説明

コルゲートサイドコンベヤ装置

【課題】非搬送領域におけるベルト本体中央部の下方への撓みを抑制し、ベルト本体と該ベルト本体に立設された波形耳桟との取付基部等に破損が生じにくいコルゲートサイドコンベヤ装置を提供する。
【解決手段】帯状のベルト本体と該ベルト本体の幅方向両側に長手方向に沿って立設された一対の波形耳桟と、波形耳桟間を横断するように波形耳桟及びベルト本体に取り付けられ、長手方向に間隔を空けて配列された複数の横桟とを有する環状の搬送ベルトを備えているコルゲートサイドコンベヤ装置であって、非搬送領域の波形耳桟又は横桟の少なくとも一方を支持する支持ベルトを備え、該支持ベルトは、回動により前記波形耳桟又は横桟の少なくとも一方を支持した部位が、該波形耳桟又は横桟の少なくとも一方と同方向及び同速度で移動するように構成されているコルゲートサイドコンベヤ装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、帯状のベルト本体と該ベルト本体の幅方向両側に長手方向に沿って立設された一対の波形耳桟と、前記波形耳桟間を横断するように波形耳桟及びベルト本体に取り付けられ、長手方向に間隔を空けて配列された複数の横桟とを有する環状の搬送ベルトを備え、該搬送ベルトが、搬送物を搭載可能で、回動により該搬送物を搬送しうる搬送領域と、搬送物を搭載不能な非搬送領域とを有するように配されてなるコルゲートサイドコンベヤ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、帯状のベルト本体と該ベルト本体の幅方向両側に長手方向に沿って立設された一対の波形耳桟と、前記波形耳桟間を横断するように波形耳桟及びベルト本体に取り付けられ、長手方向に間隔を空けて配列された複数の横桟とを有する環状の搬送ベルトを備え、該搬送ベルトが、搬送物(例えば、砂、砂利、鉱物原石、ガラス屑、セメント、産業廃棄物等)を搭載可能で、回動により該搬送物を搬送しうる搬送領域と、搬送物を搭載不能な非搬送領域とを有するように配されてなるコルゲートサイドコンベヤ装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
前記コルゲートサイドコンベヤ装置において、搬送ベルトは、所定の部位が搬送物を搬送した後、再度、搬送物を載せるために前記非搬送領域を経て前記搬送領域へ移動するように回動される。
ところで、この種のコルゲートサイドコンベヤ装置では、ベルト本体両側の余部を短ローラー等で支持するため、図8に示すように前記非搬送領域で波形耳桟120及び横桟130の重量によるベルト本体中央部の下方への撓み(ベルト本体の船底状の撓み)が発生する場合がある。
【0004】
このベルト本体中央部の下方への撓みは、ベルト本体110と該ベルト本体に立設された波形耳桟120との取付基部に応力が集中し、該取付基部に破損(例えば、亀裂、剥離等)を生じさせ、また、ベルト本体に取り付けられている波形耳桟が外側に広がろうとするため、波形耳桟と横桟との取付部分(例えば、ボルト締結部140)にも応力がかかる場合があり、該取付部分にも破損(例えば、亀裂、剥離等)を生じさせるという問題を有している。
【0005】
特に、近年においては、コルゲートサイドコンベヤ装置の大型化・大容量化のニーズによりベルト本体の幅が非常に大きくなり、それに伴い波形耳桟及び横桟の重量も増大していることから、上記問題が重大となっている。
【0006】
上記問題を解決するため、ベルト本体の剛性を高くすることで、ベルト本体中央部の下方への撓みを防止する試みも行われているが、ベルト本体の剛性を高めるための補強層を設けると、ベルト本体の厚みが増し、ベルト本体の重量も増加するため、結果的にベルト本体中央部の撓みが更に増加することから、結局、前記問題を解決するには至っていないのが現状である。
【0007】
