説明

コンテナバッグ

【課題】再使用に適した開口状の袋本体と成ることが可能な注入筒部付のコンテナバッグの提供する。
【解決手段】上方開口状で有底の袋本体1と、袋本体1の周壁上半部を内側へ折返して折返し部11を形成して低い高さとなった上方開口部を施蓋するための蓋体2と、を有し、蓋体2は上方注入口23を有して突出状に設けた注入筒部20を有し、上方開口部の上方開口端縁12と蓋体2の外周端縁部22を抜糸可能に縫製している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテナバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のコンテナバッグは、ホッパー等から投入される粉粒体等を充填させるために、注入口が大きく開いているものや、袋体の上方を絞って注入口を有する注入筒部を一体状に形成したものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような注入筒部を有するコンテナバッグは、粉粒体をホッパー等から充填しやすく、充填された後の袋を移動させる際に溢れるのを防止できたり、充填後の袋体の開口部を閉じる作業が容易で手間も軽減でき、さらに、注入筒部を有するコンテナバッグから粉粒体を補充設備(ホッパーやサイロ等)に粉粒体を放出する際は、開口状の袋体に比べ放出しやすいなどの理由から非常に便利であるため広く使用されている。
【特許文献1】実開平5−10295号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、使用済みのコンテナバッグが土嚢袋や肥料袋として再利用される際には、注入筒部を有するコンテナバッグよりも開口部が広い開口状の袋体のコンテナバッグのほうが、土嚢袋や肥料袋又は農作物の収穫袋としての再使用(リユース)に適していた。
【0005】
そこで、本発明は、再使用に適した開口状の袋本体と成ることが可能な注入筒部付のコンテナバッグの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成させるために本発明に係るコンテナバッグは、上方開口状で有底の袋本体と、該袋本体の周壁上半部を内側へ折返して折返し部を形成して低い高さとなった上方開口部を施蓋するための蓋体と、を有し、該蓋体は上方注入口を有して突出状に設けた注入筒部を有し、上記上方開口部の上方開口端縁と上記蓋体の外周端縁部を抜糸可能に縫製したものである。
【0007】
また、上記袋本体に内装されて上記注入筒部にて上半部が絞られて、上記注入口へ向けて投入される投入物を収納可能な内袋を有するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るコンテナバッグによれば、有底の袋本体と注入筒部を有する蓋体を縫製しているので、注入筒部付のコンテナバッグとして使用できる。また、袋本体と蓋体を抜糸可能に縫製しているので、袋本体から蓋体を取り外して、上方開口状で有底の袋本体として使用できる。また、投入物を収納可能な内袋を有するので、より強靱なコンテナバッグとして使用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面に基づき本発明に係るコンテナバッグの第1の実施の形態を詳説する。
図1は第1の実施の形態のコンテナバッグの分解斜視図であり、図4は断面図である。 図1において、1は上方が開口している有底の袋本体であって、合成樹脂繊維(例えば、ポリプロピレンやポリエチレン製の樹脂繊維等)で織成している。袋本体1は開口部から所定長さの周壁上半部L(図2参照)よりも長い周壁を、袋本体1の内側に折返して、折返し部11を形成している。袋本体1は折返し部11を形成したことで、低い高さとなった上方開口部4が形成されている(図3参照)。
さらに、上方開口部4を施蓋するための蓋体2を有している。蓋体2は、中央部に注入口23を有する注入筒部20を突出状に設けている。
【0010】
また、蓋体2は袋本体1と同様に合成樹脂繊維で織成したものである。また、周壁上半部Lは、他の壁部や底部にくらべ、合成樹脂繊維が細く強度や剛性が異なっている。つまり、柔軟に織成している。
【0011】
そして、袋本体1の上方開口部4を施蓋するように、上方開口端縁12に蓋体2の外周端縁部22を当接して、縫糸5で抜糸可能に縫製している(図5参照)。つまり、上方開口端縁12と外周端縁部22の縫着部は、縫糸5を引き抜くことで、縫着部が離間して袋本体1から蓋体2が離脱可能に縫製している。ここで、縫糸5は抜糸可能ではあるが、投入物(例えば樹脂ペレット等の粉粒体)が充填されても切れたり不用意に解けない適切な強度をもって縫製されている。
【0012】
また、柔軟な周壁上半部Lよりも長く折返して折返し部11を形成しているので、上方開口端縁12は、縫糸5から張力を受けても破れることのない十分な強度を有している。
