説明

コンテンツ情報表示装置、サーバ、表示装置及びそれらのプログラム

【課題】 サーバからコントローラにコンテンツ情報の表記が異なるが意味が同じであるコンテンツ情報を含む曲リストを返信すること。
【解決手段】 検索要求に含まれるあいまい検索を実行するか否かの情報があいまい検索を実行することを示す場合、サーバは、検索条件に一致するコンテンツ情報の他に、検索条件に含まれる文字列に対する類似度をコンテンツ情報毎に算出し、類似度が所定の閾値より大きいコンテンツ情報のみを曲リストに含めて、表示装置に返信する。従って、ユーザ操作によって入力された文字列を含むコンテンツ情報だけでなく、大文字、小文字、日本語、ローマ字等の表記が異なるだけで意味が同じであるコンテンツ情報をも表示することができ、ユーザに所望の曲を選択させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバと表示装置とを含み、サーバから送信されたコンテンツリストを表示装置に表示するコンテンツ情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
UPnPAVを利用すれば、AV機器を遠隔で操作できる。UPnPでは、コントロールポイントと呼ばれるコントローラが、映像データや音声データであるコンテンツを蓄積するソースデバイスであるメディアサーバと、コンテンツを再生する再生装置(シンクデバイス)であるメディアレンダラとを制御する。コントロールポイントは、メディアサーバが蓄積する複数のコンテンツに関するコンテンツ情報を取得し、所望のコンテンツを再生するようメディアレンダラに指示する。メディアレンダラは、メディアサーバに所望のコンテンツを要求する。メディアサーバは、要求に応じて所望のコンテンツをストリーミング配信し、メディアレンダラは、ストリーミング配信されたコンテンツを再生する。
【0003】
ユーザが所望のコンテンツを探す際に、ユーザ操作によって検索条件(例えば、アーティスト名)が入力されると、コントロールポイントは、メディアサーバに検索条件を含む検索要求を送信する。メディアサーバは、検索条件に一致するコンテンツ情報をコンテンツ情報データベースから検索して、検索結果である曲リストをコントロールポイントに返信する。コントロールポイントは、曲リストに含まれるコンテンツ情報をディスプレイに表示して、ユーザに所望のコンテンツを選択させる。表示されるコンテンツ情報は、例えば曲名とアーティスト名とである。メディアサーバのコンテンツ情報データベースに記憶されているアーティスト名は、CDに収録されている曲をリッピングする際にCDDBにアクセスして取得したもの、又は、ユーザ操作によって文字入力されたものである。同じアーティスト名であっても、アルバムによってアーティスト名の表記が大文字、小文字、日本語、ローマ字等異なっている場合がある。このような場合に、ユーザ操作によって入力される検索条件によっては、表示される曲リストから必要な曲が漏れる可能性がある。
【0004】
UPnP Content Directory
Serviceでは検索要求であるSearchアクションが定義されている。サーチの機能として、完全一致(=)以外に、部分一致(contains)やand orによる条件の絞込みに対応している。しかし、これらの機能だけでは、ユーザ操作によって入力された検索条件によっては、大文字、小文字、日本語、ローマ字等で表記された曲を全て曲リストに含ませることはできない。
【0005】
【特許文献1】特開2003−131962号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ユーザ操作によって入力された文字列に基づいてサーバがコンテンツ情報を含むコンテンツリストを生成し、表示装置に返信して表示するコンテンツ情報表示システムにおいて、コンテンツ情報の表記が異なるが意味が同じであるコンテンツ情報を含むコンテンツリストをサーバから表示装置に返信することができるコンテンツ情報表示システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態によるコンテンツ情報表示システムは、サーバと、前記サーバに接続可能な表示装置とを備え、前記表示装置が、ユーザ操作によって入力された文字列を含む検索条件と、あいまい検索を実行するか否