説明

コネクティングロッド部品の製造装置及び製造方法

【課題】コネクティングロッドワークをコネクティングロッド本体及びコネクティングロッドキャップに破断分割するときに生じる変形や欠けを簡易に防止することができるコネクティングロッド部品の製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】コネクティングロッドワーク(10)の大端部(11)の大端孔(11A)に挿入される内側治具(20)と、前記大端部(11)の側面に設けられる凹部(11a)に嵌まり込む凸部(30a)を有し、前記大端部(11)の両側面に当接される外側治具(30)と、前記内側治具(20)もしくは外側治具(30)の少なくとも一方に、前記大端部(11)を拡張してコネクティングロッドワーク(10)をコネクティングロッド部品であるコネクティングロッド本体(101)及びコネクティングロッドキャップ(102)に破断分割する拡張力を付与する駆動手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクティングロッド部品の製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コネクティングロッドワークの大端孔に内側治具を挿入して拡張することで大端孔の孔縁から亀裂を発生させて、コネクティングロッドワークを破断分割させてコネクティングロッド本体(以下適宜「本体」と称す)とコネクティングロッドキャップ(以下適宜「キャップ」と称す)とを製造する方法がある。そして破断分割したときにキャップが飛散してしまうのを防止するために、キャップ肩部にはキャップサポートと呼ばれる支持構造が配置されている。このような破断分割は、内側治具の拡張によって大端部が変形したり、破断面に微小な欠けが生じてしまうことがある。変形や欠けが生じては、後行程での本体とキャップとの組み付け性が悪くなる。そこで対策としてキャップサポートのキャップ肩部に対する押圧力を調整して変形や欠けを防止したり、特許文献1では欠けの少ない破断面にするために亀裂を誘導する切欠きを大端孔に設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−106271号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前述したコネクティングロッド部品の製造方法は、キャップサポートの押圧力を適切に調整する必要がある。そしてその調整は、コネクティングロッドワークの素材や加工精度といった様々な要因を含むので微妙で難しいという問題点があった。
【0005】
またキャップサポートが押圧する方向は、拡張方向とは逆向きである。この構成により、キャップサポートの押圧力が弱い場合には、大端部が自由変形に近い状態となり、内側が拡張による引張状態に、外側が圧縮状態になる。そして大端孔が楕円変形し、大端部の側面が弓なり変形してしまう。逆にキャップサポートの押圧力が強い場合には、大端部が内側から外側まで強い引張状態になり、切欠きから亀裂を進展させて破断分割させる破断予定面以外の箇所においても亀裂が発生する。そしてそれらの亀裂が重なり合うと欠けが生じてしまう。このようにキャップサポートの押圧力は、弱いと変形が生じ強いと欠けが生じるので上下限ともに存在し、不具合が発生する可能性が高い。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたものであり、コネクティングロッドワークを破断分割するときに生じる変形や欠けを簡易に防止することができるコネクティングロッド部品の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下のような解決手段によって前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために本発明の実施形態に対応する符号を付するが、これに限定されるものではない。
【0008】
