説明

コネクタ

【課題】複数の径のロッドに対応可能でコストを低減できるコネクタを提供する。
【解決手段】ロッド6を介して複数の椎骨を連結する椎骨連結部材2のコネクタ1であって、ロッド6が挿入されるロッド用穴14と、ロッド用穴14に挿入されたロッド6を固定する固定部材15がねじ込まれる固定部材用穴16と、椎骨にねじ込まれるスクリュー部材5が挿入されるスクリュー部材用穴13とが形成され、ロッド6と椎骨にねじ込まれるスクリュー部材5を連結するコネクタ本体3と、ロッド用穴14に当接される凸状湾曲面21と、ロッドに当接される凹状湾曲面22とを有し、ロッド用穴14に挿入される径調整部材4とを備えている。そして、スクリュー部材5はスクリュー部材用穴13に挿入されてコネクタ1に固定され、ロッド6は径調整部材4が挿入されたロッド用穴14に挿入されてコネクタ1に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッドを介して複数の椎骨を連結する椎骨連結部材のコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロッドを介して複数の椎骨を連結する椎骨連結部材として、例えば、株式会社ロバート・リード商会(ROBERT REID INC.)が発行しているパンフレット「ISOLA スパイナル システム(The ISOLA Spinal System)」DS002P01 200503(非特許文献1)に記載されたものや、株式会社ロバート・リード商会(ROBERT REID INC.)が発行しているパンフレット「Monarch SPINE SYSTEM」DS026P01 200505(非特許文献2)が知られている。
【0003】
このコネクタは、複数の椎骨にねじ込まれるスクリュー部材とロッドとを、離間した位置で連結させるものである。このコネクタは、ロッドが挿入されるロッド用穴を有するロッド挿入部と、このロッド挿入部からロッドの側方に延びて、スクリュー部材が挿入されるスクリュー部材用穴を有するスクリュー部材挿入部とにより形成されている。そして、複数の椎骨にねじ込まれるスクリュー部材をスクリュー部材挿入部に挿入して固定し、ロッドをロッド挿入部に挿入して固定することで、スクリュー部材とロッドとを離間する位置で連結させている。
【非特許文献1】株式会社ロバート・リード商会(ROBERT REID INC.)が発行しているパンフレット「ISOLA スパイナル システム(The ISOLA Spinal System)」DS002P01 200503
【非特許文献2】株式会社ロバート・リード商会(ROBERT REID INC.)が発行しているパンフレット「Monarch SPINE SYSTEM」DS026P01 200505
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、椎骨連結部材は、様々な人間に適用されるため、例えば、子供と大人のように体格の違いや筋力の違いがあると、椎骨連結部材に用いるロッドの径を変える必要がある。
【0005】
しかしながら、従来のコネクタでは、各ロッドの径に対応した多種類のコネクタを用意しておかなければならないため、コストが高くなるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、複数の径のロッドに対応可能で、コストを低減できるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るコネクタは、ロッドを介して複数の椎骨を連結する椎骨連結部材のコネクタであって、ロッドが挿入されるロッド用穴と、ロッド用穴に挿入されたロッドを固定する固定部材がねじ込まれる固定部材用穴と、椎骨にねじ込まれるスクリュー部材が挿入されるスクリュー部材用穴とが形成され、ロッドと椎骨にねじ込まれるスクリュー部材を連結するコネクタ本体と、ロッド用穴に当接される凸状湾曲面と、ロッドに当接される凹状湾曲面とが形成され、ロッド用穴に挿入される径調整部材と、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明に係るコネクタでは、コネクタ本体のロッド用穴に径調整部材が挿入されると、径調整部材の凸状湾曲面がロッド用穴に当接される。そして、ロッド用穴にロッドが挿入されると、径調整部材の凹状湾曲面がロッドに当接される。そして、固定部材がコネクタ本体の固定部材用穴にねじ込まれると、ロッド及び径調整部材がロッド用穴に向けて押圧されるため、ロッドがコネクタに固定される。このように、ロッドは径調整部材を介してコネクタに固定されるため、ロッドの径に対応する凹状湾曲面が形成された径調整部材をロッド用穴に挿入することで、複数の径のロッドを同一形状のコネクタ本体に固定することができる。このように、コネクタ本体は複数の径のロッドに対応することができ、汎用性を持たせることができるため、コネクタのコストを低減することができる。
