説明

コンバインの穀稈引起し装置

【課題】従来の装置は、穀稈引起し装置に、伝動機構や分草装置を一体にして上方へ振り上げ揺動する構成にしたために、リフト機構を含めて構成が複雑となって製造コストが大幅に高くなると共に、引起しケースを上方の高い位置まで上げるからケース内のメンテナンスがやり辛い課題があった。
【解決手段】この発明は、上記課題を解決するために、穀稈引起し装置(3)を、その場において支持フレーム(5)の縦軸(6)で回転する構成とし、背後から引起しラグ(2)の伝動装置(4)を設け、前記穀稈引起し装置(3)は、前記伝動装置(4)を分離した状態で、前記縦軸(6)を回動支点Pとして、引起しラグ(2)が前方側に向く位置まで回動する構成としたコンバインの穀稈引起し装置としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、穀稈引起し装置を、詰まり除去作業やメンテナンス向上のため、取付位置で引起しラグが前方に向く方向に回動する構成としたコンバインの穀稈引起し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からコンバインの前部に設けられた刈取搬送装置には、周知のとおり、その前部に、刈取直前の倒伏穀稈を起立状態に引起すために、引起しケースに回動する引起しラグを備えた穀稈引起し装置が設けられている。そして、穀稈引起し装置は、刈取装置や穀稈掻込み装置、更には穀稈搬送装置等に絡んだり、詰まったりした穀稈を除去したり、メンテナンスのために取付位置から上方に振り上げ揺動して下方を開放する構成が公知技術として公開されている。
【0003】
例えば、特開2008−61572号公開特許公報がその例である。
そして、特開2008−61572号公開特許公報には、明細書と図面によれば、引起し装置を上方に振り上げ揺動する構成において、引起し装置の最大揺動高さを制限する上限設定手段を備え、刈取部を最大上昇させた状態で前記引起し装置を最大振り上げ揺動させた時に、引起し装置が運転部に干渉することを回避するように前記上限設定手段を設定した構成となっている。そして、明細書には、本発明は、引起し装置を振り上げて開放した状態での刈取部上昇操作に注意を払う必要がなく、詰まりの除去作業や点検整備に専念できる構成を提供することを目的としている、と記載されている。
【特許文献1】特開2008−61572号公開特許公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の装置は、前項で本件出願人が提示して説明した特許文献1に開示されているように、上部を横方向のカウンター軸に回動自由に支持した穀稈引起し装置を上方に振り上げ揺動させる構成となっている。すなわち、従来の装置は、多数の引起しラグを配列して取り付けた引起し用チエンを、上下のスプロケットに係合して伝動可能に引起しケースに内装して構成した穀稈引起し装置と、これを伝動する伝動機構と、更には、下部前側に連結した分草装置まで一体として重量物とし、詰まり除去作業や点検整備作業のために、上方に振り上げ揺動する構成としており、重量物を高く上げるためにリフト機構が必要で、ガススプリングを設けた構成となっている。
【0005】
このように、従来の装置は、穀稈引起し装置に、伝動機構や分草装置まで加えた重い重量物として上方に振り上げ揺動する構成にしたために、リフト機構を含めて構成が複雑となって製造コストが大幅に高くなる課題があった。それに加えて、従来の装置は、引起しケースを上方の高い位置まで上げるからケース内のメンテナンスがやり辛い課題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上記課題を解決するために、次のような技術的手段を講じる。
