コンバインの刈取回転数制御装置
【課題】コンバインの刈取回転数制御装置において、低速走行状態の刈取開始時の回転数設定を迅速に設定する。
【解決手段】刈取無段変速装置(19)のトラニオン軸調節モータを徐々に増速しながら刈取回転数が0rpmから上昇して初めて所定回転数を検出したトラニオン軸調節モータの調節位置をトラニオン軸位置検出センサ(SE1)で初期所定回転数として検出記憶し、自動制御運転において超低速走行での刈取搬送部(8)の回転数を初期所定回転数として設定し、刈取搬送部(8)の回転数が初期所定回転数より高いときには車速と関連した刈取回転数に制御する。
【解決手段】刈取無段変速装置(19)のトラニオン軸調節モータを徐々に増速しながら刈取回転数が0rpmから上昇して初めて所定回転数を検出したトラニオン軸調節モータの調節位置をトラニオン軸位置検出センサ(SE1)で初期所定回転数として検出記憶し、自動制御運転において超低速走行での刈取搬送部(8)の回転数を初期所定回転数として設定し、刈取搬送部(8)の回転数が初期所定回転数より高いときには車速と関連した刈取回転数に制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインの刈取回転数制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
走行装置を駆動する駆動力を変速して出力する走行変速装置と、前処理部を駆動する駆動力を変速して出力する前処理変速装置と、前処理変速装置の変速後の駆動速度を検出する駆動検出手段と、走行速度に対応させて前処理部を駆動するように、駆動検出手段の情報に基づいてアクチュエータを制御するコントローラとを設けたコンバインにおいて、前処理装置の変速操作量を検出する操作量検出手段を設け、コントローラを操作量検出手段の情報に基づきアクチュエータを作動させた後、駆動検出手段の情報に基づきアクチュエータを作動させるようにしたコンバインは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−328753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術にあっては、前処理装置の変速操作量を検出する操作量検出手段を設け、コントローラを操作量検出手段の情報に基づきアクチュエータを作動させた後、駆動検出手段の情報に基づきアクチュエータを再度作動させるようにしてフィードバックさせる構成であるので、制御が複雑となるという不具合が発生する。そこで、この発明は低速走行時における刈取部の回転数制御を簡単な制御とし迅速に設定しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、走行装置(2)への走行動力を変速する走行無段変速装置(15)と、該走行無段変速装置(15)を手動変速する走行変速レバーと、刈取搬送部(8)へ変速後の動力を伝達する刈取無段変速装置(19)と、該刈取無段変速装置(19)のトラニオン軸調節モータと、該トラニオン軸調節モータの調節位置を検出するトラニオン軸位置検出センサ(SE1)と、車速センサ(SE2)を備えたコンバインにおいて、調整モードにおいて前記刈取無段変速装置(19)のトラニオン軸調節モータを微弱駆動を開始して徐々に増速しながら前記刈取回転数検出センサ(SE3)により刈取回転数を検出し、刈取回転数が0rpmから上昇して初めて所定回転数を検出した前記トラニオン軸調節モータの調節位置をトラニオン軸位置検出センサ(SE1)で初期所定回転数として検出記憶するコントローラ(35)を設け、刈取回転数自動制御運転において超低速走行での前記刈取搬送部(8)の回転数を前記初期所定回転数として設定し、前記刈取搬送部(8)の回転数が前記初期所定回転数より高いときには車速と関連した刈取回転数に制御するコントローラ(35)を設けたことを特徴とするコンバインの刈取回転制御装置とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、超低速走行での刈取搬送部(8)の刈取作業開始時の前記初期所定回転数を設定するにあたり、刈取回転数が前記初期所定回転数を超えて初期上限回転数以上への回転を停止するコントローラ(35)を備えたことを特徴とする請求項1記載のコンバインの刈取回転制御装置とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によると、超低速走行時の刈取作業数である初期所定回転数を簡単に設定しながら制御することができ、制御を簡単にしながら刈取搬送部(8)の安定した初期回転数を迅速に保証し、円滑な刈取作業をすることができる。
【0008】
請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、刈取回転数の無制限の上昇を抑制しながら、刈取搬送部(8)を初期所定回転数を安定して設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】コンバインの側面図である。
【図2】コンバインの平面図である。
【図3】コンバインの伝動展開図である。
【図4】制御ブロック図である。
【図5】制御フローチャートである。
【図6】制御フローチャートである。
【図7】制御フローチャートである。
【図8】制御フローチャートである。
【図9】制御ブロック図である。
【図10】無段変速装置の変速状態と車速との関連を示す図である。
【図11】コンバインの斜視図である。
【図12】圃場面と分草杆の平面図である。
【図13】制御ブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に示すこの発明の実施例について説明する。
コンバイン1の走行車体2の下方には、左右一対のクローラ走行装置3,3を配設し、走行車体2上には、右側前部に操縦部4を、左側前部に脱穀部5を、操縦部4の後方にグレンタンク6を、脱穀部5及びグレンタンク6の後方に排稾処理装置7をそれぞれ配設している。操縦部4及び脱穀部5の前方には、植立穀稈を分草引起しながら刈り取り後方の脱穀部5に向けて搬送する刈取搬送部8を昇降自在に設けている。
【0011】
次に、図3に基づきコンバインの伝動構成について説明する。
エンジンEの左右一側の出力軸11から排出伝動装置12を経由して穀粒排出装置13を駆動し、グレンタンク6の穀粒を排出するようにしている。また、左右他側の出力軸11から走行ベルト伝動装置14を経て静油圧式の走行無段変速装置15に動力を伝達し、走行無段変速装置15を走行変速レバー17(図2に示す)で手動変速した走行動力をミッションケース16内の伝動装置を経由して左右クローラ走行装置2,2に伝達している。
【0012】
また、左右他側の出力軸11から刈取・脱穀伝動装置18を経由して刈取搬送部8駆動用の静油圧式の刈取無段変速装置19へ動力を伝達している。刈取無段変速装置19で変速された刈取動力が刈取入力軸20に入力され、刈取無段変速装置19の変速された動力で刈刃装置及び穀稈搬送装置が駆動されると共に、脱穀部5のフィードチェン21が駆動される。
【0013】
また、刈取・脱穀伝動装置18の下手側から脱穀伝動装置22に脱穀動力を分岐し、この脱穀伝動装置22を経由して脱穀部5の排稾搬送装置23、二番処理胴24、排塵処理胴25、扱胴26、唐箕27、一番揚穀装置28、第2唐箕29、二番揚穀装置30、排塵ファン31、揺動選別棚32及び排稾処理装置7に動力を伝達している。
