説明

コネクタ

【課題】薬液などの液体の滞留を防止するとともに、薬液の流路で陰圧が生じることを防止するコネクタを提供する。
【解決手段】弁体6が第3通路19に挿入されたときに、第1通路17と第2通路18とを連通する貫通孔29が設けられている。第4通路32を有する挿入管31を第3通路19に挿通して弁体6の端面25aを押圧したときには、弁体6が弾性体24の弾発力に抗じて第3通路19から外れて、弁体6の側壁6aによって第1通路17と第2通路18との連通が絶たれる。この場合、開かれた溝30を介して第2通路18と第4通路32とが連通する。一方、挿入管31を第3通路19から外すと、弁体6が弾性体24により延びて、弁体6が第3通路19に挿入して第3通路19を塞ぐ。この場合、第2通路18と第3通路19との連通が絶たれ、貫通孔29を介して第1通路17と第2通路18とが連通される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を流入する2つの流入部と、液体を流出する1つの流出部と、一方の流入部を選択的に塞いで液体の流入を阻止する弁体とを備えるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薬液などの液体を2つの流入部から流入させ、流入された液体を1つの流出部から流出させるコネクタが医療の分野で用いられている。このコネクタは、2つの流入部から流入される液体を1つの流出部に交互にあるいは同時に供給自在とするように形成されている。
【0003】
この種のコネクタにおいて、液体を流通させる2つの流入部及び1つの流出部と、2つの流入部及び1つの流出部と連通する液体流通空間とを備えるコネクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されているコネクタは、一方の流入部に当接することにより一方の流入部から液体流通空間に流入される液体を阻止するが他方の流入部から流出部への液体の流出を可能とする弁体を有する。
【0004】
この弁体は、筒状に形成され弾性変形する頭部と、この頭部と一体に形成され頭部の軸線方向に弾性変形する変形部とを備える。頭部頂部には連通口を備え、頭部の筒状周壁には開閉可能なスリットが形成され、このスリットが開口すると頭部内部と液体流通空間とが連通し、このスリットが閉口すると頭部と液体流通空間との連通が阻止される。
【0005】
このスリットは、頭部に外力が加えられていない状態では閉口しているが、外力が加えられて頭部が変形すると開口するように構成されている。そのため、雄ルアーコネクタを一方の流入部に挿入すると押圧されて頭部が変形してスリットが開口し、雄ルアーコネクタから流入される液体が頭部連通口を介して弁体内部から液体流通空間を介して流出部に流出する。したがって、雄ルアーコネクタを一方の流入部に挿入したときは、一方の流入部と他方の流入部とから流入される液体が液体流通空間を介して流出部から流出される。
【0006】
一方、雄ルアーコネクタを一方の流入部から外すと変形している頭部は弾性材料の復元力によって元の形状となり、スリットが閉口する。このときは、雄ルアーコネクタによって押されていた頭部が解放され、変形部が頭部の軸線方向に延びて復元するため、頭部の位置は雄ルアーコネクタを弁体に向かって挿入する前の位置に戻る。そして、雄ルアーコネクタを一方の流入部から外したときは、他方の流入部から流入される液体が液体流通空間を介して流出部から流出される。
【0007】
以上より、雄ルアーコネクタを一方の流入部から外したときは他方の流入部から液体が流入されて流出部に流出され、雄ルアーコネクタを一方の流入部に挿入するときは一方の流入部及び他方の流入部から液体が流入されて流出部に流出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第4378187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載のコネクタは、頭部頂部に連通口を備えると共に、頭部の筒状週壁に開閉可能なスリットが形成されているため、複雑な装置構成を有するという不都合がある。
【0010】
