説明

コンテンツ配信制御装置、コンテンツ配信制御方法、およびコンテンツ配信制御プログラム

【課題】柔軟に設定された利用帯域の閾値に基づいてコンテンツ情報の配信を制御する。
【解決手段】情報端末からのコンテンツ配信要求に応じてコンテンツ情報を配信するコンテンツ配信サーバ装置に、コンテンツ情報を配信させるか否かを制御するコンテンツ配信制御装置が、コンテンツ配信可能な利用帯域の閾値であるシステム共通値と、コンテンツ情報の配信に必要な利用帯域値とを記憶し、閾値識別情報毎に、コンテンツ情報の配信保証値とネットワークに余剰がある場合のベストエフォート値とを記憶し、要求されたコンテンツ情報の利用帯域値が、コンテンツ配信要求に対応する配信保証値より大きい場合に、ベストエフォート値より小さいか否かを判定し、さらに、システム共通値と、配信中の利用帯域の合算値との差である剰余利用帯域値と、要求されたコンテンツ情報の利用帯域とに基づいて、コンテンツ情報を配信するか否かを判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続された情報端末からのコンテンツ配信要求に応じて、予め記憶されたコンテンツ情報を配信するコンテンツ配信サーバ装置が、コンテンツ配信要求を受信した際に、コンテンツ情報を配信するか否かを判定するコンテンツ配信制御装置、コンテンツ配信制御方法、およびコンテンツ配信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、PC(パーソナルコンピュータ)、携帯電話、テレビ、デジタル放送やアナログ放送を一括して受信するSTB(セットトップボックス)等の情報端末に向けて動画情報の配信が行われている。このような動画配信サービスを提供するプラットフォームとして、動画コンテンツ情報を配信する配信サーバ装置、動画コンテンツ情報を予め記憶する記憶装置、配信サーバ装置と情報端末とを接続するネットワーク回線などの配信設備を、複数の動画配信サービスで共有利用するように提供する動画配信プラットフォームシステムが提供されている。
【0003】
このような動画配信プラットフォームシステムは、ネットワーク回線の帯域容量や配信サーバ装置の処理能力の限界から、複数の動画配信サービスごとに、その利用帯域について制限を設けた契約が結ばれて利用される。そこで、このような契約上の閾値に基づいて配信の制御を行うために、動画配信プラットフォームシステムには、情報端末から動画配信要求を受信すると、上述のような契約状況に基づいて、動画配信を行うか否かを判定するための動画配信制御装置が設けられている。動画配信制御装置は、動画配信要求の要求元である情報端末が利用する動画配信サービスの利用帯域が、契約値を超える場合、配信を拒否する制御を行っている。このような制御を行うことで、いずれかの動画配信サービスが契約条件を超えて動画配信プラットフォームを独占することを防いでいる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−38955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような契約上の制限は、時間や曜日を問わず、一定の利用帯域の閾値が設けられ、動画配信プラットフォームシステムが配信を保証する利用帯域の閾値として設定されている。ここで、動画配信プラットフォームシステムを利用するそれぞれの動画配信サービスは、配信するコンテンツの内容や客層などの特性によって、例えば、深夜、土日、平日昼間などのいずれかに配信要求が集中するといったように、必要となる利用帯域が時間帯によって異なる場合がある。
【0006】
このような場合にも、動画配信プラットフォームシステムを利用する動画配信サービスの提供者は、配信容量の負荷ピークに合わせた閾値に基づいた契約料金を行う必要があった。これは、契約上の閾値を配信容量の平均値にすると、負荷ピーク時に配信が拒否されるからである。このため、動画配信サービス提供者は、配信容量の少ない時間帯にも、負荷ピーク時に合わせた配信設備の利用権限を確保することになり、必要以上の負担となっているという問題がある。
【0007】
また、動画配信プラットフォームシステムにとっても、その配信設備を有効に利用できていないという問題がある。動画配信プラットフォームシステムは、契約上の閾値を保証値としているために、動画配信プラットフォームシステムの配信能力に達する前に、一定の保証値に基づいて配信を拒否するからである。このような傾向は、動画配信プラットフォームシステムを利用する動画配信サービスが多くなればなるほど、また、動画配信サービスの負荷ピークにバラツキがあればあるほど、契約上の保証値による配信拒否が多くなり、設備が有効利用されないという結果になる。
【0008】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、コンテンツ配信プラットフォームシステムにおいて、柔軟に設定された利用帯域の閾値に基づいて配信を制御するコンテンツ配信制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、本発明は、ネットワークを介して接続された情報端末からのコンテンツ配信要求に応じて、予め記憶されたコンテンツ情報を、コンテンツ情報の再生時間の間、継続して配信するコンテンツ配信サーバ装置が、コンテンツ配信要求を受信した際に、コンテンツ配信サーバ装置にコンテンツ情報を配信させるか否かを判定して配信の制御を行うコンテンツ配信制御装置であって、コンテンツ配信サーバ装置からコンテンツ配信可能な利用帯域の閾値であるシステム共通値を記憶するシステム共通値記憶手段と、コンテンツ情報を示す情報に対応付けて、コンテンツ情報を配信するために必要な利用帯域と、コンテンツ情報の再生時間とを記憶する利用帯域記憶手段と、ネットワークを介してコンテンツ配信サーバ装置が配信中であるコンテンツ情報の利用帯域の合算値を算出する現在値算出手段と、予め定められた閾値を識別する閾値識別情報に対応付けて、時間帯と、コンテンツ情報の配信を保証する利用帯域の閾値である配信保証値と、ネットワークに余剰がある場合に情報端末にコンテンツ情報の配信を許可する利用帯域の閾値を示すベストエフォート値とを記憶する閾値記憶手段と、利用帯域記憶手段から、コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する再生時間を読み出し、閾値記憶手段から、コンテンツ配信要求に含まれる閾値識別情報に対応し、かつ、現在時刻と、現在時刻に再生時間を加算した時刻との間に対応する時間帯に対応付けられた配信保証値とベストエフォート値のうち、最小の値である最小配信保証値と最小ベストエフォート値とを読み出し、コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する利用帯域の値が、最小配信保証値より大きいと判定した場合に、利用帯域の値が、最小ベストエフォート値より小さいか否かを判定するベストエフォート値判定手段と、ベストエフォート値判定手段が、コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する利用帯域の値が最小ベストエフォート値より小さいと判定した場合に、システム共通値と、現在値算出手段に算出された利用帯域の合算値との差である剰余利用帯域値を算出し、算出した剰余利用帯域値と、コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する利用帯域の値とに基づいて、コンテンツ情報を配信するか否かを判定するコンテンツ配信判定手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、閾値記憶手段が記憶する配信保証値は、コンテンツ配信サーバ装置が配信するコンテンツ情報の同時配信数と、コンテンツ配信サーバ装置が配信するコンテンツ情報の同時配信容量数とを保証する閾値であり、閾値記憶手段が記憶するベストエフォート値は、ネットワークに余剰がある場合