説明

コンテンツ共有サイト用の著作権情報処理装置、著作権情報処理方法及び著作権情報処理プログラム

【課題】コンテンツ共有サイトからコンテンツの配信を受けるユーザーの利益を確保しつつ、コンテンツ共有サイトにアップロードされるコンテンツの著作権者の保護を図ることができる。
【解決手段】複数のユーザー端末2からコンテンツをアップロードされ、コンテンツを配信可能に格納するコンテンツ共有サイト用の著作権情報処理装置10であって、通信ネットワーク3を介して接続されるユーザー端末2に、コンテンツの内容を特定可能な情報と対応表示してコンテンツの著作権者を特定可能な著作権情報の入力を促す著作権情報入力画面を提示する手段と、ユーザー端末2により著作権情報入力画面で入力された著作権情報を受け取ってコンテンツのコンテンツIDと対応させて著作権情報を格納する手段と、格納した著作権情報の入力者であるユーザーのユーザーコードを認識し、格納した著作権情報に対する支払金額をユーザーコードに対応して格納する手段とを備える著作権情報処理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツの著作権情報の処理に係り、特にコンテンツ共有サイトに著作権情報に適するコンテンツ共有サイト用の著作権情報処理装置、著作権情報処理方法及び著作権情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像や音楽などのデジタル化されたコンテンツがインターネット等の通信ネットワークを介して流通するようになっているが、デジタル化されたコンテンツは複製が容易であるため、不正使用を防止して著作権を保護することが急務になっている。例えば特許文献1には、流通させるコンテンツに電子透かしで著作権者名、利用許諾条件等の識別情報を埋め込み、後にコンテンツが不正に複製されて流通している場合に、流通しているコンテンツを入手して電子透かしを調べ、そのコンテンツが不正に流通しているものか否かを判定可能とする不正使用検査方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−318537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、動画共有サイトなどコンテンツ共有サイトにおいては、多数のユーザーがコンテンツをアップロードし、そのコンテンツの配信がなされる。しかし、これらのコンテンツには著作権情報が不明なコンテンツも多数存在するため、配信者側において、コンテンツを不正に配信してしまう危険性がある。斯様なコンテンツの不正配信は、著作権者の利益を害し、長期的には良質なコンテンツの供給を阻害することになる。そのため、コンテンツ共有サイトからコンテンツの配信を受けるユーザーの利益を確保しつつ、コンテンツ共有サイトにアップロードされるコンテンツの著作権者の保護を図ることが求められている。
【0005】
本発明は上記課題に鑑み提案するものであって、コンテンツ共有サイトからコンテンツの配信を受けるユーザーの利益を確保しつつ、コンテンツ共有サイトにアップロードされるコンテンツの著作権者の保護を図ることができるコンテンツ共有サイト用の著作権情報処理装置、著作権情報処理方法及び著作権情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の著作権情報処理装置は、複数のユーザー端末からコンテンツをアップロードされ、前記コンテンツを配信可能に格納するコンテンツ共有サイト用の著作権情報処理装置であって、通信ネットワークを介して接続されるユーザー端末に、前記コンテンツの内容を特定可能な情報と対応表示して前記コンテンツの著作権者を特定可能な著作権情報の入力を促す著作権情報入力画面を提示する手段と、前記ユーザー端末により前記著作権情報入力画面で入力された前記著作権情報を受け取って前記コンテンツのコンテンツIDと対応させて前記著作権情報を格納する手段と、前記格納した著作権情報の入力者であるユーザーのユーザーコードを認識し、前記格納した前記著作権情報に対する支払金額を前記ユーザーコードに対応して格納する手段とを備えることを特徴とする。
前記構成により、コンテンツ共有サイトにおいて、著作権情報が不明なコンテンツに対し、著作権情報を特定してコンテンツを配信することが可能となる。従って、コンテンツ共有サイトからコンテンツの配信を受けるユーザーの利益を確保しつつ、コンテンツ共有サイトにアップロードされるコンテンツの著作権者の保護を図ることができる。また、著作権情報を提供したユーザーに対して報酬を支払うことが可能となるので、著作権情報の提供に対するユーザーの高いモチベーションを確保し、著作権情報の不明なコンテンツに対して広汎に且つ持続的に著作権情報を取得することができる。
【0007】
