説明

コンテンツの変換部分を効率的に解除する方法

【課題】スクランブルによって変形されたコンテンツを効率的に校正する方法及び装置を提供する。
【解決手段】本発明に係るコンテンツの校正方法は、コンテンツを構成するパケットのうち、PMTパケットについてコンテンツの変形部分を校正するための情報を確認し、このPMTパケットの校正情報からコンテンツの変形部分を校正するデータを含む次のPMTパケットの位置情報を抽出し、この位置情報が指示する次のPMTパケットに含まれた校正データを利用して、コンテンツの変形部分を校正することによってコンテンツの変形部分を校正するための情報がコンテンツのどの部分に位置しているかを容易に検索でき、その結果、コンテンツの変形部分を速かに校正できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの復元方法及びその装置に係り、さらに詳細には、スクランブルによって変換されたコンテンツの効率的な解除方法及びその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
次世代の光ディスク保護システムであるAACS(Advanced Access Content System)の規格は、ブロードキャスト暗号化方式を適用してハッカーの攻撃などによって無効とされたデバイスキーセットを有するプレイヤは、ブロードキャスト暗号化方式によって暗号化されたコンテンツを復号化できなくしている。ブロードキャスト暗号化方式とは、複数のプレイヤのそれぞれに相異なるデバイスキーセットを割り当て、公衆に配布されるディスクに無効とされたデバイスキーセットで暗号化された中間キー値を保存しないことによって、このデバイスキーセットを有するプレイヤは、この中間キー値を獲得できず、その結果、コンテンツ復号化キーを獲得できなくする方式をいう。
【0003】
ところが、デバイスキーセットが公開されなくても、特定のプレイヤモデルの構造的な弱点に基づくハッキングソフトウェアが製作され、このような場合、その対象になるプレイヤが非常に多く、それぞれのデバイスキーの無効化への対応には無理がある。
【0004】
このような問題点を解決するために、コンテンツ別にプログラム可能なコードを利用してコンテンツそれぞれの復元を制御するコンテンツ別の更新方式が登場した。この方式によれば、コンテンツの復元を制御する役割を行うセキュリティコードがディスクに保存される。このセキュリティコードは、コンテンツ再生前に予め実行されつつ、コンテンツ再生に問題があるかを判断する。例えば、プレイヤが、デバイスキーセットが公開されたプレイヤであるかを判断するか、またはコンテンツの不法コピーが出回っているかなどを判断する。その結果、コンテンツの再生に問題がないと判断された場合にのみコンテンツを復元し、問題があると判断された場合には、コンテンツを復元しない。言い換えれば、プレイヤは、一回販売されれば、再びこれを更新することは難しいが、ディスクの場合、ディスクごとに前記されたようなセキュリティコードを挿入することによってコンテンツレベルの更新を可能にすることができる。
【0005】
図1は、従来のメディアプレイヤの構成図である。図1に示すように、本実施形態に係るメディアプレイヤ1は、メディアインターフェース11、仮想マシン12、メモリ13、解読/復号化部14、及び出力インターフェース15から構成される。
【0006】
メディアインターフェース11は、DVD(Digital Video Disk)、CD(Compact Disk)のようなメディアからコンテンツ及びこのコンテンツを保護するためのプログラムのセキュリティコードを読み出す。
【0007】
仮想マシン12は、メディアインターフェース11により読み出されたセキュリティコードを実行することによって、メディアプレイヤ1の情報を生成し、メモリ13に保存されたメディアプレイヤ1の情報と、このように生成された解除情報に含まれたメディアプレイヤの情報とを比較する。次いで、仮想マシン12は、前記比較結果に基づいて、メディアプレイヤ1のデバイスキーセットが公開されていたり、ハッキングソフトウェアが出回っているプレイヤであるか否かを判断し、その結果、デバイスキーセットが公開されていたり、ハッキングソフトウェアが回っているプレイヤではないと判断された場合にのみセキュリティコードを追加的に実行することによって、コンテンツの復元を制御するための情報を生成する。
【0008】