にコンテンツ情報の配信を許可するコンテンツ情報の同時配信数と、コンテンツ情報の同時配信容量数とを保証する閾値であることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、ネットワークを介して接続された情報端末からのコンテンツ配信要求に応じて、予め記憶されたコンテンツ情報を、コンテンツ情報の再生時間の間、継続して配信するコンテンツ配信サーバ装置が、コンテンツ配信要求を受信した際に、コンテンツ配信制御装置が、コンテンツ配信サーバ装置にコンテンツ情報を配信させるか否かを判定して配信の制御を行うコンテンツ配信制御方法であって、コンテンツ配信制御装置の、システム共通値記憶手段が、コンテンツ配信サーバ装置からコンテンツ配信可能な利用帯域の閾値であるシステム共通値を記憶するステップと、利用帯域記憶手段が、コンテンツ情報を示す情報に対応付けて、コンテンツ情報を配信するために必要な利用帯域と、コンテンツ情報の再生時間とを示す値を記憶するステップと、現在値算出手段が、ネットワークを介してコンテンツ配信サーバ装置が配信中であるコンテンツ情報の利用帯域の合算値を算出するステップと、閾値記憶手段が、予め定められた閾値を識別する閾値識別情報に対応付けて、時間帯と、コンテンツ情報の配信を保証する利用帯域の閾値である配信保証値と、ネットワークに余剰がある場合に情報端末にコンテンツ情報の配信を許可する利用帯域の閾値を示すベストエフォート値とを記憶するステップと、ベストエフォート値判定手段が、利用帯域記憶手段から、コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する再生時間を読み出し、閾値記憶手段から、コンテンツ配信要求に含まれる閾値識別情報に対応し、かつ、現在時刻と、現在時刻に再生時間を加算した時刻との間に対応する時間帯に対応付けられた配信保証値とベストエフォート値のうち、最小の値である最小配信保証値と最小ベストエフォート値とを読み出し、コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する利用帯域の値が、最小配信保証値より大きいと判定した場合に、利用帯域の値が、最小ベストエフォート値より小さいか否かを判定するステップと、コンテンツ配信判定手段が、ベストエフォート値判定手段によって、コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する利用帯域の値が、最小ベストエフォート値より小さいと判定された場合に、システム共通値と、現在値算出手段に算出された利用帯域の合算値との差である剰余利用帯域値を算出し、算出した剰余利用帯域値と、コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する利用帯域の値とに基づいて、コンテンツ情報を配信するか否かを判定するステップと、を備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、ネットワークを介して接続された情報端末からのコンテンツ配信要求に応じて、予め記憶されたコンテンツ情報を、コンテンツ情報の再生時間の間、継続して配信するコンテンツ配信サーバ装置が、コンテンツ配信要求を受信した際に、コンテンツ配信サーバ装置にコンテンツ情報を配信させるか否かを判定して配信の制御を行うコンテンツ配信制御装置としてのコンピュータに、システム共通値記憶手段が、コンテンツ配信サーバ装置からコンテンツ配信可能な利用帯域の閾値であるシステム共通値を記憶するステップと、利用帯域記憶手段が、コンテンツ情報を示す情報に対応付けて、コンテンツ情報を配信するために必要な利用帯域と、コンテンツ情報の再生時間とを示す値を記憶するステップと、現在値算出手段が、ネットワークを介してコンテンツ配信サーバ装置が配信中であるコンテンツ情報の利用帯域の合算値を算出するステップと、閾値記憶手段が、予め定められた閾値を識別する閾値識別情報に対応付けて、時間帯と、コンテンツ情報の配信を保証する利用帯域の閾値である配信保証値と、ネットワークに余剰がある場合に情報端末にコンテンツ情報の配信を許可する利用帯域の閾値を示すベストエフォート値とを記憶するステップと、ベストエフォート値判定手段が、利用帯域記憶手段から、コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する再生時間を読み出し、閾値記憶手段から、コンテンツ配信要求に含まれる閾値識別情報に対応し、かつ、現在時刻と、現在時刻に再生時間を加算した時刻との間に対応する時間帯に対応付けられた配信保証値とベストエフォート値のうち、最小の値である最小配信保証値と最小ベストエフォート値とを読み出し、コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する利用帯域の値が、最小配信保証値より大きいと判定した場合に、利用帯域の値が、最小ベストエフォート値より小さいか否かを判定するステップと、コンテンツ配信判定手段が、ベストエフォート値判定手段によって、コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する利用帯域の値が、最小ベストエフォート値より小さいと判定された場合に、システム共通値と、現在値算出手段に算出された利用帯域の合算値との差である剰余利用帯域値を算出し、算出した剰余利用帯域値と、コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する利用帯域の値とに基づいて、コンテンツ情報を配信するか否かを判定するステップと、を実行させるコンテンツ配信制御プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、本発明によれば、予め定められる保証値とベストエフォート値に基づいて、コンテンツ情報を配信するか否かを判定するようにしたので、最低限保証される利用帯域と、配信設備に余剰がある場合に利用する利用帯域とを設定することで、コンテンツ配信サービスの提供状況に合わせた利用帯域の利用が可能となる。
【0014】
また、本発明によれば、時間帯ごとに、保証値とベストエフォート値とを設定することができるようにしたので、コンテンツ配信サービスの時間的なバラツキにあわせたコンテンツ配信の可否判定を行うことができる。
【0015】
また、本発明によれば、利用帯域の閾値は、コンテンツ情報の同時配信数と、同時配信容量数とであることとしたので、サーバ装置に、同時配信数と配信容量数との異なる種類の限界値がある場合にも、それぞれに適切な閾値を設定してコンテンツ配信の可否判定を行うことができる。
【0016】
また、本発明によれば、コンテンツ情報は、予め定められた再生時間中に、予め定められた利用帯域以内で配信し続けられる情報であり、再生時間を考慮した判定を行うようにしたので、定められた時間帯にまたがってコンテンツが配信される場合にも、閾値を超えたコンテンツ配信を行わないようにコンテンツ配信の可否判定を制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態によるコンテンツ配信プラットフォームの構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態による個別契約値テーブルに記憶されるデータ例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態によるシステム共通値テーブルに記憶されるデータ項目例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるコンテンツ情報テーブルに記憶されるデータ項目例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による共通現在値テーブルに記憶されるデータ例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による個別現在値テーブルに記憶されるデータ例を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態によるコンテンツ配信判定処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態による現在値減算処理を示すフローチャートである。
