説明

ゲーム装置

【課題】遊戯者が操作体を所持し続けることなく、操作体の操作結果に応じてゲームを進行させる。
【解決手段】ゲーム装置1の筐体に略鉛直状態に支持されるスクリーン3と、スクリーン3の前面側下端部に設けられ、遊戯者が操作するブロック(操作体)を載置するための載置台4と、プロジェクタ用鏡19を介してゲーム画像をスクリーン3に投影させるプロジェクタ10と、スクリーン3を透過する赤外線をスクリーン3の背面側から載置台4上のブロック6に照射する光源部20と、赤外線の投射先をスクリーン3の背面側からカメラ用鏡39を介して撮像するカメラ30と、カメラ30によって撮像された映像を用いて載置台4上に載置されたブロックの載置状態を判定し、判定したブロックの載置状態に応じてゲーム画像を含むゲーム状況を制御する制御部50と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、スクリーンに投影される画像に従ってゲームを進行させるゲーム装置であって、特に、遊戯者が操作する操作体を利用してゲームを進行させるゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スクリーンに投影される画像に従ってゲームを進行するゲーム装置として、例えば、下記特許文献1に記載されたゲーム装置がある。このゲーム装置では、遊戯者が操作するスティックでスクリーン上をタッチする等してゲームを進行している。具体的には、スクリーンに表示されたマトをスティックで叩いたり、スクリーンに表示された敵キャラクタをスティックでタッチしたまま移動させたりしながらゲームを進行している。
【特許文献1】特開2007−172585号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来のゲーム装置では、遊戯者が所持するスティックを用いてスクリーンに表示された物体を叩いたり移動させたりしているため、遊戯者は、スティック等の操作体を所持し続けるとともに、ゲームの進行に合わせて操作体を操作し続ける必要がある。
【0004】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、遊戯者が操作体を所持し続けることなく、操作体の操作結果に応じてゲームを進行させることができるゲーム装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決するため、本発明にかかるゲーム装置は、略鉛直状態に支持された透過型スクリーンと、透過型スクリーンの下部の前面側に設けられ、遊戯者が操作する操作体を載置するための載置台と、透過型スクリーンの背面側から当該透過型スクリーンにゲーム画像を投影する投影装置と、透過型スクリーンの背面側から載置台上の操作体に、透過型スクリーンを透過する所定波長の光を照射する光源と、操作体にて反射した所定波長の光を検出する検出手段と、検出手段によって検出された所定波長の光に基づいて操作体の載置状態を判定し、当該判定に応じてゲーム画像を含むゲーム状況を制御するゲーム制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0006】
この発明によれば、ゲームの進行中に、透過型スクリーンの下部前面側に設けられた載置台上に操作体が載置された場合に、操作体にて反射した所定波長の光を検出することで、載置台上に載置された操作体の載置状態を判定することができ、判定した操作体の載置状態に応じてゲーム画像を含むゲーム状況を制御させることができる。これにより、遊戯者は操作体を所持し続けることなく、操作体を載置台上に載置していくことでゲームを進行させることが可能となる。
【0007】
上記ゲーム装置において、上記検出手段は、操作体にて反射した所定波長の光を透過型スクリーンの背面側から像として捉える撮像装置であり、上記ゲーム制御手段は、撮像装置によって得られた画像情報を用いて、操作体によって前面側が遮蔽された透過型スクリーン上の領域を判定することによって、上記載置状態を判定することとしてもよい。
【0008】
これにより、光源から投射された所定波長の光が透過型スクリーンを透過して、載置台上に載置されている操作体の表面で反射する様子を、撮像装置で撮像することができ、撮像装置によって得られた画像情報を用いて操作体によって前面側が遮蔽された透過型スクリーン上の領域を判定することが可能となる。
