コンテキスト再現システム、コンテキスト再現方法、第1端末装置、第2端末装置、コンテキスト取得装置、または蓄積装置、それらのプログラム
【課題】利用端末を切替えても、ユーザの手間を省き、コンテキストを再現する。
【解決手段】第1端末装置と、第2端末装置と、で構成されるコンテキスト再現システムであって、第1端末装置は、第1実行部の挙動から、直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得し、第2端末装置とコンテキスト情報を同期させ、第2端末装置は、同期されたコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を第2実行部に再現させる。
【解決手段】第1端末装置と、第2端末装置と、で構成されるコンテキスト再現システムであって、第1端末装置は、第1実行部の挙動から、直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得し、第2端末装置とコンテキスト情報を同期させ、第2端末装置は、同期されたコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を第2実行部に再現させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが複数の端末を切替えてアプリケーションを使用する場合に用いるコンテキスト再現システム、コンテキスト再現方法、第1端末装置、第2端末装置、コンテキスト取得装置、または蓄積装置、それらのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ユーザは、携帯電話やPC(personal computer)などの端末装置で、メールや、Webブラウザなどのアプリケーションを利用している。ユーザは、複数の端末を切替えて、使用しているアプリケーションについて1つの手順を行わなければならない場合がある。例えば、ユーザがPCでWebブラウザを使用してWebサイトXを閲覧している途中に、外出し、外出先において携帯電話でWebブラウザを使用してWebサイトXを閲覧する場合がある。この例では、ユーザはPCから携帯電話に端末を切替えている。
【0003】
このような場合に対応するために、様々な手法が提案されている。非特許文献1では、アプリケーション個別の使用履歴情報を複数の端末間で同期させる手法(以下、「従来技術1」という。)が提案されている。使用履歴情報とは、使用しているアプリケーションがWebブラウザである場合には、ユーザがこのWebブラウザで過去に閲覧したWebサイトの履歴情報(例えば、過去に閲覧していたWebサイトのURL)を示す。ここでは、利用しているアプリケーションをWebブラウザとし、ユーザはPCでWebブラウザを利用しており、途中から使用端末を切替えて携帯電話で当該Webブラウザを利用する場合を考える。この場合には、従来技術1により、PCと携帯電話との間で使用履歴情報を同期させる。また使用履歴情報の同期の手法の一例が非特許文献2に記載されている。
【0004】
また、非特許文献3では、リモートデスクトップについて記載されている(以下、従来技術2)という)。このリモートデスクトップの一例を簡単に説明する。例えば、ユーザが自宅に固定設置されているPC(以下、自宅PCという。)と携帯可能なPC(以下、「携帯PC」という。)を所有しており、携帯PCから自宅PCへのリモートデスクトップでの接続を行えるようにし、ユーザは携帯PCを保持して外出している場合を考える。この場合に、ユーザはリモートデスクトップ機能により、外出先で携帯PCから自宅PCへアクセスすることができ、自宅PCでのアプリケーションを携帯PCでも利用できるようになる。換言すると、リモートデスクトップとは、自宅PCをサーバ化させ、アプリケーションは自宅PCで実行し、実行画面のみを携帯PCへ送信する技術である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】”携帯シンク for windows 2005”[online][平成21年2月6日検索]、インターネット〈URL:http://www.reudo.co.jp/ksync_win/outline.html〉
【非特許文献2】”Open mobile Alliance”[online][平成21年2月6日検索]、インターネット〈URL:http://www.openmobilealliance.org/tech/affiliates/syncml/syncmlindex.html〉
【非特許文献3】”Windows XP Professional”[online][平成21年2月6日検索]、インターネット〈URL:http://www.microsoft.com/japan/windowsxp/pro/business/feature/remote/remotedesktop.mspx〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術1では、PCから携帯電話への端末の切替え後、PCと携帯電話とで使用履歴情報を同期させるという手間がある。また、ユーザはPCで利用していたアプリケーション(上記例ではWebブラウザ)を携帯電話で起動させるという手間がある。また、ユーザは、同期された使用履歴情報から最新の履歴を選択しなければならないという手間がある。ユーザが複数のアプリケーションを利用しており、別端末で当該複数のアプリケーションを利用する場合には、これらの手間は頗る多くなる。
【0007】
また、従来技術2では、リモートデスクトップ技術を使用するためには、上記の例ではユーザは自宅PCを常に起動させておかなければならず、コスト高になるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、ユーザの手間を省き、かつ、端末を常に起動させることなく、端末を切替えても、利用していたアプリケーションを引き続き利用できるコンテキスト再現システム、コンテキスト再現方法、端末装置、プログラムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のコンテキスト再現システムは、第1端末装置と、第2端末装置と、を有する。第1端末装置は、第1実行部と、取得部と、第1同期部と、を有する。第1実行部は、アプリケーションを実行する。取得部は、第1実行部の挙動から、直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する。第1同期部は、第2同期部とコンテキスト情報を同期させる。第2端末装置は、第2実行部と、第2同期部と、再現部と、を有する。第2実行部は、アプリケーションを実行する。再現部は、同期されたコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を第2実行部に再現させると、を有することを特徴とするコンテキスト再現システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明のコンテキスト再現システムでは、第1端末装置と第2端末装置との間で、コンテキスト情報を同期させることで、ユーザの手間を省き、かつ、端末を常に起動させることなく、端末を切替えても利用していたアプリケーションを引き続き利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施例のコンテキスト再現システムの機能構成例を示す図。
【図2】本実施例の第1端末装置などの機能構成例を示す図。
【図3】本実施例のコンテキスト再現方法の処理フローを示す図。
【図4】アプリケーションごとに同期するタイミングなどを示した図。
【図5】コンテキスト履歴情報の一例を示した図。
【図6】その他の実施例のコンテキスト再現システムの機能構成例を示す図。
【図7】その他の第1端末装置などの機能構成例を示す図。
【図8】その他のコンテキスト再現方法の処理フローの前編を示す図。
【図9】その他のコンテキスト再現方法の処理フローの後編を示す図。
【図10】その他の実施例のコンテキスト再現システムの機能構成例を示す図。
【図11】その他の第1端末装置などの機能構成例を示す図。
【図12】その他のコンテキスト再現方法の処理フローを示す図。
【図13】その他の実施例のコンテキスト再現システムの機能構成例を示す図。
【図14】その他の第1端末装置などの機能構成例を示す図。
【図15】その他のコンテキスト再現方法の処理フローの前編を示す図。
【図16】その他のコンテキスト再現方法の処理フローの後編を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、発明を実施するための形態を示す。なお、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行う過程には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例1】
【0013】
図1に実施例1のコンテキスト再現システム1000の機能構成例を示す。コンテキスト再現システム1000では、第1端末装置100と第2端末装置200とがネットワーク網50で結ばれている。また、第1端末装置100、第2端末装置200ともに、複数存在するが、この実施例および図1では、第1端末装置100、第2端末装置200ともに1個ずつの場合を示す。この例では、第1端末装置100、第2端末装置200は、同一のユーザが所有しているものとする。この例では第1端末装置100をPCとし、第2端末装置200を携帯電話とする。そして、ユーザが利用しているアプリケーションをWebブラウザとし、ユーザが第1端末装置100で、Webブラウザを利用してWebサイトXを閲覧しており、途中から第2端末装置200に使用端末を切替えて、第2端末装置200で同一のWebサイトXを閲覧する場合を考える。
【0014】
また、図2に第1端末装置100、第2端末装置200の機能構成例を示す。図3にコンテキスト再現方法の処理フローを示す。図2に示すように、第1端末装置100は、第1実行部102と、取得部104と、第1同期部106と、記憶部108とを有する。第2端末装置200は、第2実行部206と、再現部204と、第2同期部202と、を有する。
【0015】
第1実行部102は、アプリケーションを実行する。上述のように、ユーザが利用しているアプリケーションがWebブラウザである場合には、第1実行部102はWebブラウザとなる。第1実行部102は、図示しないWebサーバへ要求信号を送信し、WebサーバからWebサービス(Webサイト)が提供される。取得部104は、第1実行部102の挙動を監視しており、過去の直近のコンテキスト情報Aを取得する。
【0016】
ここで、コンテキストとは、アプリケーション識別情報αとアプリケーション状態情報βと対応付けられたものである。アプリケーション識別情報αとは、ユーザが利用していたアプリケーション(上記の例ではWeb)を識別するための情報(識別子)である。アプリケーションの状態情報βとは、アプリケーションの状態を示す情報であり、例えば、アプリケーションがWebであれば、アプリケーション状態情報βはWebのURLとなる。アプリケーションの状態とは、アプリケーションの実行の状態とアプリケーションが扱っているデータ(アプリケーションがWebの場合には、Webサイト中のWebページ)の状態の両方を含む。また、換言すると、コンテキストとは、端末の状態でユーザの要求に応じるものとも言える。コンテキスト情報とはコンテキストを示す情報である。
【0017】
つまり、取得部104が取得する「直近のコンテキスト情報A」とは、ユーザが直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報αと、当該アプリケーション識別情報と対応付けられているアプリケーション状態情報βとである。そして、取得部104が直近のコンテキスト情報Aを取得すると(ステップS102)、取得部104は、取得したコンテキスト情報Aを第1同期部106に送信する(ステップS104)。