【図9】本発明の一実施形態によるコンテンツ配信処理を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態によるコンテンツ配信プラットフォーム10の構成を示すブロック図である。
本実施形態によるコンテンツ配信プラットフォーム10は、情報端末400−1、情報端末400−2、・・・情報端末400−N、等の情報端末400と、ネットワーク500を介して接続されており、コンテンツ配信サーバ装置200と、配信回線210と、コンテンツ配信制御装置100と、記憶装置300−1、記憶装置300−2、・・・記憶装置300−N、等の記憶装置300とを備えている。ここで、Nは任意の数である。
【0019】
情報端末400−1、情報端末400−2、・・・情報端末400−N、等の情報端末は、ユーザが利用する情報端末であり、ネットワーク500を介して他の情報機器と情報通信を行うことが可能である。ネットワーク500には、複数台の情報端末が接続されて良く、以下、特に情報端末の個体を識別する必要がない場合には、情報端末400として説明する。情報端末400は、具体的には、PC(パーソナルコンピュータ)、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話端末などの、入力部、出力部、制御部、演算部、記憶部を備えたコンピュータ機器が適用される。本実施形態では、出力部として、表示部、音声出力部などが適用されることとする。また、本実施形態では、情報端末400は、インターネットを介してウェブサイトへアクセスするインターネットブラウザ機能を備えることとする。
【0020】
また、情報端末400は、コンテンツ配信制御装置100から、コンテンツ配信サーバ装置200が配信するコンテンツ情報に関する情報を受信し、これに応じて、コンテンツ配信制御装置100にコンテンツ配信要求を送信する。この際、情報端末400が送信するコンテンツ配信要求には、情報端末400を利用するユーザを識別するユーザID、情報端末400を利用するユーザに予め定められたサービスを識別するサービス種別、要求するコンテンツ情報を識別するコンテンツID、などのうちいずれかまたは複数の情報が含まれることとして良い。
【0021】
ネットワーク500は、情報端末400とコンテンツ配信プラットフォーム10とを接続する情報通信網である。ネットワーク500は、情報を送受信可能な通信網であれば良いが、本実施形態では、ネットワーク500は、IP(Internet Protocol)ネットワークであり、インターネットを想定する。
【0022】
記憶装置300−1、記憶装置300−2、・・・記憶装置300−N、等の記憶装置300は、コンテンツ情報を記憶するコンテンツディスクである。以下、特に記憶装置300の個体を識別する必要がない場合には、記憶装置300として説明する。本実施形態では、このようなコンテンツ情報として、映画などの動画情報を想定して説明する。
【0023】
コンテンツ配信サーバ装置200は、情報端末400から送信されるコンテンツ配信要求に対応するコンテンツ情報を記憶装置300から読み出し、要求元である情報端末400に配信する。本実施形態においては、コンテンツ情報である動画情報を、その再生時間に応じて、再生時間中ストリーミングして送信しつづける配信を行う。図1には、例として1台のコンテンツ配信サーバ装置200を図示しているが、複数台のコンテンツ配信サーバ装置200を用意し、容量の拡大や負荷分散、安全性の向上を図るようにしても良い。
【0024】
配信回線210は、コンテンツ配信サーバ装置200とネットワーク500とを接続する通信回線である。情報端末400からコンテンツ配信サーバ装置200に配信要求されたコンテンツ情報は、配信回線210を介してネットワーク500に送信され、ネットワーク500を通って情報端末400に到達する。
【0025】
コンテンツ配信制御装置100は、コンテンツ配信サーバ装置200から情報端末400へのコンテンツ配信を制御し、通信部110と、コンテンツ配信制御部120と、判定部130と、記憶部140と、現在値更新部150とを備えている。
通信部110は、ネットワーク500を介して情報端末400と通信し、またコンテンツ配信サーバ装置200や記憶装置300との情報通信を行う。
コンテンツ配信制御部120は、コンテンツ配信制御装置100の各機能部の制御処理を行う。
【0026】
記憶部140は、コンテンツ配信制御処理に必要な情報を記憶する記憶部であり、システム共通値テーブルと、コンテンツ情報テーブル142と、共通現在値テーブル143と、個別契約値テーブル144と、契約情報テーブル146と、個別現在値テーブル147との記憶テーブルを有している。
【0027】
契約情報テーブル146には、コンテンツ配信サーバ装置200により提供されるコンテンツ配信サービスの利用者(ユーザ)の情報が記憶される。契約情報テーブル146には、ユーザを識別するユーザIDに対応付けて、そのユーザが契約しているサービスを識別するサービス種別(例えば、Aサービス、Bサービス、Cサービスのいずれか)が記憶される。契約情報テーブル146には、ユーザIDに対応するパスワードや、契約期間などの情報をさらに記憶することとしても良い。ここで、ユーザIDは、契約されたユーザが利用する情報端末を識別する情報(例えば、IPアドレス)などでも良い。
【0028】
個別契約値テーブル144には、コンテンツ配信サーバ装置200によって提供されるサービス種別ごとに、コンテンツ配信プラットフォーム10が備える配信設備の利用帯域の閾値が記憶される。図2は、個別契約値テーブル144に記憶されるデータの例を示す図である。個別契約値テーブル144には、サービス種別に対応付けて、同時接続数の保証値(CG1)、同時配信容量の保証値(CG2)、同時接続数のベストエフォート値(CB1)、同時配信容量のベストエフォート値(CB2)、曜日、開始時間、終了時間などの情報が記憶される。本実施形態では、このように、閾値を識別する閾値識別情報として、サービス種別を用いる。
【0029】
サービス種別は、コンテンツ配信サーバ装置200を用いたコンテンツ配信サービスの種別を示す情報である。
同時接続数の保証値(CG1)は、コンテンツ配信サーバ装置200が通信を行うことができる情報端末400との接続の数を示す閾値である。CG1は、サービス種別毎に最低限保証される接続の数としての値である。
同時配信容量の保証値(CG2)は、コンテンツ配信サーバ装置200が配信可能なコンテンツ情報の容量を示す閾値である。CG2は、サービス種別毎に最低限保証される容量の値である。
【0030】
同時接続数のベストエフォート値(CB1)は、CG1に対するベストエフォート値であり、配信設備に余剰がある場合に、コンテンツ配信サーバ装置200が通信を行い得る情報端末400との接続の数を示す閾値である。CB1には、CG1よりも大きな値が設定される。
同時配信容量のベストエフォート値(CB2)は、CG2に対するベストエフォート値であり、コンテンツ配信サーバ装置200が配信し得るコンテンツ情報の容量を示す閾値である。CB2には、CG2よりも大きな値が設定される。
【0031】
曜日と開始時間と終了時間とは、対応する上述の各閾値を有効とする時間帯を示す。曜日には、月、火、水、木、金、土、日のいずれかの曜日が記憶される。開始時間と終了時間とは、本実施形態では、1時間毎に区切られた値が設定される。
このような個別契約値テーブル144に記憶される各項目には、コンテンツ配信サーバ装置200を用いたコンテンツ配信サービスを運営する運営者と、コンテンツ配信プラットフォーム10の提供者との契約に基づいて定められた値が予め記憶される。
【0032】