このように、非搬送領域におけるベルト本体中央部の下方への撓みを抑制し、ベルト本体と該ベルト本体に立設された波形耳桟との取付基部及び波形耳桟と横桟との取付部分に応力が集中しにくく、前記取付基部及び前記取付部分に破損(例えば、亀裂、剥離等)が生じにくいコルゲートサイドコンベヤ装置が要望されている。
【0008】
【特許文献1】特許第2801971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上記問題及び要望に鑑み、非搬送領域におけるベルト本体中央部の下方への撓みを抑制し、ベルト本体と該ベルト本体に立設された波形耳桟との取付基部及び波形耳桟と横桟との取付部分に破損(例えば、亀裂、剥離等)が生じにくいコルゲートサイドコンベヤ装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の発明者らは、上記問題及び要望を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、非搬送領域の波形耳桟又は横桟の少なくとも一方を別体のベルトにより支持することにより、上記課題を解決できることを見いだし本発明を解決するに至った。
【0011】
即ち、本発明は、帯状のベルト本体と該ベルト本体の幅方向両側に長手方向に沿って立設された一対の波形耳桟と、前記波形耳桟間を横断するように波形耳桟及びベルト本体に取り付けられ、長手方向に間隔を空けて配列された複数の横桟とを有する環状の搬送ベルトを備え、該搬送ベルトが、搬送物を搭載可能で、回動により該搬送物を搬送しうる搬送領域と、搬送物を搭載不能な非搬送領域とを有するように配されてなるコルゲートサイドコンベヤ装置であって、更に前記非搬送領域の波形耳桟又は横桟の少なくとも一方を支持する支持ベルトを備え、該支持ベルトは、回動により前記波形耳桟又は横桟の少なくとも一方を支持した部位が、該波形耳桟又は横桟の少なくとも一方と同方向及び同速度で移動するように構成されていることを特徴とするコルゲートサイドコンベヤ装置を提供する。
【0012】
非搬送領域における波形耳桟又は横桟の少なくとも一方を支持する支持ベルトにより、ベルト本体中央部の下方への撓みが抑制される。また、前記支持ベルトは、非搬送領域における波形耳桟又は横桟と同方向及び同速度で回動するように構成されていることで前記波形耳桟又は横桟に負荷がかかる虞も低減される。
【0013】
また、本発明のコルゲートサイドコンベヤ装置においては、支持ベルトを支持する支持体を備え、該支持体は前記支持ベルトの波形耳桟又は横桟の少なくとも一方を支持する支持領域での撓みを抑制するように前記支持ベルトの支持領域の裏面と当接して前記支持ベルトを支持してなるものが好ましい。
かかる構成であれば、非搬送領域における波形耳桟又は横桟の少なくとも一方を支持する支持ベルトにより、より一層ベルト本体中央部の下方への撓みが抑制される。
【0014】
また、本発明のコルゲートサイドコンベヤ装置においては、前記支持ベルトが、支持体表面を摺動することにより回動可能とされてなり、前記支持体は、前記支持ベルトと当接した表面の摩擦係数が0.01〜1.0であることが好ましい。
かかる構成であれば、支持ベルトと波形耳桟又は横桟との間に周速差が生じても摩耗しにくいものとなる。
【0015】
更に、本発明のコルゲートサイドコンベヤ装置においては、前記支持ベルトが、前記支持体と当接する裏面側が帆布で構成されていることが好ましい。
かかる構成であれば、より一層摩擦係数を下げることができ、支持ベルトと支持体との摩耗を防止できる。
【0016】
また、本発明のコルゲートサイドコンベヤ装置においては、前記支持体が、ミガキ鋼、メッキ鋼、超高分子量ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂或いはフッ素樹脂の何れかの材質より構成されてなる平板であることが好ましい。
