コンバインの操作装置
【課題】作業状態から移動走行に切り換える操作が低速作業と中速作業のいずれからの切換えであるかを構造簡単に認識させることができるようにする。
【解決手段】変速レバー53が低速位置L又は中速位置Mから高速位置Hに操作されると、クラッチ切換え体70が低速側カム部77又は中速側カム部78に摺接する変速レバー53によって待機位置Bから作用位置Aに切換え操作されて切換え作用部74によって脱穀クラッチレバー54を切り位置OFFに切換え操作する。低速側カム部77に摺接してクラッチ切換え体70を切換え操作する変速レバー53に対して付与する操作反力が、中速側カム部78に摺接してクラッチ切換え体70を切換え操作する変速レバー53に対して付与する操作反力よりも大になる。
【解決手段】変速レバー53が低速位置L又は中速位置Mから高速位置Hに操作されると、クラッチ切換え体70が低速側カム部77又は中速側カム部78に摺接する変速レバー53によって待機位置Bから作用位置Aに切換え操作されて切換え作用部74によって脱穀クラッチレバー54を切り位置OFFに切換え操作する。低速側カム部77に摺接してクラッチ切換え体70を切換え操作する変速レバー53に対して付与する操作反力が、中速側カム部78に摺接してクラッチ切換え体70を切換え操作する変速レバー53に対して付与する操作反力よりも大になる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行用の変速装置を高速状態と中速状態と低速状態に変速操作する人為操作自在な変速レバーと、脱穀クラッチを切換え操作する人為操作自在な脱穀クラッチレバーを備えたコンバインの操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示されるように、主変速レバーの操作経路に規制具あるいはストッパを設け、主変速レバーが特定の操作位置に操作されたことをオペレータに知らしめるように、主変速レバーの操作力に規制具あるいはストッパによって変化を与えるものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−253045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したコンバインでは、高速走行による植立茎稈の押し倒しなどの発生を回避するように、変速装置を低速状態又は中速状態に変速操作した状態で作業を行なわれる。したがって、変速装置を低速状態にした作業状態から変速装置を高速状態に変速して移動走行する状態に切換えられる場合、変速装置を中速状態にした作業状態から変速装置を高速状態に変速して移動走行する状態に切換えられる場合よりも大きな速度変化が発生する。
【0005】
上記した従来の技術を採用することにより、作業状態から移動走行への切り換えが低速作業からの切換えであることを作業者に認識させやすくしようとすると、専用の抵抗付与手段を設ける必要があった。
【0006】
本発明の目的は、作業状態から移動走行への切換えが低速作業からの切換えであることを有利に認識させ得るコンバインの操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明は、走行用の変速装置を高速状態と中速状態と低速状態に変速操作する人為操作自在な変速レバーと、脱穀クラッチを切換え操作する人為操作自在な脱穀クラッチレバーを備えたコンバインの操作装置において、
前記変速レバーの高速位置と中速位置と低速位置を、前記中速位置と前記低速位置が前記変速レバーの操作経路の両端部に分かれて位置し、前記高速位置が前記操作経路の中間部に位置するように配置し、
前記変速レバーに当接する低速側カム部と中速側カム部、及び前記脱穀クラッチレバーに対して切換え作用する切換え作用部を備えるとともに前記脱穀クラッチレバーを切り位置に切換え操作する作用位置と前記脱穀クラッチレバーの人為操作を許容する待機位置に切換え自在なクラッチ切換え体を設け、
前記変速レバーが前記低速位置から前記高速位置に操作されると、前記クラッチ切換え体が前記低速側カム部に摺接する前記変速レバーによって前記待機位置から前記作用位置に切換え操作されて前記切換え作用部によって前記脱穀クラッチレバーを入り位置から切り位置に切換え操作し、かつ前記変速レバーが前記中速位置から前記高速位置に操作されると、前記クラッチ切換え体が前記中速側カム部に摺接する前記変速レバーによって前記待機位置から前記作用位置に切換え操作されて前記切換え作用部によって前記脱穀クラッチレバーを入り位置から切り位置に切換え操作するように構成し、
前記クラッチ切換え体を、前記低速側カム部に摺接して前記クラッチ切換え体を切換え操作する前記変速レバーに対して付与する操作反力が、前記中速側カム部に摺接して前記クラッチ切換え体を切換え操作する前記変速レバーに対して付与する操作反力よりも大になるように構成してある。
【0008】
本第1発明の構成によると、変速レバーを低速位置あるいは中速位置から高速位置に切り換え操作すると、クラッチ切換え体の低速側カム部あるいは中速側カム部と変速レバーの当接によってクラッチ切換え体が作用位置に切換え操作され、脱穀クラッチレバーが入り位置になっていても、クラッチ切換え体の切換え作用部が脱穀クラッチレバーを切り位置に切換え操作して脱穀クラッチが切り状態に切り換わる。したがって、変速装置を高速状態に変速した場合、脱穀クラッチが入り状態になっていてもクラッチ切換え体によって切り状態に切換え操作されるのであり、高速走行させながら作業することをクラッチ切換え体によって防止される。
【0009】
変速装置を中速状態から高速状態に変速操作する場合、変速レバーが中速側カム部に当接してクラッチ切換え体によって変速レバーに小さい操作反力が付与されて変速操作が比較的軽くて済む。これに対し、変速装置を低速状態から高速状態に変速操作する場合、変速レバーが低速側カム部に当接してクラッチ切換え体によって変速レバーに大きい操作反力が付与されて変速操作が比較的重くなる。これにより、作業走行から移動走行に切換えるべく行なわれる変速が低速状態から高速状態に切換える変速であることを変速操作が重いことによって認識させることができる。
【0010】
従って、低速の作業走行から移動走行への切換えが行なわれる場合、比較的大きい速度差の速度変化が発生する切換えであることを認識させやすく、比較的大きい速度差の速度変化が発生しても的確に対応して運転されるようにできるものを、高速走行での作業を防止するクラッチ切換え体を抵抗付与手段に利用して構造面や経済面で有利に得ることができる。
【0011】
本第2発明では、前記クラッチ切換え体を揺動軸芯まわりに揺動して前記待機位置と前記作用位置に切り換わるように枢支し、
前記低速側カム部を、前記クラッチ切換え体のうちの前記揺動軸芯を中心として小半径で位置する部位に設け、前記中速側カム部を、前記クラッチ切換え体のうちの前記揺動軸芯を中心として大半径で位置する部位に設けてある。
【0012】
本第2発明の構成によると、低速側カム部と中速側カム部を同じ形状のものにしても、低速側カム部が位置する部位と中速側カム部が位置する部位の揺動軸芯からの距離の相違により、変速レバーが低速側カム部によって付与される操作反力を中速側カム部によって付与される操作反力より大にすることができる。
【0013】
従って、クラッチ切換え体を抵抗付与手段に利用することができることに加え、クラッチ切換え体を低速側カム部と中速側カム部の形状が同じである簡素なものに済ませることができて、より有利に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】コンバインの全体を示す側面図である。
【図2】コンバインの全体を示す平面図である。
【図3】走行装置、刈取り部、脱穀装置に対する動力伝達を示す線図である。
【図4】変速レバー及び脱穀クラッチレバーの支持構造を示す側面図である。
【図5】変速レバー及び脱穀クラッチレバーの支持構造を示す平面図である。
【図6】クラッチ切換え体の作用を示す平面図である。
【図7】クラッチ切換え体の作用を示す平面図である。
【図8】クラッチ切換え体の作用を示す説明図である。
【図9】エンジンの吸気構造を示す正面図である。
【図10】エンジンの排気構造を示す側面図である。
【図11】(a)は、開きロック機構のロック解除状態を示す平面図、(b)は、開きロック機構のロック状態を示す平面図である。
【図12】(a)は、開きロック機構のロック解除状態を示す側面図、(b)は、ロックピンの位置決め状態を示す側面図、(c)は、ロックピンのロック状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す側面図である。図2は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す平面図である。これらの図に示すように、本発明の実施例に係るコンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1,1を有した自走機体と、この自走機体の機体フレーム2の前部に連結された刈取り部3と、機体フレーム2の後部に設けられた脱穀装置4及び穀粒タンク5と、穀粒タンク5の後端側の下部に搬送始端部が連結された穀粒排出オーガ20とを備えて構成してある。
【0016】
このコンバインは、稲、麦などの穀粒の収穫作業を行なうものである。
すなわち、自走機体は、機体フレーム2の前端側の自走機体横方向での端部に設けられたエンジン11を有した原動部10を備え、エンジン11からの駆動力によって左右一対のクローラ走行装置1,1を駆動して自走する。自走機体は、エンジンボンネットに兼用の座席支持台12の天板上に取り付けられた運転座席7aを有した運転部7を備えており、この運転部7に搭乗して運転するように乗用型になっている。
【0017】
