説明

コネクタ組立体における高精度保持構造形成方法

【課題】オス側コネクタとメス側コネクタの組付作業性を向上させることの可能なコネクタ組立体における高精度保持形成構造を得る。
【解決手段】フォトリソグラフィによって設けた柱形成穴内にめっき処理によって前記オス型端子部と支持体15aとを形成する柱形成工程と、貫通体15bの平面視における外形と同形の貫通体形成穴を有して該貫通体形成穴から支持体15aを露出させつつ前記オス型端子部を被覆する被覆体を設ける端子被覆工程と、支持体15a上の貫通体15b形成穴内にめっき処理によって貫通体15bを形成する。
オス型ガイド突起部15における貫通体15bの平面視における形状を容易に選択することができるため、歩留の向上、接続信頼性の向上を実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、コネクタ組立体における高精度保持構造形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、オス型端子部を有したオス側コネクタと、メス型端子部を有したメス側コネクタとの対向面に、位置決め用の柱状突起(ガイド突起)とリング体(穴部)を設けるようにしたコネクタ組立体が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−277534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のコネクタ組立体では、柱状突起をリング体に挿入しつつ嵌合することで、オス型端子部とメス型端子部の正確な位置決めが行われ、これらオス型およびメス型端子部が形成された2つのコネクタ同士を合体させることができる。
【0005】
しかしながら、コネクタ組立体の組み付け時に、最初から柱状突起をリング体に嵌合させる構成では、柱状突起のリング体への挿入がきつくなって接続し辛くなり、結果として、組付作業性が悪化してしまう恐れがあった。
【0006】
そこで、本願発明は、オス型端子部とメス型端子部の位置決めを行いつつ、オス側コネクタとメス側コネクタの組付作業性を向上させることの可能なコネクタ組立体における高精度保持形成構造を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の高精度保持構造形成方法は、オス型端子部とオス型ガイド突起部とを有したオス側コネクタと、メス型端子部とメス型ガイド受容部とを有したメス側コネクタとを備え、前記オス型ガイド突起部は柱状からなる支持体と前記支持体の端部に設けられた貫通体とを有し、前記オス型端子部と前記メス型端子部とを接触させつつ、前記オス型ガイド突起部の貫通体を前記メス型ガイド受容部に受容させることで前記オス側コネクタと前記メス側コネクタとを合体させるコネクタ組立体の高精度保持構造形成方法であって、フォトリソグラフィによって設けた柱形成穴内にめっき処理によって前記オス型端子部と前記支持体とを形成する柱形成工程と、前記貫通体の平面視における外形と同形の貫通体形成穴を有して該貫通体形成穴から前記支持体を露出させつつ前記オス型端子部を被覆する被覆体を設ける端子被覆工程と、前記支持体上の前記貫通体形成穴内にめっき処理によって前記貫通体を形成する貫通体形成工程とを有することを特徴とする。
【0008】
またこの高精度保持構造形成方法においては、前記柱形成工程の前に、前記支持体を形成するための前記柱形成穴周囲にフォトリソグラフィによって前記貫通体形成穴の側壁部を形成する側壁部形成工程を有し、前記被覆体はマスキングテープであることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本願発明の高精度保持構造形成方法によれば、オス側コネクタとメス側コネクタの組付作業性を向上させることの可能なコネクタ組立体を容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本願発明の一実施形態にかかる高精度保持構造形成方法よって製造された高精度保持形成構造を有するコネクタ組立体の斜視図であって、オス側コネクタの裏面とメス側コネクタの裏面を示した図である。
【図2】本願発明の一実施形態にかかる高精度保持構造形成方法よって製造された高精度保持形成構造を有するコネクタ組立体の斜視図であって、オス側コネクタの表面とメス側コネクタの表面を示した図である。
【図3】図1および図2に示したオス側コネクタとメス側コネクタの組付け状況を示した側面図である。
