説明

コンテンツ表示装置、情報処理装置、コンテンツ表示方法およびプログラム

【課題】同時に行われる複数のタッチ入力を検出可能な情報処理装置(例えばコンテンツ表示装置)において、複数ユーザによって同時にタッチが行われた場合に、ユーザの意図しない動作を抑制し得るようにする。
【解決手段】コンテンツ表示装置100において、タッチ入力部130が同時タッチ(表示画面上の複数の位置を同時にタッチしている状態を含むタッチ操作)を検出すると、有効性判定部222が、同時タッチの有効性を判定する。これによって、複数のユーザによって同時に行われた操作等を検出でき、コンテンツ表示装置100の誤動作を抑制し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ表示装置、情報処理装置、コンテンツ表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タッチパネルにおいて同時に複数のタッチが行われる同時タッチに関連して幾つかの技術が示されている。
例えば、特許文献1に記載のタッチ位置検出装置では、送波器を経由して分波器群から送波され、集波器群を経由して受波器がパルス形の信号波を受信する。受信した信号はタッチ位置/押圧検出部に送られ、ここで、その信号波のうちどの集波器で受信したものが減衰しているかどうかを信号波の減衰している位置および減衰レベルから検出する。これを受けた同時複数タッチ位置検出部は、X検出位置、Y検出位置とその押圧により、タッチ位置を検出する。
これにより、同時に複数のタッチをしたときに個々のタッチ位置を検出でき、かつ、耐久性を向上できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−230352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のタッチ位置検出装置など、複数のタッチを検出する装置において、複数ユーザによって同時にタッチが行われると、個々のユーザが行った操作とは異なる操作を当該装置が検出して、ユーザの意図しない動作を行ってしまうおそれがある。例えば、あるユーザが、2本の指でウィンドウをほぼ線対称にドラッグするウィンドウ拡大操作を行い、他のユーザが、1本の指でウィンドウをドラッグするウィンドウ移動操作を行った場合、これらの操作入力を受けた装置が、拡大操作における1本の指のドラッグと、移動操作におけるドラッグのうち1本分とを検出すると、2本の指でウィンドウをほぼ点対称にドラッグする回転操作が行われたと誤判定して、ウィンドウを回転させるという、ユーザの意図しない動作を行ってしまうおそれがある。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決することのできるコンテンツ表示装置、情報処理装置、コンテンツ表示方法およびプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上述した課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様によるコンテンツ表示装置は、表示画面を有する表示部と、前記表示画面にデジタルコンテンツを表示させる制御部と、前記表示画面上の同時タッチを検出可能なタッチ入力部と、を具備し、前記制御部は、前記タッチ入力部が検出した同時タッチの有効性を判定し、有効と判定したタッチに基づいて、前記表示画面が表示するデジタルコンテンツに関する処理を行うことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様による情報処理装置は、同時タッチの有効性を判定する有効性判定部と、前記有効性判定部が有効と判定したタッチに基づいて処理を行う処理部と、を具備することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様によるコンテンツ表示方法は、コンテンツ表示装置のコンテンツ表示方法であって、表示画面にデジタルコンテンツを表示させる制御ステップと、前記表示画面上の同時タッチを検出するタッチ検出ステップと、を具備し、前記制御ステップにて、前記タッチ検出ステップで検出した同時タッチの有効性を判定し、有効と判定したタッチに基づいて、前記表示画面への前記デジタルコンテンツの表示を行うことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様によるプログラムは、コンテンツ表示装置としてのコンピュータに、表示画面上の同時タッチを検出するタッチ検出ステップと、前記タッチ検出ステップで検出した同時タッチの有効性を判定する有効性判定ステップと、前記有効性判定ステップにて有効と判定したタッチに基づいて、前記表示画面への前記デジタルコンテンツの表示を行う表示ステップとを実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、複数ユーザによって同時にタッチが行われた場合に、ユーザの意図しない動作を抑制し得る。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態におけるコンテンツ表示装置の機能構成を示す概略ブロック図である。
【図2】同実施形態におけるコンテンツ表示装置を具備するコンテンツ表示システムの装置構成を示す概略構成図である。
【図3】同実施形態におけるコンテンツ表示装置の外形の概略を示す斜視図である。
【図4】同実施形態の表示部における表示例を示す説明図である。
【図5】同実施形態にて、コンテンツ表示領域において行い得るタッチ操作の例を示す図である。
【図6】同実施形態において、有効性判定部が、有効タッチ数に基づいて同時タッチの有効性を判定する例を示す説明図である。
【図7】同実施形態において、有効性判定部が、タッチ位置間の距離に基づいて同時タッチの有効性を判定する例を示す説明図である。
【図8】同実施形態において、有効性判定部が有効と判定したタッチに基づいて、表示制御部が、表示画面におけるデジタルコンテンツの向きを制御する例を示す説明図である。
【図9】同実施形態において、コンテンツ表示装置がタッチを検出して表示を更新する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態におけるコンテンツ表示装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、コンテンツ表示装置100は、通信部110と、表示部120と、タッチ入力部130と、制御部210と、記憶部310とを具備する。制御部210は、通信制御部211と、入力処理部221と、有効性判定部222と、コンテンツ管理部231と、表示制御部232とを具備する。記憶部310は、コンテンツ記憶部311と、判定基準記憶部312とを具備する。