本発明は、コネクティングロッドワーク(10)の大端部(11)の大端孔(11A)に挿入される内側治具(20)と、前記大端部(11)の側面に設けられる凹部(11a)に嵌まり込む凸部(30a)を有し、前記大端部(11)の両側面に当接される外側治具(30)と、前記内側治具(20)もしくは外側治具(30)の少なくとも一方に、前記大端部(11)を拡張してコネクティングロッドワーク(10)をコネクティングロッド部品であるコネクティングロッド本体(101)及びコネクティングロッドキャップ(102)に破断分割する拡張力を付与する駆動手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、内側治具が拡張しても外側治具が大端部の両側面に当接するので、大端部の変形、特に大端部側面の弓なり変形を防止することができる。また外側治具の凸部が大端部の凹部に嵌め込まれるので、大端部は並進方向を外側治具によって拘束される。よって大端部の内側を亀裂の起点として他方の拘束される外側に向かって亀裂が進展するので、欠けの発生が抑制された破断面にすることができる。さらにコネクティングロッドの素材や加工精度に依存する必要がないので品質管理の追加コストを削減でき材料コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態の構成図である。
【図2】本発明の大端部の外周に設けられる凹部の形状を示す図である。
【図3】本発明の第2実施形態の構成図である。
【図4】本発明の第3実施形態の構成図である。
【図5】本発明の第4実施形態の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では図面等を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
【0012】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の構成図であり、図1(A)は要部拡大正面図、図1(B)は図1(A)のB−B断面図である。
【0013】
コネクティングロッド部品の製造装置1はコネクティングロッドワーク10を破断分割することで、コネクティングロッド部品であるコネクティングロッド本体101とコネクティングロッドキャップ102とを製造する装置である。コネクティングロッド部品の製造装置1は、内側治具20と、外側治具30と、キャップサポート40と、を備える。
【0014】
コネクティングロッドワーク10の大端部11は、大端孔11Aに内側治具20が挿入され、外側面の両側に外側治具30が当接される。大端部11は、ワーク10の軸線と直交し、大端孔11Aの中心を通る面を破断予定面とする。大端部11には予め、大端孔11Aの内周縁の破断予定面上に破断の起点となるノッチ部11bを、また外側面の破断予定面上に凹部11aを、設ける。ここではノッチ部11bをV字形とし先端が破断予定面上になるように設ける。また凹部11aは大端部11の側面に開口して最深部が破断予定面上になるように設ける。
【0015】
ここで図2を参照して凹部11aについて説明する。図2(A)は本実施形態における凹部11aの形状である。凹部11aは、断面形状が半楕円状で大端部11の外側面を大端孔11Aの軸方向に貫通する。図2(B)は他の凹部11aの形状の一案である。凹部11aは、大端部11の側面の辺を軸に半楕円状の断面でくり抜き、2ヶ所設ける。凹部11aの形状は、破断予定面上に最深部が位置し、最深部以外の表面には角がなく滑らかであればよい。
【0016】
再び図1に戻る。内側治具20は、マンドレル21と、楔22と、ベース23とを含む。
【0017】
マンドレル21は、半割状の2部材21a,21bからなる。マンドレル21は中心に大端孔11Aの軸方向から楔22が挿し込まれる。そして図1(B)に示すようにベース23は、2部材23a,23bに分かれている。そしてマンドレル21a,21bは楔22を挿し込む側と反対側がそれぞれベース23a,23bに固定される。楔22は、根元が厚く、先端に向かって徐々に薄くなる。楔22の根元には楔22をマンドレル21に挿し込む力(大端部11を拡張する力)を楔22に付与する例えばアクチュエータのような駆動装置が設けられる。そして楔22の先端がマンドレル21の中心に挿し込まれ、マンドレル21とベース23とはワーク10が本体101とキャップ102とに分割される方向に平行にスライドする。
【0018】
図1(A)に示すように外側治具30は、大端部11の外側面の両側に設けられる。外側治具30は、破断予定面を境に上下方向に2部材31,32に分割される。外側治具30を構成する部材31,32は、それぞれ破断予定面の内側(大端部11側)に凸部31a,32aが設けられる。そして凸部31a,32bが破断予定面を合わせ面として凸部30aを形成する。凸部30aは破断予定面上に最深部がくるように設けられ、前述した大端部11の凹部11aと嵌り合う。凸部30aは外側治具30の拡張によって破断しない程度の強度を確保可能な大きさである。
【0019】
外側治具30は、大端部11の側面に設けられる凹部11aに凸部30aを嵌め込んで大端部11に当接する。図示を省略するが外側治具30の上下部材31,32はそれぞれベース23a,23bと同じ方向へ連動して動く。外側治具30の拡張力は内側治具20ほどではなく、大端部11の凹部11aに応力集中が見られる程度である。