かかる構成であれば、更に摩擦係数を下げることができ、支持ベルトと支持体との摩耗をより一層防止できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のコルゲートサイドコンベヤ装置によれば、非搬送領域におけるベルト本体中央部の下方への撓みを抑制し、ベルト本体と該ベルト本体に立設された波形耳桟との取付基部及び波形耳桟と横桟との取付部分に破損(例えば、亀裂、剥離等)が生じにくくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明のコルゲートサイドコンベヤ装置について図面を用いて詳細に説明する。
【0019】
図1は、本実施形態のコルゲートサイドコンベヤ装置1の外観斜視図である。
図1に示すように、本実施形態のコルゲートサイドコンベヤ装置1は、帯状のベルト本体と該ベルト本体の幅方向両側に長手方向に沿って立設された一対の波形耳桟と、前記波形耳桟間を横断するように波形耳桟及びベルト本体に取り付けられ、長手方向に間隔を空けて配列された複数の横桟とを有する環状の搬送ベルトを備え、該搬送ベルトが、搬送物を搭載可能で、回動により該搬送物を搬送しうる搬送領域と、搬送物を搭載不能な非搬送領域とを有するように配されてなる搬送用コンベヤ装置2と、更に前記非搬送領域の波形耳桟又は横桟の少なくとも一方を支持する支持ベルトを備え、該支持ベルトは、回動により前記波形耳桟又は横桟の少なくとも一方を支持した部位が、該波形耳桟又は横桟の少なくとも一方と同方向及び同速度で移動するように構成されてなる支持側コンベヤ装置3とで構成されている。
【0020】
前記搬送用コンベヤ装置2は、通常、一般的に使用されているコルゲートサイドコンベヤ装置であって、例えば、水平或いは傾斜に搬送物を搬送したりする場合に使用されるものである。
【0021】
図2は、前記搬送用コンベヤ装置2に用いられるベルトの要部拡大斜視図である。
該搬送用コンベヤ装置2は、図2に示すように、帯状のベルト本体10と、ベルト本体10の幅方向両側に長手方向に沿って立設された一対の波形耳桟20,20と、該一対の波形耳桟20,20を横断するように波形耳桟20,20及びベルト本体10に取り付けられ、長手方向に間隔を空けて配列された複数の横桟30とを有する環状の搬送ベルトを備えてなる。
【0022】
前記搬送ベルトは、一対のプーリ間に掛け渡され回動可能とされてなる。
前記搬送ベルトは、搬送物を搭載可能で、回動により該搬送物を搬送しうる搬送領域と、搬送物を搭載不能な非搬送領域とを有するように配されてなる。
具体的には、搬送ベルトの外表面が上側に向く領域と下側に向く領域とが形成されるように配設されている。
尚、前記搬送ベルトにおける搬送領域とは、搬送物を搬送しうる位置にある領域であり、該領域においては、通常、ベルト本体10の上方に波形耳桟20及び横桟30が位置することとなる。また、前記搬送ベルトにおける非搬送領域とは、搬送物を搭載不可能な位置にある領域であり、該領域においては、通常、ベルト本体10の下方に波形耳桟20及び横桟30が位置することとなる。
前記搬送ベルトの任意の部位は、該搬送ベルトの回動と共に移動し、一端側のプーリで折り返して非搬送領域に移り、更に、回動を続けることにより他端側のプーリで折り返し再度搬送領域に戻るようになっている。
【0023】
前記ベルト本体10は、所定の剛性及び柔軟性を有する帯状の部材であって、例えば、芯体層と該芯体層の両面を覆うカバーゴム層とが積層された構造のものが用いられる。
前記芯体層及び前記カバーゴム層の材質は、使用環境や搬送物の種類に応じて必要な抗張力、剛性及び柔軟性を確保するために適宜選択することができる。
【0024】