【0014】
次に、図4〜図8に基づきコンバインの刈取搬送部8の回転数制御構成について説明する。
コントローラ35の入力側には、刈取・脱穀クラッチレバー(図示省略)の入切検出用の刈取・脱穀クラッチレバー検出スイッチSW1、刈取無段変速装置19減速用の刈取減速スイッチSW2、刈取無段変速装置19増速用の刈取増速スイッチSW3を、デジタル信号入力処理回路を経由して刈取回転制御手段35aに接続している。また、刈取無段変速装置19のトラニオン軸調節モータの調節位置を検出するトラニオン軸検出センサSE1をアナログ信号入力処理回路を経由して刈取回転制御手段35aに接続している。
【0015】
また、車速センサSE2をパルス入力処理回路を経由して車速カウント処理手段に接続し、刈取搬送部8の回転数を検出する刈取回転数検出センサSE3を、パルス入力処理回路を経由して刈取回転カウント処理手段に接続し、これらの検出情報を刈取回転制御手段35aに入力するように構成している。
【0016】
また、コントローラ35の刈取増減速出力処理手段から刈取増速モータリレー37、刈取減速モータリレー38に制御指令が出力され、刈取無段変速装置19のトラニオン軸調節モータが増減調節される。
【0017】
刈取無段変速装置19のトラニオン軸調節モータをコントローラ35の指令により調節可能に構成し、刈取無段変速装置19の変速状態を検出するトラニオン軸位置検出センサSE1を備えたコンバインにおいて、次のような制御を行なうものである。
【0018】
モード設定手段(図示省略)によりセンサ調整モードに設定した状態において、刈取無段変速装置19のトラニオン軸調節モータを所定の微弱調節により徐々に増速調節し、刈取回転数検出センサSE3により刈取回転数を常時検出し、刈取回転数が0rpmから上昇して初めて所定回転数を検出したときのトラニオン軸調節モータの調節位置を、トラニオン軸位置検出センサSE1で検出し、これを初期所定回転数として記憶装置に記憶する。そして、刈取搬送部8の回転数自動制御運転状態で超低速で刈取作業を開始するにあたり、まず記憶した前記初期所定回転数までトラニオン軸調節モータを調節駆動し、刈取搬送部8の刈刃装置及び穀稈搬送装置を駆動し刈取作業を開始する。そして、刈取回転数が前記初期設定回転数を超えると、コントローラ35により走行速度と関連した刈取回転数に調節制御するものである。
【0019】
コンバインの刈取回転数制御において、車速との連動により刈取回転数を設定し、当該回転数となるようにトラニオン軸調節モータを制御するものがある。この方法では、刈取作業開始時の超低速時に刈取回転数の設定ができなかったり、また、刈取回転数の増減を繰り返す所謂ハンチングを起こす不具合があった。
【0020】
しかし、前記構成によると、初期所定回転数の設定を簡単に行なうことができ、また、刈取作業開始時の超低速走行状態でも刈取回転数を初期所定回転数に迅速に設定することができ、刈取搬送部8を安定した初期所定回転数で駆動し、円滑な刈取作業を開始することができる。
【0021】
また、刈取搬送部8の刈取開始時の前記初期所定回転数を設定するにあたり、トラニオン軸調節モータを所定の微弱動作により徐々に回転数増速方向に調節しながら、常に刈取回転数を刈取回転数検出センサSE3で検出し、刈取回転が0rpmから順次上昇し初めて所定回転数に到達したことをトラニオン軸位置検出センサSE1が検出すると、トラニオン軸調節モータへの調節出力を所定時間停止し、その後に微小所定時間にわたりトラニオン軸調節モータを逆方向の回転数減少側に調節して停止し、そのときのトラニオン軸調節モータの調節位置をトラニオン軸位置検出センサSE1で検出記憶し、この値を刈取作業開始時の初期所定回転数として設定するようにしてもよい。
【0022】
前記構成によると、初期所定回転数を記憶する際のオーバーシュートまたは回転数検出の遅れを防止し、超低速走行状態での作業開始時の刈取回転数を安定した回転数とすることができる。
【0023】
また、前記初期所定回転数の設定において、センサ調整モードにより刈取回転数の設定を可能とし、センサ調整モードの実行中に、トラニオン軸調節モータを所定の微弱動作により徐々に増速調節しながら、刈取回転数検出センサSE3で刈取回転数を常時検出し、所定の上限回転数を検出したトラニオン軸調節モータの調節位置をトラニオン軸位置検出センサSE1で検出記憶する。そして、刈取作業開始時の初期所定回転数の設定にもかかわらず、前記上限所定回転数以上にトラニオン軸調節モータを駆動させようとした場合には、トラニオン軸調節モータの駆動を停止するようにしている。
【0024】
また、前記初期所定回転数の設定において、前記上限目標回転数以上にトラニオン軸調節モータを調節しようとした場合には、トラニオン軸調節モータを回転数減少側に調節するようにしてもよい。このように構成すると、刈取作業開始時の極端な刈取回転数の上昇を抑えつつ、作業負荷にも対応した回転数とし円滑に刈取作業を開始することができる。
【0025】
また、前記刈取回転数の制御装置において、チエック(整備)モードの設定をコントローラ35に入力すると、チエック(整備)モードに移行可能に構成している。そして、当該チエックモードに移行し、例えば、刈取減速スイッチSW2を所定時間以上継続してON操作したときには、トラニオン軸位置検出センサSE1のセンサ位置記憶モードに移行する。しかして、刈取回転数が0rpmから上昇して初めて所定回転数を検出したときのトラニオン軸調節モータの調節位置を、トラニオン軸位置検出センサSE1により検出し記憶装置に記憶する。
【0026】
前記構成によると、チエックモードの移行及び刈取作業開始時の初期回転数設定操作を簡単にすることができる。
また、前記刈取回転数の制御装置において、チエックモードにおいて、例えば、刈取増速スイッチを所定時間以上継続してON操作したときには、センサ上限回転位置記憶モードに移行するようにしている。しかして、トラニオン軸調節モータを所定の微弱動作状態から徐々に回転数を増速調節しながら、刈取回転数検出センサSE3により常に回転数を検出し、回転数が所定の上限回転数を検出したときのトラニオン軸調節モータの調節位置を、トラニオン軸位置検出センサSE1により検出し記憶する。このように構成すると、チエックモードの移行及び刈取作業開始時の上限回転数の設定を簡単にすることができる。
【0027】
次に、図5に基づき制御の流れについて説明する。
本制御が開始すると、刈取回転数の読み込みが開始され(ステップS1)、整備モードであり(ステップS2)、エンジン回転数が500rpm以下で(ステップS3)、刈取・脱穀クラッチレバーが入りの場合には(ステップS4)、刈取回転開始位置の調整か否かを判定する(ステップS5)。
【0028】
Noの場合には、刈取減速スイッチSW2がONか否かを判定し(ステップS6)、Noの場合には、刈取回転開始位置調整モードの前回の記憶を解除する(ステップS7)。また、Yesのときには、刈取減速スイッチSW2の監視時間のカウントを開始し(ステップS8)、監視時間が経過すると(ステップS9)、刈取回転数が0rpmより高いか否かを判定し(ステップS10)、Yesであると、刈取回転数の減速側出力をセットし(ステップS11)、Noのときには、刈取回転開始位置の調整モードであることを記憶し(ステップS12)、前記ステップS1に戻る。
