説明

コイルドコイルおよび/またはテザー含有タンパク質複合体およびその使用

本発明は、コイルドコイルおよび/またはテザーを用いて構築された改変タンパク質複合体および、このような複合体、例えば多特異性抗体または他の多特異性Fc含有複合体の作製、使用および精製方法を提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式Iの7アミノ酸繰り返しを含む第一コイルドコイルドメイン(CC)とVHドメインとを含む第一ポリペプチドであって、
(X1X2X3X4X5X6X7)n (式I)
X1は疎水性アミノ酸残基又はアスパラギンであり、
X2、X3およびX6は各々任意のアミノ酸残基であり、
X4は疎水性アミノ酸残基であり、
X5およびX7は各々荷電アミノ酸残基である、第一ポリペプチドと、
(b)式IIの7アミノ酸繰り返しを含む第二コイルドコイルドメイン(CC)とVHドメインとを含む第二ポリペプチドであって、
(X'1X'2X'3X'4X'5X'6X'7)n (式II)
X'1は疎水性アミノ酸残基又はアスパラギンであり、
X'2、X'3およびX'6は各々任意のアミノ酸残基であり、
X'4は疎水性アミノ酸残基であり、
X'5およびX'7は各々荷電アミノ酸残基である、第二ポリペプチドと、
を含む抗体であって、
このとき式IおよびIIのnが2以上であり、そして、
各々の7アミノ酸繰り返しにおいて、第一CCは第二CC内のX'7残基に対して電荷が逆であるX5残基を含み、第一CCは第二CC内のX'5残基に対して電荷が逆であるX7残基を含む、抗体。
【請求項2】
第一および第二のポリペプチドがそれぞれVHおよびCH1ドメインを含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項3】
第一および第二のポリペプチドがそれぞれさらにヒンジドメインを含む、請求項2に記載の抗体。
【請求項4】
第一および第二のポリペプチドがそれぞれさらにCH2およびCH3ドメインを含む、請求項1から3のいずれか一に記載の抗体。
【請求項5】
第一および第二のポリペプチドがそれぞれ、VH、CH1、ヒンジ、CH2およびCH3ドメインを、N末端からC末端の方向で互いに関連してVH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3に配して含む、請求項1に記載の抗体。
【請求項6】
抗体がさらに第三および第四のポリペプチドを含み、このとき該第三ポリペプチドが第一VLドメインを含み、該第四ポリペプチドが第二VLドメインを含む、請求項1から5のいずれか一に記載の抗体。
【請求項7】
第一ポリペプチドのVHドメインがテザーによって第三ポリペプチドのVLドメインに連結され、第二ポリペプチドのVHドメインがテザーによって第四ポリペプチドのVLドメインに連結される、請求項6に記載の抗体。
【請求項8】
第三ポリペプチドがさらに第一CLドメインを含み、このとき該第一のVLおよびCLドメインがN末端からC末端方向にVL−CLで第三ポリペプチド内に互いに関連して配置されており、第四ポリペプチドがさらに第二CLドメインを含み、このとき該第二のVLおよびCLドメインがN末端からC末端方向にVL−CLで第四ポリペプチド内に互いに関連して配置されている、請求項6に記載の抗体。
【請求項9】
前記第一VLドメインおよび前記第二VLドメインの配列が同じである、請求項6から8のいずれか一に記載の抗体。
【請求項10】
前記第一または前記第二のポリペプチドのうちの少なくとも1のVHのN末端が、テザーによりCLのC末端に連結している、請求項1から9のいずれか一に記載の抗体。
【請求項11】
(a)式Iの7アミノ酸繰り返しを含む第一コイルドコイルドメイン(CC)とVHドメインとを含む第一ポリペプチドであって、
(X1X2X3X4X5X6X7)n (式I)
X1は疎水性アミノ酸残基又はアスパラギンであり、
X2、X3およびX6は各々任意のアミノ酸残基であり、
X4は疎水性アミノ酸残基であり、
X5およびX7は各々荷電アミノ酸残基である、第一ポリペプチドと、
(b)式IIの7アミノ酸繰り返しを含む第二コイルドコイル(CC)とCH2およびCH3ドメインとを含む第二ポリペプチドであって、
(X'1X'2X'3X'4X'5X'6X'7)n (式II)
X'1は疎水性アミノ酸残基又はアスパラギンであり、
X'2、X'3およびX'6は各々任意のアミノ酸残基であり、
X'4は疎水性アミノ酸残基であり、
X'5およびX'7は各々荷電アミノ酸残基である、第二ポリペプチドと、
を含んでなる抗体であって、
このとき式IおよびIIのnは2以上であり、
各々の7アミノ酸繰り返しにおいて、第一CCは第二CC内のX'7残基に対して電荷が逆であるX5残基を含み、第一CCは第二CC内のX'5残基に対して電荷が逆であるX7残基を含む、抗体。
【請求項12】
第一ポリペプチドがVHおよびCH1ドメインを含む、請求項11に記載の抗体。
【請求項13】
第一ポリペプチドがさらにヒンジドメインを含む、請求項12に記載の抗体。
【請求項14】
第一ポリペプチドがさらにCH2およびCH3ドメインを含む、請求項12または13に記載の抗体。
【請求項15】
第一ポリペプチドが、VH、CH1、ヒンジ、CH2およびCH3ドメインを、N末端からC末端の方向で互いに関連してVH−CH1−ヒンジ−CH2−CH3に配して含む、請求項11に記載の抗体。
【請求項16】
抗体がさらに第三ポリペプチドを含み、このときこの第三ポリペプチドがVLドメインを含む、請求項11から15のいずれか一に記載の抗体。
【請求項17】