【0009】
上記凸状湾曲面は、ロッド用穴の一部の形状と適合するように形成され、凹状湾曲面は、ロッドの一部の形状と適合するように形成されることが好ましい。このコネクタでは、径調整部材は、ロッド用穴及びロッドの一部の形状と適合するように形成されているため、固定部材がコネクタ本体にねじ込まれた際に、ロッドががたつくことなくコネクタ本体に固定することができる。
【0010】
また、上記凸状湾曲面は、ロッド用穴の一部の形状と適合するように形成され、凹状湾曲面は、ロッドと2箇所以上の位置で当接される形状に形成されることが好ましい。また、上記凸状湾曲面は、ロッド用穴と2箇所以上の位置で当接される形状に形成され、凹状湾曲面は、ロッドの一部の形状と適合するように形成されるように形成されることが好ましい。また、上記凸状湾曲面は、ロッド用穴と2箇所以上の位置で当接される形状に形成され、凹状湾曲面は、ロッドと2箇所以上の位置で当接される形状に形成されることが好ましい。これらのコネクタでは、固定部材を固定部材用穴にねじ込むと、ロッドは、径調整部材を介して、固定部材及びロッド用穴によって、直接的又は間接的に、3箇所以上の位置で支持される。このため、ロッドをがたつかせることなくコネクタ本体に固定させることができる。
【0011】
上記ロッド用穴は、長径方向が固定部材のねじ込み方向に沿う楕円状に形成されていることが好ましい。このコネクタによれば、ロッド用穴は、ロッド用穴における固定部材がねじ込まれる方向の径が大きくなっているため、径調整部材及びロッドを挿入する際に空間の余裕ができる。このため、径調整部材及びロッド、又は、径調整部材若しくはロッドをロッド用穴に挿入しやすくなる。
【0012】
また、上記径調整部材は、凸状湾曲面から外方に延びる凸部が形成されており、コネクタ本体は、径調整部材がロッド用穴に挿入された際に凸部が適合する凹部が形成されていることが好ましい。このコネクタによれば、径調整部材に形成された凸部がロッド用穴に形成された凹部に嵌め合わされるため、ロッド用穴に挿入された径調整部材の位置決めを容易に行うことができる。
【0013】
また、上記凹部は、ロッド用穴の長さ方向両端部に形成されており、凸部は、径調整部材がロッド用穴に挿入された際に、凹部に対応する位置に形成されていることが好ましい。このコネクタによれば、径調整部材がロッド用穴に挿入されると、径調整部材の凸部は、ロッド用穴を挟み込むように凹部に嵌め合わされるため、径調整部材がロッド用穴部から脱落するのを抑制することができる。
【0014】
また、上記径調整部材は、ロッド用穴の長さと略同じ長さに形成されていることが好ましい。このコネクタによれば、ロッド用穴に挿入された径調整部材がロッド用穴から外方に突出しなくなり、コネクタの外形の凹凸を最小限に抑えることができる。このため、椎骨の周囲組織に与える負担を低減することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、複数の径のロッドに対応可能で、コストを低減できる椎骨連結部材のコネクタを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0017】
図1は、本発明に係る実施形態のコネクタを用いた椎骨連結部材を3個連結した状態を示した斜視図であり、図2は、椎骨連結部材の正面図である。
【0018】
図1及び図2に示すように、本実施形態のコネクタ1は、複数の椎骨を連結固定する椎骨連結部材2において、椎骨にねじ込まれるスクリュー部材5とロッド6とを連結するものである。そして、コネクタ1は、コネクタ本体3と径調整部材4とを備えている。
【0019】
ロッド6は、円柱状に形成されており、複数の椎骨連結部材2を連結できる長さに形成されている。なお、ロッド6は、チタンなどの耐蝕性を有する素材により形成されており、陽極酸化処理が施されて表面全体に被膜が形成されている。
【0020】
スクリュー部材5は、椎骨にねじ込まれるものである。図1、図2及び図3に示すように、スクリュー部材5は、棒状に形成されており、このスクリュー部材5の一端には、椎骨にねじ込まれる第1の雄ねじ部7が形成されており、このスクリュー部材5の他端には、ナット8が螺合される第2の雄ねじ部9が形成されている。そして、第1の雄ねじ部7と第2の雄ねじ部9との間には、他の部分より径が太い係止部10が形成されている。この係止部10の上端面(図3において上端面)8aは、平面状に形成されている。なお、スクリュー部材5は、チタンなどの耐蝕性を有する素材により形成されており、陽極酸化処理が施されて表面全体に被膜が形成されている。
