コンバインの穀稈移送装置
【課題】左右両条列の刈取り穀稈を後方上部へ移送する左、右下根元移送装置を設けている。この左根元移送装置の左根元移送チェンは、特に穀稈を巻込みすることがあったが、これを防止しようとするものである。
【解決手段】左右両条列の刈取り穀稈を後方上部へ移送する略Ｙ字形状に、左・右下根元移送装置１１、１０ｂの左・右下根元移送チェン１１ａ、１０ｄを設けている。この左根元移送チェン１１ａの移送終端左側へ設けた左テンション装置１１ｂのテンションアーム１１ｃを穀稈の巻込みを防止する形状に、後側へ突出する後側外形部１１ｈを設けて、巻込みを防止した構成である。
【解決手段】左右両条列の刈取り穀稈を後方上部へ移送する略Ｙ字形状に、左・右下根元移送装置１１、１０ｂの左・右下根元移送チェン１１ａ、１０ｄを設けている。この左根元移送チェン１１ａの移送終端左側へ設けた左テンション装置１１ｂのテンションアーム１１ｃを穀稈の巻込みを防止する形状に、後側へ突出する後側外形部１１ｈを設けて、巻込みを防止した構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
左右両条列の刈取り穀稈を後方上部の合流部へ移送する略Ｙ字形状に、左・右下根元移送装置の左・右下根元移送チェンを設けている。この左根元移送チェンの移送終端左側部へ設ける左テンション装置のテンションアームを穀稈の巻込みを防止すべく形状に設けた技術であり、コンバインの穀稈移送装置として利用できる。
【背景技術】
【０００２】
コンバインで立毛穀稈の収穫作業は、このコンバインの走行車台の前部へ設けて、穀稈を刈取り、後方上部へ移送する刈取機の前部へ複数個設けた各引起装置で穀稈は引起しされ、複数個設けた各掻込装置で掻込されながら刈刃装置で刈取りされ、この刈取り穀稈は、後方上部へ移送される。
【０００３】
前述のように、左右両条列を刈取りされた穀稈は、特開平５−１２３０３８号公報で示すように、後方上部の合流部へ移送する左右両側の左側条列を刈取りされた刈取り穀稈は、前側株元搬送装置で合流部へ向けて移送される。又、右側条列を刈取りされた刈取り穀稈は、株元集合装置で合流部へ向けて移送され、これら左右両側を移送された穀稈は、合流部で合流され、更に、後方上部へ移送される。
【０００４】
前記前側搬送装置の搬送チェンを案内するチェン案内レールは、前記株元集合装置に対して、遠近調節できるように、該前側搬送装置のフレームへ出入自在に設け、該搬送チェンが伸張した時の対応が可能であると記載されているが、この搬送チェンへ穀稈の巻込みを防止する防止部材は設けられていない。又、この搬送チェンの上側には、穀稈の巻込み防止用のく字形状に形成した巻込防止杆を設けているものもある。
【特許文献１】特開平５−１２３０３８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
前記前側株元搬送装置の合流部以降の移送終端部側では、穀稈の巻込みが発生することがあるが、この発明により、この問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上述のような課題を解決するために、この発明は、次のような技術手段を講じる。
このために、請求項１に記載の発明においては、走行車台（２）前方部の穀稈を刈り取って後方上部へ移送する刈取機（４）は、複数条列の穀稈を引起す複数の引起装置（６）と、引起した穀稈を掻込み移送する複数の掻込装置（９ａ）と、該掻込装置（９ａ）の後側に刈刃装置（５ｃ）と、該刈刃装置（５ｃ）の後方左右両側に刈取り穀稈を引き継いで後方上部の合流部（リ）へ移送する右下根元移送装置（１０ｂ）と、左根元移送装置（１１）とを設けると共に、該合流部（リ）へ移送された穀稈を引継ぎ更に後方上部へ移送する右上根元移送装置（１０ａ）及び穂先移送装置（１２）と、供給移送装置（１４）等とを設けた構成において、前記左根元移送装置（１１）の左根元移送チェン（１１ａ）を伸張すべく移送終端左側へ設けた左テンション装置（１１ｂ）のテンションアーム（１１ｃ）後側外形部（１１ｈ）を、前記左根元移送チェン（１１ａ）の回転外周近傍部まで突出させて、穀稈の巻込みを防止すべく形成して設けたことを特徴とするコンバインの穀稈移送装置としたものである。
【０００７】
コンバインで立毛穀稈の収穫作業は、このコンバインの走行車台（２）の前方部へ設け、穀稈を刈取り移送する刈取機（４）の前部側へ設けた、複数個の各引起装置（６）で穀稈を引起ししながら、複数個の各掻込装置（９ａ）で掻込みしながら、刈刃装置（５ｃ）で刈取りされ、この刈取り穀稈の右条列側は、右下根元移送装置（１０ｂ）の右下根元移送チェン（１０ｄ）で後方上部の合流部（リ）へ向けて移送される。又、刈取り穀稈の左条列側は、左根元移送装置（１１）の左根元移送チェン（１１ａ）で後方上部の合流部（リ）へ向けて移送される。この合流部（リ）で合流された穀稈は、更に、右上根元移送装置（１０ａ）、及び穂先移送装置（１２）と、供給移送装置（１４）とにより、後方上部へ移送される。
【０００８】
前記左根元移送装置（１１）の左根元移送チェン（１１ａ）で移送される穀稈の巻込み防止は、この左根元移送チェン（１１ａ）の移送終端部へ設けた左テンション装置（１１ｂ）のテンションアーム（１１ｃ）の後側外形部（１１ｈ）を、この根元移送チェン（１１ａ）の回転外周近傍部まで突出させた形状にして設け、この突出部で穀稈の巻込みを防止している。
【０００９】