刈取り部3は、機体フレーム2の前端部に上下揺動自在に支持された刈取り部フレーム3aが油圧シリンダ(図示せず)によって揺動操作されることにより、刈取り部3の前端部に設けられた分草具3b、及び分草具3bの後方に位置するバリカン形の刈取装置3cが地面近くに下降した下降作業状態と、分草具3b及び刈取装置3cが地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降する。
【0018】
つまり、刈取り部3を下降作業状態に下降させて自走機体を走行させることにより、刈取り部3は、分草具3bによって植立穀稈を刈取対象と非刈取対象とに分草し、刈取対象の植立穀稈を刈取装置3cによって刈り取り処理し、刈取り穀稈を脱穀装置4に供給する。脱穀装置4は、刈取り部3から供給された刈取り穀稈の株元側を脱穀フィードチェーン(図示せず)によって挟持して後方側に搬送し、刈取穀稈の穂先側を扱室(図示せず)に供給して脱穀処理する。穀粒タンク5は、脱穀装置4から排出された脱穀粒を回収して貯留する。穀粒タンク5に貯留された脱穀粒を穀粒排出オーガ20によって取り出す。
【0019】
図3は、走行装置1、刈取り部3及び脱穀装置4に対する動力伝達を示す線図である。この図に示すように、エンジン11の出力軸11cの駆動力を、出力軸11cに設けたベルトプーリ21から伝動ベルト22を介して走行用伝動装置23における主の変速装置24の入力軸24aに伝達し、走行用伝動装置23の左走行用の出力を左出力軸23aから左側の走行装置1に伝達し、走行用伝動装置23の右走行用の出力を右出力軸23bから右側の走行装置1に伝達する。走行用伝動装置23に設けた刈取り出力軸25の駆動力を、刈取り出力軸25に設けた一方向回転クラッチ26から刈取りクラッチ27を介して刈取り部3の入力軸3dに伝達する。
【0020】
走行用伝動装置23は、主の変速装置24を備える他、副の変速装置28及び刈取り変速装置29を備えている。主の変速装置24は、入力軸24aをポンプ軸として有した可変容量形のアキシァルプランジャポンプPと、このアキシァルプランジャポンプPから供給される油圧によって駆動されるアキシァルプランジャモータMとを備えて構成してあり、静油圧式無段変速装置になっている。副の変速装置28は、シフトギヤ(図示せず)がシフト操作されることによって高速状態と中速状態と低速状態に変速操作されるギヤ式変速装置によって構成してあり、主の変速装置24によって無段階に変速された前進側及び後進側の駆動力を高速、中速、低速の三段階に副変速して左出力軸23a及び右出力軸23bに伝達する。刈取り変速装置29は、主の変速装置24によって無段階に変速された駆動力を高速と低速の二段階に変速して刈取り出力軸25から出力する。
【0021】
刈取りクラッチ27は、入力軸3dに巻回された伝動ベルトをテンションアームによって伝動入りの張り状態と伝動切りの緩み状態に切り換えるようにベルトテンションクラッチに構成してある。
【0022】
エンジン11の出力軸11cの駆動力を、出力軸11cに設けた出力ベルトプーリ30から第1の脱穀クラッチ31を介して脱穀装置4の扱胴駆動軸40に伝達する。エンジン11の出力軸11cの駆動力を、出力軸11cに設けた出力ベルトプーリ32から第2の脱穀クラッチ33を介して脱穀装置4の唐箕駆動軸41に伝達し、唐箕駆動軸41の駆動力を、脱穀フィードチェーン42と、選別部の1番スクリューコンベヤ43及び2番スクリューコンベヤ44に伝達する。
【0023】
第1の脱穀クラッチ31は、出力軸11cに設けた出力ベルトプーリ30と扱胴駆動軸40に設けた入力ベルトプーリ40aに巻回された伝動ベルト31aと、テンションアーム31bを備えて構成してある。第2の脱穀クラッチ33は、出力軸11cに設けた出力ベルトプーリ32と唐箕駆動軸41に設けた入力ベルトプーリ41aに巻回された伝動ベルト33aと、テンションアーム33bを備えて構成してある。
【0024】
したがって、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33は、テンションアーム31b,33bが揺動操作され、伝動ベルト31a,33aがテンションアーム31b,33bによって伝動用の張り状態に押圧操作されることにより、扱胴45及び唐箕46に動力伝達するように入り状態になり、伝動ベルト31a,33aのテンションアーム31b,33bによる押圧が解除されて伝動ベルト31a,33aが伝動停止の緩み状態になることにより、扱胴45及び唐箕46に対する伝動を絶つように切り状態になる。
【0025】
主の変速装置24及び副の変速装置28の変速操作、刈取りクラッチ27と第1の脱穀クラッチ31と第2の脱穀クラッチ33の切換え操作は、運転部7に運転座席7aの横側方に配置して設けた操作装置50によって行なわれる。
【0026】
図2に示すように、操作装置50は、運転座席7aの横側方に設けた操作盤51、操作盤51の前部に走行機体横方向に並べて設けた主の変速レバー52と副の変速レバー53、操作盤51の前後方向での中間部に変速レバー52,53の後方側に配置して、かつ走行機体横方向に並べて設けた脱穀クラッチレバー54と刈取りクラッチレバー55を備えている。
【0027】
主の変速レバー52は、操作盤51の下方で枢支されている。主の変速レバー52は、アキシァルプランジャポンプPの斜板角変更を行なうように主の変速装置24に設けられた変速操作部(図示せず)にリンク及びロッドを備えて構成された連動機構(図示せず)を介して連動されている。
【0028】
したがって、主の変速レバー52を操作盤51に設けたガイド溝に沿わせて走行機体前後方向に揺動操作することにより、アキシァルプランジャポンプPの斜板角を変更操作でき、主の変速装置24を前進駆動状態と中立状態と後進駆動状態に変速操作できる。
【0029】
図4に示すように、副の変速レバー53は、操作盤51の下方に回転自在に設けたレバー支軸57が一体回転自在に備えているレバー支持部57aに支持されている。レバー支軸57から揺動アーム58が一体回転自在に延出されるとともに揺動アーム58の延出端部が連動杆59を介して副の変速装置28の揺動自在な変速操作部28aに連結されており、副の変速レバー53は、レバー支持部57a、レバー支軸57、揺動アーム58及び連動杆59を介して副の変速装置28の変速操作部28aに連動されている。
【0030】
したがって、副の変速レバー53をレバー支軸57の走行機体横向き軸芯で成る操作軸芯Xまわりに、操作盤51に設けたガイド溝によって形成された操作経路60(図5参照)に沿わせて走行機体前後方向に揺動操作することにより、変速操作部28aを揺動操作することができて副の変速装置28を変速操作できる。
【0031】
つまり、副の変速レバー53を操作経路60の後側の端部に配置された低速位置[L]に操作すると、副の変速装置28が低速状態になる。副の変速レバー53を操作経路60の中間部に配置された高速位置[H]に操作すると、副の変速装置28が高速状態になる。副の変速レバー53を操作経路60の前側の端部に配置された中速位置[M]に操作すると、副の変速装置28が中速状態になる。
【0032】
副の変速レバー53が低速位置[L]、高速位置[H]、中速位置[M]に位置した場合、副の変速レバー53をレバー支持部57aによる枢支軸芯Yまわりに操作経路60の横外側に向けて揺動操作することにより、操作盤51に切り欠きを形成して設けてある係止部61(図6,7,8参照)に、変速レバー53に板材を付設して設けてある係合部53aが係合し、副の変速レバー53を低速位置[L]、高速位置[H]、中速位置[M]に保持することができる。
【0033】
図4,5に示すように、脱穀クラッチレバー54は、操作盤51の裏面側に固定された支持部材62に回転自在な筒軸形のレバー支軸63を介して枢支されている。操作盤51から走行機体横方向での内側に外れた箇所でレバー支軸63の端部から揺動アーム64が一体回転自在に延出されるとともに揺動アーム64の遊端部に円弧形の連動リンク65の一端側が枢着され、連動リンク65の他端側に操作ケーブル66の一端側が連結されるともにこの操作ケーブル66の他端側が第1及び第2の脱穀クラッチ31,33のテンションアーム31b,33bに連結されており、脱穀クラッチレバー54は、レバー支軸63、揺動アーム64、連動リンク65、操作ケーブル66を介してテンションアーム31b,33bに連動されている。
【0034】
したがって、脱穀クラッチレバー54をレバー支軸63の走行機体横向き軸芯で成る揺動軸芯Zまわりに、操作盤51に設けたガイド溝67に沿わせて走行機体前後方向に揺動操作することにより、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33のテンションアーム31b,33bを揺動操作することができ、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33を入り状態と切り状態に切換え操作できる。
【0035】
すなわち、図4に示すように、脱穀クラッチレバー54を揺動軸芯Zまわりに走行機体前方側に揺動操作して脱穀クラッチレバー54がガイド溝67から前方向きに突出した状態になると、脱穀クラッチレバー54がクラッチ入り位置[ON]となって操作ケーブル66を引っ張り操作し、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33が入り状態になる。このとき、連動リンク65と揺動アーム64を連結する連結点がデッドポイントをクラッチ入り側に超えており、脱穀クラッチレバー54は、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33のテンションアーム31b,33bが伝動ベルト31a,33aから受ける操作反力に抗してクラッチ入り位置[ON]に保持されて第1及び第2脱穀クラッチ31,33を入り状態に維持する。