解読/復号化部14は、仮想マシン12により生成された情報を利用して、メディアインターフェース11により読み出されたコンテンツを解読して復号化する。もし、コンテンツがCSS規格、AACS規格のようなコンテンツ保護規格によって暗号化された形態であれば、コンテンツの暗号化に使用されたコンテンツ保護規格によって、解読/復号化部14は、メディアインターフェース11により読み出されたコンテンツを解読する。もし、コンテンツがMPEG−2規格によって符号化された形態であれば、MPEG−2規格によってコンテンツを復号化する。
【0009】
出力インターフェース15は、解読/復号化部14により解読及び復号化されたコンテンツをDTV(Digital Television)などのディスプレイ装置に出力する。
【0010】
前述したように、従来のコンテンツ別の更新方式は、メディアプレイヤのデバイスキーセットが公開されたか否かなど、メディアプレイヤの保安環境が正常であるか否かによって、コンテンツの復元を制御できるソリューションを提供している。しかし、従来のコンテンツ別の更新方式は、コンテンツの再生過程でのハッカー等による複数回の攻撃などにもコンテンツ保護が有効なソリューションを提供していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする技術的課題は、コンテンツの再生過程でのハッカーなどによる複数回の攻撃などにもコンテンツ保護が有効に変換されたコンテンツを効率的に解除させる装置及び方法を提供するところにある。また、この方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供するところにある。
【0012】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前述したような技術的課題に限定されず、さらに他の技術的課題が存在しうる。これは、当業者ならば、以下の記載から明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記技術的課題を解決するための本発明に係るコンテンツの解除方法は、コンテンツを構成するパケットのうち、第1パケットについて前記コンテンツの変換部分を解除するための情報を確認するステップと、前記確認された第1パケットの解除情報から、前記パケットのうち、前記コンテンツの変換部分を解除するデータを含む第2パケットの位置情報を抽出するステップと、前記
抽出された位置情報が指示する第2パケットに含まれた解除データを利用して前記コンテンツの変換部分を解除するステップとを含む。
【0014】
前記他の技術的課題を解決するために、本発明は、前記コンテンツの解除方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録したコンピュータで読み取り可能な記録媒体を提供する。
【0015】
前記さらに他の技術的課題を解決するための本発明に係るコンテンツの解除装置は、コンテンツを構成するパケットのうち、第1パケットについて前記コンテンツの変換部分を解除するための情報を確認し、前記確認された解除情報から前記パケットのうち、前記コンテンツの変換部分を解除するデータを含む第2パケットの位置情報を抽出する確認部と、前記確認部により確認された第1パケットの解除情報に基づいて、選択的に前記コンテンツの変換部分を解除する解除部とを備える。
【0016】
また、コンテンツの再生方法において、
前記コンテンツに挿入されるフォレンシック情報を抽出するステップと、
前記フォレンシック情報が含まれたパケットの位置についての情報を抽出するステップと、
前記位置に該当するパケットからフォレンシック情報を抽出するステップと、
前記フォレンシック情報を前記コンテンツに挿入するステップとを含むことを特徴とするコンテンツの再生方法を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、コンテンツに部分的にかかったスクランブルによるコンテンツの変換部分を解除するための情報を、MPEG−2規格上のPMTパケットに位置させることによって、コンテンツの変換部分を解除するための情報がコンテンツのどの部分に位置しているかを容易に検索でき、その結果、コンテンツの変換部分を速かに解除できる。
【0018】
特に、本発明によれば、PMTパケットごとにコンテンツの変換部分を解除するデータを含む次のPMTパケットの位置情報を挿入することによって、あらゆるPMTパケットをパーシングせずとも、直ちにコンテンツの変換部分を解除するデータを検索できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】従来のメディアプレイヤの構成図である。
【図2】本発明の望ましい一実施形態に係るコンテンツ保護方式を示す図である。
【図3】本発明の望ましい一実施形態に係るメディアプレイヤの構成図である。