また、本発明の著作権情報処理装置は、前記著作権者を特定可能な著作権情報として、少なくとも前記コンテンツの著作権の所有者と前記コンテンツの著作権コードを有することを特徴とする。
前記構成により、著作権を確実に特定することができると共に、使用料を支払うべき著作権の所有者を同時に特定し、使用料の支払の便宜性を高めることができる。
【0008】
また、本発明の著作権情報処理装置は、前記著作権情報を、前記コンテンツの音楽若しくは音声の著作権情報と前記コンテンツの映像の著作権情報とし、前記著作権情報入力画面を、前記音楽若しくは音声の著作権者を特定可能な著作権情報と、前記映像の著作権者を特定可能な著作権情報との入力を促す構成とし、前記音楽若しくは音声の著作権情報に対する支払金額を前記音楽若しくは音声の著作権情報の格納に対応するユーザーの前記ユーザーコードと対応して格納し、前記映像の著作権情報に対する支払金額を前記映像の著作権情報の格納に対応するユーザーの前記ユーザーコードと対応して格納することを特徴とする。
前記構成により、音楽若しくは音声と映像で構成されるコンテンツに対し、音楽若しくは音声の著作権情報と映像の著作権情報をそれぞれ特定し、音楽若しくは音声の著作権と映像の著作権の双方を保護することができる。また、音楽若しくは音声の著作権情報と、映像の著作権情報の一方のみを認識しているユーザーの著作権情報の提供に対するモチベーションを確保することができると共に、著作権情報を提供するユーザーの利便性を高めることができる。
【0009】
また、本発明の著作権情報処理装置は、前記コンテンツが動的コンテンツである場合に、前記コンテンツを特定可能な情報の指定情報の受取に応じて前記動的コンテンツを動的に再生して提示する手段を備えることを特徴とする。
前記構成により、ユーザーは経時的に変化する動的コンテンツの内容を確認してから、その動的コンテンツに対する著作権情報を提供することが可能となり、ユーザーの利便性を向上できると共に、取得する著作権情報の信頼性を高めることができる。
【0010】
また、本発明の著作権情報処理装置は、配信可能なコンテンツの配信指定情報の入力を促す配信コンテンツ提示画面を前記ユーザー端末に提示する手段と、前記ユーザー端末により前記配信コンテンツ提示画面で入力された前記配信指定情報を受け取って前記配信指定情報に対応するコンテンツを抽出して前記ユーザー端末に配信する手段と、前記コンテンツの配信を受けたユーザーのユーザーコードを認識し、前記配信するコンテンツに対する請求金額を前記ユーザーコードに対応して格納する手段とを備えることを特徴とする。
前記構成により、コンテンツの配信で著作権情報処理装置の運営者等の収益性を確保することができる。
【0011】
また、本発明の著作権情報処理装置は、前記配信可能なコンテンツを前記著作権情報が格納されているコンテンツとすることを特徴とする。
前記構成により、著作権の保護が図られているコンテンツのみを配信することが可能となり、不正なコンテンツの配信をより確実に防止することができる。
【0012】
また、本発明の著作権情報処理方法は、複数のユーザー端末からコンテンツをアップロードされ、前記コンテンツを配信可能に格納するコンテンツ共有サイト用の著作権情報処理方法であって、通信ネットワークを介して接続されるユーザー端末に、前記コンテンツの内容を特定可能な情報と対応表示して前記コンテンツの著作権者を特定可能な著作権情報の入力を促す著作権情報入力画面をサーバが提示するステップと、前記サーバが、前記ユーザー端末により前記著作権情報入力画面で入力された前記著作権情報を受け取って前記コンテンツのコンテンツIDと対応させて前記著作権情報を格納すると共に、前記格納した著作権情報の入力者であるユーザーのユーザーコードを認識し、前記格納した前記著作権情報に対する支払金額を前記ユーザーコードに対応して格納するステップとを備えることを特徴とする。
前記構成により、コンテンツ共有サイトにおいて、著作権情報が不明なコンテンツに対し、著作権情報を特定してコンテンツを配信することが可能となる。従って、コンテンツ共有サイトからコンテンツの配信を受けるユーザーの利益を確保しつつ、コンテンツ共有サイトにアップロードされるコンテンツの著作権者の保護を図ることができる。また、著作権情報を提供したユーザーに対して報酬を支払うことが可能となるので、著作権情報の提供に対するユーザーの高いモチベーションを確保し、著作権情報の不明なコンテンツに対して広汎に且つ持続的に著作権情報を取得することができる。
【0013】