【0036】
図8に実線で示すように、脱穀クラッチレバー54を揺動軸芯Zまわりに走行機体後方側に揺動操作して脱穀クラッチレバー54がガイド溝67から後方向きに突出した状態になると、脱穀クラッチレバー54がクラッチ切り位置[OFF]となって操作ケーブル66を緩め操作し、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33が切り状態になる。
【0037】
刈取りクラッチレバー55は、脱穀クラッチレバー54のレバー支軸63に回転自在に内嵌する支軸63aを介して支持部材62に支持されている。レバー支軸63aは、脱穀クラッチレバー54のレバー支軸63を第1及び第2の脱穀クラッチ31,33のテンションアーム31b,33bに連動させている構成と同じ構成を備えた連動機構68によって刈取りクラッチ27のテンションアーム27aに連動されており、刈取りクラッチレバー55は、支軸63a及び連動機構68を介してテンションアーム27に連動している。
【0038】
したがって、刈取りクラッチレバー54を操作盤51に設けたガイド溝69に沿わせて走行機体前後方向に揺動操作することにより、刈取りクラッチ27のテンションアーム27aを揺動操作することができ、刈取りクラッチ27を入り状態と切り状態に切換え操作することができる。
【0039】
図4,5に示すように、操作盤51の裏面側にクラッチ切換え体70を副の変速レバー53の近くに配置して設けてある。
【0040】
図4,5,6に示すように、クラッチ切換え体70は、操作盤51の裏面側に機体上下向きの支軸71を介して回転自在に支持された連結部72と、この連結部72から機体前方向きに延出して副の変速レバー53の横側に位置する受動アーム部73と、連結部72から機体後方向きに延出した円弧形のアームで成る切換え作用部74とを備えて構成してあり、受動アーム部73と切換え作用部74が支軸71の軸芯でなる揺動軸芯71aまわりに一体に揺動するように支持されている。
【0041】
クラッチ切換え体70は、図6に示す作用位置[A]と待機位置[B]にわたって揺動し、クラッチ切換え体70が作用位置[A]に揺動すると、切換え作用部74が機体後方側に揺動して切換え作用部74の遊端部に連結されている操作ケーブル75を引っ張り操作する。クラッチ切換え体70が待機位置[B]に揺動すると、切換え作用部74が機体前方側に揺動して操作ケーブル75を緩め操作する。
【0042】
受動アーム部73は、延出方向での中間部に設けた頂上カム部76と、頂上カム部76に対して連結部72が位置する側の部位に設けた低速側カム部77と、頂上カム部76に対して連結部72が位置する側とは反対側の部位に設けた中速側カム部78とを備えている。
【0043】
低速側カム部77は、頂上カム部76に連なる傾斜カム部77aと、傾斜カム部77aに対して頂上カム部76が位置する側とは反対側に位置する底部77bを備えている。図7に示すように、低速側カム部77は、副の変速レバー53が低速位置[L]に位置する場合、底部77bを副の変速レバー53に対向させて、クラッチ切換え体70の待機位置[B]への切り換わりを許容する。低速側カム部77は、副の変速レバー53が低速位置[L]から高速位置[H]に切換え操作される場合、傾斜カム部77aで副の変速レバー53に当接して変速レバー53によるクラッチ切換え体70の作用位置[A]に向けての揺動操作を行なわせながら変速レバー53を頂上カム部76に案内する。
【0044】
図8に示すように、頂上カム部76は、高速位置[H]に操作された副の変速レバー53に当接して、変速レバー53によるクラッチ切換え体70の作用位置[A]への揺動操作を行なわせる。
【0045】
中速側カム部78は、頂上カム部76に連なる傾斜カム部78aと、傾斜カム部78aに対して頂上カム部76が位置する側とは反対側に位置する底部78bを備えている。図6に示すように、中速側カム部78は、副の変速レバー53が中速位置[M]に位置する場合、底部78bを副の変速レバー53に対向させて、クラッチ切換え体70の待機位置[B]への切り換わりを許容する。中速側カム部78は、副の変速レバー53が中速位置[M]から高速位置[H]に切換え操作される場合、傾斜カム部78aで副の変速レバー53に当接して変速レバー53によるクラッチ切換え体70の作用位置[A]に向けての揺動操作を行なわせながら変速レバー53を頂上カム部76に案内する。
【0046】
図4,8に示すように、切換え作用部74の遊端部に操作ケーブル75の一端側が連結され、この操作ケーブル75の他端側が、脱穀クラッチレバー54のレバー支軸63に一体回転自在に設けた揺動アーム79に連結されており、切換え作用部74は、操作ケーブル75、揺動アーム79及びレバー支軸63を介して脱穀クラッチレバー54に連動されている。
【0047】
図4,5に示すように、脱穀クラッチレバー54は、脱穀クラッチレバー54の基部から刈取りクラッチレバー55が位置する側に向けて延出された連動操作アーム80を備えている。連動操作アーム80は、脱穀クラッチレバー54がクラッチ入り位置[ON]からクラッチ切り位置[OFF]に切換え操作された場合、揺動軸芯Zまわりに脱穀クラッチレバー54と共に揺動してクラッチ入り位置に位置する刈取りクラッチレバー54の基部に走行機体前方側から押圧操作し、刈取りクラッチレバー55をクラッチ切り位置に切換え操作する。
【0048】
したがって、操作装置50は、高速走行しながら作業されることをクラッチ切換え体70によって防止する。
【0049】
すなわち、作業を行なう場合、副の変速レバー53を中速位置[M]又は低速位置[L]に操作して副の変速装置28が中速状態又は低速状態に変速操作される。図7に示すように、副の変速装置28が低速状態に変速操作されている場合、脱穀クラッチレバー54をクラッチ入り位置[ON]に操作しようとすると、連動アーム79が揺動して操作ケーブル75を引っ張り操作し、クラッチ切換え体70が操作ケーブル75によって揺動操作されるとともに低速側カム部77の底部77bが低速位置[L]に操作されている副の変速レバー53に対向して、クラッチ切換え体70が待機位置[B]になり、脱穀クラッチレバー54をクラッチ入り位置[ON]に切換え操作することができて第1及び第2の脱穀クラッチ31,33を入り状態に切換えることができる。
【0050】
図6に示すように、副の変速装置28が中速状態に変速操作されている場合、脱穀クラッチレバー54をクラッチ入り位置[ON]に操作しようとすると、連動アーム79が揺動して操作ケーブル75を引っ張り操作し、クラッチ切換え体70が操作ケーブル75によって揺動操作されるとともに中速側カム部78の底部78bが中速位置[M]に操作されている副の変速レバー53に対向して、クラッチ切換え体70が待機位置[B]になり、脱穀クラッチレバー54をクラッチ入り位置[ON]に切換え操作することができて第1及び第2の脱穀クラッチ31,33を入り状態に切換えることができる。
【0051】
図8に示すように、副の変速レバー53が高速位置[H]に操作されると、受動アーム部73の頂上カム部76が変速レバー53に当接してクラッチ切換え体70が変速レバー53によって揺動操作されて作用位置[A]になり、切換え作用部74が操作ケーブル75、揺動アーム79及びレバー支軸63を介して脱穀クラッチレバー54に引き作用する。
【0052】
したがって、副の変速レバー53を高速位置[H]に操作して副の変速装置28が高速状態に変速操作されている場合、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33が入り状態になっていると、クラッチ切換え体70が切換え作用部74によって脱穀クラッチレバー54をクラッチ入り位置[ON]からクラッチ切り位置[OFF]に切換え操作し、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33が切り状態に切り換わる。このとき、刈取りクラッチ27が入り状態になっていた場合、刈取クラッチレバー55が脱穀クラッチレバー54によって操作される連動操作アーム80によってクラッチ切り位置に切換え操作され、刈取りクラッチ27も切り状態に切り換わる。
【0053】
副の変速装置28が高速状態に変速操作されている場合、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33を入り状態に切換え操作しようとしても、クラッチ切換え体70の切換え作用部74が操作ケーブル75、揺動アーム79及びレバー支軸63を介して脱穀クラッチレバー54に引き作用しており、クラッチ切換え体70は、脱穀クラッチレバー54がクラッチ入り位置[ON]に切り換えられることを阻止する。この場合、連動操作アーム86が刈取クラッチレバー55にストップ作用して刈取クラッチレバー55のクラッチ入り位置への切換えを阻止する。
【0054】
図6に示すように、クラッチ切換え体70の低速側カム部77を受動アーム部73のうちの揺動軸芯71aを中心として小半径で位置する部位に設け、中速側カム部78を受動アーム部73のうちの揺動軸芯71aを中心として大半径で位置する部位に設けてあり、作業走行から移動走行に切り換えるべく行なわれる操作が低速作業と中速作業のいずれから切り換える操作であるかを作業者に認識しやすくしている。
【0055】