システム共通値テーブル141には、コンテンツ配信プラットフォーム10として提供可能な配信設備の利用帯域の閾値が記憶される。図3は、システム共通値テーブル141に記憶されるデータ項目例を示す図である。システム共通値テーブル141は、コンテンツ配信サーバ装置200の同時接続数の閾値(S1)、コンテンツ配信サーバ装置200の同時配信容量の閾値(S2)、配信回線210の同時配信容量の閾値(S3)の項目を有する。
【0033】
コンテンツ配信サーバ装置200の同時接続数の閾値(S1)は、コンテンツ配信プラットフォーム10が備える全てのコンテンツ配信サーバ装置200が通信を行うことができる情報端末400との接続の数の合算値を示す閾値である。単位は、「本」である。
コンテンツ配信サーバ装置200の同時配信容量の閾値(S2)は、コンテンツ配信プラットフォーム10が備える全てのコンテンツ配信サーバ装置200が配信可能なコンテンツ情報の容量の合算値を示す閾値である。単位は、「bps」である。
配信回線210の同時配信容量の閾値(S3)は、配信回線210がコンテンツ配信サーバ装置200からネットワーク500へ中継可能なコンテンツ情報の容量を示す閾値である。単位は、「bps」である。
【0034】
コンテンツ配信プラットフォーム10は、個別契約値テーブル144に記憶された全てのコンテンツ配信サービスの各保証値の、全ての時間帯のうち、利用帯域の合算値が最大である値に基づいて、各配信設備が構築されたものとする。ここで、各配信設備は、コンテンツ配信サービスの各保証値の合算値に余裕を持たせた利用帯域を想定して構築されることが望ましい。システム共通値テーブル141には、このように構築されたコンテンツ配信プラットフォーム10の各配信設備の利用帯域の閾値が予め記憶される。
【0035】
コンテンツ情報テーブル142には、記憶装置300に記憶される各コンテンツ情報のメタデータが記憶される。図4は、コンテンツ情報テーブル142に記憶されるデータ項目例を示す図である。コンテンツ情報テーブル142は、コンテンツIDに対応づけて、利用帯域(以下、Rともいう)、再生時間などの項目を有する。
【0036】
コンテンツIDは、記憶装置300に記憶されたコンテンツ情報を識別する情報である。利用帯域は、対応するコンテンツIDが示すコンテンツ情報の利用帯域を示す情報である。利用帯域は、例えば、10Mbpsなどの値で表される。再生時間は、対応するコンテンツIDが示すコンテンツ情報の再生時間を示す情報である。本実施形態においてコンテンツ情報は映画情報であり、再生時間は、例えば、120分などの値で表される。
【0037】
コンテンツ情報テーブル142が記憶するこのようなコンテンツ情報に関する属性情報は、例えば、記憶装置300が、それぞれに記憶するコンテンツ情報のメタデータを含むXML(Extensible Markup Language)ファイルなどのデータファイルを配信して、コンテンツ配信制御装置100がこれを取得するようにしても良い。また、本実施形態では、コンテンツ配信制御装置100に予めコンテンツ情報を取り込んでおくこととするが、情報端末400からのコンテンツ配信要求を受信した際に、記憶装置300にコンテンツ情報のメタデータを問い合わせるようにしても良い。
【0038】
共通現在値テーブル143には、コンテンツ配信プラットフォーム10が備えるコンテンツ配信サーバ装置200が配信中のコンテンツ情報の利用帯域に関する情報が、後述する現在値更新部150によってリアルタイムに更新され記憶される。図5は、共通現在値テーブル143に記憶されるデータの例を示す図である。共通現在値テーブル143は、コンテンツ配信サーバ装置200の同時接続数の現在値(S1´)、コンテンツ配信サーバ装置200の同時配信容量の現在値(S2´)、配信回線210の同時配信容量の現在値(S3´)の項目を有する。
【0039】
個別現在値テーブル147には、コンテンツ配信プラットフォーム10が備えるコンテンツ配信サーバ装置200が配信中のコンテンツ情報の利用帯域に関する情報が、サービス種別ごとにリアルタイムに更新され記憶される。図6は、個別現在値テーブル147に記憶されるデータの例を示す図である。個別現在値テーブル147は、サービス種別に対応付けて、同時接続数の現在値(CG1´)、同時配信容量の現在値(CG2´)、同時接続数のベストエフォート値の現在値(CB1´)、同時配信容量のベストエフォート値の現在値(CB2´)の項目を有する。
個別現在値テーブル147に記憶されるデータは、現在値更新部150によって、コンテンツ情報の配信許可と配信停止に合わせて、コンテンツの配信状況に応じてサービス種別ごとに更新され記憶される。
【0040】
判定部130は、通信部110が情報端末400から送信されるコンテンツ配信要求を受信すると、記憶部140に記憶された各テーブルの情報を読み出して、コンテンツ配信要求の要求元である情報端末400にコンテンツを配信するか否かを判定する処理を行う。判定部130は、システム共通値判定部131と、保証値判定部132と、ベストエフォート値判定部133と、剰余判定部134とを有している。また、判定部130は、時間を計測する時計機能を有している。図7は、判定部130が行うコンテンツ配信判定処理を示すフローチャートである。以下、図7を参照して、判定部130の処理動作について説明する。
【0041】
通信部110が、情報端末400から、ユーザIDと、コンテンツIDとを含むコンテンツ配信要求を受信すると(ステップS101)、判定部130のシステム共通値判定部131は、受信したコンテンツ配信要求に含まれるコンテンツIDに対応するコンテンツ情報の利用帯域を示す情報(R)を、コンテンツ情報テーブル142から読み出す。また、判定部130は、個別契約値テーブル144から、コンテンツ配信要求に含まれるユーザIDに対応するサービス種別を読み出す。さらに、システム共通値判定部131は、システム共通値テーブル141から、S1、S2、S3の値を、共通現在値テーブル143から、S1´、S2´、S3´の値を取得し、以下式の真偽値を判定することで、システム共通値判定処理を行う(ステップS201)。以下、本実施形態の説明中の式で、「A OR B」とは、条件Aと条件Bとの論理和を示す。また、「A=B」とは、AにBを代入することを示す。また、「if A、B」とは、条件Aが真である場合に、計算処理Bを行うことを示す。
【0042】
(S1 < S1´+1)
OR(S2 < S2´+R)
OR(S3 < S3´+R)
【0043】
システム共通閾値判定処理の判定結果が真であれば、システム共通値判定部131は、コンテンツ配信要求がコンテンツ配信プラットフォーム10の配信設備で配信可能な利用帯域の限界値を超えたと判定し(ステップS201−YES)、判定部130が、コンテンツ配信を拒否することを示す判定結果を出力する(ステップS207)。一方、ステップS201のシステム共通値判定処理の結果が偽であれば(ステップS201−NO)、保証値判定部132が、コンテンツ配信要求されたコンテンツの利用帯域が、対応するサービスの保証値以内であるか否かを判定する保証値判定処理を行う(ステップS202)。
【0044】
保証値判定処理では、保証値判定部132は、受信したコンテンツ配信要求に含まれるコンテンツIDに対応するコンテンツ情報の再生時間を示す情報を、コンテンツ情報テーブル142から読み出す。そして、保証値判定部132は、個別契約値テーブル144から、コンテンツ配信要求に含まれるユーザIDに対応するサービス種別に対応付いたCG1、CG2の値であって、現在時刻と、現在時刻に再生時間を加算した時刻の間に対応する全てのCG1、CG2の値を読み出し、そのうち、CG1と、CG2とのそれぞれ最小の値を、MCG1、MCG2として検出する。
【0045】
