説明

コイン精米機の玄米投入口用自動扉開閉装置

【課題】昇降式のシャッターによる玄米投入口の開閉に伴う不具合を解消すること。
【解決手段】正面パネルの後側には玄米を精米処理する機器が組み込まれると共に、その機器の動作を制御するための制御装置を備え、正面パネルの正面側に料金投入口と玄米投入口と白米タンクを備え、玄米投入口から奥には玄米投入空間を備えると共に、玄米投入空間の下には投入口ホッパを備えるコイン精米機において、自動扉はその上端部を軸支されることによって揺動可能に設けられており、玄米投入口を閉鎖した場合には自動扉はその上端部を支点としながら吊り下げられた状態となり、玄米投入口が開き始める場合には自動扉はその上端部を支点にしながらその下端部が玄米投入空間に向かって入り込んでいくことを特徴とするコイン精米機の玄米投入口用自動扉開閉装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用客が玄米を持ち込み、利用料金を投入して希望する精白度で精白するコイン精米機において、その玄米投入口を自動扉で開閉するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在普及しているコイン精米機は、玄米投入口が常に開放された状態となっている。また、コイン精米機においては、専用の建屋内に収容されたものもあり、この場合、建屋内の客室に利用客が自由に出入り可能な構造となっている。このため、建屋の入口が開けっ放しになっていると、鳥や虫等が入り込んできて、玄米投入口に鳥の糞や虫の死骸等が入り込むおそれがある。また、常に開放された状態となっている玄米投入口に心無い人が異物を投げ込んだりするおそれもある。そうすると、衛生上望ましくないし、異物の種類によっては精米機が故障するおそれもある。
【0003】
このような問題を解消することを目的として、既に幾つかの特許出願が為されている(特許文献1、2)。これらは、いずれも玄米投入口を昇降式のシャッターを開閉させるもので、利用客を待っている待機時にはシャッターが下りて玄米投入口を塞いでいる。そして、利用料金を投入すると、シャッターが上昇して、玄米投入口を開放する。また、玄米投入口から投入された玄米が投入口ホッパに無くなったり、精米終了後に利用客が建屋内から出たりすると、シャッターが下降して、玄米投入口を閉鎖する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実公平2−22039号公報
【特許文献2】特開2006−61766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の装置の場合、次のような不具合がある。利用客は、コイン投入後にシャッターが上昇し始めると、すぐさま玄米を投入して、できるだけ早く精米を終わらせたいという心理状況に陥り易い。
【0006】
しかしながら、シャッターが十分に上昇して、玄米投入口が広くならないと、玄米を投入することができない。というのも、玄米は袋に入っているため、袋の先部を玄米投入口に入れないと、玄米を投入できないからである。
【0007】
また、特許文献2の技術においては、図8に示すように、玄米投入口91の下側には玄米入りの袋92を載せる玄米載せ台93が設けられている。すると、玄米載せ台93の上に玄米入りの袋92を載せ、倒れないように袋92をシャッター94側に傾けておくことも想定される。このような想定状況において、コインを投入すると、シャッター94を上昇させる際に過負荷となって、シャッター94を巻き上げるモータが故障することも考えられる。
【0008】
同じく特許文献2の技術においては、シャッター板に連結したチェーンをモータで巻き取ったり、シャッターの自重を打ち消すカウンターウエイトを取り付けたり、更には閉鎖状態を維持する電動式のロック機構を設けたりしており、構造が複雑となっている。
【0009】
また、閉鎖するシャッターの下端と玄米投入口の下端との間に手が挟まった場合を想定して、接触検知スイッチが用いられているが、安全面の配慮として、停電時に機能しなくなる電気式ではなく、機械式の方が望ましいように思われる。
【0010】
更に、シャッターが上昇する際に、異物や手を巻き込む状況も想定され、このような状況下において何らかの対策がなされていることが望ましい。
【0011】
本発明は、上記実情を考慮したもので、これらの問題をできるだけ解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、正面パネルの後側には玄米を精米処理する機器が組み込まれると共に、その機器の動作を制御するための制御装置を備え、正面パネルの前面側に料金投入口と玄米投入口と白米タンクを備え、玄米投入口から奥には玄米投入空間を備えると共に、玄米投入空間の下には投入口ホッパを備えるコイン精米機を前提とする。
【0013】