請求項２記載の発明においては、前記右下根元移送装置（１０ｂ）の右下根元移送チェン（１０ｄ）の移送終端部には、該右下根元移送チェン（１０ｄ）の垂れ下り及び脱落を防止する防止プレート（１０ｈ）を、前記右下根元移送チェン（１０ｄ）の下側であってチェンレール（１０ｅ）の移送終端部へ設けたことを特徴とする請求項１記載のコンバインの穀稈移送装置としたものである。
【００１０】
前記右根元移送装置（１０ｂ）の右下根元移送チェン（１０ｄ）の移送終端部には、この右下根元移送チェン（１０ｄ）が伸長したときに、垂れ下り、及び脱落することを防止するために、防止プレート（１０ｈ）をこの右根元移送チェン（１０ｄ）の下側でチェンレール（１０ｅ）の移送終端部へ設けて、この右根元移送チェン（１０ｄ）を下側より、受けて支持する状態に設けている。
【発明の効果】
【００１１】
請求項１に記載の発明においては、左条列側の刈取り穀稈を後方上部へ移送する左根元移送装置１１の左根元移送チェン（１１ａ）を、伸張すべく移送終端左側へ設けた、左テンション装置（１１ｂ）のテンションアーム（１１ｃ）後方外形部（１１ｈ）を、この左根元移送チェン（１１ａ）先端の回転外周近傍部まで、突出させて設けたことにより、このテンションアーム（１１ｃ）の後側外形部（１１ｈ）の突出部で、穀稈の巻込みを防止することができ、これにより、この左根元移送チェン（１１ａ）へ穀稈の巻込みを防止できる。又、穀稈の移送が良好になる。
【００１２】
請求項２に記載の発明においては、右下根元移送装置（１０ｂ）の右下根元移送チェン（１０ｄ）の移送終端部には、この右下根元移送チェン（１０ｄ）の垂れ下り、及び脱落を防止する防止プレート（１０ｈ）を、この右下根元移送チェン（１０ｄ）の下側で、チェンレール（１０ｅ）の移送終端部へ設けたことにより、この右下根元移送チェン（１０ｄ）の垂れ下り、及び脱落を防止できる。又、これにより、穀稈の移送が良好になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン１の走行車台２の下側に走行装置３を設け、前方部に穀稈を刈取る刈取機４を設けると共に、上側の一方側にこの刈取機４から刈取り穀稈を引継ぎ脱穀する脱穀機２ａと、この脱穀機２ａの横側に脱穀済み穀粒を受けて、貯留する穀粒貯留タンク２ｂとを載置している。
【００１４】
前記刈取機４には、一方側の条列の穀稈と、他方側の条列とを分離する複数個の分草体５ｂと、分離、及び引起しする複数個の引起装置６と、引起しされた穀稈を掻込み移送する穀稈掻込移送装置９の掻込装置９ａと、掻込される穀稈を刈取りする刈刃装置５ｃと、刈取りされた穀稈を後方上部の合流部（リ）、及び合流部（リ）により、更に、後方上部へ移送する右側には、右下・右上根元移送装置１０ｂ、１０ａ、及び穂先移送装置１２を設けると共に、左側には、左根元移送装置１１、及び供給移送装置１４を設けている。この左根元移送装置１１の左根元移送チェン１１ａを伸張する移送終端左側には、左テンション装置１１ｂを設けている。これら左根元移送チェン１１ａと、左テンション装置１１ｂ等とを主に図示して説明する。
【００１５】
前記コンバイン１は、四条列を刈取りする。このコンバイン１を説明する。このコンバイン１の走行車台２の下側には、図５、及び図６で示すように、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ３ａを張設した走行装置３を配設し、走行車台２の上側面に脱穀機２ａを載置した構成である。走行車台２の前方部の刈取機４で立毛穀稈を刈取りして、後方上部へ移送し、脱穀機２ａのフィードチェン２ｃと、挟持杆２ｄとで引継いで挟持移送しながら脱穀する。脱穀済みで選別済みの穀粒は、脱穀機２ａの右横側へ配設した穀粒貯留タンク２ｂ内へ供給され、一時貯留される。
【００１６】
前記走行車台２の前方部には、図５、及び図６で示すように、立毛穀稈を分離するナローガイド５ａ、及び複数個の分草体５ｂと、立毛穀稈を引起す複数個の引起装置６と、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置９の外側左右両側と、中央部左右両側とに四個の各掻込装置９ａと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置５ｃと、刈取りされた穀稈を挟持移送して、脱穀機２ａのフィードチェン２ｃと挟持杆２ｄとへ受渡しする穀稈掻込移送装置９の右側は、右上・右下根元移送装置１０ａ、１０ｂと、穂先移送装置１２と、左側は、左根元移送装置１１と、供給移送装置１４等とからなる刈取機４を設けている。該刈取機４は、油圧駆動による伸縮シリンダ１６により、土壌面に対して昇降する。
【００１７】
前記刈取機４の前方下部から後方上部へ傾斜する伝動機構１６ｄを内装した、支持杆１６ａの上端部に設ける伝動機構１６ｅを内装した、支持パイプ杆１６ｂを走行車台２の上側面に設けた支持装置１６ｃで回動自在に支持させている。伸縮シリンダ１６を作動させると支持杆１６ａと共に、刈取機４が上下回動する。
【００１８】
前記刈取機４の穀稈掻込移送装置９によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送する穀稈に接触作用することにより、脱穀機４への穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ４ａを設けている。
【００１９】
前記穀粒貯留タンク２ｂ側の前部には、図５、及び図６で示すように、コンバイン１を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う制御装置２２と、操縦席２３とを設け、この操縦席２３の下側にエンジン２４を載置している。