すなわち、第1及び第2脱穀クラッチ31,33が入り状態になっている場合、テンションアーム31b,33bに伝動ベルト31a,33aから掛かる操作反力に抗して脱穀クラッチレバー54がクラッチ入り位置[ON]に保持されていて連動アーム79が操作ケーブル75を引っ張り操作しており、クラッチ切換え体70が待機位置[B]に付勢されている。低速位置[L]から高速位置[H]に切換え操作される変速レバー53は、低速側カム部77の傾斜カム部77aに摺接しながら高速位置[H]に移動し、中速位置[M]から高速位置[H]に切換え操作される変速レバー53は、中速側カム部78の傾斜カム部78aに摺接しながら高速位置[H]に移動する。中速側カム部78の傾斜カム部78aは、揺動軸芯71aを中心とした大半径での部位に位置するのに対し、低速側カム部77は、揺動軸芯71aと中心とした小半径での部位に位置していることにより、低速位置[L]から高速位置[H]に移動する変速レバー53に対して低速側カム部77によって付与される操作反力が、中速位置[M]から高速位置[H]に移動する変速レバー53に対して中速側カム部78によって付与される操作反力よりも大になる。
【0056】
したがって、低速状態での作業走行から移動走行に切換える場合、副の変速装置28を低速状態から高速状態に変速操作するよう変速レバー53が低速位置[L]から高速位置[H]に切換え操作される。この場合、低速側カム部77によって変速レバー53に付与される操作反力が大きくて変速レバー53の操作が比較的重くなり、これによって低速状態での作業走行から移動走行に切換える変速操作であることを認識できる。
【0057】
中速状態での作業走行から移動走行に切換える場合、副の変速装置28を中速状態から高速状態に変速操作するよう変速レバー53が中速位置[M]から高速位置[H]に切換え操作される。この場合、中速側カム部78によって変速レバー53に付与される操作反力が小さくて変速レバー53の操作が比較的軽くなり、これによって中速状態での作業走行から移動走行に切換える変速操作であることを認識できる。
【0058】
図5に示すように、操作ケーブル75は、平面視において、クラッチ切換え体70の切換え作用部74から機体後方向きに変速レバー52及び変速レバー53の横側方を通って延出し、変速レバー52及び変速レバー53の後方箇所で変速レバー52に対して変速レバー53が位置する側とは反対側に向かいながらUターンし、脱穀クラッチレバー54に対して変速レバー52及び変速レバー53が位置する側とは反対側を機体前方向きに通って揺動アーム79に連結するように配置されている。
【0059】
エンジン11に対する燃焼用空気の供給、及びエンジン11からの燃焼排気の排出について説明する。
図2,9に示すように、運転座席7aの後方に、エアクリーナ13を座席支持台12の上方に配置して、かつ穀粒タンク5の上端部の前側に配置して設け、このエアクリーナ13の走行機体横方向での内側に位置する端部に設けられた排気口13aとエンジン11の吸気部11aを、座席支持台12の天板12aを貫通した吸気管14によって連通させてある。エアクリーナ13の上方にプレエアクリーナ15を配置し、このプレエアクリーナ15の排気口15aと、エアクリーナ13の走行機体横方向での内側に位置する端部に設けられた吸気口13bを、エアクリーナ13の吸気口13bから走行機体上方向きに突設された吸気筒16によって連通させてある。
【0060】
図10に示すように、エンジン11の排気管部11bに接続管17を介して吸気部が接続されたマフラー18を座席支持台12の内部に設け、マフラー18の吸気部が位置する側とは反対側の端部に設けられた排気管18aの開口を、座席支持台12に対して走行機体横方向での内側に位置する箇所に設けた走行機体上下向きの排気ガイド筒19の下端部の内側に入り込ませてある。排気ガイド筒19は、機体フレーム2に立設された支柱19aに支持されている。
【0061】
つまり、エンジン11からマフラー18に流入してマフラー18の排気管18aから排出された燃焼排気を、排気ガイド筒19に下端側の開口から流入させて排気ガイド筒19に沿わせて上昇させ、排気ガイド筒19の上端に位置する開口から空中に排出する。
【0062】
図9に示すように、エアクリーナ13は、機体フレーム2に走行機体横方向に並べて立設された一対の支柱フレーム6a,6bのうちの機体外方側に位置する支柱フレーム6aから機体前方きに延出した支持アーム6cに支持されている。吸気筒16は、外方側の支柱フレーム6aの上端部に連結された板金製の連結部材8に連結されており、プレエアクリーナ15は、吸気筒16及び連結部材8を介して外方側の支柱フレーム6aに支持されている。
【0063】
図10に示すように、排気ガイド筒19の上下方向での中間部から延出された支持アーム63の延出端部に支柱64を介してオーガ受け65が設けられている。オーガ受け65は、穀粒排出オーガ20を構成する横スクリューコンベヤ20cが縦スクリューコンベヤ20aから走行機体前方向きに延出した格納状態に操作された際、横スクリューコンベヤ20cの長手方向での中間部を横側方で受け止め支持するものである。
【0064】
穀粒タンク50について説明する。
図1に示すように、穀粒タンク5は、穀粒排出オーガ20を構成する縦スクリューコンベヤ20aの走行機体上下向きのスクリュー軸芯で成る開閉軸芯Tまわりに揺動操作されることにより、運転部7の後方で機体フレーム2の上に脱穀装置4と平行に位置した作業用の閉じ姿勢と、機体フレーム2に設けた支持部2a(図11参照)から走行機体横外側に延出したメンテナンス用の開き姿勢(図2に二点鎖線で示す姿勢)とに開閉するように支持部2aに枢支されている。
【0065】
縦スクリューコンベヤ20aの下部と機体フレーム2とにわたり、穀粒タンク5を開き姿勢に固定する開きロック機構90を設けてある。
【0066】
図11(a)は、開きロック機構90のロック解除状態を示す平面図である。図11(b)は、開きロック機構90のロック状態を示す平面図である。図12(a)は、開きロック機構90のロック解除状態を示す側面図である。図12(c)は、ロックピン93のロック状態を示す側面図である。これらの図に示すように、開きロック機構90は、縦スクリューコンベヤ20aの下部に機体フレーム2の支持部2aに支持されるよう設けた連結部20bから一体回転自在に延出する揺動アーム91と、支持部2aに固定されたロック体92と、脱着自在なロックピン93とを備えて構成してある。
【0067】
図11(b)、図12(c)に示すように、開きロック機構90は、ロックピン93を揺動アーム91に設けてあるピン孔91aとロック体92に設けてあるロック用ピン孔92aとに装着することにより、穀粒タンク5を開き姿勢に固定するようロック状態になる。このとき、ロックピン93に一対のベータピンで成る脱着自在な抜け止めピン94,94を揺動アーム91の上下側に分散配置して装着して、ロックピン93の外れ止めを行なう。
【0068】
図11(a)、図12(a)に示すように、開きロック機構90は、ロックピン93を揺動アーム91のピン孔91a及びロック体92のロック用ピン孔92aから抜き外すことにより、ロック解除状態になる。このとき、ロックピン93をロック体92に設けてある支持用ピン孔92bに装着し、ロックピン93に装着した一対の抜け止めピン94,94によってロックピン93の外れ止めを行なっておく。すると、ロックピン93を紛失しないようにロック体92に支持させておくことができる。また、図11(a)に二点鎖線で示すとともに図12(b)に示すように、穀粒タンク5を開き操作した場合、ロックピン93がロック体92から上方に突出している部分で揺動アーム91に当接して受け止め作用して、穀粒タンク5を開き姿勢に位置決めし、かつ揺動アーム91のピン孔91aとロック体92のロック用ピン92aとが合致するように揺動アーム91を位置決めする。
【0069】
〔別実施例〕
上記した実施例では、クラッチ切換え体70が揺動自在に支持される例を示したが、これに替え、クラッチ切換え体が変速レバー53に対して横方向に摺動自在に支持される構成を採用して実施してもよい。この場合も、本発明の目的を達成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、自脱型のコンバインの他、普通型のコンバインにも利用できる。
【符号の説明】
【0071】
28 変速装置
31,33 脱穀クラッチ
53 変速レバー
54 脱穀クラッチレバー
60 操作経路
70 クラッチ切換え体
71a 揺動軸芯
74 切換え作用部
77 低速側カム部
78 中速側カム部
A 作用位置
B 待機位置
L 低速位置
M 中速位置
H 高速位置
ON 入り位置
OFF 切り位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行用の変速装置を高速状態と中速状態と低速状態に変速操作する人為操作自在な変速レバーと、脱穀クラッチを切換え操作する人為操作自在な脱穀クラッチレバーを備えたコンバインの操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示されるように、主変速レバーの操作経路に規制具あるいはストッパを設け、主変速レバーが特定の操作位置に操作されたことをオペレータに知らしめるように、主変速レバーの操作力に規制具あるいはストッパによって変化を与えるものがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−253045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したコンバインでは、高速走行による植立茎稈の押し倒しなどの発生を回避するように、変速装置を低速状態又は中速状態に変速操作した状態で作業を行なわれる。したがって、変速装置を低速状態にした作業状態から変速装置を高速状態に変速して移動走行する状態に切換えられる場合、変速装置を中速状態にした作業状態から変速装置を高速状態に変速して移動走行する状態に切換えられる場合よりも大きな速度変化が発生する。
【0005】
上記した従来の技術を採用することにより、作業状態から移動走行への切り換えが低速作業からの切換えであることを作業者に認識させやすくしようとすると、専用の抵抗付与手段を設ける必要があった。
