説明

コンテンツ受信装置、コンテンツ管理装置、コンテンツ配信システム、及びプログラム

【課題】放送中又は過去に放送された複数のコンテンツを一意に識別することが可能なコンテンツ受信装置を得る。
【解決手段】コンテンツ受信装置6は、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの中から、所望のコンテンツの指定を受け付ける受付部21と、所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含むアドレス要求信号を、コンテンツ管理装置4に送信する要求送信処理部24と、アドレス要求信号に応答してコンテンツ管理装置4から送信された、所望のコンテンツに関するユニキャストアドレスを含む再生制御情報を受信するアドレス受信処理部25と、当該ユニキャストアドレスを含む映像要求信号をユニキャスト配信サーバ2に送信するアドレス送信処理部26と、映像要求信号に応答してユニキャスト配信サーバ2から送信された、所望のコンテンツに関する映像ストリームを受信する映像受信処理部27とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ受信装置、コンテンツ管理装置、コンテンツ配信システム、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年における通信技術の進展に伴い、地上デジタル放送やBSデジタル放送等のコンテンツをIPネットワークを介して配信するIP再送信サービスが普及しつつある。IP再送信サービスでは、番組検索等の際におけるユーザの利便性を向上すべく、放送中及び放送予定のコンテンツに関する番組情報が、コンテンツ配信装置からネットワークを介してコンテンツ受信装置に送信される。コンテンツ受信装置は、ネットワークから受信したトランスポートストリームに含まれているEIT(Event Information Table)等の各種のSI(Service Information)に基づいて、番組情報を取得する。
【0003】
なお、地上デジタル放送に関する運用規定が、例えば下記非特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】地上デジタルテレビジョン放送 技術資料 ARIB TR−B14 3.9版、第四編(PSI/SI運用規定)、社団法人電波産業会、平成21年7月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
視聴したいコンテンツの放送がユーザの帰宅時にすでに開始されている場合等において、そのコンテンツを途中からではなく先頭から視聴したいというユーザの要望がある。また、録画し忘れた過去のコンテンツを遡って視聴したいというユーザの要望もある。これを実現するためには、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツを一意に識別する必要があるが、そのための手法として、EITに含まれている番組識別情報を用いてコンテンツを識別する方法が考えられる。しかし、番組識別情報の個数は有限であるため、過去に放送されたあるコンテンツに対して使用された番組識別情報が、放送中又は放送予定の別のコンテンツに対しても使用されることがある。従って、番組識別情報のみによっては、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツを一意に識別することは困難である。
【0006】
本発明はかかる事情に鑑みて成されたものであり、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツを一意に識別することが可能な、コンテンツ受信装置、コンテンツ管理装置、コンテンツ配信システム、及びプログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様に係るコンテンツ受信装置は、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの中から指定された所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含む要求信号に応答してコンテンツ管理装置から送信された、前記所望のコンテンツに関するアドレス情報を受信するアドレス受信手段と、前記アドレス情報を所定のコンテンツ配信サーバに送信するアドレス送信手段と、前記アドレス情報に応答して前記コンテンツ配信サーバから送信された、前記所望のコンテンツに関する映像ストリームを受信する映像受信手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0008】
第1の態様に係るコンテンツ受信装置によれば、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの中から所望のコンテンツの指定が受け付けられ、その所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含む要求信号が、所定のコンテンツ管理装置に送信される。放送中のコンテンツに関しては放送開始時刻が確定しており、過去に放送されたコンテンツに関しては放送開始時刻及び放送終了時刻が確定している。従って、チャンネル識別情報と放送時刻情報とを用いることによって、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの各々を一意に識別することが可能となる。
【0009】
本発明の第2の態様に係るコンテンツ受信装置は、第1の態様に係るコンテンツ受信装置において特に、前記要求信号には、前記所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報に加えて、番組識別情報がさらに含まれることを特徴とするものである。