本発明は、上記の不都合を解決するため、簡易な構成で2つの流入部の一方から流入される液体を1つの流出部に供給することのできるコネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、有底筒状に形成され空洞部を有すると共に、該空洞部に弁体を収納する基部と、前記空洞部と連通する第1通路を有し前記基部から延出する第1主流管と、前記空洞部と連通する第2通路を有し前記基部から延出する第2主流管と、前記空洞部と連通する第3通路を有し前記基部から延出する支流管とからなるコネクタであって、前記第1主流管と前記第2主流管とは前記基部の軸方向に段違いに形成されると共に前記支流管は前記基部の軸方向に形成され、前記弁体は前記支流管の軸方向に伸縮可能な弾性体を備え前記第3通路に挿入されて閉塞自在に設けられ、前記弁体の前記支流管に臨む端面には強制的に閉じることが可能な常開の溝が形成され、前記弁体が前記第3通路に挿入されたとき前記第1通路と前記第2通路とを連通する連通部が設けられ、前記空洞部と連通可能な第4通路を有する挿入管を前記第3通路に挿通して前記弁体の端面を押圧したときに、前記弁体が前記弾性体の弾発力に抗じて前記第3通路から外れると共に、前記弁体の側壁によって前記第1通路と前記第2通路との連通が絶たれる一方、前記溝が開かれて、前記溝を介して前記第2通路と前記第4通路とが連通し、前記挿入管を前記第3通路から外すと、前記弁体が前記弾性体により延びて、前記弁体が前記第3通路に挿入して第3通路を塞ぐと共に、前記連通部を介して前記第1通路と前記第2通路とが連通される一方、前記弁体が前記第3通路に挿入されたときには前記溝は閉じられることを特徴とする。
【0012】
本発明のコネクタでは、第4通路を有する挿入管を第3通路に挿通して弁体の端面を押圧することによって、弁体が弾性体の弾発力に抗じて第3通路から外れ、弁体の支流管に臨む端面に形成された溝が開く。そのため、開いた溝を介して第2通路と第4通路とが連通し、同時に弁体の側壁により連通部を介した第1通路と第2通路との連通が絶たれる。
【0013】
また、この挿入管を第3通路から外すと、弁体が弾性体により延びて、弁体が第3通路に挿入して第3通路を塞ぐ。その場合、連通部を介して第1通路と第2通路とが連通される。
【0014】
したがって、本発明のコネクタでは、挿入管を第3通路に挿通するか否かによって流体の流路を切り替えることができる。
【0015】
また、弁体を第3通路に挿入されたときは、弁体の端面に形成された溝が閉じられるため、弁体の端面を酒精綿等で容易に消毒することができる。
【0016】
また、本発明の実施形態として、前記弁体が前記第3通路に挿入されたときに前記弁体の端面が前記支流管の先端面に対して臨むことが好ましい。これによれば、挿入管を第3通路から外すときに、弁体の端面が支流管の先端面に対して臨むため、第3通路への液体の残留を防止することができる。
【0017】
さらに、本発明の実施形態として、前記弁体が前記第3通路に挿入して前記第3通路を塞ぐときに、前記第1通路と前記第2通路とが前記弁体により覆われることが好ましい。
【0018】
これによれば、弁体が第3通路に挿入するときに、第1通路と第2通路とが弁体によって覆われるため、第1通路及び第2通路と空洞部との液体の流通を塞ぐことができる。そのため、第2通路から流出された液体が空洞部に逆流することを防止することができる。
【0019】
また、前記連通部は前記弁体を貫通する貫通孔であり、若しくは前記弁体の外周側に設けた外周溝であってもよい。これらによれば、弁体に貫通孔を形成し、又は弁体の外周側に溝を形成する簡単な構成によって、弁体が第3通路に挿入されて第3通路を塞いだときに、第1通路と第2通路との間に液体を流通させることが可能になる。
【0020】
また、前記連通部は前記空洞部を形成する側壁と前記弁体との間に形成された空間部であってもよい。これによれば、空洞部を形成する側壁と弁体との間の空間部を形成する簡易な構成によって、弁体が第3通路に挿入されて第3通路を塞いだときに、第1通路と第2通路との間に液体を流通させることが可能になる。
【0021】
また、前記弾性体は前記弁体と一体に形成されると共にその内部を空洞に形成した伸縮空洞部を有し、該伸縮空洞部は蛇腹状に形成されていることが好ましい。これによれば、この伸縮空洞部が容易に伸縮し、弁体の支流管の軸方向への伸縮が容易となる。
【0022】
そして、前記基部は、筒状に形成され前記空洞部を有する筒状体と蓋部とからなり、前記弁体を前記基部の筒状体に前記頭部を前記第3通路に向かって挿入し、前記弁体の弾性体を前記蓋部で支持して閉蓋自在の構成にしてもよい。これによれば、前記基部に弁体を挿入し蓋部で閉じることで弁体を装着できる。したがって、流体の流路を切り替えるコネクタを容易に組み立てることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1の実施形態のコネクタを示す上面図。
【図2】第1の実施形態の弁体を示す斜視図。
【図3】図1に示される第1の実施形態のコネクタの断面図。
【図4】挿入管を挿入した第1の実施形態のコネクタの断面図。
