説明

コンテンツ識別、個人ドメイン、著作権告知、メタデータ、および電子商取引

【課題】デジタルコンテンツの著作権侵害を防止するデジタル配信および電子商取引システムを提供する。
【解決手段】著作権告示およびメタデータの販売は、問題に対処するのを助けることができる。新規の解決策は、(デジタルウォータマーク、フィンガプリント、またはヘッダデータを介する)コンテンツの識別、および個人ドメインを含むなど、著作権告示を提供し、メタデータを販売する様々な方法を示す。メタデータは動的であり、したがってマスタサーバからアクセスされるので、販売するのに理想的である。

【発明の詳細な説明】
【関連出願データ】
【0001】
本願は、2003年3月5日に出願した米国特許出願第60/452,620号の優先権を主張し、それを参照によってここに組み込む。
【技術分野】
【0002】
本発明は、マルチメディアコンテンツの識別、メタデータの管理、権利の管理、およびマルチメディアコンテンツのデジタル配信に関する。
【背景および概要】
【0003】
デジタルコンテンツの著作権侵害は、コンテンツ(つまりエンタテイメント)産業にとって大きい問題である。解決策は、コンテンツ所有者、消費者電子機器、および情報技術会社の利益のバランスであるばかりでなく、消費者の使い易いコンテンツと共に、現行のCD、DVD、VHS、およびフリーファイルシェアリングからの切替の利点をもたらすものでもなければならない。
【0004】
このバランスをもたらそうとした、多数の提案されたシステムが存在する。これらのシステムの中には、埋め込みデータ、および特にデジタルウォータマークを使用して、著作権告知通信、関連メタデータへの持続的リンク、権利の管理、および電子商取引の機会、取引の追跡、ならびに記録および再生の制御をはじめとする、多数の機能を提供するものが含まれる。幾つかの例が、次の米国特許出願および特許、つまり第60/134,782号、第6,522,769号、第6,442,285号、第6,505,160号、第09/636,102号、第10/118,468号(米国特許公開第20020188841−A1号として公開)、第10/126,921号(米国特許公開第20020186844号として公開)に記載されており、それらをここに参照によって組み込む。
【0005】
コンテンツおよび個人ドメイン識別子は、著作権告示および電子商取引を可能にするために使用される。一実施形態では、システムは、著作物と識別されるコンテンツについてユーザに通知し、続行しあるいはもっとよく知って潜在的に該コンテンツを購入するかをユーザに決定させる。強化された実施形態では、システムは、ユーザがコンテンツを再生(または視聴)する権利を有するかどうかを決定する。有する場合、コンテンツを再生する。そうでない場合、何らかの方法でコンテンツを購入または再生する選択肢がある。代替実施形態では、コンテンツは無料とするか、購入するか、またはサンプルとすることができ、希望する場合、関連メタデータが購入される。コンサート日付、バンド情報等のような動的メタデータを保護することは容易である。データは変化しているため、コンテンツ所有者から絶えずアクセスしなければならないからである。したがって、それは通常サーバに格納される。著作権告示ウィンドウを提供し、次いで販売用メタデータを提示するシステムのように、全ての実施形態は、様々な組合せで相互に作用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】著作権告示のためのシステムを示す線図である。
【図2】著作権告示のためのユーザインタフェース表示画面の一例である。
【図3】コンテンツを再生、購入、またはそれについての情報を入手する選択肢を含めるように著作権告示を拡張したシステムを示す線図である。
【図4】メタデータ電子商取引を使用可能にするシステムを示す線図である。
【詳細な説明】
【0007】
<コンテンツ識別>
音声、映像、画像、電子ブック、およびグラフィックスのようなマルチメディアコンテンツは、デジタルウォータマーキング、フィンガプリンティング、およびヘッダデータを含め、多くの方法を介して識別することができる。
【0008】
デジタルウォータマークは、コンテンツ内に埋め込まれたデータである。それらは、圧縮(例えばMPEG)、ノイズ、およびアナログデジタル変換を含め、コンテンツの変換に対し頑健であることが好ましい。デジタルウォータマークは、コンテンツおよび/またはコンテンツ所有者を識別するだけでなく、「コピー不可」、「1回コピー」、「それ以上はコピー不可」、「コピー自由」、「再配信不可」、「休止可能」(当業界で定義されている通り、例えば参照によって組み込むhttp://www.cptw.ora/Assets/September%20presentations/ExCCI CPTWG1.pptで入手可能な、拡張コピー制御情報に関するMPAAプレゼンテーションにおけるコピー制御状態を参照されたい。)のようなコピー制御情報をも担持することができる。