【0010】
第2の態様に係るコンテンツ受信装置によれば、要求信号には、所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報に加えて、当該コンテンツに関する番組識別情報が含まれる。このようにチャンネル識別情報と放送時刻情報と番組識別情報とを用いることによって、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの各々を確実に一意に識別することが可能となる。
【0011】
本発明の第3の態様に係るコンテンツ受信装置は、第1又は第2の態様に係るコンテンツ受信装置において特に、前記複数のコンテンツの各々に関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を取得する取得手段をさらに備えることを特徴とするものである。
【0012】
第3の態様に係るコンテンツ受信装置によれば、取得手段は、複数のコンテンツの各々に関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を取得する。このように取得手段がチャンネル識別情報及び放送時刻情報を取得することにより、要求送信手段によってチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含む要求信号を作成することが可能となる。
【0013】
本発明の第4の態様に係るコンテンツ受信装置は、第3の態様に係るコンテンツ受信装置において特に、前記取得手段は、前記複数のコンテンツの各々に関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を、SI専用TSから取得することを特徴とするものである。
【0014】
第4の態様に係るコンテンツ受信装置によれば、取得手段は、複数のコンテンツの各々に関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を、SI専用TSから取得する。SI専用TSには、視聴中のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報のみならず、視聴していない他のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報も含まれている。従って、これらの情報をSI専用TSから取得することにより、放送中又は過去に放送された全チャンネルのコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を取得することが可能となる。
【0015】
本発明の第5の態様に係るコンテンツ受信装置は、第3の態様に係るコンテンツ受信装置において特に、前記取得手段は、前記複数のコンテンツの各々に関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を、所定の管理サーバから取得することを特徴とするものである。
【0016】
第5の態様に係るコンテンツ受信装置によれば、取得手段は、複数のコンテンツの各々に関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を、所定の管理サーバから取得する。従って、コンテンツ受信装置の電源が長期間オフされていたことにより、その期間内におけるチャンネル識別情報及び放送時刻情報をSI専用TSから取得できていない場合等であっても、これらの情報を管理サーバから取得することが可能となる。
【0017】
本発明の第6の態様に係るコンテンツ受信装置は、第1〜第5のいずれか一つの態様に係るコンテンツ受信装置において特に、前記複数のコンテンツのうち、指定可能なコンテンツの一覧を電子番組表の形式で表示する表示手段をさらに備えることを特徴とするものである。
【0018】
第6の態様に係るコンテンツ受信装置によれば、表示手段は、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツのうち指定可能なコンテンツの一覧を電子番組表の形式で表示する。従って、コンテンツの指定に伴うユーザの利便性を向上することが可能となる。
【0019】
本発明の第7の態様に係るコンテンツ管理装置は、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの各々に関する、アドレス情報とチャンネル識別情報及び放送時刻情報との対応関係を記述したデータテーブルを保持する保持手段と、所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含む要求信号を受信する要求受信手段と、前記データテーブルに基づいて、前記要求信号に含まれるチャンネル識別情報及び放送時刻情報に対応するアドレス情報を特定し、特定した当該アドレス情報を所定のコンテンツ受信装置に送信するアドレス送信手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0020】
第7の態様に係るコンテンツ管理装置によれば、保持手段は、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの各々に関する、アドレス情報とチャンネル識別情報及び放送時刻情報との対応関係を記述したデータテーブルを保持する。そして、要求受信手段は、所定のコンテンツ受信装置から送信された、所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含む要求信号を受信し、アドレス送信手段は、保持手段が保持しているデータテーブルに基づいて、要求信号に含まれるチャンネル識別情報及び放送時刻情報に対応するアドレス情報を特定し、特定した当該アドレス情報をコンテンツ受信装置に送信する。放送中のコンテンツに関しては放送開始時刻が確定しており、過去に放送されたコンテンツに関しては放送開始時刻及び放送終了時刻が確定している。従って、チャンネル識別情報と放送時刻情報とを用いることによって、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの各々を一意に識別することが可能となる。