【図5】第2の実施形態のコネクタの断面図。
【図6】挿入管を挿入した第2の実施形態のコネクタの断面図。
【図7】第3の実施形態のコネクタの断面図。
【図8】挿入管を挿入した第3の実施形態のコネクタの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
「第1の実施形態」
本発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、第1実施形態の構成について、図1〜図3を用いて説明する。
【0025】
第1実施形態のコネクタ1は、有底円筒状に形成された基部2と、基部2から延出する第1主流管3と第2主流管4と支流管5と、支流管5を選択的に塞ぐことのできる弁体6とを備えている。基部2と第1主流管3と第2主流管4と支流管5とは一体に形成されている。
【0026】
基部2は、筒状に形成された筒状体7と、この筒状体7に取り付けられる蓋部8と、この筒状体7によって囲まれた空洞部9とからなる。筒状体7の側壁10の外周側には、段部11が筒状体7と一体に形成されている。また、蓋部8は、底面12とこの底面の周に対して立設されて一体に形成された側壁13とからなる。底面12の中心には、凸状となる凸状部14が底面12と一体に形成されている。
【0027】
また、蓋部8の側壁13の内周側には爪部15が一体に形成され、この爪部15が段部11に対して嵌合することで蓋部8が筒状体7に取り付けられている。爪部15と段部11との嵌合は取り外すことができる構成になっており、これにより筒状体7に対して蓋部8を閉蓋自在の構成にすることができる。蓋部8と筒状体7との取り付けでは、蓋部8の底面12と筒状体7とが密着する。
【0028】
基部2の軸16に直交する方向には、筒状に形成された第1主流管3と第2主流管4が互いに180゜離間して延出されている。第1主流管3は第1通路17を有し、第2主流管4は第2通路18を有する。第1主流管3の第1通路17と第2主流管4の第2通路18とは、基部2の空洞部9と連通するように形成されている。また、第1主流管3と第2主流管4は、基部2の軸16の方向に段違いに形成され、第2主流管4が第1主流管3よりも支流管5に近い位置に形成されている。
【0029】
また、基部2の軸16の方向であって図3に示す基部2の上側には、筒状に形成された支流管5が第1主流管3及び第2主流管4に対して90゜離間して基部2から延出されている。
【0030】
第3通路19は支流管5の軸20に沿う方向の断面が階段状になるように形成され、円筒状に形成された大径通路21と、この大径通路21の径よりも小さな径からなる円筒状の小径通路22とを有する。また、小径通路22の図3に示す上側には、上側で径が大きくなるようにテーパー上に形成された開口部23が形成されている。大径通路21は筒状体7と連通し、小径通路22は大径通路21及び開口部23と連通している。
【0031】
弁体6は柱状に形成されており、基部2の空洞部9に収納されている。弁体6は、支流管5の軸20の方向に伸縮可能な弾性体24と第3通路19に挿入される頭部25からなり、頭部25と弾性体24とはシリコンゴム等の弾性部材によって一体に形成されている。弾性体24は、蛇腹状に形成された伸縮空洞部26と、円筒状に形成された円筒部27とからなり、伸縮空洞部26と円筒部27の内部は連通した空洞に形成されて空間部28を形成している。伸縮空洞部26と円筒部27とは一体に形成されている。また、この円筒部27には、第1通路17と第2通路18とを連通する貫通孔29が形成されている。この貫通孔29は、基部2の軸16に対して傾斜するように形成されている。この貫通孔29が、第1通路17と第2通路18とを連通する連通部に相当する。弁体6は、伸縮空洞部26に凸状部14を挿入することにより、蓋部8に支持されている。
【0032】
弁体6の頭部25は、第3通路19の大径通路21及び小径通路22に挿入されて密着するように構成され、弁体6の頭部25の挿入によって第3通路19は塞がれる。その場合、弁体6の端面25aは支流管5の先端面24aに対して臨む。また、弁体6の支流管5に臨む頭部25の端面25aにはV字状の溝30が形成されている。この溝30は常開に形成されているが、弾性部材である頭部25に外力を加えて変形させることによって、この溝30を強制的に閉じることができる。
【0033】
次に、図3、図4を用いて、本実施形態のコネクタ1の作動について説明する。図3には、第3通路19に挿入管31を挿入していない状態のコネクタ1が示されている。挿入管31が第3通路19に挿入されていないときは、弁体6が第3通路19に挿入されて第3通路19を塞いでいる。そのため、図示しない第1チューブを第1主流管3に装着し、図示しない第2チューブを第2主流管4に装着して、第1チューブから薬液などの液体を流入すると、この液体は、連通された第1主流管3と貫通孔29と第2主流管4とを介して図示しない第2チューブに流出される。このとき、溝30は閉じられている。
