説明

コンタクトアームの変形防止機構

【課題】ワイヤ型のコンタクトアームを使用した打ち込み工具において、コンタクトアームの線径や形状を変更しなくても変形を有効に抑制できるコンタクトアームの変形防止機構を提供する。
【解決手段】コンタクトアーム20は線材で形成されて略U字状の先端部20aを備えるともに、該先端部20aは略直角に曲げ加工されている。前記コンタクトアーム20が被打込材に押し付けられて摺動したときに、前記コンタクトアーム20の略U字状の先端部20aの内側に前記ノーズ部16の先端が入り込むように形成されている。前記ノーズ部16の先端には、前記コンタクトアーム20に加えられた負荷を受けるための受部22,23が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、打ち込み工具のコンタクトアームの変形防止機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンタクトアームを備えた打ち込み工具が用いられている。
【0003】
コンタクトアームは、打ち込み工具のノーズ部にスライド可能に設けられるものである。コンタクトアームの先端部は、被打込材に押し付け易いようにバネなどによって付勢されてファスナの射出方向へ突出しており、ノーズ部の先端面よりも先に突出している。また、コンタクトアームの他端側は、打ち込み工具を作動させるためのトリガ機構に間接的あるいは直接的に係合している。
【0004】
このコンタクトアームの先端を被打込材に押し付けると、コンタクトアームがファスナの射出方向と反対方向に押し込まれ、コンタクトアームの他端がトリガ機構に作用し、トリガの操作が有効となる。すなわち、コンタクトアームの先端が被打込材に押し付られ、かつ、トリガが操作されることでファスナの打ち込みが行われるようになっており、言い換えると、コンタクトアームの先端を被打込材に押し付けていない状態でトリガを操作したとしてもファスナの打ち込みが行われないようになっている。
【0005】
なお、コンタクトアームの形状は種々のものが知られている。例えば、特許文献1及び特許文献2には、線材で形成されたワイヤ型のコンタクトアームが開示されている。このようなワイヤ型のコンタクトアームを使用した場合、安価かつ軽量にコンタクトアームを製造できるという利点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−286783号公報
【特許文献2】米国特許出願公開第2006/0191973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、コンタクトアームはノーズ部の先端面よりも先に突出しているため、落下時にコンクリート面等に衝突すると変形し易いという問題点があった。特にワイヤ型のコンタクトアームは変形し易いという問題点があった。
【0008】
なお、ワイヤの線径を大きくしたり、ワイヤの形状を複雑化したりすればコンタクトアームの変形を抑えることができるが、コストアップや重量アップなどのトレードオフが発生してしまう。
【0009】
そこで、本発明は、ワイヤ型のコンタクトアームを使用した打ち込み工具において、コンタクトアームの線径や形状を変更しなくても変形を有効に抑制できるコンタクトアームの変形防止機構を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
【0011】
(請求項1)
請求項1に記載の発明は、以下の点を特徴とする。
【0012】
すなわち、請求項1に記載のコンタクトアームの変形防止機構は、打ち込み工具のコンタクトアームの変形防止機構であって、ファスナを被打込材へ向けて打込み案内するノーズ部と、前記ノーズ部に沿って摺動するコンタクトアームと、を備え、前記コンタクトアームは線材で形成されて略U字状の先端部を備えるともに、該先端部は略直角に曲げ加工されており、前記コンタクトアームが被打込材に押し付けられて摺動したときに、前記コンタクトアームの略U字状の先端部の内側に前記ノーズ部の先端が入り込むように形成されたものであって、前記ノーズ部の先端に、前記コンタクトアームに加えられた負荷を受けるための受部を設けたことを特徴とする。
【0013】
(請求項2)
請求項2に記載の発明は、上記した請求項1記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
【0014】
すなわち、前記受部として、前記コンタクトアームが押し込まれたときに前記コンタクトアームの略U字状の先端部の内側に沿って対向する肉盛部を設けたことを特徴とする。
【0015】
(請求項3)
請求項3に記載の発明は、上記した請求項1又は2記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
【0016】