【0021】
本発明の第8の態様に係るコンテンツ配信システムは、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの中から、所望のコンテンツの指定を受け付ける受付手段と、前記所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含む要求信号を送信する要求送信手段と、前記所望のコンテンツに関する前記要求信号を前記要求送信手段から受信する要求受信手段と、前記複数のコンテンツの各々に関する、アドレス情報とチャンネル識別情報及び放送時刻情報との対応関係を記述したデータテーブルを保持する保持手段と、前記データテーブルに基づいて、前記要求信号に含まれるチャンネル識別情報及び放送時刻情報に対応するアドレス情報を特定し、特定した当該アドレス情報を所定のコンテンツ受信装置に送信するアドレス送信手段と、前記アドレス情報を前記アドレス送信手段から受信するアドレス受信手段と、前記アドレス情報を所定のコンテンツ配信サーバに送信するアドレス送信手段と、前記アドレス情報に応答して前記コンテンツ配信サーバから送信された、前記所望のコンテンツに関する映像ストリームを受信する映像受信手段と、を備えることを特徴とするものである。
【0022】
第8の態様に係るコンテンツ配信システムによれば、コンテンツ受信装置において、受付手段は、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの中から所望のコンテンツの指定を受け付け、要求送信手段は、その所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含む要求信号を送信する。要求受信手段は、その要求信号を受信し、アドレス送信手段は、保持手段が保持しているデータテーブルに基づいて、要求信号に含まれるチャンネル識別情報及び放送時刻情報に対応するアドレス情報を特定し、特定した当該アドレス情報をコンテンツ受信装置に送信する。放送中のコンテンツに関しては放送開始時刻が確定しており、過去に放送されたコンテンツに関しては放送開始時刻及び放送終了時刻が確定している。従って、チャンネル識別情報と放送時刻情報とを用いることによって、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの各々を一意に識別することが可能となる。
【0023】
本発明の第9の態様に係るプログラムは、コンテンツ受信装置に搭載されるコンピュータを、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの中から指定された所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含む要求信号に応答して前記コンテンツ管理装置から送信された、前記所望のコンテンツに関するアドレス情報を受信するアドレス受信手段と、前記アドレス情報を所定のコンテンツ配信サーバに送信するアドレス送信手段と、前記アドレス情報に応答して前記コンテンツ配信サーバから送信された、前記所望のコンテンツに関する映像ストリームを受信する映像受信手段と、として機能させるためのプログラムである。
【0024】
第9の態様に係るプログラムによれば、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの中から所望のコンテンツの指定が受け付けられ、その所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含む要求信号が、所定のコンテンツ管理装置に送信される。放送中のコンテンツに関しては放送開始時刻が確定しており、過去に放送されたコンテンツに関しては放送開始時刻及び放送終了時刻が確定している。従って、チャンネル識別情報と放送時刻情報とを用いることによって、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの各々を一意に識別することが可能となる。
【0025】
本発明の第10の態様に係るプログラムは、コンテンツ管理装置に搭載されるコンピュータを、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの各々に関する、アドレス情報とチャンネル識別情報及び放送時刻情報との対応関係を記述したデータテーブルを保持する保持手段と、所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含む要求信号を受信する要求受信手段と、前記データテーブルに基づいて、前記要求信号に含まれるチャンネル識別情報及び放送時刻情報に対応するアドレス情報を特定し、特定した当該アドレス情報を所定のコンテンツ受信装置に送信するアドレス送信手段と、として機能させるためのプログラムである。
【0026】
第10の態様に係るプログラムによれば、保持手段は、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの各々に関する、アドレス情報とチャンネル識別情報及び放送時刻情報との対応関係を記述したデータテーブルを保持する。そして、要求受信手段は、所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含む要求信号を受信し、アドレス送信手段は、保持手段が保持しているデータテーブルに基づいて、要求信号に含まれるチャンネル識別情報及び放送時刻情報に対応するアドレス情報を特定し、特定した当該アドレス情報をコンテンツ受信装置に送信する。放送中のコンテンツに関しては放送開始時刻が確定しており、過去に放送されたコンテンツに関しては放送開始時刻及び放送終了時刻が確定している。従って、チャンネル識別情報と放送時刻情報とを用いることによって、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの各々を一意に識別することが可能となる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツを一意に識別することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態に係るコンテンツ配信システムの全体構成を示す図である。