【図4】図3に示したオス側コネクタとメス側コネクタを合体させたコネクタ組立体の側面図である。
【図5】図4に示すオス型ガイド突起部の挿入状況を示した断面図である。
【図6】図4に示すオス型端子部の挿入状況を示した断面図である。
【図7】図1に示したメス型ガイド受容部の拡大図である。
【図8】本願発明の実施形態1である高精度保持構造形成方法の模式図である。
【図9】本願発明の実施形態1である高精度保持構造形成方法の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本願発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
図1〜7は実施形態1にかかる高精度保持構造形成方法よって製造された高精度保持形成構造を有するコネクタ組立体を示している。
【0012】
図1〜図3に示すオス側コネクタ10とメス側コネクタ20とを合体させることによって、図4に示すコネクタ組立体1が形成されるようになっている。
【0013】
メス側コネクタ20は、図1および図2に示すように、ポリイミド樹脂やガラエポ(ガラスエポキシ)などの絶縁フィルム29を有したベース基板21の裏面21bに、複数条の導体回路22をパターニングしてFPC基板として形成される。導体回路22の端末には、メス型端子部としての十字状スリット23がそれぞれ設けられている。
【0014】
十字状スリット23は、導体回路22の端末に設けられた幅広の十字状パッド部22aの中心部に同心状に形成されており、十字状パッド部22aおよびベース基板21を貫通するようになっている。すなわち、本実施形態では、合成樹脂などで形成された基板本体28(図2参照)に複数の貫通穴24が設けられており、この貫通穴24と連通するように十字状スリット23が形成されることで、十字状スリット23が十字状パッド部22aおよびベース基板21を貫通している。
【0015】
オス側コネクタ10は、図1および図2に示すように、合成樹脂などの絶縁材料で形成されて四隅を面取りした矩形状のベース基板11を備え、このベース基板11の表面11aにオス型端子部としての柱状バンプ13を突設して形成されている。
【0016】
なお、柱状バンプ13は、導電材料である金属によって形成され、十字状スリット23の周縁部を変形させつつ挿入(圧入)可能な径をもって円柱状に形成されている。このとき、柱状バンプ13は、十字状スリット23を周方向で等しく押し開くには断面円形となった円柱状が好ましいが、特に、その断面形状は円形に限ることなく楕円や多角形などの非円形であってもよい。
【0017】
柱状バンプ13は、ベース基板11の幅方向両側部11c、11dから当該幅方向の内側に向かって延びる導体回路12の一端に設けられた環状パッド部12aに設けられている。この柱状バンプ13は、十字状スリット23のそれぞれの形成位置に対応して配置されており、本実施形態においては合計18箇所設けられている。
【0018】
そして、柱状バンプ13に接続された導体回路12の他端が、ベース基板11の幅方向両側部11c、11dに露出しており、この導体回路12の露出面12bが図示省略した他の回路基板や電子部品との接点となる。
【0019】
ここで、本実施形態では、オス側コネクタ10およびメス側コネクタ20の対向面の一方として、オス側コネクタ10のベース基板11の表面11aに、上述の柱状バンプ13よりも突出高さの高いオス型ガイド突起部15を設けている。このオス型ガイド突起部15は、金属で形成されており、図2に示すように、本実施形態ではベース基板11の長手方向両側部に一つずつ、合計2つ配置させている。
【0020】
図3に示すように、オス型ガイド突起部15には柱状の支持体15aと、該支持体15aの先端部に設けられ径の大きさが支持体15aよりも大きな貫通体15bが形成されており、この貫通体15bは先端面がキノコの傘状に球面となっている。即ち、オス型ガイド突起部15は、貫通体15bの径がオス側コネクタ10のベース基板11から離間するにつれて小さくなっており、このようなオス型ガイド突起部15は、いわゆるマッシュルームバンプとして形成されている。
【0021】
また、オス側コネクタ10にオス型ガイド突起部15が設けられる一方で、対向面の他方としてのメス側コネクタ20の裏面21bには、オス型ガイド突起部15の貫通体15bを受容し、該オス型ガイド突起部15が挿通されるメス型ガイド受容部としての穴部25が形成されている。穴部25は、オス型ガイド突起部15の突設位置にそれぞれ対応して設けられており、図2に示すように、本実施形態においてはベース基板21の長手方向両側部に一つずつ、合計2箇所設けられている。