【0013】
コンテンツ表示装置100は、本発明における情報処理装置の一例であり、同時タッチの有効性を判定し、有効と判定したタッチに基づいて表示処理等の処理を行う。
ここでいう同時タッチは、表示画面(タッチ検出領域)上の複数の位置を同時にタッチしている状態を含むタッチ操作(表示画面をタッチすることによる操作入力)である。同時タッチには、1つの操作入力として行われる複数のタッチと、2つ以上の操作入力が同時に行われた場合の、これら操作入力としての複数のタッチとが含まれる。
【0014】
なお、同時タッチにおける各タッチは必ずしも同時に開始される必要は無く、表示画面上の1点のタッチが継続している状態で、当該表示画面上の他の点がタッチされる操作も同時タッチに含まれる。同様に、同時タッチにおける各タッチは必ずしも同時に終了する必要は無い。
なお、本実施形態では、後述するようにコンテンツ表示装置100(表示部120)が表示画面を具備するが、コンテンツ表示装置100が、当該コンテンツ表示装置100の外部にある表示画面上の同時タッチの有効性を判定するようにしてもよい。
また、ここでいう同時タッチの有効性の判定は、同時タッチ含まれる各タッチを有効とするか無効とするかの判定である。具体的な判定方法については後述する。
【0015】
通信部110は、インターネット(Internet)あるいはLAN(Local Area Network)等のコンピュータネットワークに接続されて情報の送受信を行う。特に、通信部110は、コンピュータネットワークに接続されたサーバ装置から、各種デジタルコンテンツを取得(受信)し、取得したデジタルコンテンツを通信制御部211に出力する。
【0016】
なお、ここでいうデジタルコンテンツは、デジタルデータにて示されるコンテンツである。また、ここでいうコンテンツは、視覚的に表示可能な様々な情報の総称である。コンテンツには、動画像データや静止画像データやテキストデータが含まれる。例えば、コンテンツには、静止画像として表示される地図データや、地図上に表示される各種アイコンや、地図上のアイコンに対応付けて表示されるテキストデータ(文字データ)などが含まれる。
【0017】
表示部120は、例えば液晶パネル等の表示画面を有し、表示制御部232の制御に従って、表示画面にデジタルコンテンツを表示する。
タッチ入力部130は、表示部120の表示画面に設けられたタッチセンサを有し、当該表示画面上のタッチを検出する。そして、タッチ入力部130は、検出したタッチの表示画面における位置(以下、「タッチ位置」と称する)を示す信号を入力処理部221に出力する。
特に、タッチ入力部130は、表示部120の表示画面上の同時タッチを検出可能である。
【0018】
タッチ入力部130が具備するタッチセンサとしては、同時タッチを検出可能な様々なものを用いることができる。例えば、タッチ入力部130が具備するタッチセンサは、超音波表面弾性波方式(SAW(Surface Acoustic Wave)方式)のものであってもよいし、投影型静電容量方式(Projected Capacitive Type)のものであってもよいし、抵抗膜方式(Resistive Type)のものであってもよい。
【0019】
制御部210は、例えば、コンテンツ表示装置100の具備する中央処理装置(Central Processing Unit;CPU)が、コンテンツ表示装置100の具備する記憶デバイスからプログラムを読み出して実行することによって構築され、コンテンツ表示装置100の各部を制御する。
【0020】
通信制御部211は、通信部110を制御して情報の送受信を行わせる。特に、通信制御部211は、タッチ入力部130が受け付けるユーザ操作に応じて、通信部110を介してデジタルコンテンツを取得し、取得したデジタルコンテンツをコンテンツ管理部231に出力してコンテンツ記憶部311に保存させる。
【0021】
入力処理部221は、タッチ位置を示す信号がタッチ入力部130から出力されると、当該信号を座標情報に変換して有効性判定部222に出力する。例えば、表示部120の表示画面は長方形をなす。そして、当該表示画面には、所定の頂点を原点とし、長辺方向をX軸方向とし、短辺方向をY軸方向として、表示画面が第1象限に位置するよう2次元直交座標が設定されている。そして、入力処理部221は、当該座標を用いて、タッチ入力部130から出力される信号を座標情報に変換して有効性判定部222に出力する。
【0022】
有効性判定部222は、タッチ入力部130が同時タッチを検出すると、当該同時タッチの有効性を判定する。
具体的には、有効性判定部222は、表示部120の表示画面を分割した領域毎にタッチの有効性を判定する。例えば、表示部120は複数のウィンドウ(表示領域)を表示画面に表示し、有効性判定部222は、当該ウィンドウ毎にタッチの有効性を判定する。
【0023】
ここで、表示部120が、複数のサービスを実行し、サービス毎に1つのウィンドウを開いて当該サービスおけるデジタルコンテンツを表示している状態で、あるウィンドウに対して行われた入力操作(タッチ)は、他のウィンドウを用いて実行されるサービスに影響しないことが考えられる。すなわち、タッチ入力部130が、異なるウィンドウで同時にタッチを検出した場合、コンテンツ表示装置100が各ウィンドウにおいてタッチに基づく処理を実行しても、他のウィンドウ(他のサービス)には影響しないことが期待できる。
【0024】
そこで、有効性判定部222が、ウィンドウ毎にタッチの有効性を判定することで、コンテンツ表示装置100が、複数の操作入力に基づいて複数の処理を並列実行するようにでき、かつ、操作が行われたサービス以外のサービスに対する不測の動作など、いずれのユーザも意図しない動作(以下では、「誤動作」と称する)を抑制し得る。
【0025】
あるいは、有効性判定部222は、表示画面を分割した領域毎に設定された有効タッチ数に従って、当該領域毎にタッチの有効性を判定する。ここでいうタッチ数は、タッチ入力部130が検出したタッチの数である、また、有効タッチ数は、タッチ入力部130が検出したタッチの数に対する判定閾値としての定数である。この有効タッチ数は、例えば、表示制御部232が表示画面を分割した領域としてのウィンドウを新たに表示する際に、当該ウィンドウの特性(特に、当該ウィンドウに対する操作としてシングルタッチのみが規定されているか、あるいはマルチタッチが規定されているか)に基づいて、有効性判定部222が設定して判定基準記憶部312に書き込んでおく。なお、ここでいうマルチタッチは、1人のユーザによって行われる同時タッチである。
【0026】