【0018】
第1同期部106は取得部104からのコンテキスト情報Aを受信すると、第1同期部106は第2同期部202とコンテキスト情報Aを同期させる。このように、同期させるタイミングとして、第1同期部106は、直近のコンテキスト情報を受信する度に、当該受信したコンテキスト情報を第2同期部202と同期させる。
【0019】
ここで、いくつかのアプリケーションについて、アプリケーション種別、第1同期部の同期するタイミング、アプリケーション識別情報α、アプリケーション状態情報β、をまとめた表を図4に示す。例えば、アプリケーション種別が「メール」である場合には、同期するタイミングを「メールを選択したとき」つまり、直近のコンテキスト情報を受信した時点とする。また、アプリケーション識別情報はα2となり、アプリケーション状態情報βは、直近に使用していたメールとなる。また、同期するタイミングについては、これに限られず、ある一定の時間Tごとに同期するようにしてもよい。また、ユーザの所望するタイミングで同期させるようにしてもよい。この場合は、第1端末装置100に入力部(図示せず)を設け、第1同期部106に同期処理をさせる同期指示情報をユーザに入力部から入力させるようにしても良い。
【0020】
同期されたコンテキスト情報Aは、一旦、蓄積部208に記憶される。また、第1同期部106と第2同期部202との同期処理については、非特許文献2に記載されている技術などを用いれば良い。
【0021】
一方、ユーザが第2端末装置200の操作を開始すると(例えば、ユーザが携帯電話の電源を入れると)、第2端末装置200の情報生成部210が操作開始情報Bを生成し、再現部204に送信する。再現部204が操作開始情報Bを受信すると(ステップS108)、コンテキスト情報要求情報Cを生成し、第2同期部202に送信する(ステップS110)。第2同期部202がコンテキスト情報要求情報Cを受信すると、第2同期部202は、蓄積部208に記憶されている、直近に同期されたコンテキスト情報Aを再現部204に送信する(ステップS112)。
【0022】
ここで、当該直近に同期されたコンテキスト情報Aとは、ユーザが直近に第1端末装置100で利用していたアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報αと、当該アプリケーションの状態を示すアプリケーション状態情報(当該アプリケーション識別情報αと対応するアプリケーション状態情報)βである。再現部204は、受信したアプリケーション識別情報αについてのアプリケーションを作動させ、アプリケーション状態情報βを第2実行部206に再現させる。このようにして、コンテキストを自動化して再現できる。つまり、アプリケーションの作動、アプリケーションの状態の再現を自動化でき、ユーザはアプリケーションの作動、最新の履歴の選択を行わなくても良い。
【0023】
例えば、アプリケーションがWebである場合を考える。この場合に、図4の例では、アプリケーション識別情報はα3となり、アプリケーション状態情報βは「直近に閲覧していたWebのURL」となる。そして、再現部204は、このアプリケーション識別情報α4に基づいて、第2実行部206をWebサーバとして起動させる。Webサーバとしての第2実行部206は受信したURL(アプリケーション状態情報β)に基づいて、Webサーバ装置(図示せず)からWebサービスを受信する。つまり、ユーザは、第1端末装置で閲覧していたWebサイトXを閲覧していた場合に、第1端末装置(PC)から第2端末装置(携帯電話)に端末を切替えても、自動的にWebサーバを起動させることができ、WebサイトXを自動取得できるため、WebサイトXを閲覧することができる。
【0024】
従来技術1において、同期をさせる情報とは使用履歴情報であった。一方、本願の発明での同期をさせるコンテキスト情報Aとは、直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報αと、直近に利用したアプリケーション状態情報βである。従って、アプリケーションの起動の自動化、アプリケーション状態の再現の自動化を図ることができ、従来と比べて、ユーザの手間を削減できる。また、本願の発明で同期させていたコンテキスト情報Aは、従来同期させていた使用履歴情報よりも容量は少ない。従って、本願のコンテキスト再現システムにより、同期させる情報の容量も削減できる。
【0025】
また、上記では、ユーザが利用していたアプリケーションが1つの場合を説明したが、ユーザが利用していたアプリケーションが2つ以上の場合にも、この発明を適用することができる。この場合には利用していたアプリケーション毎のコンテキスト情報を第1端末装置と第2端末装置とで同期させればよい。従って、ユーザが利用するアプリケーション数が2以上になると、従来技術1と比較して、ユーザの手間、同期させる情報の容量を更に削減できる。
【実施例2】
【0026】
実施例1では、第1端末装置と第2端末装置とで同期させたコンテキスト情報Aを用いた。この実施例2では、過去のコンテキスト情報Aを消去せずに、第2端末装置200の蓄積部208に同期させたコンテキスト情報Aが保存され、コンテキスト履歴情報Dとして蓄積される。そして、コンテキスト履歴情報Dを用いて、ユーザが所望するコンテキスト情報について再現する。以下では、コンテキスト履歴情報Dからユーザが所望するコンテキスト情報の再現手法を2つ説明するが、これらの手法には限られない。システム構成図は図1を用い、第1端末装置100などの機能構成例は図2を用い、処理フローは図3を用いる。
【0027】
第1の再現手法は、ユーザの使用頻度の高いコンテキスト情報をコンテキスト履歴情報Dから選択して、再現するものである。図5にコンテキスト履歴情報Dの一例を示す。図5の例では、コンテキスト履歴情報Dは、アプリケーション識別情報α、当該アプリケーション識別情報αが示すアプリケーションを利用した日付、当該アプリケーションのアプリケーション状態情報βとを対応付けたものである。また、第1端末装置が複数ある場合には、第1端末装置の識別子も対応付けられる。
【0028】
再現部204は、コンテキスト履歴情報D中の、ユーザが最も多く利用したコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を第2実行部206に再現させる。具体的には、ステップS110で、再現部204がコンテキスト情報要求情報Cを送信すると、ステップS112で第2同期部202は、ユーザの使用頻度の高いコンテキスト情報Aを送信すればよい。具体的な処理として、第2同期部202は、コンテキスト履歴情報D中の重複しているコンテキスト情報Aにおいて、重複している数を計測し、その数が最も多いアプリケーションについてのコンテキスト情報を抽出して、送信する。図5の例では、ユーザの使用頻度の高いコンテキスト情報とは、アプリケーション識別情報がα3であるWebのアプリケーションについて、アプリケーション状態情報βが「http://γ1」のコンテキスト情報になる。従って、第2同期部202は、アプリケーション識別情報α3とアプリケーション状態情報「http://γ1」をコンテキスト情報として、再現部204に送信する。そして、再現部204が当該コンテキスト情報を受信すると、第2実行部206に受信したコンテキスト情報について再現させる。この第1の手法によれば、コンテキスト履歴情報Dから、ユーザの使用頻度の高いコンテキスト情報を第2実行部206により再現できる。
【0029】
第2の再現手法では、ユーザの現在の位置に関連するコンテキスト情報について再現部204が再現するものである。この場合には、図1に示すように、第2端末装置200は破線で示す検出部212を有する。検出部212はユーザの位置を検出するものであり、例えば、GPS機能を有する。
【0030】
検出部212が、ユーザの現在位置を検出することで、ユーザ位置情報Eを生成し、再現部204に送信する。再現部204は、ユーザ位置情報Eから、ユーザの現在位置する場所に関連するコンテキスト情報Aを要求するためのコンテキスト情報要求情報Cを第2同期部202に送信する。第2同期部202は、蓄積部208に蓄積されているコンテキスト履歴情報Dから、ユーザの現在位置に関連するコンテキスト情報を抽出して、再現部204に送信する。
【0031】
ここで、第2同期部202のユーザ現在位置に関連するコンテキスト情報の取り出す手法について説明する。例えば、アプリケーションがWebの場合を考える。この場合には、第2同期部202は、コンテキスト履歴情報D中のコンテキスト情報から、Webサイト(アプリケーション状態情報β)がユーザ現在位置に関連するコンテキスト情報を取り出し、再現部204に送信する。再現部204は受信したコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を第2実行部206に再現させる。
【0032】
この第2の再現手法を用いれば、例えば、ユーザが、ある駅Fの近くにいる場合には、ユーザ位置情報Eが駅F付近を示す情報となり、再現部204は、駅Fに関係するWebサイトを第2実行部206に再現させることができる。また、ユーザがある店舗Kの近くにいる場合には、ユーザ位置情報Eが店舗K付近を示す情報となり、再現部204は、店舗Kに関係するWebサイトを第2実行部206に再現させることができる。
【0033】
このように、コンテキスト情報を、コンテキスト履歴情報Dとして蓄積部208に蓄積し、第1の再現手法、第2の再現手法などを用いることで、ユーザが第1端末装置から第2端末装置に切替えた場合であっても、ユーザが所望するコンテキストを再現できる。また、ユーザが所望するコンテキストの再現手法は、第1、第2の再現手法に限られない。
【実施例3】
【0034】
実施例1で説明した第1端末装置100が例えば携帯電話の場合には、携帯電話の機能上の制限より、取得部104、第1同期部106を搭載させることが困難である場合がある。この実施例3のコンテキスト再現システムは、このような問題がある場合であっても、適切に、コンテキスト再現を行うことができるものである。
【0035】
実施例3のコンテキスト再現システム2000の機能構成例を図6に示し、図7に第1端末装置300等の機能構成例を示し、図8、図9にそれぞれ処理フローの前半、後半を示す。この実施例3のコンテキスト再現システム2000は、実施例1のコンテキスト再現システム1000と比較して、新たに、コンテキスト取得装置400を有する。コンテキスト取得装置400は、取得部104と第1同期部106と記憶部108と送受信部402とを有する。また、アプリケーション装置500は、第1端末装置300に、ユーザが所望するアプリケーションを提供するものである。例えば、アプリケーションがWebである場合には、アプリケーション装置500はWebサーバである。
【0036】
まず、第1端末装置300の情報生成部110は、ユーザが利用を所望するアプリケーションを要求するためのアプリケーション要求情報Gを生成し、送受信部304がコンテキスト取得装置400に送信する(ステップS202)。そして、コンテキスト取得装置400の送受信部402は、アプリケーション要求情報Gを受信する。取得部104は、送受信部402の挙動を監視しており、送受信部402が受信したアプリケーション要求情報Gのアプリケーション識別情報αとアプリケーション状態情報βをコンテキスト情報Aとして取得する(ステップS204)。このように、コンテキスト取得装置400の取得部104がコンテキスト情報を取得するために、第1端末装置300からのアプリケーション要求情報Gは、アプリケーション装置500に送信されずに、コンテキスト取得装置400に送信される。
【0037】