【図2】コンテンツ受信装置のハードウェア構成を簡略化して示す図である。
【図3】プログラムを実行することによってデータ処理部に実現される機能の一部を示す図である。
【図4】コンテンツ管理装置のハードウェア構成を簡略化して示す図である。
【図5】プログラムを実行することによってデータ処理部に実現される機能の一部を示す図である。
【図6】表示制御部によって作成された電子番組表の一例を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、異なる図面において同一の符号を付した要素は、同一又は相応する要素を示すものとする。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態に係るコンテンツ配信システム1の全体構成を示す図である。図1に示すようにコンテンツ配信システム1は、ユニキャスト配信サーバ2、マルチキャスト配信サーバ3、コンテンツ管理装置4、メタサーバ等の管理サーバ5、STB(Set Top Box)等のコンテンツ受信装置6、液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイ等の表示装置7、及びIP(Internet Protocol)ネットワーク等の通信ネットワーク8を備えて構成されている。
【0031】
現在放送中のコンテンツを表示装置7において再生する際の処理は以下のとおりである。マルチキャスト配信サーバ3は、地上デジタル放送やBSデジタル放送等の放送局から受信した全チャンネルのコンテンツの映像ストリームを、通信ネットワーク8に向けてマルチキャスト送信する。コンテンツ受信装置6は、ユーザによって指定された所望チャンネルのコンテンツの映像ストリームを通信ネットワーク8から受信し、当該映像ストリームに対してデコード等の処理を行うことにより、当該コンテンツを表示装置7において再生する。
【0032】
本実施の形態に係る映像配信システム1では、放送中のコンテンツを放送開始後であっても先頭から再生することが可能であり、また、放送終了から所定期間(1週間、2週間、1ヶ月等)以内の過去のコンテンツを遡って再生することが可能である。このような態様の再生を、本明細書においては「遡及再生」と称する。放送される全てのコンテンツのうちどのコンテンツを遡及再生の対象とするかは、放送事業者が任意に決定することができる。但し、全てのコンテンツを遡及再生の対象としてもよい。
【0033】
マルチキャスト配信サーバ3は、遡及再生の対象であるコンテンツの映像ストリームをユニキャスト配信サーバ2に送信し、ユニキャスト配信サーバ2はこれを蓄積する。ユニキャスト配信サーバ2は、ユーザが遡及再生を希望するコンテンツの映像ストリームを、通信ネットワーク8を介してコンテンツ受信装置6に向けてユニキャスト送信する。コンテンツ受信装置6は、受信した映像ストリームに対してデコード等の処理を行うことにより、当該コンテンツを表示装置7において遡及再生する。
【0034】
図2は、コンテンツ受信装置6のハードウェア構成を簡略化して示す図である。図2に示すようにコンテンツ受信装置6は、通信ネットワーク8及び表示装置7等との間で通信を行う通信部11と、CPU(Central Processing Unit)等のデータ処理部12と、半導体メモリ又はハードディスク等の記憶部13とを備えて構成されている。記憶部13には所定のプログラム14が記憶されている。データ処理部12は、記憶部13からプログラム14を読み出して実行する。
【0035】
図3は、プログラム14を実行することによってデータ処理部12に実現される機能の一部を示す図である。図3に示すようにデータ処理部12は、受付部21、取得部22、表示制御部23、要求送信処理部24、アドレス受信処理部25、アドレス送信処理部26、及び映像受信処理部27を有している。
【0036】
図4は、コンテンツ管理装置4のハードウェア構成を簡略化して示す図である。図4に示すようにコンテンツ管理装置4は、通信ネットワーク8との間で通信を行う通信部31と、CPU等のデータ処理部32と、半導体メモリ又はハードディスク等の記憶部33とを備えて構成されている。記憶部33には所定のプログラム34及びデータテーブル35が記憶されている。データ処理部32は、記憶部33からプログラム34を読み出して実行する。
【0037】
図5は、プログラム34を実行することによってデータ処理部32に実現される機能の一部を示す図である。図5に示すようにデータ処理部32は、要求受信処理部41、保持部42、及びアドレス送信処理部43を有している。
【0038】
以下、図1〜5を参照して、放送中又は過去に放送されたコンテンツを表示装置7において遡及再生する際の処理について説明する。
【0039】
図3を参照して、取得部22は、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの中から、遡及再生の対象である各コンテンツに関するチャンネル識別情報(service_id)、放送時刻情報(StartTime,EndTime)、及び番組識別情報(event_id)を、データD6として取得する。
【0040】