ここで、保証値判定部132がMCG1とMCG2とを検出する処理を、図2に示された個別契約値テーブル144のデータを例として説明する。例えば、コンテンツ配信制御装置100が、Aサービスに対応づいたユーザIDを含むコンテンツ配信要求であって、120分の再生時間であるコンテンツ情報の配信要求を、11:30に受信した場合、再生時間が120分であるので、コンテンツの再生は11:30から13:30までの間継続すると予想できる。判定部130は、このコンテンツを再生するために必要とする利用帯域が、個別契約値テーブル144に記憶された保証値のうち、11:00から12:00、12:00から13:00、13:00から14:00のそれぞれの時間帯のCG1、CG2との全ての保証値以下であるか否かを判定する。そこで、判定部130は、これらの時間帯のうち、最小値を示す時間帯のCG1、CG2をそれぞれMCG1、MCG2として検出する。この例の場合は、MCG1が20、MCG2が100であることとなる。そして、保証値判定部132は、以下式の真偽値を判定することで、保証値判定処理を行う。
【0046】
(MCG1 < CG1´+1)
OR(MCG2 < CG2´+R)
【0047】
保証値判定処理の判定結果が偽であれば、判定部130は、受信したコンテンツ配信要求が、サービスの契約値である配信設備の利用帯域の保証値以下であると判定し(ステップS202−NO)、コンテンツ配信を許可することを示す判定結果を出力する(ステップS205)。一方、ステップS202の個別契約値判定処理の判定結果が真であれば(ステップS202−YES)、ベストエフォート値判定部133は、コンテンツ配信要求されたコンテンツの利用帯域が、対応するサービスのベストエフォート値以内であるか否かを判定するベストエフォート値判定処理を行う(ステップS203)。
【0048】
ベストエフォート値判定処理では、保証値判定処理における最小値の検出処理と同様に、再生時間中のCB1とCB2との値のうち、それぞれ最小の値を、MCB1、MCB2として検出する。保証値判定処理において説明した場合と同じ条件下では、MCB1は40、MCB2は200となる。そして、ベストエフォート値判定部133は、以下式の真偽値を判定することで、ベストエフォート値判定処理を行う。
【0049】
(MCB1 < CB1´+1)
OR(MCB2 < CB2´+R)
【0050】
ベストエフォート値判定処理の判定結果が真であれば、判定部130は、受信したコンテンツ配信要求が、サービスの契約値である配信設備の利用帯域のベストエフォート値を超えると判定し(ステップS203−YES)、コンテンツ配信を拒否することを示す判定結果を出力する(ステップS207)。一方、ステップS203のベストエフォート値判定処理の判定結果が偽であれば(ステップS203−NO)、剰余判定部134が、コンテンツ配信プラットフォーム10に、コンテンツ配信要求されたコンテンツの利用帯域を利用するための剰余帯域があるか否かを判定する剰余判定処理を行う(ステップS204)。剰余判定処理は、以下式の真偽値を判定することで行う。
【0051】
(S1−(S1´+1) < 全サービスの(CG1−CG1´)の合計値)
OR(S2−(S2´+R) < 全サービスの(CG2−CG2´)の合計値)
OR(S3−(S3´+R) < 全サービスの(CG2−CG2´)の合計値)
【0052】
すなわち、剰余判定処理では、剰余判定部134は、システム共通閾値からシステム共通の現在値を差し引いて、システムの剰余帯域を算出し、また、全てのサービス種別について、個別保証値から個別現在値を差し引いたサービス毎の剰余帯域を算出して合算し、システムの剰余帯域よりも、サービス毎の剰余帯域の合算値の方が大きいか否かを判定する。判定部130は、剰余判定処理の判定結果が真であれば(ステップS204−YES)、コンテンツ配信を拒否することを示す判定結果を出力する(ステップS207)。一方、ステップS204での剰余判定処理の結果が偽であれば(ステップS204−NO)、判定部130は、コンテンツ配信を許可することを示す判定結果を出力する(ステップS205)。
【0053】
また、判定部130が、ステップS205で、コンテンツ配信を許可する判定結果を出力すると、後述する現在値更新部150が、共通現在値テーブル143と個別現在値テーブル147とに記憶されたそれぞれの利用帯域の現在値を示す情報に、配信を開始するコンテンツ情報の利用帯域を加算して記憶させる現在値加算処理を行う。現在値更新部150は、現在値加算処理では、以下に示すそれぞれの処理を行う。
【0054】
S1´=S1´+1
S2´=S2´+R
S3´=S3´+R
if CG1´ < CG1、 CG1´=CG1´+1
if CG2´ < CG2、 CG2´=CG2´+R
CB1´=CB1´+1
CB2´=CB2´+R
【0055】
現在値更新部150は、情報端末400から受信するコンテンツ配信要求やコンテンツ配信停止要求に基づいて、記憶部140の共通現在値テーブル143と個別現在値テーブル147とに記憶された情報を更新して記憶させる。現在値更新部150は、上述の現在値加算処理の他に、図8に示すように、情報端末400からコンテンツ配信停止要求を受信すると(ステップS801)、共通現在値テーブル143と個別現在値テーブル147とに記憶されたそれぞれの利用帯域の現在値を示す情報に、配信を停止するコンテンツ情報の利用帯域を減算して記憶させる現在値減算処理を行う(ステップS1201)。現在値更新部150は、現在値減算処理では、以下に示すそれぞれの処理を行う。
【0056】
S1´=S1´−1
S2´=S2´−R
S3´=S3´−R
if CG1´ <= CG1、 CG1´=CG1´−1
if CG2´ <= CG2、 CG2´=CG2´−R
CB1´=CB1´−1
CB2´=CB2´−R
【0057】
なお、本実施形態では、記憶装置300を、記憶装置300−1、記憶装置300−2・・・等の複数台であることとしたが、物理的に別装置である必要はなく、1台の記憶装置300でも良いし、または、コンテンツ配信サーバ装置200が備える記憶部にコンテンツ情報を記憶させても良いし、コンテンツ配信制御装置100が備える記憶部にコンテンツ情報を記憶させても良い。
【0058】
なお、本実施形態では、記憶部140の個別契約値テーブル144には、曜日に対応付けて時間帯を設定したが、日にちや年度などの項目に対応付けても良い。また、本実施形態による図2に示した例では、時間帯を1時間ごとに区切り、各閾値を設定したが、閾値を区切る時間帯は、30分単位でも良いし、2時間単位でも良いし、不規則な時間割りとしても良く、コンテンツ配信サービスの運営者と、コンテンツ配信プラットフォーム10の提供者との契約によって自由に定めることとして良い。ここで、複数のサービスについて、異なる時間帯に区切るように設定しても良い。
【0059】
なお、ベストエフォート値判定部133が上述のステップS203にて行うベストエフォート値判定処理において、MCB1、MCB2の判定に加えて、ベストエフォート値として利用する帯域が必要以上に確保されないように、以下判定式をさらに判定するようにしても良い。すなわち、システム共通閾値を低く見積もって、実際の帯域に余裕を持たせるようにする。ここで、Nは、0以上1以下の数字である。以下判定式が真であれば、判定部130は、配信を拒否することを示す判定結果を出力する。
【0060】
(S1×N < S1´+1)
OR(S2×N < S2´+R)
OR(S3×N < S3´+R)
【0061】
なお、剰余判定部134が上述のステップS204にて行う剰余判定処理では、既に他のサービスへのコンテンツ配信要求について行った剰余判定処理にて、ベストエフォート値の範囲内で利用することが決定した利用帯域を考慮して、判定を行うようにしても良い。
なお、本実施形態において説明した各機能部は、物理的に上述のように配置する必要はなく、本サービスのユーザ数、本サービスの保守体制、管理者の既存のハードウェア資源などを考慮して柔軟に構成することができる。
【0062】
次に、本発明によるコンテンツ配信プラットフォーム10の動作例を説明する。
図9は、コンテンツ配信プラットフォーム10が、情報端末400−1から送信される情報に応じて、コンテンツを配信する動作を示すシーケンス図である。