【0021】
コネクタ本体3は、図1に示すように、スクリュー部材5とロッド6とを連結するためのものである。図1、図2及び図4に示すように、コネクタ本体3は、ロッド6を固定するためのロッド固定部11と、スクリュー部材5を固定するためのスクリュー部材固定部12とにより構成されている。なお、コネクタ本体3は、チタンなどの耐蝕性を有する素材により形成されており、陽極酸化処理が施されて表面全体に被膜が形成されている。
【0022】
スクリュー部材固定部12は、ロッド固定部11の側面下部から側方に向けて細長く延びるように形成されている。スクリュー部材固定部12には、スクリュー部材固定部上面12a(図4(a)において上面)からスクリュー部材固定部下面12b(図4(a)において下面)までスクリュー部材固定部12を貫通して、スクリュー部材5の第2の雄ねじ部9が挿入されるスクリュー部材用穴13が形成されている。スクリュー部材用穴13は、挿入されたスクリュー部材5からロッド固定部11までの距離を調整することができるように、ロッド固定部11に沿って長細く形成されている。このスクリュー部材用穴13の幅W(図4(d)参照)は、第2の雄ねじ部9の直径よりも広く、係止部10の直径よりも狭くなるように形成されている。
【0023】
ロッド固定部11には、ロッド固定部前面11a(図4(b)において下面)からロッド固定部後面(図4(b)において上面)までロッド固定部11を貫通して、ロッド6及び径調整部材4が挿入されるロッド用穴14と、前記ロッド用穴14と直交するようにロッド固定部上面11c(図4(a)において上面)からロッド用穴14までのロッド固定部11を貫通して、ロッド用穴14に挿入されたロッド6を固定する固定部材15がねじ込まれる固定部材用穴16とが形成されている。なお、固定部材15が固定部材用穴16にねじ込まれる方向をねじ込み方向S(図2及び図4(a)の矢印S)という。
【0024】
ロッド用穴14は、長径方向が固定部材15のねじ込み方向Sに沿う楕円状に形成されている。そして、ねじ込み方向Sに直交する方向の径は、適用したいロッド6の最大径と同じ、又は、適用したいロッド6の最大径よりも大きな径となっている。
【0025】
そして、ロッド固定部11のロッド固定部前面11aには、ロッド用穴14のねじ込み方向S中央部両側に、ロッド用穴14からねじ込み方向Sに直交する方向、且つ、ロッド固定部前面11aからロッド固定部後面11bに向けて窪んだ凹部17a,17bがそれぞれ形成されている。また、ロッド固定部11のロッド固定部後面11bには、ロッド用穴14のねじ込み方向S中央部両側に、ロッド用穴14からねじ込み方向Sに直交する方向、且つ、ロッド固定部後面11bからロッド固定部前面11aに向けて窪んだ凹部17c,17dがそれぞれ形成されている。
【0026】
固定部材用穴16は、固定部材15がねじ込まれる雌ねじ部18が形成されている。固定部材用穴16の径は、ロッド用穴14の径よりも大きく形成されている。なお、本実施形態では、固定部材用穴16の径をロッド用穴14の径よりも大きくしているが、ロッド用穴14の径と同じであっても良く、ロッド用穴14の径よりも小さくしても良い。
【0027】
固定部材15は、図1及び図2に示すように、コネクタ本体3の固定部材用穴16にねじ込まれて、ロッド6をコネクタ1に固定するためのものである。図5に示すように、固定部材15は、円柱状に形成されている。固定部材15の側面には、ロッド用穴14の雌ねじ部18に適合する雄ねじ部19が形成されている。固定部材15の上下面(図5(b)において上下面)は、平面状に形成されており、固定部材15の上面には、トルクス(星形)レンチが挿入される星型凹部20が形成されている。なお、固定部材15は、チタンなどの耐蝕性を有する素材により形成されており、陽極酸化処理が施されて表面全体に被膜が形成されている。
【0028】
径調整部材4は、図1及び図2に示すように、ロッド6とロッド用穴14との間に介挿されて、ロッド用穴14の形状(又は径)に対するロッド6の形状(又は径)を調整するためのものである。図6に示すように、径調整部材4は、ハーフパイプ状に形成されている。径調整部材4の長さL(図6(b)参照)は、ロッド用穴14の長さと略同じ長さに形成されている。そして、径調整部材4の外周面には、ロッド用穴14の内壁面のうちねじ込み方向S前側半分の形状に適合する凸状湾曲面21が形成されている。径調整部材4の内周面には、ロッド6の外周面のうち半円状部分の形状に適合する凹状湾曲面22が形成されている。
【0029】