【0013】
次に本発明に係るコンテナバッグの第2の実施の形態を詳説する。
図6に第2の実施の形態の分解斜視図を示し、図7に第2の実施の形態の断面図を示す。
第1の実施の形態と同様に、上方開口状で有底の袋本体1と上方注入口23を有する注入筒部20を設けた蓋体2を有し、袋本体1は、開口部から所定の長さの周壁上半部Lを袋本体1の内側に折曲げて、折返し部11を形成している。
また、周壁上半部Lを内側へ折曲げて折返し部11を形成した袋本体1に内装可能な内袋3を有している。
【0014】
次に、内袋3を周壁上半部Lを内側へ折曲げた状態の袋本体1に内装して、第1の実施の形態と同様に、袋本体1の低い高さとなった上方開口部4を施蓋するように、蓋体2の外周端縁部22と上方開口部4の上方開口端縁12を抜糸可能(離脱可能)に縫製している。さらに、内装されている内袋3の口部33を蓋体2の注入口23から引きずり出すようにして注入筒部20の外壁に沿うように折返している。袋本体1の内部では、内袋3は注入筒部20の注入口23に上半部が絞られて、注入口23へ向かって投入される粉粒体等の投入物を収納可能に設置されている。
【0015】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、袋本体1は、図示の形状の円筒形に限らず、角筒形でも良い。また、袋本体1に運搬用や反転用の吊り部を外周壁部や外底壁部に付設するのが好ましい。また、袋本体1のみを使用する際に、袋閉じ作業が容易となる紐体や帯体を周壁上半部Lに付設しても良い。袋本体1と蓋体2の縫い目や縫い方は、袋本体1と蓋体2を縫着後に抜糸して離間可能であれば良い。また、蓋体2の注入口23を閉じる方法は、紐体で縛る方法や、金具で閉じる方法、注入筒部20を巾着袋のように紐体を引くことで閉じるようにする構造等種々に設計変更可能である。また、内袋3は微細な粉粒体(小麦粉のような粉体)を収納可能なものや、袋本体1と同様の強度をもつ袋体など、収納する投入物に応じて適切なものを選択するのが望ましい。
【0016】
上述した第1の実施の形態のコンテナバッグの使用方法について説明する。
まず、注入筒部20の上方注入口23から、樹脂ペレット等の投入物を袋本体1の内部に収納する。このコンテナバッグを目的地まで運搬し、収納した樹脂ペレット等を注入口23から所定の位置に放出する。
運搬作業が終了して、このコンテナバッグが不要になると、袋本体1と蓋体2を縫着している縫糸5を引き抜く。すると、縫糸5を抜糸可能に縫製しているのでスルスルと解け、袋本体1と蓋体2の縫着部である上方開口端縁12と外周端縁部22が離間可能となる。即ち、縫着されていた袋本体1と蓋体2とに分離させる。分離した袋本体1の折返し部11を内部への折り込み状態から戻す。そして、この袋本体1を、土嚢袋や肥料袋又は、野菜等の収穫袋等として再使用(リユース)する。
【0017】
第2の実施の形態のコンテナバッグの使用方法について説明する。
まず、注入筒部20から引き出されている内袋3の口部33から樹脂ペレット等の投入物を袋本体1に内装された内袋3に収納する。このコンテナバッグを目的地まで運搬し、内袋3に収納された樹脂ペレット等を口部33から所定の位置に放出する。
運搬作業が終了して、このコンテナバッグが不要になると、第1の実施の形態と同様に袋本体1と蓋体2を縫着している縫糸5は、抜糸可能に縫製しているので、抜糸して、袋本体1と蓋体2とに分離させる。また、内袋3は、袋本体1や蓋体2に取着(縫着や接着)していないので容易に分離できる。この袋本体1と内袋3を、土嚢袋や肥料袋又は、野菜等の収穫袋等として再使用(リユース)する。
【0018】
以上のように、第1の実施の形態では、上方開口状で有底の袋本体1と、袋本体1の周壁上半部Lを内側へ折返して折返し部11を形成して低い高さとなった上方開口部4を施蓋するための蓋体2と、を有し、蓋体2は上方注入口23を有して突出状に設けた注入筒部20を有し、上方開口部4の上方開口端縁12と蓋体2の外周端縁部22を抜糸可能に縫製しているので、1次利用(通常の利用方法)の際は、注入筒部20付のコンテナバッグとして使用できる。また、上方開口端縁12と外周端縁部22を抜糸可能に縫製しているので、容易に袋本体1と蓋体2を分離できる。即ち、注入筒部20を有するコンテナバッグを、再使用(リユース)に適した上方開口状で有底の袋本体1にできる。また、袋本体1に折返し部11を形成して蓋体2を縫製するので、袋本体1の袋閉じ作業が容易となる紐体や帯体を周壁上半部Lに付設したとしても、蓋体2を縫製できる。例えば、袋本体1の周壁上半部Lを巾着袋のように紐体を引くことで開口部が閉じることが可能に構成した際に、蓋体2を縫製する箇所は折返し部11によって形成された上方開口端縁12なので、紐体や紐体の通し部が邪魔にならず蓋体2を縫製できる。よって、袋本体1をより再使用に適したものにできる。また、袋本体1の周壁上半部Lを他の壁部より柔らかく織成すれば、再使用の際に周壁上半部L部を容易に(紐等で束縛して)閉じることができる。また、1次利用の際に使用者の目的に応じて、蓋体2を取り外して、袋本体1を開口状のコンテナバッグとしても使用できる。また、袋本体1と、蓋体2と、に分離可能であるため、各々が異なる材質で製造されても、再使用(リユース)や再利用(リサイクル)の目的で分別回収が容易にできる。