【図4】本発明の望ましい一実施形態に係る解除情報の確認動作を示す図である。
【図5】本発明の望ましい一実施形態に係るコンテンツの復元方法のフローチャートである。
【図6】本発明の望ましい一実施形態に係るコンテンツの復元方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳細に説明する。
【実施例】
【0021】
図2は、本発明の望ましい一実施形態に係るコンテンツ保護方式を示す図である。
【0022】
前述したように、従来のコンテンツ別の更新方式は、コンテンツの再生過程でのハッカー等による複数回の攻撃などにも、コンテンツ保護の有効な解決策を提供していない。例えば、DVDの地域コードは簡単なリモコン操作のみで容易に無力化されている。特に、コンテンツの復元をいくつかの簡単な制御命令のみを使用して制御すれば、コンテンツの再生過程での何回かの攻撃のみで、従来のコンテンツ別の更新方式は無力化されうる。これを防止するために、本実施形態では、コンテンツにスクランブルをかけて変換させ、このスクランブルを解除する複数の情報を独立させ、この情報をセキュリティコードが持っているようにした。これにより、セキュリティコードは、コンテンツにかかったスクランブルの解除に持続的に関与する。
【0023】
システム仕様によってコンテンツ全体にスクランブルをかけることは、システムに負担を与えうる。したがって、本実施形態では、図2に示すように、コンテンツに部分的にスクランブルをかけて変換させた。これだけでも、ユーザがコンテンツを楽しむのに十分に妨害されうるためである。前述したようなコンテンツの変換部分を解除するための方式としては、次のように多様なものを想定できる。まず、セキュリティコードが、コンテンツの変換部分を解除するためのあらゆる情報を持っている方式を想定できる。この場合、セキュリティコードのデータ量が多くて、セキュリティコードを実行し続けながらコンテンツを再生せねばならない環境では、システムに多くの負担をかけるという問題がある。
【0024】
次に、セキュリティコードが、コンテンツの変換部分を解除するための情報の一部のみを持っており、コンテンツ自体がコンテンツの変換部分を解除するための情報のほとんどを有している方式を想定できる。この場合、コンテンツの変換部分を解除するための情報が、コンテンツのどの部分に位置しているかをどのように容易に検索できるかが問題となる。この問題を解決するために、本実施形態では、MPEG(Moving Picture Experts Group)−2のPMT(Program Map Table)パケットの保留領域に、コンテンツの変換部分を解除するための情報を位置させた。
当業者ならば、PMTパケットではない他の種類の特定のパケットをも利用できるということが理解できる。
【0025】
さらに、一般のパケットと、コンテンツの変換部分を解除する実質的なデータを含むPMTパケットとを区別させるフラグをPMTパケットに挿入する方式を想定できる。しかし、この方式は、コンテンツの変換部分を解除する実質的なデータを含むPMTパケットを検索するために、あらゆるパケットをパーシングせねばならないという問題がある。この問題を解決するために、本実施形態では、PMTパケットにコンテンツの変換部分を解除するデータを含む次のPMTパケットの位置情報を挿入した。
【0026】
図3は、本発明の望ましい一実施形態に係るメディアプレイヤの構成図である。図3に示すように、本実施形態に係るメディアプレイヤ1は、メディアインターフェース31、仮想マシン32、メモリ33、解読部34、確認部35、解除部36、復号化部37、及び出力インターフェース38から構成される。
【0027】
メディアインターフェース31は、DVD、CDのようなメディアからコンテンツ及びこのコンテンツを保護するためのプログラムであるセキュリティコードを読み出す。また、メディアインターフェース31は、解読部34での解読速度、復号化部37での復号化速度に合わせるためにコンテンツを一時的に保存する機能を支援してもよい。
【0028】
本実施形態でのコンテンツの代表的な例としては、MPEG−2規格によって符号化された形態のAV(Audio Visual)タイトルが挙げられる。また、コンテンツは、多様な方式で保護されうる。例えば、コンテンツは、CSS(Content Scramble System)規格によってCSSキーを使用して暗号化された形態であってもよい。また、コンテンツは、AACS(Advances Access Content System)規格によってタイトルキーを使用して暗号化された形態であってもよい。また、コンテンツは、本実施形態によって部分的にスクランブルがかかった形態であってもよい。