前記波形耳桟20は、帯状のゴムシート材が波形状となるように成形されたものであり、例えば、前記搬送用コンベヤ装置2の両端部に配置されたプーリによって屈曲される際にもスムーズに変形できるよう伸縮自在となるように構成されている。また、波形耳桟20は、図2に示すように下端20aが直接ベルト本体10に接するようにベルト本体10上に立設されている。前記波形耳桟20と前記ベルト本体10との取付は、例えば、接着剤等を用いて固定する手段を採用することができる。
尚、前記波形耳桟20を形成する帯状のゴムシート材には、剛性を向上させるために、例えば、帆布、金属材料、或いは短繊維が前記ゴムシート材中に埋設されていてもよい。
【0025】
前記波形耳桟20を構成する帯状のゴムシート材としては、搬送物の比重や量などに応じて最も適したものを適宜選択して使用することができる。
尚、前記波形耳桟20は、前記ベルト本体10の幅方向の両側、即ち幅方向中央部よりも幅方向端側に立設されている。
【0026】
前記横桟30は、図2に示すように波形耳桟20,20間を横断するように、波形耳桟20及びベルト本体10に取り付けられ、ベルト本体10の長手方向に間隔を空けて複数配置されている。前記ベルト本体10と前記横桟30との取付は、例えば、接着剤等を用いて固定する手段を採用することができる。前記一対の波形耳桟20,20と前記横桟30とを繋ぐための固定手段としては、例えば、図2に示すように波形耳桟20を貫通して横桟30の側面へ螺入される螺子40aと座金40bとからなる螺子手段40が好適に使用される。要は、搬送作業中に横桟30が脱落しないような固定手段であればよい。
このようにベルト本体10に波形耳桟20及び横桟30が設けられることで搬送物を搬送する区画が形成される。
【0027】
前記搬送ベルトは、例えば、駆動モータ等の駆動装置(図示せず)によって回動可能とされてなる。
【0028】
次に、前記支持側コンベヤ装置3について説明する。
該支持側コンベヤ装置3は、図1に示すように搬送ベルトの非搬送領域の下方で、前記支持ベルト60が非搬送領域と平行となるように且つ該非搬送領域の波形耳桟20又は横桟30の少なくとも一方を支持するように配設されている。前記支持側コンベヤ装置3をこのように配設することで、非搬送領域におけるベルト本体中央部の撓みが抑制される。
【0029】
図3は、支持側コンベヤ装置3の外観斜視図である。
図3に示すように支持側コンベヤ装置3は、非搬送領域における波形耳桟20又は横桟30の少なくとも一方を支持する支持ベルト60と、前記支持ベルト60が前記波形耳桟20又は横桟30の少なくとも一方を支持する支持領域での撓みを抑制するように該支持ベルト60の支持領域の裏面と当接して前記支持ベルト60を支持する支持体50と、該支持ベルト60を回動させる駆動ローラ70とで構成されている。
【0030】
前記支持体50と前記支持ベルト60とは、当接しており、該支持ベルト60は、該支持体50の表面を摺動可能に構成されている。
【0031】
前記支持体50の表面と前記支持ベルト60の支持領域の裏面とが当接している部分における摩擦係数は、0.01〜1.0であり、好ましくは0.01〜0.3である。
摩擦係数が上記範囲内にあれば、仮に支持ベルト60と波形耳桟又は横桟との間に周速差が生じても摩擦抵抗の発生が抑制できる。
前記摩擦係数は、ASTM D 1894に基づいて測定される。
該摩擦係数は、室温23±2℃、湿度50±5%に調整した環境下で、幅65mm×長さ58mmに調整した試験片を30分以上放置後、島津製作所製オートグラフS500及び専用測定テーブルを使用して測定できる。
【0032】
前記支持体50としては、例えば、ローラー、平板等が挙げられる。
図4(a)は、前記支持体50として、ローラー51を用いた場合の支持側コンベヤ装置3の要部断面図である。また、図4(b)は、前記支持体50として、ローラー51を用いた場合の支持側コンベヤ装置3の要部外観斜視図である。
図4(a)(b)に示すように、支持体50として所定の径方向の長さと所定の幅方向の長さを有するローラー51を用いる場合は、各ローラー51は幅方向の長さを揃えて帯状に平行に配列されていてもよい。