【0006】
本発明の目的は、作業状態から移動走行への切換えが低速作業からの切換えであることを有利に認識させ得るコンバインの操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本第1発明は、走行用の変速装置を高速状態と中速状態と低速状態に変速操作する人為操作自在な変速レバーと、脱穀クラッチを切換え操作する人為操作自在な脱穀クラッチレバーを備えたコンバインの操作装置において、
前記変速レバーの高速位置と中速位置と低速位置を、前記中速位置と前記低速位置が前記変速レバーの操作経路の両端部に分かれて位置し、前記高速位置が前記操作経路の中間部に位置するように配置し、
前記変速レバーに当接する低速側カム部と中速側カム部、及び前記脱穀クラッチレバーに対して切換え作用する切換え作用部を備えるとともに前記脱穀クラッチレバーを切り位置に切換え操作する作用位置と前記脱穀クラッチレバーの人為操作を許容する待機位置に切換え自在なクラッチ切換え体を設け、
前記変速レバーが前記低速位置から前記高速位置に操作されると、前記クラッチ切換え体が前記低速側カム部に摺接する前記変速レバーによって前記待機位置から前記作用位置に切換え操作されて前記切換え作用部によって前記脱穀クラッチレバーを入り位置から切り位置に切換え操作し、かつ前記変速レバーが前記中速位置から前記高速位置に操作されると、前記クラッチ切換え体が前記中速側カム部に摺接する前記変速レバーによって前記待機位置から前記作用位置に切換え操作されて前記切換え作用部によって前記脱穀クラッチレバーを入り位置から切り位置に切換え操作するように構成し、
前記クラッチ切換え体を、前記低速側カム部に摺接して前記クラッチ切換え体を切換え操作する前記変速レバーに対して付与する操作反力が、前記中速側カム部に摺接して前記クラッチ切換え体を切換え操作する前記変速レバーに対して付与する操作反力よりも大になるように構成してある。
【0008】
本第1発明の構成によると、変速レバーを低速位置あるいは中速位置から高速位置に切り換え操作すると、クラッチ切換え体の低速側カム部あるいは中速側カム部と変速レバーの当接によってクラッチ切換え体が作用位置に切換え操作され、脱穀クラッチレバーが入り位置になっていても、クラッチ切換え体の切換え作用部が脱穀クラッチレバーを切り位置に切換え操作して脱穀クラッチが切り状態に切り換わる。したがって、変速装置を高速状態に変速した場合、脱穀クラッチが入り状態になっていてもクラッチ切換え体によって切り状態に切換え操作されるのであり、高速走行させながら作業することをクラッチ切換え体によって防止される。
【0009】
変速装置を中速状態から高速状態に変速操作する場合、変速レバーが中速側カム部に当接してクラッチ切換え体によって変速レバーに小さい操作反力が付与されて変速操作が比較的軽くて済む。これに対し、変速装置を低速状態から高速状態に変速操作する場合、変速レバーが低速側カム部に当接してクラッチ切換え体によって変速レバーに大きい操作反力が付与されて変速操作が比較的重くなる。これにより、作業走行から移動走行に切換えるべく行なわれる変速が低速状態から高速状態に切換える変速であることを変速操作が重いことによって認識させることができる。
【0010】
従って、低速の作業走行から移動走行への切換えが行なわれる場合、比較的大きい速度差の速度変化が発生する切換えであることを認識させやすく、比較的大きい速度差の速度変化が発生しても的確に対応して運転されるようにできるものを、高速走行での作業を防止するクラッチ切換え体を抵抗付与手段に利用して構造面や経済面で有利に得ることができる。
【0011】
本第2発明では、前記クラッチ切換え体を揺動軸芯まわりに揺動して前記待機位置と前記作用位置に切り換わるように枢支し、
前記低速側カム部を、前記クラッチ切換え体のうちの前記揺動軸芯を中心として小半径で位置する部位に設け、前記中速側カム部を、前記クラッチ切換え体のうちの前記揺動軸芯を中心として大半径で位置する部位に設けてある。
【0012】
本第2発明の構成によると、低速側カム部と中速側カム部を同じ形状のものにしても、低速側カム部が位置する部位と中速側カム部が位置する部位の揺動軸芯からの距離の相違により、変速レバーが低速側カム部によって付与される操作反力を中速側カム部によって付与される操作反力より大にすることができる。
【0013】
従って、クラッチ切換え体を抵抗付与手段に利用することができることに加え、クラッチ切換え体を低速側カム部と中速側カム部の形状が同じである簡素なものに済ませることができて、より有利に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】コンバインの全体を示す側面図である。
【図2】コンバインの全体を示す平面図である。
【図3】走行装置、刈取り部、脱穀装置に対する動力伝達を示す線図である。
【図4】変速レバー及び脱穀クラッチレバーの支持構造を示す側面図である。
【図5】変速レバー及び脱穀クラッチレバーの支持構造を示す平面図である。
【図6】クラッチ切換え体の作用を示す平面図である。
【図7】クラッチ切換え体の作用を示す平面図である。
【図8】クラッチ切換え体の作用を示す説明図である。
【図9】エンジンの吸気構造を示す正面図である。
【図10】エンジンの排気構造を示す側面図である。
【図11】(a)は、開きロック機構のロック解除状態を示す平面図、(b)は、開きロック機構のロック状態を示す平面図である。
【図12】(a)は、開きロック機構のロック解除状態を示す側面図、(b)は、ロックピンの位置決め状態を示す側面図、(c)は、ロックピンのロック状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す側面図である。図2は、本発明の実施例に係るコンバインの全体を示す平面図である。これらの図に示すように、本発明の実施例に係るコンバインは、左右一対のクローラ式の走行装置1,1を有した自走機体と、この自走機体の機体フレーム2の前部に連結された刈取り部3と、機体フレーム2の後部に設けられた脱穀装置4及び穀粒タンク5と、穀粒タンク5の後端側の下部に搬送始端部が連結された穀粒排出オーガ20とを備えて構成してある。
【0016】
このコンバインは、稲、麦などの穀粒の収穫作業を行なうものである。
すなわち、自走機体は、機体フレーム2の前端側の自走機体横方向での端部に設けられたエンジン11を有した原動部10を備え、エンジン11からの駆動力によって左右一対のクローラ走行装置1,1を駆動して自走する。自走機体は、エンジンボンネットに兼用の座席支持台12の天板上に取り付けられた運転座席7aを有した運転部7を備えており、この運転部7に搭乗して運転するように乗用型になっている。
【0017】
刈取り部3は、機体フレーム2の前端部に上下揺動自在に支持された刈取り部フレーム3aが油圧シリンダ(図示せず)によって揺動操作されることにより、刈取り部3の前端部に設けられた分草具3b、及び分草具3bの後方に位置するバリカン形の刈取装置3cが地面近くに下降した下降作業状態と、分草具3b及び刈取装置3cが地面から高く上昇した上昇非作業状態とに昇降する。
【0018】
つまり、刈取り部3を下降作業状態に下降させて自走機体を走行させることにより、刈取り部3は、分草具3bによって植立穀稈を刈取対象と非刈取対象とに分草し、刈取対象の植立穀稈を刈取装置3cによって刈り取り処理し、刈取り穀稈を脱穀装置4に供給する。脱穀装置4は、刈取り部3から供給された刈取り穀稈の株元側を脱穀フィードチェーン(図示せず)によって挟持して後方側に搬送し、刈取穀稈の穂先側を扱室(図示せず)に供給して脱穀処理する。穀粒タンク5は、脱穀装置4から排出された脱穀粒を回収して貯留する。穀粒タンク5に貯留された脱穀粒を穀粒排出オーガ20によって取り出す。
【0019】
図3は、走行装置1、刈取り部3及び脱穀装置4に対する動力伝達を示す線図である。この図に示すように、エンジン11の出力軸11cの駆動力を、出力軸11cに設けたベルトプーリ21から伝動ベルト22を介して走行用伝動装置23における主の変速装置24の入力軸24aに伝達し、走行用伝動装置23の左走行用の出力を左出力軸23aから左側の走行装置1に伝達し、走行用伝動装置23の右走行用の出力を右出力軸23bから右側の走行装置1に伝達する。走行用伝動装置23に設けた刈取り出力軸25の駆動力を、刈取り出力軸25に設けた一方向回転クラッチ26から刈取りクラッチ27を介して刈取り部3の入力軸3dに伝達する。
【0020】
走行用伝動装置23は、主の変速装置24を備える他、副の変速装置28及び刈取り変速装置29を備えている。主の変速装置24は、入力軸24aをポンプ軸として有した可変容量形のアキシァルプランジャポンプPと、このアキシァルプランジャポンプPから供給される油圧によって駆動されるアキシァルプランジャモータMとを備えて構成してあり、静油圧式無段変速装置になっている。副の変速装置28は、シフトギヤ(図示せず)がシフト操作されることによって高速状態と中速状態と低速状態に変速操作されるギヤ式変速装置によって構成してあり、主の変速装置24によって無段階に変速された前進側及び後進側の駆動力を高速、中速、低速の三段階に副変速して左出力軸23a及び右出力軸23bに伝達する。刈取り変速装置29は、主の変速装置24によって無段階に変速された駆動力を高速と低速の二段階に変速して刈取り出力軸25から出力する。
【0021】
刈取りクラッチ27は、入力軸3dに巻回された伝動ベルトをテンションアームによって伝動入りの張り状態と伝動切りの緩み状態に切り換えるようにベルトテンションクラッチに構成してある。
【0022】
