説明

コンテナキーパー

【課題】本発明の課題は、回収用廃棄物を集積するコンテナの盗難を防止することである。
【解決手段】以上の課題を解決するために、我々は新規なコンテナを盗難防止装置(以下コンテナキーパーと称する)を開発した。このコンテナキーパーをコンテナの積み下ろし用係合部に取付けるとロックされて、コンテナの所有者とその関係者以外では取り外しが困難であり、盗もうとする者が運搬車のフックをコンテナの係合部に引掛けることが出来なくなる。それにより盗難を防ぐことが出来て、本発明の課題を達成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナに設けられている運搬車への積み下ろし用係合部に取付けることによってコンテナの盗難を防止する装置(以下コンテナキーパーと称する)に関する。特に、廃棄物回収用金属性コンテナに設けられているコンテナ積み降ろし用運搬車両への係合部分に、着脱可能で、かつ、取付けた状態でロック可能に取付けることが出来るコンテナキーパーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車両後部の車台に着脱可能に載置支持されて積み荷を収容する車載コンテナは広く知られている。例えば特開平10−129333に開示されているように、運搬用車両の車台には、先端にかぎ状の爪部を有するアームが揺動可能に支持される一方、車載コンテナにおいて車両前側に位置する前壁には、上記アームの爪部に係合可能なロッド等の係合部が一体的に設けられている。そして、この車載コンテナは、その係合部とアームの爪部とが係合した状態で車台に固定支持されて車載され、車載コンテナを車両から降ろす場合には、上記係合部と爪部との係合状態でアームが車両後方へ回動することにより、このアームで吊り下げた状態で車載コンテナを車両から降ろすようになされている。
【0003】
このコンテナは、回収用廃棄物の発生場所にしばらく置かれる。回収用廃棄物が一杯になると回収用の車両が来て、回収するが、コンテナを積み込む様子は図1のようである
【0004】
回収用車両1に付属している爪部2を有するアームを動かしてコンテナ3に設けられているコンテナ積み降ろし用係合部4に該爪部2を引掛けて持ち上げ、その係合部4とアームの爪部2とが係合した状態で車台に固定支持させて車両の荷台に載せて運搬される。
【0005】
廃棄物を回収したあと、空になったコンテナは、再び工場などの回収用廃棄物発生場所に置かれることになる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、コンテナが置かれる場所は屋外になることが多く、このコンテナが盗難に会うことがある。コンテナ自身かなりの重量物で、例えば4トン積み用の場合は自重が約1トンでさらに回収用金属などが入っていると3トン以上と非常に重く、通常の方法で持ち上げて持ち去ることは困難なので、前述の回収用車両を用いて爪部を有するアームを動かして、コンテナに設けられているコンテナ積み降ろし用係合部分に該爪部を引掛けて持ち上げて持ち去ることが多い。
本発明は、この問題を解決し、コンテナの盗難を防ぐことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するために、我々は第一発明から第三発明の3つの新規なコンテナキーパーを開発し、これをコンテナの積み降ろし用係合部分に取付けることにより達成した。
【0008】
すなわち、第一発明は、コンテナの積み降ろし用係合部分に差込む部品と、差込んだ部品をコンテナの係合部分から外れないように止める部品を有し、その止めた部分にロック機構が設けられ、ロック解除操作をしないと外れないようにしたコンテナの積み下ろし用係合部分へ着脱可能なコンテナキーパーである。このコンテナキーパーをコンテナの係合部分に取付けてロックしておけば、回収用車両の爪部をコンテナの係合部分に引掛けることが出来ず、コンテナの盗難を防ぐことが出来る。
【0009】
第二発明は、1つの面が開放されている金属製ハウジングの中にコンテナの積み降ろし用係合部分に差込む部品を有し、ハウジングの開放面をコンテナの係合部分にかぶせることにより該差込部品がコンテナの係合部分に差込んだ後、ハウジングに設けられた穴からロックピンを差込み、差込んだ部品が外れないように止めることを可能にしたコンテナの積み下ろし用係合部分へ着脱可能なコンテナキーパーである。これは、第一発明よりも安全性が増している。すなわち、コンテナキーパーを取り外し難くしている。さらに、ロックピンを取付けた状態で南京錠などを取付ければ、さらに安全性を向上させることが可能である。
【0010】