また、送受信部402は受信したアプリケーション要求情報Gをアプリケーション装置に送信する。アプリケーション装置500の送受信部502がアプリケーション要求情報Gを受信すると、アプリケーション提供部504は、送受信部502経由でアプリケーション情報Hをコンテキスト取得装置400に送信する(ステップS206)。
【0038】
ここで、アプリケーション情報とは、そのアプリケーションについてユーザが所望する情報であり、例えば、アプリケーションがWebであれば、アプリケーション情報とはWebサイトである。
【0039】
コンテキスト取得装置400の送受信部402は、アプリケーション装置500からのアプリケーション情報Hを第1端末装置300に送信する(ステップS208)。
【0040】
取得部104が取得したコンテキスト情報Aを第1同期部106は、第2同期部202と同期させる(ステップS106)。以降の処理は、実施例1で説明した通りなので省略する。
【0041】
このように、例えば、第1端末装置300が携帯電話の場合に、機能上の制限があり、取得部104、第1同期部106を搭載させることができない場合であっても、コンテキスト取得装置を新たに設けることで、実施例1同様のコンテキスト再現処理を行うことができる。
【実施例4】
【0042】
実施例2で説明した第2端末装置200は蓄積部208を有する。しかし、第2端末装置200の数が多い場合には、蓄積部208を別装置に具備させることが好ましい。また、第2端末装置200が携帯電話の場合には、機能的な制限があり、蓄積部208を設けることが困難な場合がある。このような場合には、第2端末装置200に蓄積部208を設けずに、コンテキスト履歴情報Dの蓄積処理を代理する蓄積装置700に蓄積部208を新たに設ければよい。以下、詳細に説明する。
【0043】
図10に、実施例4のコンテキスト再現システム3000の機能構成例を示し、図11に第1端末装置100などの機能構成例を示し、図12に処理フローを示す。図10に示すように、第1端末装置300、第2端末装置800、蓄積装置700とがネットワーク網50で接続されている。蓄積装置700は第2同期部202、蓄積部208、送受信部706を有する。
【0044】
ステップS102、ステップS104の処理は、実施例1で説明した通りなので、省略する。ステップS106として、第1同期部106は、蓄積装置700中の第2同期部202とコンテキスト情報を同期させる。同期させたコンテキスト情報はコンテキスト履歴情報Dとして、蓄積部704に蓄積される(ステップS302)。
【0045】
次に、第2端末装置200の情報生成部210は、コンテキスト履歴情報を要求するためのコンテキスト履歴情報要求情報Iを生成し、送受信部802経由で蓄積装置700に送信する(ステップS304)。蓄積装置700の送受信部706がコンテキスト履歴情報要求情報Iを受信すると、送受信部706は、直近に蓄積されたコンテキスト履歴情報Dを第2端末装置800に送信する(ステップS306)。第2端末装置800の送受信部802がコンテキスト履歴情報Dを受信すると、再現部804は、上述した第1の再現手法、第2の再現手法などを用いて、第2実行部206にコンテキストを再現させる(ステップS308)。
【0046】
このようにコンテキスト履歴情報Dを扱う場合に、第2端末装置の数が多くなったとしても、コンテキスト履歴情報Dの蓄積処理を代理する蓄積装置700を設けることで、コンテキスト再現処理を円滑に行うことができる。
【0047】
また、実施例3で説明したコンテキスト取得装置400を設ける構成と、この実施例4で説明した蓄積装置700を設ける構成と、を統合したコンテキスト再現システム4000を構成することも可能である。図13にコンテキスト再現システム4000の機能構成例を示し、図14に第1端末装置300等の機能構成例を示し、図15、図16に処理フローを示す。コンテキスト再現システム4000は、第1端末装置300、コンテキスト取得装置400、アプリケーション装置500、蓄積装置700、第2端末装置800により構成される。詳細については、上述したとおりなので、省略する。
【実施例5】
【0048】
第1端末装置が携帯電話、第2端末装置がPCである場合を考える。通常、ユーザはPCではWebブラウザやメール機能を用いるが、電話機能を用いない。そこで、この実施例5では、第1端末装置では使用できるが、第2端末装置では使用できないアプリケーションのコンテキスト情報については、取得部104が取得しないコンテキスト再現システムについて説明する。
【0049】
具体的な構成としては、図2などに示すように、第1端末装置100に設けられている取得部104または、コンテキスト取得装置400に設けられている取得部104に第1設定手段1040を設ける。第1設定手段1040は、取得部104に予め定められたアプリケーションについてのコンテキスト情報を取得させる。予め定められたアプリケーションとは、ユーザが所望するアプリケーションであり、例えば、第1端末装置および第2端末装置で使用するアプリケーションである。
【0050】
詳細に説明すると、第1設定手段1040は、取得部104に第1端末装置では使用するが、第2端末装置では使用しないアプリケーションについてのコンテキスト情報を取得させずに、第1端末装置および第2端末装置で使用するアプリケーションについてのコンテキスト情報を取得させる。ユーザは予め第1端末装置では用いるが、第2端末装置では用いないアプリケーション(電話機能など)を第1設定手段1040に設定する。第1設定手段1040は、当該設定したアプリケーションのコンテキスト情報について取得部104に設定させないようにする。
【0051】
このように、取得部104は、第1設定手段1040を有することで、必要のないコンテキスト情報を取得することがない。取得部104がコンテキスト情報を取得するたびに、第1同期部と第2同期部とがコンテキスト情報を同期する構成である場合には、同期回数を削減できる。また、ある一定時間Tごとに第1同期部と第2同期部とがコンテキスト情報を同期する構成である場合には、このコンテキスト情報の情報量を削減できる。
【実施例6】
【0052】
第1端末装置で利用できるアプリケーションのコンテキストを第2端末装置で再現させると第2端末装置の容量の問題などで、第2端末装置に不具合が生じる場合を考える。この実施例6では、第1端末装置では使用するが、第2端末装置では使用できないアプリケーションについてのコンテキストを再現させないものである。具体的な構成としては、第2端末装置内の再現部204は、図2などに示すように第2設定手段2040を有する。第2設定手段2040は、再現部204に予め定められたアプリケーションについてのアプリケーション状態情報を再現させる。ここで、予め定められたアプリケーションとは、ユーザが所望するアプリケーションであり、具体的には、第1端末装置および第2端末装置で使用するアプリケーションである。また、第2設定手段2040は、再現部204に第1端末装置では使用するが、第2端末装置では使用しないアプリケーションについては再現させない。
【0053】
第1端末装置で利用できるアプリケーションのコンテキストを第2端末装置で再現させると第2端末装置の容量の問題などで、第2端末装置に不具合が生じる場合であっても、第2設定手段2040により再現するコンテキストを制限することで、第2端末装置に不具合が生じないようにすることができる。
【実施例7】
【0054】
この実施例7では、第1端末装置が携帯電話である場合を考える。この場合に、第1端末装置が予め定められた状態になった時点で、第1同期部106と第2同期部202とを同期させる。ここで、予め定められた状態とは、ユーザが例えば当該携帯電話を使用し終わった(携帯電話の電源を切り終わった)状態である。つまり、携帯電話を使用し終わった時点で、第1同期部106と第2同期部202とを同期させる。このようにすることで、第1端末装置と第2端末装置との同期コスト(例えば、第1端末装置の消費電力)を削減できる。
【0055】
具体的な構成を説明すると、第1端末装置100は情報生成部110を有する。そして、情報生成部110は、第1端末装置100が予め定められた状態(例えば、第1端末装置の使用が終わった状態)になると、端末状態情報Jを生成する。そして、情報生成部110は、第1同期部106に端末状態情報Jを送信する。第1同期部106が端末状態情報Jを受信すると、第1同期部106は第2同期部202と同期を行う。また、実施例2や実施例4のように、第1端末装置100が情報生成部110を有し、コンテキスト取得装置400が第1同期部106を有する構成の場合には、情報生成部110はネットワーク網50を通じて端末状態情報Jを第1同期部106に送信すれば良い。また、第1端末装置の使用が終わった時点で、情報生成部110が端末状態情報Jを生成する例を説明したが、端末状態情報Jを生成するタイミングについては、ユーザが自由に設定すればよい。
【0056】
このように、第1端末装置が予め定められた状態になった時点で、第1同期部106が同期を行うようにすれば、第1端末装置の同期コストを削減できる。
【0057】
<ハードウェア構成>
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。また、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0058】
また、上述の構成をコンピュータによって実現する場合、第1端末装置、第2端末装置、コンテキスト取得装置、蓄積装置(以下、「第1端末装置など」という。)が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0059】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記憶しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよいが、具体的には、例えば、磁気記憶装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0060】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記憶したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0061】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記憶されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
【0062】
また、本実施例で説明した第1端末装置などは、CPU(Central Processing Unit)、入力部、出力部、補助記憶装置、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及びバスを有している(何れも図示せず)。
【0063】
CPUは、読み込まれた各種プログラムに従って様々な演算処理を実行する。補助記憶装置は、例えば、ハードディスク、MO(Magneto-Optical disc)、半導体メモリ等であり、RAMは、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM (Dynamic Random Access Memory)等である。また、バスは、CPU、入力部、出力部、補助記憶装置、RAM及びROMを通信可能に接続している。
【0064】
<ハードウェアとソフトウェアとの協働>
本実施例の単語追加装置は、上述のようなハードウェアに所定のプログラムが読み込まれ、CPUがそれを実行することによって構築される。以下、このように構築される各装置の機能構成を説明する。
【0065】
