説明

コイル装置およびその製造方法

【課題】 本発明の目的は製造工程を簡素化すると共に加工時間を抑えて製造コストの低減を図る。
【解決手段】 コイルパターンが形成された基板2のコイルパターン部3を一対のコア部材11および12で挟み込むコイル装置1において、前記コア部材および前記コイルパターン部との間に配置する弾性および耐溶剤性を有するバネ材25と、前記バネ材がコア部材およびコイルパターン部に挟まれて押圧されるように、両コア部材を前記バネ材の弾性力に勝る保持力を有して一体的に挟持するための保持部材20とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートトランス等のコイル装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されているように、コイルパターンが形成された基盤のコイルパターン部を一対のコア部材で挟み込んでなるシートトランス等のコイル装置が知られている。
上記コア部材の少なくとも一方は、その基部に複数の脚部を有する例えばE字状をなし、この脚部先端を他方のコア部に突き当てた状態でコイルパターン部が挟み込まれる。両コア部材の基板への固定は、これらを金属クリップ等の保持部材で一体的に挟持する等により行なわれる。
【特許文献1】特開平8−316040
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記両コア部材の基板への固定は、これらを保持部材で挟持するだけではなく、コア部材と基板との間に絶縁性の接着剤を充填することによっても行なわれる。
しかしながら上記構造においては、保持部材および接着剤という重複した固定方法が必要となり、コイル装置の製造方法を複雑化させるという問題がある。
【0004】
また、接着剤を用いる場合には、これが硬化性のものであればキュア工程が必要となるし、常温硬化性のものであれば硬化時間がかかる等、加工費を増加させるという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、製造工程を簡素化すると共に加工時間を抑えて製造コストの低減を図ることができるコイル装置およびその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、コイルパターンが形成された基板のコイルパターン部を一対のコア部材で挟み込むコイル装置において、コア部材および前記コイルパターン部との間に配置する弾性および耐溶剤性を有するバネ材と、バネ材がコア部材およびコイルパターン部に挟まれて押圧されるように、両コア部材を前記バネ材の弾性力に勝る保持力を有して一体的に挟持するための保持部材と、を備えることを特徴とする。
【0007】
バネ材は、半田接続可能な金属部材であり、コイルパターン部上には絶縁被膜と、該絶縁被膜上にはバネ材を半田接続するための半田パターン部とが設けられており、バネ材は、前記半田パターン部上で半田を介して固定される。
【0008】
保持部材は、一方のコア部材の基部背面に弾力性を付与するバネ部と、該バネ部の両側から他方のコア部材側に延びる一対の腕部と、該両腕部の先端に形成されて他方のコア部材に系合する係止部とを有する。
【0009】
コイルパターンが形成された基板のコイルパターン部を一対のコア部材で挟み込むコイル装置の製造方法において、基板の前記コイルパターン部上を保護すべく、絶縁被膜を形成すること、形成した絶縁被膜上に半田接続するための半田パターンを形成すること、半田パターン上に弾性および耐溶剤性を有するバネ材を半田接続すること、半田接続の後、これらを一対のコア部材で挟み込み、該コア部材およびコイルパターン部で前記バネ材を挟んで押圧するように、両コア部材を保持部材で一体的に挟持する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、弾性および耐溶剤性を有するバネ材をコア部材およびコイルパターン部に挟んで押圧するように、保持部材で両コア部材をバネ材の弾性力に勝る保持力を有して一体的に挟持することから、接着剤を用いずともコア部材を安定して基板に固定することができることから、コイル装置の製造工程を簡素化すると共に加工時間を抑えて製造コストの低減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明するが、以下の説明では、実施の形態に用いる図面について同一の構成要素は同一の符号を付し、かつ重複する説明は可能な限り省略する。
【実施例1】
【0012】