取得部22は、コンテンツ受信装置6が現在受信しているコンテンツに関するこれらの情報を、マルチキャスト配信サーバ3から受信した当該コンテンツの映像ストリームに含まれているEIT(Event Information Table)等のSI(Service Information)から抽出することができる。本実施の形態に係るコンテンツ配信システム1において、EITには、そのコンテンツが遡及再生の対象であるか否かを示す情報も含まれている。また、ある番組の放送時間が延長されたこと等によって以降の番組の放送時刻がずれた場合には、放送時刻情報には、ずれた後の実際の放送時刻に関する情報が記述されている。
【0041】
また、取得部22は、現在放送中であるがコンテンツ受信装置6が受信していないコンテンツ(いわゆる裏番組)に関するこれらの情報を、マルチキャスト配信サーバ3から受信したSI専用TS(Transport Stream)に含まれている各コンテンツのEIT等から抽出することができる。SI専用TSには、現在放送中の全チャンネルのコンテンツに関するSIが含まれている。
【0042】
また、取得部22は、これらの情報を管理サーバ5から取得することができる。マルチキャスト配信サーバ3は、遡及再生の対象である各コンテンツに関するチャンネル識別情報、放送時刻情報、及び番組識別情報を管理サーバ5に送信し、管理サーバ5はこれを管理している。
【0043】
取得部22は、取得したこれらの情報(データD6)を表示制御部23に入力する。表示制御部23は、データD6に基づいて、遡及再生の対象であるコンテンツに関する情報を含む電子番組表(EPG:Electronic Program Guide)を作成する。当該電子番組表のデータD7は通信部11から表示装置7に送信され、表示装置7において当該電子番組表が表示される。
【0044】
図6は、表示制御部23によって作成された電子番組表50の一例を模式的に示す図である。この例では、現在時刻を18時30分として、13時から翌日1時までの12時間分の番組情報(タイトル、出演者等)が電子番組表50に含まれている。電子番組表50のうちハッチングを付した部分には該当コンテンツに関する番組情報が表示されており、ハッチングを付していない部分は空欄となっている。
【0045】
現在放送中の6チャンネル分のコンテンツのうち、コンテンツP11〜P14は、遡及再生の対象となっているコンテンツである。コンテンツP11〜P14に関する番組情報には、そのコンテンツが遡及再生の対象であることを示す特定のマーク(図示しない)が表示される。また、現在放送中の番組より前に放送されたコンテンツ(つまり過去に放送されたコンテンツ)のうち、コンテンツP01〜P09は、遡及再生の対象となっているコンテンツである。コンテンツP01〜P09に関する番組情報には上記特定のマークが表示され、また、遡及再生の対象でないその他のコンテンツは空欄となっている。ユーザは、コンテンツ受信装置6のリモコンを操作すること等によって、所望のコンテンツP01〜P14の遡及再生の実行を指定することができる。なお、電子番組表50をスクロールすることにより、さらに過去の期間に関しても、遡及再生を実行するコンテンツを指定することができる。
【0046】
図3を参照して、遡及再生を実行するコンテンツの指定は、データD1として通信部11から受付部21に入力される。受付部21はデータD1を受け付け、そのデータD1を要求送信処理部24に入力する。
【0047】
要求送信処理部24は、データD1,D6に基づいて、遡及再生の実行が指定されたコンテンツに関するチャンネル識別情報、放送時刻情報、及び番組識別情報を含むアドレス要求信号を作成する。そして、作成したアドレス要求信号を、データD2として通信部11からコンテンツ管理装置4に向けて送信する。
【0048】
図5を参照して、コンテンツ受信装置6から送信されたアドレス要求信号(データD2)は、通信部31を介して要求受信処理部41によって受信される。要求受信処理部41は、当該アドレス要求信号をアドレス送信処理部43に入力する。
【0049】
保持部42は、記憶部33に記憶されているデータテーブル35を保持している。データテーブル35には、遡及再生の対象である各コンテンツに関して、チャンネル識別情報、放送時刻情報、及び番組識別情報と、ユニキャスト配信サーバ2におけるユニキャストアドレスとの対応関係が記述されている。コンテンツ管理装置4は、マルチキャスト配信サーバ3及びユニキャスト配信サーバ2から必要な情報を受信することにより、データテーブル35を作成及び保持する。
【0050】
アドレス送信処理部43は、要求受信処理部41から入力されたアドレス要求信号に含まれているチャンネル識別情報、放送時刻情報、及び番組識別情報に対応するユニキャストアドレスを、保持部42が保持しているデータテーブル35から特定する。そして、特定したユニキャストアドレスを含む再生制御情報を作成して、その再生制御情報をデータD3として通信部31からコンテンツ受信装置6に向けて送信する。
【0051】
図3を参照して、コンテンツ管理装置4から送信された再生制御情報(データD3)は、通信部11を介してアドレス受信処理部25によって受信される。アドレス受信処理部25は、当該再生制御情報をアドレス送信処理部26に入力する。
【0052】
アドレス送信処理部26は、再生制御情報からユニキャストアドレスを抽出し、抽出したユニキャストアドレスを含む映像要求信号を作成する。そして、作成した映像要求信号をデータD4として通信部11からユニキャスト配信サーバ2に向けて送信する。
【0053】
図1を参照して、ユニキャスト配信サーバ2は、コンテンツ受信装置6から送信された映像要求信号(データD4)を受信し、当該映像要求信号からユニキャストアドレスを抽出する。そして、抽出したユニキャストアドレスに対応する映像ストリームを、データD5としてコンテンツ受信装置6に向けてユニキャスト送信する。
【0054】