第三発明は、1つの面が開放されている金属製ハウジングの中にコンテナの積み降ろし用係合部分をくわえる部品を有し、ハウジングの開放面をコンテナの係合部にかぶせてコンテナの係合部分に差込むと、該くわえ部品が係合部を自動的にくわえてロックがかかり、コンテナキーパーをはずすためにはハウジングに設けられた穴から専用の開錠装置を差込んでロックをはずさなければならないように構成したことを特徴とするコンテナの積み下ろし用係合部分へ着脱可能なコンテナキーパーである。これも第一発明よりも安全性が増している。すなわち、ロックを解除する方法が分かりにくく、コンテナキーパーを取り外すことが困難になっている。
【発明の効果】
【0011】
第一発明から第三発明の内いずれによっても、コンテナの積み降ろし用係合部にコンテナキーパーが取付けられているときは、コンテナキーパーをはずさないと回収車両のコンテナ吊り上げフックをコンテナの係合部に引掛けることが出来ず、コンテナキーパーはロック機構を解除しないとはずすことが出来ないので、コンテナの盗難を防ぐことが出来る。
【0012】
第二発明、第三発明は、第一発明よりもロック機構が複雑または複数になっているため、盗難防止効果がより高くなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
第二発明の実施形態を図2〜4に示す。図2のパレット3には積み下ろし用係合部4(以下、単に係合部と呼ぶ)が付属されている。そこへ回収車両についているコンテナ吊り上げ用フック2が引掛けられるようになっている。この係合部に本発明によるコンテナキーパー5を取付け、ロックピン6をコンテナキーパーの鍵穴7から差込んで、コンテナキーパーをロックする。コンテナキーパー5のハウジングは厚み1.6ミリの鉄板を加工して作られている。
【0014】
図3にはパレットキーパーが取付けられた状態を示している。コンテナキーパーの側面5をみるとわかるように、パレットキーパーの内部に備えられた二枚の固定板の間にコンテナの係合部のロッド4がはさまれた状態になっている。
【0015】
その状態からロックピンを差込んでコンテナキーパーをロックする手順を図4に示す。ステップ1:ロックピン6をコンテナキーパー5の上側外壁にある鍵穴7から差込む。
鍵穴はコンテナ壁に向かって直角方向向きに切ってあり、ロックピンの先端を同じ方向に向けて差込むと、ロックピン先端部がコンテナキーパー上側外壁と上側固定板の間に入る。
【0016】
ステップ2:ロックピンの先端を右に90度回してから下ろすと、上側固定板に設けてある鍵穴が図示したようになっているので、ロックピンの先端が上側固定板と下側固定板の間に入る。
【0017】
ステップ3:ロックピンの先端を左に180度回してから下ろすと、下側固定板に設けてある鍵穴が図示したよう反対側を向いているので、ロックピンの先端が下側固定板の下に出る。
【0018】
ステップ4:ロックピンの先端を右に90度回すとドックピンが抜けなくなり、これによりコンテナキーパーが係合部にロックされる。その状態でロックピン上部の錠取付け部とコンテナキーパーの上側外壁についている錠固定部とを南京錠8で繋ぐ。
【0019】
コンテナキーパーのロック解除手順:コンテナキーパーをはずすときは、ロックしたときと逆の手順を踏めばよい。すなわち、まず南京錠をはずした後、ロックピンを左に90度回して、下側固定板の上まで引き抜き、次にロックピンを右180度回して上側固定板の上まで引き上げ、ついでロックピンを左90度回して上側外壁の上まで引き上げる。
【0020】
ここで、上、下2枚の固定板についている鍵穴は、ここに例示した角度だけでなく、任意の角度に付けることが出来、それに合わせてロックピンの回転角度を変えてやればよい。
【他の実施形態】
【0021】
第三発明の実施形態を図5〜図6に示す。図5には第三発明によるコンテナキーパーをコンテナの係合部に取付けた図示してある。斜視図からわかるように、コンテナ3の係合部9にかぶせるように取付けられている。そして側面図からわかるように、コンテナキーパー5の中にカム10が取付けられており、カム10は11を軸に揺動可能になっている。そして、取付けられた状態ではカムの切り込み部がコンテナの係合バー4の上に乗っていて、切り込み部によってコンテナキーパーが外れないようになっている。また、カムの先端には解錠治具13の爪を引掛けることが可能な突起12a、12bを左右に備えている。
【0022】
コンテナキーパー5の上側壁には解錠治具13を差込むための一対二個の穴9があけられている。
【0023】
図6にはコンテナキーパーの取付け、取り外し手順が図示してあり、ステップ1〜3は取付け、ステップ4〜8は取り外し手順である。
ステップ1:コンテナキーパー5を、コンテナ係合部を挟み込むようにして差込む。