【0009】
別の形のコンテンツ識別はコンテンツ「フィンガプリント」であり、それは、コンテンツの変形を必要とせずにコンテンツの特徴から導出されるコンテンツ表現である(つまりロバストハッシュまたはコンテンツに基づく識別)。一般的に、フィンガプリントは、完全なファイルまたはコンテンツ項目の一部分のどちらかから算出される値のベクトルである。フィンガプリントは補助データキャリアではなく、そういうものとして当然、コピー制御情報のような補助メッセージを担持することはできない。しかし、それは、既知のコンテンツ項目から導出されたフィンガプリントデータベース内のエントリと照合することができる。これらのエントリは、著作権告示情報、著作権制御情報等のような、対応するコンテンツ項目に関する補助情報に関連付けることができる。機能、挙動、またはメタデータを特定のコンテンツ項目に関連付けるために、フィンガプリントに基づくシステムは、コンテンツ項目からフィンガプリントを算出し、それをデータベース内の対応するフィンガプリントに照合させようと試み、データベースで最もよく合致するフィンガプリントに関連付けられる機能、挙動、またはメタデータを得る。
【0010】
ヘッダデータもまたコンテンツを識別することができ、かつコピー制御情報等のような他の補助データを担持することができる。それはコンテンツ項目と関連付け易く、読み易く、かつ偶然にまたは故意に削除し易い。ヘッダデータは、ヘッダデータの全部または一部および/またはコンテンツの全部または一部のデジタル署名を、ヘッダデータパケットの一部として使用して認証し、コンテンツにロックすることができる。ヘッダデータを認証してコンテンツにロックする代わりに、またはそれと共に、完全なパケットを暗号化してヘッダデータの表示を制限することができる。データのロッキングのさらなる詳細は、米国特許出願第09/404,291号に提示されており、それをここに参照によって組み込む。
【0011】
デジタルウォータマークおよびフィンガプリントは、これらの技術が提供する利点を有し、かつアナログフォーマットへの変換または非可逆デジタルビットレート圧縮(例えばMPEG音声または映像圧縮)などによって偶然に除去されず、また侵害者によって攻撃されたときなどに故意に除去することが難しい、頑健な識別をも提供する。ヘッダデータは効率性の利点を有し、かつここに参照によって組み込む米国特許出願第09/404,292号および第09/810,080号(公開第2001−0044899−A1として公開)に記載されているトランスマーキング技術を使用して、圧縮しても存続することができる。フィンガプリント方法は、合致するデータベースエントリを突き止めるために、距離計算のようなより計算集約的分類を必要とするが、ウォータマークはより単純なデータベース探索を必要とするので、フィンガプリントより有利である。
【0012】
<個人ドメイン(PD)>
PDは、おそらく統計的に一意のPD識別子(PD ID)、または装置をリンクするデータベースを介してPDを表わす様々な装置IDを介して、PDを他のPDから区別することのできる離散的な境界を有する、1グループの1台または複数の装置、または場所のため本質的にリンクされた装置を表わす。それはホーム(例えば、ある地理的場所)内の装置、一個人が所有する装置、または一グループの個人(家族の構成員のような)が所有する装置に限定することができる。装置は記憶、レンダリング(つまり消費、再生、表示)、収集、再配信、および処理のような、様々な機能性を持つことができる。
【0013】
PD IDおよび装置IDsを表わす一意の識別子を割り当てるための1つの手法は、IDの発行を制御しかつ登録データベースにおけるIDの登録を維持する登録プロセスを通して、IDを発行することである。別の手法は、擬似乱数(PN)発生を使用して、統計的に同一になる可能性の低いIDを作成することである。PNは、消費者のホームでPD IDまたは装置IDとして働くIDを作成するために、あるいは代替的に、製造場所で一意のPDまたは装置のIDを作成するために、発生することができる。各製造者はPDまたは装置のIDの一部となる製造IDを登録して、統計的一意性を高めることができる。
【0014】
PDは、統計的に一意のPD IDによって識別することができる。
単一の装置IDは、対応するPD IDと同等とすることができる。
【0015】
PDを作成するために、PDを形成する1グループの装置に、どの装置IDとも等しくないか、あるいはマスタまたは第一装置のIDと等しい別個のPD IDを割り当てることができる。PDを作成するために、1グループの装置IDを装置の所有者がデータベースに登録することができる。
【0016】
1グループの装置は、統計的に一意のPD IDを介してPDにリンクさせることができる。データベースは、登録時に、第一装置からPD IDを受け取り、該PD IDを各々の後続装置に提供することができ、あるいはデータベースは各々の登録された装置にPD IDを提供することができる。