図3を参照して、ユニキャスト配信サーバ2から送信された映像ストリーム(データD5)は、通信部11を介して映像受信処理部27によって受信される。映像受信処理部27は、受信した映像ストリームに対してデコード等の処理を行うことにより、表示装置7においてコンテンツをその先頭から再生(遡及再生)する。
【0055】
このように本実施の形態に係るコンテンツ受信装置6によれば、受付部21(受付手段)は、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの中から所望のコンテンツの指定を受け付ける。また、要求送信処理部24(要求送信手段)は、その所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含むアドレス要求信号(データD2)を、コンテンツ管理装置4に向けて送信する。放送中のコンテンツに関しては放送開始時刻が確定しており、過去に放送されたコンテンツに関しては放送開始時刻及び放送終了時刻が確定している。従って、チャンネル識別情報と放送時刻情報とを用いることによって、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの各々を一意に識別することが可能となる。
【0056】
また、本実施の形態に係るコンテンツ受信装置6によれば、アドレス要求信号には、所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報に加えて、当該コンテンツに関する番組識別情報が含まれる。このようにチャンネル識別情報と放送時刻情報と番組識別情報とを用いることによって、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの各々を確実に一意に識別することが可能となる。
【0057】
また、本実施の形態に係るコンテンツ受信装置6によれば、取得部22(取得手段)は、遡及再生の対象である各コンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を取得する。このように取得部22がチャンネル識別情報及び放送時刻情報を取得することにより、要求送信処理部24によってチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含むアドレス要求信号を作成することが可能となる。
【0058】
また、本実施の形態に係るコンテンツ受信装置6によれば、取得部22は、遡及再生の対象である各コンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を、SI専用TSから取得する。SI専用TSには、視聴中のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報のみならず、視聴していない他のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報も含まれている。従って、これらの情報をSI専用TSから取得することにより、放送中又は過去に放送された全チャンネルのコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を取得することが可能となる。
【0059】
また、本実施の形態に係るコンテンツ受信装置6によれば、取得部22は、遡及再生の対象である各コンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を、管理サーバ5から取得する。従って、コンテンツ受信装置6の電源が長期間オフされていたことにより、その期間内におけるチャンネル識別情報及び放送時刻情報をSI専用TSから取得できていない場合等であっても、これらの情報を管理サーバ5から取得することが可能となる。
【0060】
また、本実施の形態に係るコンテンツ受信装置6によれば、表示制御部23(表示手段)は、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツのうち遡及再生の実行を指定可能なコンテンツの一覧を電子番組表50の形式で表示装置7に表示する。従って、コンテンツの指定に伴うユーザの利便性を向上することが可能となる。
【0061】
また、本実施の形態に係るコンテンツ管理装置4によれば、保持部42(保持手段)は、遡及再生の対象である各コンテンツに関する、アドレス情報とチャンネル識別情報及び放送時刻情報との対応関係を記述したデータテーブル35を保持する。また、要求受信処理部41(要求受信手段)は、コンテンツ受信装置6から送信された、所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含むアドレス要求信号(データD2)を受信する。そして、アドレス送信処理部43(アドレス送信手段)は、保持部42が保持しているデータテーブル35に基づいて、アドレス要求信号に含まれるチャンネル識別情報及び放送時刻情報に対応するユニキャストアドレスを特定し、特定したユニキャストアドレスを含む再生制御情報(データD3)をコンテンツ受信装置6に向けて送信する。放送中のコンテンツに関しては放送開始時刻が確定しており、過去に放送されたコンテンツに関しては放送開始時刻及び放送終了時刻が確定している。従って、チャンネル識別情報と放送時刻情報とを用いることによって、放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの各々を一意に識別することが可能となる。
【0062】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0063】
1 コンテンツ配信システム
2 ユニキャスト配信サーバ
3 マルチキャスト配信サーバ
4 コンテンツ管理装置
5 管理サーバ
6 コンテンツ受信装置
14,34 プログラム
21 受付部
22 取得部
23 表示制御部
24 要求送信処理部
25 アドレス受信処理部