第1端末装置などの送受信部は、所定のプログラムが読み込まれたCPUの制御のもと駆動するLANカード、モデム等の通信装置である。その他の構成部は、所定のプログラムがCPUに読み込まれ、実行されることによって構築される演算部である。記憶部、蓄積部は前記補助記憶装置として機能する。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザが複数の端末を切替えてアプリケーションを使用する場合に用いるコンテキスト再現システム、コンテキスト再現方法、第1端末装置、第2端末装置、コンテキスト取得装置、または蓄積装置、それらのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、ユーザは、携帯電話やPC(personal computer)などの端末装置で、メールや、Webブラウザなどのアプリケーションを利用している。ユーザは、複数の端末を切替えて、使用しているアプリケーションについて1つの手順を行わなければならない場合がある。例えば、ユーザがPCでWebブラウザを使用してWebサイトXを閲覧している途中に、外出し、外出先において携帯電話でWebブラウザを使用してWebサイトXを閲覧する場合がある。この例では、ユーザはPCから携帯電話に端末を切替えている。
【0003】
このような場合に対応するために、様々な手法が提案されている。非特許文献1では、アプリケーション個別の使用履歴情報を複数の端末間で同期させる手法(以下、「従来技術1」という。)が提案されている。使用履歴情報とは、使用しているアプリケーションがWebブラウザである場合には、ユーザがこのWebブラウザで過去に閲覧したWebサイトの履歴情報(例えば、過去に閲覧していたWebサイトのURL)を示す。ここでは、利用しているアプリケーションをWebブラウザとし、ユーザはPCでWebブラウザを利用しており、途中から使用端末を切替えて携帯電話で当該Webブラウザを利用する場合を考える。この場合には、従来技術1により、PCと携帯電話との間で使用履歴情報を同期させる。また使用履歴情報の同期の手法の一例が非特許文献2に記載されている。
【0004】
また、非特許文献3では、リモートデスクトップについて記載されている(以下、従来技術2)という)。このリモートデスクトップの一例を簡単に説明する。例えば、ユーザが自宅に固定設置されているPC(以下、自宅PCという。)と携帯可能なPC(以下、「携帯PC」という。)を所有しており、携帯PCから自宅PCへのリモートデスクトップでの接続を行えるようにし、ユーザは携帯PCを保持して外出している場合を考える。この場合に、ユーザはリモートデスクトップ機能により、外出先で携帯PCから自宅PCへアクセスすることができ、自宅PCでのアプリケーションを携帯PCでも利用できるようになる。換言すると、リモートデスクトップとは、自宅PCをサーバ化させ、アプリケーションは自宅PCで実行し、実行画面のみを携帯PCへ送信する技術である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】”携帯シンク for windows 2005”[online][平成21年2月6日検索]、インターネット〈URL:http://www.reudo.co.jp/ksync_win/outline.html〉
【非特許文献2】”Open mobile Alliance”[online][平成21年2月6日検索]、インターネット〈URL:http://www.openmobilealliance.org/tech/affiliates/syncml/syncmlindex.html〉
【非特許文献3】”Windows XP Professional”[online][平成21年2月6日検索]、インターネット〈URL:http://www.microsoft.com/japan/windowsxp/pro/business/feature/remote/remotedesktop.mspx〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術1では、PCから携帯電話への端末の切替え後、PCと携帯電話とで使用履歴情報を同期させるという手間がある。また、ユーザはPCで利用していたアプリケーション(上記例ではWebブラウザ)を携帯電話で起動させるという手間がある。また、ユーザは、同期された使用履歴情報から最新の履歴を選択しなければならないという手間がある。ユーザが複数のアプリケーションを利用しており、別端末で当該複数のアプリケーションを利用する場合には、これらの手間は頗る多くなる。
【0007】
また、従来技術2では、リモートデスクトップ技術を使用するためには、上記の例ではユーザは自宅PCを常に起動させておかなければならず、コスト高になるという問題がある。
【0008】
そこで、本発明は、ユーザの手間を省き、かつ、端末を常に起動させることなく、端末を切替えても、利用していたアプリケーションを引き続き利用できるコンテキスト再現システム、コンテキスト再現方法、端末装置、プログラムを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明のコンテキスト再現システムは、第1端末装置と、第2端末装置と、を有する。第1端末装置は、第1実行部と、取得部と、第1同期部と、を有する。第1実行部は、アプリケーションを実行する。取得部は、第1実行部の挙動から、直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する。第1同期部は、第2同期部とコンテキスト情報を同期させる。第2端末装置は、第2実行部と、第2同期部と、再現部と、を有する。第2実行部は、アプリケーションを実行する。再現部は、同期されたコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を第2実行部に再現させると、を有することを特徴とするコンテキスト再現システム。
【発明の効果】
【0010】
本発明のコンテキスト再現システムでは、第1端末装置と第2端末装置との間で、コンテキスト情報を同期させることで、ユーザの手間を省き、かつ、端末を常に起動させることなく、端末を切替えても利用していたアプリケーションを引き続き利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施例のコンテキスト再現システムの機能構成例を示す図。
【図2】本実施例の第1端末装置などの機能構成例を示す図。
【図3】本実施例のコンテキスト再現方法の処理フローを示す図。
【図4】アプリケーションごとに同期するタイミングなどを示した図。
【図5】コンテキスト履歴情報の一例を示した図。
【図6】その他の実施例のコンテキスト再現システムの機能構成例を示す図。
【図7】その他の第1端末装置などの機能構成例を示す図。
【図8】その他のコンテキスト再現方法の処理フローの前編を示す図。
【図9】その他のコンテキスト再現方法の処理フローの後編を示す図。
【図10】その他の実施例のコンテキスト再現システムの機能構成例を示す図。
【図11】その他の第1端末装置などの機能構成例を示す図。
【図12】その他のコンテキスト再現方法の処理フローを示す図。
【図13】その他の実施例のコンテキスト再現システムの機能構成例を示す図。
【図14】その他の第1端末装置などの機能構成例を示す図。
【図15】その他のコンテキスト再現方法の処理フローの前編を示す図。
【図16】その他のコンテキスト再現方法の処理フローの後編を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、発明を実施するための形態を示す。なお、同じ機能を持つ構成部や同じ処理を行う過程には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
【実施例1】
【0013】
図1に実施例1のコンテキスト再現システム1000の機能構成例を示す。コンテキスト再現システム1000では、第1端末装置100と第2端末装置200とがネットワーク網50で結ばれている。また、第1端末装置100、第2端末装置200ともに、複数存在するが、この実施例および図1では、第1端末装置100、第2端末装置200ともに1個ずつの場合を示す。この例では、第1端末装置100、第2端末装置200は、同一のユーザが所有しているものとする。この例では第1端末装置100をPCとし、第2端末装置200を携帯電話とする。そして、ユーザが利用しているアプリケーションをWebブラウザとし、ユーザが第1端末装置100で、Webブラウザを利用してWebサイトXを閲覧しており、途中から第2端末装置200に使用端末を切替えて、第2端末装置200で同一のWebサイトXを閲覧する場合を考える。
【0014】
また、図2に第1端末装置100、第2端末装置200の機能構成例を示す。図3にコンテキスト再現方法の処理フローを示す。図2に示すように、第1端末装置100は、第1実行部102と、取得部104と、第1同期部106と、記憶部108とを有する。第2端末装置200は、第2実行部206と、再現部204と、第2同期部202と、を有する。
【0015】
第1実行部102は、アプリケーションを実行する。上述のように、ユーザが利用しているアプリケーションがWebブラウザである場合には、第1実行部102はWebブラウザとなる。第1実行部102は、図示しないWebサーバへ要求信号を送信し、WebサーバからWebサービス(Webサイト)が提供される。取得部104は、第1実行部102の挙動を監視しており、過去の直近のコンテキスト情報Aを取得する。
【0016】
ここで、コンテキストとは、アプリケーション識別情報αとアプリケーション状態情報βと対応付けられたものである。アプリケーション識別情報αとは、ユーザが利用していたアプリケーション(上記の例ではWeb)を識別するための情報(識別子)である。アプリケーションの状態情報βとは、アプリケーションの状態を示す情報であり、例えば、アプリケーションがWebであれば、アプリケーション状態情報βはWebのURLとなる。アプリケーションの状態とは、アプリケーションの実行の状態とアプリケーションが扱っているデータ(アプリケーションがWebの場合には、Webサイト中のWebページ)の状態の両方を含む。また、換言すると、コンテキストとは、端末の状態でユーザの要求に応じるものとも言える。コンテキスト情報とはコンテキストを示す情報である。
【0017】
つまり、取得部104が取得する「直近のコンテキスト情報A」とは、ユーザが直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報αと、当該アプリケーション識別情報と対応付けられているアプリケーション状態情報βとである。そして、取得部104が直近のコンテキスト情報Aを取得すると(ステップS102)、取得部104は、取得したコンテキスト情報Aを第1同期部106に送信する(ステップS104)。
【0018】
第1同期部106は取得部104からのコンテキスト情報Aを受信すると、第1同期部106は第2同期部202とコンテキスト情報Aを同期させる。このように、同期させるタイミングとして、第1同期部106は、直近のコンテキスト情報を受信する度に、当該受信したコンテキスト情報を第2同期部202と同期させる。
【0019】
ここで、いくつかのアプリケーションについて、アプリケーション種別、第1同期部の同期するタイミング、アプリケーション識別情報α、アプリケーション状態情報β、をまとめた表を図4に示す。例えば、アプリケーション種別が「メール」である場合には、同期するタイミングを「メールを選択したとき」つまり、直近のコンテキスト情報を受信した時点とする。また、アプリケーション識別情報はα2となり、アプリケーション状態情報βは、直近に使用していたメールとなる。また、同期するタイミングについては、これに限られず、ある一定の時間Tごとに同期するようにしてもよい。また、ユーザの所望するタイミングで同期させるようにしてもよい。この場合は、第1端末装置100に入力部(図示せず)を設け、第1同期部106に同期処理をさせる同期指示情報をユーザに入力部から入力させるようにしても良い。