【0022】
穴部25は、図1、2にも示すように、ベース基板21の裏面21bに形成される略十字状のスリット25aと、当該スリット25aに連通して設けられ、オス型ガイド突起部15よりも大径な挿通穴25cとによって形成される。すなわち、穴部25は、オス型ガイド突起部15の僅かな動作を許容可能な大きさをもって形成されている。本実施形態では、上述のメス型端子部としての十字状スリット23と同じように、基板本体28に2つの挿通穴25cが貫通形成されており、この挿通穴25cと連通するようにして絶縁フィルム29および環状パッド部26上に略十字状のスリット25aを設けることで、穴部25が形成されるようになっている。
【0023】
また、本実施形態では、図7に示すとおり、穴部25の略十字状のスリット25aには、当該スリット25aの中心から同心状に切り除かれた環状開口部25bが設けられるようになっている。このとき、環状開口部25bは、オス型ガイド突起部15の貫通体15bの径幅よりも穴幅が小さくなるように形成されている。これにより、図5に示すように、オス型ガイド突起部15の抜け止めを行うとともに、スリット25aの中心からずれてオス型ガイド突起部15が挿入されたとしても、スリット25a周縁部の弾性力によって支持体15aをスリット25aの中心に案内できるようにし、これらオス型ガイド突起部15とスリット25aとの相対位置精度を高められるようにしている。
【0024】
このように、本実施形態のコネクタ組立体1では、オス型ガイド突起部15を穴部25に挿入することで、まずはオス型端子部としての柱状バンプ13とメス型端子部としての十字状スリット23の大まかな位置合わせが行われるようになっている。
【0025】
そして、オス側コネクタ10とメス側コネクタ20との合体によって、図6に示すように、オス型端子部としての柱状バンプ13とメス型端子部としての十字状スリット23とは相互に嵌合(接触)されて導通され、オス側コネクタ10とメス側コネクタ10とが電気的に接続される。
【0026】
ここで本実施形態における上記コネクタ組立体の高精度保持構造形成方法を説明する。
【0027】
本実施形態の高精度保持構造形成方法においては、オス型端子部とオス型ガイド突起部15とを有したオス側コネクタ10と、メス型端子部とメス型ガイド受容部とを有したメス側コネクタ20とを備え、オス型ガイド突起部15は柱状からなる支持体15aと前記支持体の端部に設けられた貫通体15bとを有し、前記オス型端子部と前記メス型端子部とを接触させつつ、前記オス型ガイド突起部の貫通体を前記メス型ガイド受容部に受容させることで前記オス側コネクタと前記メス側コネクタとを合体させるコネクタ組立体の高精度保持構造形成方法であって、フォトリソグラフィによって設けた柱形成穴内にめっき処理によって前記オス型端子部と支持体15aとを形成する柱形成工程と、貫通体15bの平面視における外形と同形の貫通体形成穴を有して該貫通体形成穴から支持体15aを露出させつつ前記オス型端子部を被覆する被覆体を設ける端子被覆工程と、支持体15a上の貫通体15b形成穴内にめっき処理によって貫通体15bを形成する貫通体形成工程とを有する。
【0028】
以下、本実施形態の高精度保持構造形成方法のより具体的な説明を行う。
【0029】
図8は本実施形態の高精度保持構造形成方法を示す。
【0030】
図8(a)はフォトリソグラフィによって設けた柱形成穴A内にめっき処理によって前記オス型端子部としての柱状バンプ13と支持体15aとを形成する柱形成工程である。本実施形態においてはめっき処理は硫酸銅水溶液をめっき液に用いた電解めっきでなされ、Cuからなる柱状バンプ13と支持体15aが形成される。
【0031】
フォトリソグラフィはアクリル系等の感光性を有する樹脂からなるフィルムレジストを用いて行われる。液体のレジストを用いて行うことも可能ではあるが、柱形成穴Aを形成するためには一定の厚みを容易にもたせることができるフィルムレジストを用いることが好ましい。この際、ベース基板11の裏面(図8(a)下側)にもレジストBaを設けることで、不要な部分にめっき処理がなされることを回避することができる。
【0032】
なお、本工程に先立ち、柱形成穴A周囲にプラズマ処理を行うプラズマ工程を設けることが好ましい。プラズマ処理によって柱形成穴Aの内壁を含む周囲のレジストBa表面を親水化しておくと柱形成穴Aの内壁がめっき液に濡れやすくなり、めっき液がCuからなる表面11aに接触しやすくなり、めっき液が届きにくい表面11a上の柱形成穴Aの内壁近傍においてもCuを容易に体積させることができる。