かの情報とを含む検索要求を前記サーバに送信する要求送信手段を有し、前記サーバが、音声データ又は映像データであるコンテンツを記録するためのコンテンツ記憶部と、前記コンテンツ記憶部に記録されているコンテンツに関するコンテンツ情報を管理するコンテンツ情報記憶部と、前記検索要求を受信する要求受信手段と、前記検索要求に含まれるあいまい検索を実行するか否かの情報があいまい検索を実行することを示す場合、前記コンテンツ情報記憶部に記録されているコンテンツ情報のうち、前記検索条件に含まれる文字列に対する類似度が所定の閾値よりも大きいコンテンツ情報のみを含むコンテンツリストを生成し、前記表示装置に送信するリスト送信手段とを有し、前記表示装置が、前記コンテンツリストを受信するリスト受信手段と、受信したコンテンツリストに含まれるコンテンツ情報を表示する表示手段とをさらに有する。
【0008】
検索要求に含まれるあいまい検索を実行するか否かの情報があいまい検索を実行することを示す場合、サーバは、検索条件に一致するコンテンツ情報の他に、検索条件に含まれる文字列に対する類似度をコンテンツ情報毎に算出し、類似度が所定の閾値より大きいコンテンツ情報のみをコンテンツリストに含めて、表示装置に返信する。従って、ユーザ操作によって入力された文字列を含むコンテンツ情報だけでなく、大文字、小文字、日本語、ローマ字等の表記が異なるだけで意味が同じであるコンテンツ情報をも表示することができ、ユーザに所望のコンテンツを選択させることができる。また、類似度が所定の閾値よりも大きいコンテンツ情報のみがコンテンツリストに含まれているので、入力された文字列との関連性が低いコンテンツ情報が表示されることを防止できる。
【0009】
好ましくは、前記検索要求には、前記コンテンツリストに含まれるコンテンツ情報の順序を決めるためのソート条件が含まれており、前記ソート条件が類似度順である場合、前記リスト送信手段が、前記検索条件に含まれる文字列に対する類似度が所定の閾値よりも大きいコンテンツ情報を含み、かつ、前記類似度の大きい順にコンテンツ情報を並べ替えたコンテンツリストを生成し、前記表示装置に送信する。
【0010】
この場合、ユーザ操作によって入力された文字列に対し類似度の高いコンテンツ情報から順に表示手段に表示されるので、容易に所望のコンテンツ情報を探すことができる。
【0011】
好ましくは、前記検索要求には、前記コンテンツリストに含ませるコンテンツ情報又はコンテンツ情報に関連する情報を指定するための返信用情報を含み、前記返信用情報が類似度を含む場合、前記リスト送信手段が、前記検索条件に含まれる文字列に対する類似度が所定の閾値よりも大きいコンテンツ情報と、前記コンテンツ情報の類似度とを含むコンテンツリストを生成し、前記表示装置に送信し、前記表示手段が、前記コンテンツ情報を前記類似度に基づいた態様で表示する。
【0012】
この場合、ユーザ操作によって入力された文字列に対する類似度に応じてコンテンツ情報の表示態様(例えば、サイズ、色(濃淡を含む)等)が変更されるので、容易に所望のコンテンツ情報を探すことができる。
【0013】
好ましくは、前記表示装置が、ユーザ操作によって、前記表示手段が表示しているコンテンツ情報を選択する選択手段をさらに備え、前記要求送信手段が、ユーザ操作によって入力される文字列の代わりに、前記選択手段によって選択されたコンテンツ情報とそのコンテンツ情報の類似度とに基づいた検索条件を含む検索要求を前記サーバに送信する。
【0014】
この場合、ユーザ操作によって選択されたコンテンツ情報に対する類似度が、選択されたコンテンツ情報の類似度よりも大きいコンテンツ情報のみが含まれるコンテンツリストが絞り込み検索されて表示されるので、よりユーザが所望するコンテンツ情報を表示することができる。
【発明の効果】
【0015】
ユーザ操作によって入力された文字列を含むコンテンツ情報だけでなく、大文字、小文字、日本語、ローマ字等の表記が異なるだけで意味が同じであるコンテンツ情報も表示することができ、ユーザに所望のコンテンツを選択させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。
[全体構成]