そして、本発明は、玄米投入口を自動扉で開閉する玄米投入口用開閉装置であって、自動扉はその上端部を軸支されることによって揺動可能に設けられており、玄米投入口を閉鎖した場合には自動扉はその上端部を支点としながら吊り下げられた状態となり、玄米投入口が開き始める場合には自動扉はその上端部を支点にしながらその下端部が玄米投入空間に向かって入り込んでいくことを特徴とする。
【0014】
また、自動扉を揺動可能に開閉する構造としては、次のものが挙げられる。即ち、自動扉を開閉する駆動源となる開閉モータと、開閉モータの回転運動を自動扉の揺動運動に変換して伝達するリンク機構と、開閉動作時の自動扉に過負荷がかかった場合にその過負荷が開閉モータに伝達するのを遮断する機械式のトルクリミッタとを備え、開閉モータを自動扉の揺動範囲外に固定すると共に、開閉モータの回転軸とリンク機構の一端部とをトルクリミッタを介在しながら連結し、リンク機構の他端部を自動扉の内面に連結してあるものである。
【0015】
更に、リンク機構としては、閉鎖状態の自動扉を外部から開放方向に押圧した場合に、それを阻止することができることが望まれる。その一例としては、次のものがある。
すなわち、リンク機構は、結節した二本のリンクの一端部を開閉モータに、その他端部を自動扉にそれぞれ連結し、自動扉を開放状態から閉鎖状態とした場合に二本のリンクが屈曲状態から一直線に延びて更に逆方向に屈曲するものであり、自動扉の揺動範囲を規制するストッパーを備え、閉鎖状態の自動扉を外部から開放方向に押圧した場合には、ストッパーにリンクが衝突して自動扉の閉鎖状態を保持するものである。
【0016】
また、自動扉を開閉するには制御装置には自動扉の開閉動作の開始条件が設定される。その一例としては、次のものが挙げられる。
即ち、自動扉の開放動作の開始条件は、料金投入口に利用料金が投入されたことであり、自動扉の閉鎖動作の開始条件は、投入口ホッパに玄米が無いことと精米処理工程における最終工程の機器が駆動を停止することを兼備することである。
【0017】
また、自動扉の閉鎖中に自動扉と玄米投入口の間に手や異物が挟まった場合や何らかのトラブル時には、自動扉を開放して、トラブルを解消しやすくする事が望まれる。それには、制御装置には、自動扉の閉鎖動作を途中で中止して元に戻す復帰条件が設定されていることが望ましい。その一例としては次のものが挙げられる。
すなわち、復帰条件は、自動扉を開放状態から閉鎖状態にする場合の開閉モータの駆動期間が設定期間を超えたときである。
【0018】
また、トラブルが解消された場合には、再度、自動扉が閉まれば、衛生上望ましい。その上、トラブルが短時間で解消できない状況に陥ることや、利用者が少しの間、コイン精米機から離れた場所にいることも想定される。このような場合、自動扉を開放状態とし、トラブル等を解消し易い環境とすることが望まれる。その一例としては、次のものが挙げられる。
即ち、制御装置には、自動扉の閉鎖動作と復帰動作を複数回繰り返すことを可能とする閉鎖処理用の繰返し回数が設定されており、設定された繰返し回数の最終回において、自動扉が設定期間内に閉鎖しない場合には、最終回の復帰動作が行われ、自動扉を開放状態に保持し、料金投入口に次の利用料金が投入されることを待機する状態に移行することである。
【0019】
自動扉が開放状態に保持されているうちに、トラブルが解消されれば、次の精米が行われた後には、再度、自動扉は閉鎖状態にあることが望ましい。それには、次のようにすることが望ましい。
すなわち、制御装置は、次の利用料金が投入された場合には、精米処理後に自動扉の閉鎖動作と復帰動作を複数回繰り返すことを可能とする閉鎖処理を行うことである。
【0020】
さらに、自動扉が閉鎖動作を行う前に、注意を喚起しておけば、利用客は対応しやすい。それには次のようにすることが望ましい。
すなわち、スピーカーを備え、制御装置は、自動扉の閉鎖動作を開始する場合には、注意を喚起するための音声ガイダンス用の信号をスピーカーに2回出力し、2回目の音声ガイダンス用の信号の出力と同時又はその後に自動扉の閉鎖動作を開始することである。
【発明の効果】
【0021】
請求項1に記載の発明によれば、自動扉が閉鎖状態から開放状態に移る場合には玄米投入口よりも奥側へ移動するので、自動扉が開放途中であっても玄米投入口が少しでもあけば、玄米を投入することができ、精米時間の短縮を図ることができる。
また、玄米入りの袋が自動扉にもたれかかっても、その力がかかる方向は自動扉の開放方向と同じで、自動扉の駆動源に負担をかけなくて済み、故障しづらい。
さらに、自動扉をその上端部で軸支するので、自動扉の自重は全て軸支部分にかかる。そのため、開閉運動には、自動扉の自重はかからず、駆動源には低出力ものが使え、簡単な構造を採用できる。
【0022】
また、請求項2に記載の発明によれば、開閉モータの回転力がトルクリミッタからリンク機構に伝達するので、トルクリミッタの設定力以上で玄米投入口と自動扉の間に手等が挟まれることがなく、安全性が高い。しかも、トルクリミッタは機械式なので、電気式のものに比べても安全性が高いと言える。
【0023】
請求項3に記載の発明によれば、閉鎖状態にある自動扉を無理に押圧して開こうとしても、閉鎖状態の自動扉はリンク機構が開放状態とは逆方向に屈曲しているので、開くことがなく、しかも、リンクがストッパーに衝突することよって自動扉の揺動範囲を規制してあるので、無理な押し込みを防いでいる。