また、径調整部材4には、径調整部材4がロッド用穴14に挿入されたときに、コネクタ本体3の凹部17a〜17d(図4参照)に対応する位置であって、径調整部材前面側4a(図6(b)において左側)及び径調整部材後面側4b(図6(b)において右側)の円弧方向において両端部に、それぞれ凸状湾曲面21から外方に延びる凸部23a〜23dが形成されている。この凸部23a〜23dは、径調整部材4がロッド用穴14に挿入された際に、ロッド固定部11の凹部17a〜17dの形状と適合する形状に形成されている。なお、径調整部材4は、チタンなどの耐蝕性を有する素材により形成されており、陽極酸化処理が施されて表面全体に被膜が形成されている。また、径調整部材4は、所定の弾性性能を有しており、図7に示すように、弾性変形により凸部23a〜23dが径調整部材4の中心側に撓むことができるようになっている。
【0030】
次に、本実施形態に係るコネクタ1を用いて、椎骨にねじ込まれたスクリュー部材5とロッド6とを連結する方法について説明する。
【0031】
まず、使用するロッド6の径に適合する凹状湾曲面22が形成された径調整部材4を用意する。そして、図7に示すように、凸部23a〜23dを径調整部材4の中心側に撓むように径調整部材4を弾性変形させて、コネクタ本体3のロッド用穴14に挿入する。径調整部材4がロッド用穴14に完全に挿入されると、径調整部材4を元の状態に復元させて、径調整部材4の凸部23a〜23dをコネクタ本体3の凹部17a〜17dに夫々嵌め合わせる。これにより、コネクタ本体3と径調整部材4とが一体となって、コネクタ1が組みあがる。
【0032】
その後、椎骨にねじ込まれたスクリュー部材5の第2の雄ねじ部9をスクリュー部材用穴13に挿入させて、スクリュー部材固定部下面12bを係止部10に当接させる。そして、コネクタ1のロッド用穴14の方向と、他の椎骨にねじ込まれたスクリュー部材5を固定するコネクタ1のロッド用穴14の方向とが一致するように、スクリュー部材5に対するコネクタ1の位置を調整する。スクリュー部材5に対するコネクタ本体3の位置が定まると、スクリュー部材5をこの位置で保持して、ワッシャー24を介挿させてナット8を第2の雄ねじ部にねじ込む。そして、係止部10とナット8とでスクリュー部材固定部12を挟み込み、コネクタ1をスクリュー部材5に固定する。
【0033】
その後、ロッド6をロッド用穴14に挿入して、径調整部材4の凹状湾曲面22に当接させる。そして、ロッド6を動かして、コネクタ1に対するロッド6の位置を調整する。コネクタ1に対するロッド6の位置が定まると、ロッド6をこの位置で保持して、固定部材15を固定部材用穴16にねじ込む。固定部材15を固定部材用穴16にねじ込んでいくと、固定部材15はロッド用穴14内でロッド6に当接し、更に固定部材15をねじ込んでいくと、固定部材15はこのロッド6をねじ込み方向Sに向けて押圧する。このとき、ロッド6は径調整部材4の凹状湾曲面22に押し付けられ、径調整部材4はロッド用穴14に押し付けられる。これにより、ロッド6は、径調整部材4を介してロッド用穴14に押し付けられることで、コネクタ1に固定される。
【0034】
このようにして、椎骨にねじ込まれたスクリュー部材5とロッド6とは、コネクタ1により連結される。
【0035】
以上説明したように、本実施形態に係るコネクタ1では、ロッド6の外周面の一部の形状に適合する凹状湾曲面22とロッド用穴14の内壁面の一部の形状に適合する凸状湾曲面21とを備える径調整部材4がコネクタ本体3のロッド用穴14に挿入されており、この径調整部材4が挿入されたロッド用穴14にロッド6を挿入するようにしている。このため、コネクタ本体3よりも小さく加工容易な径調整部材4を異なる径のロッド6に対応して複数種類用意しておけば、異なる径のロッド6を同一形状のコネクタ本体3で固定することができる。このように、コネクタ本体3は、複数の径のロッド6に対応することができ、汎用性を持たせることができるため、コネクタのコストを低減することができる。
【0036】
また、本実施形態に係るコネクタ1によれば、凸状湾曲面21をロッド用穴14の一部の形状と適合するように形成すると共に、凹状湾曲面22をロッド6の一部の形状と適合するように形成しているため、固定部材15をコネクタ本体にねじ込んだ際に、ロッド6をがたつかせることなくコネクタ1に固定することができる。
【0037】
また、本実施形態に係るコネクタ1によれば、ロッド用穴14は、ねじ込み方向Sの径が大きい楕円状に形成されているため、径調整部材4及びロッド6を挿入する際に空間の余裕ができるため、径調整部材4及びロッド6をロッド用穴14に挿入しやすくなる。
【0038】