即ち、請求項1に記載した発明は、前側低位置の分草杆(1)によって分草された穀稈に、引起しラグ(2)を株元側から作用させて上方へ移動しながら起立状態に引起す穀稈引起し装置(3)を設け、該穀稈引起し装置(3)は、伝動装置(4)によって背後から引起しラグ(2)に回転動力を入力すると共に、支持フレーム(5)に設けられた縦軸(6)に回動自由に軸装して設け、該穀稈引起し装置(3)は、前記伝動装置(4)を分離した状態で、前記縦軸(6)を回動支点Pとして、引起しラグ(2)が前方側に向く位置まで回動する構成としたことを特徴とするコンバインの穀稈引起し装置としたものである。
【0007】
穀稈引起し装置を前向きに回転させて、刈取搬送装置の前部下方位置の詰まり除去作業や点検整備等のメンテナンスを行う作業空間を作ることができるものである。そして、従来装置に比較して、構成をシンプルにして製造コストを低減したものであって、穀稈引起し装置3を、その場(取付位置)で前方に向き変える位置まで回転させる構成として、上方に振り上げたりしないから、引起しケース内のメンテナンスが容易にできる。
【0008】
つぎに、請求項2に記載した発明は、隣接する左右の穀稈引起し装置(3,3)を接近させて併設し、それぞれ下側から外側に連続した穀稈引起し通路(7)を形成し、該左右の穀稈引起し装置(3,3)は、内側に前記縦軸(6)による回動支点Pを設けてそれぞれ前側に回動した左右の引起しケース(8,8)を合掌する状態に近い位置まで回動可能に構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの穀稈引起し装置としたものである。
【0009】
左右両側の穀稈引起し装置3,3を、その場で前向きに回転して引起しケース8,8が合掌した状態に接合するから、回動後(回動して左右のケースを合掌した状態に接合した位置)に、狭いスペース内に収まって穀稈の搬送通路を比較的広く開放できるものとなった。
【0010】
つぎに、請求項3に記載した発明は、前記穀稈引起し装置(3)の前側下方に配置した分草杆(1)は、前記穀稈引起し装置(3)の回動に際し、前側の退避位置まで移動可能に構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のコンバインの穀稈引起し装置としたものである。
【0011】
分草杆1を前側の邪魔にならない退避位置に移動すれば、穀稈引起し装置3の回動移動軌跡から離れ、詰まり除去作業時にも障害とならず、楽に作業ができる。
【発明の効果】
【0012】
まず、請求項1に記載した発明によると、穀稈引起し装置3を前向きに回転させて、刈取搬送装置の前部下方位置の詰まり除去作業や点検整備等のメンテナンスを行う作業空間を作ることができ、従来装置に比較すると、上方に振り上げ揺動するものはないから、構成がシンプルになってガススプリングを不要とし、製造コストを低減できる。そして、穀稈引起し装置3を、その場(取付位置)で前方に向き変える位置まで回転させる構成としているから、その場で引起しケース8内のメンテナンスが容易にできる。
【0013】
そして、請求項2の発明によると、左右両側の穀稈引起し装置3,3を、その場で前向きに回転して引起しケース8が合掌した状態に接合するから、回動後(回動して左右の引起しケース8,8が合掌した状態に接合した位置)、穀稈引起し装置3,3が狭いスペース内に収まって、穀稈の搬送通路、特に、穀稈引起し装置3が取付けられていた位置を広く開放できるものとなって、詰まりの除去作業や点検整備がやりやすくなる。
【0014】
そして、請求項3の発明によると、分草杆1を前側の邪魔にならない退避位置に移動すれば、穀稈引起し装置3の回動移動や詰まりの除去作業時に障害とならず、楽に作業ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、コンバイン10は、図1、及び図6に示すように、クローラ11を装備した車体12の前部に刈取搬送装置13を設け、その後方に脱穀装置14を搭載して刈取・脱穀作用ができる構成としている。そして、運転席15を内装しているキャビン16は、前記車体12の前部右側で、刈取搬送装置13の背後に配置して搭載した構成としている。17はグレンタンクを示し、前記キャビン16の後方で脱穀装置14の右側に隣接して搭載し、長尺の穀粒排出オーガー18を装備した構成としている。
【0016】