【００２０】
前記走行車台２の前端部に装架した走行用のミッションケース２５内の伝動機構２５ａの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ２５ｂを設けている。
【００２１】
前記穀粒貯留タンク２ｂ内へ貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク２ｂの後側には、図５、及び図６で示すように、縦移送螺旋２６ａを内装した縦移送筒２６を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この縦移送筒２６の上端部には、その全長がコンバイン１の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋２７ａを伸縮自在に内装した排出オーガ２７を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設した構成である。
【００２２】
図５、及び図７で示すように、左側二条列の穀稈は、左外側と左外側より二番目と中央部との各分草体５ｂ、５ｂ、５ｂにより、穀稈を分離すると共に、右側二条列の穀稈は、右外側と右外側より二番目と中央部との各分草体５ｂ、５ｂ、５ｂにより、穀稈を分離する。
【００２３】
前記引起装置６は、図５、及び図７で示すように、左右両外側部には、左・右外引起装置７ａ、７ｂを設けると共に、中央部の左右両側には、左・右内引起装置６ａ、６ｂを設けている。これら左外引起装置７ａと、左内引起装置６ａとにより、左側の二条列の穀稈が引起しされる。又、これら右外引起装置７ｂと、右内引起装置６ｂとにより、右側の二条列の穀稈が引起される。
【００２４】
前記左・右内引起装置６ａ、６ｂと、左・右外引起装置７ａ、７ｂとは、図６、及び図８で示すように、個別に設けた引起ケース８ａ内の上下端部には、上・下スプロケット８ｂ、８ｃを軸支して設け、これら上・下スプロケット８ｂ、８ｃには、所定間隔に引起ラグ８ｅを装着した引起チェン８ｄを掛け渡している。
【００２５】
前記各引起ラグ８ｅの作用範囲は、引起ケース８ａの下端部の略中央部から上端部の略中央部までの間の一方側部が作用範囲であり、この引起ケース８ａより、突出した各引起ラグ８ｅの回転駆動により、穀稈を引起しする。他方側部は、引起ケース８内へ収納状態で回転駆動され、穀稈を引起ししない不作用範囲である。
【００２６】
前記左・右外引起装置７ａ、７ｂ、及び左・右内引起装置６ａ、６ｂの後側には、図６、及び図７で示すように、左右両側の二条列毎の穀稈を掻込みする各掻込装置９ａを平面視左右両側に、略Ｖ字形状に設けている。
【００２７】
前記各掻込装置９ａは、掻込ケース９ｂの下側部に所定間隔で掻込ラグ９ｃを設けた掻込ベルト９ｄを張設すると共に、この掻込ベルト９ｄの下側で、後側の掻込軸９ｅに掻込スターホイル９ｆを軸支している。
【００２８】
前記左側２個の掻込装置９ａ、９ａで、左側二条列の穀稈を掻込みする。又、右側２個の掻込装置９ａ、９ａで、右側二条列の穀稈を掻込みする。
前記各掻込装置９ａの後方部の右側の下部には、図２、図３、及び図６で示すように、右上根元移送チェン１０ｃを掛け渡した右上根元移送装置１０ａと、右下根元移送チェン１０ｄを掛け渡した右下根元移送装置１０ｂとを設けると共に、右側の上部には、略三角形状で平面視移送側面部が略Ｌ字形状の穂先移送ケース１２ａ内には、所定間隔で穂先移送ラグ１２ｃを装着した穂先移送チェン１２ｂを掛け渡して内装した、穂先移送装置１２を設けている。又、左側の下部には、左根元移送チェン１１ａを掛け渡した、左根元移送装置１１を設けると共に、左側の上部には、従動軸１５ａへ設けた供給ケース１４ａの下側へ複数個の供給ラグ１４ｃと、供給スターホイル１４ｂとを、従動軸１５ａへ軸支した、供給移送装置１４を設けている。
【００２９】
前記穂先移送装置１２と、右上根元移送装置１０ａと、供給移送装置１４とは、一体で上下回動自在に設けている。穀稈の稈長により、脱穀機２ａへ供給する穀稈の供給深さ（扱ぎ深さ）を、これら三部品を一体で自動で上下回動移動させて、脱穀機２ａへ供給する穀稈の扱ぎ深さ位置を自動調節する構成である。
【００３０】
前記四個の各掻込装置９ａで、一方側条列（右側）と、他方側条列（左側）との穀稈が、掻込み移送されながら、刈刃装置５ｃで刈取りされた刈取り穀稈は、図２、図３及び図６で示すように、この刈刃装置５ｃの後側へ設けた、穀稈移送装置の右下・右上根元移送装置１０ｂ、１０ａと、穂先移送装置１２とにより、右側部の刈取り穀稈は、後方上部へ移送される。又、左根元移送装置１１と、供給移送装置１４とにより、左側部の刈取り穀稈は、後方上部へ移送され、途中の合流部（リ）で穀稈は合流されて、さらに後方上部へ移送され、脱穀機２ａへ引継ぎされ、脱穀機２ａ内を挟持移送中に脱穀される。
【００３１】
前記穀稈移送装置の株元側は、右下・右上・左根元移送装置１０ｂ、１０ａ、１１により、後方上部へ移送される。又、穂先側は、穂先移送装置１２と供給移送装置１４とにより、後方上部へ移送されることにより、構成がシンプルであり、このために、穀稈の移送が良好になり、穀稈の詰り発生の防止と、穀稈の引継ぎ不良の発生防止と、穀稈の移送姿勢のみだれ等の防止ができる。又、構成がシンプルであることにより、コスト低減を図ることができる。
【００３２】
一方側条列と、他方側条列との刈取りされた刈取り穀稈の穂先側を挟持して移送する穂先移送装置１２と、供給移送装置１４との右・左穂先案内ガイドの移送終端部の高さ位置とは、右下根元移送装置１０ｂの右下根元移送チェン１０ｄの移送始端部へ軸支して設けた下スプロケットを、最下降位置へ操作した時の高さ位置とは、略同じ高さ位置へ設けている。