【0020】
キャップサポート40は、一対のアクチュエータで構成され、大端部11の両側のキャップ肩部11Bをそれぞれ押圧する。その押圧力は、破断分割されたときにキャップ102が勢いでコネクティングロッド部品の製造装置から飛散しないよう押さえる程度である。
【0021】
次に本実施形態の作用を説明する。図1(A)に示すように内側治具20が太矢印の方向に拡張する。具体的には図1(B)に示すように大端部11を破断分割する拡張力を付与された楔22がマンドレル21の中心に挿し込まれ、マンドレル21に沿って大端孔11Aを貫通する。そして楔22は挿入端から徐々に厚くなるので、挿し込み量が増えるとマンドレル21が拡がる。マンドレル21a,21bとベース23a,23bとはそれぞれ互いに引き離されるようにスライドする。
【0022】
このとき大端部11の大端孔11Aは拡張方向を長径とする楕円変形となり、大端部11の内側には拡張方向の引張応力(細矢印)が生じる。そしてノッチ部11bの最深部には応力が集中して亀裂の起点となる。
【0023】
そして内側治具20が拡張するとともに、ベース23と連動して動く外側治具30も太矢印の方向に拡張する。具体的には図1(A)で示す上側部材31が上方向へ、下側部材32が下方向へ動く。これにより大端部の凹部11aにも引張応力(細矢印)が生じ、大端部の凹部11aの最深部には応力が集中する。
【0024】
よって大端部11の内側で発生した亀裂は、外側の凹部11aに向かって進展する。そしてノッチ部11bと凹部11aとを通る破断面でワーク10を本体101とキャップ102とに破断分割する。
【0025】
本実施形態によれば、大端部の凹部11aに外側治具の凸部30aを嵌め込むとともに、大端部11の外側面の両方に外側治具30を当接させる。そして内側治具20が拡張するタイミングで外側治具30も拡張する。さらに大端部の凹部11aとノッチ部11bの最深部が破断予定面上に位置するように設ける。このように構成することで、大端部11の破断予定面には、面に垂直方向の引張応力が大端部11の内側から外側まで生じる。その引張応力は、大端部11の内側が大きくて外側が小さいので、ノッチ部11bを起点とした亀裂が内側から外側に向かって進展する。さらに大端部11の凹部11aの最深部は応力集中するので亀裂を誘導する。そして大端部11の凹部11aを大端部11の外側面を貫通するように設けている。よって亀裂が進展しやすく、欠けの発生を抑えた破断面とすることができる。また外側治具30は大端部11の外側面に当接するので、大端部11の外側への変形を防止することができる。また外側治具30は内側治具20のベース23を介して拡張するので、新たな外側治具30専用の駆動装置が不要で装置を簡素化できる。
【0026】
さらに外側治具30を設けて大端部11の変形や欠けを防止するので、コネクティングロッドワーク10の素材や加工精度に頼らなくてよい。これにより、材料の配分を厳しく管理するための追加コストを削減でき材料コストを低減できる。
【0027】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態の構成図である。なお以下では前述した内容と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して重複する説明を適宜省略する。
【0028】
外側治具30は、大端部11の外側面に当接するように配置される。外側治具30は、大端部11の拡張方向にそれぞれ部材31,32が移動することはなく、両者が一体となって固設される。外側治具30は駆動装置を必要としない。外側治具30は、大端部11の両側から大端部11の外側面全体に当接するように、その大きさを設定する。
【0029】
図3に示すように外側治具30は大端部11の外側面に当接して固設される。これにより、大端部11の外側面は拡張方向と直交方向に拘束される。楔22が挿し込まれてマンドレル21が図3における上下方向に拡張すると、大端部11の側面には図中実線Aで示すような曲げ力が作用して、外方に湾曲する。また凹部11aには図中実線Bで示すような曲げ力が作用して、潰れるように変形する。しかしながら本実施形態では、大端部11の外側面に外側治具30が当接しているので、曲げ力Aの反力Cが作用して大端部11の湾曲を防止できる。また凹部11aに凸部30aが嵌まっているので、曲げ力Bの反力Dが凹部11aに作用して潰れ変形を防止できるとともに反力Dの図3における上下方向成分によって凹部11aは応力が集中する。よって大端部11の内側で発生した亀裂は、応力集中がみられる外側の凹部11aに向かって進展する。そしてワーク10を本体101とキャップ102とに破断分割する。