【0024】
請求項4に記載の発明によれば、利用料金が料金投入口に投入されれば自動扉を開くだけでなく、投入口ホッパに玄米が無いことと精米処理工程における最終工程の機器が駆動を停止することが兼備した場合には、コイン精米機に未処理の玄米がないものと考えられるので、自動扉を閉じる。
【0025】
請求項5に記載の発明によれば、開閉モータの駆動期間が設定期間を超えたときには自動扉の閉鎖動作を途中で中止して元に戻すので、その間に、自動扉と玄米投入口の間に挟まった手等を引き抜くことや異物を除去して、トラブルを解消することができる。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、自動扉の閉鎖動作と復帰動作を複数回繰り返すので、その間にトラブルが解消された場合には、再度、自動扉が閉まることになり、衛生上望ましい。また、設定された繰返し回数の最終回において、自動扉が設定期間内に閉鎖しない場合には、最終回の復帰動作が行われ、自動扉を開放状態に保持し、料金投入口に次の利用料金が投入されることを待機する状態に移行するので、コイン精米機の稼動が可能である上に、落ち着いてトラブルを解消することができる。
【0027】
請求項7に記載の発明によれば、コイン精米機の使用開始時には自動扉が最初から開いていて衛生上望ましくない状態となっていたにも関わらず、次の利用料金が投入された場合には、精米処理後に自動扉の閉鎖動作と復帰動作を複数回繰り返すことを可能とする閉鎖処理が行われるので、通常であれば、自動扉が閉鎖状態となり、衛生上望ましい状態となる。
【0028】
請求項8に記載の発明によれば、2回目の音声ガイダンス用の信号の出力と同時又はその後に自動扉の閉鎖動作を開始するので、利用客は自動扉がこれから閉まることを予測することができ、安全性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】コイン精米機の精米手順を示す側面から視た説明図である。
【図2】コイン精米機の機器の配置具合を示す平面図である。
【図3】客室側から見た機械室の正面図である。
【図4】制御装置の操作盤を示す正面図である。
【図5】玄米投入口用開閉装置を示す側面図である。
【図6】トルクリミッタとリンク機構との関係を示す説明図である。
【図7】玄米入りの袋を玄米載せ台に載せた状態を示す説明図である。
【図8】従来のシャッターの開閉機構を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1〜図4に基づいてこのコイン精米機1の概要を説明する。このコイン精米機1は、建屋2内に設置されるもので、建屋2内が客室3と機械室4と糠室5に前後の仕切板6a、6bによって仕切られている。より詳しく言えば、前側の仕切板6aは、図3の例では矩形の開口部6cが設けられており、この開口部6cをコイン精米機1の正面側を構成する正面パネル7が主体となって塞いでいる。
【0031】
機械室4は、その内部には精米処理するための機器の大半、つまりコイン精米機1の大半が組み込まれている。図示の例では、投入口ホッパ12、玄米搬送装置13、一番昇降機14、石抜き装置15、二番昇降機16、精米装置17、並びにこれら機器の動作を自動制御する制御装置11が正面パネル7の後側に組み込まれている。また、糠用サイクロン18は糠室5に設けられている。
【0032】
客室3は、正面(図2の下側)に出入口3a、並びに出入口3aを開閉する引戸3bを備えている。引戸3bをあけて客室3の中に入ると、正面には機械室4の正面パネル7が配置されている。正面パネル7の前面側には、操作盤11aが設けられている。操作盤11aは、図4に示すように、制御装置11の前面部を構成しており、料金投入口としてのコイン投入口11b、白度の異なる複数の白度ボタン11c、液晶表示器11d、スピーカー11eが設けられている。制御装置11は、主に操作盤11aに対して操作がなされると、その操作に基づいて各種の機器に対し制御信号を出力するもので、その制御信号に基づいて各種の機器が駆動する。
【0033】
また、操作盤11aの他に、正面パネル7の前面側には玄米投入口7a、白米タンク19が左右に間隔をあけて設けられている。図3の例では、白米タンク19が正面パネル7の左側の高さ中間部に配置され、玄米投入口7aが正面パネル7の幅中央部の高さ中間部に形成されている。また、玄米投入口7aは、正面に向かって開口する状態となっており、玄米投入口7aよりも下側において正面パネル7から玄米載せ台7bが手前に突出する状態で設けられている。
【0034】