そして、前記刈取搬送装置13は、図面に示すように、実施例の場合、前部低位置に6条の植付け穀稈条列を刈取条列ごとに分草する分草杆1を配置し、そのすぐ背後に6基の穀稈引起し装置3を配置しており、下方位置には広幅で6条の穀稈条列の刈取りが可能な刈取装置19を設けて構成している。そして、刈取搬送装置13は、前記刈取装置19の上方から脱穀装置14のフィードチェーン20の搬送始端部分との間に、穀稈の株元側を挟持して穂先側を係合しながら搬送する穀稈搬送装置21を設けた構成としている。
【0017】
なお、前記刈取装置19の前方位置から上方には、穀稈掻込み装置が設けられている。そして、上記刈取搬送装置13は、図示を省略している刈取懸架台に後部上方位置を枢着し、中間部を車体12に支持した昇降油圧シリンダー22を連結して前部を上下昇降自由に支架した構成としている。
【0018】
このように、実施例に係る刈取搬送装置13は、昇降油圧シリンダー22によって上下昇降自由に支持したから、作業中における刈高さの調節を可能とし、畦越えや畝越え時には上方に回避させ、更には、非作業時の収納に当り、上方の高い位置まで持ち上げて収納できるものとなっている。
【0019】
そして、前記分草杆1は、図4(A)(B)に示すように、前記穀稈引起し装置3の下方にあって、パイプ状の分草支持杆23に取付杆24をスライド固定自由に挿通して設け、前記図4において(A)の位置から(B)の位置まで前側に移動調節ができる構成にしている。このように、分草杆1は、後述するように、穀稈引起し装置3を回動する際に、穀稈引起し装置3が衝突したり、接触しない前側の退避位置まで移動可能に構成している。
【0020】
そして、穀稈引起し装置3は、図2に示すように、引起しケース8に所定間隔ごとに引起しラグ2を配列して取り付けた引起しチエン26を内装し、穀稈引起し通路7側でケース8の外に突出して引起し作用をしながら移動ができ、その他の部分では上側からケース8内を倒伏状態で下部まで移動できる構成となっている。そして、伝動装置4は、図2、図4(A)、及び図5(A)に示すように、穀稈引起し装置3の背後から引起しケース8に伝動軸4aで入力して前記引起しラグ2を回転するために引起しチエン26を駆動できる構成としている。
【0021】
そして、引起しケース8は、図2、及び図3に示すように、上側から支えている支持フレーム5に縦軸6を軸装し、この縦軸6を回動支点Pとして回動自由となる構成としている。そして、実施例は、前記穀稈引起し装置3から前記伝動軸4aを分離できるように連結しており、これを分離すると、前記縦軸6を回動支点Pとして、引起しラグ2が前方側に向く位置まで引起しケース8を回動することができる構成としている。したがって、穀稈引起し装置3は、図4に示すように、(A)の通常の引起し作業が可能な位置において、伝動装置4の伝動軸4aを分離し、前記のとおり、分草杆1を前に引き出して移動した後、回動支点P(縦軸6)を中心に回動すれば、図4(B)に示すように、引起しラグ2が前方側に向く位置(図3参照)まで回動することができる。
【0022】
そして、穀稈引起し装置3,3は、図2に示すように、左右から接近させて併設し、それぞれ下側から外側に引起しラグ2が突出して移動する連続した穀稈引起し通路7を形成した構成において、上部の内側にある縦軸6を回動支点Pとして、上記の通りそれぞれ前側に回動すると、図3に示すように、左右の引起しケース8,8が合掌する状態に近い位置まで回動可能になる構成としている。
【0023】
つぎに、上記の作用について、線図で示した図5に基づいて説明する。
まず、左右から接近させて併設した一対の穀稈引起し装置3,3は、図5(A)に示すように、通常の作業位置にあり、それぞれ伝動軸4aを介して駆動できる状態にある。つぎに、穀稈引起し装置3,3は、図5(B)に示すように、それぞれの伝動軸4aを分離して、支持フレーム5で支持された状態にして回動可能にする。つぎに、穀稈引起し装置3,3は、図5(C)に示すように、縦軸6を回動支点Pとしてそれぞれ前側に回動し、左右の引起しケース8,8が合掌する状態に近い位置(図3参照)まで回動し、左右の引起しケース8,8の外側で穀稈掻き込み装置の上側部分が開放され、これらの部分の清掃(点検整備等のメンテナンス)が可能な作業空間部ができる。