また、例えば、静止画像を表示するウィンドウにおける有効タッチ数は2に設定されており、後述する拡大等のマルチタッチ操作が可能となっている。そして、有効性判定部222は、静止画像を表示するウィンドウの表示領域にてタッチ入力部130が3つ以上のタッチを検出すると、これらのタッチのうちいずれか2つを有効と判定する。例えば、有効性判定部222は、操作開始(表示画面へのタッチ開始)が早い順に2つのタッチを有効とする。
あるいは、有効性判定部222が、当該領域における全てのタッチを無効とするようにしてもよい。
【0027】
このように、有効性判定部222が、有効タッチ数に従ってタッチの有効性を判定することで、複数のユーザによってタッチ操作が同時に行われた場合に、コンテンツ表示装置100が誤動作することを抑制し得る。詳細については後述する。
【0028】
または、有効性判定部222は、表示画面を分割した領域毎に設定されたタッチの優先度に従って、タッチの有効性を判定する。ここでいうタッチの優先度は、表示画面を分割した領域(例えばウィンドウ)の各々において、当該領域に対する入力操作としてのタッチの種類毎の優先度である。このタッチの優先度は、例えば、表示制御部232が表示画面を分割した領域としてのウィンドウを新たに表示する際に、当該ウィンドウに適用可能なタッチの種類毎に有効性判定部222が設定して、判定基準記憶部312に書き込んでおく。
【0029】
例えば、有効性判定部222は、メニューウィンドウに表示される各項目のうち、データを保存する項目のタッチの優先度として、サービスを終了する項目のタッチの優先度よりも高い優先度を記憶している。そして、有効性判定部222は、データを保存する項目とサービスを終了する項目とが同時にタッチされた場合、データを保存する項目のタッチを有効と判定し、コンテンツ管理部231にコンテンツデータの保存(コンテンツ記憶部311への書込)を実行させる。これによって、データを保存せずにサービスを終了して当該データが失われてしまう事態を回避できる。
このように、有効性判定部222が、タッチの優先度に従ってタッチの有効性を判定することで、タッチ入力部130が複数の操作入力を検出した場合に、コンテンツ表示装置100は、安全側の動作(例えば、比較的修復容易な動作)を実行し得る。
【0030】
あるいは、有効性判定部222は、タッチ位置間の有効距離に従って、同時タッチの有効性を判定する。ここでいうタッチ位置間の有効距離は、2つのタッチ位置の距離に対する判定閾値としての所定の距離である。このタッチ位置間の有効距離は、例えば、表示部120を分割した領域毎に当該領域の大きさに応じて設定されている。例えば、タッチ位置間の有効距離は、ユーザ設定によって、ウィンドウの対角線の長さの3分の1に設定される。そして、表示制御部232が、表示画面を分割した領域としてのウィンドウを新たに表示する際に、当該ウィンドウの大きさに応じて、有効性判定部222が、当該ウィンドウにおける有効距離を設定して判定基準記憶部312に書き込む。そして、ウィンドウの大きさが変更されるたびに、有効性判定部222が当該ウィンドウにおける有効距離を更新して判定基準記憶部312に書き込む(上書きする)。
【0031】
有効性判定部222が、タッチ位置間の有効距離に従って同時タッチの有効性を判定することで、後述するように、複数の入力操作におけるタッチを1つの入力操作におけるタッチとする誤操作をコンテンツ表示装置100が検出して誤動作することを抑制し得る。
【0032】
あるいは、有効性判定部222は、タッチ入力部130が検出した複数のタッチの時間間隔に基づいて、タッチの有効性を判定する。
例えば、判定基準記憶部312が、タッチの時間間隔の判定閾値を記憶しておく。そして、有効性判定部222は、同時タッチにおける最初のタッチの開始時刻と次のタッチとの開始時刻との差が判定閾値以内の場合に両方のタッチを有効と判定する。一方、両者の差が判定閾値よりも大きい場合、有効性判定部222は、後から行われたタッチ、あるいは両方のタッチを無効と判定する。
【0033】
このように、有効性判定部222が、複数のタッチの時間間隔に基づいて、タッチの有効性を判定することで、複数のユーザによるタッチが時間的に重なった場合や、ユーザの服の袖やネクタイ等によるタッチをタッチ入力部130が検出した場合に、コンテンツ表示装置100が誤動作することを抑制し得る。詳細については後述する。
【0034】
コンテンツ管理部231は、コンテンツ記憶部311へのデジタルコンテンツの保存や、コンテンツ記憶部311が記憶するデジタルコンテンツの読出や更新を行うなど、コンテンツ記憶部311が記憶するデジタルコンテンツを管理する。
表示制御部232は、有効性判定部222が有効と判定したタッチに基づいて、表示部120の表示画面へのデジタルコンテンツの表示を制御する。特に表示制御部232は、表示部120の具備する表示画面にデジタルコンテンツを表示させる。例えば、表示制御部232は、有効性判定部222が有効と判定したタッチに基づいて、デジタルコンテンツの表示の移動や拡大・縮小や回転や、表示画面におけるデジタルコンテンツの向きの制御を行う。
【0035】
なお、表示制御部232は、本発明における処理部の一例である。そして、有効性判定部222が有効と判定したタッチに基づいて表示制御部232が行う、表示部120の表示画面へのデジタルコンテンツの表示の制御は、当該処理部が行う処理の一例である。
【0036】
記憶部310は、コンテンツ表示装置100が具備する記憶デバイスの記憶領域によって構成され、各種データを記憶する。
コンテンツ記憶部311は、コンテンツ管理部231が書き込む各種デジタルコンテンツを記憶する。
判定基準記憶部312は、有効性判定部222が同時タッチの有効性を判定する際に用いる各種判定基準を記憶する。例えば、判定基準記憶部312は、有効タッチ数や、タッチ位置間の有効距離や、タッチの優先度や、タッチの時間間隔の判定閾値を記憶する。
【0037】
図2は、コンテンツ表示装置100を具備するコンテンツ表示システムの装置構成を示す概略構成図である。同図において、コンテンツ表示システム1は、コンテンツ表示装置100と、コンピュータネットワーク900と、複数のサービス情報配信サーバ装置910とを具備する。そして、コンテンツ表示装置100は、コンピュータネットワーク900を介して各サービス情報配信サーバ装置910に接続されている。同図に示すコンテンツ表示装置100は、図1で説明したコンテンツ表示装置100と同一であり、ここでは説明を省略する。
【0038】
サービス情報配信サーバ装置910の各々は、クライアントとしてのコンテンツ表示装置100からの要求に応じて各種サービスを提供する。特に、サービス情報配信サーバ装置910の各々は、コンテンツ表示装置100に対してデジタルコンテンツを送信する。