この玄米投入口7aの奥には、玄米投入空間7cが形成されている。玄米投入空間7cは自動扉31を開くことによって形成されるものであって、その下に投入口ホッパ12が配置されている。投入口ホッパ12は、下方に向けて尻窄みとなる漏斗形状のホッパ本体12aを主体とし、ホッパ本体12aの上部に、玄米を通過させる金網12bが張られている。また、ホッパ本体12aには、より詳しく言えばホッパ本体12aの下部には、玄米を検知する玄米センサ12cが設けられている。また、ホッパ本体12aの底部には、玄米搬送装置13が連通して設けられている。静電容量式の玄米センサ12cが玄米を検知すると、その検知信号を受けて制御装置11は、その後に白度ボタン11cが押された場合に、玄米搬送装置13、一番昇降機14、石抜き装置15、二番昇降機16を駆動させる。一方、玄米が無くなると、玄米センサ12cからの玄米無し信号を受けて制御装置11は、設定期間経過後に玄米搬送装置13、一番昇降機14、石抜き装置15を順次停止させる。
【0035】
玄米搬送装置13は、搬送バルブ13aをケーシング13b内に収容し、搬送バルブ13aを図示しないモータで一方向に回転させるものである。搬送バルブ13aは、回転軸を中心にして複数枚の羽根が放射状に突出するもので、隣り合う二枚の羽根で区画された領域に定量の玄米が収容される。回転する搬送バルブ13aから定量毎の玄米が排出され、一番昇降機14の下部の受入口14aに送り込まれる。
【0036】
一番昇降機14は、玄米を上昇させるもので、バケットコンベヤからなる昇降機が用いられる。バケットコンベヤの駆動によって、下部の受入口14aに投入された玄米をバケットで上方に搬送し、上部の吐出し口14bから石抜き装置15の石抜きホッパ15aに排出する。
【0037】
石抜き装置15は、上部に石抜きホッパ15aを備えると共に、石抜きホッパ15aの下方に、玄米と石を選別する選別板15bを傾斜して配置してある。この選別板15bの揺動運動とその下方のファン15cからの風を利用した比重選別によって、選別板15b上の玄米の中から石を選別して廃棄し、玄米のみを二番昇降機16の下部の受入口16aに投入する。
【0038】
二番昇降機16は、一番昇降機14と同様の構造であって、バケットコンベヤの駆動によって、玄米を高い位置まで上昇させてから、精米装置17に供給する。
【0039】
精米装置17は、精米ホッパ17aの上部にはオーバーフローセンサ17bを、下部には玄米センサ17cを設けてある。玄米センサ17cが玄米を検知すると、その検知信号を受けて制御装置11が精米装置17を駆動させる。また、オーバーフローセンサ17bが玄米を検知すると、その検知信号を受けて制御装置11が現在駆動している機器、例えば玄米搬送装置13を停止させ、オーバーフローセンサ17bが玄米を検出しなくなると、そのオーバーフロー無し信号を受けて制御装置11が停止させた機器を駆動させる。また、玄米がなくなると、玄米センサ17cからの玄米無し信号を受けて制御装置11は、設定期間経過後に精米装置17を停止させる。
【0040】
また、精米装置17は、前記した精米ホッパ17aの下方には、多角筒形の精白室17dが配置されており、玄米が供給された精白室17d内で図示しない精白ロールをモータで回転させると、摩擦抵抗によって糠が擦り取られる。そして、精白室17dの下方に配置した除糠ファン17eによる吸引によって糠を回収しつつ、白米を白米タンク19に排出する。
【0041】
上述したコイン精米機1に適用する本発明の玄米投入口用自動扉開閉装置が、図5に示されている。玄米投入口用自動扉開閉装置は、玄米投入口7aを開閉する自動扉31と、自動扉31を開閉する駆動源となる開閉モータ32と、開閉モータ32の回転運動を自動扉31の揺動運動に変換して伝達するリンク機構40を主として構成される。
【0042】
自動扉31はその上端部を支点として揺動可能に軸支されている。つまり、自動扉31の上端部は、水平な軸31aによって支えられている。なお、この軸31aは、正面パネル7の一部を構成する投入口ケース7eに支持されている。
【0043】
開閉モータ32は、自動扉31の揺動範囲外で投入口ホッパ12の上方位置において、投入口ケース7eに固定されている。
【0044】
開閉モータ32の図示しない回転軸には、リンク機構40の一端部がトルクリミッタ50を介在しながら連結される。図6には、その連結具合が詳細に示されている。トルクリミッタ50は、図示の例では摩擦式のものを用いている。より詳しく言えば、開閉モータ32の回転軸に、フランジ51a付きのハブ51を通して、ハブ51の軸部51bと回転軸の軸線を一致させる。その上で、ハブ51の軸部51bに摩擦板52、リンク機構40のモータ側リンク41、空転ブッシュ53、摩擦板54、押えプレート55、皿バネ56、ロックワッシャ57を順次通し、最後には軸部51bに調節ナット58をねじこむ。押えプレート55とロックワッシャ57は、各々の抜穴の形状をハブ51の軸部51bに合わせて空転しないようにしてある。より詳しく言えば、軸部51bの断面は、円の一部を切除した形状(図示の例では恰もトラックのような形状)となっている。調節ナット58の締結力に応じて皿バネ56が押えプレート55をハブ51のフランジ51aに向かって押し込むことになる。また、リンク機構40のモータ側リンク41の一端部に設けた抜穴41aの内側に空転ブッシュ53が嵌りこむ状態となりつつ、モータ側リンク41が二枚の摩擦板52、54によって挟まれる形態となる。開閉モータ32の回転軸が回転すると、二枚の摩擦板52、54に挟まれたままモータ側リンク41は、回転する。しかし、モータ側リンク41に対してその回転を阻止する方向に、大きな力が加わると、開閉モータ32の回転軸(ハブ51)が回転するにも関わらず二枚の摩擦板52、54の間でモータ側リンク41が空転することになる。