また、本発明の著作権情報処理プログラムは、複数のユーザー端末からコンテンツをアップロードされ、前記コンテンツを配信可能に格納するコンテンツ共有サイト用の著作権情報処理プログラムであって、通信ネットワークを介して接続されるユーザー端末に、前記コンテンツの内容を特定可能な情報と対応表示して前記コンテンツの著作権者を特定可能な著作権情報の入力を促す著作権情報入力画面を提示する手段と、前記ユーザー端末により前記著作権情報入力画面で入力された前記著作権情報を受け取って前記コンテンツのコンテンツIDと対応させて前記著作権情報を格納する手段と、前記格納した著作権情報の入力者であるユーザーのユーザーコードを認識し、前記格納した前記著作権情報に対する支払金額を前記ユーザーコードに対応して格納する手段としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
前記構成により、コンテンツ共有サイトにおいて、著作権情報が不明なコンテンツに対し、著作権情報を特定してコンテンツを配信することが可能となる。従って、コンテンツ共有サイトからコンテンツの配信を受けるユーザーの利益を確保しつつ、コンテンツ共有サイトにアップロードされるコンテンツの著作権者の保護を図ることができる。また、著作権情報を提供したユーザーに対して報酬を支払うことが可能となるので、著作権情報の提供に対するユーザーの高いモチベーションを確保し、著作権情報の不明なコンテンツに対して広汎に且つ持続的に著作権情報を取得することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明のコンテンツ共有サイト用の著作権情報処理装置、著作権情報処理方法又は著作権情報処理プログラムは、コンテンツ共有サイトからコンテンツの配信を受けるユーザーの利益を確保しつつ、コンテンツ共有サイトにアップロードされるコンテンツの著作権者の保護を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態の著作権情報処理装置によるシステム全体の構成を示す構成図。
【図2】本発明の実施形態の著作権情報処理装置を含むサーバ装置の構成を示すブロック図。
【図3】実施形態の著作権情報処理装置による著作権情報処理を示すフローチャート。
【図4】著作権情報入力画面の例を示す説明図。
【図5】図2のサーバ装置によるコンテンツ配信処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態の著作権情報処理装置について説明する。図1は本発明の実施形態の著作権情報処理装置によるシステム全体の構成を示す構成図、図2は本発明の実施形態の著作権情報処理装置を含むサーバ装置の構成を示すブロック図である。
【0017】
本実施形態の著作権情報処理装置によるシステム全体の構成は、図1に示すように、コンテンツ共有サイトを提供するサーバ装置1と、通信ネットワーク3を介してサーバ装置1に接続する複数のユーザー端末2とから構成され、著作権情報処理装置10でユーザー端末2に提示する画面は、コンテンツ共有サイト内等でサーバ装置1がユーザー端末2に提示する画面として提示する。サーバ装置1には、通信ネットワーク3を介して複数のユーザー端末2から適宜コンテンツがアップロードされ、サーバ装置1は、アップロードされたコンテンツを要求するユーザーのユーザー端末2に配信或いはダウンロード可能に格納する。
【0018】
サーバ装置1は、図2に示すように、著作権情報処理部11と、著作権関連情報格納部12と、ユーザー情報格納部13と、支払処理部14と、コンテンツ配信処理部15と、配信コンテンツ格納部16と、請求処理部17と、通信ネットワーク3を介してのユーザー端末2との通信を制御する通信制御部18とを有し、著作権情報処理部11、著作権関連情報格納部12、ユーザー情報格納部13、支払処理部14によって著作権情報処理装置10を構成する。
【0019】
著作権情報処理部11は、CPU等の演算処理部と制御プログラムやデータ等が格納されるROMやメモリ等の記憶部とから構成される。著作権情報処理部11は、ユーザー端末2からの画面提示要求の受信に応じて、後述する著作権関連情報格納部12に格納されているデータを用い、コンテンツの名称若しくはサンプル画像等のコンテンツの内容を一般的に特定可能な情報と、コンテンツのID番号であるコンテンツIDと、コンテンツの著作権の所有者とコンテンツの著作権コードとから構成されるコンテンツの著作権者を特定可能な著作権情報の入力欄と、ユーザーコードの入力欄とを対応表示する著作権情報入力画面を生成してユーザー端末2に送信して提示し、前記入力欄の表示により著作権情報入力画面で著作権情報の入力を促す。図4に示すように、本実施形態においては、著作権情報の入力欄をコンテンツに対する音楽若しくは音声の著作権情報の入力欄と、映像の著作権情報の入力欄とに区分し、それぞれに著作権の所有者、著作権コード、ユーザーコードが入力可能になっている著作権情報入力画面を提示するようになっており、それぞれの著作権情報の入力を促すようになっている。
【0020】