本発明のシートトランス1(コイル装置)は、図1に示すように、所定のコイルパターン4が形成された基板2のコイルパターン部3を、その上下(表裏)から一対のコア部材11および12で挟み込んで形成されている。尚、当該図においては2つのシートトランスが示されているが、説明を簡便に行なうため一つのシートトランスを例に以降の説明を行なう。
【0013】
基板2は、例えば多層基板であり、平面視で横方向に長い長方形をなしており、当該基板の所定の位置には、当該基板2の長手方向に沿って楕円状に周回するコイルパターン4が形成されている。基板2には、コイルパターン4の内周側において楕円形状の長手方向に沿って長方形状の貫通中央孔6が設けられており、コイルパターン4のパターン幅を挟んで対向するそれぞれの位置には、貫通側孔7がそれぞれ設けられている。
【0014】
尚、図1の位置Aに示すように示すように基板2に貫通側孔7を形成する代わりに、切欠きを設けてもよく、これにより後述するコア部材を容易に着脱すことができる。
【0015】
ところで、コイルパターン4は、基板2の表裏面や積層面にプリント等により一体的に設けられるシート状であり同心状に周回しており、周回するコイルパターン4において、少なくとも一つは該シートトランス1における一次コイルとされ、少なくとも残りの一つはシートトランス1における二次コイルとされる。このようなコイルパターン4が、基板2に形成される回路や入出力端子等に接続される。
【0016】
コイルパターン部3を挟む両コア部材11および12は、従来から知られたフェライト等の従来から良く知られた磁性体であり、基板2の短手方向に沿って所定幅を有しており基板2の長手方向に沿って前記所定幅より短い幅を有する矩形板状の基部13と、該基部13の長手方向中央部およびその両端部から所定幅を有して他方のコア部材側に突出する中央脚部14および両外側脚部15とを有している。
【0017】
尚、矩形状の基部13の長手方向の寸法は、楕円形のコイルパターン4における短手方向の幅寸法に前記両外側脚部15の幅寸法を加えた寸法である。
各脚部14および15は、基部13の短手方向の寸法と略同一の寸法を有してこれに一体的に形成される直方体形状を有しており、これら各脚部14および15と基部13とによってE字状をなすようにコア部材11および12が設けられている。
【0018】
前記した各コア部材11および12が基板2のコイルパターン部3を上下から挟み込み、中央脚部14をコイルパターン部3の中央(コイルパターンの内周側)に設けた貫通中央孔6に挿通してその先端を互いに突合せると共に、両外側脚部15を基板2に設けた貫通側孔7にそ挿通してその先端を互いに突合せた状態で、保持部材20により一体に挟持される。
【0019】
尚、互いに突合される両外側脚部15同士の基部13からの突出高さ寸法の合計は、これらが確実に突き合わさるように、コイルパターン部3の厚さ寸法(基板2の板厚寸法)よりも大きくなるように形成されている。
尚、互いに突合される中央脚部14同士の基部13からの突出高さ寸法の合計と、コイルパターン部3の厚さ寸法との関係も同様である。また、突合わされる互いの中央脚部14間を僅に離間させてもよい。
【0020】
保持部材20は、図2に示すように、帯状のバネ鋼板を一方のコア部材11の基部13外面(背面)及び両コア部材11および12の外側脚部15の外面に沿うようにコの字状に屈曲して形成されている。
保持部材20における前記基部13側面に沿う部位は、該基部13側に凸となるように湾曲するバネ部21とされる。このバネ部21の両端からは、前記外側脚部15外面に沿う腕部22が他方のコア部材12側に延びる。両腕部22の先端部は、他方のコア部材12における基部13の長手方向の両端部に系合すべく、基部13の長手方向内側に屈曲する係止部23とされる。
【0021】
このような保持部材20が、その両係止部23を他方のコア部材12に系合させた状態で、バネ部21を撓ませて前記一方のコア部材11の基部13背面に弾性力を付与するようになっている。保持部材20は、後述する各バネ材25の弾性力の合計に勝るだけの保持力を有しており、この保持部材20により両コア部材11および12が弾性的に挟持される。
【0022】
ここで、バネ材25について詳細に説明する。
バネ材は耐溶剤性を有している。バネ材25における耐溶剤性とは、シートトランス1が実装された基板2を洗浄する際に用いる洗剤に対する耐性のことである。すなわち、シートトランス1が実装される基板2には、当該シートトランス1の他に各種電子部品が実装される。このとき、電子部品等の実装に用いる半田にはフラックスが含まれており、後工程においてフラックスを除去するために、アルコール系洗剤又は石油系洗剤を用いて洗浄が行なわれる。