【0045】
リンク機構40は図5に示すように、二本のリンク41、42をピン継手43で結節したものを主として構成される。このピン継手43の部分が二本のリンク41、42の結節点である。一方のリンク41はモータ側リンク41であって、その一端部が前記したように開閉モータ32にトルクリミッタ50を介在しながら連結される。他方のリンク42は扉側リンク42であって、その他端部が自動扉31の内面高さ中間部から突出するブラケット44にピン継手45で連結される。
【0046】
玄米投入口7aを開口した場合のリンク機構40は、図5の一点鎖線で示すように、V字状に深く屈曲しており、モータ側リンク41が開閉モータ32から扉側リンク42に向かって後方に延長した状態となると共に扉側リンク42が自動扉31に向かって前方に延長した状態となる。このとき、リンク機構40の結節点43は、二本のリンク41、42が一直線に延びる状態の位置よりも玄米投入口7aから遠ざかる位置にある。
一方、玄米投入口7aを閉鎖した場合のリンク機構40は、図5の実線で示すように、玄米投入口7aを開口した場合とは逆方向のV字状に浅く屈曲している。言い換えれば、二本のリンク41、42が一直線に延びる状態よりも、さらに開閉モータ32が閉鎖方向に回転して二本のリンク41、42の結節点43が玄米投入口7aに近づく位置に移動すると、二本のリンク41、42が逆方向に浅く屈曲する。
【0047】
このように、二本のリンク41、42が屈曲状態から一直線に延びて更に逆方向に屈曲させたことが肝要である。仮に、二本のリンク41、42が元の屈曲状態や一直線に延びた状態の場合に、自動扉31の閉鎖状態が保持されるものとすると、自動扉31を外部から無理に押圧した場合に、トルクリミッタ50が作用してモータ側リンク41が空転し、自動扉31が開いてしまう。しかし、二本のリンク41、42が逆方向に屈曲することによって、自動扉31が開放状態から閉鎖状態に保持される。従って、閉鎖している自動扉31を外部から故意に押し開けようと思って押し込もうとすると、更に逆方向に深く屈曲しようと二本のリンク41、42に力が伝わり、これは、自動扉31を開放する際の屈曲方向とは相反することになる。
【0048】
また、閉鎖状態にあるモータ側リンク41には、閉鎖方向への揺動範囲を規制するストッパー35が接触している。このストッパー35は、閉鎖状態にあるモータ側リンク41が更に閉鎖方向に回転するのを阻止する。ストッパー35がない場合、トルクリミッタ50を設けた関係上、閉鎖状態にある自動扉31を利用客が無理やり押すと、その力が扉側リンク42からモータ側リンク41に伝わって、モータ側リンク41が閉鎖端検出器34をより深く押し込む方向に回転しようとする。しかし、ストッパー35があることにより、モータ側リンク41の回転が阻止される。従って、ストッパー35は、自動扉31の閉鎖状態を維持するものである。
【0049】
また、自動扉31を開閉するために、開閉モータ32の駆動は、制御装置11によって制御される。制御装置11には自動扉31の開放動作及び閉鎖動作の開始条件が設定されている。そのうち自動扉31の開放動作の開始条件は、この実施例においてはコイン投入口11bへの正規の利用料金の投入であり、具体的には利用料金の100円硬貨が投入されたことを把握すると、コインメックが利用料金投入信号を制御装置11に出力する。それを受けて制御装置11は、開閉モータ32に開放方向への回転信号を出力する。
【0050】
一方、自動扉31の閉鎖動作の開始条件は、この実施例においては投入口ホッパ12の玄米センサ12cから玄米無し信号が出力されることと、精米処理工程の最終工程を行う精米装置17からの停止信号(より詳しくは、精白ロールを回転させるモータの停止信号)が出力されることである。これら両信号を受けると、制御装置11は、規定時間経過後にも同じ状態が継続している場合には、自動扉31の閉鎖動作が開始される旨を伝える音声ガイダンス用の音声信号を2回スピーカー11eに出力し、その2回目の音声信号を出力すると同時に開閉モータ32に閉鎖方向への回転信号を出力する。
【0051】
また、図5に示すように自動扉31の開閉位置を決定するために、開放端検出器33、閉鎖端検出器34が設けられている。より詳しく言えば、モータ側リンク41の揺動範囲の限界位置の外側に、これら検出器33、34(より詳しくはマイクロスイッチ)が設けられている。
開放端検出器33にモータ側リンク41が接触すると、その接触信号を受けた制御装置11は、開閉モータ32に停止信号を出力し、開閉モータ32の回転を停止させる。これによって自動扉31が開放状態に保持される。