前記第三ポリペプチドがさらにCLドメインを含み、VLおよびCLドメインがN末端からC末端の方向で互いに関連してVL−CLに配置されている、請求項16に記載の抗体。
【請求項18】
前記第一ポリペプチドのVHのN末端がテザーによりCLのC末端に連結している、請求項11から17のいずれか一に記載の抗体。
【請求項19】
X1、X'1、X4およびX'4の何れかの疎水性アミノ酸残基が、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、トリプトファン、フェニルアラニンおよびメチオニンからなる群から選択される、請求項1から18のいずれか一に記載の抗体。
【請求項20】
X5、X'5、X7およびX'7の何れかの荷電アミノ酸残基が、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン酸およびグルタミン酸からなる群から選択される、請求項1から19のいずれか一に記載の抗体。
【請求項21】
前記第一CCの少なくとも一の7アミノ酸繰り返しにおいて、X1がアスパラギンであり、それぞれのX'1が前記第二CCの少なくとも一の7アミノ酸繰り返しにおいてアスパラギンである、請求項1から20のいずれか一に記載の抗体。
【請求項22】
(a)第一CCが7アミノ酸繰り返しを含み、このとき
X1がロイシン又はアスパラギンであり、
X2がアラニン又はグルタミンであり、
X3がアラニン又はグルタミンであり、
X4がロイシンであり、
X5がグルタミン酸であり、
X6がリジン又はトリプトファンであり、そして
X7がグルタミン酸であり、そして、
(b)第二CCが7アミノ酸繰り返しを含み、このとき
X'1がロイシン又はアスパラギンであり、
X'2がアラニン又はグルタミンであり、
X'3がアラニン又はグルタミンであり、
X'4がロイシンであり、
X'5がリジンであり、
X'6がリジン又はトリプトファンであり、そして
X'7がリジンである
、請求項1から21のいずれか一に記載に記載の抗体。
【請求項23】
nが3以上である、請求項1から22のいずれか一に記載の抗体。
【請求項24】
nが4以上である、請求項23に記載の抗体。
【請求項25】
前記第一または前記第二のCCのうちの少なくとも1が、抗体の定常ドメインにC末端で連結している、請求項1から24のいずれか一に記載の抗体。
【請求項26】
前記定常ドメインがCH3ドメインであり、第一CCが第一ポリペプチドのCH3ドメインにC末端で連結し、第二CCが第二ポリペプチドのCH3ドメインにC末端で連結している、請求項25に記載の抗体。
【請求項27】
連結が、切断可能なリンカー配列によるものである、請求項25または26の抗体。
【請求項28】
Lys−Cエンドペプチダーゼ切断部位が、前記第一または前記第二のCCのうちの少なくとも1にN末端で位置する、請求項1から27のいずれか一に記載の抗体。
【請求項29】
VL、CL、テザー、VH、CH1、CH2およびCH3ドメインを、N末端からC末端の方向で互いに関連してVL−CL−テザー−VH−CH1−CH2−CH3(式III)に配して含む第一ポリペプチドを含んでなる抗体。
【請求項30】
抗体がさらに式IIIの第二ポリペプチドを含む、請求項29に記載の抗体。
【請求項31】
抗体が多特異性である、請求項1から9および30のいずれか一に記載の抗体。
【請求項32】
抗体が少なくとも2の抗原を結合することができる、請求項31に記載の抗体。
【請求項33】
抗体が同じ抗原上の少なくとも2のエピトープを結合することができる、請求項31に記載の抗体。
【請求項34】
前記抗体が二重特異性である、請求項1から9および30のいずれか一に記載の抗体。
【請求項35】
前記テザーが、グリシン(G)およびセリン(S)残基を含む、請求項7、10、18、29または30に記載の抗体。
【請求項36】
前記テザーが、15から50のアミノ酸長である、請求項7、10、18、29、30または35に記載の抗体。
【請求項37】
前記テザーが、20から26のアミノ酸長である、請求項36に記載の抗体。
【請求項38】
前記テザーがGGSリピートを含む、請求項7、10、18、29、30および35から37のいずれか一に記載の抗体。
【請求項39】
前記テザーが切断可能である、請求項7、10、18、29、30および35から38のいずれか一に記載の抗体。
【請求項40】
前記抗体が、Lys−Cエンドペプチダーゼ切断部位を取り除く突然変異を含む、請求項28から39のいずれか一に記載の抗体。
【請求項41】
前記のLys−Cエンドペプチダーゼ切断部位を取り除く突然変異がヒンジドメインにある、請求項40に記載の抗体。
【請求項42】
前記抗体がK222A置換(EU番号付けシステム)を有する、請求項41に記載の抗体。
【請求項43】
前記テザー又は前記リンカーは、以下のエンドペプチダーゼ:フューリン、トロンビン、Genenase、Lys−C、Arg−C、Asp−N、Glu−C、第Xa因子、タバコエッチ病ウイルスプロテアーゼ(TEV)、エンテロキナーゼ、ヒトライノウイルスC3プロテアーゼ(HRV C3)およびキニノゲナーゼの一又は複数によって切断可能である、請求項27または39に記載の抗体。
【請求項44】
前記テザー又は前記リンカーは、アスパラギン−グリシンペプチド結合を含む、請求項27または39に記載の抗体。
【請求項45】
前記アスパラギン−グリシンペプチド結合がヒドロキシルアミンによって切断可能である、請求項44に記載の抗体。
【請求項46】
前記抗体が、細胞障害性剤にコンジュゲートした定常領域を含む、請求項1から45のいずれか一に記載の抗体。
【請求項47】
前記抗体が哺乳動物の細胞によって発現される、請求項1から45のいずれか一に記載の抗体。