更に、著作権情報処理部11は、ユーザー端末2から送信される著作権情報入力画面で入力された著作権情報を受け取り、その著作権情報をコンテンツのコンテンツIDと対応させて著作権関連情報格納部12に格納する。また、著作権情報処理部11は、著作権情報入力画面で提示しているコンテンツが動的コンテンツである場合に、ユーザー端末2からコンテンツの内容を特定可能な情報の指定入力を受信した場合に、指定された動的コンテンツを動的に再生して提示するようになっている。
【0021】
著作権関連情報格納部12は、データが格納されるハードディスク等の記憶部で構成される。著作権関連情報格納部12には、コンテンツの名称若しくはサンプル画像等のコンテンツの内容を一般的に特定可能な情報と、そのコンテンツのコンテンツIDが格納されると共に、又、そのコンテンツの著作権情報が格納されている場合には、そのコンテンツの音楽若しくは音声の著作権者を特定可能な著作権情報である前記音楽若しくは音声の著作権の所有者及び前記音楽若しくは音声の著作権コードが格納され、又、そのコンテンツの映像の著作権者を特定可能な著作権情報である前記映像の著作権の所有者及び前記映像の著作権コードが格納される。また、著作権関連情報格納部12には、コンテンツに対応する音楽若しくは音声又は映像の著作権情報が入力されている場合に、その著作権情報の入力者であるユーザーを特定するためのユーザーコードが併せて格納され(図4参照)、更にその著作権情報の格納の年月日を有する日時も併せて格納される。
【0022】
ユーザー情報格納部13は、データが格納されるハードディスク等の記憶部で構成され、登録したユーザーのユーザーコード、ユーザーの氏名、住所、連絡先、支払いを行う際の銀行口座、著作権情報の提供に対する報酬の支払金額、有料コンテンツの配信に対する請求金額等が格納される。尚、ユーザーに対する報酬の支払い又は請求を行う際には、後述する支払処理部14又は請求処理部17が、ユーザー情報格納部13に格納されている報酬の支払金額と請求金額を合算して差額を算出し、その差額等を図示省略するプリンター又は請求用の端末等に出力して請求するようにするとよい。
【0023】
支払処理部14は、CPU等の演算処理部と制御プログラムやデータ等が格納されるROMやメモリ等の記憶部とから構成される。支払処理部14は、著作権関連情報格納部12に所定月内の著作権情報の格納がある場合に、その入力者であるユーザーのユーザーコードを著作権関連情報格納部12の格納データから認識し、前記格納した著作権情報の入力に対する報酬の支払金額をその記憶部に設定されている報酬テーブル等から認識し、その報酬の支払金額を前記ユーザーのユーザーコードに対応してユーザー情報格納部13に格納する。尚、支払処理部14は、音楽若しくは音声の著作権情報に対する支払金額はその音楽若しくは音声の著作権情報の格納に対応するユーザーのユーザーコードと対応してユーザー情報格納部13に格納し、映像の著作権情報に対する支払金額はその映像の著作権情報の格納に対応するユーザーのユーザーコードと対応してユーザー情報格納部13に格納する。
【0024】
コンテンツ配信処理部15は、CPU等の演算処理部と制御プログラムやデータ等が格納されるROMやメモリ等の記憶部とから構成される。コンテンツ配信処理部15は、ユーザー端末2からの画面提示要求の受信に応じて、例えば画像検索結果等のコンテンツの検索結果を示す画面である配信コンテンツ提示画面を生成して前記記憶部のデータ等から生成してユーザー端末2に送信して提示し、前記配信コンテンツ提示画面で配信可能な一覧のコンテンツの中から配信を希望するコンテンツの配信指定とユーザーコードの入力を促すと共に、ユーザー端末2からの特定のコンテンツの配信指定情報の受け取りに応じて、その配信指定情報に対応するコンテンツを配信コンテンツ格納部16から抽出してユーザー端末2に配信する。尚、配信コンテンツ提示画面においては、後述する配信コンテンツ格納部16に著作権情報の格納があり、配信可能なコンテンツのみを提示する構成、或いは配信コンテンツ格納部16に格納されているコンテンツで配信不能なものも含めて提示し、配信指定の入力を受けた場合等に配信不能である旨を提示する構成としてもよい。
【0025】
配信コンテンツ格納部16は、データが格納されるハードディスク等の記憶部で構成され、複数のユーザー端末2よりアップロードされたコンテンツが格納される。本実施形態における配信コンテンツ格納部16は、著作権情報の格納が有るコンテンツの場合にはその旨の情報を合わせて格納しており、著作権情報の格納が有るコンテンツのみが配信可能となっている。
【0026】