【0034】
次に、図4に示すように、第4通路32を有する挿入管31を第3通路19に挿通すると、挿入管31が弁体6の頭部25の端面25aに当接されて、この端面25aを押圧する。このとき、伸縮空洞部26の弾発力に抗じて伸縮空洞部26が大きく収縮し、頭部25が第3通路19から外れて、弁体6が底面12側に移動する。その場合、頭部25が第3通路19の大径通路21及び小径通路22から解放されて溝30が開くため、溝30を介して第4通路32と第2通路18とが連通する。したがって、空洞部9を介して挿入管31から第2通路18に液体を流出させることが可能となる。
【0035】
また、弁体6の頭部25及び円筒部27が底面12側に移動するため、円筒部27に形成された貫通孔も底面12側に移動する。そのため、弁体6の側壁6aによって第1通路17が覆われることで第1通路17と貫通孔29との連通が絶たれ、第1通路17から空洞部9への液体の流入が阻止され、第1通路17と第2通路18との連通が絶たれる。
【0036】
次に、第3通路19に挿入された挿入管31を外すと、図3に示すように弁体6は伸縮空洞部26により延びて、弁体6が復元し、弁体6の頭部25が支流管5の第3通路19に挿入される。このとき、第3通路19と頭部25との密着によって頭部25が押圧されるため、頭部25の端面25aに形成された溝30は閉じられ、第3通路19が塞がれる。
【0037】
また、弁体6が復元すると、弁体6が伸縮空洞部26により延びて、円筒部27は挿入管31の挿入前の位置と同じ位置に戻る。そのため、弁体6の円筒部27によって、第1通路17と第2通路18とが覆われると共に、第1通路17と第2通路18とが貫通孔29を介して連通する。
【0038】
以上のように、第1の実施形態のコネクタ1によれば、弁体6を第3通路19に挿入したときは弁体6の端面25aに形成された溝30が閉じられるため、弁体6の端面25aを酒精綿等で容易に消毒することができる。
【0039】
また、弁体6が第3通路19に挿入されたときに弁体6の端面25aが支流管5の先端面24aに対して臨む。そのため、挿入管31を第3通路19から外す場合に、挿入管31から流入されている液体が第3通路19に残留することを防止することができる。
【0040】
さらに、弁体6が第3通路19に挿入するときに、第1通路17と第2通路18とが弁体6によって覆われるため、第1通路17及び第2通路18と空洞部9との液体の流通を塞ぐことができる。そのため、第2通路18から流出された液体が空洞部9に逆流することを防止することができる。
【0041】
さらに、伸縮空洞部26が容易に伸縮し、弁体6の支流管5の軸20方向への伸縮が容易となるため、挿入管31を第3通路19に対して容易に挿入させることができると共に、挿入管31を第3通路19から外す場合に弁体6を容易に第3通路19に挿入して第3通路19を塞ぐことができる。
【0042】
また、蓋部8の底面12に弾性体24を取り付けた状態で、筒状体7に蓋部8を嵌合させて、筒状体7と蓋部8の底面12とを密着させることができる。したがって、2方向への流体の流通と、3方向への流体の流通とを切り替えるコネクタ1を容易に組み立てることが可能となる。
【0043】
また、挿入管31を支流管5に挿通するか否かによって、流体の流路を切り替えることができる。その場合、三方活栓ようにコック操作をすることなく、流体の流路を切り替えることができる。
【0044】
そして、第1の実施形態のコネクタ1では、第3通路19に弁体6を挿入することで、挿通自在とする簡易な構成で、流体の流路を切り替えることができる。
【0045】
「第2の実施形態」
次に、第2の実施形態について、図5、図6を用いて説明する。図1〜図3と同一の構成及び図3、図4と同一の動作については、同一の記号を付して説明を省略する。
【0046】
弁体6の円筒部27の外周側には溝が周状に設けられて外周溝33を形成している。この外周溝33は、基部2の軸16に対して傾斜するように形成されている。また、この外周溝33は、弁体6が第3通路19に挿入されたときに第1通路17と第2通路18とを連通するように形成されている。この外周溝33が、第1通路17と第2通路18とを連通する連通部に相当する。
【0047】
「第3の実施形態」
次に、第3の実施形態について、図7、図8を用いて説明する。図1〜図3と同一の構成及び図3、図4と同一の動作については、同一の記号を付して説明を省略する。
