ボタンB1又は縮小ボタンB2がタッチされた否かを判定する(S301)。ここで、CPU11が、タッチパネル16からの出力に基づいて、タッチペンTPによって拡大ボタンB1又は縮小ボタンB2がタッチされていると判定した場合(S301でYES)、ゲーム装置1は、拡大ボタンB1がタッチされているときは地図を所定のレベルに拡大し、また、縮小ボタンB2がタッチされているときは地図を所定のレベルに縮小した上で、その変更後の地図を液晶ディスプレイ14上に表示する(S302)。
【0056】
他方、ステップS301において、CPU11が、タッチパネル16からの出力に基づいて、タッチペンTPによって拡大ボタンB1及び縮小ボタンB2以外の部分がタッチされていると判定した場合(S302でNO)、ゲーム装置1は、消去ボタンB4がタッチされたか否かを判定する(S303)。ここで、CPUが、タッチパネル16からの出力に基づいて、タッチペンTPによって消去ボタンB4がタッチされていると判定した場合(S303でYES)、ゲーム装置1は、RAM14に記憶されているコースデータをクリア(消去)する(S304)。
【0057】
また、ステップS303において、CPU11が、タッチパネル16からの出力に基づいて、タッチペンTPによって消去ボタンB4以外の部分がタッチされていると判定した場合(S303でNO)、ゲーム装置1は、レース開始ボタンB5がタッチされたか否かを判定する(S305)。ここで、CPUが、タッチパネル16からの出力に基づいて、タッチペンTPによってレース開始ボタンB5以外がタッチされていると判定した場合(S305でNO)、ゲーム装置1は、ステップS104へ戻る。他方、レース開始ボタンB5がタッチされていると判定した場合(S305でYES)、ゲーム装置1は、RAM13に記憶されているコースデータをレース用のコースデータとして確定させ(S306)、そのコースデータによって示されるコースを液晶ディスプレイ14上に表示する(S307)。
【0058】
以上のようにして液晶ディスプレイ14上に表示されているコースを用いて、プレイヤーがゲームを行うことになる。このようにして、プレイヤーは、実在する道路を示すデジタル地図を用いて、所望のコースを設定することができる。そのため、プレイヤーは、より現実に近い状況でゲームを楽しむことができる。
【0059】
本実施の形態のゲーム装置1の利用状況としては、次のようなものが想定される。例えばゲーム装置1が携帯型のものである場合、現実の自動車の中にゲーム装置1を持ち込んだ上で、運転手以外の者がプレイヤーとなってゲームを行うことが考えられる。この場合、プレイヤーが、自分の乗っている自動車が走行している道路と同一の道路を含むコースをレース用のコースとして設定することによって、より現実感を高めることができる。
【0060】
〔車両挙動処理〕
次に、上述したようにして設定されたコース上を車両が走行する場合の車両挙動処理について説明する。なお、以下では、図1における操作キーK1乃至K4のそれぞれを、ブレーキボタン(ブレーキを踏む場合に押下されるボタン)、左ボタン(ハンドルを左に回す場合に押下されるボタン)、アクセルボタン(アクセルを踏む場合に押下されるボタン)、及び右ボタン(ハンドルを右に回す場合に押下されるボタン)とする。
【0061】
図10は、車両挙動処理に伴う、本発明の実施の形態1に係るゲーム装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【0062】
まず、プレイヤーは、ゲームで用いる車両の設定を行う。具体的には、ゲーム装置1が車両を示す車両画像を液晶ディスプレイ14上に複数表示し、それらの車両画像のうち特定のものをプレイヤーがタッチペンTPでタッチすることによって、車両の設定が行われる。ゲームプログラム20には、上記の複数の車両画像と、それらの車両画像毎に予め定められた車両データとが対応付けられて記憶されている。以下、この車両データについて、説明する。
【0063】
図11は、車両データの構造を示す図である。図11に示すように、車両データには、車両のフレーム、サスペンション、タイヤ、ハンドル、アクセル、及びブレーキなどに関するデータが含まれる。ここで、フレームに関するデータとしては、高さ、幅、ドレッド幅、及び重心位置などが挙げられる。サスペンションに関するデータとしては、応力、固さ、及びストローク量などが挙げられる。タイヤに関するデータとしては、幅、直径、及びゴム質などが挙げられる。ハンドルに関するデータとしては、ハンドルの固さ、及び回す程固くなる量などが挙げられる。アクセルに関するデータとしては、アクセルの固さ、及び踏み込める量などが挙げられる。また、ブレーキに関するデータとしては、ブレーキの固さ、踏み込める量、及びストロークにより固くなる量などが挙げられる。なお、これらの各データは、数値で表されている。
【0064】