ステップ2:係合部ロッド4によってカム10が押し上げられながらコンテナキーパー5全体が差込まれる。
ステップ3:コンテナキーパー5が完全に差込まれると、カム10の先端の切り込み部分がコンテナの係合部ロッド4の上に来て、カム10の先端が落ち込み、これによって自動的にコンテナキーパーがコンテナ係合部にロックされて外れなくなる。
ステップ4:コンテナキーパー5をはずすときは、解錠治具13を差込み穴9から差込む。
ステップ5:解錠治具13の先端を下におろし、カム10先端にある突起12a、12bにひっかける。
ステップ6:解錠治具13を持ち上げると、カム10の先端が持ち上がり、ロックが外れた状態になる。
ステップ7:解錠治具13を持ち上げたままコンテナキーパー5を引き出す。
ステップ8:コンテナキーパー5を取り去る。
【0024】
ここで、さらに、パレットキーパーがはずれた時に警報音を発生させる警報装置を取付けることも出来る。たとえば、パレットキーパー5の内側に、機械式、静電容量型、磁気型などの近接スイッチを取付けて、パレットの係合部との距離が離れたときに警報音を発生するようにし、コンテナキーパーを取付ける直前にスイッチを入れる。この方法は、先の第二発明のコンテナキーパーにも使うことが可能である。
【実施形態の効果】
【0025】
コンテナの積み下ろし用係合部にコンテナキーパーが取付けられているときは、コンテナキーパーをはずさないと回収車両のコンテナ吊り上げフックをコンテナの係合部に引掛けることが出来ず、コンテナキーパーはロック機構を解除しないとはずすことが出来ない。しかも、ロック機能を解除するには、当事者以外の者にとっては非常に複雑な操作を必要なので、コンテナキーパーをはずすのは非常に困難である。これによりコンテナの盗難を防ぐことが出来る。さらに、必要ならば警報装置を取付けることも出来る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】廃棄物回収用金属性コンテナを回収用車両による積込み様子を表した図である。
【図2】本発明のうち、第二発明の実施形態を示す図である。
【図3】本発明のうち、第二発明の実施形態を示す取付け状態図である。
【図4】本発明のうち、第二発明の実施形態を示す詳細図である。
【図5】本発明のうち、第三発明の実施形態を示す取付け状態図である。
【図6】本発明のうち、第三発明の実施形態を示す詳細図である。
【符号の説明】
【0027】
1:コンテナ回収車
2:フック
3:コンテナ
4:コンテナ積みおろし用係合部
5:コンテナキーパー
6:ロックピン
7:上壁鍵穴
8:南京錠
9:治具差込穴
10:カム
11:カム揺動軸
12:解錠治具引掛け用突起
13:解錠治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナの積み下ろし用係合部分に差込む部品と、差込んだ部品をコンテナの係合部分から外れないように止める部品を有し、その止めた部分にロック機構が設けられ、ロック解除操作をしないと外れないようにしたことを特徴とするコンテナの積み下ろし用係合部分へ着脱可能なコンテナ盗難防止装置(以下コンテナキーパーと称する)。
【請求項2】
1つの面が開放されている金属製ハウジングの中にコンテナの積み下ろし用係合部分をくわえる部品を有し、ハウジングの開放面をコンテナの係合部分にかぶせることにより該差込部品をコンテナの係合部分に差込んだ後、ハウジングに設けられた穴からロックピンを差込み、差込んだ部品が外れないように止めることを可能にしたコンテナの積み下ろし用係合部分へ着脱可能なコンテナキーパー。
【請求項3】
1つの面が開放されている金属性ハウジングの中にコンテナの積み下ろし用係合部分に差込む部品と、差込んだ部品が外れないように止める部品を有し、ボックスの開放面をコンテナの係合部分にかぶせることにより該差込部品がコンテナの係合部分に差込まれると自動的にロックがかかり、ロックを解除するためにはボックスに設けられた穴から専用の開錠装置を使わないと開錠出来ないように構成したことを特徴とする、コンテナの積み下ろし用係合部分へ着脱可能なコンテナキーパー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−263003(P2009−263003A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138694(P2008−138694)
【出願日】平成20年4月28日(2008.4.28)
【出願人】(508156775)株式会社サノヤ (1)
【出願人】(508156786)栃木エンジニアリング株式会社 (1)
【Fターム(参考)】