【0048】
第3の実施形態における弁体6の弾性体24は伸縮空洞部26からなる。空洞部9を形成する側壁34と弁体6の伸縮空洞部26との間には空間部35が設けられている。この空間部35は弁体の伸縮空洞部26を囲むように設けられ、弁体6の頭部25が第3通路19に挿入されているときには、空間部35は第1通路17及び第2通路18と連通している。この空間部35が、第1通路17と第2通路18とを連通する連通部に相当する。
【0049】
以上、第1〜第3の実施形態で説明したように、この発明に係るコネクタ1によれば、簡易な構成で2つの流入部のうちの一方から流入される液体を1つの流出部に供給することができる。
【符号の説明】
【0050】
1…コネクタ、2…基部、3…第1主流管、4…第2主流管、5…支流管、6…弁体、9…空洞部、17…第1通路、18…第2通路、19…第3通路、24…弾性体、25a…端面、30…溝、31…挿入管、32…第4通路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状に形成され空洞部を有すると共に、該空洞部に弁体を収納する基部と、
前記空洞部と連通する第1通路を有し前記基部から延出する第1主流管と、
前記空洞部と連通する第2通路を有し前記基部から延出する第2主流管と、
前記空洞部と連通する第3通路を有し前記基部から延出する支流管とからなるコネクタであって、
前記第1主流管と前記第2主流管とは前記基部の軸方向に段違いに形成されると共に前記支流管は前記基部の軸方向に形成され、
前記弁体は前記支流管の軸方向に伸縮可能な弾性体を備え前記第3通路に挿入されて閉塞自在に設けられ、
前記弁体の前記支流管に臨む端面には強制的に閉じることが可能な常開の溝が形成され、
前記弁体が前記第3通路に挿入されたとき前記第1通路と前記第2通路とを連通する連通部が設けられ、
前記空洞部と連通可能な第4通路を有する挿入管を前記第3通路に挿通して前記弁体の端面を押圧したときに、前記弁体が前記弾性体の弾発力に抗じて前記第3通路から外れると共に、前記弁体の側壁によって前記第1通路と前記第2通路との連通が絶たれる一方、前記溝が開かれて、前記溝を介して前記第2通路と前記第4通路とが連通し、
前記挿入管を前記第3通路から外すと、前記弁体が前記弾性体により延びて、前記弁体が前記第3通路に挿入して第3通路を塞ぐと共に、前記連通部を介して前記第1通路と前記第2通路とが連通される一方、前記弁体が前記第3通路に挿入されたときには前記溝は閉じられることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
請求項1記載のコネクタにおいて、
前記弁体が前記第3通路に挿入されたときに前記弁体の端面が前記支流管の先端面に対して臨むことを特徴とするコネクタ。
【請求項3】
請求項1又は2記載のコネクタにおいて、
前記弁体が前記第3通路に挿入して前記第3通路を塞ぐときに、前記第1通路と前記第2通路とが前記弁体により覆われることを特徴とするコネクタ。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
前記連通部は前記弁体を貫通する貫通孔であることを特徴とするコネクタ。
【請求項5】
請求項1から請求項3のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
前記連通部は前記弁体の外周側に設けた外周溝であることを特徴とするコネクタ。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
前記連通部は前記空洞部を形成する側壁と前記弁体との間に形成された空間部であることを特徴とするコネクタ。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
前記弾性体は前記弁体と一体に形成されると共にその内部を空洞に形成した伸縮空洞部を有し、
該伸縮空洞部は蛇腹状に形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれか1項記載のコネクタにおいて、
前記基部は、筒状に形成され前記空洞部を有する筒状体と蓋部とからなり、
前記弁体を前記基部の筒状体に前記頭部を前記第3通路に向かって挿入し、
前記弁体の弾性体を前記蓋部で支持して閉蓋自在の構成にすることを特徴とするコネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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