【0030】
本実施形態によれば、外側治具30が大端部11の外側面に当接するように大端部11の両側に固設されるので、内側治具20の拡張による大端部11の変形、特に大端部11の側面の弓なり変形を防止することができる。さらに大端部11の凹部11aには破断予定面に垂直に引張応力が働き、凹部11aの最深部で応力集中するので、ノッチ部11bを起点とする亀裂を凹部11aへ誘導する。よって内側を起点とした亀裂が破断予定面上を進展しやすく、欠けの発生を抑えた破断面とすることができる。
【0031】
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態の構成図である。
【0032】
外側治具30は内側治具20の拡張と同時に大端部11を挟持する。具体的には外側治具30は、図4に示すように太矢印の方向へ大端部11の外側面を内側に向けて押圧する。外側治具30は、大端部11の拡張方向にそれぞれ部材31,32が移動することはなく両者が一体となっている。よって図示を省略するが外側治具30は内側治具20の駆動装置を共用せず、別途太矢印方向へ可動するアクチュエータのような駆動装置が設けられる。外側治具30の押圧力は、大端部11の凹部11aの応力集中を増大させる程度である。
【0033】
図4に示すように外側治具30は内側治具20が拡張するとともに、大端部11の外側面との当接面に太矢印の方向に押圧する。これにより大端部11の凹部11aには細矢印の方向に圧縮応力が生じ、その成分は結果として破断予定面に対して垂直に作用する引張応力となる。よって大端部11の内側で発生した亀裂は、応力集中がみられる外側の凹部11aに向かって進展する。そしてワーク10を本体101とキャップ102とに破断分割する。
【0034】
本実施形態によれば、内側治具20が拡張するタイミングで外側治具30は大端部11の外側面を両側から押圧する。これにより大端部11の凹部11aには破断予定面に垂直に引張応力が働くので、ノッチ部11bを起点とする亀裂を凹部11aへ誘導する。第2実施形態の効果に増して、亀裂が破断予定面に沿って進展しやすく、欠けの発生を抑えた破断面とすることができる。
【0035】
(第4実施形態)
図5は、本発明の第4実施形態の作用を示す図である。
【0036】
大端部11は、ノッチ部11bを大端孔11Aの内周縁ではなく、大端部の外側面に設ける凹部11aの最深部に設ける。
【0037】
内側治具20は、分割型ではなく円形状の一体型マンドレル21を含み、大端部11の大端孔11Aに挿入して固定される。内側治具20は、他の実施形態のように拡張方向の力を大端部11に作用しないので駆動装置を必要としない。内側治具20は、大端部11の大端孔11Aの内方への変形を阻止する。
【0038】
これに対して外側治具30は、大端部11を拡張すると同時に大端部11の外側面を押圧する。外側治具30の拡張方向の力は、大端部11を破断するのに必要な力である。外側治具30の押圧力は、大端部11の凹部11aの応力集中を増大させる程度である。外側治具30は図示を省略するが2方向に力を付与する駆動装置が設けられる。
【0039】
図5に示すように外側治具30は大端部11を外側から拡張する。大端部11の外側には細矢印で示すような拡張方向の引張応力が生じ、ノッチ部11bで応力集中する。このとき大端部11の大端孔11Aには図中実線Aで示すような曲げ力が作用して、大端孔11Aは拡張方向を短径、破断方向を長径とする楕円変形となる。しかしながら本実施形態では内側治具20を固定しているので、曲げ力Aの反力Bが作用して大端孔11Aの変形を防止する。さらに外側治具20は大端部11の外側面を押圧するので、第3実施形態と同様に破断予定面に垂直にはたらく引張応力を大きくするとともに、大端孔11Aの破断方向の変形を防止する。そして大端部11の外側で発生した亀裂は、内側に向かって進展する。そしてワーク10を本体101とキャップ102とに破断分割する。
【0040】
本実施形態によれば、内側治具20を固定とし外側治具30が大端部11の外側面を押圧するので、大端孔11Aの真円度が高い状態を維持することができる。また大端部11の凹部11aに重ねてノッチ部11bを設けるので、外側治具30を拡張したときにノッチ部11bの先端に集中する応力が大きい。これらによりノッチ部11bが亀裂の起点となり、その亀裂の進展は破断予定面に近く、欠けの発生が少ない破断面にすることができる。
【0041】