【0029】
また、刈取回転開始位置の調整か否かを判定し(ステップS5)、Yesのときには、刈取回転数が0rpm以上か否かを判定し(ステップS13)、Yesのときには、刈取回転数減速出力時間のカウントを開始し(ステップS14)、刈取回転数減速出力時間が経過したか否かを判定する(ステップS15)。Noであると、刈取回転数減速出力をセットし(ステップS16)、Yesのときには、刈取トラニオン軸調節モータの調整位置を記憶し(ステップS17)、刈取回転数開始位置調整モードの前回の記憶を解除する(ステップS18)。
【0030】
また、刈取回転数が0rpm以上か否かを判定し(ステップS13)、Noのときには、刈取減速出力時間を初期化し(ステップS19)、刈取増速出力時間のカウントを開始し(ステップS20)、刈取増速出力時間が経過したか否かを判定し(ステップS21)、Yesであると、刈取増速出力休止時間のカウントを開始し(ステップS22)、刈取増速出力休止時間が経過すると(ステップS23)、刈取増速出力時間を初期化し(ステップS24)、前記ステップS1に戻る。
【0031】
また、刈取増速出力時間が経過したか否かを判定し(ステップS21)、Noのときには、刈取増速出力をセットし(ステップS25)、刈取増速出力休止時間を初期化し(ステップS26)、前記ステップS1に戻る。
【0032】
次に、図6について説明する。
制御を開始すると、刈取回転数の読み込みが開始され、エンジン回転数が500rpm以上で(ステップS31)、刈取・脱穀クラッチレバーが入りの場合には(ステップS32)、車速センサSE2の検出情報を読み込み(ステップS33)、車速が低速走行速度限界の超低速か否かを判定する(ステップS34)。Yesであると、刈取無段変速装置19の刈取トラニオン軸調節モータの調節位置が刈取初期設定回転数より速いか否かを判定し(ステップS35)、Noであると、刈取回転数の増加出力をし(ステップS36)、また、Yesであると、通常刈取回転数制御である車速に関連した刈取回転数制御を実行する。
【0033】
次に、図7について説明する。
本制御が開始すると、刈取回転数の読み込みが開始され(ステップS41)、整備モードであるか否かを判定し(ステップS42)、Noであると、刈取回転上限位置調整モードの前回の記憶を解除する(ステップS47)。また、エンジン回転数が500rpm以上の場合には(ステップS43)、刈取・脱穀クラッチレバーが入りか否かを判定し(ステップS44)、Yesの場合には、刈取回転上限位置の調整か否かを判定する(ステップS45)。
【0034】
Noの場合には、刈取増速スイッチSW3がONか否かを判定し(ステップS46)、No場合には、刈取回転上限位置調整モードの前回の記憶を解除し(ステップS47)、前記ステップS41に戻る。Yesのときには、刈取増速監視時間のカウントを開始し(ステップS48)、増速監視時間が経過すると(ステップS49)、刈取回転数が0rpmより高いか否かを判定する(ステップS50)。Yesであると、刈取回転数の減速側出力をセットし(ステップS51)、前記ステップS1に戻る。また、Noのときには、刈取回転上限位置を調整モードの基準値として記憶する(ステップS52)。
【0035】
刈取回転開始上限位置の調整か否かを判定し(ステップS45)、Yesであると、検出刈取回転数が上限回転数以上か否かを判定し(ステップS53)、Yesであると、刈取減速出力時間のカウントを開始し(ステップS54)、刈取減速出力時間が経過したか否かを判定し(ステップS55)、Noであると、刈取減速出力をセットする(ステップS56)。また、Yesのときには、刈取トラニオン軸調節モータの調整位置を刈取回転数上限位置として記憶し(ステップS57)、刈取回転数上限位置調整モードの前回の記憶を解除する(ステップS58)。
【0036】
また、刈取回転数が上限回転数より高いか否かを判定し(ステップS53)、Noであると、刈取増速出力時間を初期化し(ステップS59)、刈取増速出力時間のカウントを開始し(ステップS60)、刈取増速出力時間が経過したか否かを判定する(ステップS61)。Yesであると、刈取増速出力休止時間のカウントを開始し(ステップS62)、刈取増速出力休止時間が経過すると(ステップS63)、刈取増速出力休止時間を初期化し(ステップS64)、前記ステップS41に戻る。
【0037】
また、刈取増速出力時間が経過したか否かを判定し(ステップS61)、Noであると、刈取増速出力をセットし(ステップS65)、刈取増速出力休止時間を初期化し(ステップS66)、前記ステップS41に戻る。
【0038】
次に、図8について説明する。
制御を開始すると、刈取回転数の読み込みが開始され、エンジンの回転数が500rpm以上で(ステップS71)、刈取・脱穀クラッチレバーが入りの場合には(ステップS72)、車速センサSE2の検出情報を読み込み(ステップS73)、車速が低速走行速度の限界か否かを判定する(ステップS74)。Yesであると、車速に関連した目標刈取回転数を算出し(ステップS75)、検出刈取回転数が初期刈取目標回転数より低いか否かを判定し(ステップS76)、Yesであると、刈取トラニオン軸調節モータ調節位置が刈取回転数上限位置より高いか否かを判定し(ステップS77)、Yesであると、刈取トラニオン軸調節モータ出力電流値を弱くし(ステップS79)、刈取増速出力をする(ステップS80)。また、Noであると、刈取トラニオン軸調節モータの出力電流値を強くし(ステップS78)、刈取増速出力をする(ステップS80)。
【0039】
次に、図1、図2、図9及び図10に基づきコンバインにおける排出オーガ41の作動状態と車速の関連制御について説明する。
エンジンからクローラ走行装置3,3への動力伝達経路には、主変速用無段変速装置及び副変速用無段変速装置を備えている。グレンタンク6には排出オーガ41を設け、スイッチ操作により排出オーガ41を側面視で上下回動自在に、また、平面視で旋回させて穀粒を排出するように構成している。
【0040】
また、図9に示すように、走行制御用のコントローラ35の入力側には、主変速用無段変速装置操作用の主変速レバーの操作位置を検出する主変速ポジションセンサSE4と、副変速用無段変速装置操作用の副変速レバーの操作位置を検出する副変速ポジションセンサSE5と、排出オーガ41の旋回状態を検出する排出オーガ旋回ポジションSE6と、排出オーガ41の上下回動を検出する排出オーガ上下ポジションセンサSE7を接続している。
【0041】
また、コントローラ35の出力側には、主変速用無段変速装置のトラニオン軸前進作動用の前進バルブV1と、主変速用無段変速装置のトラニオン軸後作動作用の後進バルブV2と、副変速用無段変速装置のトラニオン軸作動用の副変速バルブV3を、駆動回路経由で接続している。
【0042】
次に、コントローラ35の制御内容について説明する。
排出オーガ旋回ポジションセンサSE6及び排出オーガ上下ポジションセンサSE7が排出オーガ41の収納状態にあることを検出すると、図10に示す高速制御基準線aに基づき副変速用無段変速装置のトラニオン軸が調節され、コンバインを高速で走行させることができる。
【0043】