26,43 アドレス送信処理部
27 映像受信処理部
41 要求受信処理部
42 保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの中から指定された所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含む要求信号に応答してコンテンツ管理装置から送信された、前記所望のコンテンツに関するアドレス情報を受信するアドレス受信手段と、
前記アドレス情報を所定のコンテンツ配信サーバに送信するアドレス送信手段と、
前記アドレス情報に応答して前記コンテンツ配信サーバから送信された、前記所望のコンテンツに関する映像ストリームを受信する映像受信手段と、
を備える、コンテンツ受信装置。
【請求項2】
前記要求信号には、前記所望のコンテンツに関する番組識別情報がさらに含まれる、請求項1に記載のコンテンツ受信装置。
【請求項3】
前記複数のコンテンツの各々に関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を取得する取得手段
をさらに備える、請求項1又は2に記載のコンテンツ受信装置。
【請求項4】
前記取得手段は、前記複数のコンテンツの各々に関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を、SI(Service Information)専用TS(Transport Stream)から取得する、請求項3に記載のコンテンツ受信装置。
【請求項5】
前記取得手段は、前記複数のコンテンツの各々に関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を、所定の管理サーバから取得する、請求項3に記載のコンテンツ受信装置。
【請求項6】
前記複数のコンテンツのうち、指定可能なコンテンツの一覧を電子番組表の形式で表示する表示手段
をさらに備える、請求項1〜5のいずれか一つに記載のコンテンツ受信装置。
【請求項7】
放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの各々に関する、アドレス情報とチャンネル識別情報及び放送時刻情報との対応関係を記述したデータテーブルを保持する保持手段と、
所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含む要求信号を受信する要求受信手段と、
前記データテーブルに基づいて、前記要求信号に含まれるチャンネル識別情報及び放送時刻情報に対応するアドレス情報を特定し、特定した当該アドレス情報を所定のコンテンツ受信装置に送信するアドレス送信手段と、
を備える、コンテンツ管理装置。
【請求項8】
放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの中から、所望のコンテンツの指定を受け付ける受付手段と、
前記所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含む要求信号を送信する要求送信手段と、
前記所望のコンテンツに関する前記要求信号を前記要求送信手段から受信する要求受信手段と、
前記複数のコンテンツの各々に関する、アドレス情報とチャンネル識別情報及び放送時刻情報との対応関係を記述したデータテーブルを保持する保持手段と、
前記データテーブルに基づいて、前記要求信号に含まれるチャンネル識別情報及び放送時刻情報に対応するアドレス情報を特定し、特定した当該アドレス情報を所定のコンテンツ受信装置に送信するアドレス送信手段と、
前記アドレス情報を前記アドレス送信手段から受信するアドレス受信手段と、
前記アドレス情報を所定のコンテンツ配信サーバに送信するアドレス送信手段と、
前記アドレス情報に応答して前記コンテンツ配信サーバから送信された、前記所望のコンテンツに関する映像ストリームを受信する映像受信手段と、
を備える、コンテンツ配信システム。
【請求項9】
コンテンツ受信装置に搭載されるコンピュータを、
放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの中から指定された所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含む要求信号に応答して前記コンテンツ管理装置から送信された、前記所望のコンテンツに関するアドレス情報を受信するアドレス受信手段と、
前記アドレス情報を所定のコンテンツ配信サーバに送信するアドレス送信手段と、
前記アドレス情報に応答して前記コンテンツ配信サーバから送信された、前記所望のコンテンツに関する映像ストリームを受信する映像受信手段と、
として機能させるための、プログラム。
【請求項10】
コンテンツ管理装置に搭載されるコンピュータを、
放送中又は過去に放送された複数のコンテンツの各々に関する、アドレス情報とチャンネル識別情報及び放送時刻情報との対応関係を記述したデータテーブルを保持する保持手段と、
所望のコンテンツに関するチャンネル識別情報及び放送時刻情報を含む要求信号を受信する要求受信手段と、
前記データテーブルに基づいて、前記要求信号に含まれるチャンネル識別情報及び放送時刻情報に対応するアドレス情報を特定し、特定した当該アドレス情報を所定のコンテンツ受信装置に送信するアドレス送信手段と、
として機能させるための、プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−249230(P2012−249230A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121474(P2011−121474)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(502312498)住友電工ネットワークス株式会社 (212)
【Fターム(参考)】