【0029】
仮想マシン32は、メディアインターフェース31により読み出されたセキュリティコードを実行することによってメディアプレイヤ1の情報を生成し、メモリ33に保存されたメディアプレイヤ1の情報と、このように生成された解除情報に含まれたメディアプレイヤの情報とを比較する。次いで、仮想マシン32は、前記比較結果に基づいて、メディアプレイヤ1が、デバイスキーセットが公開されたり、ハッキングソフトウェアが出回っているプレイヤであるか否かを判断し、その結果、デバイスキーセットが公開されたり、ハッキングソフトウェアが出回っているプレイヤではないと判断された場合にのみセキュリティコードを追加的に実行することによって、コンテンツの変換部分を解除するための情報(以下、簡略に“解除情報”ともいう)を生成する。例えば、仮想マシン32は、ジャバ仮想マシンの形態で具現され、セキュリティコードは、ジャババイトコードと呼ばれるジャバプログラムの形態で具現されうる。ジャバ仮想マシンは、ジャババイトコードを解釈し、これを、ジャバ仮想マシンが設置されたプラットホーム(ウィンドウズ(登録商標)、ユニックス、マッキントシュなど)に合わせて実行する。当業者ならば、仮想マシン32は、ジャバではない他の形態のプログラミング言語で具現されてもよいということを理解できる。
【0030】
もし、本実施形態でのコンテンツが部分的にかかったスクランブルによって変換されたコンテンツであれば、前記の解除情報は、この変換部分を解除するためのディスクランブル情報になる。特に、本実施形態での解除情報は、この解除情報の値が容易に把握されないように難読化処理されてもよい。難読化処理は、
当業者ならば、マスクのような類似した意味の用語で表現されうるということを理解できる。また、本実施形態でのコンテンツが部分的にかかったスクランブルによって変換されたコンテンツであれば、解除情報は、コンテンツのどの部分にスクランブルがかかっているかを表す位置情報も含み、スクランブルがかかったコンテンツの部分についての大きさの情報も含みうる。
【0031】
解読部34は、メディアインターフェース31により読み出されたコンテンツを解読する。もし、コンテンツがCSS規格によってCSSキーを使用して暗号化された形態であれば、解読部34は、CSS規格によってCSSキーを使用してメディアインターフェース31により読み出されたコンテンツを解読する。もし、コンテンツがAACS規格によってタイトルキーを使用して暗号化された形態であれば、解読部34は、AACS規格によってタイトルキーを使用してメディアインターフェース31により読み出されたコンテンツを解読する。もし、コンテンツが前記された方式などによって暗号化されていない形態であれば、当業者ならば、本実施形態での解読部34は存在しないということを理解できる。
【0032】
確認部35は、解読部34により解読されたコンテンツを構成するパケットのうち、何れか一つのPMTパケットに対してコンテンツの変換部分を解除するための情報を確認し、このように確認されたPMTパケットの解除情報からコンテンツの変換部分を解除する実質的なデータ(以下、簡略に“解除データ”ともいう)を含む次のPMTパケットの位置情報を抽出する。
【0033】
また、確認部35は、このように確認されたPMTパケットの解除情報が解除データを含んでいれば、PMTパケットの解除情報から解除データを抽出する。PMTパケットのそれぞれに含まれたあらゆる解除情報が解除データを含んでおらず、解除データを含む次のPMTパケットの相対的な位置情報のみを含んでいる。言い換えれば、PMTパケットのそれぞれに含まれた解除情報は、解除データを含む次のPMTパケットの相対的な位置情報を常に含むが、解除データを常に含むものではない。
【0034】
ただし、解除データを含んでいないPMTパケットは、その代りにフォレンシックマーキングのための情報を含んでもよい。確認部35は、PMTパケットの解除情報が解除データを含まず、フォレンシックマーキングのための情報を含んでいれば、PMTパケットの解除情報からフォレンシックマーキングのための情報を抽出する。フォレンシックマーキングは、コンテンツがハッキングされて任意的に配布されたとき、ハッキングに使用されたプレイヤ情報を表示するための方法であって、例えば、プレイヤIDなどがコンテンツに挿入されうる。
【0035】
図4は、本発明の望ましい一実施形態に係る解除情報の確認動作を示す図である。
【0036】
メディアプレイヤ1は、ユーザの選択によってメディアに保存されたコンテンツのはじめから再生してもよく、中間から再生してもよい。これにより、確認部35は、ユーザにより選択された再生開始地点から最初に現れるPMTパケットについて解除情報を確認する。