プレイヤーがタッチペンTPによって特定の車両画像をタッチした場合、ゲーム装置1は、そのタッチした車両画像と対応付けられている車両データをRAM13に記憶することによって、車両データの設定を行う(S401)。
【0065】
なお、これ以外にも、例えばプレイヤーが車両データの入力を行うことにより、車両の設定がなされるようにしてもよい。この場合のデータの入力方法としては、例えば、ゲーム装置1が車両データの入力画面を液晶ディスプレイ14上に表示し、その入力画面にしたがって、プレイヤーがタッチペンTPを操作して車両データを入力するようにすればよい。
【0066】
車両データの設定後、ゲーム装置1は、ユーザによって選択された車両画像を、コースのスタート地点に表示する。これにより、プレイヤーはゲームを開始することができ、操作キーK1乃至K4を操作することによって、車両画像をコースに沿って移動させることが可能となる。
【0067】
ゲーム装置1は、プレイヤーによる操作キーK1乃至K4の操作に対して、次のような処理を実行することにより、ユーザ操作データを生成する。図12は、ユーザ操作データの構造を示す図である。図12に示すように、ユーザ操作データには、ハンドル左右移動力、アクセル踏み込み力、及びブレーキ踏み込み力を数値化したデータが含まれる。図12に示す例では、ハンドル左右移動力として右50(右方向へ50移動する)が、アクセル踏み込み力として40が、ブレーキ踏み込み力として0がそれぞれ示されている。これらの数値は、例えば0から100までの範囲をとり得るものとし、その数値の大きさが力の大きさに対応しているものとする。
【0068】
図10に戻り、ゲーム装置1は、左ボタンK2又は右ボタンK4が押下された否かを判定する(S402)。ここで、左ボタンK2又は右ボタンK4が押下されたと判定した場合(S402でYES)、ゲーム装置1は、押下された回数、押下された状態が継続している時間、又は押下した場合の押圧力等に応じて、ハンドル左右移動力データの加算処理を実行する(S403)。この加算処理では、例えば、左ボタンK2が押下される都度、左方向への移動力を10ずつ増やしたり、右ボタンK4が5秒間押下された場合に、右方向への移動力を5増やしたりする。
【0069】
他方、ステップS402において、左ボタンK2又は右ボタンK4が押下されていないと判定した場合(S402でNO)、ゲーム装置1は、ハンドル左右移動力データの減算処理を実行する(S404)。この減算処理では、例えば、左方向又は右方向への移動力を10減らす等の処理がなされる。
【0070】
次に、ゲーム装置1は、アクセルボタンK3が押下された否かを判定する(S405)。ここで、アクセルボタンK3が押下されたと判定した場合(S405でYES)、ゲーム装置1は、押下された回数及び押下された状態が継続している時間等に応じて、アクセル踏み込み力データの加算処理を実行する(S406)。この加算処理では、例えば、アクセルボタンK3が押下される都度、アクセル踏み込み力を10ずつ増やしたり、アクセルボタンK3が5秒間押下された場合に、アクセル踏み込み力を5増やしたりする。
【0071】
他方、ステップS405において、アクセルボタンK3が押下されていないと判定した場合(S405でNO)、ゲーム装置1は、アクセル踏み込み力データの減算処理を実行する(S407)。この減算処理では、例えば、アクセル踏み込み力を10減らす等の処理がなされる。
【0072】
次に、ゲーム装置1は、ブレーキボタンK1が押下された否かを判定する(S408)。ここで、ブレーキボタンK1が押下されたと判定した場合(S408でYES)、ゲーム装置1は、押下された回数及び押下された状態が継続している時間等に応じて、ブレーキ踏み込み力データの加算処理を実行する(S409)。この加算処理では、例えば、ブレーキボタンK1が押下される都度、ブレーキ踏み込み力を10ずつ増やしたり、ブレーキボタンK1が5秒間押下された場合に、ブレーキ踏み込み力を5増やしたりする。
【0073】
他方、ステップS408において、ブレーキボタンK1が押下されていないと判定した場合(S408でNO)、ゲーム装置1は、ブレーキ踏み込み力データの減算処理を実行する(S410)。この減算処理では、例えば、ブレーキ踏み込み力を10減らす等の処理がなされる。
【0074】
次に、ゲーム装置1は、現在の車両画像の位置についての状況データを取得する(S411)。以下、この状況データについて、説明する。
【0075】
図13は、状況データの構造を示す図である。図13に示すように、状況データには、天候及び路面状況などに関するデータが含まれる。ここで、天候に関するデータとしては、晴、雨、又は曇などが挙げられ、路面状況に関するデータとしては、摩擦係数及び傾きなどが挙げられる。
【0076】
上記の状況データは、所定の時間間隔で、ゲーム装置1によってランダムに生成される。これにより、様々な状況が自動的に生成されることになる。状況データは、生成される都度、RAM13に記憶される。ステップS411において、ゲーム装置1は、RAM13に記憶されている状況データを、車両画像の現在の位置についての状況データとして取得する。