【００３３】
一方側条列（右側）と、他方側条列（左側）との穀稈の穂先側を挟持移送する、前記右・左穂先案内ガイドの移送終端部の高さ位置は、右下根元移送チェン１０ｄの移送始端部の下スプロケットを最下降位置へ操作した時の高さ位置（Ｈ２）とは、略同じ高さ位置へ設けたことにより、短稈穀稈の穂先側引継ぎの安定を図ることができる。又、左右両側を移送されて、合流部（リ）で合流するときに、穀稈のクロス状態を防止できる。
【００３４】
前記穂先移送装置１２の平面視略三角形状に形成した穂先移送ケース１２ａの上部の移送終端部へ設けた、穂先上部軸１３ａに上部スプロケット１３ｄを軸支して設け、略中間の頂上部へ設けた、穂先中間軸１３ｃに中間スプロケット１３ｅと、駆動スターホイル１２ｄとを軸支して設け、下部の移送始端部へ設けた、穂先下部軸１３ｂに下部スプロケット１３ｆを軸支して設けている。
【００３５】
前記上部・中間・下部スプロケット１３ｄ、１３ｅ、１３ｆに穂先移送ラグ１２ｃを所定間隔で装着した穂先移送チェン１２ｂを掛け渡している。各穂先移送ラグ１２ｃは、略三角形状の短辺側の二辺部で平面視移送側面部が略Ｌ字形状部では、穂先移送ケース１２ａから突出して、穀稈の穂先側を移送する作用側としている。又、反対側は穀稈を移送しない不作用側である。
【００３６】
前記穂先移送装置１２の複数個の穂先移送ラグ１２ｃを装着した、穂先移送チェン１２ｂを内装張設した穂先移送ケース１２ａは、図９、及び図１０で示すように、この穂先移送ケース１２ａの穀稈移送作用側の短辺側の二辺部の移送角度は、平面視横移送側から縦移送側へ向けて、移送始端部側から移送終端部へ向けて、平面視水平に対して、順次小角度から大角度に複数段に変更して設けている。
【００３７】
図１０で示すように、例えば、移送始端部側より、水平に対して、小角度の２５度から、５０度、７５度、移送終端部側の９０度に、略２５度、又は移送終端部は、略１５度増加させて、順次変更して形成している。２５度の範囲は、右側２条列が移送される箇所であり、２５度から５０度へ変化する箇所は、左・右２条列が合流する合流部（リ）である。又、５０度以後の箇所は、左右の２条列が合流されて、４条列の穀稈が移送される。
【００３８】
前記穂先移送装置１２の穂先移送ケース１２ａは、穀稈移送作用側の短辺の二辺部の移送角度は、平面視水平に対して、移送始端部から移送終端部へ向けて、順次小角度から大角度に、略２５度、又は１５度増加した角度に変更したことにより、移送始端部から移送終端部にわたって穀稈の移送角度が安定する。又、移送終端部は、１５度増加変更にしたことにより、穀稈のこぼれ、ずれ等が防止できる。更に、合流部（リ）で穀稈の穂先のクロスを防止できる。
【００３９】
前記穂先移送装置１２の穂先移送ケース１２ａの上側面には、図８で示すように、穂先案内カバー１２ｆを設けている。この穂先案内カバー１２ｆの後端部は、刈取機４の後側へ設けた脱穀機２ａの前側近部か、前端部は、右外側の引起装置６の後側近傍部までの間に位置させて設けると共に、穂先案内カバー１２ｆの前後方向の外形形状は、穂先移送ケース１２ａの前後方向の外形形状と略同じ形状に形成して設けている。更に、この穂先案内カバー１２ｆは、頂点部から穂先移送ケース１２ａの穀稈移送の作用側の端部へ向けて、下り傾斜させて設けている。
【００４０】
又、前記穂先移送ケース１２ａを最上部位置へ回動移動操作した時でも、この穂先移送ケース１２ａの前端部は、後方部から前方部へ向けて下り傾斜状態に設けている。穂先移送装置１２で移送中の穀稈から、落下する藁屑、及び塵等は、穂先移送ケース１２ａ、及び穂先案内カバー１２ｆへ堆積しない構成である。
【００４１】
前記穀稈の穂先側を移送する穂先移送装置１２の穂先移送ケース１２ａの上側面には、穂先案内カバー１２ｆを設けている。この穂先案内カバー１２ｆの外観形状は、穂先移送ケース１２ａの外観形状と略同じ形状に形成し、又、穂先案内カバー１２ｆは、頂点部から、穀稈移送の作用側へ向けて、下り傾斜させて設けると共に、上下回動自在な穂先移送ケース１２ａを最上部位置へ回動移動操作した時でも、この穂先移送ケース１２ａの前端は、前方下部へ下り傾斜状態に設けたことにより、穂先案内カバー１２ｆ、及び穂先移送ケース１２ａには、移送中に穀稈から落下した藁屑、及び塵埃等の堆積を防止することができる。又、移送中の穀稈より、飛散する穀粒を防止できる。穀稈の穂先側がスムーズに移送される。
【００４２】
前記供給移送装置１４の従動軸１５ａへ軸支した、供給スターホイル１４ｂの上側面には、図８で示すように、複数個の供給ラグ１４ｃを回転自在に設け、供給ケース１４ａより、前方部側と内側部とで突出して、穀稈へ供給スターホイル１４ｂと共に、作用して移送する。又、供給ラグ１４ｃは、前方部側と内側部との以外では、逐次供給ケース１４ａ内へ収納状態になる不作用側である。供給スターホイル１４ｂは、穂先移送装置１２の駆動スターホイル１２ｄと噛合して、回転駆動される。
【００４３】
前記供給移送装置１４は、図８で示すように、穂先移送装置１２へ設けた支持杆１５ｂの先端部へコ字形状の支持枠１５ｃを設け、この支持枠１５ｃへ受杆１５ｄを設け、この受杆１５ｄへ供給ケース１４ａを装着して設けると共に、受杆１５ｄの前端部に従動軸１５ａを装着して設けている。又、支持枠１５ｃには、スプリング（図示せず）等により、挟持移動自在に挟持用杆１７ａを設け、この挟持用杆１７ａの後端部に受板１７ｂを固着して設け、この受板１７ｂに後挟持用杆１７ｃを装着している。