ここで、情報端末400−1を利用するユーザは、予め、コンテンツ配信サーバ装置200からの動画配信を提供する動画配信サービスに加入しており、動画配信サービスを利用するためのユーザIDとパスワードなどのアカウント情報が、サービス種別毎に発行されていることとする。
【0063】
コンテンツ配信サーバ装置200は、例えば、ネットワーク500を介して、コンテンツ配信サービスのポータルサイトとしてのウェブサイトを公開する。情報端末400−1は、コンテンツ配信ポータルサイトにアクセスして、ユーザから入力されるユーザIDとパスワードとのアカウント情報をコンテンツ配信サーバ装置200に送信する。
【0064】
コンテンツ配信サーバ装置200は、情報端末400−1から送信されたアカウント情報が、予め記憶するアカウント情報と一致すると判定すると、情報端末400−1のコンテンツ配信サービスサイトへのログインを許可する。そして、コンテンツ配信サーバ装置200は、コンテンツ配信可能な映画に関する情報や、そのコンテンツを示すコンテンツIDなどの情報を含むコンテンツ紹介ウェブページを情報端末400−1に送信する。
【0065】
情報端末400−1は、コンテンツ配信サーバ装置200から受信するコンテンツ紹介ウェブページを、表示部に表示させる。情報端末400−1は、表示部に表示するコンテンツ紹介情報のうち、いずれかのコンテンツ情報が選択された情報がユーザから入力されると、ユーザIDと、選択されたコンテンツ情報に対応するコンテンツIDとの情報を含む、コンテンツ配信要求を、コンテンツ配信制御装置100に送信する(ステップS100)。
【0066】
コンテンツ配信制御装置100の通信部110が、コンテンツ配信要求を受信すると、判定部130は、上述したコンテンツ配信判定処理を行う(ステップS200)。判定部130が、コンテンツ配信判定処理において、配信を許可することを示す判定結果を出力すると、現在値更新部150が、記憶部140に記憶された現在値情報を更新する現在値更新処理を行う(ステップS300)。
【0067】
そして、コンテンツ配信制御部120は、通信部110を介して、情報端末400−1に配信を許可することを示す情報を送信する(ステップS400)。ここで、コンテンツ配信制御部120は、例えば、配信許可情報として、鍵情報を送信することとしても良い。そして、情報端末400−1は、コンテンツ配信サーバ装置200に、ステップS400で送信された鍵情報と、配信を要求するコンテンツ情報を示すコンテンツIDとを含んだ許可コンテンツ配信要求を、コンテンツ配信サーバ装置200に送信する(ステップS500)。
【0068】
コンテンツ配信サーバ装置200は、受信した許可コンテンツ配信要求に含まれる鍵情報を、予め定められたアルゴリズムで解析し、鍵情報が正当なものであると判定すると、配信要求されたコンテンツ情報を、記憶装置300−1から読み出す(ステップS600)。そして、コンテンツ配信サーバ装置200は、配信回線210を介した情報端末400−1との接続を確立し、配信回線210を介して、記憶装置300−1から読み出したコンテンツ情報を情報端末400−1に配信する(ステップS700)。ここで、コンテンツ情報は、動画情報であり、コンテンツ配信サーバ装置200は、動画の再生が完了するか、情報端末400−1からコンテンツ配信停止要求を受信するまで、記憶装置300−1からコンテンツ情報を読み出し、配信回線210を介して情報端末400−1に配信する処理を継続する。
【0069】
情報端末400−1は、受信するコンテンツ情報を、表示部に表示させ、また音声出力部から音声を出力する。そして、情報端末400−1は、コンテンツ配信の停止要求を示す情報が入力されると、コンテンツ配信制御装置100に、コンテンツ配信停止要求情報を送信する(ステップS800)。コンテンツ配信制御装置100が、コンテンツ配信サーバ装置200にコンテンツ配信停止要求情報を転送すると、コンテンツ配信サーバ装置200は、記憶装置300−1からのコンテンツ情報の読み出し処理と、配信回線210を介した情報端末400−1への情報配信処理を停止する(ステップS1000)。
【0070】
コンテンツ配信サーバ装置200が、コンテンツ配信停止処理が完了したことを、コンテンツ配信制御装置100に通知する(ステップS1100)と、コンテンツ配信制御装置100の現在値更新部150は、上述した現在値減算処理を行う(ステップS1200)。
【0071】
なお、本実施形態において、コンテンツ配信サーバ装置200が、情報端末400にコンテンツ情報をストリーミング配信する例を説明したが、記憶装置300には、動画コンテンツ情報のフレームを数秒毎にまとめて1ファイルに格納しておき、そのファイルを情報端末400からコンテンツ配信サーバ装置200に定期的に取得しにいくというフローにて配信することとしても良い。例えば、フレーム1〜フレーム10を有する動画コンテンツ情報であれば、フレーム1〜5をファイルA1、フレーム6〜10をファイルA2、といったようにファイル単位にまとめて記憶装置300に記憶させておき、ファイル単位で情報端末400に順次送信する。情報端末400は、ファイル単位で動画コンテンツ情報を受信し、受信したファイルA1からフレーム1〜5を読み出して記憶した後、ファイルA2を要求して受信する。
【0072】
また、本実施形態では、ステップS100にて、情報端末400−1は、ユーザIDとコンテンツIDとを含むコンテンツ配信要求を、コンテンツ配信制御装置100に送信することとしたが、情報端末400−1は、コンテンツ配信サーバ装置200へのログイン時にサービス種別を示す情報を取得しておき、このサービス種別を送信するようにしても良い。このように、情報端末400が送信するコンテンツ配信要求は、コンテンツ配信制御装置100がそのコンテンツ配信要求に対応するサービス種別に設定された保証値、ベストエフォート値を特定可能な閾値識別情報を含む。すなわち、コンテンツ配信要求には、サービス種別を含むようにしても良いし、コンテンツ配信要求にはユーザIDを含ませるようにし、コンテンツ配信制御装置100が、ユーザIDに基づいてサービス種別を特定できるようにしても良いし、コンテンツ配信要求にはコンテンツIDを含ませるようにし、コンテンツ配信制御装置100が、コンテンツIDに基づいてサービス種別を特定できるようにしても良い。ユーザIDまたはコンテンツIDからサービス種別を特定するために、コンテンツ配信制御装置100は、ユーザIDまたはコンテンツIDとサービス種別を予め対応付けた情報を記憶するようにしても良いし、ユーザIDまたはコンテンツIDの一部にサービス種別を示す情報を含ませるようにしても良い。ユーザIDまたはコンテンツIDの一部にサービス種別を示す情報を含ませるとは、例えば、ユーザIDまたはコンテンツIDを示す文字列情報のうち、定められた数文字を、サービス種別を識別可能な情報とする。具体的には、コンテンツIDを示す12文字の文字列情報とする場合に、頭4文字をサービス種別とし、残り8文字を、そのサービス種別に対応するユーザまたはコンテンツを識別する情報とすることなどが考えられる。また、ユーザIDまたはコンテンツIDを閾値識別情報として、サービス種別の代わりにユーザID毎またはコンテンツID毎に閾値を設定するように構成しても良い。
【0073】
以上説明したように、本発明によれば、契約上の閾値として、保証値とベストエフォート値との2つの閾値を設定できるようにした。具体的には、サービス種別ごとに、同時接続数の保証値(CG1)、同時配信容量の保証値(CG2)、同時接続数のベストエフォート値(CB1)、同時配信容量のベストエフォート値(CB2)との閾値を設けた。
【0074】
さらに、時間帯にわけて、このような閾値を設けることとした。このような時間帯は、午前、午後などの大項目で分類しても良いし、分や時間単位の小項目、曜日、祝日などに分類して良い。このように分類した時間帯ごとに、保証値とベストエフォート値と閾値をそれぞれ指定できるようにする。ここで、時間は、システム上での最小単位(1時間や4時間等)を予め規定し、すべてのコンテンツ配信サービスをその最小単位の時間帯ごとに統一的に管理する。コンテンツ配信プラットフォームの提供者は、システム構築の際は全時間帯を通して全サービスの保証値の合計値が一番高い条件+α(システム上の余裕)が閾値(S1、S2、S3)となるように構築する。