【0077】
次に、ゲーム装置1は、車両データとユーザ操作データとを用いて、車両操作データを生成する(S412)。以下、この車両操作データについて、説明する。
【0078】
図14は、車両操作データの構造を示す図である。図14に示すように、車両操作データには、ハンドル蛇角、アクセル開度、及びブレーキ踏み込み度に関するデータが含まれる。図14に示す例では、ハンドル蛇角として右15度が、アクセル開度として50が、ブレーキ踏み込み度として0がそれぞれ示されている。これらの数値は、例えば0から100までの範囲をとり得るものとし、その数値の大きさが角度、開度、及び踏み込み度の大きさに対応しているものとする。
【0079】
これらのハンドル蛇角、アクセル開度、及びブレーキ踏み込み度は、車両データに含まれている各データと、ユーザ操作データに含まれている各データとを用いて、所定の式により算出される。例えば、車両データに含まれるハンドルの固さ及び回す程固くなる量と、ユーザ操作データに含まれるハンドル左右移動力とを用いて、所定の式により、ハンドル蛇角が算出されたり、車両データに含まれるアクセルの固さ及び踏み込める量と、ユーザ操作データに含まれるアクセル踏み込み力とを用いて、所定の式により、アクセル開度が算出されたりする。
【0080】
次に、ゲーム装置1は、車両データと、ユーザ操作データと、状況データと、車両操作データとを用いて、車両状態データを生成する(S413)。以下、この車両状態データについて、説明する。
【0081】
図15は、車両状態データの構造を示す図である。図15に示すように、車両状態データには、タイヤ向き、加速度、速度、フレーム、サスペンション状態、及びタイヤ状態に関するデータが含まれる。ここで、フレームに関するデータとしてはねじれ及び変形量などが、サスペンション状態に関するデータとしてはサスペンションの変形量などが、タイヤ状態に関するデータとしてはタイヤの変形量などがそれぞれ挙げられる。これらのデータは数値で表されている。また、図15に示す例では、タイヤ向きとして右15度が、加速度として1.5m/sが、速度として140km/時がそれぞれ示されている。
【0082】
これらの車両状態データに示される各データは、車両データ、ユーザ操作データ、状況データ、及び車両操作データに含まれる各データを用いて、所定の式により算出される。例えば、車両データに含まれるタイヤの幅、直径、及びゴム質と、車両操作データに含まれるハンドル蛇角とを用いて、所定の式により、タイヤ向きが算出されたり、状況データに含まれる路面状況に関するデータと、車両操作データに含まれるアクセル開度とを用いて、所定の式により、速度が算出されたりする。
【0083】
次に、ゲーム装置1は、状況データと車両状態データとを用いて、車両移動データを生成する(S414)。以下、この車両移動データについて、説明する。
【0084】
図16は、車両移動データの構造を示す図である。図16に示すように、車両移動データには、進行向き及び移動量に関するデータが含まれる。図16に示す例では、進行向きとして南南東が、移動量として10mがそれぞれ示されている。
【0085】
これらの車両移動データに示される各データは、状況データ及び車両状態データに含まれる各データを用いて、所定の式により算出される。例えば、状況データに含まれる路面状況に関するデータと、車両状態データに含まれるタイヤ向き、並びにフレーム、サスペンション状態、及びタイヤ状態に関するデータとを用いて、所定の式により、進行向きが算出されたり、状況データに含まれる路面状況に関するデータと、車両状態データに含まれる加速度及び速度とを用いて、所定の式により、移動量が算出されたりする。
【0086】
ゲーム装置1は、ステップS414にて生成した車両移動データに基づいて、車両画像を移動させる(S415)。この移動の様子を図17に示す。
【0087】
図17において、CDはコースを、Vは車両画像をそれぞれ示している。この図17では、車両画像Vが矢符方向に移動している様子が示されている。ここで、車両画像Vの移動する方向は、車両移動データに含まれる進行向きによって決定され、車両画像Vの移動距離は、車両移動データに含まれる移動量によって決定される。
【0088】
ゲーム装置1は、コースCDのスタート地点からゴール地点までを車両画像Vが移動するために要した時間を計測し、その計測した時間を液晶ディスプレイ14上に表示する。これにより、タイムラップを争うゲームが実現される。
【0089】
以上のようにして、ゲーム装置1は、プレイヤーの操作量に応じて、車両画像を移動させる。これにより、プレイヤーは、所望のコースを用いたレース等のゲームを行うことができる。
【0090】
(実施の形態2)