【請求項48】
前記哺乳動物の細胞がCHO細胞である、請求項47に記載の抗体。
【請求項49】
前記抗体が、原核細胞によって発現される、請求項1から45のいずれか一に記載の抗体。
【請求項50】
前記原核細胞が大腸菌である、請求項49に記載の抗体。
【請求項51】
請求項1から45のいずれか一に記載の抗体をコードするベクターを含む細胞を培養培地内で培養する工程を含む、抗体の製造方法。
【請求項52】
さらに、前記細胞又は前記培養培地から抗体を回収することを含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
さらに、
(a)プロテインAを含むカラム上に前記抗体を捕捉し、
(b)該カラムから抗体を溶出し、そして
(c)カオトロピック剤又は中性界面活性剤を含有する溶液に溶出された抗体を希釈する
工程を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
カオトロピック剤又は中性界面活性剤の存在下でコイルドコイル含有抗体を維持することを含む、溶液中でコイルドコイル含有抗体を維持する方法。
【請求項55】
前記のカオトロピック剤又は中性界面活性剤が、アルギニン、グアニジン-HCl、尿素、過塩素酸リチウム、ヒスチジン、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、ツイーン、トリトンまたはNP−40である、請求項53または54に記載の方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12A−1】
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【図12A−2】
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【図12B−1】
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【図12B−2】
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【図12B−3】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18A】
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【図18B】
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【図18C】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図29】
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【図30A−1】
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【図30A−2】
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【図30B−1】
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【図30B−2】
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【図30C−1】
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【図30C−2】
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【図30C−3】
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【図30C−4】
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【図30C−5】
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【図30D−1】
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【図30D−2】
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【図30D−3】
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【図31】
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【図32A】
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【図32B】
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【公表番号】特表2013−505238(P2013−505238A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529752(P2012−529752)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/002546
【国際公開番号】WO2011/034605
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(509012625)ジェネンテック, インコーポレイテッド (357)
【Fターム(参考)】