一方、閉鎖端検出器34にモータ側リンク41が接触すると、その接触信号を受けた制御装置11は、開閉モータ32に停止信号を出力し、開閉モータ32の回転を停止させる。これによって自動扉31が閉鎖状態に保持される。
【0052】
また、閉鎖端検出器34を用いて、自動扉31の閉鎖動作を途中で中止して元の開放状態に戻す復帰動作の開始条件が、制御装置11には設定されている。この復帰動作は、玄米投入口7aと自動扉31の間に手やその他異物が挟まった状態を想定したものである。復帰動作の開始条件として、制御装置11には、開閉モータ32が閉鎖方向に駆動する期間が設定されている。
この設定期間は、具体的には、開放端検出器33からモータ側リンク41が外れ、開放端検出器33が非接触を検出してから、閉鎖端検出器34にモータ側リンク41が接触して、閉鎖端検出器34が接触を検出するまでの期間である。この設定期間は、通常の移動時間よりも長く設定することが望ましい。通常の移動時間とは、開閉モータ32が閉鎖方向に回転して自動扉31が一度も止まることなく閉まる場合に要する時間である。通常の移動時間よりも長くすることによって、自動扉31と玄米投入口7aの間に手等が挟まれるトラブルが発生しても、トラブルを迅速解消した上で自動扉31を閉めることができる。
この設定期間を超えても閉鎖端検出器34がモータ側リンク41と接触しない場合(接触信号を出力しない場合)には、開閉モータ32に開放方向への回転信号を出力する。これによって自動扉31を逆回転させて開放端検出器33がモータ側リンク41と接触するまで、自動扉31の開放動作が行われる。また、開放端検出器33からの接触信号を受けて制御装置11は、開閉モータ32を再度逆回転させ、閉鎖方向へ回転させる。つまり、自動扉31の閉鎖動作が再度行われる。
【0053】
このような自動扉31の閉鎖動作と復帰動作を複数回繰り返すことを可能とするための繰返し回数が、制御装置11には設定されている。設定された繰返し回数の最終回までの間に、閉鎖動作中のモータ側リンク41が復帰動作の開始条件である設定期間内に閉鎖端検出器34に接触した場合には、復帰動作が行われること無く自動扉31を閉鎖状態に保持し、次のコイン投入を待機する状態に移行する(普通の状態)。一方、設定された繰返し回数の最終回において、閉鎖動作中のモータ側リンク41が復帰動作の開始条件である設定期間内に閉鎖端検出器34に接触しなかった場合には、最終回の復帰動作が行われ、開放端検出器33がモータ側リンク41と接触すると、自動扉31を開放状態に保持し、次のコイン投入を待機する状態に移行する(異常な状態)。異常な状態であっても、次のコイン投入があると、普通の状態と同様に、精米処理が行われ、最後には、制御装置11が自動扉31の閉鎖動作を制御し、閉鎖動作と復帰動作の繰り返し回数を設定回数分だけ繰返し可能に制御する。
【0054】
前記したコイン精米機1は、次のようにして使用される。まず、制御装置11は、待機処理を行っている。自動扉31は、利用客を待っている待機状態において、玄米投入口7aを閉鎖している状態となっている。利用客が客室3に入り、その入室を操作盤11aの図示しない人感センサが検出すると、その検出信号を受けた制御装置11がスピーカー11eに音声信号を出力し、「いらっしゃいませ。利用料金を入れてください。料金を入れると自動扉が開きます。」と音声ガイダンスが流れ、利用料金の投入を促す。
【0055】
正常な硬貨がコイン投入口11bに投入されると、制御装置11によって自動扉31の開放処理が行われる。図示しないコインメックから投入信号が制御装置11に出力され、制御装置11は開閉モータ32を駆動させると共に、スピーカー11eに音声信号を出力し、「自動扉が開いたら、お米を全部入れてください。」という音声ガイダンスを流す。制御装置11は開閉モータ32に開放方向への回転信号を出力し、自動扉31が開いていき開放端検出器33がモータ側リンク41の接触を検出すると、その検出信号を受けた制御装置11は、開閉モータ32を停止させて、自動扉31を開放状態で維持する。
【0056】
自動扉31が開放すると、利用者は玄米投入口7aから玄米を投入し、玄米が投入口ホッパ12に張り込まれる。すると、投入口ホッパ12の下部の玄米センサ12cが玄米を検知し、その検知信号を受けた制御装置11が、スピーカー11eに音声信号を出力し、「お好みの白度ボタンを押してください。ボタンを押すと、スタートします。」と音声ガイダンスが流れる。利用者が好みの白度ボタン11cを押すと、それを受けて制御装置11によって精米処理が開始され、制御装置11から制御信号が次々と出力され、玄米搬送装置13、一番昇降機14、石抜き装置15、二番昇降機16、精米装置17が駆動する。
【0057】
精米処理が行われるにつれて玄米が減っていき、投入口ホッパ12の玄米センサ12cが玄米の無いことを検知すると、その玄米無し信号が制御装置11に出力される。また、精米処理を行う全機器の運転が制御装置11からの制御信号によって停止すると(例えば精米装置17が最後に停止すると)、その停止信号が制御装置11に出力される。制御装置11は、玄米無し信号と、精米装置17の停止信号が揃うと、自動扉31の閉鎖動作の開始条件が満たされたと判断し、その時点から規定時間(例えば1分)のカウントを始める。規定時間の経過時にも閉鎖動作の開始条件が満たされていれば、自動扉31の閉鎖処理が開始され、自動扉31を閉じる音声ガイダンスのための音声信号が制御装置11からスピーカー11eに出力される。