【0023】
ところでアルコール系洗剤又は石油系洗剤などは、溶解性を有しており一般的なシリコーンシートなどに対して溶解や膨張などを招くことが知られている。そこで本発明では、アルコール系洗剤又は石油系洗剤などに対し耐性を有する金属板バネがバネ材として用いられている。
【0024】
バネ材25は、所定の弾性を有する金属板にプレス加工を施して形成される。バネ材25は、図3に示すように外縁が矩形状の基台26と、該基台26よりも外縁寸法が小さくて基台26と平行な位置関係にある矩形状の平板部27と、該平板部27の一方の端で基台26と連接するための接続部28とを有しており、これらがプレス加工で一体的に形成される。
【0025】
平板部27の他方の端は、その先端部分が所定の角度で基台側に折れ曲がっている。また基台26は、中心部に矩形状の孔を有しており、この矩形状の孔に対応する金属板をプレス加工することで平板部27および接続部28が一体形成されている。
【0026】
前記した構造のバネ材25は、一方のコア部材11の中央脚部14と各外側脚部15との間に配置される。各バネ材25は前記したように弾性を有しており、各バネ材25がコア部材11の基部13と基板2のコイルパターン部3との間に配置された後、基部13とコイルパターン部3とに挟まれて押圧される。このとき、各バネ部材25に生じる弾性力の合計は、保持部材20が両コア部材11および12を挟持した際にそのバネ部21に生じる弾性力よりも小さい。
【0027】
そして、保持部材20が両コア部材11および12を一体的に挟持した状態において、各バネ部材25が前記他方のコア部材12が基板2に密着するまで両コア部材11および12を押し上げることで、該両コア部材11および12が基板2にガタつくことなく弾性的に支持される。
【0028】
ところで、バネ材25を基板2に実装する際、耐溶剤性を有する例えばエポキシ系の接着材を用いて基板2上に固定(実装)してもよいが、接着剤の硬化による作業効率の低下を考慮すれば、従来から良く知られたリフローと称されている接続方法でバネ材25を基板2に半田で固定することが好ましい。この場合、バネ材25を半田を介して基板2に固定するに先立ち、半田と馴染み易いように従来から知られた方法でバネ材25の表面をメッキ処理することが好ましい。
【0029】
ここで、リフローによってバネ材25を基板に実装する方法を説明する。
金属バネ25を半田を用いて基板2に実装するに先立ち、コイルパターン部3上に絶縁被膜(図示省略)が形成されており、更に該絶縁被膜上に半田を用いて接続するための半田ランドと称されている半田パターン部8が形成されている。
【0030】
半田パターン部8は、実質的には基板2の最表面に形成されるパターン配線と同質である。
半田パターン部8上には、クリーム半田と一般的に称されている半田を塗布する。またはクリーム半田をバネ材25に塗布する(図3参照)。
【0031】
その後、バネ材を基板2に形成したパターン配線上の所定位置に配置した後、基板2に対し加熱を施す。この熱によって半田が融点温度に達すると、半田が溶融する。これにより、溶融後の半田の硬化によってバネ材25および半田パターン部8が接続される(図4参照)。
【0032】
ところで、バネ材25は半田パターン部8に接続されるが、保持部材20によって挟持されるコア部材11とは、接続されない。すなわち、図3に示すバネ材25は、基台26が半田パターン部8に接続され、基台26に平行な平板部27は、コア部材11の基部13に単に密着(接する)だけで固定されない。従って、リフローによって、コア部材11および12や、基板2に熱膨張が生じても、熱膨張による変動をコア部材11の基部13とバネ部材25の平板部27との接触箇所で緩和することができる。
【0033】
更に、バネ材25は金属板バネであることから熱伝道率が良く放熱性がある。従って、シートトランスにおける変圧動作で生じる発熱を効率的に放熱することができ、コア部材の熱籠りを防止することができる。従って、コア部材の熱籠りを防止することにより、コア部材の温度が上昇するにつれて生じる磁心損失(コアロス)を防止することができ、インダクタンスの低下を防止することができる。
【0034】
次に、前記したシートトランス1の組み立てを説明する。
先ず、コイルパターン4(コイルパターン部3)が形成され、その上に絶縁被膜が施されて当該絶縁被膜上に半田パターン部8が形成された基板2を持具等にセットし、半田パターン部8にクリーム半田を塗布する。
【0035】