コンピュータネットワーク900は、例えばインターネットまたはLANであり、サービス情報配信サーバ装置910の各々とコンテンツ表示装置100との間で各種データを伝送する。特に、コンピュータネットワーク900は、サービス情報配信サーバ装置910の各々からコンテンツ表示装置100に送信されるデジタルコンテンツを伝送する。
このようにして、コンテンツ表示装置100は、サービス情報配信サーバ装置910の各々からデジタルコンテンツを取得し、取得したデジタルコンテンツに応じた領域(例えばウィンドウ)を、表示部120の表示画面に生成して当該デジタルコンテンツを表示する。
【0039】
図3は、コンテンツ表示装置100の外形の概略を示す斜視図である。同図に示すように、コンテンツ表示装置100はテーブル形状に構成され、その天板部分に表示部120の表示画面を具備する。また、当該表示画面には、タッチ入力部130のタッチセンサが設けられている。
このコンテンツ表示装置100は、複数のユーザが討論を行う際に用いることができる。具体的には、コンテンツ表示装置100が、討論のテーマに関連した情報としてのデジタルコンテンツを、ユーザ操作に従ってサービス情報配信サーバ装置910(図2)から取得し、表示画面に表示する。そして、各ユーザは、表示画面に表示されたデジタルコンテンツを参照しながら討論を行うことができる。また、各ユーザは、表示画面に対するタッチ操作によって、デジタルコンテンツの拡大・縮小や、新たなデジタルコンテンツの取得などの各種処理を、コンテンツ表示装置100に指示することができる。
【0040】
図4は、表示部120における表示例を示す説明図である。
同図に示す表示画面A1には、ウィンドウA110、A120、A130およびA140が表示されている。ウィンドウA110、A120、A130、A140は、それぞれ、操作バーA111、A121、A131、A141と、コンテンツ表示領域A112、A122、A132、A142とを含む。
【0041】
操作バーA111、A121、A131およびA141の各々は、当該操作バーを含むウィンドウの消去要求など、当該ウィンドウに対する操作のタッチを受け付ける領域である。コンテンツ表示領域A112、A122、A132およびA142の各々は、サービス情報配信サーバ装置910(図2)から取得したデジタルコンテンツやメニュー項目としてのテキストなど、各種デジタルコンテンツを表示する領域である。
【0042】
ウィンドウA110は、メニュー表示用ウィンドウである。例えば、表示部120は、コンテンツ表示領域A112に、利用可能なサービスの一覧を表示する。そして、タッチ入力部130(図1)は、ウィンドウA110に一覧表示された項目(サービス)のいずれかをタッチすることによる、サービス要求を受け付ける。
【0043】
ここで、コンテンツ表示領域A112はシングルタッチ領域(シングルタッチ操作のみを受け付ける領域)として設定されている。そこで、タッチ入力部130は、コンテンツ表示領域A112における有効タッチ数を1に設定して、判定基準記憶部312に書き込んでおく。
そして、タッチ入力部130が、コンテンツ表示領域A112におけるタッチを1つのみ検出すると(具体的には、タッチ開始を検出してタッチ終了を検出するまでの間に、コンテンツ表示領域A112における他のタッチを検出しなかった場合)、有効性判定部222は、当該同時タッチを有効と判定し、選択されたサービスを示す情報をコンテンツ管理部231に出力する。そして、コンテンツ管理部231は、有効性判定部222から出力される情報に基づいて、選択されたサービスに応じたデジタルコンテンツを、通信制御部211および通信部110を介してサービス情報配信サーバ装置910から取得し、取得したデジタルコンテンツを、表示制御部232を介して表示部120に表示させる。
一方、タッチ入力部130が、コンテンツ表示領域A112における同時タッチを検出すると、有効性判定部222は、当該同時タッチに含まれる全てのタッチを無効と判定する。
【0044】
このように、タッチ入力部130が、コンテンツ表示領域A112における同時タッチを検出した場合に、有効性判定部222が、当該同時タッチに含まれる全てのタッチを無効と判定することで、コンテンツ表示装置100が誤動作することを抑制し得る。
例えば、ユーザが、ある項目をタッチする際に、当該ユーザの服の袖またはネクタイが他の項目に触れた場合に、タッチ入力部130が、当該ユーザの服またはネクタイによるタッチを検出して、コンテンツ表示装置100がユーザの意図しないデジタルコンテンツを取得すること(誤動作)を抑制し得る。従って、ユーザの意図しないデジタルコンテンツ取得による課金やコンテンツ表示装置100の負荷の増大を回避し得る。
【0045】
また、複数のユーザが異なる項目を同時にタッチした場合に、コンテンツ表示装置100は、いずれのタッチに基づくデジタルコンテンツの取得も抑制する。そこで、タッチを行った複数のユーザ間で優先する操作を決定し、改めて当該操作を行うことで、より適切な操作を選択し得る。
【0046】
また、ユーザのタッチが不正確で、1つのタッチによって2つの項目がタッチされた場合に、コンテンツ表示装置100は、いずれの項目に関するデジタルコンテンツの取得も抑制する。従って、コンテンツ表示装置100は、不正確なタッチに基づくユーザの意図しないコンテンツの取得(誤動作)を抑制し得る。そして、ユーザは、改めて正確なタッチ(意図する1項目のみのタッチ)を行って、意図するコンテンツを取得できる。
【0047】
なお、タッチ入力部130が、コンテンツ表示領域A112における同時タッチを検出した場合に、有効性判定部222が、これらのタッチのうちいずれか1つ(有効タッチ数のタッチ)を有効と判定するようにしてもよい。例えば、有効性判定部222は、操作開始(表示画面へのタッチ開始)が最も早いタッチを有効とする。これによって、複数のユーザが異なる項目を同時にタッチした場合に、コンテンツ表示装置100は、当該複数のユーザのうち1人が意図するコンテンツデータを取得できる。
【0048】
同様に、操作バーA111、A121、A131およびA141の各々もシングルタッチ領域として設定されている。そこで、タッチ入力部130は、操作バーA111、A121、A131およびA141の各々における有効タッチ数を1に設定して、判定基準記憶部312に書き込んでおく。
そして、タッチ入力部130が、操作バーA111におけるタッチを1つのみ検出すると、有効性判定部222は、当該タッチを有効と判定し、例えばタッチされたウィンドウA110の消去などタッチに応じた操作を行う。
【0049】