【００４４】
前記右側部二個の前記掻込装置９ａ、９ａで掻込されながら、刈刃装置５ｃで刈取りされた穀稈は、図６、及び図７で示すように、右側のこの掻込装置９ａ、９ａから右下根元移送装置１０ｂと、同時に上下回動自在な穂先移送装置１２、及び右上根元移送１０ａとにより、後方上部移送される。又、左側部二個の掻込装置９ａ、９ａで掻込されながら刈刃装置５ｃで刈取りされた穀稈は、図６、及び図７で示すように、左側のこの掻込装置９ａ、９ａから左根元移送装置１１と、供給移送装置１４とにより、合流部（リ）へ移送され、この合流部（リ）で左右両側を移送される刈取り穀稈は合流され、更に右上根元移送装置１０ａと、穂先移送装置１２とにより、後方上部へ移送され、脱穀機２ａへ供給され、この脱穀機２ａのフィードチェン２ｃと挟持杆２ｄとで引継ぎされ、脱穀機２ａ内を挟持移送され、この脱穀機２ａ内で脱穀される。
【００４５】
前記穂先移送装置１２の穀稈移送作用側で、上側の移送終端部側へ設けた穂先上部軸１３ａの軸心（イ）と、穂先移送装置１２の前側へ設けた供給移送装置１４の従動軸１５ａの軸心（ニ）とは、図８で示すように、前後方向に略直線上へ位置させて設けている。又、左側の二条列の穀稈と、右側の二条列の穀稈とが、後方上部へ移送されて合流される位置までの形状は、平面視、図８で示すように、略Ｙ字形状に形成している。
【００４６】
前記穂先移送装置１２の穀稈の穂先側を移送する移送終端部の穂先上部軸１３ａの軸心（イ）位置と、供給移送装置１４の従動軸１５ａの軸心（ニ）位置とは、前後方向に略直線上へ位置させて設けた構成としたことにより、左側の二条列の穀稈と、右側の二条列の穀稈との合流部（リ）で合流したときの穀稈の乱れを防止できる。又、穀稈のクロス防止、及び穀稈の詰り防止、供給移送装置１４の供給ラグ１４ｃの移送範囲を少なくしたことにより、多量の穀稈の移送が可能である。更に、穂先の振れが少ないことにより、穀粒の飛散防止ができる
前記穂先移送装置１２の上下移送方向の略中間位置には、図７、及び図８で示すように、穂先中間軸１３ｃを軸支して設け、この穂先中間軸１３ｃには、駆動スターホイル１２ｄ、及び中間スプロケット１３ｅ等を軸支して設けている。穂先中間軸１３ｃの軸心（ハ）を頂点として、上下方向、又は前後方向に略二等辺三角形状で平面視移送側面部がＬ字形状の穂先移送ケース１２ａを設けて、穂先移送装置１２を形成している。下部の移送始端部の穂先下部軸１３ｂの軸心（ロ）を、右側部側の左右両側（右外側端部と、右外側から二番目）の右側二条列の穀稈を掻込みする。掻込装置９ａ、９ａの近傍部へ位置させて設けている。
【００４７】
前記穂先移送装置１２の上下移送方向の略中間位置の穂先中間軸１３ｃの軸心（ハ）を頂点として、上下方向、又は前後方向に略二等辺三角形状に形成し、この穂先移送装置１２の下部の移送始端部の穂先下部軸１３ｂの軸心（ロ）を、右側部側の左右両側の掻込装置９ａ、９ａの近傍部へ位置させて設けたことにより、穂先ケース１２ａの成形型の型製作が容易でコストダウンになる。又、穂先移送装置１２の駆動スターホイル１２ｄと、供給移送装置１４の供給スターホイル１４ｂとの合流部（リ）での位置合せが容易である。左右両側の二条列の合流部（リ）の傾斜角度を同じ角度にすることが容易であり、穀稈が合流部（リ）でクロス状態になることを防止できる。移送始端部側で各掻込装置９ａ、９ａからの穀稈の引継ぎが良好になる。
【００４８】
前記支持杆１６ａの上端部へ設けた支持パイプ杆１６ｂには、図５、及び図６で示すように、支持メタル１９ａを設け、この支持メタル１９ａと、穂先移送装置１２の上部の移送終端部に設けた穂先上部メタル１２ｅとの間には、接続メタル１９ｂを設けて接続している。この接続メタル１９ｂへ回動自在に軸支した接続軸１９ｃを回動中心として、穂先移送装置１２の穀稈移送部側の下側部を上下回動自在に形成している。接続軸１９ｃの中心位置は、支持パイプ杆１６ｂの中心位置より、所定距離上部へ位置させて設けている。支持パイプ杆１６ｂを支持する支持メタル１９ａは、図７で示すように、コンバイン１の機体１ａの左右方向略中央部へ位置させて設けている。
【００４９】
前記前側、及び横側へ設けた前側の操作装置２２の前側面部から、左横外側の操作装置２２の左横外側面部にわたって設ける防塵用外カバー２０の外側面は、図６で示すように、刈取機４の左右方向の中心（チ）の近傍部、又は略同じ位置へ設けている。
【００５０】
これにより、穀稈の穂先移送通路と、前記各操作装置２２とを離すことにより、藁屑等の溜りを防止する。又、穀粒、及び塵埃の飛散を防止できる。
右条列側の刈取り穀稈を、後方上部の合流部（リ）へ向けて移送する。前記右下根元移送装置１０ｂの右下根元移送チェン１０ｄは、図２、及び図６で示すように、右外側の掻込装置９ａへ設けたスプロケット９ｊと、移送終端部へ設けたテンション装置２８とへ掛け渡している。右下根元移送チェン１０ｄの移送始端部側で、右外側と、右側より二番目の各掻込装置９ａ、９ａの各掻込スターホイル９ｆ、９ｆの噛合部の後側には、凹部（逃がし部）１０ｆを設けている。多量の穀稈が掻込みされたときであっても、右下根元移送チェン１０ｄは、この凹部１０ｆ部で穀稈を逃がして、移送中の穀稈の詰りを防止している。１０ｅはチェンレールであり、右下根元移送チェン１０ｄを支持させている。右外側の掻込スターホイル９ｆの外径（Ｄ１）より、右側より二番目の掻込スターホイル９ｆの外径（Ｄ２）を所定寸法小径に形成して設けている。
【００５１】