図1を参照して、本実施の形態によるネットワークAVシステムは、コントローラ(表示装置)として機能するコントロールポイント1と、メディアサーバ2と、再生装置として機能するメディアレンダラ3とを備える。これらは、UPnPにより相互に接続される。図1では、1つのコントロールポイントに対して1つのメディアサーバ及び1つのメディアレンダラを示したが、コントローラ、メディアサーバ及びメディアレンダラは各々複数であってもよい。また、コントロールポイント1及びメディアレンダラ3とは、一筐体内に設けられていてもよい。
【0017】
メディアサーバ2は、複数のコンテンツ(ファイル)を格納し、要求に応じてコンテンツをメディアレンダラ3にストリーミング配信する。メディアレンダラ3は、ストリーミング配信されたコンテンツを受け、コンテンツを再生する。ここで、コンテンツとは、音声(曲)データ、映像(画像)データ等の総称であり、本例では曲データである。
【0018】
コントロールポイント1は、メディアサーバ2及びメディアレンダラ3を制御する。コントロールポイント1は、メディアサーバ2が蓄積する複数のコンテンツの中から所望のコンテンツを選択し、選択されたコンテンツの再生をメディアレンダラ3に指示する。コントロールポイント1はまた、メディアレンダラ3の動作状態(再生、停止等)を監視し、自身のディスプレイ上に表示する。以下、メディアサーバ2、メディアレンダラ3、コントロールポイント1の構成をそれぞれ説明する。
【0019】
[メディアサーバ]
メディアサーバ2は、コンテントディレクトリサービス21と、コネクションマネージャサービス22と、複数のコンテンツファイルを格納したコンテンツデータベース23と、複数のコンテンツ情報を格納したコンテンツ情報データベース24とを備える。データ圧縮されたコンテンツファイルはたとえばMP3ファイルである。コンテンツ情報はコンテンツデータベース23に格納された各コンテンツファイルに関する情報であり、各コンテンツファイルの所在を示す情報であるURIと、各コンテンツのメタデータ(曲名、アーティスト名、アルバム名等)とを含む。
【0020】
コンテントディレクトリサービス(以下、CDSという。)21は、コンテンツデータベース23を管理し、コンテンツファイルをメディアレンダラ3にストリーミング配信する。CDS21はまた、コンテンツ情報を含むコンテンツリスト(以下、曲リストという。)をコントロールポイント1に送信する。
【0021】
CDS21は、コントロールポイント1から後述する検索要求を受信した際に、検索要求に含まれるあいまい検索「FuzzyReference」があいまい検索を実行することを示す1であるかを判断し、1であればれ、検索条件に含まれる文字列に基づいてあいまい検索を実行する。詳細には、コンテンツ情報データベース24に記憶されているコンテンツ情報について検索条件に含まれている文字列に対する類似度を算出し、類似度が所定の閾値よりも大きいコンテンツ情報のみを曲リストに含める。なお、類似度は、例えば0〜100(数値が大きい方がより類似する)の値であり、検索条件「SearchCriteria」の文字列と完全一致する場合には最大値である100が付与される
【0022】
コネクションマネージャサービス22は、メディアサーバ2からメディアレンダラ3にコンテンツをストリーミング配信するためのコネクションを確立し、管理する。
【0023】
メディアサーバ2は、たとえばコンピュータ装置である。また、DVDプレーヤ、HDDプレイヤー、テレビチューナ、ラジオチューナであってもよく、CDプレイヤやMP3プレイヤ等のオーディオプレイヤであってもよい。
【0024】
[メディアレンダラ]
メディアレンダラ3は、コネクションマネージャサービス31と、AVトランスポートサービス32とを含む。コネクションマネージャサービス31は、メディアサーバ2からコンテンツをダウンロードするためのコネクションを確立し、管理する。
【0025】
AVトランスポートサービス32は、コントロールポイント1の指示により、所望のコンテンツをストリーミング配信するようメディアサーバ2に要求する。AVトランスポートサービス32はまた、ストリーミング配信されたコンテンツの再生を制御する。
【0026】
メディアレンダラ3は、たとえばコンピュータ装置である。また、テレビ、ステレオ、スピーカ、オーディオプレイヤであってもよい。
【0027】
[コントロールポイント]