また、排出オーガ旋回ポジションセンサSE6及び排出オーガ上下ポジションセンサSE7により排出オーガ41が収納位置にないことを検出すると、図10に示す低速制御基準線bに基づき副変速用無段変速装置のトラニオン軸が調節され、低速で走行させることができる。
【0044】
なお、排出オーガ41の図1及び図2の図示状態は、排出オーガ41が下方に回動し、且つ、平面視で機体幅内の所定位置にある収納状態を示している。
排出オーガ41の収納を忘れた状態で急発進したり、あるいは、急加速を行なうと、排出オーガ41を破損させたり、周囲の物体に衝突させるという不具合が発生する。
【0045】
しかし、前記構成によると、排出オーガ41が収納位置にないときは、車速を低く設定することができ、排出オーガ41の収納忘れに伴う不具合を少なくすることができる。
また、排出オーガ旋回ポジションセンサSE6及び排出オーガ上下ポジションセンサSE7により排出オーガ41が収納位置にないことを検出すると、収納位置にあると検出した場合に比較して、主変速レバーの操作位置に対応する加速を鈍くするように構成しても、同様の効果が期待できる。
【0046】
また、排出オーガ旋回ポジションセンサSE6及び排出オーガ上下ポジションセンサSE7により排出オーガ41が収納位置にないことを検出すると、主変速レバーの操作位置が中立位置、前進変速位置あるいは後進変速位置のいずれにあっても、主変速レバーの操作位置に関係なく、収納位置にある場合に比較して、変速速度を低く設定する。
【0047】
また、排出オーガ旋回ポジションセンサSE6及び排出オーガ上下ポジションセンサSE7により排出オーガ41が非収納位置から収納位置に戻ったことを検出した場合には、主変速レバーが現在操作位置よりも増速側に操作されるまでは、変速速度の低い状態を維持する。そして、主変速レバーが現在の操作位置よりも増速側に操作されると、車速を増速させるようするようにしている。
【0048】
前記構成によると、走行中に排出オーガ41が収納位置に戻されても、すぐに増速されることがなく、主変速レバーを増速位置に操作して初めて車速が増速されるので、オペレータの運転意識と走行速度が一致し安全である。
【0049】
また、自動張り出しスイッチを操作し、排出オーガ41を収納位置から自動的に穀粒排出位置への移動を開始すると、主変速レバーの操作位置の通常の車速よりも低速に設定できるようにしている。
【0050】
前記構成によると、自動張り出しスイッチの操作に関連して走行速度が減速されるので、オペレータの操縦の違和感をなくし走行速度の減速をすることができる。
次に、図11〜図13に基づきコンバインの刈高さ制御について説明する。
【0051】
コンバインの刈取搬送部8の刈高さ制御をするにあたり、刈取搬送部8の前面右側端部の所定高さに2個のカメラ46,46を設けている。
図13に示すように、コントローラ35の入力側には、刈高さ制御スイッチSW4と、刈取搬送部8の刈高さを検出する刈取ポジションセンサSE8と、刈取・脱穀クラッチの入切を検出する刈取・脱穀クラッチスイッチSW5と、車速センサSE9を、入力インターフェイスを経由して接続している。また、前記カメラ46,46を画像処理マイクロコンピュータを経由してコントローラ35に接続している。また、コントローラ35の出力側には、出力インターフェイスを経由して、刈取搬送部8上昇用ソレノイドSL1と、刈取搬送部8下降用ソレノイドSL2と、刈取搬送部8昇降用比例流量弁ソレノイドSL3とを接続している。
【0052】
カメラ46,46により右側端部の分草杆47の先端の対地高さを検出し、コントローラ35の指令により刈取搬送部8の刈高さを設定高さになるように制御している。
前記構成によると、湿田等のやわらかい地面でも、刈取搬送部8の対地刈高さ制御を安定して行なうことができる。
【0053】
また、コンバインの刈取搬送部8の刈高さ制御装置において、刈取搬送部8の前面右側端部と前面左側端部の所定高さに、それぞれ2個のカメラ46,46を設け、右側端部の分草杆47先端の対地高さと、左側端部の分草杆47先端の対地高さを検出し、コントローラ35の指令により、検出対地高さが低い方の分草杆47の先端が設定高さとなるように刈高さ制御をする。このように構成すると、分草杆47の地面への突入を防止しながら安定した刈高さ制御をすることができる。
【0054】
また、次のように構成してもよい。刈取搬送部8の前面右側端部の所定高さに2個のカメラ46,46を設け、右側端部の分草杆47先端の対地高さを検出し、コントローラ35の指令により、刈取搬送部8の刈高さが設定高さになるように制御する刈高さ制御装置において、カメラ46,46により刈取搬送部8の前方の未刈取り穀稈の有無を検出し、未刈取り穀稈がある場合には、例えば、刈取・脱穀クラッチの入り状態の刈取待機状態にあるときには、刈取搬送部8の刈高さ位置が設定刈高さよりも高い場合には、刈取搬送部8の分草杆47先端と未刈取り穀稈との間が所定距離に接近すると、自動的に刈取搬送部8を設定刈高さまで下げる下降制御する。
【0055】
また、カメラ46,46により刈取搬送部8の前方の未刈取り穀稈の有無を検出し、未刈取り穀稈がない場合において、刈取搬送部8の分草杆47に設けた刈取穀稈有無センサが刈取穀稈無しの検出をすると、刈取搬送部8を所定の高さまで自動的に上昇するようする。
【0056】
前記構成によると、オペレータの運転操作を楽にしながら刈取穀稈を所定刈高さで刈り取ることができる。また、刈取穀稈の有無検出が正確になり、刈取搬送部8の正確な刈高さ昇降制御をすることができる。
【0057】
また、次のように構成してもよい。前記刈高さ制御装置において、カメラ46,46により未刈取穀稈の高さを検出し、基準高さより低く未刈取穀稈の倒伏状態と判定した場合には、コンバインの走行速度を所定速度以下に減速し、且つ、刈取搬送部8の穀稈引起し装置の引起し速度を倒伏穀稈に対応するように高速引起し状態に切り換えるようにする。
【0058】
前記構成によると、オペレータの運転操作を楽にしながら、刈取穀稈を適切に引起し所定刈高さで刈り取ることができる。
【符号の説明】
【0059】
8 刈取搬送部
19 刈取無段変速装置
35 コントローラ
SE1 トラニオン軸位置検出センサ
SE3 刈取回転数検出センサ
【技術分野】
【0001】
この発明は、コンバインの刈取回転数制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