実施の形態2のゲーム装置は、実施の形態1のゲーム装置の構成に加えて、自位置の緯度及び経度を取得可能なGPS(Global Positioning System)機能を備えたものである。
【0091】
[ゲーム装置の構成例]
図18は、本発明の実施の形態2に係るゲーム装置の構成を示すブロック図である。図2に示すように、ゲーム装置2は、CPU11とバス接続されたGPSインタフェース(I/F)41を備えている。このGPSI/F41には、GPS機能を実現するための公知のGPS受信機であるGPSユニット40が着脱自在に接続される。CPU11がGPSI/F41を介してGPSユニット40からの出力信号を受け取ることによって、ゲーム装置2は、GPS機能を有する装置となる。
【0092】
なお、実施の形態2のゲーム装置2のその他の構成については、実施の形態1の場合と同様であるので、同一符号を付して、説明を省略する。
【0093】
[ゲーム装置の動作例]
次に、以上のように構成された本実施の形態のゲーム装置2の動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。なお、本実施の形態のゲーム装置2は携帯型のものであって、現実の自動車の中に持ち込まれており、運転手以外の者であるプレイヤーによって当該自動車が走行している間に利用されているものとする。以下、プレイヤーが乗っている自動車を自車と呼ぶ。
【0094】
図19は、本発明の実施の形態2に係るゲーム装置の動作の流れを示すフローチャートである。まず、ゲーム装置2は、GPSユニット40からの出力信号に基づいて、現在の自車位置の緯度データ及び経度データを取得し、その緯度データ及び経度データにしたがって現在の自車位置を特定する。そして、ゲーム装置2は、その特定した現在の自車位置を含む図形情報に基づいて、現在の自車位置を含む地図を液晶ディスプレイ14上に表示する(S501)。
【0095】
次に、ゲーム装置2は、実施の形態1において説明した「コースデータ生成処理」を実行する(S502)。このコースデータ生成処理においては、上述したようにして取得された現在の自車位置が、コースのスタート地点として設定される。その結果、プレイヤーは、自車位置をスタート地点とするコースを設定することができる。
【0096】
図20は、本発明の実施の形態2に係るゲーム装置2によって生成されたコースデータの表示例を示す図である。図20において、CDはコースデータによって示されるコースを、Vは車両画像をそれぞれ示している。ここで、車両画像Vは、コースCDのスタート地点に位置しているものとする。すなわち、車両画像Vの位置は、自車の現在位置(ゲーム装置2を操作するプレイヤーが乗っている自動車が存在している位置)に対応している。
【0097】
コースデータ生成処理が終了した後、ゲーム装置2は、実施の形態1において説明した「車両挙動処理」を実行する(S503)。これにより、プレイヤーは、自車と同様な状況が仮想的に表現されたゲームを行うことができ、より現実感を高めることができる。
【0098】
なお、ゲーム装置2が、車両挙動処理の実行中においても、GPS40からの出力信号に基づいて、走行中の自車の位置を取得し、その位置に基づいて車両画像Vの位置を適宜補正するなどすることによって、より現実に近い状況をゲーム上に形成することが可能となる。
【0099】
〔周辺情報の表示〕
地図データベース21には、道路周辺に存在する施設に関する情報及びその周辺の観光に関する情報などを含む周辺情報が、その道路の位置(ノード又は補間点)と対応付けられて記憶されているものとする。本実施の形態のゲーム装置2は、後述するように、車両挙動処理を実行している間、すなわち車両画像がコースに沿って走行している間に、そのコース中の道路の位置と対応付けられている周辺情報を表示する。
【0100】
図21は、周辺情報の表示に伴う、本発明の実施の形態2に係るゲーム装置の動作の流れを示すフローチャートである。ゲーム装置2は、実施の形態1において説明したように、車両挙動処理において、車両移動データに基づく車両の移動を行う(S601)。これにより、表示画面上の車両画像の位置が移動することになる。
【0101】
次に、ゲーム装置2は、移動後の車両画像が位置している移動地点に係る周辺情報があるか否かを判定する(S602)。ここで、移動地点に係る周辺情報とは、車両画像の移動地点を示すノード又は補間点と対応付けられている周辺情報のことを意味する。したがって、ステップS602において、ゲーム装置2は、移動地点を示すノード又は補間点と対応付けられている周辺情報が地図データベース21から検索することによって、移動地点に係る周辺情報の有無を判定する。
【0102】
ステップS602において、移動地点に係る周辺情報がないと判定した場合(S602でNO)、ゲーム装置2は、処理を終了し、継続して車両挙動処理を実行する。他方、移動地点に係る周辺情報があると判定した場合(S602でYES)、ゲーム装置2は、液晶ディスプレイ14を用いて、その周辺情報を移動地点の付近に表示する(S603)。