請求処理部17は、CPU等の演算処理部と制御プログラムやデータ等が格納されるROMやメモリ等の記憶部とから構成される。請求処理部17は、コンテンツ配信処理部15でのコンテンツの配信指定情報の受け取り時に、ユーザー端末2からコンテンツ配信処理部15を介してユーザーコードを受け取って認識し、その記憶部に設定されている課金テーブル等から請求金額を認識し、その請求金額をユーザーコードに対応してユーザー情報格納部13に格納する。
【0027】
次に、本実施形態の著作権情報処理装置10による著作権情報処理及びコンテンツの配信処理について説明する。図3は実施形態の著作権情報処理装置による著作権情報処理を示すフローチャート、図4は著作権情報入力画面の例を示す説明図、図5は図2のサーバ装置によるコンテンツ配信処理を示すフローチャートである。
【0028】
先ず、著作権情報処理装置10の著作権情報処理部11は、ユーザー端末2からの著作権情報入力画面の提示要求の受信に応じて、著作権関連情報格納部12に格納されているデータを用い、図4に示すように、コンテンツの名称若しくはサンプル画像等のコンテンツの内容を一般的に特定可能な情報と、コンテンツのID番号であるコンテンツIDと、コンテンツの音楽若しくは音声の著作権の所有者の入力欄、その音楽若しくは音声の著作権コードの入力欄、その音楽若しくは音声の著作権情報の入力者であるユーザーのユーザーコードの入力欄、及び前記コンテンツの映像の著作権の所有者の入力欄、その映像の著作権コードの入力欄、その映像の著作権情報の入力者であるユーザーのユーザーコードの入力欄とを対応表示する著作権情報入力画面を生成してユーザー端末2に送信して提示し、前記入力欄の表示により音楽若しくは音声の著作権情報と映像の著作権情報の入力を促す(S101)。
【0029】
尚、図4の著作権情報入力画面の例では、音楽若しくは音声の著作権と映像の著作権の双方の記録がないもの、音楽若しくは音声の著作権と映像の著作権の一方の記録がないもの、音楽若しくは音声の著作権と映像の著作権の双方が記録されているものが提示され、双方の著作権情報の記録があるものについては、著作権情報処理部11は、その記憶部に記憶されている設定時間間隔を図示省略するタイマーで計測し、設定時間間隔の到来に応じて前記双方の著作権情報の記録の有無を確認し、前記双方の著作権情報の記録が有るものについては、非表示のデータを記録する等で著作権情報入力画面に提示されないようにするとよい。また、前記双方の著作権情報の記録の有無を著作権情報処理部11が随時確認し、前記双方の著作権情報の記録が有るものについては、非表示のデータを記録する等で著作権情報入力画面に即時に提示されないようにしてもよい。
【0030】
著作権情報入力画面を提示されたユーザーは、ユーザー端末2で著作権情報入力画面において複数のコンテンツの中から必要に応じて動的コンテンツを動作させて内容を確認する。即ち、ユーザー端末2からコンテンツの名称或いはサンプル画像等のコンテンツの内容を特定可能な情報を指定して送信し、著作権情報処理部11は、ユーザー端末2からコンテンツの内容を特定可能な情報の指定を受信して受け取り、指定された動的コンテンツを動的に再生して送信することにより提示する(S102)。この動的コンテンツの再生は、例えばコンテンツの名称或いはサンプル画像等を指定して決定入力すること等により、行うことが可能である。
【0031】
著作権情報入力画面を提示されたユーザーは、ユーザー端末2で著作権情報入力画面において複数のコンテンツの中から音楽若しくは音声、又は映像、又はその双方の著作権情報を認識しているものについて著作権情報と前記著作権情報と対応する欄についてユーザーコードを入力し、所定の送信指定でユーザー端末2から入力した著作権情報及びユーザーコードを著作権情報処理装置10に送信する。著作権情報処理装置10の著作権情報処理部11は、ユーザー端末2から送信される著作権情報入力画面で入力された著作権情報(著作権者の氏名、著作権コード等)及びユーザーコードを受信して受け取り、その著作権情報及びユーザーコードをコンテンツのコンテンツIDと対応させて著作権関連情報格納部12に格納する(S103)。前記著作権情報を著作権関連情報格納部12に格納する際には、著作権情報処理部11は、図示省略するタイマー等で計測する著作権情報の格納の年月日を有する日時も併せて格納する。
【0032】
その後、支払処理部14は、図示省略するカレンダーに対応する日時において所定月内の著作権関連情報格納部12への格納日時を有するものがある場合に、その入力者であるユーザーのユーザーコードを著作権関連情報格納部12の格納データから認識し、前記格納した著作権情報の入力に対する報酬の支払金額をその記憶部に設定されている報酬テーブル等から認識し、その報酬の支払金額を前記ユーザーのユーザーコードに対応してユーザー情報格納部13に格納する(S104)。前記報酬テーブルは、例えば1件の著作権情報当たりの単価を設定し、その単価にユーザーコードに対応するユーザーの入力件数を乗じて支払金額を算出する等とすることが可能である。また、前記報酬テーブルには、例えばコンテンツ毎に著作権情報の入力に対する異なる価格を設定し、ユーザーコードに対応して取得される価格を積算して支払金額を算出すると共に、必要に応じて例えば著作権情報入力画面に表示される閲覧指定情報の指定入力により、前記異なる価格を有する報酬テーブルをユーザーに所定画面で閲覧させ、更に必要に応じて前記価格の高い順に表示して閲覧させる構成等とすることも可能であり、前記構成により、配信の需要が高いと見込まれるコンテンツに対する著作権情報の入力を促進することができる。