【0020】
同期されたコンテキスト情報Aは、一旦、蓄積部208に記憶される。また、第1同期部106と第2同期部202との同期処理については、非特許文献2に記載されている技術などを用いれば良い。
【0021】
一方、ユーザが第2端末装置200の操作を開始すると(例えば、ユーザが携帯電話の電源を入れると)、第2端末装置200の情報生成部210が操作開始情報Bを生成し、再現部204に送信する。再現部204が操作開始情報Bを受信すると(ステップS108)、コンテキスト情報要求情報Cを生成し、第2同期部202に送信する(ステップS110)。第2同期部202がコンテキスト情報要求情報Cを受信すると、第2同期部202は、蓄積部208に記憶されている、直近に同期されたコンテキスト情報Aを再現部204に送信する(ステップS112)。
【0022】
ここで、当該直近に同期されたコンテキスト情報Aとは、ユーザが直近に第1端末装置100で利用していたアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報αと、当該アプリケーションの状態を示すアプリケーション状態情報(当該アプリケーション識別情報αと対応するアプリケーション状態情報)βである。再現部204は、受信したアプリケーション識別情報αについてのアプリケーションを作動させ、アプリケーション状態情報βを第2実行部206に再現させる。このようにして、コンテキストを自動化して再現できる。つまり、アプリケーションの作動、アプリケーションの状態の再現を自動化でき、ユーザはアプリケーションの作動、最新の履歴の選択を行わなくても良い。
【0023】
例えば、アプリケーションがWebである場合を考える。この場合に、図4の例では、アプリケーション識別情報はα3となり、アプリケーション状態情報βは「直近に閲覧していたWebのURL」となる。そして、再現部204は、このアプリケーション識別情報α4に基づいて、第2実行部206をWebサーバとして起動させる。Webサーバとしての第2実行部206は受信したURL(アプリケーション状態情報β)に基づいて、Webサーバ装置(図示せず)からWebサービスを受信する。つまり、ユーザは、第1端末装置で閲覧していたWebサイトXを閲覧していた場合に、第1端末装置(PC)から第2端末装置(携帯電話)に端末を切替えても、自動的にWebサーバを起動させることができ、WebサイトXを自動取得できるため、WebサイトXを閲覧することができる。
【0024】
従来技術1において、同期をさせる情報とは使用履歴情報であった。一方、本願の発明での同期をさせるコンテキスト情報Aとは、直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報αと、直近に利用したアプリケーション状態情報βである。従って、アプリケーションの起動の自動化、アプリケーション状態の再現の自動化を図ることができ、従来と比べて、ユーザの手間を削減できる。また、本願の発明で同期させていたコンテキスト情報Aは、従来同期させていた使用履歴情報よりも容量は少ない。従って、本願のコンテキスト再現システムにより、同期させる情報の容量も削減できる。
【0025】
また、上記では、ユーザが利用していたアプリケーションが1つの場合を説明したが、ユーザが利用していたアプリケーションが2つ以上の場合にも、この発明を適用することができる。この場合には利用していたアプリケーション毎のコンテキスト情報を第1端末装置と第2端末装置とで同期させればよい。従って、ユーザが利用するアプリケーション数が2以上になると、従来技術1と比較して、ユーザの手間、同期させる情報の容量を更に削減できる。
【実施例2】
【0026】
実施例1では、第1端末装置と第2端末装置とで同期させたコンテキスト情報Aを用いた。この実施例2では、過去のコンテキスト情報Aを消去せずに、第2端末装置200の蓄積部208に同期させたコンテキスト情報Aが保存され、コンテキスト履歴情報Dとして蓄積される。そして、コンテキスト履歴情報Dを用いて、ユーザが所望するコンテキスト情報について再現する。以下では、コンテキスト履歴情報Dからユーザが所望するコンテキスト情報の再現手法を2つ説明するが、これらの手法には限られない。システム構成図は図1を用い、第1端末装置100などの機能構成例は図2を用い、処理フローは図3を用いる。
【0027】
第1の再現手法は、ユーザの使用頻度の高いコンテキスト情報をコンテキスト履歴情報Dから選択して、再現するものである。図5にコンテキスト履歴情報Dの一例を示す。図5の例では、コンテキスト履歴情報Dは、アプリケーション識別情報α、当該アプリケーション識別情報αが示すアプリケーションを利用した日付、当該アプリケーションのアプリケーション状態情報βとを対応付けたものである。また、第1端末装置が複数ある場合には、第1端末装置の識別子も対応付けられる。
【0028】
再現部204は、コンテキスト履歴情報D中の、ユーザが最も多く利用したコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を第2実行部206に再現させる。具体的には、ステップS110で、再現部204がコンテキスト情報要求情報Cを送信すると、ステップS112で第2同期部202は、ユーザの使用頻度の高いコンテキスト情報Aを送信すればよい。具体的な処理として、第2同期部202は、コンテキスト履歴情報D中の重複しているコンテキスト情報Aにおいて、重複している数を計測し、その数が最も多いアプリケーションについてのコンテキスト情報を抽出して、送信する。図5の例では、ユーザの使用頻度の高いコンテキスト情報とは、アプリケーション識別情報がα3であるWebのアプリケーションについて、アプリケーション状態情報βが「http://γ1」のコンテキスト情報になる。従って、第2同期部202は、アプリケーション識別情報α3とアプリケーション状態情報「http://γ1」をコンテキスト情報として、再現部204に送信する。そして、再現部204が当該コンテキスト情報を受信すると、第2実行部206に受信したコンテキスト情報について再現させる。この第1の手法によれば、コンテキスト履歴情報Dから、ユーザの使用頻度の高いコンテキスト情報を第2実行部206により再現できる。
【0029】
第2の再現手法では、ユーザの現在の位置に関連するコンテキスト情報について再現部204が再現するものである。この場合には、図1に示すように、第2端末装置200は破線で示す検出部212を有する。検出部212はユーザの位置を検出するものであり、例えば、GPS機能を有する。
【0030】
検出部212が、ユーザの現在位置を検出することで、ユーザ位置情報Eを生成し、再現部204に送信する。再現部204は、ユーザ位置情報Eから、ユーザの現在位置する場所に関連するコンテキスト情報Aを要求するためのコンテキスト情報要求情報Cを第2同期部202に送信する。第2同期部202は、蓄積部208に蓄積されているコンテキスト履歴情報Dから、ユーザの現在位置に関連するコンテキスト情報を抽出して、再現部204に送信する。
【0031】
ここで、第2同期部202のユーザ現在位置に関連するコンテキスト情報の取り出す手法について説明する。例えば、アプリケーションがWebの場合を考える。この場合には、第2同期部202は、コンテキスト履歴情報D中のコンテキスト情報から、Webサイト(アプリケーション状態情報β)がユーザ現在位置に関連するコンテキスト情報を取り出し、再現部204に送信する。再現部204は受信したコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を第2実行部206に再現させる。
【0032】
この第2の再現手法を用いれば、例えば、ユーザが、ある駅Fの近くにいる場合には、ユーザ位置情報Eが駅F付近を示す情報となり、再現部204は、駅Fに関係するWebサイトを第2実行部206に再現させることができる。また、ユーザがある店舗Kの近くにいる場合には、ユーザ位置情報Eが店舗K付近を示す情報となり、再現部204は、店舗Kに関係するWebサイトを第2実行部206に再現させることができる。
【0033】
このように、コンテキスト情報を、コンテキスト履歴情報Dとして蓄積部208に蓄積し、第1の再現手法、第2の再現手法などを用いることで、ユーザが第1端末装置から第2端末装置に切替えた場合であっても、ユーザが所望するコンテキストを再現できる。また、ユーザが所望するコンテキストの再現手法は、第1、第2の再現手法に限られない。
【実施例3】
【0034】
実施例1で説明した第1端末装置100が例えば携帯電話の場合には、携帯電話の機能上の制限より、取得部104、第1同期部106を搭載させることが困難である場合がある。この実施例3のコンテキスト再現システムは、このような問題がある場合であっても、適切に、コンテキスト再現を行うことができるものである。
【0035】
実施例3のコンテキスト再現システム2000の機能構成例を図6に示し、図7に第1端末装置300等の機能構成例を示し、図8、図9にそれぞれ処理フローの前半、後半を示す。この実施例3のコンテキスト再現システム2000は、実施例1のコンテキスト再現システム1000と比較して、新たに、コンテキスト取得装置400を有する。コンテキスト取得装置400は、取得部104と第1同期部106と記憶部108と送受信部402とを有する。また、アプリケーション装置500は、第1端末装置300に、ユーザが所望するアプリケーションを提供するものである。例えば、アプリケーションがWebである場合には、アプリケーション装置500はWebサーバである。
【0036】
まず、第1端末装置300の情報生成部110は、ユーザが利用を所望するアプリケーションを要求するためのアプリケーション要求情報Gを生成し、送受信部304がコンテキスト取得装置400に送信する(ステップS202)。そして、コンテキスト取得装置400の送受信部402は、アプリケーション要求情報Gを受信する。取得部104は、送受信部402の挙動を監視しており、送受信部402が受信したアプリケーション要求情報Gのアプリケーション識別情報αとアプリケーション状態情報βをコンテキスト情報Aとして取得する(ステップS204)。このように、コンテキスト取得装置400の取得部104がコンテキスト情報を取得するために、第1端末装置300からのアプリケーション要求情報Gは、アプリケーション装置500に送信されずに、コンテキスト取得装置400に送信される。
【0037】
また、送受信部402は受信したアプリケーション要求情報Gをアプリケーション装置に送信する。アプリケーション装置500の送受信部502がアプリケーション要求情報Gを受信すると、アプリケーション提供部504は、送受信部502経由でアプリケーション情報Hをコンテキスト取得装置400に送信する(ステップS206)。
【0038】
ここで、アプリケーション情報とは、そのアプリケーションについてユーザが所望する情報であり、例えば、アプリケーションがWebであれば、アプリケーション情報とはWebサイトである。
【0039】
コンテキスト取得装置400の送受信部402は、アプリケーション装置500からのアプリケーション情報Hを第1端末装置300に送信する(ステップS208)。
【0040】
取得部104が取得したコンテキスト情報Aを第1同期部106は、第2同期部202と同期させる(ステップS106)。以降の処理は、実施例1で説明した通りなので省略する。
【0041】
このように、例えば、第1端末装置300が携帯電話の場合に、機能上の制限があり、取得部104、第1同期部106を搭載させることができない場合であっても、コンテキスト取得装置を新たに設けることで、実施例1同様のコンテキスト再現処理を行うことができる。