【0024】
このように、刈取搬送装置13は、図5(C)に線図で示すように、引起しラグ2が前側に向くように引起しケース8,8を回動するから、穀稈搬送通路が開放されるものとなる。
【0025】
以上のように、実施例は、穀稈引起し装置3を前向きに回転させて、刈取搬送装置13の前部下方位置の穀稈掻込み装置や穀稈搬送装置21の搬送始端部分の詰まり除去作業や点検整備等のメンテナンスを行う作業空間を作ることできる利点があるが、特に、実施例の場合、既に説明した従来装置に比較すると、上方に振り上げ揺動する構成ではないから、装置がシンプルになってガススプリングの如きリフト機構を不要とし、製造コストを低減できる。そして、この実施例は、穀稈引起し装置3を、その場(取付位置)で回転させて前方に向きを変えるもので、構成も操作も簡単であり、その場で引起しケース8内のメンテナンスも容易にできるものとなった。
【0026】
そして、実施例は、左右両側の穀稈引起し装置3,3を、その場で前向きに回転して左右の引起しケース8,8が合掌した状態に接合するから、回動後(回動して左右の引起しケース8,8が合掌した状態に接合した位置)、穀稈引起し装置3,3が狭いスペース内に収まって、穀稈の搬送通路(穀稈掻込み装置や穀稈搬送装置21の搬送始端部分等)、特に、穀稈引起し装置3が取付けられていた位置を広く開放できるものとなって、詰まりの除去作業や点検整備がやり易くなった。
【0027】
そして、実施例に係る分草杆1は、引起しケース8を回動する前に、取付杆24をパイプ状の分草支持杆23から前側に引き抜いて邪魔にならない退避位置まで移動できるから、穀稈引起し装置3の回動移動時は勿論、詰まりの除去作業時にも障害とならず、楽に作業ができるものとなった。
【0028】
つぎに、刈取搬送装置13の前部に装備している穀稈引起し装置3について、穀稈や藁屑の詰まり除去作業やメンテナンス作業を容易に行うために、下部の横軸30を回動支点Pとして上部を前方側に回動する実施例を説明する。
【0029】
まず、穀稈引起し装置3は、図7に示すように、下部に軸架している横軸30に回動自由に軸受け支持し、上部を前方に回動できる構成としている。実施例は、前記横軸30を、分草フレーム31に設けた支持杆32の上部に軸架して設け、前述の通り、穀稈引起し装置3の裏側下部を前後方向に回動可能に枢着して構成している。
【0030】
そして、実施例の分草杆1は、常に、前記穀稈引起し装置3の前側に配置して設け、コンバインの前進に伴って分草した穀稈を引起しラグ2の回転範囲内に誘導できる構成としている。そして、実施例の場合、分草杆1は、基部を穀稈引起し装置3の上部を着脱自在に連結して支えている引起し支持部33の上部に枢着した分草杆支持アーム34を介して前側上方に回動させて上昇できる構成としている。
【0031】
そして、前記分草杆支持アーム34は、図8に示すように、上端部の回動支点Pの下側位置にロックピン35を着脱自由に挿入する取付孔36を設け、分草杆1を上方に回動した位置で、上記取付孔36にロックピン35を挿し込んで上部の回動位置が保持できる構成としている。このように、実施例は、図7、乃至図9に示すように、分草杆1を穀稈引起し装置3の下部前側に位置させた作業位置では、ロックピン35を取付孔36から抜き、分草杆1を上方に持ち上げるために分草杆支持フレーム34を上方位置に回動したとき、ロックピン35を取付孔36に挿し込んで分草杆支持フレーム34を上方にロックして保持できる構成となっている。
【0032】
以上のように構成した実施例は、まず、前側低位置にある分草杆1を、図7に示した仮想線の位置まで上方に回動して前記の通り、ロックピン35でロックし、その後、穀稈引起し装置3を、上部の引起し支持部33との連結を外して下部の横軸30を回動支点Pとして上部を前方側に回動して刈取搬送装置13の前部を開放する。
【0033】