【0033】
また、コンテンツを配信する際には、広義の著作権情報処理装置であるサーバ装置1のコンテンツ配信処理部15は、ユーザー端末2からの所定画面の提示要求の受信に応じて、例えば画像検索結果等のコンテンツの検索結果を示す画面である配信コンテンツ提示画面を生成してユーザー端末2に送信して提示し、前記配信コンテンツ提示画面で配信可能な一覧のコンテンツの中から配信を希望するコンテンツの配信指定とユーザーコードの入力を促す(S201)。
【0034】
コンテンツ配信処理部15は、ユーザー端末2からの特定のコンテンツの配信指定情報とユーザーコードを受信して受け取り、その配信指定情報に対応するコンテンツを配信コンテンツ格納部16から抽出してユーザー端末2に配信する(S202)。尚、本実施形態では著作権情報の格納が有るコンテンツのみが配信可能となっており、映像と音楽若しくは音声とからなるコンテンツに対しては全部の著作権情報が揃っている場合のみ配信可能になっている。
【0035】
好適には、コンテンツ配信処理部15が、指定されたコンテンツをユーザー端末2に配信する際に、配信を受けるユーザーを特定可能な情報を、抽出して配信するコンテンツに電子透かしで埋め込む処理を配信直前に行い、その配信されるユーザーを特定可能な情報を電子透かしで埋め込んだコンテンツをユーザー端末2に配信する構成とするとよい。このユーザーを特定可能な情報としては、例えば受信したユーザーコード、配信要求を受けたコンテンツのコンテンツID、内蔵するタイマー等で認識する配信要求を受信した日付と時刻等とし、これらをコンテンツ配信処理部15が認識して、電子透かしで配信するコンテンツに埋め込む構成等とする。これにより、例えば任意のコンテンツ共有サイトで配信したコンテンツがアップロードされ、違法に配信されている場合に、電子透かしの内容から誰がいつ配信を受けたコンテンツかが容易に特定でき、そのコンテンツの本来の著作権者等をより確実に保護することができる。尚、映像、音楽若しくは音声のコンテンツに適用する電子透かしの方式は適宜である。
【0036】
更に、請求処理部17は、コンテンツ配信処理部15でのコンテンツの配信指定情報の受け取り時に、ユーザー端末2からコンテンツ配信処理部15を介してユーザーコードを受け取って認識し、その記憶部に設定されている課金テーブル等から請求金額を認識し、その請求金額をユーザーコードに対応してユーザー情報格納部13に格納する(S203)。
【0037】
上記実施形態の著作権情報処理装置10は、コンテンツ共有サイトにおいて、著作権情報が不明なコンテンツに対し、著作権情報を特定してコンテンツを配信することが可能となる。従って、コンテンツ共有サイトからコンテンツの配信を受けるユーザーの利益を確保しつつ、コンテンツ共有サイトにアップロードされるコンテンツの著作権者の保護を図ることができる。また、著作権情報を提供したユーザーに対して報酬を支払うことにより、著作権情報の提供に対するユーザーの高いモチベーションを確保し、著作権情報の不明なコンテンツに対して広汎に且つ持続的に著作権情報を取得することができる。また、コンテンツの著作権の所有者と著作権コードで著作権を特定することにより、著作権を確実に特定することができると共に、使用料を支払うべき著作権の所有者を同時に特定し、使用料の支払の便宜性を高めることができる。
【0038】
また、音楽若しくは音声と映像で構成されるコンテンツに対し、音楽若しくは音声の著作権情報と映像の著作権情報をそれぞれ特定し、音楽若しくは音声の著作権と映像の著作権の双方を保護することができる。また、音楽若しくは音声の著作権情報と、映像の著作権情報の一方のみを認識しているユーザーの著作権情報の提供に対するモチベーションを確保することができると共に、著作権情報を提供するユーザーの利便性を高めることができる。また、ユーザーは経時的に変化する動的コンテンツの内容を確認してから、その動的コンテンツに対する著作権情報を提供することが可能となり、ユーザーの利便性を向上できると共に、取得する著作権情報の信頼性を高めることができる。また、コンテンツの配信で著作権情報処理装置の運営者等の収益性を確保することができる。また、配信可能なコンテンツを前記著作権情報が格納されているコンテンツとすることにより、著作権の保護が図られているコンテンツのみを配信することが可能となり、不正なコンテンツの配信をより確実に防止することができる。