一方、タッチ入力部130が、操作バーA111における同時タッチを検出すると、有効性判定部222は、当該同時タッチに含まれる全てのタッチを無効と判定する。これによって、コンテンツ表示領域A112について上述したのと同様、コンテンツ表示装置100の誤動作を防止でき、また、ユーザは、意図する操作を改めて行い得る。なお、コンテンツ表示領域A112について上述したのと同様、タッチ入力部130が、操作バーA111における同時タッチを検出した場合に、有効性判定部222が、これらのタッチのうちいずれか1つを有効と判定するようにしてもよい。
操作バーA121、A131およびA141についても同様である。
【0050】
一方、コンテンツ表示領域A122、A132およびA142の各々は、サービス情報配信サーバ装置910から取得したデジタルコンテンツを表示する領域であり、マルチタッチ領域(マルチタッチ操作を受け付ける領域)として設定されている。
図5は、コンテンツ表示領域A122、A132およびA142において行い得るタッチ操作の例を示す図である。以下では、コンテンツ表示領域A122について説明する。コンテンツ表示領域A132およびA142についても同様である。
【0051】
同図(a)は、1本の指でコンテンツ表示領域A122をドラッグ(タッチしたまま指を移動させる操作)することによる、ウィンドウA120の移動操作の例を示す。また、同図(b)は、2本の指でコンテンツ表示領域A122をほぼ線対称にドラッグすることによる、ウィンドウA120の拡大・縮小操作の例を示す。また、同図(c)は、2本の指でコンテンツ表示領域A122をほぼ点対称にドラッグするウィンドウ回転操作の例を示す。
【0052】
図6は、有効性判定部222が、有効タッチ数に基づいて同時タッチの有効性を判定する例を示す説明図である。
同図(a)は、1人のユーザがウィンドウA211の拡大操作を行う場合の例を示す。ここで、ウィンドウA211の有効タッチ数は2に設定されている。従って、タッチ入力部130が、タッチ位置P211およびP212の2点におけるタッチ(以下、「タッチP211」および「タッチP212」と称する。他も同様)を検出すると、有効性判定部222は、これらのタッチが有効であると判定する。そして、有効性判定部222は、これらのタッチ位置P211およびP212がほぼ線対称に外向きに移動していることを検出すると、ウィンドウ拡大操作が行われていると判定し、ウィンドウ拡大操作を検出したことを示す情報を表示制御部232に出力する。
このように、タッチ入力部130が検出したタッチ数が有効タッチ数以下の場合、有効性判定部222は、これらのタッチを全て有効と判定する。
【0053】
一方、図6(b)は、1人のユーザによるウィンドウA211の拡大操作と、他のユーザによるウィンドウA211の移動操作とが重なった場合の例を示す。上記のようにウィンドウA211の有効タッチ数は2に設定されており、タッチ入力部130が、タッチ位置P211、P212およびP221の3点におけるタッチを検出すると、有効性判定部222は、これらのタッチが無効であると判定する。この場合、有効性判定部222は、操作を検出したことを示す情報の表示制御部232への出力を抑制する。
このように、タッチ入力部130が検出したタッチ数が有効タッチ数より多い場合、有効性判定部222は、これらのタッチを全て無効と判定する。
【0054】
タッチ入力部130が検出したタッチ数が有効タッチ数より多い場合に、有効性判定部222が、これらのタッチを全て無効と判定することで、コンテンツ表示装置100の誤動作を抑制し得る。例えば、有効性判定部222が、図6(b)における3点のタッチを全て有効と判定した場合、タッチP211およびP221に基づいて、ウィンドウA211の回転操作が行われたと誤判定してしまい、コンテンツ表示装置100が誤動作してしまうおそれがある。そこで、タッチ入力部130が、これらのタッチを全て無効と判定することで、かかる誤判定を防止し、コンテンツ表示装置100の誤動作を抑制し得る。
【0055】
なお、タッチ入力部130が検出したタッチ数が有効タッチ数より多い場合に、有効性判定部222が、これらのタッチの一部を有効と判定するようにしてもよい。例えば、図6(b)の状態において、タッチ入力部130が、タッチP211およびP212を有効とするようにしてもよい。
このように、有効性判定部222が、タッチ入力部130の検出したタッチの一部を有効と判定することで、コンテンツ表示装置100は、1人のユーザが意図した動作を行い得る。
【0056】
ここで、有効性判定部222が、タッチ入力部130の検出したタッチのうち有効とするタッチを選択する方法としては、例えば、タッチ開始の早い順に有効タッチ数の範囲内で選択する方法を用いる。図6(b)の例では、有効性判定部222は、タッチ入力部130におけるタッチ開始の検出の早い順に、タッチP211およびP212を有効とする。そして、有効性判定部222が有効と判定したタッチの数が有効タッチ数に達したため、有効性判定部222は、その後開始されるタッチP221を無効と判定する。
【0057】
ここで、1人のユーザが行うマルチタッチ操作の場合、複数のタッチがほぼ同時に開始されることを期待し得る。一方、複数人によるタッチが重なった同時タッチの場合、ユーザ毎にタッチ開始の時間が異なることを期待し得る。
従って、有効性判定部222が、タッチ開始の早い順に有効なタッチを決定(選択)することで、上記のように、1人のユーザによるマルチタッチ操作を検出し得る。
【0058】
なお、有効性判定部222が、さらにタッチの時間間隔に基づいて、有効とするタッチを選択することで、シングルタッチ操作を検出することができる。
例えば、図6(b)において、タッチ位置P221におけるシングルタッチ操作が先に開始され、その後、タッチ位置P211およびP212におけるマルチタッチ操作が開始された場合、有効性判定部222は、まず、タッチP221を有効と判定する。一方、タッチP221の開始と、タッチP211の開始との時間間隔が、予め(有効性判定部222がタッチの有効性の判定を行う前に)設定された判定閾値の時間間隔よりも長い場合、有効性判定部222は、タッチP211を無効と判定する。同様に、タッチP221の開始と、タッチP212の開始との時間間隔が、判定閾値の時間間隔よりも長い場合、有効性判定部222は、タッチP212を無効と判定する。これによって、有効性判定部222は、タッチP211のみを有効と判定してシングルタッチを検出できる。
【0059】
あるいは、有効性判定部222が、さらに、後述するタッチ位置間の有効距離に基づいて有効とするタッチを選択するようにしてもよい。