【実施例4】
【0042】
実施例2で説明した第2端末装置200は蓄積部208を有する。しかし、第2端末装置200の数が多い場合には、蓄積部208を別装置に具備させることが好ましい。また、第2端末装置200が携帯電話の場合には、機能的な制限があり、蓄積部208を設けることが困難な場合がある。このような場合には、第2端末装置200に蓄積部208を設けずに、コンテキスト履歴情報Dの蓄積処理を代理する蓄積装置700に蓄積部208を新たに設ければよい。以下、詳細に説明する。
【0043】
図10に、実施例4のコンテキスト再現システム3000の機能構成例を示し、図11に第1端末装置100などの機能構成例を示し、図12に処理フローを示す。図10に示すように、第1端末装置300、第2端末装置800、蓄積装置700とがネットワーク網50で接続されている。蓄積装置700は第2同期部202、蓄積部208、送受信部706を有する。
【0044】
ステップS102、ステップS104の処理は、実施例1で説明した通りなので、省略する。ステップS106として、第1同期部106は、蓄積装置700中の第2同期部202とコンテキスト情報を同期させる。同期させたコンテキスト情報はコンテキスト履歴情報Dとして、蓄積部704に蓄積される(ステップS302)。
【0045】
次に、第2端末装置200の情報生成部210は、コンテキスト履歴情報を要求するためのコンテキスト履歴情報要求情報Iを生成し、送受信部802経由で蓄積装置700に送信する(ステップS304)。蓄積装置700の送受信部706がコンテキスト履歴情報要求情報Iを受信すると、送受信部706は、直近に蓄積されたコンテキスト履歴情報Dを第2端末装置800に送信する(ステップS306)。第2端末装置800の送受信部802がコンテキスト履歴情報Dを受信すると、再現部804は、上述した第1の再現手法、第2の再現手法などを用いて、第2実行部206にコンテキストを再現させる(ステップS308)。
【0046】
このようにコンテキスト履歴情報Dを扱う場合に、第2端末装置の数が多くなったとしても、コンテキスト履歴情報Dの蓄積処理を代理する蓄積装置700を設けることで、コンテキスト再現処理を円滑に行うことができる。
【0047】
また、実施例3で説明したコンテキスト取得装置400を設ける構成と、この実施例4で説明した蓄積装置700を設ける構成と、を統合したコンテキスト再現システム4000を構成することも可能である。図13にコンテキスト再現システム4000の機能構成例を示し、図14に第1端末装置300等の機能構成例を示し、図15、図16に処理フローを示す。コンテキスト再現システム4000は、第1端末装置300、コンテキスト取得装置400、アプリケーション装置500、蓄積装置700、第2端末装置800により構成される。詳細については、上述したとおりなので、省略する。
【実施例5】
【0048】
第1端末装置が携帯電話、第2端末装置がPCである場合を考える。通常、ユーザはPCではWebブラウザやメール機能を用いるが、電話機能を用いない。そこで、この実施例5では、第1端末装置では使用できるが、第2端末装置では使用できないアプリケーションのコンテキスト情報については、取得部104が取得しないコンテキスト再現システムについて説明する。
【0049】
具体的な構成としては、図2などに示すように、第1端末装置100に設けられている取得部104または、コンテキスト取得装置400に設けられている取得部104に第1設定手段1040を設ける。第1設定手段1040は、取得部104に予め定められたアプリケーションについてのコンテキスト情報を取得させる。予め定められたアプリケーションとは、ユーザが所望するアプリケーションであり、例えば、第1端末装置および第2端末装置で使用するアプリケーションである。
【0050】
詳細に説明すると、第1設定手段1040は、取得部104に第1端末装置では使用するが、第2端末装置では使用しないアプリケーションについてのコンテキスト情報を取得させずに、第1端末装置および第2端末装置で使用するアプリケーションについてのコンテキスト情報を取得させる。ユーザは予め第1端末装置では用いるが、第2端末装置では用いないアプリケーション(電話機能など)を第1設定手段1040に設定する。第1設定手段1040は、当該設定したアプリケーションのコンテキスト情報について取得部104に設定させないようにする。
【0051】
このように、取得部104は、第1設定手段1040を有することで、必要のないコンテキスト情報を取得することがない。取得部104がコンテキスト情報を取得するたびに、第1同期部と第2同期部とがコンテキスト情報を同期する構成である場合には、同期回数を削減できる。また、ある一定時間Tごとに第1同期部と第2同期部とがコンテキスト情報を同期する構成である場合には、このコンテキスト情報の情報量を削減できる。
【実施例6】
【0052】
第1端末装置で利用できるアプリケーションのコンテキストを第2端末装置で再現させると第2端末装置の容量の問題などで、第2端末装置に不具合が生じる場合を考える。この実施例6では、第1端末装置では使用するが、第2端末装置では使用できないアプリケーションについてのコンテキストを再現させないものである。具体的な構成としては、第2端末装置内の再現部204は、図2などに示すように第2設定手段2040を有する。第2設定手段2040は、再現部204に予め定められたアプリケーションについてのアプリケーション状態情報を再現させる。ここで、予め定められたアプリケーションとは、ユーザが所望するアプリケーションであり、具体的には、第1端末装置および第2端末装置で使用するアプリケーションである。また、第2設定手段2040は、再現部204に第1端末装置では使用するが、第2端末装置では使用しないアプリケーションについては再現させない。
【0053】
第1端末装置で利用できるアプリケーションのコンテキストを第2端末装置で再現させると第2端末装置の容量の問題などで、第2端末装置に不具合が生じる場合であっても、第2設定手段2040により再現するコンテキストを制限することで、第2端末装置に不具合が生じないようにすることができる。
【実施例7】
【0054】
この実施例7では、第1端末装置が携帯電話である場合を考える。この場合に、第1端末装置が予め定められた状態になった時点で、第1同期部106と第2同期部202とを同期させる。ここで、予め定められた状態とは、ユーザが例えば当該携帯電話を使用し終わった(携帯電話の電源を切り終わった)状態である。つまり、携帯電話を使用し終わった時点で、第1同期部106と第2同期部202とを同期させる。このようにすることで、第1端末装置と第2端末装置との同期コスト(例えば、第1端末装置の消費電力)を削減できる。
【0055】
具体的な構成を説明すると、第1端末装置100は情報生成部110を有する。そして、情報生成部110は、第1端末装置100が予め定められた状態(例えば、第1端末装置の使用が終わった状態)になると、端末状態情報Jを生成する。そして、情報生成部110は、第1同期部106に端末状態情報Jを送信する。第1同期部106が端末状態情報Jを受信すると、第1同期部106は第2同期部202と同期を行う。また、実施例2や実施例4のように、第1端末装置100が情報生成部110を有し、コンテキスト取得装置400が第1同期部106を有する構成の場合には、情報生成部110はネットワーク網50を通じて端末状態情報Jを第1同期部106に送信すれば良い。また、第1端末装置の使用が終わった時点で、情報生成部110が端末状態情報Jを生成する例を説明したが、端末状態情報Jを生成するタイミングについては、ユーザが自由に設定すればよい。
【0056】
このように、第1端末装置が予め定められた状態になった時点で、第1同期部106が同期を行うようにすれば、第1端末装置の同期コストを削減できる。
【0057】
<ハードウェア構成>
本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。また、上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【0058】
また、上述の構成をコンピュータによって実現する場合、第1端末装置、第2端末装置、コンテキスト取得装置、蓄積装置(以下、「第1端末装置など」という。)が有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、処理機能がコンピュータ上で実現される。
【0059】
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記憶しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記憶装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよいが、具体的には、例えば、磁気記憶装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
【0060】
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記憶したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
【0061】
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記憶されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、本装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
【0062】
また、本実施例で説明した第1端末装置などは、CPU(Central Processing Unit)、入力部、出力部、補助記憶装置、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)及びバスを有している(何れも図示せず)。
【0063】
CPUは、読み込まれた各種プログラムに従って様々な演算処理を実行する。補助記憶装置は、例えば、ハードディスク、MO(Magneto-Optical disc)、半導体メモリ等であり、RAMは、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM (Dynamic Random Access Memory)等である。また、バスは、CPU、入力部、出力部、補助記憶装置、RAM及びROMを通信可能に接続している。
【0064】
<ハードウェアとソフトウェアとの協働>
本実施例の単語追加装置は、上述のようなハードウェアに所定のプログラムが読み込まれ、CPUがそれを実行することによって構築される。以下、このように構築される各装置の機能構成を説明する。
【0065】
第1端末装置などの送受信部は、所定のプログラムが読み込まれたCPUの制御のもと駆動するLANカード、モデム等の通信装置である。その他の構成部は、所定のプログラムがCPUに読み込まれ、実行されることによって構築される演算部である。記憶部、蓄積部は前記補助記憶装置として機能する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1端末装置と、第2端末装置と、で構成されるコンテキスト再現システムであって、
前記第1端末装置は、
アプリケーションを実行する第1実行部と、
前記第1実行部の挙動から、直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、前記直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する取得部と、
第2同期部と前記コンテキスト情報を同期させる第1同期部と、を有し、
前記第2端末装置は、