【0103】
図22は、そのようにして周辺情報が表示された場合の表示例を示す図である。図22では、コースCDに沿って移動する車両画像Vの移動地点(図22における車両画像Vの位置)と対応付けられて地図データベース21に記憶されている周辺情報50が表示されている場合の表示例が示されている。この周辺情報50は、道路周辺の施設の名称及びその施設中の店舗の名称が含まれている。
【0104】
このように、ゲーム装置2は、車両挙動処理を実行している間に、車両画像が位置する道路周辺に関する周辺情報を表示する。これにより、プレイヤーは、ゲームを実行しながら、実際に自分がいる場所の周辺に関する情報を取得することができる。この場合、例えば、自車が目的地に到達するよりも先に、プレイヤーがその目的地を示す地点に車両画像を移動させるようにゲームを行うことによって、ゲームをしながら目的地周辺の情報を取得するようなことが可能となる。
【0105】
(その他の実施の形態)
地図データベース21が、道路の位置(ノード又は補間点)と対応付けて種々の情報を記憶しておき、本発明のゲーム装置がその情報を適宜表示することによって、よりゲーム性を高めることができる。例えば、仮想の障害物に関する障害物情報が道路の位置と対応付けて記憶されている場合であれば、車両画像がコースを移動している間にその障害物情報を表示して、その障害物の形状に応じて車両画像の移動を制限する等の機能を実現することができる。また、例えば、ゴルフゲームプログラムの実行のトリガーとなる情報が現実のゴルフコース近辺の道路の位置と対応付けられて記憶されている場合であれば、車両画像がその道路周辺に移動した場合に当該ゴルフゲームプログラムを実行することによって、プレイヤーがゴルフゲームを行うことができるようにすること等も可能である。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明のゲーム装置及びコンピュータプログラムは、プレイヤーがより現実感を得ることができるレーシングゲーム及びドライビングゲーム等のゲーム装置及びコンピュータをそのゲーム装置として機能させるためのコンピュータプログラム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】本発明の実施の形態1に係るゲーム装置の外観を示す平面図
【図2】本発明の実施の形態1に係るゲーム装置の構成を示すブロック図
【図3】コースデータ生成処理に伴う、本発明の実施の形態1に係るゲーム装置の動作の流れを示すフローチャート
【図4】コースデータ生成処理に伴う、本発明の実施の形態1に係るゲーム装置の動作の流れを示すフローチャート
【図5】コースデータ生成処理に伴う、本発明の実施の形態1に係るゲーム装置の動作の流れを示すフローチャート
【図6】地図及び機能ボタンの表示例を示す図
【図7】コースデータの表示例を示す図
【図8】コースデータの表示例を示す図
【図9(a)】施設情報入力画面の表示例を示す図
【図9(b)】コースデータの表示例を示す図
【図10】車両挙動処理に伴う、本発明の実施の形態1に係るゲーム装置の動作の流れを示すフローチャート
【図11】車両データの構造を示す図
【図12】ユーザ操作データの構造を示す図
【図13】状況データの構造を示す図
【図14】車両操作データの構造を示す図
【図15】車両状態データの構造を示す図
【図16】車両移動データの構造を示す図
【図17】車両画像の移動の様子を示す図
【図18】本発明の実施の形態2に係るゲーム装置の構成を示すブロック図
【図19】本発明の実施の形態2に係るゲーム装置の動作の流れを示すフローチャート
【図20】コースデータの表示例を示す図
【図21】周辺情報の表示に伴う、本発明の実施の形態2に係るゲーム装置の動作の流れを示すフローチャート
【図22】周辺情報の表示例を示す図
【符号の説明】
【0108】
1,2 ゲーム装置
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 液晶ディスプレイ
15 入力インタフェース
16 タッチパネル
17 操作キー
18 メモリカードインタフェース
20 ゲームプログラム
21 地図データベース
22 案内検索データベース
30 施設情報入力画面
40 GPSユニット
41 GPSインタフェース
C1,C2,CD コース
F 施設
G ゴール地点
K1〜K4 操作キー
MC,MC1,MC2 メモリカード
R ルート
S スタート地点
TP タッチペン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有する表示部を備え、当該表示画面上で、車両を示す車両画像を仮想のコースに沿って移動させるゲーム装置において、
少なくとも現実の道路の位置及び形状を表すデジタル地図データを記憶するデジタル地図データベースと、