【0039】
尚、本明細書開示の発明は、各発明や実施形態の構成の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものを包含し、下記例も包含する。
【0040】
例えば上記実施形態では、著作権情報が格納されたコンテンツは直ぐに配信可能な構成としたが、著作権情報が格納されている場合でも設定した日時以降に配信可能にする構成としてもよい。例としては、配信コンテンツ格納部16に設定された配信可能日時をコンテンツと対応して記憶し、コンテンツ配信処理部15が内蔵するタイマーで現在日時と配信コンテンツ格納部16の配信可能日時とを対比し、現在日時が配信可能日時以降である場合のみ、配信コンテンツ格納部16から指定されたコンテンツを抽出して配信し、必要に応じて現在時刻が配信可能日時になっていない場合には配信可能日時を示す所定画面をユーザー端末2に送信する構成、或いは配信可能日時以降のコンテンツのデータのみをコンテンツ配信処理部15の記憶部に検索可能に設定し、配信可能日時より前のコンテンツを検索不能にする構成等とすることが可能である。これにより、例えばレコード会社が新譜を発表する前に、テレビ放送でアーティストが新譜を歌った場合に、その楽曲のコンテンツを本装置で即座に配信可能とせずに、レコード会社の新譜の発表時等に対応する配信可能日時以降に配信することにより、レコード会社が不利益を被るのを防止すること等ができる。
【0041】
また、配信するコンテンツに対応する課金額は、時期に関わらず一定額とする他に、時期に応じて変動する構成としてもよい。例えば請求処理部17の記憶部に設定されている課金テーブルにおいて、任意のコンテンツに対する設定日時より前の課金額と設定日時以降の前記前の金額と異なる課金額を記憶し、請求処理部17が内蔵タイマー等で配信指定情報の受取時の日時が前記設定日時前と以降の何れになるかを判定し、判定した設定日時の前若しくは以降に対応する課金額で請求金額を認識する構成、或いは任意のコンテンツに対する第1設定日時以降で第2設定日時前の第1課金額と第2設定日時以降で第3設定日時前の第2課金額と第3設定日時以降で第4設定日時前の第3課金額・・・等と順次記憶し、請求処理部17が内蔵タイマー等で配信指定情報の受取時の日時が何れの設定日時間になるかを判定し、判定した設定日時間に対応する課金額で請求金額を認識する構成等することが可能である。これにより、例えばレコード会社が新譜を発表する前に、テレビ放送でアーティストが新譜を歌った場合に、新譜発表前にはレコード会社がDVDやCDを販売した場合に得られる利益又はその売価と同様の高い金額を課金額として利益を確保すると共に、新譜発表後には楽曲等のデータ配信の相場に近い安い金額を課金額として配信することや、需要が減退したコンテンツをその需要に対応した価格で順次安価に配信していくことが可能となる。
【0042】
また、コンテンツ配信処理部15は、配信コンテンツ提示画面等でストリーミング配信又はダウンロード配信の選択を促し、選択された配信方式でユーザー端末2にコンテンツを配信し、請求処理部17が選択された配信方式に対応する記憶部の課金テーブルを認識し、選択された配信方式に対応する請求金額をユーザーコードに対応してユーザー情報格納部13に格納するようにしてもよい。また、コンテンツ配信処理部15の記憶部にストリーミング配信可能日時とダウンロード配信可能日時とを記憶し、コンテンツ配信処理部15が内蔵タイマー等により、ストリーミング配信可能日時を経過したこと、ダウンロード配信可能日時を経過したこと、或いはその双方の日時を経過したことの認識に応じて、配信コンテンツ提示画面等でストリーミング配信の指定、又はダウンロード配信の指定、又はストリーミング配信とダウンロード配信の選択を促す構成等としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は、コンテンツ共有サイトの著作権情報の処理に利用することができる。
【符号の説明】
【0044】
1…サーバ装置 10…著作権情報処理装置 11…著作権情報処理部 12…著作権関連情報格納部 13…ユーザー情報格納部 14…支払処理部 15…コンテンツ配信処理部 16…コンテンツ格納部 17…請求処理部 18…通信制御部 2…ユーザー端末 3…通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザー端末からコンテンツをアップロードされ、前記コンテンツを配信可能に格納するコンテンツ共有サイト用の著作権情報処理装置であって、