前記右下根元移送装置１０ｂの右下根元移送チェン１０ｄの前側の穀稈を移送する作用側には、図２で示すように、挟持ガイド２１を挟持受装置２１ａで摺動移動自在に設けている。この挟持ガイド２１の移送終端部には、合流部（リ）まで延長した補助挟持ガイド２１ｂを設けると共に、テンション装置２８を設けている。この挟持受装置２１ａへ設けたスプリング２１ｃは、挟持ガイド２１を弾発する。
【００５２】
右側二条列の掻込みされて、刈取りされた刈取り穀稈の株元側は、右下根元移送チェン１０ｄと、各挟持ガイド２１，２１ｂとの間へ挟持されて、合流部（リ）へ移送される。
これにより、右側二条列の穀稈が多量掻込みされて、引継ぎされたときであっても、右下根元移送装置１０ｂの右下根元移送チェン１０ｄの移送始端部側へ穀稈の詰りを防止することができる。又、部品の変形、及び破損を防止できる。
【００５３】
前記右下根元移送装置１０ｂの右下根元移送チェン１０ｄの垂れ下り、及び脱落を防止する略Ｌ字形状の防止プレート１０ｈを、図３、及び図４で示すように設けている。この防止プレート１０ｈは、チェンレール１０ｅへ装着して設け、この防止プレート１０ｈのＬ部（立ち上り部）で、穀稈を移送する移送作用側である。右下根元移送チェン１０ｄの移送終端部側で、チェンプレートの下側面でチェンピンの外側部を、下側から支持させている。又、この防止プレート１０ｈの移送始端部側は、所定角度の傾斜角の切欠部を設けて、移送する穀稈が引掛ることを防止している。
【００５４】
前記右下根元移送チェン１０ｄの下側面部を支持する防止プレート１０ｈを設けたことにより、この右下根元移送チェン１０ｄの垂れ下り、及び脱落を防止できる。これらにより、穀稈の移送が良好となり、合流部（リ）へ確実に穀稈を移送することができる。
【００５５】
左条列側の刈取り穀稈を、後方上部合流部（リ）へ向けて移送する。前記左根元移送装置１１ａの左根元移送チェン１１ａは、図１、及び図２で示すように、左外側の掻込装置９ａの駆動ギヤーケース９ｈへ設けたスプロケット９ｊと、移送終端部の左側部へ設けた左テンション装置１１ｂと、移送終端部の右側へ設けたチェン摺し１１ｊとへ掛け渡している。
【００５６】
前記左テンション装置１１ｂは、図１で示すように、テンションアーム１１ｃをテンション軸１１ｅで回動自在に軸支している。又、このテンションアーム１１ｃの前端部には、テンションプーリ１１ｄを設けている。左側端部には、スプリング１１ｆを設けて、このテンションアーム１１ｃを回動状態に支持して、左根元移送チェン１１ａを張設状態に支持している。
【００５７】
前記テンションアーム１１ｃは、図１で示すように、このテンションアーム１１ｃの後側外形部１１ｈを、左根元移送チェン１１ａのチェンプレート先端部の回転外周近傍部まで突出させて設け、この左根元移送チェン１１ａで移送する穀稈の巻込みを防止する形状にして設けている。
【００５８】
前記左根元移送装置１１の左根元移送チェン１１ａを伸張する移送終端部の左側部へ設けた、左テンション装置１１ｂのテンションアーム１１ｃの後側外形部１１ｈを、この左根元移送チェン１１ａのチェンプレートの先端部の回転外周近傍部まで、突出させて設けたことにより、このテンションアーム１１ｃの後側外形部１１ｈを突出させて設けたことにより、このテンションアーム１１ｃの後側外形部１１ｈの突出部で、穀稈の巻込みを防止できる。又、穀稈の移送が良好になる。更に、左根元移送チェン１１ａへ穀稈の巻き付きの防止を図ることができる。
【００５９】
前記左根元移送装置１１の左根元移送チェン１１ａと、右下根元移送装置１０ｂの右下根元移送チェン１０ｄとにより、後方上部の合流部（リ）へ穀稈は移送されて、この合流部（リ）で合流した穀稈は、更に、右上根元移送装置１０ａの右上根元移送チェン１０ｃと、穂先移送装置１２の穂先移送チェン１２ｂへ所定間隔で装着した穂先移送ラグ１２ｃと、供給移送装置１４の供給スターホイル１４ｂ、及び供給ラグ１４ｃとにより、後方上部移送されて、脱穀機２ａのフィードチェン２ｃと、挟持杆２ｄとで引継ぎされる。これらにより、この脱穀機２ａ内を挟持移送されて、この脱穀機２ａで脱穀される。
【００６０】
前記引起装置６の左・右内引起装置６ａ、６ｂの引起ケース８ａ、８ａの後側には、図１１、及び図１２で示すように、略コ字形状の上部カバー１８を設けている。この上部カバー１８の右側には、右側へ向けて突出させて、右下根元移送チェン１０ｄと略一致させた、突出部１８ａを設けている。この突出部１８ａにより、移送する刈取り穀稈を合流部（リ）へ安定させて、移送させる構成である。
【００６１】
これにより、前記右下根元移送チェン１０ｄの始端部と、上部カバー１８の突出部１８ａとを合せることで、穂先の移送角度が安定する。又、面積を広くしたことにより、藁屑の圃場への落下をよくして、引起ケース８ａ内への混入を防止させている。
【００６２】
前記左・右内引起装置６ａ、６ｂの各引起ケース８ａの後側上方部には、図１３〜図１６で示すように、略コ字形状の上部カバー１８を設けると共に、この上部カバー１８の上側には、複数本（３本）のボルトで着脱自在に箱形状の上部着脱カバー２９を設けている。又、上部カバー１８と上部着脱カバー２９とに二分割にして設けると共に、この上部着脱カバー２９を着脱容易にすると共に、上部カバー１８は、左側部を後方へ大きく突出させて設けている。
【００６３】
これにより、前記上部着脱カバー２９を容易に着脱できる。これらにより、左・右内引起装置６ａ、６ｂの前後、及び左右調節、又は引起ラグ８ｅの隙間調節が容易である。更に、引起伝動パイプ等への藁屑、塵埃等の堆積の防止ができる。
【００６４】