例えば、図6(b)において、タッチ位置P221におけるシングルタッチ操作が先に開始され、その後、タッチ位置P211およびP212におけるマルチタッチ操作が開始された場合、有効性判定部222は、まず、タッチP221を有効と判定する。一方、タッチ位置P221とタッチ位置P211との距離が、予め設定された有効距離よりも長い場合、有効性判定部222は、タッチP211を無効と判定する。同様に、タッチ位置P221とタッチ位置P212との距離が、有効距離よりも長い場合、有効性判定部222は、タッチP212を無効と判定する。これによって、有効性判定部222は、タッチP211のみを有効と判定してシングルタッチを検出できる。
【0060】
図7は、有効性判定部222が、タッチ位置間の距離に基づいて同時タッチの有効性を判定する例を示す説明図である。
同図(a)は、1人のユーザが、ウィンドウA311の拡大操作を行う場合の例を示す。同図(a)において、2つのタッチ位置P311とP312との距離D311は、閾値として設定されている有効距離D310以下である。
【0061】
そこで、有効性判定部222は、これらタッチP311およびP312を有効と判定する。そして、有効性判定部222は、これらのタッチ位置P311およびP312がほぼ線対称に外向きに移動していることを検出すると、ウィンドウ拡大操作が行われていると判定し、ウィンドウ拡大操作を検出したことを示す情報を表示制御部232に出力する。
このように、タッチ入力部130が検出したタッチ位置間の距離が有効距離以下である場合、有効性判定部222は、これらのタッチを全て有効と判定する。
【0062】
一方、同図(b)は、2人のユーザが、それぞれウィンドウA311の移動操作を行う場合の例を示す。同図(b)において、2つのタッチ位置P321とP322との距離D321は、閾値として設定されている有効距離D310よりも長い。
そこで、有効性判定部222は、これらタッチP321およびP322を無効と判定する。この場合、有効性判定部222は、操作を検出したことを示す情報の表示制御部232への出力を抑制する。
このように、タッチ入力部130が検出したタッチ位置間の距離が有効距離よりも長い場合、有効性判定部222は、これらのタッチを全て無効と判定する。
【0063】
タッチ入力部130が検出したタッチ位置間の距離が有効距離よりも長い場合に、有効性判定部222が、これらのタッチを全て無効と判定することで、コンテンツ表示装置100の誤動作を抑制し得る。例えば、有効性判定部222が、図7(b)における2点のタッチをいずれも有効と判定した場合、タッチP321およびP322に基づいて、ウィンドウA311の拡大操作が行われたと誤判定してしまい、コンテンツ表示装置100が誤動作してしまうおそれがある。そこで、タッチ入力部130が、これらのタッチを全て無効と判定することで、かかる誤判定を防止し、コンテンツ表示装置100の誤動作を抑制し得る。
【0064】
なお、タッチ入力部130が検出したタッチ位置間の距離が有効距離よりも長い場合に、有効性判定部222が、これらのタッチの一部を有効と判定するようにしてもよい。例えば、図7(b)の状態において、タッチ入力部130が、タッチP321を有効とするようにしてもよい。
このように、有効性判定部222が、タッチ入力部130の検出したタッチの一部を有効と判定することで、コンテンツ表示装置100は、1人のユーザが意図した動作を行い得る。
【0065】
ここで、有効性判定部222が、タッチ入力部130の検出したタッチのうち有効とするタッチを選択する方法としては、例えば、タッチ開始の早い順に選択する方法を用いる。図7(b)の例において、タッチP321がタッチP322よりも先に開始された場合、有効性判定部222は、タッチP321を有効とし、このタッチP321との距離が有効距離D310以上であるタッチP322を無効と判定する。
【0066】
図8は、有効性判定部222が有効と判定したタッチに基づいて、表示制御部232が、表示画面におけるデジタルコンテンツの向きを制御する例を示す説明図である。同図(a)は、デジタルコンテンツの向きを整える前の状態におけるデジタルコンテンツの表示例を示し、同図(b)は、デジタルコンテンツの向きを整えた後の状態におけるデジタルコンテンツの表示例を示す。
【0067】
同図(a)において、タッチ入力部130が点P411のタッチを検出すると、有効性判定部222は、当該タッチを有効と判定する。そして、有効性判定部222は、ウィンドウ(および当該ウィンドウに表示されるデジタルコンテンツ)の向きを整える操作が行われたと判定して、ウィンドウの向きを整える操作を検出したことを示す情報を、表示制御部232に出力する。
【0068】
当該情報の出力を受けた表示制御部232は、表示部120の表示画面の各辺のうち、タッチされた位置に最も近い辺である辺L41にウィンドウA411の下側が向き、かつ、表示画面の辺L41とウィンドウA411の下辺L42とが並行になるように、ウィンドウA411を回転させる。ここで、ウィンドウA411を回転させる角度は、例えば、有効性判定部222が、タッチ位置P411と表示画面の各辺との位置関係、および、ウィンドウA411の各辺と表示画面の各辺との位置関係に基づいて算出し、ウィンドウの向きを整える操作を検出したことを示す情報に含めて表示制御部232に出力する。
【0069】
このように、有効性判定部222が有効と判定したタッチ位置に基づいて、表示制御部232が、ウィンドウの向き(デジタルコンテンツの向き)を、タッチ位置側に向く(表示画面の辺のうちタッチ位置に近い辺に、ウィンドウの下側が来る)ように整えることで、タッチしたユーザの側にウィンドウが向くことを期待できる。タッチしたユーザの側にウィンドウが向くことで、当該ユーザは、デジタルコンテンツへの文字の書き込みなど、デジタルコンテンツの加工を比較的容易に行い得る。
【0070】
なお、有効性判定部222が有効と判定したタッチ位置に基づいて、表示制御部232が、ウィンドウの向きをタッチ位置と反対側に向く(表示画面の辺のうちタッチ位置に近い辺に、ウィンドウの上側が来る)ように整えるようにしてもよい。すなわち、表示制御部232が、表示部120の表示画面の各辺のうち、タッチされた位置に最も近い辺である辺L41にウィンドウA411の上側が向き、かつ、表示画面の辺L41とウィンドウA411の下辺L42とが並行になるように、ウィンドウA411を回転させるようにしてもよい。
【0071】
このように、有効性判定部222が有効と判定したタッチ位置に基づいて、表示制御部232が、ウィンドウの向きを、タッチ位置と反対側に向くように整えることで、タッチしたユーザと反対側にウィンドウが向くことを期待できる。タッチしたユーザと反対側にウィンドウが向くことで、タッチしたユーザが、反対側に位置するユーザに対して説明を行っている場合に、説明を受けるユーザに見易いようにデジタルコンテンツを表示し得る。