以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、キャップサポートはワークを破断分割したときに装置からキャップが飛び出さないように防止するために使用したが、キャップサポートにある程度の押圧力を付与して、大端部にかける力を外側治具や内側治具と分担させてもよい。実施形態では大端部の破断分割方向がワークの軸に直交する方向の場合で説明したが、直交せずに斜めに分割する場合にも本発明は適用可能である。外側治具は動作方向が同じ場合に内側治具のベースを介して同期して作用するようにしたが、別々に動かしてもよい。また外側治具と内側治具とは動作を同期させる必要はなく、大端部の変形を防止する力を治具が破断分割する力でワークを拡張する前に付与してもよい。
【符号の説明】
【0042】
10 コネクティングロッドワーク
101 コネクティングロッド本体
102 コネクティングロッドキャップ
11 大端部
11A 大端孔
11B キャップ肩部
11a 凹部
11b ノッチ部
20 内側治具
30 外側治具
30a 凸部
40 支持構造(キャップサポート)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクティングロッドワークの大端部の大端孔に挿入される内側治具と、
前記大端部の側面に設けられる凹部に嵌まり込む凸部を有し、前記大端部の両側面に当接される外側治具と、
前記内側治具もしくは外側治具の少なくとも一方に、前記大端部を拡張してコネクティングロッドワークをコネクティングロッド部品であるコネクティングロッド本体及びコネクティングロッドキャップに破断分割する拡張力を付与する駆動手段と、
を備えるコネクティングロッド部品の製造装置。
【請求項2】
前記大端孔の周縁には、破断分割させる破断予定面上に破断の起点となるノッチ部が設けられ、
前記凹部は、前記破断予定面を含んで設けられる、
ことを特徴とする請求項1に記載のコネクティングロッド部品の製造装置。
【請求項3】
前記コネクティングロッドワークのキャップ肩部に当接して設けられる支持構造を備える、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコネクティングロッド部品の製造装置。
【請求項4】
コネクティングロッドワークの大端部の大端孔に内側治具を挿入する内側挿入工程と、
前記大端部の側面に設けられる凹部と、前記大端部の両側面に配置される外側治具に設けられる凸部と、を嵌め込んで、前記大端部と外側治具とを当接する外側当接工程と、
前記内側治具に破断予定面と直交する方向の拡張力を付与する駆動工程と、
前記内側治具が拡張して、前記コネクティングロッドワークをコネクティングロッド本体及びコネクティングロッドキャップに破断分割する破断分割工程と、
を含むコネクティングロッド部品の製造方法。
【請求項5】
前記駆動工程は、前記外側治具に破断予定面と直交する方向の拡張力を付与し、
前記破断分割工程は、前記外側治具が破断予定面と直交する方向に拡張する、
ことを特徴とする請求項4に記載のコネクティングロッド部品の製造方法。
【請求項6】
前記駆動工程は、前記外側治具に破断予定面と平行する方向の押圧力を付与し、
前記破断分割工程は、前記外側治具が、破断予定面と平行する方向に押圧する、
ことを特徴とする請求項4に記載のコネクティングロッド部品の製造方法。
【請求項7】
コネクティングロッドワークの大端部の大端孔に内側治具を挿入する内側挿入工程と、
前記大端部の側面に設けられる凹部と、前記大端部の両側面に配置される外側治具に設けられる凸部と、を嵌め込んで前記大端部と外側治具とを当接する外側当接工程と、
前記外側治具に破断予定面と直交する方向の拡張力と破断予定面と平行する方向の押圧力を付与する駆動工程と、
前記外側治具が破断予定面と直交する方向に拡張し、さらに、前記大端部との当接面を押圧して、前記コネクティングロッドワークをコネクティングロッド本体及びコネクティングロッドキャップに破断分割する破断分割工程と、
を含むコネクティングロッド部品の製造方法。
【請求項8】
前記コネクティングロッドワークのキャップ肩部に当接して設けられる支持構造をさらに含み、
前記駆動工程は、前記支持構造に破断予定面と直交する方向の拡張力を付与し、
前記破断分割行程は、前記支持構造が前記コネクティングロッドワークのキャップ肩部を押圧する、
ことを特徴とする請求項4から請求項7のいずれか1項に記載のコネクティングロッド部品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−196882(P2010−196882A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45840(P2009−45840)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】