図2を参照して、コントロールポイント1は、CPU11と、メモリ12と、キーボードやマウス等の入力部13と、コントローラプログラムを格納するハードディスクドライブ(HDD)14と、外部と通信するための通信部(I/F)15と、ディスプレイ16とを備える。これらはバスで相互に接続される。コントローラプログラムをメモリ12にロードしてCPU11で実行することにより、コントロールポイント1は、以下の動作を実行する。
【0028】
ディスプレイには、図3に示す画面が表示される。この画面には、ユーザ操作によって検索条件の文字列(例えばアーティスト名)を入力するウインドウ101と、検索条件に基づいて検索された検索結果であるコンテンツ情報(例えば、曲名とアーティスト名)を含む曲リストを表示するウインドウ102とが含まれている。
【0029】
CPU11は、ユーザ操作によって検索条件の文字列が入力されると、図4に示す各引数(パラメータ)を含む検索要求(Searchアクション)をメディアサーバ2に送信する。検索要求は、検索対象のコンテナを指定する検索対象「ContainerID」と、検索条件「SearchCriteria」と、返信する曲リストに含める情報を示す返信用情報「Filter」と、曲リスト内の曲順序を指定するソート条件「SortCriteria」と、あいまい検索を実行するか否かを示すあいまい検索「FuzzyReference」とを含む。
【0030】
検索対象「ContainerID」は、メディアサーバ2のコンテンツデータベース23の複数階層のコンテナのうち、ユーザ操作によって指定された検索対象のコンテナの識別情報である。
【0031】
検索条件「SearchCriteria」は、ユーザ操作によって入力される文字列であるアーティスト名、アルバム名、曲名、又はジャンル名等のメタデータを含み、これらのうちの1つでも良く、複数の組合せ(AND又はOR)であっても良い。例えば、アーティスト名ビートルズの部分一致の場合には検索条件「SearchCriteria」は「artist
contains ビートルズ」となり、アーティスト名ビートルズの完全一致の場合には検索条件「SearchCriteria」は「artist = ビートルズ」となる。また、検索条件「SearchCriteria」は、類似度が〜以上という条件を含んでいても良い。
【0032】
メディアサーバ2からコントロールポイント1に返信される曲リストに含むことができるコンテンツ情報は、アーティスト名、アルバム名、曲名、ジャンル名、リリース日、曲の長さ等の多数の情報が存在するので、全てのコンテンツ情報を返信すると、データ量が多大になってしまう。そこで、返信用情報「Filter」として、メディアサーバ2からコントロールポイント1に返信すべきコンテンツ情報を指定することにより、必要なコンテンツ情報のみをコントロールポイント1に返信するようにする。本例では、返信用情報「Filter」に、検索条件の文字列との類似度「similarity」を含めることにより、メディアサーバ2から類似度「similarity」を取得することができる。
【0033】
ソート条件「SortCriteria」は、メディアサーバ2からコントロールポイント1が取得する曲リストにおける各曲の順序を指定するものである。曲名順の曲リストを取得する場合、ソート条件「SortCriteria」が「+dc:title」となり、類似度順の曲リストを取得する場合、ソート条件「SortCriteria」が「+ similarity」となる。
【0034】
あいまい検索「FuzzyReference」は、あいまい検索を実行するか、すなわち、検索条件「SearchCriteria」に一致する曲だけでなく、検索条件「SearchCriteria」に類似する曲も曲リストに含めるか否か示す情報であり、あいまい検索を実行する場合、あいまい検索「FuzzyReference」が1となり、実行しない場合、あいまい検索「FuzzyReference」が0となる。
【0035】
[動作]
図5はコントロールポイント1の曲検索処理を示すフローチャートである。図6はメディアサーバ2の曲検索処理を示すフローチャートである。図5に示すように、コントロールポイント1のCPU11は、ユーザ操作によってメディアサーバ2のコンテンツデータベース23のコンテナが指定されると、指定されたコンテナのコンテナIDを特定し、図4の検索要求の「ContainerID」に含める(S1)。
【0036】