なお、ウィンドウの向きをタッチ位置の側にするか、反対側にするかの設定は、例えば、ユーザがメニュー画面から予め行っておく。
【0072】
次に図9を用いて、コンテンツ表示装置100の動作について説明する。
図9は、コンテンツ表示装置100がタッチを検出して表示を更新する処理手順を示すフローチャートである。コンテンツ表示装置100は、自らの電源を接続(ON)されて起動した実行状態において、同図の処理を繰り返し行う。
【0073】
同図の処理において、まず、有効性判定部222は、タッチ入力部130がタッチを検出したか否かを判定する(ステップS101)。具体的には、タッチ入力部130は、コンテンツ表示装置100の実行状態においてタッチを常時待ち受けており、タッチを検出すると、タッチ位置を示す信号を有効性判定部222に出力する。そして、有効性判定部222は、タッチ入力部130からの信号を取得すると、タッチ入力部130がタッチを検出したと判定し、一方、タッチ入力部130から信号を取得しないときは、タッチ入力部130がタッチを検出していないと判定する。
【0074】
ステップS101において、タッチ入力部130がタッチを検出していないと判定した場合(ステップS101:NO)、同図の処理を終了する。その後、コンテンツ表示装置100は、同図の処理を繰り返す。
一方、ステップS101において、タッチ入力部130がタッチを検出したと判定した場合(ステップS101:YES)、有効性判定部222は、タッチ入力部130が検出したタッチ(同時タッチの場合は各タッチ)がいずれの領域に含まれるかを判定する(ステップS102)。そして、コンテンツ表示装置100は、タッチ入力部130が検出したタッチが含まれる領域の各々について処理を行うループL11を開始する(ステップS103)。
【0075】
ループL11において、有効性判定部222は、タッチ入力部130が検出したタッチが含まれる領域がマルチタッチ領域か否かを判定する(ステップS104)。
マルチタッチ領域であると判定した場合(ステップS104:YES)、有効性判定部222は、タッチ入力部130が取得したタッチ数が、有効なタッチ数か否か(例えば、有効タッチ数として設定されているか否か)を判定する(ステップS111)。
【0076】
有効なタッチ数であると判定した場合、例えばタッチ数が1または2であると判定した場合(ステップS111:YES)、有効性判定部222は、タッチ入力部130が検出したタッチ数が2以上か否か、すなわち同時タッチか否かを判定する(ステップS112)。
同時タッチであると判定した場合(ステップS112:YES)、有効性判定部222は、タッチ入力部130が検出したタッチ位置間の距離が有効距離以下か否かを判定する(ステップS113)。なお、タッチ入力部130が検出したタッチ数が3以上の場合、有効性判定部222は、タッチ位置間の距離が全て有効距離以下か否かを判定する。
【0077】
有効距以下であると判定した場合(ステップS113:YES)、有効性判定部222は、タッチ入力部130が検出したタッチの時間間隔が判定閾値の時間間隔以内か否かを判定する(ステップS114)。
判定閾値の時間間隔以下であると判定した場合(ステップS114:YES)、有効性判定部222は、当該タッチが示す操作の内容を判定(解析)し、得られた操作内容を示す情報を表示制御部232に出力する(ステップS115)。
【0078】
有効性判定部222からの情報を取得した表示制御部232は、当該情報に基づいて、表示部120に表示させる画像データを更新して表示部120に出力する(ステップS116)。そして、表示部120は、表示制御部232から出力される画像データに従って画像を表示することで、表示を更新する(ステップS117)。
【0079】
その後、コンテンツ表示装置100(制御部210)は、タッチ入力部130が検出したタッチが含まれる全ての領域についてループL11の処理を行ったか否かを判定する(ステップS131)。そして、未処理の領域があると判定した場合は、ステップS103に戻り、未処理の領域に対して引き続きループL11の処理を行う。一方、全ての領域についてループL11の処理を行ったと判定した場合は、同図の処理を終了する。その後、コンテンツ表示装置100は、同図の処理を繰り返す。
【0080】
なお、ステップS115において、タッチが示す操作の内容が、デジタルコンテンツの取得やデジタルコンテンツの内容更新など、デジタルコンテンツを変更する操作内容であると判定した場合、有効性判定部222は、操作内容を示す情報をコンテンツ管理部231に出力する。そして、ステップS116において、コンテンツ管理部231は、デジタルコンテンツの変更を行い、更新内容を示す情報を表示制御部232に出力する。そして、表示制御部232は、コンテンツ管理部231からの情報に基づいて、表示部120に表示させる画像データを更新して表示部120に出力する。
【0081】
一方、ステップS111において、有効なタッチ数でないと判定した場合、例えばタッチ数が3以上であると判定した場合(ステップS111:NO)や、ステップS113において、有効距離よりも長いと判定した場合(ステップS113:NO)や、ステップS114において判定閾値の時間間隔より長いと判定した場合(ステップS114:NO)、ステップS131に進む。
また、ステップS112において、同時タッチで無いと判定した場合、すなわちタッチ入力部130が検出したタッチ数が1であると判定した場合、ステップS115に進む。
【0082】
一方、ステップS104において、シングルタッチ領域であると判定した場合(ステップS104:NO)、有効性判定部222は、タッチ入力部130が検出したタッチ数が、有効なタッチ数か否か(例えば、有効タッチ数として設定されている1か否か)を判定する(ステップS121)。有効なタッチ数でない(例えばタッチ数が2以上である)と判定した場合(ステップS121:NO)、ステップS131に進む。
一方、ステップS121において、有効なタッチ数であると判定した場合(ステップS121:YES)、ステップS122に進む。ステップS122〜S124は、ステップS115〜S117と同様である。そして、ステップS124の後、ステップS131に進む。
【0083】
以上のように、タッチ入力部130が検出した同時タッチの有効性を、有効性判定部222が判定し、有効と判定したタッチに基づいて表示制御部232またはコンテンツ管理部231が処理を行う。これによって、コンテンツ表示装置100の誤動作を抑制し得る。
【0084】