【0017】
PD IDは、暗号化を介して全ての装置にリンクさせることができる。例えば、PD内の装置は、安全なチャネル(例えば暗号化を使用してPD IDを保護し、かつデジタル署名を使用して装置を認証するチャネル)を通して、相互に通信しかつPD IDを共用することができる。必要な場合、PD内の装置は、1台または複数の他の装置から(例えばPD内の装置グループにおけるマスタ装置から)PD IDを要求し、安全なチャネルを通して別の装置からPD IDを受け取り、あるいは他の装置にそれを特定の場所へ転送するように要求することができる。
【0018】
各装置はまた、PD IDのそれ自体のコピーを装置内の安全なメモリ場所(例えば暗号化されたメモリ)に格納することもできる。携帯装置はPD IDを局所的に格納し、それに成り代わってPD内の別の装置がPD IDを特定の場所へ転送することを要求するための機構を持ち、あるいはPD内の別の装置からPD IDを要求するための機構を持つ。
【0019】
PD IDは、新しい装置がPDに追加されるたびに変更することができる。例えばPD IDは、新しい装置が追加されるたびに、各装置IDのハッシュとして、擬似乱数発生器の機能として再計算し、あるいは部分的に装置IDおよび擬似乱数発生器から導出することができる。
【0020】
代替的に、装置が追加されるときに、グループ内の既存の装置のPD IDを各々の新しい装置に伝搬することができる。1つの方式では、PD内の第一装置はその装置IDをPD IDとして使用し、新しい装置が追加されるたびに、このPD IDはPD内の既存の装置から繰り上げられる。
【0021】
PDは幾つかの装置ID(PD IDとも標記される)により識別することができる。
1グループの装置は、データベースを介してPDにリンクすることができる。ここで装置は1つのグループ、1人の個人、または1つの住所等にリンクされ、したがってPDが作成される。このデータベースは、複数のグループ、個人、住所等に属する装置IDについて検査し、1つの装置が1つまたは2つのPDに属することができるように、その数を制限することができる。このシステムが一意のPD IDをその装置グループに割り当てない場合、システムは、全ての装置をユーザにリンクしたデータベースに接続して、装置が相応PDの一部であるかどうかを決定しなければならない。このシステムはまた、様々なPDを持つ一家族の構成員のような数人に1つの装置を登録することも可能である。例えば、これは、両親または十代の子供がアダルトコンテンツのドメインを希望する場合に有益になり得る。装置IDが登録されるたびに、登録データベースで装置IDを検査することによって、装置IDが幾つかのPDに登録されるのを停止することができる。
【0022】
単一のファイヤウォールまたはルータの背後の1グループの装置は、1つのPDに対応することができる。この場合、コンテンツがファイヤウォールまたはルータを超えることなく、別の装置と通信できる装置はPDの一部である。
【0023】
PDはまた、PD内の装置間の物理的または論理的距離の点から定義することもできる。距離を測定する1つの方法は、IPパケットが所与のポイント(例えばIPアドレス)から移動できる許容ホップ数である。ホップ数は、そのような情報を示すIPパケットに格納されたデータに基づいて、または問題の装置間のホップ数を測定するテスト信号を送信することによって、測定することができる。この場合、所与のホップ数内の装置は全て、1つのPDの部分とみなされる。
【0024】
PDはまた、USBまたはファイヤワイヤ接続のような接続を通して、相互に物理的に接続された装置と定義することもできる。
【0025】
そういうものとして、PD IDは装置IDとすることができるが、PDが、1つのファイヤウォールおよび/またはルータの背後で特定のホップ数内にあるような装置、またはデータベース内でリンクされた装置によって、本質的に作成される場合、PD IDは1グループの装置を表わす。この場合、PDは幾つかのPD IDを持つことができる(PDは幾つかの装置を持ち、各装置は異なる装置IDを持ち、かつPD IDは各装置IDであるため)。データベースは、全ての装置ID(つまりPD IDs)を1つにリンクするために使用することができる。
【0026】
PDについてのさらなる詳細
PD IDを使用してコンテンツに関連付けられる挙動を制御するために、システムは、PD IDをコンテンツに関連付ける。このPD IDとコンテンツの関連付けは、コンテンツ配信モデルに応じて様々な方法で実現することができる。1つの手法は、PD IDをコンテンツ配信サービスへの特定の加入契約に関連付けることである。例えば、ユーザが、そのサービスによって使用される装置(例えばコンピュータ、携帯電話、ワイヤレスPDA、セットップボックス等)を介してサービス(ウェブに基づくサービス、ワイヤレス装置サービス、対話型プログラミングサービス等)の加入契約をする場合、加入契約に対してPD IDが設定され、加入契約サービス提供者によって管理されるPD IDデータベースに格納される。加入契約を介してユーザに送信される全てのコンテンツは次いで、PD IDに関連付けられる。この関連付けを実現する1つの方法は、PD IDを持つ加入者に送信されるコンテンツのコンテンツIDを、PD IDデータベースに格納することである。