すなわち、前記受部として、前記コンタクトアームが押し込まれたときに前記コンタクトアームの略U字状の先端部が付き当たる突起部を設けたことを特徴とする。
【0017】
(請求項4)
請求項4に記載の発明は、上記した請求項3記載の発明の特徴点に加え、以下の点を特徴とする。
【0018】
すなわち、前記突起部は、グリップの反対方向に前記コンタクトアームよりも突出して設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、ノーズ部の先端にコンタクトアームに加えられた負荷を受けるための受部を設けたため、落下時にコンクリート面等にコンタクトアームが衝突したとしても、その衝撃による負荷をノーズ部の先端に設けた受部で吸収できるため、コンタクトアームの変形を抑えることができる。
【0020】
また、請求項2に記載の発明は上記の通りであり、前記受部として前記コンタクトアームが押し込まれて摺動したときに前記コンタクトアームの略U字状の先端部の内側に沿って対向する肉盛部を設けたため、この肉盛部によってコンタクトアームに加えられた負荷を吸収してコンタクトアームの変形を抑えることができる。
【0021】
すなわち、落下時にコンクリート面等にコンタクトアームが衝突した場合、まずはコンタクトアームが押し込まれて摺動し、摺動しきったところから無理な負荷がかかることになるため、コンタクトアームが摺動しきったときにノーズ部とコンタクトアームとの間に間隙がなるべくできないように肉盛部を設けることで、コンタクトアームが変形する余地を小さくし、コンタクトアームの変形を抑えることができる。
【0022】
また、請求項3に記載の発明は上記の通りであり、前記受部として前記コンタクトアームが押し込まれて摺動したときに前記コンタクトアームの略U字状の先端部が付き当たる突起部を設けたため、この突起部によってコンタクトアームに加えられた負荷を吸収してコンタクトアームの変形を抑えることができる。すなわち、コンタクトアームが摺動しきったときにコンタクトアームが突起部に当接し、突起部が直接的に負荷を受けるので、コンタクトアームの変形を抑えることができる。
【0023】
また、請求項4に記載の発明は上記の通りであり、前記突起部はグリップの反対方向に前記コンタクトアームよりも突出して設けられている。これにより、グリップの反対側から工具が落下した場合でも、突起部がコンタクトアームよりも先に接地し、コンタクトアームの変形を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施形態に係る打ち込み工具の側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る打ち込み工具の断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係る打ち込み工具の側面図であって、コンタクトアームが被打ち込み材などに押し付けられて摺動した状態の図である。
【図4】本発明の実施形態に係るノーズ部の一部拡大斜視図であって、コンタクトアームが突出した状態の図である。
【図5】本発明の実施形態に係るノーズ部の一部拡大斜視図であって、コンタクトアームが押し込まれた状態の図である。
【図6】本発明の実施形態に係るノーズ部の一部拡大図であって、射出口を臨む方向から見た図である。
【図7】本発明の実施形態に係る変形防止機構の作用を説明する図であって、コンタクトアームが急な角度で落下した場合における突起部の作用を説明する図である。
【図8】本発明の実施形態に係る変形防止機構の作用を説明する図であって、コンタクトアームが緩やかな角度で落下した場合における突起部の作用を説明する図である。
【図9】本発明の実施形態に係る変形防止機構の作用を説明する図であって、肉盛部の作用を説明する図である。
【図10】本発明の変形例1に係るノーズ部の一部拡大斜視図であって、コンタクトアームが突出した状態の図である。
【図11】本発明の変形例1に係るノーズ部の一部拡大斜視図であって、コンタクトアームが押し込まれた状態の図である。
【図12】本発明の変形例1に係るノーズ部の一部拡大図であって、射出口を臨む方向から見た図である。
【図13】本発明の変形例2に係るノーズ部の一部拡大斜視図である。
【図14】本発明の変形例3に係るノーズ部の一部拡大斜視図である。
【図15】本発明の変形例4に係るノーズ部の一部拡大斜視図である。
【図16】本発明の変形例4に係るノーズ部の一部拡大図であって、射出口を臨む方向から見た図である。
【図17】本発明の変形例5に係るノーズ部の一部拡大斜視図である。
【図18】従来の打ち込み工具において、コンタクトアームが急な角度で落下した場合の作用を説明する図である。
【図19】従来の打ち込み工具において、コンタクトアームが緩やかな角度で落下した場合の作用を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