【0033】
さらに前記プラズマ工程の後、前記柱形成工程の前に洗浄工程を設けることが好ましい。前記洗浄工程は酸性脱脂による有機物除去、50g/Lの過硫酸ナトリウム水溶液を用いたソフトエッチングによる酸化膜除去、5〜10%の硫酸からなるエッチング残渣除去からなる。
【0034】
図8(b)は貫通体15bの平面視における外形と同形の貫通体形成穴を有して該貫通体形成穴から支持体15aを露出させつつ前記オス型端子部としての柱状バンプ13を被覆する被覆体Cを設ける端子被覆工程である。本実施形態においては、被覆体Cは上記レジストBaと同様、アクリル系等の感光性を有する樹脂からなるフィルムレジストを用いたフォトリソグラフィによって形成される。
【0035】
ここで注目すべきは、被覆体Cは貫通体形成穴Dを有する点である。被覆体Cは柱状バンプ13を被覆する一方で該貫通形成穴Dから支持体15aを露出させている。貫通体形成穴Dは平面視において円形の外形を有する筒状の穴であることが好ましく、また平面視における支持体15aの中心と貫通体形成穴Dの中心が一致していることがより好ましい。
【0036】
貫通体形成穴Dの形状は後述のとおり貫通体15bの平面視における大きさを決定するため、貫通体15bに要求される形状に応じて貫通体形成穴Dの形状は適宜決定するべきである。
【0037】
なお本実施形態においては、被覆体Cはフォトリソグラフィによって形成しているが、本願発明はこれに限定されるものではない。例えば、マスキングテープ等で被覆を行ってもよい。これによってフォトリソグラフィによって必要な露光、現像のプロセスを省くことができ、プロセス数の削減につながる。
【0038】
図8(c)は支持体15a上の貫通体15b形成穴内にめっき処理によって貫通体15bを形成する貫通体形成工程である。図8(a)と同様本実施形態においては、めっき処理は硫酸銅水溶液をめっき液に用いた電解めっきでなされ、Cuからなる貫通体15bが支持体15a上に形成される。
【0039】
ここで注目すべきは、貫通体形成穴D内に形成される貫通体15bの平面視における大きさは貫通体形成穴Dの形状によって決定される点である。
【0040】
本実施形態におけるコネクタ組み立て体のメス型ガイド受容部としての穴部25との関係において、貫通体15bの平面視における大きさは非常に重要な意味を持つ。例えば、貫通体15bの平面視における大きさが穴部25に対して大きすぎるとメス型ガイド受容部はオス型ガイド突起部15を受容することが困難となる。一方で穴部25に対して小さすぎるとメス型ガイド受容部に挿入したオス型ガイド突起部15が容易に脱離してしまう。
【0041】
このことから、オス型ガイド突起部15の貫通体15bの平面視における大きさを好ましい一定の形に規定することが歩留の改善、接続信頼性の改善のためには必要となる。そこで貫通体形成穴Dを設け、その内部でCuからなる貫通体15bを成長させることで、貫通体15bの平面視における大きさが貫通体形成穴Dよりも大きくなることを防ぐことが可能となる。これにより、貫通体15bを貫通体形成穴Dの内壁に接触する程度にまでめっき処理を行うことで、平面視における形状を貫通体形成穴Dと同程度の大きさにすることができ、形状を容易に選択することができる。
【0042】
図8(d)はレジストBaおよび被覆体Cを除去するレジスト除去工程である。本実施形態においては5%の苛性ソーダ水溶液によって行っている。これによってレジストBa及び被覆体Cに埋没していたオス型ガイド突起部15とオス型端子部としての柱状バンプ13を露出させることができる。
【0043】
図8(e)はオス型ガイド突起部15とオス型端子部としての柱状バンプ13にNiめっき処理およびAuめっき処理を施すめっき工程である。これによって酸化されやすいCuからなるオス型ガイド突起部15とオス型端子部としての柱状バンプ13を保護し、接触信頼性を担保することができる。
【0044】
本実施形態の高精度保持構造形成方法によれば、オス型ガイド突起部15における貫通体15bの平面視における形状を容易に選択することができるため、歩留の向上、接続信頼性の向上を実現することができる。
(実施形態2)
図9は実施形態2にかかる高精度保持構造形成方法を示している。
【0045】
本実施形態の高精度保持構造形成方法においては、前記柱形成工程の前に、支持体15aを形成するための柱形成穴A周囲にフォトリソグラフィによって貫通体形成穴Dの側壁部Caを形成する側壁部形成工程を有し、被覆体Cはマスキングテープであるという点で、実施形態1に記載した高精度保持構造形成方法と相違するがその他の構成は同様である。