図3に示す画面においてユーザ操作によって検索用の文字列が入力されると、CPU11は、入力された文字列に基づいて検索条件を決定し、検索条件「SearchCriteria」に含める(S2)。例えば、検索用の文字列としてアーティスト名「ビートルズ」が入力される場合、検索条件「SearchCriteria」には「artist contains
ビートルズ」が含められる(“contains”は部分一致を意味する)。
【0037】
CPU11は、ユーザ操作によって、曲リストの曲順番としてユーザ操作によって曲名順が選択されているか否かを判断する(S3)。曲名順が選択されている場合(S3でYES)、CPU11は、図4の検索要求において、ソート条件「SortCriteria」に「+dc:title」を含め、返信用情報「Filter」に、曲名「title」、アーティスト名「artist」の他に類似度「similarity」を含め、あいまい検索「FuzzyReference」に1を含める(S4)。なお、あいまい検索を実行しない場合には、あいまい検索「FuzzyReference」に0が含められる。
【0038】
返信用情報「Filter」に類似度「similarity」を含めるのは次の理由による。曲リストが曲名順に表示された場合には、ユーザは各曲が検索条件「SearchCriteria」に対してどの程度類似するか又は一致するかを知ることができない。そこで、コントロールポイント1が各曲の検索条件に対する類似度を取得することによって、取得した曲リストを類似度によって表示態様(例えば、フォント、色)を変更する、又は、類似度によって曲リストを並べ替え、ユーザに各曲が検索条件「SearchCriteria」に対してどの程度類似するかを告知するようにしている。
【0039】
一方、曲名順が選択されていない、すなわち、類似度順が選択されている場合(S3でNO)、CPU11は、図4の検索要求において、ソート条件「SortCriteria」に「+ similarity」を含め、返信用情報「Filter」に、曲名「title」、アーティスト名「artist」を含め、あいまい検索「FuzzyReference」に1を含める(S5)。なお、あいまい検索を実行しない場合には、あいまい検索「FuzzyReference」に0が含められる。
【0040】
この場合に、返信用情報「Filter」に類似度「similarity」を含めないのはメディアサーバ2から返信される曲リストが既に類似度順に並んでいるので、コントロールポイント1側で類似度に基づいて曲リストを並べ替える必要がないからである。しかしながら、曲リストを類似度順に並べ、かつ、類似度によって表示態様を異ならせる場合には、返信用情報「Filter」に類似度「similarity」を含めてもよい。
【0041】
次に、CPU11は、S1〜S5で生成した検索要求をメディアサーバ2に送信する(S6)。
【0042】
図6に示すように、メディアサーバ2のCDS21は、コントロールポイント1から検索要求を受信すると、検索要求に含まれる検索対象「ContainerID」を参照し、コンテンツ情報データベース24に含まれるコンテンツ情報のうち、検索対象「ContainerID」によって特定されるコンテナに含まれる曲に関する全コンテンツ情報(以下、itemともいう。)を抽出し、itemリストを生成する(S11)。このitemには、例えば、アーティスト名、アルバム名、曲名、ジャンル名、リリース日、曲の長さ等を含む。
【0043】
続いて、CDS21は、itemリスト内の曲の番号nをn=0(0はitemリストの先頭の曲を示す)に設定する(S12)。CDS21は、検索要求に含まれるあいまい検索「FuzzyReference」が1であるか、すなわち、あいまい検索を実行すべきか否かを判断する(S13)。あいまい検索「FuzzyReference」が0である場合(S13でNO)、あいまい検索を実行しないので、CDS21は、n番目のitemが検索条件「SearchCriteria」に一致するか否かを判断する(S14)。この例では、検索条件「SearchCriteria」が「artist contains ビートルズ」になっているので、n番目のitemにおけるアーティスト名がビートルズを含むか否かが判断される。
【0044】