エンジン11の出力軸11cの駆動力を、出力軸11cに設けた出力ベルトプーリ30から第1の脱穀クラッチ31を介して脱穀装置4の扱胴駆動軸40に伝達する。エンジン11の出力軸11cの駆動力を、出力軸11cに設けた出力ベルトプーリ32から第2の脱穀クラッチ33を介して脱穀装置4の唐箕駆動軸41に伝達し、唐箕駆動軸41の駆動力を、脱穀フィードチェーン42と、選別部の1番スクリューコンベヤ43及び2番スクリューコンベヤ44に伝達する。
【0023】
第1の脱穀クラッチ31は、出力軸11cに設けた出力ベルトプーリ30と扱胴駆動軸40に設けた入力ベルトプーリ40aに巻回された伝動ベルト31aと、テンションアーム31bを備えて構成してある。第2の脱穀クラッチ33は、出力軸11cに設けた出力ベルトプーリ32と唐箕駆動軸41に設けた入力ベルトプーリ41aに巻回された伝動ベルト33aと、テンションアーム33bを備えて構成してある。
【0024】
したがって、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33は、テンションアーム31b,33bが揺動操作され、伝動ベルト31a,33aがテンションアーム31b,33bによって伝動用の張り状態に押圧操作されることにより、扱胴45及び唐箕46に動力伝達するように入り状態になり、伝動ベルト31a,33aのテンションアーム31b,33bによる押圧が解除されて伝動ベルト31a,33aが伝動停止の緩み状態になることにより、扱胴45及び唐箕46に対する伝動を絶つように切り状態になる。
【0025】
主の変速装置24及び副の変速装置28の変速操作、刈取りクラッチ27と第1の脱穀クラッチ31と第2の脱穀クラッチ33の切換え操作は、運転部7に運転座席7aの横側方に配置して設けた操作装置50によって行なわれる。
【0026】
図2に示すように、操作装置50は、運転座席7aの横側方に設けた操作盤51、操作盤51の前部に走行機体横方向に並べて設けた主の変速レバー52と副の変速レバー53、操作盤51の前後方向での中間部に変速レバー52,53の後方側に配置して、かつ走行機体横方向に並べて設けた脱穀クラッチレバー54と刈取りクラッチレバー55を備えている。
【0027】
主の変速レバー52は、操作盤51の下方で枢支されている。主の変速レバー52は、アキシァルプランジャポンプPの斜板角変更を行なうように主の変速装置24に設けられた変速操作部(図示せず)にリンク及びロッドを備えて構成された連動機構(図示せず)を介して連動されている。
【0028】
したがって、主の変速レバー52を操作盤51に設けたガイド溝に沿わせて走行機体前後方向に揺動操作することにより、アキシァルプランジャポンプPの斜板角を変更操作でき、主の変速装置24を前進駆動状態と中立状態と後進駆動状態に変速操作できる。
【0029】
図4に示すように、副の変速レバー53は、操作盤51の下方に回転自在に設けたレバー支軸57が一体回転自在に備えているレバー支持部57aに支持されている。レバー支軸57から揺動アーム58が一体回転自在に延出されるとともに揺動アーム58の延出端部が連動杆59を介して副の変速装置28の揺動自在な変速操作部28aに連結されており、副の変速レバー53は、レバー支持部57a、レバー支軸57、揺動アーム58及び連動杆59を介して副の変速装置28の変速操作部28aに連動されている。
【0030】
したがって、副の変速レバー53をレバー支軸57の走行機体横向き軸芯で成る操作軸芯Xまわりに、操作盤51に設けたガイド溝によって形成された操作経路60(図5参照)に沿わせて走行機体前後方向に揺動操作することにより、変速操作部28aを揺動操作することができて副の変速装置28を変速操作できる。
【0031】
つまり、副の変速レバー53を操作経路60の後側の端部に配置された低速位置[L]に操作すると、副の変速装置28が低速状態になる。副の変速レバー53を操作経路60の中間部に配置された高速位置[H]に操作すると、副の変速装置28が高速状態になる。副の変速レバー53を操作経路60の前側の端部に配置された中速位置[M]に操作すると、副の変速装置28が中速状態になる。
【0032】
副の変速レバー53が低速位置[L]、高速位置[H]、中速位置[M]に位置した場合、副の変速レバー53をレバー支持部57aによる枢支軸芯Yまわりに操作経路60の横外側に向けて揺動操作することにより、操作盤51に切り欠きを形成して設けてある係止部61(図6,7,8参照)に、変速レバー53に板材を付設して設けてある係合部53aが係合し、副の変速レバー53を低速位置[L]、高速位置[H]、中速位置[M]に保持することができる。
【0033】
図4,5に示すように、脱穀クラッチレバー54は、操作盤51の裏面側に固定された支持部材62に回転自在な筒軸形のレバー支軸63を介して枢支されている。操作盤51から走行機体横方向での内側に外れた箇所でレバー支軸63の端部から揺動アーム64が一体回転自在に延出されるとともに揺動アーム64の遊端部に円弧形の連動リンク65の一端側が枢着され、連動リンク65の他端側に操作ケーブル66の一端側が連結されるともにこの操作ケーブル66の他端側が第1及び第2の脱穀クラッチ31,33のテンションアーム31b,33bに連結されており、脱穀クラッチレバー54は、レバー支軸63、揺動アーム64、連動リンク65、操作ケーブル66を介してテンションアーム31b,33bに連動されている。
【0034】
したがって、脱穀クラッチレバー54をレバー支軸63の走行機体横向き軸芯で成る揺動軸芯Zまわりに、操作盤51に設けたガイド溝67に沿わせて走行機体前後方向に揺動操作することにより、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33のテンションアーム31b,33bを揺動操作することができ、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33を入り状態と切り状態に切換え操作できる。
【0035】
すなわち、図4に示すように、脱穀クラッチレバー54を揺動軸芯Zまわりに走行機体前方側に揺動操作して脱穀クラッチレバー54がガイド溝67から前方向きに突出した状態になると、脱穀クラッチレバー54がクラッチ入り位置[ON]となって操作ケーブル66を引っ張り操作し、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33が入り状態になる。このとき、連動リンク65と揺動アーム64を連結する連結点がデッドポイントをクラッチ入り側に超えており、脱穀クラッチレバー54は、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33のテンションアーム31b,33bが伝動ベルト31a,33aから受ける操作反力に抗してクラッチ入り位置[ON]に保持されて第1及び第2脱穀クラッチ31,33を入り状態に維持する。
【0036】
図8に実線で示すように、脱穀クラッチレバー54を揺動軸芯Zまわりに走行機体後方側に揺動操作して脱穀クラッチレバー54がガイド溝67から後方向きに突出した状態になると、脱穀クラッチレバー54がクラッチ切り位置[OFF]となって操作ケーブル66を緩め操作し、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33が切り状態になる。
【0037】
刈取りクラッチレバー55は、脱穀クラッチレバー54のレバー支軸63に回転自在に内嵌する支軸63aを介して支持部材62に支持されている。レバー支軸63aは、脱穀クラッチレバー54のレバー支軸63を第1及び第2の脱穀クラッチ31,33のテンションアーム31b,33bに連動させている構成と同じ構成を備えた連動機構68によって刈取りクラッチ27のテンションアーム27aに連動されており、刈取りクラッチレバー55は、支軸63a及び連動機構68を介してテンションアーム27に連動している。
【0038】
したがって、刈取りクラッチレバー54を操作盤51に設けたガイド溝69に沿わせて走行機体前後方向に揺動操作することにより、刈取りクラッチ27のテンションアーム27aを揺動操作することができ、刈取りクラッチ27を入り状態と切り状態に切換え操作することができる。
【0039】
図4,5に示すように、操作盤51の裏面側にクラッチ切換え体70を副の変速レバー53の近くに配置して設けてある。
【0040】
図4,5,6に示すように、クラッチ切換え体70は、操作盤51の裏面側に機体上下向きの支軸71を介して回転自在に支持された連結部72と、この連結部72から機体前方向きに延出して副の変速レバー53の横側に位置する受動アーム部73と、連結部72から機体後方向きに延出した円弧形のアームで成る切換え作用部74とを備えて構成してあり、受動アーム部73と切換え作用部74が支軸71の軸芯でなる揺動軸芯71aまわりに一体に揺動するように支持されている。
【0041】
クラッチ切換え体70は、図6に示す作用位置[A]と待機位置[B]にわたって揺動し、クラッチ切換え体70が作用位置[A]に揺動すると、切換え作用部74が機体後方側に揺動して切換え作用部74の遊端部に連結されている操作ケーブル75を引っ張り操作する。クラッチ切換え体70が待機位置[B]に揺動すると、切換え作用部74が機体前方側に揺動して操作ケーブル75を緩め操作する。
【0042】
受動アーム部73は、延出方向での中間部に設けた頂上カム部76と、頂上カム部76に対して連結部72が位置する側の部位に設けた低速側カム部77と、頂上カム部76に対して連結部72が位置する側とは反対側の部位に設けた中速側カム部78とを備えている。
【0043】
低速側カム部77は、頂上カム部76に連なる傾斜カム部77aと、傾斜カム部77aに対して頂上カム部76が位置する側とは反対側に位置する底部77bを備えている。図7に示すように、低速側カム部77は、副の変速レバー53が低速位置[L]に位置する場合、底部77bを副の変速レバー53に対向させて、クラッチ切換え体70の待機位置[B]への切り換わりを許容する。低速側カム部77は、副の変速レバー53が低速位置[L]から高速位置[H]に切換え操作される場合、傾斜カム部77aで副の変速レバー53に当接して変速レバー53によるクラッチ切換え体70の作用位置[A]に向けての揺動操作を行なわせながら変速レバー53を頂上カム部76に案内する。