走行装置を駆動する駆動力を変速して出力する走行変速装置と、前処理部を駆動する駆動力を変速して出力する前処理変速装置と、前処理変速装置の変速後の駆動速度を検出する駆動検出手段と、走行速度に対応させて前処理部を駆動するように、駆動検出手段の情報に基づいてアクチュエータを制御するコントローラとを設けたコンバインにおいて、前処理装置の変速操作量を検出する操作量検出手段を設け、コントローラを操作量検出手段の情報に基づきアクチュエータを作動させた後、駆動検出手段の情報に基づきアクチュエータを作動させるようにしたコンバインは、公知である(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−328753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術にあっては、前処理装置の変速操作量を検出する操作量検出手段を設け、コントローラを操作量検出手段の情報に基づきアクチュエータを作動させた後、駆動検出手段の情報に基づきアクチュエータを再度作動させるようにしてフィードバックさせる構成であるので、制御が複雑となるという不具合が発生する。そこで、この発明は低速走行時における刈取部の回転数制御を簡単な制御とし迅速に設定しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明は、走行装置(2)への走行動力を変速する走行無段変速装置(15)と、該走行無段変速装置(15)を手動変速する走行変速レバーと、刈取搬送部(8)へ変速後の動力を伝達する刈取無段変速装置(19)と、該刈取無段変速装置(19)のトラニオン軸調節モータと、該トラニオン軸調節モータの調節位置を検出するトラニオン軸位置検出センサ(SE1)と、車速センサ(SE2)を備えたコンバインにおいて、調整モードにおいて前記刈取無段変速装置(19)のトラニオン軸調節モータを微弱駆動を開始して徐々に増速しながら前記刈取回転数検出センサ(SE3)により刈取回転数を検出し、刈取回転数が0rpmから上昇して初めて所定回転数を検出した前記トラニオン軸調節モータの調節位置をトラニオン軸位置検出センサ(SE1)で初期所定回転数として検出記憶するコントローラ(35)を設け、刈取回転数自動制御運転において超低速走行での前記刈取搬送部(8)の回転数を前記初期所定回転数として設定し、前記刈取搬送部(8)の回転数が前記初期所定回転数より高いときには車速と関連した刈取回転数に制御するコントローラ(35)を設けたことを特徴とするコンバインの刈取回転制御装置とする。
【0006】
請求項2記載の発明は、超低速走行での刈取搬送部(8)の刈取作業開始時の前記初期所定回転数を設定するにあたり、刈取回転数が前記初期所定回転数を超えて初期上限回転数以上への回転を停止するコントローラ(35)を備えたことを特徴とする請求項1記載のコンバインの刈取回転制御装置とする。
【発明の効果】
【0007】
請求項1記載の発明によると、超低速走行時の刈取作業数である初期所定回転数を簡単に設定しながら制御することができ、制御を簡単にしながら刈取搬送部(8)の安定した初期回転数を迅速に保証し、円滑な刈取作業をすることができる。
【0008】
請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、刈取回転数の無制限の上昇を抑制しながら、刈取搬送部(8)を初期所定回転数を安定して設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】コンバインの側面図である。
【図2】コンバインの平面図である。
【図3】コンバインの伝動展開図である。
【図4】制御ブロック図である。
【図5】制御フローチャートである。
【図6】制御フローチャートである。
【図7】制御フローチャートである。
【図8】制御フローチャートである。
【図9】制御ブロック図である。
【図10】無段変速装置の変速状態と車速との関連を示す図である。
【図11】コンバインの斜視図である。
【図12】圃場面と分草杆の平面図である。
【図13】制御ブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面に示すこの発明の実施例について説明する。
コンバイン1の走行車体2の下方には、左右一対のクローラ走行装置3,3を配設し、走行車体2上には、右側前部に操縦部4を、左側前部に脱穀部5を、操縦部4の後方にグレンタンク6を、脱穀部5及びグレンタンク6の後方に排稾処理装置7をそれぞれ配設している。操縦部4及び脱穀部5の前方には、植立穀稈を分草引起しながら刈り取り後方の脱穀部5に向けて搬送する刈取搬送部8を昇降自在に設けている。
【0011】
次に、図3に基づきコンバインの伝動構成について説明する。
エンジンEの左右一側の出力軸11から排出伝動装置12を経由して穀粒排出装置13を駆動し、グレンタンク6の穀粒を排出するようにしている。また、左右他側の出力軸11から走行ベルト伝動装置14を経て静油圧式の走行無段変速装置15に動力を伝達し、走行無段変速装置15を走行変速レバー17(図2に示す)で手動変速した走行動力をミッションケース16内の伝動装置を経由して左右クローラ走行装置2,2に伝達している。
【0012】
また、左右他側の出力軸11から刈取・脱穀伝動装置18を経由して刈取搬送部8駆動用の静油圧式の刈取無段変速装置19へ動力を伝達している。刈取無段変速装置19で変速された刈取動力が刈取入力軸20に入力され、刈取無段変速装置19の変速された動力で刈刃装置及び穀稈搬送装置が駆動されると共に、脱穀部5のフィードチェン21が駆動される。
【0013】
また、刈取・脱穀伝動装置18の下手側から脱穀伝動装置22に脱穀動力を分岐し、この脱穀伝動装置22を経由して脱穀部5の排稾搬送装置23、二番処理胴24、排塵処理胴25、扱胴26、唐箕27、一番揚穀装置28、第2唐箕29、二番揚穀装置30、排塵ファン31、揺動選別棚32及び排稾処理装置7に動力を伝達している。
【0014】
次に、図4〜図8に基づきコンバインの刈取搬送部8の回転数制御構成について説明する。
コントローラ35の入力側には、刈取・脱穀クラッチレバー(図示省略)の入切検出用の刈取・脱穀クラッチレバー検出スイッチSW1、刈取無段変速装置19減速用の刈取減速スイッチSW2、刈取無段変速装置19増速用の刈取増速スイッチSW3を、デジタル信号入力処理回路を経由して刈取回転制御手段35aに接続している。また、刈取無段変速装置19のトラニオン軸調節モータの調節位置を検出するトラニオン軸検出センサSE1をアナログ信号入力処理回路を経由して刈取回転制御手段35aに接続している。
【0015】
また、車速センサSE2をパルス入力処理回路を経由して車速カウント処理手段に接続し、刈取搬送部8の回転数を検出する刈取回転数検出センサSE3を、パルス入力処理回路を経由して刈取回転カウント処理手段に接続し、これらの検出情報を刈取回転制御手段35aに入力するように構成している。
【0016】
また、コントローラ35の刈取増減速出力処理手段から刈取増速モータリレー37、刈取減速モータリレー38に制御指令が出力され、刈取無段変速装置19のトラニオン軸調節モータが増減調節される。
【0017】
刈取無段変速装置19のトラニオン軸調節モータをコントローラ35の指令により調節可能に構成し、刈取無段変速装置19の変速状態を検出するトラニオン軸位置検出センサSE1を備えたコンバインにおいて、次のような制御を行なうものである。
【0018】
モード設定手段(図示省略)によりセンサ調整モードに設定した状態において、刈取無段変速装置19のトラニオン軸調節モータを所定の微弱調節により徐々に増速調節し、刈取回転数検出センサSE3により刈取回転数を常時検出し、刈取回転数が0rpmから上昇して初めて所定回転数を検出したときのトラニオン軸調節モータの調節位置を、トラニオン軸位置検出センサSE1で検出し、これを初期所定回転数として記憶装置に記憶する。そして、刈取搬送部8の回転数自動制御運転状態で超低速で刈取作業を開始するにあたり、まず記憶した前記初期所定回転数までトラニオン軸調節モータを調節駆動し、刈取搬送部8の刈刃装置及び穀稈搬送装置を駆動し刈取作業を開始する。そして、刈取回転数が前記初期設定回転数を超えると、コントローラ35により走行速度と関連した刈取回転数に調節制御するものである。