検索条件「SearchCriteria」に一致しない場合(S14でNO)、n番目のitemを曲リストに追加せずにS18に進む。一方、検索条件「SearchCriteria」に一致する場合(S14でYES)、n番目のitemを曲リストに追加して(S15)、S18に進む。
【0045】
一方、あいまい検索「FuzzyReference」が1である場合(S13でYES)、あいまい検索を実行するので、CDS21は、n番目のitemと検索条件「SearchCriteria」との類似度を算出する(S16)。この例では、検索条件「SearchCriteria」が「artist contains ビートルズ」になっているので、n番目のitemにおけるアーティスト名のビートルズに対する類似度が算出される。なお、本例における類似度の算出方法(すなわち、あいまい検索)自体は周知慣用的手法が採用されるものであり、例えば、特開平8−235212号、特開平10−307839号、特開平11−85779号等に記載されている。
【0046】
CDS21は、算出した類似度が所定の閾値(例えば70)より大きいか否かを判断する(S17)。類似度が所定の閾値以下である場合(S17でNO)、n番目のitemのアーティスト名は検索条件「SearchCriteria」の文字列との関連性が低いので、n番目のitemを曲リストに追加せずにS18に進む。一方、類似度が所定の閾値より大きい場合(S17でYES)、n番目のitemのアーティスト名は検索条件「SearchCriteria」の文字列との関連性が高いので、n番目のitemを曲リストに追加して(S15)、S18に進む。このとき、CDS21はn番目のitemの類似度も曲リストに追加する。
【0047】
CDS21は、n番目がitemリストの最後のitemか否かを判断し(S18)、nが最後でない場合(S18でNO)、S13に戻って、nをインクリメントして次のitemについてS14〜S17の処理を実行する。
【0048】
一方、nが最後である場合(S18でYES)、CDS21は、検索要求に含まれるソート条件「SortCriteria」に従って、曲リストのitemを並べ替える(S19)。詳細には、ソート条件「SortCriteria」が「+title」である場合、曲リスト曲名順に並べ替え、ソート条件「SortCriteria」が「+ similarity」である場合には曲リストを類似度順(類似度が大きい方が上にくるよう)に並べ替える。
【0049】
続いて、CDS21は、検索要求の返信用情報「Filter」に従って、返信すべき情報のみが含まれ、その他の情報が含まれない曲リストを生成する(S20)。例えば、返信用情報「Filter」に曲名「title」及びアーティスト名「artist」のみが含まれている場合、曲名とアーティスト名とを含む新たな曲リストを生成する。また、返信用情報「Filter」に曲名「title」、アーティスト名「artist」及び類似度「similarity」が含まれている場合、曲名とアーティスト名と類似度とを含む新たな曲リストを生成する。その後、CDS21は、生成した曲リストをコントロールポイント1に返信する(S21)。
【0050】
図5に示すように、コントロールポイント1のCPU11はメディアサーバ2から曲リストを受信する(S7)。そして、CPU11は、受信した曲リストをディスプレイ16に表示させる(S8)。
【0051】
図7は、S8の詳細を示すフローチャートである。
【0052】
CPU11は、受信した曲リスト内のitemの番号を示すnを0(n=0は曲リストの先頭を示す)に設定する(S32)。CPU11は、番号nのitemについて類似度に応じた表示態様に変更し、ディスプレイ16に曲名及びアーティスト名を表示する(S33)。例えば、メモリ12内に類似度に対応付けてサイズ及び/又は色が登録されたテーブルが格納されており、そのテーブルを参照して類似度に対応するサイズ及び/又は色を判断し、曲名及びアーティスト名のサイズ及び/又は色を変更して表示する。
【0053】
CPU11はnが曲リストのitemの最後であるか否かを判断し(S34)、最後でなければ(S34でNO)、S32に戻ってnをインクリメントし、次のitemについてS33の処理を実行する。nが曲リストの最後であれば(S34でYES)、全てのitemを表示し終えたので処理を終了する。
【0054】