上記のように配列する場合には、平行に並べる各ローラー51間の間隔を短くなるようにすることが好ましい。各ローラー51間の間隔が広ければ、該ローラー51間を支持ベルト60に支持された波形耳桟20又は横桟30が通過する度に、各ローラー51間の間隔に該支持ベルト60が沈み込む状態になり、支持体に支持された搬送ベルトの非搬送領域が波打つ状態になる。
このように波打つ状態になると波形耳桟20又は横桟30の頂部を痛めることになる。
そのため、各ローラー51間の間隔は、各ローラー51が自在に回転できる範囲内で短い方が好ましい。尚、該間隔は、適宜調整することができる。
また、各ローラー51の径方向の長さ(ローラー51の直径)も短い方が好ましい。ローラー51の直径の短いものを使用することで、各ローラー51間の間隔を短くすることができ、該ローラー51間を支持ベルト60に支持された波形耳桟20又は横桟30が通過する度に、各ローラー51間の間隔に前記支持ベルト60が沈み込むことで生じる波打つ状態を防止でき波形耳桟20又は横桟30の頂部を痛めることが抑えられる。
【0033】
前記ローラー51の幅方向の長さは、少なくとも支持ベルト60の幅方向の長さ以上であることが好ましい。前記支持ベルト60の幅方向の長さは、非搬送領域の波形耳桟20又は横桟30の少なくとも一方を支持するため、少なくとも波形耳桟20の幅方向の長さよりも長いものが要求される。そのため、前記ローラー51の幅方向の長さは、上記のものであることが好ましい。
また、前記搬送用コンベヤ装置2の非搬送領域の長さにより、前記支持側コンベヤ装置3の支持体50(ローラー51)を帯状に平行に並べた長さを適宜調整できる。
尚、前記ローラー51の材質としては、金属製、プラスチック製等を適宜用いることができる。要は、支持する非搬送領域の搬送ベルトの重量に耐えることができる材質であればよい。
【0034】
図5(a)は、前記支持体50として、平板52を用いた場合の支持側コンベヤ装置3の要部断面図である。また、図5(b)は、前記支持体50として、平板52を用いた場合の支持側コンベヤ装置3の要部外観斜視図である。
前記支持体50として、平板52を用いることで前記ローラー51を用いた際に生じる波打つ状態をほぼ解消することができる。
前記平板52を用いることで該平板52の表面上を支持ベルト60が移動する。該支持ベルト60上には、非搬送領域における波形耳桟20又は横桟30の少なくとも一方が載ることとなる。そして、図5(a)(b)に示すように該平板52は平面であるため、沈み込むことが抑えられ、前記ローラー51の場合に比べて搬送ベルトの波打つ状態をほぼ防止できる。
【0035】
前記平板52としては、金属部材或いはプラスチック部材で形成されるものが挙げられる。前記金属部材で形成される平板52としては、例えば、前記支持ベルトの裏面が帆布で構成されている場合、対帆布面に対する摩擦係数が0.1〜0.2のミガキ鋼板或いはメッキ鋼板等を用いるものが挙げられる。
前記プラスチック部材で形成される平板52としては、例えば、前記支持ベルトの裏面が帆布で構成されている場合、対帆布面に対する摩擦係数が0.05〜0.15の超高分子量ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂或いはフッ素樹脂(例えば、「テフロン」(登録商標))等を用いるものが挙げられる。
尚、前記平板52は、全体が前記金属部材或いはプラスチック部材で構成されていてもよく、また、前記支持ベルト60の支持領域の裏面と当接する部分のみが、前記部材等で構成されていてもよい。
【0036】
前記平板52の幅方向の長さは、少なくとも支持ベルト60の幅方向の長さ以上であることが好ましい。この理由は、前記ローラー51の場合と同様である。また、前記搬送用コンベヤ装置2の非搬送領域の長さにより、前記支持側コンベヤ装置3の平板52の長さを適宜調整できる。更に、平板52の厚み及び材質も支持する波形耳桟20と横桟30とを有する搬送ベルトの重量との関係で適宜調整、選択される。