【0019】
コンバインの刈取回転数制御において、車速との連動により刈取回転数を設定し、当該回転数となるようにトラニオン軸調節モータを制御するものがある。この方法では、刈取作業開始時の超低速時に刈取回転数の設定ができなかったり、また、刈取回転数の増減を繰り返す所謂ハンチングを起こす不具合があった。
【0020】
しかし、前記構成によると、初期所定回転数の設定を簡単に行なうことができ、また、刈取作業開始時の超低速走行状態でも刈取回転数を初期所定回転数に迅速に設定することができ、刈取搬送部8を安定した初期所定回転数で駆動し、円滑な刈取作業を開始することができる。
【0021】
また、刈取搬送部8の刈取開始時の前記初期所定回転数を設定するにあたり、トラニオン軸調節モータを所定の微弱動作により徐々に回転数増速方向に調節しながら、常に刈取回転数を刈取回転数検出センサSE3で検出し、刈取回転が0rpmから順次上昇し初めて所定回転数に到達したことをトラニオン軸位置検出センサSE1が検出すると、トラニオン軸調節モータへの調節出力を所定時間停止し、その後に微小所定時間にわたりトラニオン軸調節モータを逆方向の回転数減少側に調節して停止し、そのときのトラニオン軸調節モータの調節位置をトラニオン軸位置検出センサSE1で検出記憶し、この値を刈取作業開始時の初期所定回転数として設定するようにしてもよい。
【0022】
前記構成によると、初期所定回転数を記憶する際のオーバーシュートまたは回転数検出の遅れを防止し、超低速走行状態での作業開始時の刈取回転数を安定した回転数とすることができる。
【0023】
また、前記初期所定回転数の設定において、センサ調整モードにより刈取回転数の設定を可能とし、センサ調整モードの実行中に、トラニオン軸調節モータを所定の微弱動作により徐々に増速調節しながら、刈取回転数検出センサSE3で刈取回転数を常時検出し、所定の上限回転数を検出したトラニオン軸調節モータの調節位置をトラニオン軸位置検出センサSE1で検出記憶する。そして、刈取作業開始時の初期所定回転数の設定にもかかわらず、前記上限所定回転数以上にトラニオン軸調節モータを駆動させようとした場合には、トラニオン軸調節モータの駆動を停止するようにしている。
【0024】
また、前記初期所定回転数の設定において、前記上限目標回転数以上にトラニオン軸調節モータを調節しようとした場合には、トラニオン軸調節モータを回転数減少側に調節するようにしてもよい。このように構成すると、刈取作業開始時の極端な刈取回転数の上昇を抑えつつ、作業負荷にも対応した回転数とし円滑に刈取作業を開始することができる。
【0025】
また、前記刈取回転数の制御装置において、チエック(整備)モードの設定をコントローラ35に入力すると、チエック(整備)モードに移行可能に構成している。そして、当該チエックモードに移行し、例えば、刈取減速スイッチSW2を所定時間以上継続してON操作したときには、トラニオン軸位置検出センサSE1のセンサ位置記憶モードに移行する。しかして、刈取回転数が0rpmから上昇して初めて所定回転数を検出したときのトラニオン軸調節モータの調節位置を、トラニオン軸位置検出センサSE1により検出し記憶装置に記憶する。
【0026】
前記構成によると、チエックモードの移行及び刈取作業開始時の初期回転数設定操作を簡単にすることができる。
また、前記刈取回転数の制御装置において、チエックモードにおいて、例えば、刈取増速スイッチを所定時間以上継続してON操作したときには、センサ上限回転位置記憶モードに移行するようにしている。しかして、トラニオン軸調節モータを所定の微弱動作状態から徐々に回転数を増速調節しながら、刈取回転数検出センサSE3により常に回転数を検出し、回転数が所定の上限回転数を検出したときのトラニオン軸調節モータの調節位置を、トラニオン軸位置検出センサSE1により検出し記憶する。このように構成すると、チエックモードの移行及び刈取作業開始時の上限回転数の設定を簡単にすることができる。
【0027】
次に、図5に基づき制御の流れについて説明する。
本制御が開始すると、刈取回転数の読み込みが開始され(ステップS1)、整備モードであり(ステップS2)、エンジン回転数が500rpm以下で(ステップS3)、刈取・脱穀クラッチレバーが入りの場合には(ステップS4)、刈取回転開始位置の調整か否かを判定する(ステップS5)。
【0028】
Noの場合には、刈取減速スイッチSW2がONか否かを判定し(ステップS6)、Noの場合には、刈取回転開始位置調整モードの前回の記憶を解除する(ステップS7)。また、Yesのときには、刈取減速スイッチSW2の監視時間のカウントを開始し(ステップS8)、監視時間が経過すると(ステップS9)、刈取回転数が0rpmより高いか否かを判定し(ステップS10)、Yesであると、刈取回転数の減速側出力をセットし(ステップS11)、Noのときには、刈取回転開始位置の調整モードであることを記憶し(ステップS12)、前記ステップS1に戻る。
【0029】
また、刈取回転開始位置の調整か否かを判定し(ステップS5)、Yesのときには、刈取回転数が0rpm以上か否かを判定し(ステップS13)、Yesのときには、刈取回転数減速出力時間のカウントを開始し(ステップS14)、刈取回転数減速出力時間が経過したか否かを判定する(ステップS15)。Noであると、刈取回転数減速出力をセットし(ステップS16)、Yesのときには、刈取トラニオン軸調節モータの調整位置を記憶し(ステップS17)、刈取回転数開始位置調整モードの前回の記憶を解除する(ステップS18)。
【0030】
また、刈取回転数が0rpm以上か否かを判定し(ステップS13)、Noのときには、刈取減速出力時間を初期化し(ステップS19)、刈取増速出力時間のカウントを開始し(ステップS20)、刈取増速出力時間が経過したか否かを判定し(ステップS21)、Yesであると、刈取増速出力休止時間のカウントを開始し(ステップS22)、刈取増速出力休止時間が経過すると(ステップS23)、刈取増速出力時間を初期化し(ステップS24)、前記ステップS1に戻る。
【0031】
また、刈取増速出力時間が経過したか否かを判定し(ステップS21)、Noのときには、刈取増速出力をセットし(ステップS25)、刈取増速出力休止時間を初期化し(ステップS26)、前記ステップS1に戻る。
【0032】
次に、図6について説明する。
制御を開始すると、刈取回転数の読み込みが開始され、エンジン回転数が500rpm以上で(ステップS31)、刈取・脱穀クラッチレバーが入りの場合には(ステップS32)、車速センサSE2の検出情報を読み込み(ステップS33)、車速が低速走行速度限界の超低速か否かを判定する(ステップS34)。Yesであると、刈取無段変速装置19の刈取トラニオン軸調節モータの調節位置が刈取初期設定回転数より速いか否かを判定し(ステップS35)、Noであると、刈取回転数の増加出力をし(ステップS36)、また、Yesであると、通常刈取回転数制御である車速に関連した刈取回転数制御を実行する。
【0033】
次に、図7について説明する。
本制御が開始すると、刈取回転数の読み込みが開始され(ステップS41)、整備モードであるか否かを判定し(ステップS42)、Noであると、刈取回転上限位置調整モードの前回の記憶を解除する(ステップS47)。また、エンジン回転数が500rpm以上の場合には(ステップS43)、刈取・脱穀クラッチレバーが入りか否かを判定し(ステップS44)、Yesの場合には、刈取回転上限位置の調整か否かを判定する(ステップS45)。