その後、前記した形状のバネ部材25を、半田クリームが塗布された半田パターン上に配置し、基板2に対し加熱を施す。この熱によって半田が融点し、その後半田が硬化することでバネ材25および半田パターン部8が接続される。
【0036】
尚、バネ部材25の取り付けは、人手を必要とする複雑な工程がないことから、従来から知られたリフローにより、自動化を図ることができる。
【0037】
基板2にバネ部材25を取り付けた後、コイルパターン部3およびバネ部材25ごと一対のコア部材11および12で上下から挟み込み、該両コア部材11および12の各脚部14および15同士を互いに突き合わせる。このとき、各バネ部材25が固定された側のコア部材11の基部13と基板のコイルパターン部3とに、バネ材25が挟まれて押圧される。
【0038】
ところで、図4に示すように、バネ部材25の取り付けにおいて耐溶剤性を有する台座9をバネ部材25の長手方向の両端に取り付けてもよい。台座9の取り付けは、作業効率を考慮してリフローによるバネ部材25の取り付けと同時的に行なうことが好ましい。
【0039】
基板2に取り付けられる台座9の高さ寸法は、基板2に取り付けられるバネ部材25の基台26から平板部27までの高さ寸法より、僅に低くなるように設計されている。これにより、コイルパターン部3およびバネ部材25ごと一対のコア部材11および12で上下から挟み込む際、バネ部材25に必要以上の圧力が印加されることを防止することができる。従って、必要以上の圧力印加によって生じるバネ部材25の変形を防止することができ、一定の弾性力をバネ部材25に保持させることができる。
【0040】
次いで、コイルパターン部3およびバネ部材25ごと挟み込んだ両コア部材11および12を挟持すべく、これらに保持部材20を装着し、そのバネ部21を一方のコア部材11の基部13背面に当接させると共に、他方のコア部材12の基部13両端部に、両腕部22の先端を系合させることで、基板2のコイルパターン部3を一対のコア部材11および12で挟み込んでなるシートトランス1の組み立てが完了する。
【0041】
このとき、バネ部21が撓んで前記一方のコア部材11の基部13背面に弾性力を付与することとなるが、このバネ部21の弾性力は各バネ部材25の弾性力の合計よりも大きく、両コア部材11および12の各脚部14および15同士が付き合わされた状態が維持されると共に、保持部材20で一体的に挟持された両コア部材11および12が各バネ部材25の弾性力により前記一方のコア部材11側に付勢された状態となる。尚、バネ部21の弾力は、両コア部材11および12に過大なストレスを与えない程度とされている。
【0042】
以上、説明したように、上記実施例におけるシートトランス1は、コイルパターン4が形成された基板2のコイルパターン部3を一対のコア部材11および12で挟み込んでなるものであって、コイルパターン部3上に絶縁被膜を施して形成した半田パターン部8に金属性のバネ材25を配置して半田で固定し、一方のコア部材11とコイルパターン部3との間に弾性を有する前記したバネ材25を配置し、該バネ材25がコア部材11及びコイルパターン部3に挟まれて押圧されるように、両コア部材11および12をバネ部材25の弾性に勝る保持力を有する保持部材20で一体的に保持したものである。
【0043】
従って、この構成によれば、バネ部材25の弾性力が両コア部材11および12とコイルパターン部3に作用した状態でこれらが一体的に固定されることとなり、接着剤を用いることなく両コア部材11および12をガタなく安定して基板2に固定することができるため、コイル装置の製造工程を簡素化すると共に加工時間を抑えて製造コストの低減を図ることができる。
【0044】
また、上記シートトランス1においては、保持部材20が、一方のコア部材11の基部13背面に弾性力を付与するバネ部21と、該バネ部21の両側から他方のコア部材12側に延びる一対の腕部22と、該両腕部22の先端に形成されて他方のコア部材12に系合する係止部23とを有してなることで、両コア部材11および12を弾性的に挟持してバネ部材25の寸法公差やへたり等を良好に吸収することができる。
【0045】
更に、上記シートトランス1においては、両コア部材11および12がその基部13に複数の脚部14および15を有するE字状をなし、該両コア部材11および12における一方のものの脚部14および15間にバネ部材25が配置されることで、該バネ部材25の位置ズレが抑制されてコイルパターン部3を挟み込む際の作業を容易に行なうことができる。
【0046】