【0075】
コンテンツ配信制御装置は、情報端末からのコンテンツ配信要求を受信した場合、そのコンテンツを配信するために必要な時間帯における各閾値の判定を行い、コンテンツ配信の許可、拒否を判定するコンテンツ配信判定処理を行う。
また、コンテンツ配信要求には、そのコンテンツ情報の再生予定時間(動画の尺)に基づいて、判定部130が、上述のように、個別契約値テーブル144から、動画配信時間(開始時刻(現在時刻)〜終了予定時刻(現在時刻+視聴予定時間(動画の尺)))の間の閾値の最小値(MCG1、MCG2、MCB1、MCB2)を求める。この最小値は、動画配信が未来にわたって大きな影響を与えないようにするために、未来分の保証値等を考慮して制御するためのものである。
【0076】
そして、コンテンツ配信制御装置は、(1)システム共通の閾値(S1、S2、S3)を超過するかどうか(超過時は拒否)、(2)個別契約値データ(MCG1、MCG2、CG1、CG2)を超過するかどうか(超過時は(3)へ。超過していなければ許可)、(3)個別契約値データ(MCB1、MCB2、CB1、CB2)を超過するかどうか(超過時は拒否)、などを判定することによって、コンテンツ配信を許可するか否かを判定する。
【0077】
さらに、オプション機能として、余剰な設備をベストエフォート要求で必要以上に配信しないように閾値制御を行っても良い。具体的には、閾値N(0〜1の間の数字)を設けて、システム共通値データの閾値(S1、S2、S3)×Nの値を超過するかどうかを判定し、システム共通値データの閾値(S1、S2、S3)×Nの値を超える場合にはベストエフォート要求を拒否するようにしても良い。この場合、(4)現在のシステム共通値の余剰接続数や余剰接続帯域が、保証値の未使用分を超過している場合、その余剰分の接続数や接続帯域をベストエフォート値の中で共有する。具体的には、システム共通値データの閾値(S1、S2、S3)の値から共通現在値を減算した値が、全サービスの保証値の未使用分の合計値を超過するかどうか、の判定を行う(超過しない場合は、各サービス毎に将来の保証された要求分確保のために拒否、超過している場合は許可)。
【0078】
また、コンテンツ配信を許可した場合、配信中のコンテンツの各パラメータに基づいて各利用帯域の現在値(S1´、S2´、CG1´、CG2´、CB1´、CB2´)の値を加算する。逆に、配信停止要求を受信した場合は、現在値を減算する。各サービスの現在値は、保証値とベストエフォート値のそれぞれに対応する値が管理され、保証値は閾値以上の加算ができないように制御する。
【0079】
また、実際の動画配信においては、再生時間が長時間におよぶため、時間帯ごとに分類された閾値の、複数の閾値をまたぐことがあり得る。これでは、特定の時間帯に要求が集中し、次の時間帯にその再生が及ぶ場合、次の時間帯の保証値の閾値を実際の再生数が超過することになる。そこで、超過分を課徴金として請求するために、各時間帯における視聴数、視聴容量を記憶しておく仕組みを用意しても良い。インターネット回線の卸サービスのように、規定値を超えた場合、超過料金を別途徴収し、超過が発生しても保証値には影響がないように、余裕をもたせてシステムを構築する。また、コンテンツの再生時間が複数の時間帯に継続することが多いときは、サービス提供者に、その時間帯の保証値、ベストエフォート値を多くとるように要請、義務化するようにしても良い。このように、記憶された情報から、各サービスにおける視聴傾向を分析することで、顧客ごとに適切な契約上の保証値と、ベストエフォート値とをコンサルティングすることや、動画配信サービスの閾値を自動設定することを可能とする。
【0080】
このように、本発明によれば、コンテンツ配信の契約値を時間帯によって変化させることができ、かつ保証される値と余剰時に有効活用できるベストエフォート値との2つを設定することが可能になる。
これによれば、サービス特性(時間帯による負荷ピークのバラツキや保証の必要性)による柔軟な視聴制御が可能になる。また、契約値によるコンテンツ配信拒否を減らすことで、同じ配信能力をもつシステムにおける、実際の配信数を向上させることができる。
【0081】
また、時間帯や保証度合いによりコンテンツ配信に対する利用料金を変化させることができる。例えば、負荷ピークの高い時間帯は、保証値をベストエフォート値の複数倍の料金に設定したり、時間帯や条件によっては配信単価を安くしたりすることが可能になる。これにより、安い単価を利用した新しいコンテンツ配信サービスがプラットフォームに参加する可能性を向上させるだけでなく、負荷ピークが強くでるサービスにおいては、ピークの強い時間に保証を厚くし、その他の部分の保証を薄くすることで、全体としての視聴コストを安くすることが可能である。
【0082】
また、動画配信においては、時間帯によるコンテンツ配信の変化だけではなく、新規コンテンツの配信やキャンペーンなどにより通常想定以上のコンテンツ配信要求がある場合も想定されるが、このような場合も、余剰時間にキャンペーンを実施することや、保証値ではなくベストエフォート値を大きく指定することで、余剰設備を有効利用したイベント設定を可能にする。
【0083】
なお、本発明における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによりコンテンツ配信制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0084】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0085】
10 コンテンツ配信プラットフォーム
100 コンテンツ配信制御装置
110 通信部
120 コンテンツ配信制御部
130 判定部
131 システム共通値判定部
132 保証値判定部
133 ベストエフォート値判定部
134 剰余判定部
140 記憶部
141 システム共通値テーブル
142 コンテンツ情報テーブル
143 共通現在値テーブル
144 個別契約値テーブル
146 契約情報テーブル
147 個別現在値テーブル
150 現在値更新部
200 コンテンツ配信サーバ装置
210 配信回線
300 記憶装置
400 情報端末
500 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された情報端末からのコンテンツ配信要求に応じて、予め記憶されたコンテンツ情報を、当該コンテンツ情報の再生時間の間、継続して配信するコンテンツ配信サーバ装置が、前記コンテンツ配信要求を受信した際に、前記コンテンツ配信サーバ装置に前記コンテンツ情報を配信させるか否かを判定して配信の制御を行うコンテンツ配信制御装置であって、
前記コンテンツ配信サーバ装置からコンテンツ配信可能な利用帯域の閾値であるシステム共通値を記憶するシステム共通値記憶手段と、
前記コンテンツ情報を示す情報に対応付けて、当該コンテンツ情報を配信するために必要な利用帯域と、当該コンテンツ情報の再生時間とを記憶する利用帯域記憶手段と、
前記ネットワークを介して前記コンテンツ配信サーバ装置が配信中である前記コンテンツ情報の利用帯域の合算値を算出する現在値算出手段と、
予め定められた閾値を識別する閾値識別情報に対応付けて、時間帯と、前記コンテンツ情報の配信を保証する利用帯域の閾値である配信保証値と、前記ネットワークに余剰がある場合に当該情報端末に前記コンテンツ情報の配信を許可する利用帯域の閾値を示すベストエフォート値とを記憶する閾値記憶手段と、