【0058】
通常、投入口ホッパ12の玄米が無くなる時期が、精米装置17の運転停止時期よりも早いが、利用者によっては、玄米が無くなるのを見計らって玄米を追加投入し、それによって玄米センサ12cが玄米有り信号を出力する場合がある。また、利用料金の投入が不足しているため玄米センサ12cが玄米有り信号を出力しているにも関わらず精米装置17の運転が停止する場合も予測される。従って、前記した規定時間の経過時にも閉鎖動作の開始条件が満たされている場合にのみ自動扉31の閉鎖処理が行われる。
【0059】
自動扉31の閉鎖処理として、制御装置11は、まずスピーカー11eに音声信号を出力し、「ピンポーン(警報音)、自動扉が閉まります。ご注意下さい。」と1回目の音声ガイダンスが流れる。そして、少しの時間をおいて、同じ内容の2回目の音声ガイダンスが流れる。この2回目の音声ガイダンス用の音声信号の出力と同時に制御装置11は、開閉モータ32に閉鎖方向への回転信号を出力する。従って、自動扉31は1回目の音声ガイダンス時には開放状態のままであるが、2回目の音声ガイダンスが始まると同時に閉鎖方向に動き始める。自動扉31が開く時よりも閉じる時の方が手を挟む事故が起き易いため、1回目の音声ガイダンスで注意を喚起し、2回目の音声ガイダンスの開始と同時に自動扉31を閉じるようにしてある。
【0060】
自動扉31が復帰動作の開始条件である設定期間内に玄米投入口7aを塞ぐと、閉鎖端検出器34がモータ側リンク41と接触して接触信号を出力し、その出力を受けた制御装置11が開閉モータ32に停止信号を出力する。これによって、開閉モータ32は、玄米投入口7aを塞いだ状態を維持して、自動扉31の閉鎖処理を終了する。そして、次の利用客がコイン投入口11bにコインを投入するのを待機する待機処理に移行する。
【0061】
また、自動扉31の開閉制御の安全対策として、手の挟み込みなどで自動扉31が設定期間内に玄米投入口7aを塞げない場合には、自動扉31の復帰動作が行われる。閉鎖動作と復帰動作が複数回繰り返されても自動扉31が閉鎖しない場合には最終回の復帰動作が行われ、自動扉31を開放させたまま自動扉31の閉鎖処理を終了する。そして、次の利用客がコイン投入口11bにコインを投入するのを待機する待機処理に移行する。
【0062】
なお、図7に示すように、100円硬貨を投入する前に、玄米載せ台7bに玄米入り袋7dを載せ、玄米入り袋7dが閉鎖状態にある自動扉31に寄りかかるようになったとしても、自動扉31が開けば、自然と玄米入り袋7dの上部が玄米投入空間7cに入るので、玄米の投入作業が簡単に行える。また、自動扉31の開放動作中であっても、リンク機構40の結節点43が、二本のリンク41、42が一直線に延びる状態の位置よりも玄米投入口7aから離れる方向に移動すれば、強い力で自動扉31を外部から押し込んだ場合でもトルクリミッタ50が作用して自動扉31を一挙に開放させる。これにより、開閉モータ32に過負荷がかからないようになり、故障し難い。
【0063】
本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、トルクリミッタ50は、機械式であれば良く、摩擦式に限らず、ラチェット方式等であっても良い。また、料金投入口は、100円硬貨専用となっているものに限らず、500円硬貨や、1000円札等に対応するものであっても良い。
【0064】
また、自動扉31の閉鎖動作の開始条件は、前記した例以外にもある。例えば、投入口ホッパ12を経てから精米装置17の精白室17dに到達するまでの流路に設けられた玄米センサのうちで、精白室17dに最も近い玄米センサからの玄米無し信号が出力されることであり、通常であれば精米ホッパ17aに設けられた玄米センサ17cからの玄米無し信号が出力されることであり、この玄米無し信号が出力されてから設定時間経過後には精米が終了していることが予測できるため、設定時間経過後に自動扉31の閉鎖動作を開始しても良い。
その他の自動扉31の閉鎖動作の開始条件としては、投入口ホッパ12に玄米が無いことと、投入口ホッパ12と精米装置17の精米ホッパ17aの間において玄米が無くなくなることと、精米処理工程における最終工程の機器が駆動を停止することを兼備した場合である。
【符号の説明】
【0065】
1コイン精米機
2建屋
3客室
3a出入口
3b引戸
4機械室
5糠室
6a仕切板
6b仕切板
6c開口部
7正面パネル
7a玄米投入口
7b玄米載せ台
7c玄米投入空間
7d玄米入り袋
7e投入口ケース
11制御装置
11a操作盤
11bコイン投入口
11c白度ボタン
11d液晶表示器
11eスピーカー
12投入口ホッパ
12aホッパ本体
12b金網
12c玄米センサ
13玄米搬送装置
13a搬送バルブ