【0026】
図1〜3に示すように、本実施形態に係る打ち込み工具10は、打撃シリンダ13を収容したボデーハウジング11の後方にグリップハウジング12を連設したものであり、打撃シリンダ13内には釘を打撃するドライバ14を下面側に結合した打撃ピストン15が摺動可能に収容されている。前記ボデーハウジング11の下部にはファスナを被打込材へ向けて打込み案内する射出口17を形成したノーズ部16が取り付けられており、前記打撃ピストン15に結合されたドライバ14がこのノーズ部16内で摺動可能に収容されて案内されている。
【0027】
ノーズ部16の後方側には多数のファスナが装填されたマガジン18が連設されており、マガジン18内のファスナがノーズ部16へ順次供給され、ノーズ部16へ供給された釘が前記ドライバ14によって打撃されて射出口17から被打込材へ打ち出されるように形成されている。
【0028】
グリップ部12aの基部にはトリガ19が配置されており、また、グリップ部12aの後端には圧縮空気供給ホースを接続するためのプラグが設けられている。このプラグから供給された圧縮空気は、トリガ19を操作することによりグリップ部12aの内部を通過して打撃シリンダ13に供給される。これにより、打撃ピストン15が摺動してドライバ14を駆動させ、ファスナを打ち込むように形成されている。
【0029】
ノーズ部16の近傍には、ノーズ部16に沿って摺動するコンタクトアーム20が設けられている。このコンタクトアーム20は、バネによって付勢されることで先端部20aがノーズ部16の先端面よりも先に突出している。また、このコンタクトアーム20の他端側は、トリガ19の操作によって作動するトリガ機構に間接的あるいは直接的に係合している。
【0030】
このコンタクトアーム20の先端20aを被打込材に押し付けると、コンタクトアーム20がファスナの射出方向と反対方向に押し込まれ、コンタクトアーム20の他端がトリガ機構に作用し、トリガ19の操作が有効となる。すなわち、コンタクトアーム20の先端20aを被打込材に押し付けた状態でトリガ19を操作することでファスナの打ち込みが行われるようになっており、言い換えると、コンタクトアーム20の先端20aを被打込材に押し付けていない状態でトリガ19を操作したとしてもファスナの打ち込みが行われないようになっている。なお、操作の順序は、コンタクトアーム20の先端20aを被打込材に押し付けた後でトリガ19を操作してもよいし、先にトリガ19を操作した状態でコンタクトアーム20の先端20aを被打込材に押し付けてもよく、コンタクトアーム20とトリガ19との2つのサインが同時に入ったときにのみファスナの打ち込みが行われるようになっている。
【0031】
なお、上記したトリガ機構の仕組みは特に図示しないが、例えば特開2010−23174号公報などに開示されている公知の機構を採用すればよい。
【0032】
本実施形態に係るコンタクトアーム20は、図4〜6に示すように、線材で形成されたワイヤ型のコンタクトアーム20であり、先端部20aにおいてU字状を形成し、この先端部20aがグリップ部12aの反対側に略直角に曲げ加工されたものである。
【0033】
このコンタクトアーム20を被打込材に押し付けると、図3及び図5に示すように、コンタクトアーム20がファスナの射出方向とは反対方向に押し込まれて摺動することにより、コンタクトアーム20のU字状の先端部20aの内側にノーズ部16の先端が入り込むように形成されている。
【0034】
ところで、このコンタクトアーム20のU字状の先端部20aに入り込むノーズ部16の先端には、コンタクトアーム20に加えられた負荷を受けるための受部が設けられている。本実施形態においては、この受部として肉盛部23と突起部22とを設けている。
【0035】
肉盛部23は、図4〜6に示すように、コンタクトアーム20が押し込まれて摺動したときにコンタクトアーム20のU字状の先端部20aの内側に沿って対向するように設けられており、U字状の先端部20aの内周側の間隙を埋めるようにかまぼこ形状に設けられている。この肉盛部23を設けることにより、肉盛部23とコンタクトアーム20の先端部20aとの間の間隙が小さく設定されている。本実施形態においては肉盛部23とコンタクトアーム20の先端部20aとの間のクリアランスが1.4mm以下となるように設定されている。
【0036】
また、突起部22は、図4〜6に示すように、コンタクトアーム20が押し込まれて摺動したときにコンタクトアーム20のU字状の先端部20aが付き当たるものであり、グリップ部12aの反対方向にコンタクトアーム20よりも突出して設けられている。本実施形態においては、この突起部22の高さは約12mmに設定してある。また、この突起部22は、ノーズ部16の先端から斜め35度以上の高さとなるように設定されている(図8(a)参照)。