【0009】
上記ゲーム装置において、上記投影装置から透過型スクリーンに至るまでの光路、および透過型スクリーンから撮像装置に至るまでの光路は、透過型スクリーンの背面側に設けられた反射部材によって屈折させられていることとしてもよい。その際に、上記反射部材は、それぞれの光路ごとに設けられ、投影装置および撮像装置よりもスクリーンから遠方に配置されることとしてもよいし、上記反射部材は、投影装置と撮像装置との間に配置され、投影装置から透過型スクリーンに至るまでの光路の光を透過させ、透過型スクリーンから撮像装置に至るまでの光路の光を反射させる一の部材であることとしてもよい。
【0010】
これにより、投影装置の光路と撮像装置の光路を分離し、投影装置と撮像装置との配置が互いに干渉し合う事態を防止することができる。
【0011】
上記ゲーム装置において、上記操作体は、当該操作体同士を互いに組み合わせるための突出部および陥没部を有し、上記載置台は、操作体の陥没部と嵌合可能な突起部を有することとしてもよい。
【0012】
これにより、操作体の載置状態は操作体同士が互いに組み合った状態に限定することができ、さらには、操作体が存在するか否かを判定するための検出位置も載置台の突起部によって限定させることができるので、載置状態の判定精度を高めることができる。
【0013】
上記ゲーム装置において、載置台の状態を、操作体を載置できる状態と操作体を載置できない状態とに変化させる駆動部をさらに有し、上記ゲーム制御手段は、ゲーム状況に応じて上記載置台の状態をいずれか一方の状態から他方の状態に変化させるように駆動部を制御することとしてもよい。
【0014】
これにより、載置台の状態を通して、遊技者にゲームの進行状況を認識させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、遊戯者が操作体を所持し続けることなく、操作体の操作結果に応じてゲームを進行させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るゲーム装置の好適な実施形態を詳細に説明する。本実施形態におけるゲーム装置は、スクリーン下部の手前側に設けられた台の上に遊戯者がブロック(操作体)を積み上げていき、積み上げられたブロックの載置状態に応じてゲーム内容を展開させていくアクション型のゲーム装置である。このようなゲーム装置の構成を以下に説明する。
【0017】
まず、本実施形態におけるゲーム装置の外観構成について説明する。図1は、ゲーム装置の外観構成図である。図1に示すように、ゲーム装置1は、筺体2と、ゲーム画像を表示するためのスクリーン3と、遊戯者が操作するブロック6を載置するための載置台4と、ブロック6を収納するための収納部5と、を有する。以下の記述では、筐体2において、スクリーン3がある側を前方とする。
【0018】
スクリーン3は、筺体2の前面側に設けられ、筺体2によって略鉛直状態に支持されている。スクリーン3は、後述するプロジェクタによってスクリーン3の背面側から投射された光を透過させ、スクリーン3の前面に映像を映し出す透過型のスクリーンである。
【0019】
載置台4は、スクリーン3の前面側の下端部に設けられている。この載置台4上に載置する各ブロック6には、ブロック6同士を互いに組み合わせるための突出部6aおよび陥没部6bが設けられている。載置台4のブロック6を載置する面(以下、「載置面」という。)4p上には、突起部4aが設けられている。載置台4の突起部4aとブロック6の陥没部6bを嵌合させることで、ブロック6の載置位置は限定される。これにより、ブロック6が存在するか否かを判定するための検出位置を限定的に設定することができる。すなわち、ブロック6が存在する可能性のある位置のみにおいてブロック6の検出の有無を判定することで、ブロック6の載置状態を精度良く判定することができる。なお、検出位置の場所や数は、ブロック6の大きさや形状に応じてブロック6の載置状態を判定することができるよう、適宜設定することができる。例えば、ブロック6の表面に穴があるなど形状に特徴がある場合には、その特徴部分のみを検出するようにすればよい。
【0020】