【0034】
Noの場合には、刈取増速スイッチSW3がONか否かを判定し(ステップS46)、No場合には、刈取回転上限位置調整モードの前回の記憶を解除し(ステップS47)、前記ステップS41に戻る。Yesのときには、刈取増速監視時間のカウントを開始し(ステップS48)、増速監視時間が経過すると(ステップS49)、刈取回転数が0rpmより高いか否かを判定する(ステップS50)。Yesであると、刈取回転数の減速側出力をセットし(ステップS51)、前記ステップS1に戻る。また、Noのときには、刈取回転上限位置を調整モードの基準値として記憶する(ステップS52)。
【0035】
刈取回転開始上限位置の調整か否かを判定し(ステップS45)、Yesであると、検出刈取回転数が上限回転数以上か否かを判定し(ステップS53)、Yesであると、刈取減速出力時間のカウントを開始し(ステップS54)、刈取減速出力時間が経過したか否かを判定し(ステップS55)、Noであると、刈取減速出力をセットする(ステップS56)。また、Yesのときには、刈取トラニオン軸調節モータの調整位置を刈取回転数上限位置として記憶し(ステップS57)、刈取回転数上限位置調整モードの前回の記憶を解除する(ステップS58)。
【0036】
また、刈取回転数が上限回転数より高いか否かを判定し(ステップS53)、Noであると、刈取増速出力時間を初期化し(ステップS59)、刈取増速出力時間のカウントを開始し(ステップS60)、刈取増速出力時間が経過したか否かを判定する(ステップS61)。Yesであると、刈取増速出力休止時間のカウントを開始し(ステップS62)、刈取増速出力休止時間が経過すると(ステップS63)、刈取増速出力休止時間を初期化し(ステップS64)、前記ステップS41に戻る。
【0037】
また、刈取増速出力時間が経過したか否かを判定し(ステップS61)、Noであると、刈取増速出力をセットし(ステップS65)、刈取増速出力休止時間を初期化し(ステップS66)、前記ステップS41に戻る。
【0038】
次に、図8について説明する。
制御を開始すると、刈取回転数の読み込みが開始され、エンジンの回転数が500rpm以上で(ステップS71)、刈取・脱穀クラッチレバーが入りの場合には(ステップS72)、車速センサSE2の検出情報を読み込み(ステップS73)、車速が低速走行速度の限界か否かを判定する(ステップS74)。Yesであると、車速に関連した目標刈取回転数を算出し(ステップS75)、検出刈取回転数が初期刈取目標回転数より低いか否かを判定し(ステップS76)、Yesであると、刈取トラニオン軸調節モータ調節位置が刈取回転数上限位置より高いか否かを判定し(ステップS77)、Yesであると、刈取トラニオン軸調節モータ出力電流値を弱くし(ステップS79)、刈取増速出力をする(ステップS80)。また、Noであると、刈取トラニオン軸調節モータの出力電流値を強くし(ステップS78)、刈取増速出力をする(ステップS80)。
【0039】
次に、図1、図2、図9及び図10に基づきコンバインにおける排出オーガ41の作動状態と車速の関連制御について説明する。
エンジンからクローラ走行装置3,3への動力伝達経路には、主変速用無段変速装置及び副変速用無段変速装置を備えている。グレンタンク6には排出オーガ41を設け、スイッチ操作により排出オーガ41を側面視で上下回動自在に、また、平面視で旋回させて穀粒を排出するように構成している。
【0040】
また、図9に示すように、走行制御用のコントローラ35の入力側には、主変速用無段変速装置操作用の主変速レバーの操作位置を検出する主変速ポジションセンサSE4と、副変速用無段変速装置操作用の副変速レバーの操作位置を検出する副変速ポジションセンサSE5と、排出オーガ41の旋回状態を検出する排出オーガ旋回ポジションSE6と、排出オーガ41の上下回動を検出する排出オーガ上下ポジションセンサSE7を接続している。
【0041】
また、コントローラ35の出力側には、主変速用無段変速装置のトラニオン軸前進作動用の前進バルブV1と、主変速用無段変速装置のトラニオン軸後作動作用の後進バルブV2と、副変速用無段変速装置のトラニオン軸作動用の副変速バルブV3を、駆動回路経由で接続している。
【0042】
次に、コントローラ35の制御内容について説明する。
排出オーガ旋回ポジションセンサSE6及び排出オーガ上下ポジションセンサSE7が排出オーガ41の収納状態にあることを検出すると、図10に示す高速制御基準線aに基づき副変速用無段変速装置のトラニオン軸が調節され、コンバインを高速で走行させることができる。
【0043】
また、排出オーガ旋回ポジションセンサSE6及び排出オーガ上下ポジションセンサSE7により排出オーガ41が収納位置にないことを検出すると、図10に示す低速制御基準線bに基づき副変速用無段変速装置のトラニオン軸が調節され、低速で走行させることができる。
【0044】
なお、排出オーガ41の図1及び図2の図示状態は、排出オーガ41が下方に回動し、且つ、平面視で機体幅内の所定位置にある収納状態を示している。
排出オーガ41の収納を忘れた状態で急発進したり、あるいは、急加速を行なうと、排出オーガ41を破損させたり、周囲の物体に衝突させるという不具合が発生する。
【0045】
しかし、前記構成によると、排出オーガ41が収納位置にないときは、車速を低く設定することができ、排出オーガ41の収納忘れに伴う不具合を少なくすることができる。
また、排出オーガ旋回ポジションセンサSE6及び排出オーガ上下ポジションセンサSE7により排出オーガ41が収納位置にないことを検出すると、収納位置にあると検出した場合に比較して、主変速レバーの操作位置に対応する加速を鈍くするように構成しても、同様の効果が期待できる。
【0046】
また、排出オーガ旋回ポジションセンサSE6及び排出オーガ上下ポジションセンサSE7により排出オーガ41が収納位置にないことを検出すると、主変速レバーの操作位置が中立位置、前進変速位置あるいは後進変速位置のいずれにあっても、主変速レバーの操作位置に関係なく、収納位置にある場合に比較して、変速速度を低く設定する。
【0047】
また、排出オーガ旋回ポジションセンサSE6及び排出オーガ上下ポジションセンサSE7により排出オーガ41が非収納位置から収納位置に戻ったことを検出した場合には、主変速レバーが現在操作位置よりも増速側に操作されるまでは、変速速度の低い状態を維持する。そして、主変速レバーが現在の操作位置よりも増速側に操作されると、車速を増速させるようするようにしている。
【0048】
前記構成によると、走行中に排出オーガ41が収納位置に戻されても、すぐに増速されることがなく、主変速レバーを増速位置に操作して初めて車速が増速されるので、オペレータの運転意識と走行速度が一致し安全である。
【0049】
また、自動張り出しスイッチを操作し、排出オーガ41を収納位置から自動的に穀粒排出位置への移動を開始すると、主変速レバーの操作位置の通常の車速よりも低速に設定できるようにしている。
【0050】
前記構成によると、自動張り出しスイッチの操作に関連して走行速度が減速されるので、オペレータの操縦の違和感をなくし走行速度の減速をすることができる。