【0044】
図8に示すように、頂上カム部76は、高速位置[H]に操作された副の変速レバー53に当接して、変速レバー53によるクラッチ切換え体70の作用位置[A]への揺動操作を行なわせる。
【0045】
中速側カム部78は、頂上カム部76に連なる傾斜カム部78aと、傾斜カム部78aに対して頂上カム部76が位置する側とは反対側に位置する底部78bを備えている。図6に示すように、中速側カム部78は、副の変速レバー53が中速位置[M]に位置する場合、底部78bを副の変速レバー53に対向させて、クラッチ切換え体70の待機位置[B]への切り換わりを許容する。中速側カム部78は、副の変速レバー53が中速位置[M]から高速位置[H]に切換え操作される場合、傾斜カム部78aで副の変速レバー53に当接して変速レバー53によるクラッチ切換え体70の作用位置[A]に向けての揺動操作を行なわせながら変速レバー53を頂上カム部76に案内する。
【0046】
図4,8に示すように、切換え作用部74の遊端部に操作ケーブル75の一端側が連結され、この操作ケーブル75の他端側が、脱穀クラッチレバー54のレバー支軸63に一体回転自在に設けた揺動アーム79に連結されており、切換え作用部74は、操作ケーブル75、揺動アーム79及びレバー支軸63を介して脱穀クラッチレバー54に連動されている。
【0047】
図4,5に示すように、脱穀クラッチレバー54は、脱穀クラッチレバー54の基部から刈取りクラッチレバー55が位置する側に向けて延出された連動操作アーム80を備えている。連動操作アーム80は、脱穀クラッチレバー54がクラッチ入り位置[ON]からクラッチ切り位置[OFF]に切換え操作された場合、揺動軸芯Zまわりに脱穀クラッチレバー54と共に揺動してクラッチ入り位置に位置する刈取りクラッチレバー54の基部に走行機体前方側から押圧操作し、刈取りクラッチレバー55をクラッチ切り位置に切換え操作する。
【0048】
したがって、操作装置50は、高速走行しながら作業されることをクラッチ切換え体70によって防止する。
【0049】
すなわち、作業を行なう場合、副の変速レバー53を中速位置[M]又は低速位置[L]に操作して副の変速装置28が中速状態又は低速状態に変速操作される。図7に示すように、副の変速装置28が低速状態に変速操作されている場合、脱穀クラッチレバー54をクラッチ入り位置[ON]に操作しようとすると、連動アーム79が揺動して操作ケーブル75を引っ張り操作し、クラッチ切換え体70が操作ケーブル75によって揺動操作されるとともに低速側カム部77の底部77bが低速位置[L]に操作されている副の変速レバー53に対向して、クラッチ切換え体70が待機位置[B]になり、脱穀クラッチレバー54をクラッチ入り位置[ON]に切換え操作することができて第1及び第2の脱穀クラッチ31,33を入り状態に切換えることができる。
【0050】
図6に示すように、副の変速装置28が中速状態に変速操作されている場合、脱穀クラッチレバー54をクラッチ入り位置[ON]に操作しようとすると、連動アーム79が揺動して操作ケーブル75を引っ張り操作し、クラッチ切換え体70が操作ケーブル75によって揺動操作されるとともに中速側カム部78の底部78bが中速位置[M]に操作されている副の変速レバー53に対向して、クラッチ切換え体70が待機位置[B]になり、脱穀クラッチレバー54をクラッチ入り位置[ON]に切換え操作することができて第1及び第2の脱穀クラッチ31,33を入り状態に切換えることができる。
【0051】
図8に示すように、副の変速レバー53が高速位置[H]に操作されると、受動アーム部73の頂上カム部76が変速レバー53に当接してクラッチ切換え体70が変速レバー53によって揺動操作されて作用位置[A]になり、切換え作用部74が操作ケーブル75、揺動アーム79及びレバー支軸63を介して脱穀クラッチレバー54に引き作用する。
【0052】
したがって、副の変速レバー53を高速位置[H]に操作して副の変速装置28が高速状態に変速操作されている場合、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33が入り状態になっていると、クラッチ切換え体70が切換え作用部74によって脱穀クラッチレバー54をクラッチ入り位置[ON]からクラッチ切り位置[OFF]に切換え操作し、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33が切り状態に切り換わる。このとき、刈取りクラッチ27が入り状態になっていた場合、刈取クラッチレバー55が脱穀クラッチレバー54によって操作される連動操作アーム80によってクラッチ切り位置に切換え操作され、刈取りクラッチ27も切り状態に切り換わる。
【0053】
副の変速装置28が高速状態に変速操作されている場合、第1及び第2の脱穀クラッチ31,33を入り状態に切換え操作しようとしても、クラッチ切換え体70の切換え作用部74が操作ケーブル75、揺動アーム79及びレバー支軸63を介して脱穀クラッチレバー54に引き作用しており、クラッチ切換え体70は、脱穀クラッチレバー54がクラッチ入り位置[ON]に切り換えられることを阻止する。この場合、連動操作アーム86が刈取クラッチレバー55にストップ作用して刈取クラッチレバー55のクラッチ入り位置への切換えを阻止する。
【0054】
図6に示すように、クラッチ切換え体70の低速側カム部77を受動アーム部73のうちの揺動軸芯71aを中心として小半径で位置する部位に設け、中速側カム部78を受動アーム部73のうちの揺動軸芯71aを中心として大半径で位置する部位に設けてあり、作業走行から移動走行に切り換えるべく行なわれる操作が低速作業と中速作業のいずれから切り換える操作であるかを作業者に認識しやすくしている。
【0055】
すなわち、第1及び第2脱穀クラッチ31,33が入り状態になっている場合、テンションアーム31b,33bに伝動ベルト31a,33aから掛かる操作反力に抗して脱穀クラッチレバー54がクラッチ入り位置[ON]に保持されていて連動アーム79が操作ケーブル75を引っ張り操作しており、クラッチ切換え体70が待機位置[B]に付勢されている。低速位置[L]から高速位置[H]に切換え操作される変速レバー53は、低速側カム部77の傾斜カム部77aに摺接しながら高速位置[H]に移動し、中速位置[M]から高速位置[H]に切換え操作される変速レバー53は、中速側カム部78の傾斜カム部78aに摺接しながら高速位置[H]に移動する。中速側カム部78の傾斜カム部78aは、揺動軸芯71aを中心とした大半径での部位に位置するのに対し、低速側カム部77は、揺動軸芯71aと中心とした小半径での部位に位置していることにより、低速位置[L]から高速位置[H]に移動する変速レバー53に対して低速側カム部77によって付与される操作反力が、中速位置[M]から高速位置[H]に移動する変速レバー53に対して中速側カム部78によって付与される操作反力よりも大になる。
【0056】
したがって、低速状態での作業走行から移動走行に切換える場合、副の変速装置28を低速状態から高速状態に変速操作するよう変速レバー53が低速位置[L]から高速位置[H]に切換え操作される。この場合、低速側カム部77によって変速レバー53に付与される操作反力が大きくて変速レバー53の操作が比較的重くなり、これによって低速状態での作業走行から移動走行に切換える変速操作であることを認識できる。
【0057】
中速状態での作業走行から移動走行に切換える場合、副の変速装置28を中速状態から高速状態に変速操作するよう変速レバー53が中速位置[M]から高速位置[H]に切換え操作される。この場合、中速側カム部78によって変速レバー53に付与される操作反力が小さくて変速レバー53の操作が比較的軽くなり、これによって中速状態での作業走行から移動走行に切換える変速操作であることを認識できる。
【0058】
図5に示すように、操作ケーブル75は、平面視において、クラッチ切換え体70の切換え作用部74から機体後方向きに変速レバー52及び変速レバー53の横側方を通って延出し、変速レバー52及び変速レバー53の後方箇所で変速レバー52に対して変速レバー53が位置する側とは反対側に向かいながらUターンし、脱穀クラッチレバー54に対して変速レバー52及び変速レバー53が位置する側とは反対側を機体前方向きに通って揺動アーム79に連結するように配置されている。
【0059】
エンジン11に対する燃焼用空気の供給、及びエンジン11からの燃焼排気の排出について説明する。
図2,9に示すように、運転座席7aの後方に、エアクリーナ13を座席支持台12の上方に配置して、かつ穀粒タンク5の上端部の前側に配置して設け、このエアクリーナ13の走行機体横方向での内側に位置する端部に設けられた排気口13aとエンジン11の吸気部11aを、座席支持台12の天板12aを貫通した吸気管14によって連通させてある。エアクリーナ13の上方にプレエアクリーナ15を配置し、このプレエアクリーナ15の排気口15aと、エアクリーナ13の走行機体横方向での内側に位置する端部に設けられた吸気口13bを、エアクリーナ13の吸気口13bから走行機体上方向きに突設された吸気筒16によって連通させてある。
【0060】
図10に示すように、エンジン11の排気管部11bに接続管17を介して吸気部が接続されたマフラー18を座席支持台12の内部に設け、マフラー18の吸気部が位置する側とは反対側の端部に設けられた排気管18aの開口を、座席支持台12に対して走行機体横方向での内側に位置する箇所に設けた走行機体上下向きの排気ガイド筒19の下端部の内側に入り込ませてある。排気ガイド筒19は、機体フレーム2に立設された支柱19aに支持されている。