【0027】
別の手法は、ユーザがそのコンテンツIDによって識別されるコンテンツを購入またはライセンス契約するときにいつでも、データベース内でPD IDをコンテンツIDに関連付けることである。
【0028】
PD IDを変更することが許される実現では(例えばセキュリティ目的でPD IDを変更するため、新しい装置を追加するため、など)、PD IDデータベースはそれに応じて、大半の現行PD IDが関連コンテンツに関連付けられるように、更新される。好ましくは、PD IDデータベースはミラーリングされ、かつ/または多数のサーバにわたって知的に分散される。
【0029】
最後に、データベースを使用するシステムは、ライセンス契約または購入されたコンテンツに対してだけでなく、希望するならばPD IDに対しても、登録された装置をリンクするデータベースを維持するように、信頼できる第三者に要求する。
【0030】
<著作権告示および電子商取引>
図1は、著作権のあるコンテンツをレンダリングするときに、システムが著作権告示を提供する実施形態を示す。著作権のあるコンテンツは本質的に、ウォータマークまたはヘッダデータを介して識別することができ、あるいはコンテンツIDを使用して、コンテンツに著作権があるか否かを、遠隔データベースで調べることができる。
【0031】
該方法は以下のステップを含む。
1.コンテンツは作成プロセス中に識別される。
a.任意選択的に、下でさらに詳述するコンテンツメタデータは、おそらくコンテンツ所有者(図1には図示せず)によって制御されるメタデータデータベースに追加することができる。
b.任意選択的に、著作権データベース(図示)をポピュレートする。
2.コンテンツはPDに入る。
a.任意選択的に、局所的著作権データベースにコンテンツID(図1には図示せず)をポピュレートする。
3.再生するため、CDまたはDVDに焼き付けるため、携帯プレーヤまたは取外し可能な媒体に転送するため、または他の対話のために、コンテンツを選択することができる。
4.コンテンツは著作権ウォータマークまたはヘッダデータがあるか検査され、あるいはコンテンツIDは(フィンガプリント、ウォータマーク、またはヘッダデータを介して)読み出されるか計算され、著作権データベースに照らして検査される。
a.著作権ウォータマークまたはヘッダデータの存在だけで、作品が著作権物であることを本質的に示すことができ、したがって特定のメッセージまたは識別子を抽出する必要は無い。
b.代替的に、ウォータマークまたはヘッダデータに担持され、あるいはフィンガプリントから算出される識別子は、データベースを著作権情報(下でさらに詳述する)によりインデクシングするのに使用することができる。
5.コンテンツが著作物である場合、著作権告示は自動的に提示され、ユーザがそれをクリックすると、コンテンツがレンダリングされる。
a.ユーザはより多くの情報を選択し、最終的にコンテンツを購入することができる。
6.コンテンツが著作物でない場合、システムはユーザによって要求される通りに作動し続ける。
【0032】
さらに詳しくは、著作権告示は、素材に著作権があることをユーザに知らせる。告示は、コンピュータプログラムの一部として、コンテンツまたは著作権ウィンドウの可聴読上げ、可視部とすることができる。告示は、購入またはレンタルしたVHSまたはDVD映画の冒頭に示される警告と同様、またはソフトウェアのクリックスルーライセンスに似たものとすることができる。告示ウィンドウは2つの選択肢を持つことができる。1つは、ソフトウェアのクリックスルーライセンスの場合のような、コンテンツに関連する権利および義務のユーザの同意、合意、または理解を表明するユーザ選択可能な選択肢を通して、続行するものである。もう1つは、「さらなる情報(More Info)」と標記されたボタンのような、もっとよく知るためのユーザ選択可能な選択肢である。上述の通り、ウォータマーク、ヘッダ、またはフィンガプリントは、コンテンツ項目に関するさらなる情報についてデータベースをインデクシングするために使用することができる。さらなる情報を知る場合、ユーザは問題のコンテンツを購入することができる(ユーザはコンテンツを購入するのではなく、単にコンテンツを再生する権利を購入するだけであると、言うことができる)。
【0033】