図１７、及び図１８で示すように、前記穀稈掻込移送装置９の中央部左右両側へ設けた、左側の掻込装置９ａへ設けた大径用の掻込スターホイル９ｆ下側へ設けて、穀稈を挟持して案内する左挟持ガイド３０と、右側の掻込装置９ａへ設けた小径用の掻込スターホイル９ｆの下側へ設けて、穀稈を挟持して案内する右側の挟持ガイド２１とは、これら中央部左右両側へ設けた、各掻込装置９ａ、９ａ間の略中央部へ設けた取付用ステー３０ａへボルト、及びナット等により、装着して設けた構成である。
【００６５】
これにより、左側の前記左挟持ガイド３０と、右側の挟持ガイド２１との取付け、取り外しが容易である。このために、穀稈が巻きついたときであっても、巻き付き穀稈の除去を容易に行うことができる。
【００６６】
前記穂先移送装置１２の下側の穂先移送ケース１２ａの上側内には、図１９〜図２２で示すように、穂先移送チェン１２ｂへ所定間隙で設けた穂先移送ラグ１２ｃが突出状態、及び収納状態に回転自在に内装している。
【００６７】
前記穂先移送チェン１２ｂの各穂先移送ラグ１２ｃが、穀稈移送の不作用側の所定位置で収納状態にする、鉄板材で形成した上部カバー３１を設けている。この上部カバー３１は、穀稈移送の不作用側で、一方側の端部を接曲させて、穂先移送ラグ１２ｃのラグ収納域を、ラグ起立限界位置まで折曲させた、広幅の起立防止部３１ａと、この起立防止部３１ａと、両側へ狭幅の折曲部３１ｂとを設けている。又、この上部カバー３１の上側には、穂先案内カバー１２ｆを設けている。
【００６８】
これにより、前記穂先移送ラグ１２ｃを所定位置で確実に収納状態にすることにより、他部品へ当接することを確実に防止できる。又、穂先移送ラグ１２ｃの収納音の低下を図ることができると共に、安全性が向上する。
【００６９】
前記穂先移送装置１２の下側へ設ける穂先移送ケース１２ａは、図２３、及び図２４で示すように、縦フレーム３３ａの前後両側へ前・後フレーム３３ｂ、３３ｃを設けると共に、中央部にコ字形状の中フレーム３３ｆを設け、この中フレーム３３ｈには、所定間隔で長孔３３ｊ、３３ｊを設け、先端部には、コ字形状の受板３３ｈを設け、基部は縦フレーム３３ａへ装着している。後フレーム３３ｃは、後部へ設けた伝動機構３２ａを内装した、駆動ケース３２へボルト等により、装着している。これら前・後フレーム３３ｂ、３３ｃには、四角パイプ材よりなる外ガイド３３ｄ、及び内ガイド３３ｅを装着して設けている。
【００７０】
前記駆動ケース３２へ設けた穂先上部軸１３ａを回動中心として、穂先移送ケース１２ａを回動させるときには、中フレーム３３ｆの各長孔３３ｊへ締付けしたボルトをゆるめて、回動移動操作すると、穂先移送ラグ１２ｃの先端部と、左内・右内引起装置６ａ、６ｂの後側へ設けた上部カバー１８との間の隙間（Ｌ１）、及び（Ｌ２）を、広く、又は狭く変更できる。
【００７１】
これにより、前記穂先移送ラグ１２ｃの先端位置を、調節可能に設けたことにより、穀稈の移送性能の向上を図ることができる。又、組立性の向上を図ることができる。
前記穂先移送装置１２の下側へ設ける穂先移送ケース１２aは、図２５、及び図２６で示すように、穀稈を移送する作用側は、四角パイプ材によりなる外ガイド３３ｄと、内ガイド３３ｅとを装着して設けると共に、穂先移送ケース１２ａの、左右両側の穀稈が合流する合流部（リ）で、二等辺三角形の頂点部には、穂先移送ラグ１２ｃの倒れを防止して、起立状態に保持するコ字形状の受板３３ｈを設けている。
【００７２】
これにより、左右両側の穀稈が合流する合流部（リ）には、穂先移送ラグ１２ｃの倒れを防止する受板３３ｈを設けたことにより、穀稈の移送が安定する。又、多量の穀稈の移送を円滑にすることができる。
【００７３】
図２７で示すように、穂先移送装置１２と、供給移送装置１４との間に設け、穀稈を後方上部へ移送する挟持杆１７ａの移送終端部には、受板１７ｂを装着して設けている。この受板１７ｂには、前後に取付用孔１７ｄを設け、この前側の取付用孔１７ｄ部へボルト、及びナット等により、後挟持杆１７ｃを装着した時には、刈取りする穀稈の稈長が標準稈長以上の時である。又、この後側の取付用孔１７ｄ部へボルト、及びナット等により、後挟持杆１７ｃを装着した時には、刈取りする穀稈の稈長が短稈の時であり、これにより短稈の穀稈をより深扱ぎ側へ寄せることができる。
【００７４】
これにより、前記後挟持杆１７ｃを前後に装着位置を変更することにより、短稈適応性の向上を図ることができる。又、組付け、及び調節の容易化を図ることができる。又、組み付け及び調節の容易化を図ることができる。更に、扱ぎ深さの適性化を図ることができる。
【００７５】
図２５、及び図２８で示すように、前記穂先移送ケース１２ａの穀稈移送作用側には、二本の角パイプ材よりなる内・外ガイド３３ｄ、３３ｅを設けて、穂先移送ラグ１２ｃの上下・左右方向を案内すべく設けている。移送終端部には、後フレーム３３ｃ以外は設けないと共に、移送終端部へ設けた穂先上部軸１３ａの軸心と、後フレーム３３ｃの後外端との間は、所定間隔（Ｌ３）にして設け、この穂先上部軸１３ａの上部スプロケット１３ｅの近傍部には、スペースを確保している。３４はゴム材、又は樹脂材よりなる引継用板である。これにより、上部スプロケット１３ｃ部へ穀稈の巻込み、及び藁屑の溜りを防止している。
【００７６】
前記刈取機４の穂先移送装置１２の後側と、脱穀機２ａの入口漏斗側２ｅの前側との間で、引継ぎ用板３４を穂先移送装置１２の後側へ設けている。
これにより、前記脱穀機２ａの入口側へ穀稈の特に短稈の巻付を防止できる。又、穂先移送ラグ１２ｃの収納時の騒音、摩擦の防止、寿命の延長を図ることができる。更に、穂先移送ケース１２ａ内への藁屑の溜りを防止できる。メンテナンス性、組立容易化を図ることができる。