次に、本実施形態におけるゲーム装置1の内部構成について説明する。図2は、図1のII−II線断面図であり、図3は、ゲーム装置1の内部構成を示すブロック図である。図示のように、ゲーム装置1の筺体2の内部には、プロジェクタ10(投影装置)と、プロジェクタ用鏡19と、光源部20と、カメラ30(検出手段)と、カメラ用鏡39と、載置台駆動部40(駆動部)と、制御部50(ゲーム制御手段)とが備えられている。
【0021】
プロジェクタ10は、スクリーン3にゲーム画像を投影するための投影装置である。このプロジェクタ10の光軸は、ゲーム装置1の後部側に設けられたプロジェクタ用鏡19に向けられている。プロジェクタ用鏡19は、プロジェクタ10からスクリーン3に至るまでの光路を屈折させる反射部材である。プロジェクタ10とプロジェクタ用鏡19は、プロジェクタ10からゲーム装置1の後方側上方に向けて投射された光線が、プロジェクタ用鏡19で屈折してスクリーン3の背面全体に行き渡るように配置されている。このようにプロジェクタ10とプロジェクタ用鏡19を配置することで、スクリーン3の前面全体にゲーム画像を表示させることが可能となる。
【0022】
光源部20は、スクリーン3を透過する赤外線(所定波長の光)を、スクリーン3の背面側から載置台4上のブロック6に照射するLED(光源)を複数有する。図4および図5を参照して、光源部20について説明する。図4は、図2のIV−IV線断面図である。図5は、図4の囲み線V内を拡大した要部断面図である。
【0023】
光源部20は、ゲーム装置1の上下方向に1列に並べられた複数のLED21と、LED21に沿ってゲーム装置1の上下方向に設けられた反射板22と、LED21および反射板22を支持する支持部材23とを有する。LED21は、例えば890nmの赤外線を照射する。反射板22は、LED21から照射された赤外線をスクリーン方向に反射させることで、赤外線がスクリーン3の背面外に拡散することを防止する。
【0024】
なお、光源部20が投射する光は、890nmの赤外線には限定されない。スクリーン3を透過することが可能な所定波長の光であればよい。
【0025】
図2および図3に示すカメラ30は、光源部20による赤外線の投射先をスクリーン3の背面側から撮像するための撮像装置である。すなわち、カメラ30は、ブロック6で反射した赤外線を検出するための装置である。カメラ30は、入射光の光量を抑える減光フィルタ31と、特定の赤外線波長の光をピークとして透過させるバンドパスフィルタ32と、赤外線領域に感度分布を持つCCDカメラ33とを有する。バンドパスフィルタ32のピーク波長は、LED21が照射する赤外線の波長(本実施形態では890nm)と同値に設定される。
【0026】
カメラ30の光軸は、ゲーム装置1の後部側に設けられたカメラ用鏡39に向けられている。カメラ用鏡39は、スクリーン3からカメラ30に至るまでの光路を屈折させる反射部材である。カメラ30とカメラ用鏡39は、カメラ用鏡39で反射されて形成されるスクリーン3の背面全体を含む写像が、カメラ用鏡39からゲーム装置1の前方側上方に向けて投射され、この投射された写像をカメラ30で撮像できるように配置されている。このようにカメラ30とカメラ用鏡39を配置することで、LED21から照射されてスクリーン3を透過した後に載置台4上のブロック6の表面で反射した赤外線をカメラ30で捉えることが可能となる。
【0027】
このように、カメラ30とプロジェクタ10をスクリーン3の背面側に配置したうえで、カメラ30をゲーム装置1の上方側に配置し、プロジェクタ10をカメラ30よりも下方側に配置するとともに、カメラ用鏡39をカメラ30よりも後方かつ下方側に配置し、プロジェクタ用鏡19を、カメラ用鏡39よりも下方側であってプロジェクタ10よりも後方かつ上方側に配置することで、プロジェクタ10の光路とカメラ30の光路が互いに干渉し合う事態を防止することができる。
【0028】
載置台駆動部40は、例えば、モータ等の動力源と、リンクやカム等の伝動機構とを含んで構成される。載置台4は、奥側の長手方向が枢支されており、回動することによって載置面4pの傾きが変化し、これにより載置面4pの位置が変化する。載置台駆動部40は、制御部50の指示に従って載置台4を駆動し、載置台4のブロック6を載置する載置面4pの位置を、ブロック6を載置できる略水平な状態とブロック6を載置できない略鉛直な状態とに変化させる。図6は、載置台4の載置面4pがブロック6を載置できる状態を例示する図であり、図7は、載置台4の載置面4pがブロック6を載置できない状態を例示する図である。載置台4の載置面4pが、ブロック6を載置できる状態からブロック6を載置できない状態に傾けられると、載置台4上に載置されていたブロック6が収納部5内に落下する。