ウォータマークまたはヘッダデータの存在を使用して、コンテンツが著作物であるかどうかを決定することができる。加えて、ウォータマーク、ヘッダデータ、およびフィンガプリントに対し、コンテンツIDを使用して、コンテンツが著作物であるか否かを著作権データベースで調べることができる。著作権データベースのローカルバージョンを個人ドメイン内に入れ、このローカルバージョンはPDを入力したコンテンツの情報だけを含むように、ステップ2の間にポピュレートすることができる。代替的に、コンテンツIDが存在しないか、またはデータベースがPDに存在しない場合、ユーザの装置は遠隔著作権データベースにリンクして、問題のコンテンツIDに関する著作権(および潜在的に他のメタデータ)情報を要求することができる。著作権データベースは遠隔的に配置し、インターネットのようなネットワークを介してアクセス可能にし、知的に分散することもできる(参照によってここに組み込む、整理番号P0569の2002年1月28日に出願した「Efficient Interactive TV」と称する出願番号10/060,049および関連仮出願に記載されている通り)。
【0034】
ヘッダを使用する場合、ヘッダデータは認証することが好ましい。デジタル署名技術をはじめとする暗号化の方法を使用して、ヘッダ情報を機密に維持し、それを認証することができる。この認証は、ヘッダが供給源に由来することを検証すると共に、ヘッダが変更されていないことを検証することを含むことができる。MD5またはSHAのようなセキュアハッシュは、ヘッダのハッシュを計算し、それを以前に計算され別個に(例えばデータベースに、またはコンテンツ内のどこか別の場所に(例えば別のヘッダ内に、またはコンテンツに埋め込まれたウォータマーク内に)格納されたハッシュと比較することによって、ヘッダが改ざんされたかどうかを示すために使用することができる。ヘッダはまた、ヘッダデータをコンテンツIDおよびコンテンツ自体の幾つかの値の関数として(上述の通り)、コンテンツに固定することもできる。
【0035】
図2は、ディジマーク・コーポレイション製のディジマークImageBridgeシステムにおける、著作権告示ウィンドウの一例を示す。この著作権告示ウィンドウはImageBridgeウォータマークの存在によって提示される。著作権告示ウィンドウ内部のメタデータは、ここに参照によって組み込む次の特許および特許出願つまり第6,122,403号および第09/636,102号に記載されているように、ウォータマークおよびメタデータのデータベースのコンテンツIDからもたらされる。
【0036】
図3は、システムがコンテンツおよびPDを識別し、装置がコンテンツをレンダリングする権利を有するか否かを決定する、強化された実施形態を示す。ユーザが権利を持たず、かつコンテンツが著作物である場合、システムは著作権告示を提示する。ユーザが権利を持つ場合、コンテンツがレンダリングされる。
【0037】
さらに詳しくは、この強化された実施形態は以下のステップを含む。
1.コンテンツは作成プロセス中に識別される。
a.任意選択的に、コンテンツメタデータは下述の通り、おそらくコンテンツ所有者によって制御されるマスタメタデータデータベースに追加することができる。
b.コンテンツが著作物であることを示すために、コンテンツIDはマスタ著作権データベースに追加される。
2.コンテンツはPDに入る。
a.購入する場合(いずれかのビジネスモデルを介して−下述)、PD IDおよびコンテンツIDはマスタライセンスデータベースに登録される。
b.任意選択的に、ローカルライセンス、著作権、および/またはメタデータデータベースにコンテンツID、PD ID、および/またはメタデータをポピュレートする。
3.再生するため、CDまたはDVDに焼き付けるため、携帯プレーヤまたは取外し可能な媒体に転送するため、または他の合法的行為のために、コンテンツを選択することができる。
4.装置でコンテンツが操作(つまり、再生、表示、焼付け、転送等)される前に、コンテンツIDが突き止められ、PD ID(単に装置IDとすることができる)およびコンテンツIDが遠隔データベースに送信されて、コンテンツ項目がこの装置でレンダリングすることが許可されているかどうかが決定される(コンテンツのレンダリングが許可されているかデータベースで検査することについての従前の議論を参照されたい)。
5.ユーザがコンテンツを再生する権利を有する(例えばコンテンツを所有するか、ライセンスを持つか、あるいはこのコンテンツの有効なID加入契約を持つ)場合には、コンテンツが再生される(あるいは、コンテンツの焼付けまたは転送のような他のいずれかの合法的行為が可能である)。
6.ユーザがコンテンツに対し権利を持たず、かつコンテンツが著作物である場合(コンテンツIDおよび著作権データベースから、あるいは本質的に著作権ウォータマークまたはヘッダデータから決定される)、システムは、コンテンツが保護されており、かつユーザが再生する権利を持たないことを明示する著作権告示ウィンドウを、次の選択肢付きで提示する。
a.何らかの方法で再生する
b.購入する
c.さらなる情報(例えば、ユーザが個人ドメインでどんな権利を持ち、どんな権利、コンテンツ、および/またはメタデータをその個人ドメイン用に購入することができるかを確認する)
【0038】