13bケーシング
14一番昇降機
14a受入口
14b吐出し口
15石抜き装置
15a石抜きホッパ
15b選別板
15cファン
16二番昇降機
16a受入口
17精米装置
17a精米ホッパ
17bオーバーフローセンサ
17c玄米センサ
17d精白室
17e除糠ファン
18糠用サイクロン
19白米タンク
31自動扉
31a軸
32開閉モータ
33開放端検出器
34閉鎖端検出器
35ストッパー
40リンク機構
41リンク(モータ側リンク)
41a抜穴
42リンク(扉側リンク)
43ピン継手(結節点)
44ブラケット
45ピン継手
50トルクリミッタ
51ハブ
51aフランジ
51b軸部
52摩擦板
53空転ブッシュ
54摩擦板
55押えプレート
56皿バネ
57ロックワッシャ
58調節ナット


【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面パネルの後側には玄米を精米処理する機器が組み込まれると共に、その機器の動作を制御するための制御装置を備え、正面パネルの前面側に料金投入口と玄米投入口と白米タンクを備え、玄米投入口から奥には玄米投入空間を備えると共に、玄米投入空間の下には投入口ホッパを備えるコイン精米機において、玄米投入口を自動扉で開閉する玄米投入口用自動扉開閉装置であって、
自動扉はその上端部を軸支されることによって揺動可能に設けられており、
玄米投入口を閉鎖した場合には自動扉はその上端部を支点としながら吊り下げられた状態となり、
玄米投入口が開き始める場合には自動扉はその上端部を支点にしながらその下端部が玄米投入空間に向かって入り込んでいくことを特徴とするコイン精米機の玄米投入口用自動扉開閉装置。
【請求項2】
自動扉を開閉する駆動源となる開閉モータと、開閉モータの回転運動を自動扉の揺動運動に変換して伝達するリンク機構と、開閉動作時の自動扉に過負荷がかかった場合にその過負荷が開閉モータに伝達するのを遮断する機械式のトルクリミッタとを備え、
開閉モータを自動扉の揺動範囲外に固定すると共に、開閉モータの回転軸とリンク機構の一端部とをトルクリミッタを介在しながら連結し、リンク機構の他端部を自動扉の内面に連結してあることを特徴とする請求項1に記載のコイン精米機の玄米投入口用自動扉開閉装置。
【請求項3】
リンク機構は、結節した二本のリンクの一端部を開閉モータに、その他端部を自動扉にそれぞれ連結し、自動扉を開放状態から閉鎖状態とした場合に二本のリンクが屈曲状態から一直線に延びて更に逆方向に屈曲するものであり、
自動扉の揺動範囲を規制するストッパーを備え、閉鎖状態の自動扉を外部から開放方向に押圧した場合には、ストッパーにリンクが衝突して自動扉の閉鎖状態を保持することを特徴とする請求項2に記載のコイン精米機の玄米投入口用自動扉開閉装置。
【請求項4】
制御装置には、自動扉の開閉動作の開始条件が設定されており、
自動扉の開放動作の開始条件は、料金投入口に利用料金が投入されたことであり、
自動扉の閉鎖動作の開始条件は、投入口ホッパに玄米が無いことと精米処理工程における最終工程の機器が駆動を停止することを兼備することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のコイン精米機の玄米投入口用自動扉開閉装置。
【請求項5】
制御装置には、自動扉の閉鎖動作を途中で中止して元に戻す復帰条件が設定されており、
復帰条件は、自動扉を開放状態から閉鎖状態にする場合の開閉モータの駆動期間が設定期間を超えたときであることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載のコイン精米機の玄米投入口用自動扉開閉装置。
【請求項6】
制御装置には、自動扉の閉鎖動作と復帰動作を複数回繰り返すことを可能とする閉鎖処理用の繰返し回数が設定されており、
設定された繰返し回数の最終回において、自動扉が設定期間内に閉鎖しない場合には、最終回の復帰動作が行われ、自動扉を開放状態に保持し、料金投入口に次の利用料金が投入されることを待機する状態に移行することを特徴とする請求項5に記載のコイン精米機の玄米投入口用自動扉開閉装置。
【請求項7】
制御装置は、次の利用料金が投入された場合には、精米処理後に自動扉の閉鎖動作と復帰動作を複数回繰り返すことを可能とする閉鎖処理を行うことを特徴とする請求項6に記載のコイン精米機の玄米投入口用自動扉開閉装置。
【請求項8】
スピーカーを備え、
制御装置は、自動扉の閉鎖動作を開始する場合には、注意を喚起するための音声ガイダンス用の信号をスピーカーに2回出力し、2回目の音声ガイダンス用の信号の出力と同時又はその後に自動扉の閉鎖動作を開始することを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、又は7に記載のコイン精米機の玄米投入口用自動扉開閉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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