前記デジタル地図データ上の少なくとも1つの地点の選択を受け付ける受付手段と、
前記受付手段によって受け付けられた選択に係る地点に基づいて特定される道路を、前記仮想のコースに設定するコース設定手段と
を備えることを特徴とする、ゲーム装置。
【請求項2】
前記受付手段は、前記デジタル地図データ上の連続する地点で形成される線を受け付けるように構成されており、
前記コース設定手段は、前記受付手段によって受け付けられた前記連続する地点で形成される線に基づいて特定される道路を、前記仮想のコースに設定するように構成されている、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記受付手段は、前記デジタル地図データ上の複数の地点の選択を受け付けるように構成されており、
前記コース設定手段は、前記受付手段によって受け付けられた選択に係る複数の地点を結ぶ経路に基づいて特定される道路を、前記仮想のコースに設定するように構成されている、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記デジタル地図データには、道路の位置と対応付けられた施設に関する施設情報が含まれており、
前記受付手段は、前記施設情報の入力を受け付けることによって、当該施設情報に係る施設と対応付けられている道路の位置を示す地点の選択を受け付けるように構成されている、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項5】
自位置の緯度及び経度を取得可能な自位置取得手段を更に備え、
前記受付手段は、前記自位置取得手段によって取得された自位置を示す地点の選択を受け付けるように構成されている、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記デジタル地図データには、道路の位置と対応付けられた道路周辺に関する周辺情報が含まれており、
前記表示部は、前記コース設定手段によって設定されたコースに沿って車両画像が移動している間に、当該車両画像の位置周辺の道路の位置と対応付けられた周辺情報を前記表示画面上に表示するように構成されている、請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項7】
少なくとも現実の道路の位置及び形状を表すデジタル地図データを記憶するデジタル地図データベースを備えるコンピュータに、車両を示す車両画像を仮想のコースに沿って移動させるためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記デジタル地図データ上の少なくとも1つの地点の選択を受け付けさせる手順と、
受け付けられた選択に係る地点に基づいて特定される道路を、前記仮想のコースに設定させる手順と
を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記選択を受け付けさせる手順において、前記コンピュータに、前記デジタル地図データ上の連続する地点で形成される線を受け付けさせ、
前記コースを設定させる手順において、前記コンピュータに、前記連続する地点で形成される線で特定される道路を、前記仮想のコースに設定させる、請求項7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記選択を受け付けさせる手順において、前記コンピュータに、前記デジタル地図データ上の複数の地点の選択を受け付けさせ、
前記コースを設定させる手順において、前記コンピュータに、前記複数の地点を結ぶ経路に基づいて特定される道路を、前記仮想のコースに設定させる、請求項7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記デジタル地図データには、道路の位置と関連付けられた施設に関する施設情報が含まれており、
前記コンピュータに、前記施設情報の入力を受け付けさせる手順を更に実行させ、
前記選択を受け付けさせる手順において、前記コンピュータに、前記受け付けさせた施設情報に係る施設と関連付けられている道路の位置を示す地点の選択を受け付けさせる、請求項7に記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9(a)】
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【図9(b)】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2007−222640(P2007−222640A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2007−45662(P2007−45662)
【出願日】平成19年2月26日(2007.2.26)
【出願人】(504050275)株式会社 ミックウェア (42)
【Fターム(参考)】