加入サービスおよびペイパーダウンロードまたはペイパービュービジネスモデルのように、ただしそれらに限定されないが、コンテンツを購入すると、それはPD IDを介してPDにリンクされ(PD IDはPDを形成する装置グループの装置IDのいずれか1つとすることができることを思い出して−上記PDの節で詳述)。このコンテンツは、家族のいずれかの一員など、PDの正当なユーザのいずれかによって購入されているかもしれない。そういうものとして、PDは幾らかの人間およびクレジットカードにリンクすることができる。最先端のプライバシ技術は周知であり、使用すべきである。コンテンツがPDに入るとき、または入った後で、この情報のいずれかの法科学的ウォータマーキングは、良い追加的ステップである。
【0039】
著作権データベースは、著作物のコンテンツIDを含む。ライセンスデータベースは、そのPD IDに対し購入された(つまりライセンスされた)コンテンツIDにリンクされたPD IDを含み、多くのデータベース構造はこの情報を提供することができる。コンテンツの購入中または存続期間中、PDを定義しかつ識別する構造に基づいて、1つまたは複数のPD IDをコンテンツにリンクさせることができる。
【0040】
メタデータデータベースは、コンテンツIDにリンクされたメタデータを含む。これらのデータベースは分離するか、または1つの完全なデータベース構造に含めることができる。
【0041】
著作権告知の実施形態は、コンテンツがレンダリングされるとき、またはコンテンツが携帯装置または媒体に移されるとき、例えばMP3プレーヤまたはCD−Rに転送されるときのいずれかに、ユーザの選択肢を提供することができる。特に1群のコンテンツを移すとき、または再生リストを作成するときに、個人ドメインID内でライセンスされていない、または著作物として識別される(代替実施形態の場合)、歌のような全てのコンテンツをリストする著作権告示ウィンドウを持つことは最適であるかもしれない。
【0042】
<メタデータの電子商取引>
図4は、システムがコンテンツおよびPDを識別し、前に購入されている場合メタデータを提供するか、あるいは販売用のメタデータを提示するシステムを示す。
【0043】
該方法は以下のステップを含む。
1.コンテンツは作成プロセス中に識別される。
a.メタデータは、一般的にコンテンツ所有者または第三者のメタデータサービス提供者によって制御される、マスタメタデータデータベースに追加される。
2.コンテンツはPDに入る。
a.購入する場合(上述の通り、いずれかのビジネスモデルを介して)、PD IDおよびコンテンツIDはマスタライセンスデータベースに登録される。
b.任意選択的に、ライセンスおよび/またはメタデータ情報は、PD内またはPDに近接して配置することのできる、ローカルライセンスおよび/またはメタデータデータベースに追加される。
3.コンテンツは再生される(またはその他、合法的に操作される)。
a.コンテンツは購入されているかもしれない。
b.コンテンツは、上述した「何らかの方法で再生する」シナリオのように、サンプルとして使用することができるかもしれない。
c.コンテンツは、低品質バージョンのデジタルコンテンツの場合のように、無料であるかもしれない。
4.メタデータへのリンクが提供される。
5.メタデータリンクがユーザによって選択されると、メタデータが表示されるか、または購入されて表示される。
a.全てのメタデータが月次料金で利用可能である場合、加入契約を使用することができる。
b.おそらく加入契約サービスの最初に、各メタデータ毎に、またはプレミアムメタデータサービスに対し、マイクロペイメントを支払うことができる。
【0044】
ライセンスデータベースは、そのPD IDに対しメタデータが購入されたコンテンツIDにリンクされたPD IDを含み、多くのデータベース構造はこの情報を提供することができる。コンテンツの購入中または存続期間中、PDを定義しかつ識別する構造に基づいて、1つまたは複数のPD IDをコンテンツにリンクさせることができる。メタデータデータベースは、コンテンツIDにリンクされたメタデータを含む。これらのデータベースは分離するか、または1つの完全なデータベース構造に含めることができる。
【0045】
メタデータ、およびメタデータまたはコンテンツの購入は、メタデータデータベースおよび電子商取引エンジンによって提供される。メタデータデータベースは中央に配置し、ミラーリングするか、あるいは知的に分散することができる(上で参照によって含める通り)。メタデータデータベースおよび電子商取引エンジンは、1つのサーバ異なるサーバとすることができ、異なる場所であってもよい。システムは、メタデータコンテンツを(例えばダウンローディング、ストリーミング、またはブロードキャスティングを通して)ユーザの装置に転送するために、安全なトランザクションを使用する。これらの安全なトランザクションは、例えば暗号化されたメタデータを安全な(例えば暗号化され認証された)通信チャネルでユーザに送信することを含むことができる。
【0046】