【0029】
制御部50は、物理的には、中央演算処理装置としてのCPUと、記憶部としてのROMおよびRAMを有する。このような制御部50では、CPUが、ROMに記憶されている各種の制御プログラムに従って、ROMやRAMに記憶されている各種のデータを用いながら各種の処理を実行することでゲームを進行させる。これにより、上述したゲーム装置1の各部が制御され、ゲーム状況が制御される。
【0030】
制御部50は、例えば以下のような制御を行う。制御部50は、ゲームを開始すると、載置台4上に載置されたブロック6によって前面側が遮蔽されたスクリーン3上の領域を判定する。制御部50は、判定したスクリーン3上の領域に対応するゲーム画面上にオブジェクトを配置する。制御部50は、配置したオブジェクトに対してゲーム画面上のキャラクタを反応させながらゲーム状況を制御する。キャラクタの反応としては、例えば、キャラクタにオブジェクトを登らせる等が該当する。
【0031】
載置台4上に載置されたブロック6に対応するスクリーン3上の領域は、例えば以下のように決定する。上述したように光源部20から投射される赤外線はスクリーン3を透過する。したがって、スクリーン3を隔てて載置台4上に載置されているブロック6にも赤外線が照射され、赤外線はブロック6の表面で反射することになる。これにより、カメラ30は、スクリーン3を隔てて置かれているブロック6の画像を撮像することができる。
【0032】
制御部50は、カメラ30によって得られた画像情報を用いて、スクリーン3の前面に対応する予め定められた検出位置においてブロック6の検出の有無を判定し、ブロック6が検出された場合には、その検出位置に対応するスクリーン3の前面側の領域が、ブロック6によって遮蔽されていると判定する。
【0033】
なお、ブロック6として形状や彩色の異なるものを複数種類用意し、それぞれの差異を示す認識パターンを、例えば赤外線を吸収する塗料を用いてブロック6の表面に印刷することとしてもよい。この場合に、制御部50は、認識パターンがいずれのものであるのかをパターン認識することによって、ブロック6の形状や彩色に応じて異なる制御を行うことができる。パターン認識は、例えば、記憶部に予め登録されている認識パターンを用い、カメラ30によって得られた画像情報に含まれる物体の特定位置に、認識パターンと一致するパターンが存在するか否かを判定することにより、行うことができる。
【0034】
制御部50は、ゲーム状況に応じて載置台4の載置面4pの位置(載置台の状態)を、ブロック6を載置できる状態またはブロック6を載置できない状態のいずれか一方の状態となるように載置台駆動部40を制御する。例えば、制御部50は、ゲーム開始時にブロック6を載置できる状態とし、ゲームの制限時間到達時にブロック6を載置できない状態に変化するように載置台駆動部40を制御する。これにより、遊技者は、載置面4pの位置を通して、ゲームが制限時間内であることや、ゲームが終了したことを認識することができる。
【0035】
図8を参照して、載置台4の載置面の位置を変化させる際の処理手順について説明する。最初に、遊技者によってゲーム開始の指示が入力されると、載置台駆動部40は、制御部50の指示にしたがって載置台4を駆動し、載置面4pの位置を、載置台4上にブロック6を置ける状態にする(ステップS101)。続いて、制御部50は、ゲーム実行時間が制限時間に到達したか否かを判定する(ステップS102)。この判定でゲーム実行時間が制限時間に到達したと判定された場合(ステップS102;YES)に、載置台駆動部40は、制御部50の指示にしたがって載置台4を駆動し、載置面4pの位置を、載置台4上にブロック6を置けない状態にする(ステップS103)。
【0036】
上述してきたように、本実施形態のゲーム装置1では、ゲームの進行中に、スクリーン3の前面側下端部に設けられた載置台4上にブロック6が載置されると、載置台4上に載置されたブロック6が検出され、検出されたブロック6の載置状態に応じてゲーム画像を含むゲーム状況が制御される。これにより、遊戯者はブロック6を所持し続けることなく、ブロック6を載置台4上に載置して積み上げていくことでゲームを進行させることができる。