このように、刈取搬送装置13は、穀稈引起し装置3を通常の取付位置から前側にオープンすると、穀稈掻込み装置や穀稈搬送装置の搬送始端部が開放され、詰まり除去等の清掃やメンテナンスが容易となる利点がある。なお、実施例は、穀稈引起し装置3の前にある分草杆1を、予め上方に回動できる構成にしているから、引起し装置3の前方回動が障害なく安全に出来る利点がある。
【0034】
そして、実施例は、ロックピン35を使って分草杆1を上部位置でロックして安定よく保持できる特徴もある。
つぎに、図10に示した実施例を説明する。
【0035】
まず、刈取搬送装置13は、前側から分草杆1、穀稈引起し装置3、穀稈掻込み装置38、刈取装置19、上部(穂部)搬送装置39、株元搬送装置40、扱深さ調節装置41、供給搬送装置42などを刈取フレーム43に支持して構成している。そして、実施例の最大の要点は、前記穀稈引起し装置3を、上部(基部)に回動支点を設けて支持し、下部(始端部)が、上方に回動できる構成としている。
【0036】
以上のように構成した刈取搬送装置13は、図10に示すように、穀稈引起し装置3を上方に回動すると、下側の穀稈掻込み装置38や刈取装置19、更には、上部(穂部)搬送装置39や株元搬送装置40の搬送始端部分が大きく開放され、詰まり除去や点検整備の作業がきわめて容易にできる特徴がある。
【0037】
そして、穀稈引起し装置3は、図10に示すように、上部に持ち上げた位置で固定すると、そのまま、ひまわりの収穫作業に利用できる優れた特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】コンバインの正面図
【図2】一部を線図で示した穀稈引起し装置の正面図
【図3】穀稈引起し装置を前向きに回動した状態を示す正面図
【図4】分草杆と穀稈引起し装置との作用側面図 (A)分草杆と穀稈引起し装置との取付状態(回動操作前) (B)分草杆と穀稈引起し装置との開放状態(回動操作後)
【図5】線図で示す作用平面図 (A)穀稈引起し装置の作用前の取付状態 (B)穀稈引起し装置の伝動軸を分離した状態 (C)穀稈引起し装置を前側に回動した状態
【図6】コンバインの側面図
【図7】他の実施例の穀稈引起し装置と分草杆との作用側面図
【図8】前図7の要部の作用側面図
【図9】前図8の背面図
【図10】他の実施例の側面図
【符号の説明】
【0039】
1 分草杆 2 引起しラグ
3 穀稈引起し装置 4 伝動装置
4a 伝動軸 5 支持フレーム
6 縦軸 7 穀稈引起し通路
8 引起しケース
P 回動支点(縦軸6)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側低位置の分草杆(1)によって分草された穀稈に、引起しラグ(2)を株元側から作用させて上方へ移動しながら起立状態に引起す穀稈引起し装置(3)を設け、該穀稈引起し装置(3)は、伝動装置(4)によって背後から引起しラグ(2)に回転動力を入力すると共に、支持フレーム(5)に設けられた縦軸(6)に回動自由に軸装して設け、該穀稈引起し装置(3)は、前記伝動装置(4)を分離した状態で、前記縦軸(6)を回動支点Pとして、引起しラグ(2)が前方側に向く位置まで回動する構成としたことを特徴とするコンバインの穀稈引起し装置。
【請求項2】
隣接する左右の穀稈引起し装置(3,3)を接近させて併設し、それぞれ下側から外側に連続した穀稈引起し通路(7)を形成し、該左右の穀稈引起し装置(3,3)は、内側に前記縦軸(6)による回動支点Pを設けてそれぞれ前側に回動した左右の引起しケース(8,8)を合掌する状態に近い位置まで回動可能に構成したことを特徴とする請求項1記載のコンバインの穀稈引起し装置。
【請求項3】
前記穀稈引起し装置(3)の前側下方に配置した分草杆(1)は、前記穀稈引起し装置(3)の回動に際し、前側の退避位置まで移動可能に構成したことを特徴とする請求項1又は2記載のコンバインの穀稈引起し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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