説明

コンテナの移動装置

【課題】
貨物自動車へのコンテナの乗せ降ろしを行い、その他の機能(キャンピングカーや移動販売作業車等の機能)を搬送自動車にを付加する場合のコンテナの移動作業の簡易化。
【解決手段】
膨張バッグ12とローラー台車13を組み合わせたジャッキローラー25をコンテナの床に設置することにより解決する。コンテナ11の内部空間を広くするために、ジャッキローラ25の厚みを薄くすることを目的に、膨張バッグ12とローラー台車13のローラーが対面することを特徴とする。膨張バッグと外気の圧力差0.5メガパスカル以下での使用とし扱いやすさを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨物自動車に積載し、物品搬送を含み、その他の機能(キャンピングカーや移動販売作業車等の機能)を搬送自動車にを付加するためのコンテナや容器の移動を容易にする台車である。
【背景技術】
【0002】
図1の11コンテナを貨物自動車に積載固定し、キャンピングカーや移動販売車としての機能をもたせる方法が既に存在する。
【0003】
このコンテナ11を貨物自動車に乗せ降ろしするためには、図1の4の様な移動用のクレーン1を使用する、図1の5 6 7様にコンテナに専用のメカニカルジャッキ2を取り付ける、図1の8 9の様にコンテナ11に移動用車輪3を持つ、などの方法がある。
【0004】
図1の4はクレーン1を使用する場合であり、必要な設備が大きく作業場所が特定される問題点がある。
【0005】
図1の5 6 7の場合4本のメカニカルジャッキ2にてコンテナ11を運搬自動車より切りはなす。この場合、作業場所および設置場所を選ばず貨物自動車に特別な装置も不要であるが、貨物自動車より降ろした時点でのコンテナ11が保持台10の上に設置できず、メカニカルジャッキ2のみで保持されることになる。
【0006】
図1の8 9のようにコンテナ11に移動用車輪3を持たせた場合、コンテナ11単体で固定しようとすると、車輪3の機能を制限する必要がある。このため、車輪3とその設置面を切り離す、機械的に車輪3の動作を固定する、等の装置や操作が必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−511503号公報
【特許文献2】特許2520259号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は、コンテナを貨物自動車より乗せ降ろし時クレーン等の荷役装置が必要になること。
【0009】
運搬自動車からコンテナ単体を離し直接保持台の上にのせることができないこと。
【0010】
コンテナ移動時また単体で設置時に特別な装置が運搬自動車や保持台に必要であること。
【0011】
移動に必要な装置によりコンテナ内部が狭くなること。である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、コンテナの床面に、内部に流体を流入保持することにより、大気圧との差にて変形する、幕状のもので作られた、袋状のもの(以下これを膨張バッグ呼ぶ)を軸受けにより保持されたローラーを使用した台車(以下ローラー台車と呼ぶ)の上に設置することにより、コンテナを容易に移動できるようにする。
【0013】
膨張バッグとローラー台車で構成したものをジャッキローラーと呼ぶこととする。
【発明の効果】
【0014】
本発明を使用したコンテナは、単体時保持台の上に直接設置できる。このとき膨張バッグ内部は大気圧に開放されており、コンテナの荷重を受けない。コンテナの荷重は底面のジャッキローラーの必要取り付け面以外の面を用いて保持台に伝える。保持に安定を保つだけの面積をとりやすい。
【0015】
コンテナ移動時、膨張バッグ内の圧力を大気圧より上げる。方法は、水道水の水圧、自動車の排気菅からの排気圧の利用、自転車の車輪の空気入れ用手動ポンプ、空気コンプレッサー等を利用した圧縮空気等の大気圧以上の圧力のある流体が使用できる。
【0016】
本発明を使用するコンテナの性質上、使用圧力は大気圧との差が0.5メガパスカル以下で良い。圧力は開閉バルブを閉じることにより保持でき、圧送装置の常時の接続を必要としない。使用する流体の選定ができることで作業の場所を特定する必要がない。
【0017】
膨張バッグの圧力が上がると変形しコンテナの荷重が膨張バッグとコンテナ床の接触面に伝わり、完全に荷重が膨張バッグに移った時点でコンテナと保持台の接触面は離れる。このときコンテナの荷重のほとんどは、膨張バッグを通り、ローラー台車の受け板を通り、梯子状の格子に伝わり、ローラーの軸受けを通り、ローラーを通り、保持台に伝わる。ローラーは軸受けで保持されているため、荷重がかかったローラーの回転でも荷重の数割の接線力で回転させることができる。移動のための特別な装置を必要としない。
【0018】
ローラーと膨張バッグの一部が低摩擦シートを介在し接する範囲が生ずることが最も主要な特徴とする。膨張バッグの圧力を低摩擦シートを介在しローラーに伝える構造により、膨張バッグの圧力とローラー間で生ずる摩擦力を低減する。この摩擦力が移動時のローラーの回転に抵抗として加わるが、この構造により、ローラー台車の厚みをローラーの直径に低摩擦シートの厚みを加えた厚みに抑えることができる。
【0019】
交通法規上制限を受けるコンテナの高さにおいて、コンテナ内部空間を保持するために、ジャッキローラー本体の厚みは極力薄いほうが良い。本発明により底面に移動機能が必要なコンテナの内部容積を増やすことが可能になる。
【0020】
ローラーとコンテナは膨張バッグで浮いた状態で固定されていない。これを利用し、貨物自動車や保持台との細かな位置を調整することが可能である。
【0021】
貨物自動車への乗せ降ろしの場合、荷台の高さをジャッキ等で保持台の高さにあわせ固定する必要がある。