また、本実施形態に係るコネクタ1では、径調整部材4に形成された凸部23a〜23dがロッド用穴14に形成された凹部17a〜17dに嵌め合わされるため、ロッド用穴14に挿入された径調整部材4の位置決めを容易に行うことができる。
【0039】
また、本実施形態に係るコネクタ1によれば、径調整部材4がロッド用穴14に挿入されると、径調整部材4の凸部23a〜23dは、ロッド用穴14を挟み込むように凹部17a〜17dに嵌め合わされるため、径調整部材4がロッド用穴14から脱落するのを抑制することができる。
【0040】
また、本実施形態に係るコネクタ1によれば、径調整部材4の長さをロッド用穴14の長さと略同じ長さに形成されているため、ロッド用穴14に挿入された径調整部材4がロッド用穴14から殆ど又は全く突出しなくなり、コネクタ1の外形の凹凸を最小限に抑えることができる。このため、コネクタ1を用いた椎骨連結部材2で連結される椎骨の周囲組織に与える負担を低減することができる。
【0041】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、径調整部材4の凸状湾曲面21はロッド用穴14の一部の形状と適合するように形成され、径調整部材4の凹状湾曲面22はロッド6の一部の形状と適合するように形成されるものとして説明したが、必ずしもこの形状に限定されるものではない。例えば、図8(a)に示す径調整部材30aのように、凸状湾曲面31は、ロッド6と接触点a1,a2の2箇所(又は2箇所以上)の位置で当接される形状に形成され、凹状湾曲面32は、ロッド6の一部の形状と適合するように形成されるものであっても良い。また、図8(b)に示す径調整部材30bのように、凸状湾曲面33は、ロッド用穴14の一部の形状と適合するように形成され、凹状湾曲面34は、ロッド6と接触点a3,a4の2箇所(又は2箇所以上)の位置で当接される形状に形成されるものであっても良い。また、図8(c)に示す径調整部材30cのように、凸状湾曲面35は、ロッド用穴14と接触点a5,a6の2箇所(又は2箇所以上)の位置で当接される形状に形成され、凹状湾曲面36は、ロッド6と接触点a7,a8の2箇所(又は2箇所以上)の位置で当接される形状に形成されるものであっても良い。
【0042】
これにより、固定部材15を固定部材用穴16にねじ込むと、ロッド6は、径調整部材4を介して、固定部材15及びロッド用穴14により、直接的又は間接的に3箇所以上の位置で支持される。このため、ロッドをがたつかせることなくコネクタ本体に固定させることができる。この場合、接触点a1と接触点a2と、接触点a3と接触点a4と、接触点a5と接触点a6と、接触点a7と接触点a8とは、それぞれ、ロッド6と固定部材15との接触点を通るねじ込み方向Sの線に対して左右対称の位置であることが好ましい。
【0043】
また、上記実施形態においては、コネクタ本体3に形成される凹部17a〜17dは、ロッド用穴14におけるねじ込み方向S中央部両側にそれぞれ形成され、径調整部材に形成される凸部23a〜23dは、凹部17a〜17dに対応する位置に形成されるように説明したが、凹部や凸部が形成される位置や数は特に限定されるものではなく、また、凹部や凸部の一方又は双方が形成されていなくても良い。例えば、図9に示す径調整部材41のように、一端部に、凸状湾曲面42の下部(図9(a)における下方側の部分)から外方に延びる凸部43aが形成され、他端部に、凸状湾曲面42の側部(図9(a)における手前側の部分)から外方に延びる凸部43bが形成され、図10に示すコネクタ本体44のように、ロッド固定部45に、径調整部材41の凸部43a,43bに対応した位置に凹部46a,46bが形成されるようにしても良い。
【0044】
以上の本発明の説明から、本発明を様々に変形しうることは明らかである。そのような変形は、本発明の思想および範囲から逸脱するものとは認めることはできず、すべての当業者にとって自明である改良は、本願の特許請求の範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る実施形態のコネクタを用いた椎骨連結部材を3個連結した状態を示した斜視図である。
【図2】椎骨連結部材の正面図である。
【図3】スクリュー部材の正面図である。
【図4】(a)コネクタの正面図、(b)コネクタの上面図、(c)コネクタの前方斜視図、(d)コネクタの後方斜視図である。
【図5】(a)固定部材の斜視図、(b)固定部材の正面図、(c)固定部材の上面図である。
【図6】(a)径調整部材の斜視図、(b)径調整部材の上面図である。
【図7】スクリュー部材を撓ませた状態を示した正面図である。