通信ネットワークを介して接続されるユーザー端末に、前記コンテンツの内容を特定可能な情報と対応表示して前記コンテンツの著作権者を特定可能な著作権情報の入力を促す著作権情報入力画面を提示する手段と、
前記ユーザー端末により前記著作権情報入力画面で入力された前記著作権情報を受け取って前記コンテンツのコンテンツIDと対応させて前記著作権情報を格納する手段と、
前記格納した著作権情報の入力者であるユーザーのユーザーコードを認識し、前記格納した前記著作権情報に対する支払金額を前記ユーザーコードに対応して格納する手段と、
を備えることを特徴とする著作権情報処理装置。
【請求項2】
前記著作権者を特定可能な著作権情報として、少なくとも前記コンテンツの著作権の所有者と前記コンテンツの著作権コードを有することを特徴とする請求項1記載の著作権情報処理装置。
【請求項3】
前記著作権情報を、前記コンテンツの音楽若しくは音声の著作権情報と前記コンテンツの映像の著作権情報とし、
前記著作権情報入力画面を、前記音楽若しくは音声の著作権者を特定可能な著作権情報と、前記映像の著作権者を特定可能な著作権情報との入力を促す構成とし、
前記音楽若しくは音声の著作権情報に対する支払金額を前記音楽若しくは音声の著作権情報の格納に対応するユーザーの前記ユーザーコードと対応して格納し、
前記映像の著作権情報に対する支払金額を前記映像の著作権情報の格納に対応するユーザーの前記ユーザーコードと対応して格納することを特徴とする請求項1又は2記載の著作権情報処理装置。
【請求項4】
前記コンテンツが動的コンテンツである場合に、
前記コンテンツを特定可能な情報の指定情報の受取に応じて前記動的コンテンツを動的に再生して提示する手段を備えることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の著作権情報処理装置。
【請求項5】
配信可能なコンテンツの配信指定情報の入力を促す配信コンテンツ提示画面を前記ユーザー端末に提示する手段と、
前記ユーザー端末により前記配信コンテンツ提示画面で入力された前記配信指定情報を受け取って前記配信指定情報に対応するコンテンツを抽出して前記ユーザー端末に配信する手段と、
前記コンテンツの配信を受けたユーザーのユーザーコードを認識し、前記配信するコンテンツに対する請求金額を前記ユーザーコードに対応して格納する手段と、
を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の著作権情報処理装置。
【請求項6】
前記配信可能なコンテンツを前記著作権情報が格納されているコンテンツとすることを特徴とする請求項5記載の著作権情報処理装置。
【請求項7】
複数のユーザー端末からコンテンツをアップロードされ、前記コンテンツを配信可能に格納するコンテンツ共有サイト用の著作権情報処理方法であって、
通信ネットワークを介して接続されるユーザー端末に、前記コンテンツの内容を特定可能な情報と対応表示して前記コンテンツの著作権者を特定可能な著作権情報の入力を促す著作権情報入力画面をサーバが提示するステップと、
前記サーバが、前記ユーザー端末により前記著作権情報入力画面で入力された前記著作権情報を受け取って前記コンテンツのコンテンツIDと対応させて前記著作権情報を格納すると共に、前記格納した著作権情報の入力者であるユーザーのユーザーコードを認識し、前記格納した前記著作権情報に対する支払金額を前記ユーザーコードに対応して格納するステップと、
を備えることを特徴とする著作権情報処理方法。
【請求項8】
複数のユーザー端末からコンテンツをアップロードされ、前記コンテンツを配信可能に格納するコンテンツ共有サイト用の著作権情報処理プログラムであって、
通信ネットワークを介して接続されるユーザー端末に、前記コンテンツの内容を特定可能な情報と対応表示して前記コンテンツの著作権者を特定可能な著作権情報の入力を促す著作権情報入力画面を提示する手段と、
前記ユーザー端末により前記著作権情報入力画面で入力された前記著作権情報を受け取って前記コンテンツのコンテンツIDと対応させて前記著作権情報を格納する手段と、
前記格納した著作権情報の入力者であるユーザーのユーザーコードを認識し、前記格納した前記著作権情報に対する支払金額を前記ユーザーコードに対応して格納する手段と、
してコンピュータを機能させることを特徴とする著作権情報処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−238229(P2010−238229A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−46211(P2010−46211)
【出願日】平成22年3月3日(2010.3.3)
【出願人】(508240395)
【出願人】(508240258)
【Fターム(参考)】