アプリケーションを実行する第2実行部と、
前記第2同期部と、
前記同期されたコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を前記第2実行部に再現させる再現部と、を有することを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項2】
第1端末装置と、第2端末装置と、コンテキスト取得装置と、アプリケーション装置と、で構成されるコンテキスト再現システムであって、
前記第1端末装置は、
アプリケーションを実行する第1実行部と、
前記コンテキスト取得装置へアプリケーション要求情報を送信し、コンテキスト取得装置からのアプリケーション情報を受信する送受信部を有し、
前記コンテキスト取得装置は、
前記第1端末装置からのアプリケーション要求情報を前記アプリケーション装置へ送信し、前記アプリケーション装置からのアプリケーション情報を前記第1端末装置に送信する送受信部と、
前記アプリケーション要求情報から、直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、前記直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する取得部と、
第2同期部と前記コンテキスト情報を同期させる第1同期部と、を有し、
前記第2端末装置は、
アプリケーションを実行する第2実行部と、
前記第2同期部と、
前記同期されたコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を前記第2実行部に再現させる再現部と、を有することを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項3】
第1端末装置と、第2端末装置と、蓄積装置とで構成されるコンテキスト再現システムであって、
前記第1端末装置は、
アプリケーションを実行する第1実行部と、
前記第1実行部の挙動から、直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、前記直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する取得部と、
第2同期部と前記コンテキスト情報を同期させる第1同期部と、を有し、
前記蓄積装置は、
前記第2同期部と、
前記同期されたコンテキスト情報をコンテキスト履歴情報として蓄積する蓄積部を有し、
前記第2端末装置は、
アプリケーションを実行する第2実行部と、
コンテキスト履歴情報を要求するコンテキスト履歴情報要求情報を前記蓄積装置に送信し、コンテキスト履歴情報を前記蓄積装置から受信する送受信部と、
前記受信したコンテキスト履歴情報中のユーザが要求するコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を前記第2実行部に再現させることを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項4】
第1端末装置と、第2端末装置と、コンテキスト取得装置と、アプリケーション装置と、蓄積装置とで構成されるコンテキスト再現システムであって、
前記第1端末装置は、
アプリケーションを実行する第1実行部と、
前記コンテキスト取得装置へアプリケーション要求情報を送信し、コンテキスト取得装置からのアプリケーション情報を受信する送受信部を有し、
前記コンテキスト取得装置は、
前記第1端末装置からのアプリケーション要求情報を前記アプリケーション装置へ送信し、前記アプリケーション装置からのアプリケーション情報を前記第1端末装置に送信する送受信部と、
前記アプリケーション要求情報から、直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、前記直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する取得部と、
第2同期部と前記コンテキスト情報を同期させる第1同期部と、を有し、
前記蓄積装置は、
前記第2同期部と、
前記同期されたコンテキスト情報をコンテキスト履歴情報として蓄積する蓄積部を有し、
前記第2端末装置は、
アプリケーションを実行する第2実行部と、
コンテキスト履歴情報を要求するコンテキスト履歴情報要求情報を前記蓄積装置に送信し、コンテキスト履歴情報を前記蓄積装置から受信する送受信部と、
前記受信したコンテキスト履歴情報中の、ユーザが要求するコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を前記第2実行部に再現させることを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項5】
請求項1または2記載のコンテキスト再現システムであって、
前記第2端末装置は、前記同期されたコンテキスト情報をコンテキスト履歴情報として蓄積する蓄積部を有し、
前記再現部は、コンテキスト履歴情報中の、ユーザが要求するコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を前記第2実行部に再現させることを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項6】
請求項3〜5何れかに記載のコンテキスト再現システムであって、
前記再現部は、ユーザが最も多く利用したコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を前記第2実行部に再現させることを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項7】
請求項3〜5何れかに記載のコンテキスト再現システムであって、
前記第2端末装置は、ユーザの位置を検出する検出部を有し、
前記再現部は、前記ユーザの位置に関連するコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を前記第2実行部に再現させることを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項8】
請求項1〜7何れかに記載のコンテキスト再現システムであって、
前記取得部は、予め定められたアプリケーションについてのコンテキスト情報を取得することを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項9】
請求項1〜8何れかに記載のコンテキスト再現システムであって、
前記再現部は、予め定められたアプリケーションについてのアプリケーション状態情報を再現させることを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項10】
請求項1〜9何れかに記載のコンテキスト再現システムであって、
前記第1端末装置は、更に、
当該第1端末装置の端末状態情報を生成する情報生成部を有し、
前記第1同期部は、前記端末状態情報を受信すると、前記コンテキスト情報を前記第2同期部と同期させることを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項11】
第1端末装置と、第2端末装置と、で構成されるコンテキスト再現システムを用いたコンテキスト再現方法であって、
第1端末装置が、第1実行部の挙動から直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、前記直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する過程と、
第1端末装置が、コンテキスト情報を第2端末装置と同期させる過程と、
第2端末装置が、前記同期されたコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を再現する過程と、を有するコンテキスト再現方法。
【請求項12】
第1端末装置と、第2端末装置と、コンテキスト取得装置と、アプリケーション装置と、で構成されるコンテキスト再現システムを用いたコンテキスト再現方法であって、
第1端末装置が、コンテキスト取得装置へアプリケーション要求情報を送信する過程と、
コンテキスト取得装置が、前記アプリケーション要求情報から直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、前記直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する過程と、
コンテキスト取得装置が、コンテキスト情報を第2端末装置と同期させる過程と、
第2端末装置が、前記同期されたコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を再現する過程と、を有するコンテキスト再現方法。
【請求項13】
第1端末装置と、第2端末装置と、蓄積装置と、で構成されるコンテキスト再現システムを用いたコンテキスト再現方法であって、
第1端末装置が、第1実行部の挙動から直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、前記直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する過程と、
第1端末装置が、コンテキスト情報を蓄積装置と同期させる過程と、
蓄積装置に、コンテキスト情報がコンテキスト履歴情報として蓄積される過程と、
第2端末装置が、コンテキスト履歴情報を要求するコンテキスト履歴情報要求情報を蓄積装置に送信する過程と、
第2端末装置が、受信したコンテキスト履歴情報中のユーザが所望するコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を第2実行部に再現させる過程と、を有するコンテキスト再現方法。
【請求項14】
第1端末装置と、第2端末装置と、コンテキスト取得装置と、アプリケーション装置と、蓄積装置とで構成されるコンテキスト再現システムを用いたコンテキスト再現方法であって、
第1端末装置が、コンテキスト取得装置へアプリケーション要求情報を送信する過程と、
コンテキスト取得装置が、前記アプリケーション要求情報から直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、前記直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する過程と、
コンテキスト取得装置が、コンテキスト情報を蓄積装置と同期させる過程と、
蓄積装置に、コンテキスト情報がコンテキスト履歴情報として蓄積される過程と、
第2端末装置が、コンテキスト履歴情報を要求するコンテキスト履歴情報要求情報を蓄積装置に送信する過程と、
第2端末装置が、受信したコンテキスト履歴情報中のユーザが要求するコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を第2実行部に再現させる過程と、を有するコンテキスト再現方法。
【請求項15】
請求項1〜10何れかに記載されている第1端末装置、または第2端末装置、またはコンテキスト取得装置、または蓄積装置。
【請求項16】
請求項15記載の第1端末装置、または第2端末装置、またはコンテキスト取得装置、または蓄積装置としてコンピュータを動作させるプログラム。
【請求項1】
第1端末装置と、第2端末装置と、で構成されるコンテキスト再現システムであって、
前記第1端末装置は、
アプリケーションを実行する第1実行部と、
前記第1実行部の挙動から、直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、前記直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する取得部と、