【0037】
図4に示すように、確認部35は、次のPMTパケットの相対的位置情報を参照して、現在PMTパケットから解除データを含む次のPMTパケットの間に存在するPMTパケットについての解除情報の確認を省略し、直ちに解除データを含む次のPMTパケットについて解除情報を確認する。ここで、次のPMTパケットの相対的位置情報とは、現在PMTパケットから、解除データを含む次のPMTパケットがいくつのパケットほど離れていているかを表す相対的なパケットナンバーを意味する。すなわち、確認部35は、現在PMTパケットのナンバーに次のPMTパケットの相対的なパケットナンバー及び1を加算した値に該当する位置に存在する次のPMTパケットについて解除情報を確認する。
【0038】
例えば、ユーザにより選択された再生開始地点が、図4に示す左側矢印410であれば、確認部35は、この地点から最初に現れるPMTパケットA41の解除情報を確認する。次いで、確認部35は、PMTパケットA41の解除情報から解除データを含む次のPMTパケット、すなわち、PMTパケットB42の相対的なパケットナンバーを抽出し、これを参照して、PMTパケットB42の解除情報を確認する。次いで、確認部35は、PMTパケットB42の解除情報から解除データを含む次のPMTパケット、すなわち、PMTパケットD44の相対的なパケットナンバーを抽出し、これを参照して、PMTパケットD44の解除情報を確認する。この場合、PMTパケットC43の解除情報の確認は省略される。これは、PMTパケットC43が解除データを含んでいないためである。
【0039】
もし、ユーザにより選択された再生開始地点が、図3に示す右側矢印420であれば、確認部35は、この地点から最初に現れるPMTパケットC43の解除情報を確認する。次いで、確認部35は、PMTパケットC43の解除情報から解除データを含む次のPMTパケット、すなわち、PMTパケットD44の相対的なパケットナンバーを抽出し、これを参照して、PMTパケットD44の解除情報を確認する。この場合、PMTパケットC43の解除情報確認が行われる。これは、PMTパケットC43が解除データを含んでいないPMTパケットであるが、ユーザにより選択された再生開始地点から最初に現れるPMTパケットであるためである。
【0040】
すなわち、確認部35は、ユーザにより選択された任意の再生開始地点から最初に現れるPMTパケットの解除情報を確認し、以後からは、あらゆるPMTパケットについて解除情報確認を行う必要なしに、解除データを含んでいるPMTパケットのみの解除情報を確認する。
【0041】
解除部36は、仮想マシン32により生成された解除情報と、確認部35により確認された何れか一つのPMTパケットの解除情報とに基づいて選択的にコンテンツの変換部分を解除する。さらに詳細に説明すれば、解除部36は、確認部35により確認されたPMTパケットの解除情報が解除データを含む場合、確認部35により確認されたPMTパケットの解除情報に含まれた解除データ、すなわち、確認部35により抽出された解除データを利用してコンテンツの変換部分を解除する。
【0042】
ただし、解除部36は、確認部35により確認されたPMTパケットの解除情報が解除データを含まずに、フォレンシックマーキングのための情報を含む場合には、コンテンツにフォレンシックマーキングのための情報を挿入する。PMTパケットの解除情報が解除データを含む場合には、これにより、コンテンツに部分的にかかったスクランブルが解除され、PMTパケットの解除情報がフォレンシックマーキングのための情報を含む場合には、コンテンツにフォレンシックマーキングのための情報が挿入されるというところに差がある。
【0043】
解除部36での解除は、多様な方式で具現されうる。例えば、確認部35により確認されたPMTパケットの解除情報は、難読化処理された形態でありうる。この場合、仮想マシン32により生成された解除情報は、確認部35により確認されたPMTパケットの解除情報の難読化処理の除去に使用される。すなわち、解除部36は、仮想マシン32により生成された解除情報を利用して、確認部35により確認されたPMTパケットの解除情報の難読化処理を除去し、このように、難読化処理が除去された解除情報を利用してコンテンツの変換部分を解除する。前記された難読化処理は、排他的論理和などの演算を利用して具現されうる。すなわち、解除情報は、この解除情報と特定のビット列とを排他的論理和することによって難読化処理されうる。この場合、仮想マシン32により生成された解除情報は、この特定のビット列になる。すなわち、解除部36は、仮想マシン32により生成された解除情報と、確認部35により確認されたPMTパケットの解除情報とを排他的論理和することによって、本来の解除情報を復元する。