図4は、知的に分散されたメタデータデータベースを示す。そこでは、各コンテンツ所有者は彼ら自身のコンテンツメタデータデータベースを有し、ユーザはユーザが所有するコンテンツに関する情報のみを格納する著作権およびコンテンツメタデータデータベースを有する。ユーザのメタデータデータベースは、様々なコンテンツ所有者のデータベースからのメタデータを持つことができる。換言すると、各コンテンツ所有者またはメタデータサービス提供者は、彼ら自身のデータベースを持つことができる。
【0047】
好適な実現は、コンテンツは無料であり、メタデータは購入されるようにすることである。メタデータは、歌の情報、アーティストの情報、歌詞、コンサート日付、関連する歌、Tシャツ、帽子等のような関連購買品目、最近のニュース、およびアーティストの目撃に関する最近の位置情報を含むが、それらに限定されない。
【0048】
このメタデータの多くは動的であるので、メタデータサーバから受信しなければならない。メタデータの共用は短時間だけの関心事であり、その後、ユーザは、新しいコンサート場所およびアーティストの目撃のような更新された情報のために、メタデータサーバに戻らなければならないので、これはシステムのセキュリティを高める。
【0049】
装置をひとまとめにPDにグループ化することによって、PD内の全ての装置がメタデータを共用し、PDのユーザによって取得されたメタデータにアクセスする権利を共用する。個人ドメイン内の装置全体でメタデータを共用するための多数の代替的方法がある。1つの方法は、メタデータにアクセスする権利を、各PDのメタデータアクセス権を追跡するデータベース内でPDに関連付けることである。ユーザがコンテンツに対するメタデータを得ようとするときに、そのユーザは、メタデータデータベースからメタデータを検索することによって、PD内のどの装置からでもそうすることができる。検索プロセスで、システムは、要求を出した装置からのそのメタデータの要求に応答して、データベースでメタデータアクセス権を検査し、要求を出した装置がメタデータにアクセスする権利を有するPD内にあるかどうかを決定する。ある場合、要求はメタデータサーバに転送され、メタデータサーバは要求を出した装置にメタデータを提供する。
【0050】
メタデータをPD内で共用する別の方法は、メタデータをPDに関連付けるアクセス権をメタデータと共に転送することである。システムはこれらのアクセス権を使用して、ユーザがメタデータをPD内の異なる装置に移動またはコピーすることができるかどうかを決定する。
【0051】
メタデータをPD内で共用する別の方法は、それが関係するコンテンツオブジェクトにそれを関連付けることである。この方法は、ユーザが、単にコンテンツを移動させるだけで、コンテンツをメタデータと共に個人ドメイン内の他の装置に移動させることを可能にする。この特定の手法は、コンテンツファイルをメタデータと共に、PD内の装置にプラグインした携帯装置および/または取外し可能なメモリ装置に、移動かつ/またはコピーするのに特によく適する。PDの外部へのコンテンツの移動またはコピーに対する制限は、関連するメタデータにも適用することができ、あるいはメタデータアクセス権は別個に管理することができる。
【0052】
結論
特定の実現に関連して当該技術の原理を説明しかつ図示したが、当該技術は多くの他の異なる形で実現することができることは認識されるであろう。明細書を過度に長くすることなく、包括的な開示を提供するために、出願人は上述した特許および特許出願を参照によって本書に組み込む。
【0053】
上記の方法、プロセス、およびシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組合せに実現することができる。例えば、データ符号化プロセスは、プログラマブルコンピュータまたは専用デジタル回路に実現することができる。同様に、データ復号およびフィンガプリント計算は、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、またはソフトウェア、ファームウェア、およびハードウェアの組合せに実現することができる。上述した方法およびプロセスは、システムのメモリ(電子、光学、または磁気記憶装置のようなコンピュータ可読媒体)から実効できるプログラムに実現することができる。
【0054】
上で詳述した実施形態の要素および特徴の特定の組合せは単なる例示であり、これらの教示を本願および参照によって組み込んだ特許/出願における他の教示と相互交換および置換することも予期される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人に関連する1グループの複数の装置を有する個人ドメイン内の装置でメディアコンテンツを受信するステップと
前記装置において、前記コンテンツからコンテンツ識別子を抽出するステップと