図3(a)は、曲リストが、曲名順に並べられ、かつ、類似度に応じて文字の色が変更されて表示されている。各曲について、曲名−アーティスト名という形態で表記されている。例えば、上から2行目の「Can’t By Me Love?東京ビートルズ」のアーティスト名は東京ビートルズであり、ビートルズに対する類似度によって、アーティスト名ビートルズとは異なる色(グレー)で表示されている。図2(b)は、曲リストが、類似度順に並べられ、かつ、類似度に応じて文字のサイズが変更されて表示されている。例えば、上から4行目の「Can’t By Me Love?東京ビートルズ」のアーティスト名は東京ビートルズであり、ビートルズに対する類似度によってサイズの小さな文字で表示されている。
【0055】
以上のように、検索要求にあいまい検索「FuzzyReference」を含めることによって、メディアサーバ2は、検索条件「SearchCriteria」と一致する曲だけでなく、検索条件「SearchCriteria」と関連性のある曲も抽出して曲リストに含めることができる。従って、大文字、小文字、日本語、ローマ字等の様々な形態で表記された名称(例えばアーティスト名)が曲リストに表示され、ユーザは、これらの中から所望の曲を選択することができる。
【0056】
次に、本発明の別の実施形態を説明する。図8は本例におけるコントロールポイント1のCPU11の処理を示すフローチャートである。本例では、図5〜図7でコントロールポイント1がメディアサーバ2から取得した曲リストをディスプレイに表示しているときに、ユーザ操作によって、1つの曲が選択され、かつ、絞り込み検索の指示が入力されると、選択された曲のコンテンツ情報(例えば、アーティスト名)に基づいて、検索条件「SearchCriteria」を新たに生成し、曲リストの絞り込み検索を実行する。
【0057】
図8のフローチャートは、図5のフローチャートと比較して、S2がS42に変更されている点で異なり、その他は同じである。従って、S42についてのみ説明する。ユーザ操作によって、例えば、図3(a)に示す曲リストが表示されているときに、ユーザ操作によって1つの曲が選択され、図示しない絞り込み検索ボタンが押下されると、CPU11は、選択された曲に関するコンテンツ情報及びその類似度に基づいて、新たな検索条件「SearchCriteria」を生成する(S42)。例えば、図3(a)において2行目の「Can’t By Me Love?東京ビートルズ」(類似度は88とする。)が選択された場合、新たな検索条件「SearchCriteria」は、"dc:creator = "東京ビートルズ" and similarity > 88"になる。
【0058】
検索要求を受信したCDS21は、S16で各itemのアーティスト名の東京ビートルズに対する類似度を算出し、算出した類似度が検索条件に含まれる類似度88よりも大きいitemのみを曲リストに含める。これにより、ユーザが選択した曲のアーティスト名に類似し、かつ、その曲の類似度よりも高い類似度の曲が曲リストに含まれるようになるので、よりユーザが所望する曲が多く含まれた曲リストを表示することができる。
【0059】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。コントロールポイント1とメディアレンダラ3とは同一筐体に設けられても良く、それぞれのプログラムが同一PCにインストールされてもよい。本発明は、上記のコントロールポイント1又はメディアサーバ2を動作させるためのコンピュータプログラムまたはそのコンピュータプログラムを記録した記録媒体という形態で提供されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、UPnPAVに準拠したネットワーク機器、又は、ネットワーク機能を有する増幅装置やPC等に特に好適に適用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】コンテンツ表示システムを示すブロック図である。
【図2】コントロールポイント1の構成を示すブロック図である。
【図3】検索条件の入力部と曲リストとを表示する表示画面を示す図である。
【図4】検索要求を示す図である。
【図5】コントロールポイントの曲検索処理を示すフローチャートである。
【図6】メディアサーバの曲検索処理を示すフローチャートである。