【0022】
コンテナ移動後、固定位置が定まった時点で膨張バッグ内部を、バルブを開けることで大気開放する。コンテナの荷重により膨張バッグ内部の流体は、設置面とコンテナの床面が接触するまで外部に流出する。流出後の状態は保持台に設置した状態と同様であり、貨物自動車の荷台上への設置の場合、コンテナは、通常の荷物の固定方法で貨物自動車が運搬可能な程度の安定性を持つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1は貨物部を移動する方法例を示した説明図である。4は荷役装置を用い吊った状態、5 6 7はメカニカルジャッキを用いた場合であり、5はコンテナが単独状態、6は積載過程、7は積載時を示す。8 9は移動用車輪を用いた場合であり、8は単独状態、9は積載時を示す。(背景技術)
【図2】図2はジャッキローラーを下面に取り付けたコンテナの構成をを示した説明図である。(発明を実施するための形態)
【図3】図3は膨張バッグの構成をを示した説明図である。(発明を実施するための形態)
【図4】図4はローラー台車の構造をを示した説明図である。(発明を実施するための形態)
【図5】図5はローラー台車の構成をを示した説明図である。(発明を実施するための形態)
【発明を実施するための形態】
【0024】
図2はコンテナ11を保持台10の上に設置する場合の構成を示したものである。図3で示されている膨張バッグ12と図4と図5で示されたローラー台車13を使用し、ジャッキローラー25を構成することにより実施する。
【0025】
コンテナ11はジャッキローラー25が入る空間を持つ。居住性を良くするために室内の高さを多く得るには、ジャッキローラー25の厚みは少ない程良い。10はコンテナ11が単独時設置する保持台である。ジャッキローラー25はコンテナ11と保持台10の間にある。
【0026】
図3は膨張バッグ12の構成を示している。膨張バッグ12はコンテナ11床面とローラー台車13の間に取り付けられており、流体を中に保持できる材質のシート14で中空の菅状をしている。両端は流体を保持できるようにふさがれているが、開閉バルブを持った流体の取り入れ口17を持つ。15の取り付け具を使用し、コンテナ11の底面に16のボルトで固定されている。
【0027】
図4と図5はローラー台車13の構造をを示したものである。梯子状の格子が横桟18と縦桟23と横桟取り付けボルト24で形成されている。
【0028】
ローラー21はローラー軸20で横桟18に平行に縦桟23の間にあり、縦桟23にローラー軸20は両側を固定されている。
【0029】
ローラー軸20とローラー21は軸受けにて保持されている。縦桟23と横桟18の厚みはローラーの直径より小さく、ローラー21は上下の一部が梯子状の格子より出ることになる。
【0030】
横桟18と縦桟23の上下に受け板22が取り付けられている場所があり、シェル構造を形成している。この部分で膨張バッグの圧力の大部分を保持し梯子状の格子に伝える。
【0031】
ローラー21はローラー台車13の前後に1本づつと途中に数本取り付けられている。両側を横桟18で挟まれており、低摩擦シート19がローラーの上を覆うように横桟18の間にあり、横桟18に取り付けられている。
【0032】
この構造は、ローラー21と膨張バッグ12の対面を低摩擦シート19を介在して許している。これにより、ローラー21と膨張バッグ12間に空隙を作る必要がなく、梯子状の格子の厚みをローラーの直径より小さくすることができ、したがって、全体の厚みをローラー21の直径に低摩擦シート19を加えたものに抑えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0033】
さまざまな機能を持つコンテナを簡単に交換し、1台の運搬自動車に運搬だけでない機能を持たせることができる。
コンテナが安定して自立するために、単独時居住区として使用可能である。
簡単に移動できることを利用し、機能別のコンテナを組み合わせた住宅を構築できる。
重量物を直線的に移動する搬送パレットの下面にジャッキローラーを使用できる。
【符号の説明】
【0034】
1 クレーン
2 メカニカルジャッキ
3 移動用車輪
10 保持台
11 コンテナ
12 膨張バッグ
13 ローラー台車
14 流体を中に保持できる材質のシート
15 取り付け金具
16 ボルト
17 開閉バルブ付の流体の取り入れ口
18 横桟
19 低摩擦シート
20 ローラー軸
21 ローラー
22 受け板
23 縦桟
24 横桟取り付けボルト
25 ジャッキローラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の圧送装置により、内部に流体を流入後、大気圧との差が0.5メガパスカル以下の状態を保持することにより、流体の圧送装置より独立して、変形を保つ、幕状のもので作られた、袋状のもの(膨張バッグ)が、軸受けにより保持されたローラーの回転で動く台車(ローラー台車)の上に設置されているもので、ローラーと膨張バッグの一部が、膨張バッグを形成する幕状のものより低い摩擦係数(ローラー表面に対し)を持つ幕を介在して対面する部分を持つことを特徴とし、荷物をバックジャッキの上に内部の流体の圧力で持ち上げる機能を持ち、持ち上げた荷物を台車のローラーの回転で、そのローラーの接触面に対し移動できる台車。
【請求項2】
請求項1において膨張バッグを構成する幕状のものが、ローラー表面に対し摩擦係数1以下のもので作られており、ローラーと膨張バッグが直接介在物なしで接触するもの。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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