【0037】
本実施形態に係る打ち込み工具10は、この肉盛部23と突起部22とを備えることにより、打ち込み工具10が落下してコンタクトアーム20に負荷が加えられた場合でもコンタクトアーム20の変形を抑えることができる。
【0038】
以下、本実施形態に係る変形防止機構の作用を説明するに当たり、まずは本実施形態に係る変形防止機構を備えていない従来の打ち込み工具10を落下させた場合の作用について説明する。
【0039】
図18に示すように、肉盛部23や突起部22を備えていない従来の打ち込み工具10において、コンタクトアーム20が急な角度で落下した場合(打ち込み方向が地面に対して35度以上となるような角度で落下した場合)、コンクリート面等にコンタクトアーム20が衝突することで、コンタクトアーム20を摺動させる方向に分力が働くため、コンタクトアーム20が押し込まれて摺動する(図18(b)参照)。その後、摺動しきったところからコンタクトアーム20に負荷がかかり、コンタクトアーム20の先端部20aなどが変形する(図18(c)参照)。
【0040】
また、図19に示すように、従来の打ち込み工具10において、コンタクトアーム20が緩やかな角度で落下した場合(打ち込み方向が地面に対して35度未満となるような角度で落下した場合)、コンクリート面等にコンタクトアーム20が衝突したときに、コンタクトアーム20を摺動させる方向に働く分力が小さいため、コンタクトアーム20が摺動することなくコンタクトアーム20をグリップ部12aの方向に曲げる負荷が加えられ、コンタクトアーム20が変形する。
【0041】
一方、本実施形態に係る変形防止機構は、上記したようなコンタクトアーム20の変形を有効に抑制することができるものである。
【0042】
すなわち、本実施形態に係る突起部22を備えている場合、図7に示すように、コンタクトアーム20が急な角度で落下し、コンクリート面等にコンタクトアーム20が衝突(図7(a)参照)し、コンクリート面等に衝突することでコンタクトアーム20が押し込まれて摺動したときに(図7(b)参照)、突起部22の先端側の当接面22aにコンタクトアーム20の先端部20aが当接するため、コンタクトアーム20を上方向に曲げようとする負荷を突起部22で受けることができ、コンタクトアーム20の変形を抑制することができる(図7(c)参照)。
【0043】
また、図8に示すように、コンタクトアーム20が緩やかな角度で落下した場合においても、突起部22がコンタクトアーム20よりも先に(またはほぼ同時に)接地するので、コンタクトアーム20に直接加えられる負荷を低減させることができ、コンタクトアーム20の変形を抑えることができる。
【0044】
また、本実施形態に係る肉盛部23を備えている場合、図9に示すように、コンタクトアーム20が急な角度で落下し、コンクリート面等にコンタクトアーム20が衝突し(図9(a)参照)、コンクリート面等に衝突することでコンタクトアーム20が押し込まれて摺動し、ノーズ部16の先端がコンタクトアーム20に入り込んだときに(図9(b)参照)、コンタクトアーム20が摺動する範囲のノーズ部16の先端には肉盛部23が形成されている。このように肉盛部23が形成されていることにより、コンタクトアーム20を上方向に曲げようとする負荷を肉盛部23で受けることができ、コンタクトアーム20の変形を抑えることができる(図9(c)参照)。
【0045】
なお、上記図7〜9を用いた説明においては、便宜上、肉盛部23及び突起部22のそれぞれを単体で備えた場合の作用について説明したが、肉盛部23及び突起部22の両者を備えていても互いの機能を減少させるものではない。むしろ、両者を備えることにより、複合的にコンタクトアーム20の変形を抑えることができる。
【0046】
以上説明したように、本実施形態によれば、ノーズ部16の先端にコンタクトアーム20に加えられた負荷を受けるための受部を設けたため、落下時にコンクリート面等にコンタクトアーム20が衝突したとしても、その衝撃による負荷をノーズ部16の先端に設けた受部で吸収できるため、コンタクトアーム20の変形を抑えることができる。
【0047】
また、前記受部としてコンタクトアーム20が押し込まれて摺動したときにコンタクトアーム20のU字状の先端部20aの内側に沿って対向する肉盛部23を設けたため、この肉盛部23によってコンタクトアーム20に加えられた負荷を吸収してコンタクトアーム20の変形を抑えることができる。
【0048】
また、前記受部としてコンタクトアーム20が押し込まれて摺動したときにコンタクトアーム20のU字状の先端部20aが付き当たる突起部22を設けたため、この突起部22によってコンタクトアーム20に加えられた負荷を吸収してコンタクトアーム20の変形を抑えることができる。
【0049】