【0037】
前記支持ベルト60としては、所定の剛性及び柔軟性を有する平板状の部材であって、例えば、通常用いられている薄厚のゴムコンベヤベルト又は樹脂ベルトが用いられる。 該支持ベルト60は、前記支持体50(例えば、前記平板52)の表面を摺動することにより、波形耳桟20又は横桟30の少なくとも一方を載せて回動することから、支持ベルト60の支持領域の裏面と支持体50(例えば、前記平板52)表面との間で摩擦の少ない材質のものが好ましい。
【0038】
前記支持ベルト60として、例えば、該支持ベルト60裏面にポリエステル或いは綿製の帆布が積層されている樹脂ベルトを使用することができる。前記支持体50(例えば、平板52)と接する面側に前記帆布が積層されている樹脂ベルトを用いることで、例えば、平板52として、ミガキ鋼板等を用いた際、より一層摩擦を少なくできるという効果を奏する。
支持ベルト60の幅方向の長さは、少なくとも前記一対の波形耳桟20,20間の長さ以上であることが好ましい。確実に非搬送領域における波形耳桟20又横桟30を支持するためである。
また、支持ベルト60の厚みは、支持する波形耳桟20と横桟30とを有する搬送ベルトの重重との関係で適宜調整される。
【0039】
前記駆動ローラ70は、非搬送領域の波形耳桟20又は横桟30の少なくとも一方を支持した支持ベルト60を、非搬送領域における該波形耳桟20又は横桟30の少なくとも一方と同方向及び同速度で回動させることができるものであれば特に制限なく用いることができる。
同方向及び同速度で回動させることで、波形耳桟20又は横桟30の頂部への負担(擦れ)が抑制され、また、搬送用コンベヤ装置2の駆動装置又は前記駆動ローラ70への負荷が低減される。
【0040】
前記駆動ローラ70としては、例えば、駆動モータ部(図示せず)を備えており、該駆動ローラ間に掛け渡された前記支持ベルト60を回動させる構成であってもよい。
また、前記駆動ローラ70としては、搬送用コンベヤ装置2の搬送ベルトを駆動させるための駆動装置と連動されており、該搬送用コンベヤ装置2の搬送ベルトを駆動させると同時に前記支持ベルト60を回動させる構成であってもよい。
【0041】
次に、前記搬送用コンベヤ装置2と前記支持側コンベヤ装置3との配設について説明する。
【0042】
図6は、本実施形態のコルゲートサイドコンベヤ装置1の長手方向断面模式図である。
図7は、本実施形態のコルゲートサイドコンベヤ装置1の幅方向断面模式図である。
図6及び図7に示すように、搬送用コンベヤ装置2における非搬送領域の波形耳桟20又は横桟30の少なくとも一方の頂部が、支持側コンベヤ装置3の支持ベルト60上に載るように該支持側コンベヤ装置3が配設されている。
非搬送領域の波形耳桟20又は横桟30の少なくとも一方の頂部が、支持ベルト60上に載るように該支持側コンベヤ装置3を配設することで、非搬送領域においてベルト本体10の中央部が下方に撓むことを防止できる。
これにより、非搬送領域におけるベルト本体10と該ベルト本体に立設された波形耳桟20との取付基部及び波形耳桟20と横桟30との取付部分に応力が集中しにくく、前記取付基部及び前記取付部分に破損(例えば、亀裂、剥離等)が生じにくくなる。
【0043】
尚、搬送用コンベヤ装置2においては、設置場所及び搬送物の種類により、波形耳桟20又は横桟30との高さが相違する場合があるが、この際には、波形耳桟20又は横桟30の何れか高い方が、支持ベルト60により支持されていればよい。
【0044】