前記装置から、前記個人ドメインの個人ドメイン識別子および前記コンテンツ識別子をデータベースに送信して、前記データベースから、前記コンテンツ識別子、前記個人ドメイン識別子、ならびに前記コンテンツ識別子および前記個人識別子に関連付けて該データベースに格納された権利に基づいて、前記個人ドメインが前記個人ドメイン内の前記装置において前記メディアコンテンツをレンダリングする権利を持つかどうかを決定するステップであって前記個人ドメイン識別子は、前記1グループの複数の装置を示し、前記権利は、前記メディアコンテンツを前記個人ドメイン内の複数の装置でレンダリングすることができるか否かを示す、該ステップと、
前記データベースにおける前記権利に基づき前記個人ドメインが前記メディアコンテンツをレンダリングする権利を持つかどうかに応じて、著作権告知を提示するステップであって、前記個人ドメインが前記メディアコンテンツをレンダリングする権利をもたない場合に前記メディアコンテンツが著作権により保護されていることを示す著作権告示を前記装置が表示し、そして、前記装置が、該装置でのユーザ選択を介して前記メディアコンテンツをライセンス契約するか又は購入する選択肢を提示し、前記個人ドメインが前記メディアコンテンツをレンダリングする権利を有する場合に前記装置は前記著作権告示を表示しない、該ステップと、
を含む、メディアコンテンツを管理する方法。
【請求項2】
前記個人ドメイン識別子が前記個人ドメイン内の装置の装置IDと一致する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記著作権告知と共に1つまたは複数のユーザ選択可能な選択肢を前記装置のディスプレイに提示することを含み、前記1つまたは複数の選択肢は、前記メディアコンテンツを購入する選択肢を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記著作権告知と共に1つまたは複数のユーザ選択可能な選択肢を前記装置のディスプレイに提示することを含み、前記1つまたは複数の選択肢は、前記個人ドメインが前記メディアコンテンツを再生する前記権利を持たない場合、前記メディアコンテンツを再生する選択肢を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記著作権告知と共に1つまたは複数のユーザ選択可能な選択肢を提供することを含み、前記1つまたは複数の選択肢は、前記メディアコンテンツに関するさらなる情報を得る選択肢を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記個人ドメイン識別子は、新たな装置が前記個人ドメインに追加されるときに変更される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記個人ドメイン識別子は、新たな装置が前記個人ドメインに追加されるときに、複数の装置の各装置識別子のハッシュに基づいて再計算される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記データベースは前記個人ドメインから遠隔のネットワークに配置される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記個人ドメイン内の装置のユーザによって使用されるコンテンツに対応するメタデータを有するメタデータデータベースが前記遠隔ネットワークから転送され、前記ユーザの前記個人ドメイン内に格納され、該個人ドメイン内の複数の装置が該個人ドメインを介して前記メタデータデータベースにアクセスし前記メタデータを得る、請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記個人ドメイン識別子は、個人ドメイン内の装置の2つ以上の異なる装置識別子に関連付けられる単一の識別子を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記個人ドメイン識別子は装置識別子を含み、データベースは異なる装置の2つ以上の異なる装置識別子を、前記異なる装置を含む単一の個人ドメインに関連付けるために使用される、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記個人ドメインは、個人ドメイン内の異なる装置間の物理的接続または距離に基づいて定義される、請求項1に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−252382(P2010−252382A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−140629(P2010−140629)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【分割の表示】特願2006−509157(P2006−509157)の分割
【原出願日】平成16年3月5日(2004.3.5)
【出願人】(500111792)ディジマーク コーポレイション (25)
【Fターム(参考)】