【図8】(a)凸状湾曲面の形状が異なる径調整部材を用いた椎骨連結部材の正面図、(b)凹状湾曲面の形状が異なる径調整部材を用いた椎骨連結部材の正面図、(c)凸状湾曲面及び凹状湾曲面の形状が異なる径調整部材を用いた椎骨連結部材の正面図である。
【図9】(a)凸部の形状が異なる径調整部材の側面図、(b)凸部の形状が異なる径調整部材の前方斜視図、(c)凸部の形状が異なる径調整部材の後方斜視図である。
【図10】(a)凹部の形状が異なるコネクタ本体の正面図、(b)凹部の形状が異なるコネクタ本体の前方斜視図、(c)凹部の形状が異なるコネクタ本体の後方斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1…コネクタ、2…椎骨連結部材、3,44…コネクタ本体、4,30a,30b,30c…径調整部材、5…スクリュー部材、6…ロッド、11,45…ロッド固定部、13…スクリュー部材用穴、14…ロッド用穴、15…固定部材、16…固定部材用穴、17a〜17d,46a,46b…凹部、21,31,33,35,42…凸状湾曲面、22,32,34,36…凹状湾曲面、23a〜23d,43a,43b…凸部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッドを介して複数の椎骨を連結する椎骨連結部材のコネクタであって、
前記ロッドが挿入されるロッド用穴と、前記ロッド用穴に挿入されたロッドを固定する固定部材がねじ込まれる固定部材用穴と、前記椎骨にねじ込まれるスクリュー部材が挿入されるスクリュー部材用穴とが形成され、前記ロッドと前記椎骨にねじ込まれるスクリュー部材を連結するコネクタ本体と、
前記ロッド用穴に当接される凸状湾曲面と、前記ロッドに当接される凹状湾曲面とが形成され、前記ロッド用穴に挿入される径調整部材と、を有することを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記凸状湾曲面は、前記ロッド用穴の一部の形状と適合するように形成され、
前記凹状湾曲面は、前記ロッドの一部の形状と適合するように形成されることを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記凸状湾曲面は、前記ロッド用穴の一部の形状と適合するように形成され、
前記凹状湾曲面は、前記ロッドと2箇所以上の位置で当接される形状に形成されることを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記凸状湾曲面は、前記ロッド用穴と2箇所以上の位置で当接される形状に形成され、
前記凹状湾曲面は、前記ロッドの一部の形状と適合するように形成されるように形成されることを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記凸状湾曲面は、前記ロッド用穴と2箇所以上の位置で当接される形状に形成され、
前記凹状湾曲面は、前記ロッドと2箇所以上の位置で当接される形状に形成されることを特徴とする、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記ロッド用穴は、長径方向が前記固定部材のねじ込み方向に沿う楕円状に形成されていることを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記径調整部材は、前記凸状湾曲面から外方に延びる凸部が形成されており、
前記コネクタ本体は、前記径調整部材が前記ロッド用穴に挿入された際に前記凸部が適合する凹部が形成されていることを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記凹部は、前記ロッド用穴の長さ方向両端部に形成されており、
前記凸部は、前記径調整部材が前記ロッド用穴に挿入された際に、前記凹部に対応する位置に形成されていることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記径調整部材は、前記ロッド用穴の長さと略同じ長さに形成されていることを特徴とする、請求項7に記載のコネクタ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−194306(P2008−194306A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−33967(P2007−33967)
【出願日】平成19年2月14日(2007.2.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.トルクス
【出願人】(599088438)昭和医科工業株式会社 (11)
【Fターム(参考)】