【0046】
以下、実施形態2のより具体的な説明を行う。
【0047】
図9は本実施形態の高精度保持構造形成方法を示す。
【0048】
図9(a)〜(d)はフォトリソグラフィによって柱形成穴Aを設ける工程であり、これらの工程は上記実施形態1と同様である。
【0049】
図9(e)、(f)は上記工程の後、再びフォトリソグラフィを行い、柱形成穴A周囲のレジストBa上にさらに貫通体形成穴Dの側壁部Caを設ける側壁部形成工程である。
【0050】
ここで注目すべきは前記実施形態1とは異なり側壁部Caを設けることにより貫通体形成穴Dを前記柱形成工程前に形成する点である。この際、柱形成穴Aを塞いでしまうことが無いように十分留意する。
【0051】
フォトリソグラフィを用いる工程を続けて行うことで製造容易とすることができる。
【0052】
図9(g)は柱形成工程であり、この工程は上記実施形態1と同様である。側壁部Caが柱形成穴Aを塞ぐことなく設けられているため、貫通体形成穴Dが設けられているにもかかわらず、オス型端子部としての柱状バンプ13を形成することができる。
【0053】
図9(h)は端子被覆工程である。
【0054】
ここで注目すべきは、被覆体Cは前記側壁部形成工程によって形成された側壁部Caと柱形成穴閉塞部Cbからなっており、柱形成穴閉塞部Cbはマスキングテープによって形成されている点である。微細な加工が要求される側壁部Caは前述の通り、微細加工が容易なフォトリソグラフィによって形成しており、柱形成穴Aを被覆すれば足りる柱形成穴閉塞部Cbはマスキングテープを貼り付けることで形成する。一般にフォトリソグラフィは露光、現像のプロセスが要求されるが、本実施形態のようにマスキングテープを用いることでプロセス数の削減、材料費の低減を実現することができる。
【0055】
図9(i)〜(k)はそれぞれ貫通体形成工程、レジスト除去工程、めっき工程であり、これらの工程は上記実施形態1と同様である。
【0056】
本実施形態によれば、マスキングテープを用いることでプロセス数の削減、材料費の低減を実現することができる。
【符号の説明】
【0057】
1 コネクタ組立体
10 オス側コネクタ
11 ベース基板
12 導体回路
13 柱状バンプ(オス型端子部)
15 オス型ガイド突起部
15a 支持体
15b 貫通体
20 メス側コネクタ
23 十字状スリット(メス型端子部)
25 穴部(メス型ガイド受容部)
A 柱形成穴
Ba レジスト
Bb 非露光部
Bc 遮光体
C 被覆体
Ca 側壁部
Cb 柱形成穴閉塞部
D 貫通体形成穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オス型端子部とオス型ガイド突起部とを有したオス側コネクタと、
メス型端子部とメス型ガイド受容部とを有したメス側コネクタとを備え、
前記オス型ガイド突起部は柱状からなる支持体と前記支持体の端部に設けられた貫通体とを有し、
前記オス型端子部と前記メス型端子部とを接触させつつ、
前記オス型ガイド突起部の貫通体を前記メス型ガイド受容部に受容させることで前記オス側コネクタと前記メス側コネクタとを合体させるコネクタ組立体の高精度保持構造形成方法であって、
フォトリソグラフィによって設けた柱形成穴内にめっき処理によって前記オス型端子部と前記支持体とを形成する柱形成工程と、
前記貫通体の平面視における外形と同形の貫通体形成穴を有して該貫通体形成穴から前記支持体を露出させつつ前記オス型端子部を被覆する被覆体を設ける端子被覆工程と、
前記支持体上の前記貫通体形成穴内にめっき処理によって前記貫通体を形成する貫通体形成工程とを有することを特徴とする高精度保持構造形成方法。
【請求項2】
前記柱形成工程の前に、前記支持体を形成するための前記柱形成穴周囲にフォトリソグラフィによって前記貫通体形成穴の側壁部を形成する側壁部形成工程を有し、
前記被覆体はマスキングテープであることを特徴とする請求項1記載の高精度保持構造形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−26025(P2013−26025A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159687(P2011−159687)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】