次に、図11〜図13に基づきコンバインの刈高さ制御について説明する。
【0051】
コンバインの刈取搬送部8の刈高さ制御をするにあたり、刈取搬送部8の前面右側端部の所定高さに2個のカメラ46,46を設けている。
図13に示すように、コントローラ35の入力側には、刈高さ制御スイッチSW4と、刈取搬送部8の刈高さを検出する刈取ポジションセンサSE8と、刈取・脱穀クラッチの入切を検出する刈取・脱穀クラッチスイッチSW5と、車速センサSE9を、入力インターフェイスを経由して接続している。また、前記カメラ46,46を画像処理マイクロコンピュータを経由してコントローラ35に接続している。また、コントローラ35の出力側には、出力インターフェイスを経由して、刈取搬送部8上昇用ソレノイドSL1と、刈取搬送部8下降用ソレノイドSL2と、刈取搬送部8昇降用比例流量弁ソレノイドSL3とを接続している。
【0052】
カメラ46,46により右側端部の分草杆47の先端の対地高さを検出し、コントローラ35の指令により刈取搬送部8の刈高さを設定高さになるように制御している。
前記構成によると、湿田等のやわらかい地面でも、刈取搬送部8の対地刈高さ制御を安定して行なうことができる。
【0053】
また、コンバインの刈取搬送部8の刈高さ制御装置において、刈取搬送部8の前面右側端部と前面左側端部の所定高さに、それぞれ2個のカメラ46,46を設け、右側端部の分草杆47先端の対地高さと、左側端部の分草杆47先端の対地高さを検出し、コントローラ35の指令により、検出対地高さが低い方の分草杆47の先端が設定高さとなるように刈高さ制御をする。このように構成すると、分草杆47の地面への突入を防止しながら安定した刈高さ制御をすることができる。
【0054】
また、次のように構成してもよい。刈取搬送部8の前面右側端部の所定高さに2個のカメラ46,46を設け、右側端部の分草杆47先端の対地高さを検出し、コントローラ35の指令により、刈取搬送部8の刈高さが設定高さになるように制御する刈高さ制御装置において、カメラ46,46により刈取搬送部8の前方の未刈取り穀稈の有無を検出し、未刈取り穀稈がある場合には、例えば、刈取・脱穀クラッチの入り状態の刈取待機状態にあるときには、刈取搬送部8の刈高さ位置が設定刈高さよりも高い場合には、刈取搬送部8の分草杆47先端と未刈取り穀稈との間が所定距離に接近すると、自動的に刈取搬送部8を設定刈高さまで下げる下降制御する。
【0055】
また、カメラ46,46により刈取搬送部8の前方の未刈取り穀稈の有無を検出し、未刈取り穀稈がない場合において、刈取搬送部8の分草杆47に設けた刈取穀稈有無センサが刈取穀稈無しの検出をすると、刈取搬送部8を所定の高さまで自動的に上昇するようする。
【0056】
前記構成によると、オペレータの運転操作を楽にしながら刈取穀稈を所定刈高さで刈り取ることができる。また、刈取穀稈の有無検出が正確になり、刈取搬送部8の正確な刈高さ昇降制御をすることができる。
【0057】
また、次のように構成してもよい。前記刈高さ制御装置において、カメラ46,46により未刈取穀稈の高さを検出し、基準高さより低く未刈取穀稈の倒伏状態と判定した場合には、コンバインの走行速度を所定速度以下に減速し、且つ、刈取搬送部8の穀稈引起し装置の引起し速度を倒伏穀稈に対応するように高速引起し状態に切り換えるようにする。
【0058】
前記構成によると、オペレータの運転操作を楽にしながら、刈取穀稈を適切に引起し所定刈高さで刈り取ることができる。
【符号の説明】
【0059】
8 刈取搬送部
19 刈取無段変速装置
35 コントローラ
SE1 トラニオン軸位置検出センサ
SE3 刈取回転数検出センサ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置(2)への走行動力を変速する走行無段変速装置(15)と、該走行無段変速装置(15)を手動変速する走行変速レバーと、刈取搬送部(8)へ変速後の動力を伝達する刈取無段変速装置(19)と、該刈取無段変速装置(19)のトラニオン軸調節モータと、該トラニオン軸調節モータの調節位置を検出するトラニオン軸位置検出センサ(SE1)と、車速センサ(SE2)を備えたコンバインにおいて、調整モードにおいて前記刈取無段変速装置(19)のトラニオン軸調節モータを微弱駆動を開始して徐々に増速しながら前記刈取回転数検出センサ(SE3)により刈取回転数を検出し、刈取回転数が0rpmから上昇して初めて所定回転数を検出した前記トラニオン軸調節モータの調節位置をトラニオン軸位置検出センサ(SE1)で初期所定回転数として検出記憶するコントローラ(35)を設け、刈取回転数自動制御運転において超低速走行での前記刈取搬送部(8)の回転数を前記初期所定回転数として設定し、前記刈取搬送部(8)の回転数が前記初期所定回転数より高いときには車速と関連した刈取回転数に制御するコントローラ(35)を設けたことを特徴とするコンバインの刈取回転制御装置。
【請求項2】
超低速走行での刈取搬送部(8)の刈取作業開始時の前記初期所定回転数を設定するにあたり、刈取回転数が前記初期所定回転数を超えて初期上限回転数以上への回転を停止するコントローラ(35)を備えたことを特徴とする請求項1記載のコンバインの刈取回転制御装置。
【請求項1】
走行装置(2)への走行動力を変速する走行無段変速装置(15)と、該走行無段変速装置(15)を手動変速する走行変速レバーと、刈取搬送部(8)へ変速後の動力を伝達する刈取無段変速装置(19)と、該刈取無段変速装置(19)のトラニオン軸調節モータと、該トラニオン軸調節モータの調節位置を検出するトラニオン軸位置検出センサ(SE1)と、車速センサ(SE2)を備えたコンバインにおいて、調整モードにおいて前記刈取無段変速装置(19)のトラニオン軸調節モータを微弱駆動を開始して徐々に増速しながら前記刈取回転数検出センサ(SE3)により刈取回転数を検出し、刈取回転数が0rpmから上昇して初めて所定回転数を検出した前記トラニオン軸調節モータの調節位置をトラニオン軸位置検出センサ(SE1)で初期所定回転数として検出記憶するコントローラ(35)を設け、刈取回転数自動制御運転において超低速走行での前記刈取搬送部(8)の回転数を前記初期所定回転数として設定し、前記刈取搬送部(8)の回転数が前記初期所定回転数より高いときには車速と関連した刈取回転数に制御するコントローラ(35)を設けたことを特徴とするコンバインの刈取回転制御装置。
【請求項2】
超低速走行での刈取搬送部(8)の刈取作業開始時の前記初期所定回転数を設定するにあたり、刈取回転数が前記初期所定回転数を超えて初期上限回転数以上への回転を停止するコントローラ(35)を備えたことを特徴とする請求項1記載のコンバインの刈取回転制御装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−4629(P2011−4629A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149833(P2009−149833)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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