【図7】コントロールポイントの曲リスト表示処理を示すフローチャートである。
【図8】コントロールポイントの曲検索処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1 コントロールポイント
2 メディアサーバ
3 メディアレンダラ
16 ディスプレイ
21 コンテントディレクトリサービス
23 コンテンツデータベース
24 コンテンツ情報データベース
32 AVトランスポートサービス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと、前記サーバに接続可能な表示装置とを備え、
前記表示装置が、ユーザ操作によって入力された文字列を含む検索条件と、あいまい検索を実行するか否かの情報とを含む検索要求を前記サーバに送信する要求送信手段を有し、
前記サーバが、音声データ又は映像データであるコンテンツを記録するためのコンテンツ記憶部と、
前記コンテンツ記憶部に記録されているコンテンツに関するコンテンツ情報を記憶するコンテンツ情報記憶部と、
前記検索要求を受信する要求受信手段と、
前記検索要求に含まれるあいまい検索を実行するか否かの情報があいまい検索を実行することを示す場合、前記コンテンツ情報記憶部に記録されているコンテンツ情報のうち、前記検索条件に含まれる文字列に対する類似度が所定の閾値よりも大きいコンテンツ情報のみを含むコンテンツリストを生成し、前記表示装置に送信するリスト送信手段とを有し、
前記表示装置が、前記コンテンツリストを受信するリスト受信手段と、
受信したコンテンツリストに含まれるコンテンツ情報を表示する表示手段とをさらに有する、コンテンツ情報表示システム。
【請求項2】
前記検索要求には、前記コンテンツリストに含まれるコンテンツ情報の順序を決めるためのソート条件が含まれており、
前記ソート条件が類似度順である場合、前記リスト送信手段が、前記検索条件に含まれる文字列に対する類似度が所定の閾値よりも大きいコンテンツ情報を含み、かつ、前記類似度の大きい順にコンテンツ情報を並べ替えたコンテンツリストを生成し、前記表示装置に送信する、請求項1に記載のコンテンツ情報表示システム。
【請求項3】
前記検索要求には、前記コンテンツリストに含ませるコンテンツ情報又はコンテンツ情報に関連する情報を指定するための返信用情報を含み、
前記返信用情報が類似度を含む場合、前記リスト送信手段が、前記検索条件に含まれる文字列に対する類似度が所定の閾値よりも大きいコンテンツ情報と、前記コンテンツ情報の類似度とを含むコンテンツリストを生成し、前記表示装置に送信し、
前記表示手段が、前記コンテンツ情報を前記類似度に基づいた態様で表示する、請求項1または2に記載のコンテンツ情報表示システム。
【請求項4】
前記表示装置が、ユーザ操作によって、前記表示手段が表示しているコンテンツ情報を選択する選択手段をさらに備え、
前記要求送信手段が、ユーザ操作によって入力される文字列の代わりに、前記選択手段によって選択されたコンテンツ情報とそのコンテンツ情報の類似度とに基づいた検索条件を含む検索要求を前記サーバに送信する、請求項1〜3のいずれかに記載のコンテンツ情報表示システム。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のコンテンツ情報表示システムにおける前記サーバの各手段を含む、サーバ。
【請求項6】
請求項1〜4のいずれかに記載のコンテンツ情報表示システムにおける前記表示装置の各手段を含む、表示装置。
【請求項7】
請求項1〜4のいずれかに記載のコンテンツ情報表示システムにおける前記サーバの各手段をコンピュータに実行させるためのサーバプログラム。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれかに記載のコンテンツ情報表示システムにおける前記表示装置の各手段をコンピュータに実行させるための表示装置プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図3】
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【図4】
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