【0061】
つまり、エンジン11からマフラー18に流入してマフラー18の排気管18aから排出された燃焼排気を、排気ガイド筒19に下端側の開口から流入させて排気ガイド筒19に沿わせて上昇させ、排気ガイド筒19の上端に位置する開口から空中に排出する。
【0062】
図9に示すように、エアクリーナ13は、機体フレーム2に走行機体横方向に並べて立設された一対の支柱フレーム6a,6bのうちの機体外方側に位置する支柱フレーム6aから機体前方きに延出した支持アーム6cに支持されている。吸気筒16は、外方側の支柱フレーム6aの上端部に連結された板金製の連結部材8に連結されており、プレエアクリーナ15は、吸気筒16及び連結部材8を介して外方側の支柱フレーム6aに支持されている。
【0063】
図10に示すように、排気ガイド筒19の上下方向での中間部から延出された支持アーム63の延出端部に支柱64を介してオーガ受け65が設けられている。オーガ受け65は、穀粒排出オーガ20を構成する横スクリューコンベヤ20cが縦スクリューコンベヤ20aから走行機体前方向きに延出した格納状態に操作された際、横スクリューコンベヤ20cの長手方向での中間部を横側方で受け止め支持するものである。
【0064】
穀粒タンク50について説明する。
図1に示すように、穀粒タンク5は、穀粒排出オーガ20を構成する縦スクリューコンベヤ20aの走行機体上下向きのスクリュー軸芯で成る開閉軸芯Tまわりに揺動操作されることにより、運転部7の後方で機体フレーム2の上に脱穀装置4と平行に位置した作業用の閉じ姿勢と、機体フレーム2に設けた支持部2a(図11参照)から走行機体横外側に延出したメンテナンス用の開き姿勢(図2に二点鎖線で示す姿勢)とに開閉するように支持部2aに枢支されている。
【0065】
縦スクリューコンベヤ20aの下部と機体フレーム2とにわたり、穀粒タンク5を開き姿勢に固定する開きロック機構90を設けてある。
【0066】
図11(a)は、開きロック機構90のロック解除状態を示す平面図である。図11(b)は、開きロック機構90のロック状態を示す平面図である。図12(a)は、開きロック機構90のロック解除状態を示す側面図である。図12(c)は、ロックピン93のロック状態を示す側面図である。これらの図に示すように、開きロック機構90は、縦スクリューコンベヤ20aの下部に機体フレーム2の支持部2aに支持されるよう設けた連結部20bから一体回転自在に延出する揺動アーム91と、支持部2aに固定されたロック体92と、脱着自在なロックピン93とを備えて構成してある。
【0067】
図11(b)、図12(c)に示すように、開きロック機構90は、ロックピン93を揺動アーム91に設けてあるピン孔91aとロック体92に設けてあるロック用ピン孔92aとに装着することにより、穀粒タンク5を開き姿勢に固定するようロック状態になる。このとき、ロックピン93に一対のベータピンで成る脱着自在な抜け止めピン94,94を揺動アーム91の上下側に分散配置して装着して、ロックピン93の外れ止めを行なう。
【0068】
図11(a)、図12(a)に示すように、開きロック機構90は、ロックピン93を揺動アーム91のピン孔91a及びロック体92のロック用ピン孔92aから抜き外すことにより、ロック解除状態になる。このとき、ロックピン93をロック体92に設けてある支持用ピン孔92bに装着し、ロックピン93に装着した一対の抜け止めピン94,94によってロックピン93の外れ止めを行なっておく。すると、ロックピン93を紛失しないようにロック体92に支持させておくことができる。また、図11(a)に二点鎖線で示すとともに図12(b)に示すように、穀粒タンク5を開き操作した場合、ロックピン93がロック体92から上方に突出している部分で揺動アーム91に当接して受け止め作用して、穀粒タンク5を開き姿勢に位置決めし、かつ揺動アーム91のピン孔91aとロック体92のロック用ピン92aとが合致するように揺動アーム91を位置決めする。
【0069】
〔別実施例〕
上記した実施例では、クラッチ切換え体70が揺動自在に支持される例を示したが、これに替え、クラッチ切換え体が変速レバー53に対して横方向に摺動自在に支持される構成を採用して実施してもよい。この場合も、本発明の目的を達成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明は、自脱型のコンバインの他、普通型のコンバインにも利用できる。
【符号の説明】
【0071】
28 変速装置
31,33 脱穀クラッチ
53 変速レバー
54 脱穀クラッチレバー
60 操作経路
70 クラッチ切換え体
71a 揺動軸芯
74 切換え作用部
77 低速側カム部
78 中速側カム部
A 作用位置
B 待機位置
L 低速位置
M 中速位置
H 高速位置
ON 入り位置
OFF 切り位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行用の変速装置を高速状態と中速状態と低速状態に変速操作する人為操作自在な変速レバーと、脱穀クラッチを切換え操作する人為操作自在な脱穀クラッチレバーを備えたコンバインの操作装置であって、
前記変速レバーの高速位置と中速位置と低速位置を、前記中速位置と前記低速位置が前記変速レバーの操作経路の両端部に分かれて位置し、前記高速位置が前記操作経路の中間部に位置するように配置し、
前記変速レバーに当接する低速側カム部と中速側カム部、及び前記脱穀クラッチレバーに対して切換え作用する切換え作用部を備えるとともに前記脱穀クラッチレバーを切り位置に切換え操作する作用位置と前記脱穀クラッチレバーの人為操作を許容する待機位置に切換え自在なクラッチ切換え体を設け、
前記変速レバーが前記低速位置から前記高速位置に操作されると、前記クラッチ切換え体が前記低速側カム部に摺接する前記変速レバーによって前記待機位置から前記作用位置に切換え操作されて前記切換え作用部によって前記脱穀クラッチレバーを入り位置から切り位置に切換え操作し、かつ前記変速レバーが前記中速位置から前記高速位置に操作されると、前記クラッチ切換え体が前記中速側カム部に摺接する前記変速レバーによって前記待機位置から前記作用位置に切換え操作されて前記切換え作用部によって前記脱穀クラッチレバーを入り位置から切り位置に切換え操作するように構成し、
前記クラッチ切換え体を、前記低速側カム部に摺接して前記クラッチ切換え体を切換え操作する前記変速レバーに対して付与する操作反力が、前記中速側カム部に摺接して前記クラッチ切換え体を切換え操作する前記変速レバーに対して付与する操作反力よりも大になるように構成してあるコンバインの操作装置。
【請求項2】
前記クラッチ切換え体を揺動軸芯まわりに揺動して前記待機位置と前記作用位置に切り換わるように枢支し、
前記低速側カム部を、前記クラッチ切換え体のうちの前記揺動軸芯を中心として小半径で位置する部位に設け、前記中速側カム部を、前記クラッチ切換え体のうちの前記揺動軸芯を中心として大半径で位置する部位に設けてある請求項1記載のコンバインの操作装置。
【請求項1】
走行用の変速装置を高速状態と中速状態と低速状態に変速操作する人為操作自在な変速レバーと、脱穀クラッチを切換え操作する人為操作自在な脱穀クラッチレバーを備えたコンバインの操作装置であって、
前記変速レバーの高速位置と中速位置と低速位置を、前記中速位置と前記低速位置が前記変速レバーの操作経路の両端部に分かれて位置し、前記高速位置が前記操作経路の中間部に位置するように配置し、
前記変速レバーに当接する低速側カム部と中速側カム部、及び前記脱穀クラッチレバーに対して切換え作用する切換え作用部を備えるとともに前記脱穀クラッチレバーを切り位置に切換え操作する作用位置と前記脱穀クラッチレバーの人為操作を許容する待機位置に切換え自在なクラッチ切換え体を設け、
前記変速レバーが前記低速位置から前記高速位置に操作されると、前記クラッチ切換え体が前記低速側カム部に摺接する前記変速レバーによって前記待機位置から前記作用位置に切換え操作されて前記切換え作用部によって前記脱穀クラッチレバーを入り位置から切り位置に切換え操作し、かつ前記変速レバーが前記中速位置から前記高速位置に操作されると、前記クラッチ切換え体が前記中速側カム部に摺接する前記変速レバーによって前記待機位置から前記作用位置に切換え操作されて前記切換え作用部によって前記脱穀クラッチレバーを入り位置から切り位置に切換え操作するように構成し、
前記クラッチ切換え体を、前記低速側カム部に摺接して前記クラッチ切換え体を切換え操作する前記変速レバーに対して付与する操作反力が、前記中速側カム部に摺接して前記クラッチ切換え体を切換え操作する前記変速レバーに対して付与する操作反力よりも大になるように構成してあるコンバインの操作装置。
【請求項2】
前記クラッチ切換え体を揺動軸芯まわりに揺動して前記待機位置と前記作用位置に切り換わるように枢支し、
前記低速側カム部を、前記クラッチ切換え体のうちの前記揺動軸芯を中心として小半径で位置する部位に設け、前記中速側カム部を、前記クラッチ切換え体のうちの前記揺動軸芯を中心として大半径で位置する部位に設けてある請求項1記載のコンバインの操作装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−200130(P2011−200130A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68305(P2010−68305)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】
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