また、表示部120は、表示画面を分割した領域毎にデジタルコンテンツを表示し、制御部210は、表示画面を分割した領域毎にタッチの有効性を判定する。これによって、コンテンツ表示装置100は、複数のユーザによる同時操作を受け付けることができ、かつ、他のデジタルコンテンツに影響を及ぼさない。
【0085】
また、有効性判定部222は、表示画面を分割した領域毎に設定された有効タッチ数に従って、当該領域毎にタッチの有効性を判定する。これによって、より適切にタッチの有効性を判定してコンテンツ表示装置100の誤動作を抑制し得る。
【0086】
また、有効性判定部222は、タッチ位置間の有効距離に従って、同時タッチの有効性を判定する。これによって、より適切にタッチの有効性を判定してコンテンツ表示装置100の誤動作を抑制し得る。特に、同時タッチの中からシングルタッチを検出し得る。
【0087】
また、タッチ位置間の有効距離は、表示画面を分割した領域毎に、当該領域の大きさに応じて設定される。これによって、様々な大きさの領域に対して有効距離を設定できる。
【0088】
また、有効性判定部222は、表示画面を分割した領域毎に設定されたタッチの優先度に従って、タッチの有効性を判定する。これによって、タッチ入力部130が複数の操作入力を検出した場合に、コンテンツ表示装置100は、安全側の動作を実行し得る。
【0089】
また、有効性判定部222が有効と判定したタッチに基づいて、表示制御部232が、表示画面におけるデジタルコンテンツの向きを制御する。
タッチしたユーザの側にデジタルコンテンツを向けることで、当該ユーザは、デジタルコンテンツの加工を比較的容易に行い得る。
また、タッチしたユーザと反対側にデジタルコンテンツを向けることで、タッチしたユーザが、反対側に位置するユーザに対して説明を行っている場合に、説明を受けるユーザに見易いようにデジタルコンテンツを表示し得る。
【0090】
また、有効性判定部222は、複数のタッチの時間間隔に基づいて、タッチの有効性を判定する。これによって、より適切にタッチの有効性を判定してコンテンツ表示装置100の誤動作を抑制し得る。特に、同時タッチの中からシングルタッチを検出し得る。
【0091】
なお、制御部210の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0092】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0093】
なお、本発明の態様には以下のものも含まれる。
(付記1)表示画面を有する表示部と、前記表示画面にデジタルコンテンツを表示させる制御部と、前記表示画面上の同時タッチを検出可能なタッチ入力部と、を具備し、前記制御部は、前記タッチ入力部が検出した同時タッチの有効性を判定し、有効と判定したタッチに基づいて、前記表示画面における前記デジタルコンテンツの向きを制御することを特徴とするコンテンツ表示装置。
【符号の説明】
【0094】
1 コンテンツ表示システム
100 コンテンツ表示装置
110 通信部
120 表示部
130 タッチ入力部
210 制御部
211 通信制御部
221 入力処理部
222 有効性判定部
231 コンテンツ管理部
232 表示制御部
310 記憶部
311 コンテンツ記憶部
312 判定基準記憶部
900 コンピュータネットワーク
910 サービス情報配信サーバ装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有する表示部と、
前記表示画面にデジタルコンテンツを表示させる制御部と、
前記表示画面上の同時タッチを検出可能なタッチ入力部と、
を具備し、
前記制御部は、前記タッチ入力部が検出した同時タッチの有効性を判定し、有効と判定したタッチに基づいて、前記表示画面への前記デジタルコンテンツの表示を行うことを特徴とするコンテンツ表示装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記表示画面を分割した領域毎にタッチの有効性を判定することを特徴とする請求項1に記載のコンテンツ表示装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記表示画面を分割した領域毎に設定された有効タッチ数に従って、当該領域毎にタッチの有効性を判定することを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ表示装置。
【請求項4】
前記制御部は、タッチ位置間の有効距離に従って、同時タッチの有効性を判定することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のコンテンツ表示装置。
【請求項5】
前記タッチ位置間の有効距離は、前記表示画面を分割した領域毎に当該領域の大きさに応じて設定されていることを特徴とする請求項4に記載のコンテンツ表示装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記表示画面を分割した領域毎に設定されたタッチの優先度に従って、タッチの有効性を判定することを特徴とする請求項2に記載のコンテンツ表示装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記タッチ入力部が検出した複数のタッチの時間間隔に基づいて、タッチの有効性を判定することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のコンテンツ表示装置。
【請求項8】
同時タッチの有効性を判定する有効性判定部と、
前記有効性判定部が有効と判定したタッチに基づいて処理を行う処理部と、
を具備することを特徴とする情報処理装置。
【請求項9】
コンテンツ表示装置のコンテンツ表示方法であって、
表示画面にデジタルコンテンツを表示させる制御ステップと、
前記表示画面上の同時タッチを検出するタッチ検出ステップと、
を具備し、
前記制御ステップにて、前記タッチ検出ステップで検出した同時タッチの有効性を判定し、有効と判定したタッチに基づいて、前記表示画面への前記デジタルコンテンツの表示を行うことを特徴とするコンテンツ表示方法。
【請求項10】
コンテンツ表示装置としてのコンピュータに、
表示画面上の同時タッチを検出するタッチ検出ステップと、
前記タッチ検出ステップで検出した同時タッチの有効性を判定する有効性判定ステップと、
前記有効性判定ステップにて有効と判定したタッチに基づいて、前記表示画面への前記デジタルコンテンツの表示を行う表示ステップと
を実行させるためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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