第2同期部と前記コンテキスト情報を同期させる第1同期部と、を有し、
前記第2端末装置は、
アプリケーションを実行する第2実行部と、
前記第2同期部と、
前記同期されたコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を前記第2実行部に再現させる再現部と、を有することを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項2】
第1端末装置と、第2端末装置と、コンテキスト取得装置と、アプリケーション装置と、で構成されるコンテキスト再現システムであって、
前記第1端末装置は、
アプリケーションを実行する第1実行部と、
前記コンテキスト取得装置へアプリケーション要求情報を送信し、コンテキスト取得装置からのアプリケーション情報を受信する送受信部を有し、
前記コンテキスト取得装置は、
前記第1端末装置からのアプリケーション要求情報を前記アプリケーション装置へ送信し、前記アプリケーション装置からのアプリケーション情報を前記第1端末装置に送信する送受信部と、
前記アプリケーション要求情報から、直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、前記直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する取得部と、
第2同期部と前記コンテキスト情報を同期させる第1同期部と、を有し、
前記第2端末装置は、
アプリケーションを実行する第2実行部と、
前記第2同期部と、
前記同期されたコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を前記第2実行部に再現させる再現部と、を有することを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項3】
第1端末装置と、第2端末装置と、蓄積装置とで構成されるコンテキスト再現システムであって、
前記第1端末装置は、
アプリケーションを実行する第1実行部と、
前記第1実行部の挙動から、直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、前記直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する取得部と、
第2同期部と前記コンテキスト情報を同期させる第1同期部と、を有し、
前記蓄積装置は、
前記第2同期部と、
前記同期されたコンテキスト情報をコンテキスト履歴情報として蓄積する蓄積部を有し、
前記第2端末装置は、
アプリケーションを実行する第2実行部と、
コンテキスト履歴情報を要求するコンテキスト履歴情報要求情報を前記蓄積装置に送信し、コンテキスト履歴情報を前記蓄積装置から受信する送受信部と、
前記受信したコンテキスト履歴情報中のユーザが要求するコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を前記第2実行部に再現させることを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項4】
第1端末装置と、第2端末装置と、コンテキスト取得装置と、アプリケーション装置と、蓄積装置とで構成されるコンテキスト再現システムであって、
前記第1端末装置は、
アプリケーションを実行する第1実行部と、
前記コンテキスト取得装置へアプリケーション要求情報を送信し、コンテキスト取得装置からのアプリケーション情報を受信する送受信部を有し、
前記コンテキスト取得装置は、
前記第1端末装置からのアプリケーション要求情報を前記アプリケーション装置へ送信し、前記アプリケーション装置からのアプリケーション情報を前記第1端末装置に送信する送受信部と、
前記アプリケーション要求情報から、直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、前記直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する取得部と、
第2同期部と前記コンテキスト情報を同期させる第1同期部と、を有し、
前記蓄積装置は、
前記第2同期部と、
前記同期されたコンテキスト情報をコンテキスト履歴情報として蓄積する蓄積部を有し、
前記第2端末装置は、
アプリケーションを実行する第2実行部と、
コンテキスト履歴情報を要求するコンテキスト履歴情報要求情報を前記蓄積装置に送信し、コンテキスト履歴情報を前記蓄積装置から受信する送受信部と、
前記受信したコンテキスト履歴情報中の、ユーザが要求するコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を前記第2実行部に再現させることを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項5】
請求項1または2記載のコンテキスト再現システムであって、
前記第2端末装置は、前記同期されたコンテキスト情報をコンテキスト履歴情報として蓄積する蓄積部を有し、
前記再現部は、コンテキスト履歴情報中の、ユーザが要求するコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を前記第2実行部に再現させることを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項6】
請求項3〜5何れかに記載のコンテキスト再現システムであって、
前記再現部は、ユーザが最も多く利用したコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を前記第2実行部に再現させることを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項7】
請求項3〜5何れかに記載のコンテキスト再現システムであって、
前記第2端末装置は、ユーザの位置を検出する検出部を有し、
前記再現部は、前記ユーザの位置に関連するコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を前記第2実行部に再現させることを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項8】
請求項1〜7何れかに記載のコンテキスト再現システムであって、
前記取得部は、予め定められたアプリケーションについてのコンテキスト情報を取得することを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項9】
請求項1〜8何れかに記載のコンテキスト再現システムであって、
前記再現部は、予め定められたアプリケーションについてのアプリケーション状態情報を再現させることを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項10】
請求項1〜9何れかに記載のコンテキスト再現システムであって、
前記第1端末装置は、更に、
当該第1端末装置の端末状態情報を生成する情報生成部を有し、
前記第1同期部は、前記端末状態情報を受信すると、前記コンテキスト情報を前記第2同期部と同期させることを特徴とするコンテキスト再現システム。
【請求項11】
第1端末装置と、第2端末装置と、で構成されるコンテキスト再現システムを用いたコンテキスト再現方法であって、
第1端末装置が、第1実行部の挙動から直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、前記直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する過程と、
第1端末装置が、コンテキスト情報を第2端末装置と同期させる過程と、
第2端末装置が、前記同期されたコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を再現する過程と、を有するコンテキスト再現方法。
【請求項12】
第1端末装置と、第2端末装置と、コンテキスト取得装置と、アプリケーション装置と、で構成されるコンテキスト再現システムを用いたコンテキスト再現方法であって、
第1端末装置が、コンテキスト取得装置へアプリケーション要求情報を送信する過程と、
コンテキスト取得装置が、前記アプリケーション要求情報から直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、前記直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する過程と、
コンテキスト取得装置が、コンテキスト情報を第2端末装置と同期させる過程と、
第2端末装置が、前記同期されたコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を再現する過程と、を有するコンテキスト再現方法。
【請求項13】
第1端末装置と、第2端末装置と、蓄積装置と、で構成されるコンテキスト再現システムを用いたコンテキスト再現方法であって、
第1端末装置が、第1実行部の挙動から直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、前記直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する過程と、
第1端末装置が、コンテキスト情報を蓄積装置と同期させる過程と、
蓄積装置に、コンテキスト情報がコンテキスト履歴情報として蓄積される過程と、
第2端末装置が、コンテキスト履歴情報を要求するコンテキスト履歴情報要求情報を蓄積装置に送信する過程と、
第2端末装置が、受信したコンテキスト履歴情報中のユーザが所望するコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を第2実行部に再現させる過程と、を有するコンテキスト再現方法。
【請求項14】
第1端末装置と、第2端末装置と、コンテキスト取得装置と、アプリケーション装置と、蓄積装置とで構成されるコンテキスト再現システムを用いたコンテキスト再現方法であって、
第1端末装置が、コンテキスト取得装置へアプリケーション要求情報を送信する過程と、
コンテキスト取得装置が、前記アプリケーション要求情報から直近に利用したアプリケーションを識別するためのアプリケーション識別情報と、前記直近に利用したアプリケーション状態情報とが対応されたコンテキスト情報を取得する過程と、
コンテキスト取得装置が、コンテキスト情報を蓄積装置と同期させる過程と、
蓄積装置に、コンテキスト情報がコンテキスト履歴情報として蓄積される過程と、
第2端末装置が、コンテキスト履歴情報を要求するコンテキスト履歴情報要求情報を蓄積装置に送信する過程と、
第2端末装置が、受信したコンテキスト履歴情報中のユーザが要求するコンテキスト情報中のアプリケーション識別情報が示すアプリケーションについて、対応するアプリケーション状態情報を第2実行部に再現させる過程と、を有するコンテキスト再現方法。
【請求項15】
請求項1〜10何れかに記載されている第1端末装置、または第2端末装置、またはコンテキスト取得装置、または蓄積装置。
【請求項16】
請求項15記載の第1端末装置、または第2端末装置、またはコンテキスト取得装置、または蓄積装置としてコンピュータを動作させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−205111(P2010−205111A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51688(P2009−51688)
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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