また、従来のコルゲートサイドコンベヤ装置においては、例えば、非搬送領域において、搬送ベルトに付着していた搬送物が剥がれ落ちることがあったが、本実施形態のコルゲートサイドコンベヤ装置1においては、非搬送領域において、搬送ベルトが支持ベルト60により支持されるため、剥がれ落ちた搬送物を回収することができるという効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本実施形態のコルゲートサイドコンベヤ装置の外観斜視図である。
【図2】図2は、搬送用コンベヤ装置に用いられるベルトの要部拡大斜視図である。
【図3】図3は、支持側コンベヤ装置の外観斜視図である。
【図4】図4(a)は、支持体として、ローラーを用いた場合の支持側コンベヤ装置の要部断面図である。 図4(b)は、支持体として、ローラーを用いた場合の支持側コンベヤ装置の要部外観斜視図である。
【図5】図5(a)は、支持体として、平板を用いた場合の支持側コンベヤ装置の要部断面図である。 図5(b)は、支持体として、平板を用いた場合の支持側コンベヤ装置の要部外観斜視図である。
【図6】図6は、本実施形態のコルゲートサイドコンベヤ装置の長手方向断面模式図である。
【図7】図7は、本実施形態のコルゲートサイドコンベヤ装置の幅方向断面模式図である。
【図8】図8は、従来のコルゲートサイドコンベヤ装置の非搬送領域における幅方向断面模式図である。
【符号の説明】
【0046】
1 本実施形態のコルゲートサイドコンベヤ装置
2 搬送用コンベヤ装置
3 支持側コンベヤ装置
10 ベルト本体
20 波形耳桟
30 横桟
40 螺子手段
50 支持体
60 支持ベルト
70 駆動ローラ
80 短ローラ
110 ベルト本体
120 波形耳桟
130 横桟
140 ボルト締結部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のベルト本体と該ベルト本体の幅方向両側に長手方向に沿って立設された一対の波形耳桟と、前記波形耳桟間を横断するように波形耳桟及びベルト本体に取り付けられ、長手方向に間隔を空けて配列された複数の横桟とを有する環状の搬送ベルトを備え、該搬送ベルトが、搬送物を搭載可能で、回動により該搬送物を搬送しうる搬送領域と、搬送物を搭載不能な非搬送領域とを有するように配されてなるコルゲートサイドコンベヤ装置であって、
更に前記非搬送領域の波形耳桟又は横桟の少なくとも一方を支持する支持ベルトを備え、該支持ベルトは、回動により前記波形耳桟又は横桟の少なくとも一方を支持した部位が、該波形耳桟又は横桟の少なくとも一方と同方向及び同速度で移動するように構成されていることを特徴とするコルゲートサイドコンベヤ装置。
【請求項2】
前記支持ベルトを支持する支持体を備え、該支持体は前記支持ベルトの前記波形耳桟又は横桟の少なくとも一方を支持する支持領域での撓みを抑制するように前記支持ベルトの支持領域の裏面と当接して前記支持ベルトを支持してなる請求項1に記載のコルゲートサイドコンベヤ装置。
【請求項3】
前記支持ベルトは、支持体表面を摺動することにより回動可能とされてなり、前記支持体は、前記支持ベルトと当接した表面の摩擦係数が0.01〜1.0であることを特徴とする請求項2に記載のコルゲートサイドコンベヤ装置。
【請求項4】
前記支持ベルトは、前記支持体と当接する裏面側が帆布で構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のコルゲートサイドコンベヤ装置。
【請求項5】
前記支持体が、ミガキ鋼、メッキ鋼、超高分子量ポリエチレン樹脂、ナイロン樹脂或いはフッ素樹脂の何れかの材質より構成されてなる平板であることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載のコルゲートサイドコンベヤ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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