【0037】
なお、上述した実施形態では、遊技者が操作する操作体としてブロック6を用いて説明しているが、操作体はブロック6に限定されない。遊技者が操作可能な物体であって、載置台4上に積み重ね可能な物体であれば他の物体にも適用可能である。
【0038】
また、上述した実施形態では、カメラ30をゲーム装置1の上方側に配置し、プロジェクタ10をカメラ30よりも下方側に配置しているが、カメラ30とプロジェクタ10の配置関係はこれに限定されない。例えば、プロジェクタ10をゲーム装置1の上方側に配置し、カメラ30をプロジェクタ10よりも下方側に配置するとともに、プロジェクタ用鏡19をプロジェクタ10よりも後方かつ下方側に配置し、カメラ用鏡39を、プロジェクタ用鏡19よりも下方側であってカメラ30よりも後方かつ上方側に配置することとしてもよい。
【0039】
また、カメラ30とプロジェクタ10の配置関係は上下方向には限定されず、左右方向に配置することとしてもよい。例えば、カメラ30をゲーム装置1の右方側に配置し、プロジェクタ10をカメラ30よりも左方側に配置するとともに、カメラ用鏡39およびプロジェクタ用鏡19をカメラ30およびプロジェクタ10よりも後方側に配置することとしてもよい。
【0040】
また、上述した実施形態では、プロジェクタ用鏡19とカメラ用鏡39の二枚の鏡を配置しているが、鏡は二枚には限定されず、一枚であってもよいし、三枚以上であってもよい。一枚の場合には、例えば、図9に示すように、一枚のハーフミラー70を用いることができる。ハーフミラー70を用いた場合には、例えば、プロジェクタ10とカメラ30との間にハーフミラー70を配置し、プロジェクタ10から投射された光線をハーフミラー70の背面側から透過させてスクリーン3に照射させるとともに、スクリーン3からカメラ30に至るまでの光路をハーフミラー70の前面側で反射させればよい。
【0041】
また、上述した実施形態では、プロジェクタ用鏡19とカメラ用鏡39を用いて光路を屈折させているが、必ずしもプロジェクタ用鏡19とカメラ用鏡39を設ける必要はない。プロジェクタ10から直接スクリーン3に向けてゲーム画像を投影することとしてもよいし、カメラ30で直接スクリーン3方向を撮像することとしてもよい。ただし、この場合には、プロジェクタ10とカメラ30とが互いに干渉しないように配置する必要があるため、両方をスクリーン3に正対させることは困難となり、画像の歪みを補正するなどの対処が必要となる。また、プロジェクタ用鏡19とカメラ用鏡39を用いて光路を屈折させることによって、プロジェクタ10およびカメラ30とスクリーン3との間の距離を短くすることができるため、ゲーム装置1の小型化を図ることが可能となる。
【0042】
また、上述した実施形態では、載置台4をスクリーン3の前面側の下端部に設けているが、載置台4を設ける位置は下端部には限定されない。スクリーン3を透過した赤外線が載置台4上に載置されたブロック6に照射され得る位置に載置台4を設けることができればよい。ただし、本ゲーム装置1では、載置台4上にブロックを積み上げていくゲームを実行するため、載置台4をスクリーン3の下部の前面側に設けることが好ましい。
【0043】
また、上述した実施形態では、載置台4の載置面4pの傾きを変化させることで、載置台4の位置を変化させているが、載置台4の位置を変化させるのは載置面4pの傾きを変化させることには限定されない。例えば、ゲーム状況に応じて載置台4を水平方向にスライドさせて筐体2から出し入れさせることで、載置台4の状態を、ブロック6を載置できる位置またはブロック6を載置できない位置のいずれか一方の状態に変化させることとしてもよい。
【0044】
また、上述した実施形態におけるプロジェクタが、赤外線領域を含む光線を投射するタイプである場合には、プロジェクタの赤外線によってブロックの認識率が低下してしまうことがないように、赤外線を遮断するフィルタをプロジェクタのランプに取り付けることが望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本実施形態におけるゲーム装置の外観構成図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】ゲーム装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】図2のIV−IV線断面図である。