また、前記突起部22はグリップ部12aの反対方向にコンタクトアーム20よりも突出して設けられているため、グリップ部12aの反対側から打ち込み工具10が落下した場合でも、突起部22がコンタクトアーム20よりも先に接地し、コンタクトアーム20の変形を抑えることができる。
【0050】
なお、本発明の実施形態にとしては、上記に限らない。
【0051】
例えば図10〜12に示すように、突起部22を設けずに肉盛部23のみを設けてもよい。例えば、コンタクトアーム20の線材の太さが太い場合などには、突起部22を設けなくてもコンタクトアーム20の変形を抑えられる場合があり、このような場合には突起部22を省略することで、製造コストを下げることができる。また、突起部22を省略してノーズ部16を小さくすることで、ノーズ部16を狭い場所に入り込ませ易くなるとともに、打ち込み箇所を狙い易くすることができる。
【0052】
また、図13に示すように、突起部22をコンタクトアーム20の先端部20a全体を受けるように形成し、コンタクトアーム20の負荷を受ける面積を大きくしてもよい。
【0053】
また、図14に示すように、複数の突起部22を設け、コンタクトアーム20の負荷を複数の位置で受けるようにしてもよい。
【0054】
また、図15及び図16に示すように、肉盛部23に溝部23aを設けてもよい。言い換えると、肉盛部23は、コンタクトアーム20のU字状の先端部20aの内側に沿って対向するノーズ部16の先端の全域に設ける態様に限らず、その一部に設けるようにしてもよい。
【0055】
また、図17に示すように、コンタクトアーム20の先端部20aをコ字状に近いU字状とし、このコンタクトアーム20の先端部20aの形状に合わせて肉盛部23の形状もコ字状に近いU字状としてもよい。
【0056】
また、コンタクトアーム20の先端部20aは、U字状に限らず、V字状としてもよい。
【0057】
また、上記した実施形態においては、コンタクトアーム20は、ノーズ部16の両側に延びる2本のワイヤ状のアームの先端部20aがつながった形状となっているが、これに限らない。例えば、ノーズ部16の両側に延びる2本のワイヤ状のアームをノーズ部16内で接続するなどし、先端部20aを離間させた略U字状としてもよい。
【0058】
なお、上記した実施形態においては、圧縮空気で作動する打ち込み工具10を例にしたが、本発明の実施形態としてはこれに限らず、コンタクトアーム20を備えた打ち込み工具10でありさえすればよい。例えば、電動式の打ち込み工具10やガス燃焼式の打ち込み工具10などにも適用することができる。
【符号の説明】
【0059】
10 打ち込み工具
11 ボデーハウジング
12 グリップハウジング
12a グリップ部
13 打撃シリンダ
14 ドライバ
15 打撃ピストン
16 ノーズ部
17 射出口
18 マガジン
19 トリガ
20 コンタクトアーム
20a 先端部
22 突起部(受部)
22a 当接面
23 肉盛部(受部)
23a 溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
打ち込み工具のコンタクトアームの変形防止機構であって、
ファスナを被打込材へ向けて打込み案内するノーズ部と、
前記ノーズ部に沿って摺動するコンタクトアームと、
を備え、
前記コンタクトアームは線材で形成されて略U字状の先端部を備えるともに、該先端部は略直角に曲げ加工されており、
前記コンタクトアームが被打込材に押し付けられて摺動したときに、前記コンタクトアームの略U字状の先端部の内側に前記ノーズ部の先端が入り込むように形成されたものであって、
前記ノーズ部の先端に、前記コンタクトアームに加えられた負荷を受けるための受部を設けたことを特徴とする、コンタクトアームの変形防止機構。
【請求項2】
前記受部として、前記コンタクトアームが押し込まれたときに前記コンタクトアームの略U字状の先端部の内側に沿って対向する肉盛部を設けたことを特徴とする、請求項1記載のコンタクトアームの変形防止機構。
【請求項3】
前記受部として、前記コンタクトアームが押し込まれたときに前記コンタクトアームの略U字状の先端部が付き当たる突起部を設けたことを特徴とする、請求項1又は2記載のコンタクトアームの変形防止機構。
【請求項4】
前記突起部は、グリップの反対方向に前記コンタクトアームよりも突出して設けられていることを特徴とする、請求項3記載のコンタクトアームの変形防止機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2013−91131(P2013−91131A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−234855(P2011−234855)
【出願日】平成23年10月26日(2011.10.26)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】