【0044】
本実施形態で、解除情報は、解除データ、フォレンシックマーキングのための情報、解除データを含む次のPMTパケットの位置情報などを含むが、解除データを含む次のPMTパケットの位置情報は、難読化処理されていない状態にあってもよい。解除データを含む次のPMTパケットの位置情報は、解除情報が解除データ、フォレンシックマーキングのための情報などを含んでいるか否かに関係なく、常に確認されねばならない情報であるため、難読化処理及び除去に対する負担を減らすために難読化処理されず、直ちに使用可能にすることができる。
【0045】
復号化部37は、解読部34により解読されたコンテンツ、解除部36により解除されたコンテンツ、またはフォレンシックマーキングのための情報が挿入されたコンテンツを復号化することによって、本来のコンテンツを復元する。もし、コンテンツがMPEG−2規格によって符号化された形態であれば、復号化部37は、MPEG−2規格によって解除部36により解除されたコンテンツを復号化することによって、本来のコンテンツを復元できる。
【0046】
出力インターフェース38は、復号化部37により復号化されたコンテンツをDTVなどのディスプレイ装置に出力する。
【0047】
図5及び図6は、本発明の望ましい一実施形態に係るコンテンツの復元方法のフローチャートである。図5及び図6に示すように、本実施形態に係るコンテンツの復元方法は、次のようなステップで構成される。本実施形態に係るコンテンツの復元方法は、図3に示すメディアプレイヤ1で時系列的に処理されるステップで構成される。したがって、以下で省略された内容であっても、図3に示すメディアプレイヤ3に関して前述された内容は、本実施形態に係るコンテンツの復元方法にも適用される。
【0048】
ステップ501で、メディアプレイヤ3は、DVD、CDのようなメディアから、コンテンツ及びこのコンテンツを保護するためのプログラムのセキュリティコードを読み出す。
【0049】
ステップ502で、メディアプレイヤ3は、ステップ501で抽出されたセキュリティコードを実行することによってメディアプレイヤ3の情報を生成し、メモリ33に保存されたメディアプレイヤ3の情報と、このように生成された解除情報に含まれたメディアプレイヤの情報とを比較する。
【0050】
ステップ503で、メディアプレイヤ3は、ステップ502での比較結果に基づいて、メディアプレイヤ3が、デバイスキーセットが公開されたり、ハッキングソフトウェアが出回っているプレイヤであるか否かを判断し、その結果、デバイスキーセットが公開されたり、ハッキングソフトウェアが出回っているプレイヤではないと判断された場合には、ステップ504に進み、デバイスキーセットが公開されたり、ハッキングソフトウェアが出回っているプレイヤであると判断された場合には終了する。
【0051】
ステップ504で、メディアプレイヤ3は、セキュリティコードを追加的に実行することによってコンテンツの変換部分を解除するための情報を生成する。
【0052】
ステップ505で、メディアプレイヤ3は、ステップ501で読み出されたコンテンツを解読する。
【0053】
ステップ506で、メディアプレイヤ3は、ステップ505で解読されたコンテンツを構成するパケットのうち、ユーザにより選択された再生開始地点から最初に現れるPMTパケットの解除情報を確認する。
【0054】
ステップ507で、メディアプレイヤ3は、ステップ504で生成された解除情報を利用して、ステップ506で確認された解除情報の難読化処理を除去する。前述したように、解除データを含む次のPMTパケットの位置情報などは、難読化処理されていない状態にあってもよい。
【0055】
ステップ508で、メディアプレイヤ3は、ステップ507で難読化処理が除去された解除情報が解除データを含んでいれば、ステップ510に進み、含んでいなければ、ステップ509に進む。
【0056】
ステップ509で、メディアプレイヤ3は、ステップ507で難読化処理が除去された解除情報がフォレンシックマーキングのための情報を含んでいれば、ステップ512に進み、含んでいなければ、ステップ514に進む。
【0057】
ステップ510で、メディアプレイヤ3は、ステップ507で難読化処理が除去された解除情報から解除データを抽出する。
【0058】
ステップ511で、メディアプレイヤ3は、ステップ510で抽出された解除データを利用してコンテンツの変換部分を解除する。
【0059】