前記利用帯域記憶手段から、前記コンテンツ配信要求によって要求された前記コンテンツ情報に対応する前記再生時間を読み出し、前記閾値記憶手段から、前記コンテンツ配信要求に含まれる前記閾値識別情報に対応し、かつ、現在時刻と、当該現在時刻に前記再生時間を加算した時刻との間に対応する前記時間帯に対応付けられた前記配信保証値と前記ベストエフォート値のうち、最小の値である最小配信保証値と最小ベストエフォート値とを読み出し、前記コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する前記利用帯域の値が、前記最小配信保証値より大きいと判定した場合に、当該利用帯域の値が、前記最小ベストエフォート値より小さいか否かを判定するベストエフォート値判定手段と、
前記ベストエフォート値判定手段が、前記コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する前記利用帯域の値が前記最小ベストエフォート値より小さいと判定した場合に、前記システム共通値と、前記現在値算出手段に算出された利用帯域の合算値との差である剰余利用帯域値を算出し、算出した当該剰余利用帯域値と、前記コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する前記利用帯域の値とに基づいて、前記コンテンツ情報を配信するか否かを判定するコンテンツ配信判定手段と、
を備えることを特徴とするコンテンツ配信制御装置。
【請求項2】
前記閾値記憶手段が記憶する前記配信保証値は、前記コンテンツ配信サーバ装置が配信する前記コンテンツ情報の同時配信数と、前記コンテンツ配信サーバ装置が配信する前記コンテンツ情報の同時配信容量数とを保証する閾値であり、
前記閾値記憶手段が記憶する前記ベストエフォート値は、前記ネットワークに余剰がある場合に前記コンテンツ情報の配信を許可するコンテンツ情報の同時配信数と、前記コンテンツ情報の同時配信容量数とを保証する閾値であること
を特徴とする請求項1に記載のコンテンツ配信制御装置。
【請求項3】
ネットワークを介して接続された情報端末からのコンテンツ配信要求に応じて、予め記憶されたコンテンツ情報を、当該コンテンツ情報の再生時間の間、継続して配信するコンテンツ配信サーバ装置が、前記コンテンツ配信要求を受信した際に、コンテンツ配信制御装置が、前記コンテンツ配信サーバ装置に前記コンテンツ情報を配信させるか否かを判定して配信の制御を行うコンテンツ配信制御方法であって、
コンテンツ配信制御装置の、
システム共通値記憶手段が、前記コンテンツ配信サーバ装置からコンテンツ配信可能な利用帯域の閾値であるシステム共通値を記憶するステップと、
利用帯域記憶手段が、前記コンテンツ情報を示す情報に対応付けて、当該コンテンツ情報を配信するために必要な利用帯域と、当該コンテンツ情報の再生時間とを示す値を記憶するステップと、
現在値算出手段が、前記ネットワークを介して前記コンテンツ配信サーバ装置が配信中である前記コンテンツ情報の利用帯域の合算値を算出するステップと、
閾値記憶手段が、予め定められた閾値を識別する閾値識別情報に対応付けて、時間帯と、前記コンテンツ情報の配信を保証する利用帯域の閾値である配信保証値と、前記ネットワークに余剰がある場合に当該情報端末に前記コンテンツ情報の配信を許可する利用帯域の閾値を示すベストエフォート値とを記憶するステップと、
ベストエフォート値判定手段が、前記利用帯域記憶手段から、前記コンテンツ配信要求によって要求された前記コンテンツ情報に対応する前記再生時間を読み出し、前記閾値記憶手段から、前記コンテンツ配信要求に含まれる前記閾値識別情報に対応し、かつ、現在時刻と、当該現在時刻に前記再生時間を加算した時刻との間に対応する前記時間帯に対応付けられた前記配信保証値と前記ベストエフォート値のうち、最小の値である最小配信保証値と最小ベストエフォート値とを読み出し、前記コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する前記利用帯域の値が、前記最小配信保証値より大きいと判定した場合に、当該利用帯域の値が、前記最小ベストエフォート値より小さいか否かを判定するステップと、
コンテンツ配信判定手段が、前記ベストエフォート値判定手段によって、前記コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する前記利用帯域の値が、前記最小ベストエフォート値より小さいと判定された場合に、前記システム共通値と、前記現在値算出手段に算出された利用帯域の合算値との差である剰余利用帯域値を算出し、算出した当該剰余利用帯域値と、前記コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する前記利用帯域の値とに基づいて、前記コンテンツ情報を配信するか否かを判定するステップと、
を備えることを特徴とするコンテンツ配信制御方法。
【請求項4】
ネットワークを介して接続された情報端末からのコンテンツ配信要求に応じて、予め記憶されたコンテンツ情報を、当該コンテンツ情報の再生時間の間、継続して配信するコンテンツ配信サーバ装置が、前記コンテンツ配信要求を受信した際に、前記コンテンツ配信サーバ装置に前記コンテンツ情報を配信させるか否かを判定して配信の制御を行うコンテンツ配信制御装置としてのコンピュータに、
システム共通値記憶手段が、前記コンテンツ配信サーバ装置からコンテンツ配信可能な利用帯域の閾値であるシステム共通値を記憶するステップと、
利用帯域記憶手段が、前記コンテンツ情報を示す情報に対応付けて、当該コンテンツ情報を配信するために必要な利用帯域と、当該コンテンツ情報の再生時間とを示す値を記憶するステップと、
現在値算出手段が、前記ネットワークを介して前記コンテンツ配信サーバ装置が配信中である前記コンテンツ情報の利用帯域の合算値を算出するステップと、
閾値記憶手段が、予め定められた閾値を識別する閾値識別情報に対応付けて、時間帯と、前記コンテンツ情報の配信を保証する利用帯域の閾値である配信保証値と、前記ネットワークに余剰がある場合に当該情報端末に前記コンテンツ情報の配信を許可する利用帯域の閾値を示すベストエフォート値とを記憶するステップと、
ベストエフォート値判定手段が、前記利用帯域記憶手段から、前記コンテンツ配信要求によって要求された前記コンテンツ情報に対応する前記再生時間を読み出し、前記閾値記憶手段から、前記コンテンツ配信要求に含まれる前記閾値識別情報に対応し、かつ、現在時刻と、当該現在時刻に前記再生時間を加算した時刻との間に対応する前記時間帯に対応付けられた前記配信保証値と前記ベストエフォート値のうち、最小の値である最小配信保証値と最小ベストエフォート値とを読み出し、前記コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する前記利用帯域の値が、前記最小配信保証値より大きいと判定した場合に、当該利用帯域の値が、前記最小ベストエフォート値より小さいか否かを判定するステップと、
コンテンツ配信判定手段が、前記ベストエフォート値判定手段によって、前記コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する前記利用帯域の値が、前記最小ベストエフォート値より小さいと判定された場合に、前記システム共通値と、前記現在値算出手段に算出された利用帯域の合算値との差である剰余利用帯域値を算出し、算出した当該剰余利用帯域値と、前記コンテンツ配信要求によって要求されたコンテンツ情報に対応する前記利用帯域の値とに基づいて、前記コンテンツ情報を配信するか否かを判定するステップと、
を実行させるコンテンツ配信制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−118927(P2011−118927A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37168(P2011−37168)
【出願日】平成23年2月23日(2011.2.23)
【分割の表示】特願2007−290827(P2007−290827)の分割
【原出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(000102728)株式会社エヌ・ティ・ティ・データ (438)
【Fターム(参考)】