【0019】
また、第2の実施の形態では、袋本体1に内装されて注入筒部20にて上半部が絞られて、注入口23へ向けて投入される投入物を収納可能な内袋3を有するので、より強靱なコンテナバッグとして使用できる。また、投入物(収納)に適した内袋3を内装することで、様々な投入物に対応するコンテナバッグとして使用できる。また、第1の実施の形態と同様に1次利用(通常の利用方法)の際は、注入筒部20付のコンテナバッグとして使用できる。また、上方開口端縁12と外周端縁部22を抜糸可能に縫製しているので、袋本体1と蓋体2を分離できる。即ち、注入筒部20を有するコンテナバッグを、再利用に適した上方開口状で有底の袋本体1にできる。また、袋本体1に折返し部11を形成して蓋体2を縫製するので、袋閉じ作業が容易となる紐体や帯体を周壁上半部Lに付設したとしても、蓋体2を縫製できる。例えば、袋本体1の周壁上半部Lを巾着袋のように紐体を引くことで開口部が閉じることが可能に構成した際に、蓋体2を縫製するのは折返し部11によって形成された上方開口端縁12なので、紐体や紐体の通し部が邪魔にならず蓋体2を縫製できる。よって、袋本体1をより再使用に適したものにできる。また、袋本体1の周壁上半部Lを他の壁部より柔らかく織成すれば、再使用の際に周壁上半部L部を容易に(紐等で縛ったり、結んだりして)閉じることができる。また、袋本体1と蓋体2及び内袋3は、リサイクル資源とすることも当然可能である。また、1次利用の際に使用者の目的に応じて、蓋体2を取り外して、開口状のコンテナバッグとしても使用できる。また、袋本体1と、蓋体2と、内袋3と、に分離可能であるため、各々が異なる材質で製造されても、再使用(リユース)や再利用(リサイクル)の目的で分別回収が容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係るコンテナバッグの第1の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】袋本体の一例を示す断面図である。
【図3】袋本体に折返し部を形成した状態を説明する断面説明図である。
【図4】本発明に係るコンテナバッグの第1実施の形態を示す断面図である。
【図5】要部拡大説明図である。
【図6】本発明に係るコンテナバッグの第2の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図7】本発明に係るコンテナバッグの第2実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 袋本体
2 蓋体
3 内袋
4 上方開口部
11 折返し部
12 上方開口端縁
20 注入筒部
22 外周端縁部
23 注入口
L 周壁上半部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上方開口状で有底の袋本体(1)と、該袋本体(1)の周壁上半部(L)を内側へ折返して折返し部(11)を形成して低い高さとなった上方開口部(4)を施蓋するための蓋体(2)と、を有し、該蓋体(2)は上方注入口(23)を有して突出状に設けた注入筒部(20)を有し、上記上方開口部(4)の上方開口端縁(12)と上記蓋体(2)の外周端縁部(22)を抜糸可能に縫製したことを特徴とするコンテナバッグ。
【請求項2】
上記袋本体(1)に内装されて上記注入筒部(20)にて上半部が絞られて、上記注入口(23)へ向けて投入される投入物を収納可能な内袋(3)を有する請求項1記載のコンテナバッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−285177(P2008−285177A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−129451(P2007−129451)
【出願日】平成19年5月15日(2007.5.15)
【出願人】(507159049)
【出願人】(507158204)
【出願人】(507159083)
【氏名又は名称原語表記】HONG SOON BEOM
【住所又は居所原語表記】ASTA−VILLE 1501,108−4,GURO−5 DONG,GURO−KU,SEOUL,152−055,KOREA
【Fターム(参考)】