更に、上記シートトランス1においては、金属製のバネ部材25を用いたことにより、耐溶剤性を有しており溶剤による溶解を防止することができる。更に、金属製のバネ部材25は、耐熱性および放熱性に優れていることから、またリフローでの加熱処理にも耐えることができると共に、効率的な放熱でコア部材11の熱籠りを抑制することができ、インダクタンスの劣化を抑えることができる。
【0047】
また、両コア部材11および12の寸法がI字状とされ、該コア部材にE字状をなす他方のコア部材の各脚部が突き当てられる構造であってもよい。更に一方のコア部材がU字状とされ、他方のコア部材がU字状又はI字状とされる構成であってもよい。
【0048】
更に、実施例に示したバネ部材25の形状は、これに限る必要は無く例えば図5に示すような幾重に折畳まれた形状であったり、図6に示すようなスパイラル状であったおり、図7に示すような基台26の両端側において平板部27を接続部28で保持するような各種形状であってもよい。
【0049】
前記した実施例では、コア部材11および12における中央脚部14同士の突き合わせ寸法と、コイルパターン部3の厚さ寸法(基板2の板厚寸法)との関係を明示しなかったが、両側脚部15と同じように大き
【0050】
前記した実施例では、バネ材25として金属板バネを用いる例で説明を行なったが、これに限る必要はなく、プラスチックバネ材を用いてもよい。この場合のプラスッチックバネ材は耐溶剤性を有する必要があり、該プラスチックバネ材の基板への固定は耐溶剤性を有する接着剤を用いる必要がある。
【0051】
更に、上記実施例における構成は本発明の一例であり、コイル装置として例えばインダクタやチョークコイル等にも本発明を適用できることはもちろん、該発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明のコイル装置を示す図である。
【図2】保持部材を示す図である。
【図3】バネ部材を示す図である。
【図4】基板に取り付けられたバネ部材を示す図である。
【図5】バネ部材の応用形状を示す図である(その1)。
【図6】バネ部材の応用形状を示す図である(その2)。
【図7】バネ部材の応用形状を示す図である(その3)。
【符号の説明】
【0053】
1 シートトランス(コイル装置)
2 基板
3 コイルパターン部
4 コイルパターン
6 貫通中央孔
7 貫通側孔
8 半田パターン部
9 台座
11、12 コア部材
13 基部
14 中央脚部
15 両外側脚部
20 保持部材
21 バネ部
22 腕部
23 係止部
25 バネ部材
26 基台
27 平板部
28 接続部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイルパターンが形成された基板のコイルパターン部を一対のコア部材で挟み込むコイル装置において、
前記コア部材および前記コイルパターン部との間に配置する弾性および耐溶剤性を有するバネ材と、
前記バネ材がコア部材およびコイルパターン部に挟まれて押圧されるように、両コア部材を前記バネ材の弾性力に勝る保持力を有して一体的に挟持するための保持部材と、を備えることを特徴とするコイル装置。
【請求項2】
前記バネ材は、半田接続可能な金属部材であり、
前記コイルパターン部上には絶縁被膜と、該絶縁被膜上には前記バネ材を半田接続するための半田パターン部とが設けられており、
前記バネ材は、前記半田パターン部上で半田を介して固定されることを特徴とする請求項1記載のコイル装置。
【請求項3】
前記保持部材は、一方のコア部材の基部背面に弾力性を付与するバネ部と、該バネ部の両側から他方のコア部材側に延びる一対の腕部と、該両腕部の先端に形成されて他方のコア部材に系合する係止部とを有することを特徴とする請求項1記載のコイル装置。
【請求項4】
コイルパターンが形成された基板のコイルパターン部を一対のコア部材で挟み込むコイル装置の製造方法において、
前記基板の前記コイルパターン部上を保護すべく、絶縁被膜を形成すること、
形成した絶縁被膜上に半田接続するための半田パターンを形成すること、
前記半田パターン上に弾性および耐溶剤性を有するバネ材を半田接続すること、
前記半田接続の後、これらを一対のコア部材で挟み込み、該コア部材およびコイルパターン部で前記バネ材を挟んで押圧するように、両コア部材を保持部材で一体的に挟持すること、を特徴とするコイル装置の製造方法。

【図6】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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