【図5】図4の囲み線V内を拡大した要部断面図である。
【図6】載置台の載置面がブロックを載置できる状態を例示する図である。
【図7】載置台の載置面がブロックを載置できない状態を例示する図である。
【図8】載置台の載置面の位置を変化させる際の処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図9】変形例におけるハーフミラーを用いた場合のゲーム装置の内部構成を示す模式図である。
【符号の説明】
【0046】
1…ゲーム装置、2…筺体、3…スクリーン、4…載置台、4a…突起部、4p…載置面、5…収納部、6…ブロック、6a…突出部、6b…陥没部、10…プロジェクタ、19…プロジェクタ用鏡、20…光源部、30…カメラ、39…カメラ用鏡、40…載置台駆動部、50…制御部、70…ハーフミラー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
略鉛直状態に支持された透過型スクリーンと、
前記透過型スクリーンの下部の前面側に設けられ、遊戯者が操作する操作体を載置するための載置台と、
前記透過型スクリーンの背面側から当該透過型スクリーンにゲーム画像を投影する投影装置と、
前記透過型スクリーンの背面側から前記載置台上の前記操作体に、前記透過型スクリーンを透過する所定波長の光を照射する光源と、
前記操作体にて反射した前記所定波長の光を検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された前記所定波長の光に基づいて前記操作体の載置状態を判定し、当該判定に応じて前記ゲーム画像を含むゲーム状況を制御するゲーム制御手段と、
を備えることを特徴とするゲーム装置。
【請求項2】
前記検出手段は、前記操作体にて反射した前記所定波長の光を前記透過型スクリーンの背面側から像として捉える撮像装置であり、
前記ゲーム制御手段は、前記撮像装置によって得られた画像情報を用いて、前記操作体によって前面側が遮蔽された前記透過型スクリーン上の領域を判定することによって、前記載置状態を判定することを特徴とする請求項1に記載のゲーム装置。
【請求項3】
前記投影装置から前記透過型スクリーンに至るまでの光路、および前記透過型スクリーンから前記撮像装置に至るまでの光路は、前記透過型スクリーンの背面側に設けられた反射部材によって屈折させられていることを特徴とする請求項2に記載のゲーム装置。
【請求項4】
前記反射部材は、それぞれの光路ごとに設けられ、前記投影装置および前記撮像装置よりも前記スクリーンから遠方に配置されることを特徴とする請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項5】
前記反射部材は、前記投影装置と前記撮像装置との間に配置され、前記投影装置から前記透過型スクリーンに至るまでの光路の光を透過させ、前記透過型スクリーンから前記撮像装置に至るまでの光路の光を反射させる一の部材であることを特徴とする請求項3に記載のゲーム装置。
【請求項6】
前記操作体は、当該操作体同士を互いに組み合わせるための突出部および陥没部を有し、
前記載置台は、前記操作体の陥没部と嵌合可能な突起部を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のゲーム装置。
【請求項7】
前記載置台の状態を、前記操作体を載置できる状態と前記操作体を載置できない状態とに変化させる駆動部をさらに有し、
前記ゲーム制御手段は、ゲーム状況に応じて前記載置台の状態をいずれか一方の状態から他方の状態に変化させるように前記駆動部を制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−63843(P2010−63843A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−235729(P2008−235729)
【出願日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(000132471)株式会社セガ (811)
【Fターム(参考)】