ステップ512で、メディアプレイヤ3は、ステップ507で難読化処理が除去された解除情報からフォレンシックマーキングのための情報を抽出する。
【0060】
ステップ513で、メディアプレイヤ3は、ステップ512で抽出されたフォレンシックマーキングのための情報をコンテンツに挿入する。
【0061】
ステップ514で、メディアプレイヤ3は、ステップ506で確認されたPMTパケットの解除情報から解除データを含む次のPMTパケットの位置情報を抽出する。
【0062】
ステップ515で、メディアプレイヤ3は、ステップ514で抽出された次のPMTパケットの位置情報を参照して、現在PMTパケットから解除データを含む次のPMTパケットの間に存在するPMTパケットの解除情報の確認を省略し、直ちに解除データを含む次のPMTパケットの解除情報を確認する。次いで、ステップ507に進むことによって、ステップ513で抽出された位置情報が指示する次のPMTパケットに含まれた解除データを利用してコンテンツの変換部分を解除できる。
【0063】
ステップ516で、メディアプレイヤ3は、ステップ505で解読されたコンテンツ、ステップ511で解除されたコンテンツ、またはステップ513でフォレンシックマーキングのための情報が挿入されたコンテンツを復号化することによって、本来のコンテンツを復元する。
【0064】
ステップ517で、メディアプレイヤ3は、ステップ516で復号化されたコンテンツをDTVなどのディスプレイ装置に出力する。
【0065】
一方、前述した本発明の実施形態は、コンピュータで実行できるプログラムで作成可能であり、コンピュータで読み取り可能な記録媒体を利用して、前記プログラムを動作させる汎用のディジタルコンピュータで具現されうる。また、前述した本発明の実施形態で使用されたデータの構造は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体にいろいろな手段を通じて記録されうる。
【0066】
前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体は、マグネチック記録媒体(例えば、ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光学的判読媒体(例えば、CD−ROM、DVD等)及びキャリアウェーブ(例えば、インターネットを介した伝送)のような記録媒体を含む。
【0067】
以上、本発明についてその望ましい実施形態を中心に説明した。当業者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変換された形態で具現されうるということを理解できる。したがって、開示された実施形態は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばならない。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に記載されており、それと同等な範囲内にあるあらゆる差異点は、本発明に含まれたものと解釈されねばならない。
【符号の説明】
【0068】
3 メディアプレイヤ
31 メディアインターフェース
32 仮想マシン
33 メモリ
34 解読部
35 確認部
36 解除部
37 復号化部
38 出力インターフェース


【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツの再生方法において、
前記コンテンツに挿入されるフォレンシック情報を抽出するステップと、
前記フォレンシック情報が含まれたパケットの位置についての情報を抽出するステップと、
前記位置に該当するパケットからフォレンシック情報を抽出するステップと、
前記フォレンシック情報を前記コンテンツに挿入するステップとを含むことを特徴とするコンテンツの再生方法。
【請求項2】
前記パケットは、PMTパケットであることを特徴とする請求項1に記載のコンテンツの再生方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−252777(P2012−252777A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172593(P2012−172593)
【出願日】平成24年8月3日(2012.8.3)
【分割の表示】特願2006−197246(P2006−197246)の分割
【原出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung−ro,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】