【００７７】
図２９、及び図３０で示すように、前記穂先移送装置１２は、前後方向の中央部より、前方部を回動中心として、上下回動自在に設けている。
前記穂先移送装置１２下側の穂先移送ケース１２ａ下側面の前後方向中央部より、前方部側には、Ｕ字形状の受フレーム３５ａを装着し、又、刈取機４を支持する支持杆１６ａ、及び支持パイプ杆１６ｂ等を支持する支持パイプ装置１６ｃには、正逆回転用の回動用モータ３５ｂを設け、この回動用モータ３５ｂと、受フレーム３５ａとは、接続装置３５ｃで接続している。この回動用モータ３５ｂの正逆回転により、連続装置３５ｃ、及び受フレーム３５ａ等を介して穂先移送装置１２が上下回動移動する。
【００７８】
これにより、移送する穀稈の穂先側の移送安定化を図る。又、上下回動移動時の振動防止、上下位置の早期安定を図ることができる。
前記穂先移送装置１２下側の穂先移送ケース１２ａの中フレーム３３ｆに設けた各長孔３３ｊを、図３１、及び図３２で示すように、パイプ材よりなるメインフレーム３６ａの端部へ設けた支持板３６ｂ部へ重合して、ボルト、及びナット等により、装着して設けている。
【００７９】
これにより、前記穂先移送装置１２を上下回動移動時の振動防止を図ることができる。又、メインフレーム３６ａの変形、及び磨耗の防止、更に、穂先移送ラグ１２ｃ位置の安定化、この穂先移送装置１２の強度アップを図ることができる。
【００８０】
図３３で示すように、前記供給装置１４下側へ設けた、供給ケース１４ａの下側には、案内ガイド３７を設け、合流部（リ）で合流した穀稈の穂先側を、穂先移送装置１２の移送ラグ１２ｃと、この案内ガイド３７とにより，更に後方上部へ移送する。
【００８１】
前記案内ガイド３７の移送始端部と、穂先移送装置１２下側の穂先移送ケース１２ａへ設けた外ガイド３３ｄの頂点近傍部との間の所定間隔（Ｌ４）は広くして設け、又、この案内ガイド３７の移送終端部と、この外ガイド３３ｄの移送終端部との間の所定間隔（Ｌ５）は狭くして設けている。更に、案内ガイド３７の移送終端部は、駆動ケース３２へ軸支内装した穂先上部軸１３ａの中心位置により、所定距離（Ｌ６）前方位置までとしている。又、穂先移送ケース１２ａの中フレーム３３ｆの前後両側には、空間部（ホ）を設けている。
【００８２】
これにより、前記穂先移送装置１２の穂先移送ラグ１２ｃで、特に短稈穀稈の穂先側を巻込みすることを防止できる。又、穂先のずれの改善が容易である。空間部（ホ）を設けたことにより、軽くなり、藁屑等の溜りも防止できる。
【００８３】
前記穂先移送装置１２の下側の穂先移送ケース１２ａの前側（下側）へ設けた前フレーム３３ｂには、穂先下部軸１３ｂを設け、この穂先下部軸１３ｂに下部スプロケット１３ｆを軸支している。これら穂先下部軸１３ｂ、及び下部スプロケット１３ｆを下方へ調節移動させて、穂先移送チェン１２ｂを張操作する調節具３７ｂと、スプリング３７ｃ等とよりなる伸張調節装置３７ａを、図３１で示すように、穂先移送ケース１２の前フレーム３３ｂへ設けると共に、この伸張調節具３７ａは、引起装置６の右内・右外引起装置６ｂ、７ｂの各引起ラグ８ｅ、８ｅの合せスペースへ位置させて設けている。
【００８４】
これにより、前記穂先移送チェン１２ｂの伸張操作する、伸張調節装置３７ａを設けたことにより、この穂先移送チェン１２ｂの伸張が容易であり、又、組付けの容易化を図ることができる。
【００８５】
図３４で示すように、前記穂先移送装置１２の合流部（リ）近傍の頂点部に設けた駆動スターホイル１２ｄの外径（Ｄ３）は、供給移送装置１４の供給スターホイル１４ｂの外径（Ｄ４）により、所定寸法小外径にして設けている。
【００８６】
これにより、前記供給スターホイル１４ｂは、低速になり、これにより、穀稈の穂先の倒れ、穀粒飛散の防止ができる。又、左側部の穀稈の掻込みの範囲を拡大することができる。
【００８７】
前記右下根元移送装置１０ｂの右下根元移送チェン１０ｄの移送終端部の穀稈移送の作用側と、右上根元移送装置１０ａの右上根元移送チェン１０ｃ移送始端部の円形状の穀稈移送作用側とは、図３５で示すように、穀稈を移送する移送作用側が重合状態になるように、右上根元移送チェン１０ｃを前方左側へ寄せて設け、合流部（リ）で合流した穀稈を、スムーズに引継ぎして、後方上部へ移送する。
【００８８】
上述の構成により、従来は必要としていた案内ガイドが不要となり、又、走行
クローラ３ａで穀稈の株元側の巻込みを防止すると共に、前記右上根元移送チェン１０ｃの巻付け角度の増加を図り、この右上根元移送チェン１０ｃの脱落の防止を図っている。
【００８９】
これにより、前記右下根元移送装置１０ｂの右下根元移送チェン１０ｄにより、四条列の穀稈が合流部（リ）で合流したこの合流穀稈の株元側の巻込み、及び引抜きを防止できる。又、走行クローラ３ａへの巻込みも防止できる。穀稈の株元側が、脱穀機２ａのフィードチェン２ｃまでの距離が短くなり、穀稈のこぼれの防止と、この移送チェン１０ｄの脱落の防止ができる。
【００９０】
図３６、及び図３７で示すように、前記右内引起装置６ｂと、右外引起装置７ｂとの上部には、防塵用カバー３８を設けて、これら両者を接続している。この防塵用カバー３８の上部には、全照灯３８ａを設けている。
【００９１】
これにより、前記右内・右外引起装置６ｂ、７ｂの左右の振動防止、操縦席２３へ着座して運転操作する運転作業者へ向けて飛散する穀粒、藁屑等の飛散を防止できる。
中央部右側の掻込装置９ａの掻込具３９は、図３８、及び図３９で示すように、下部の小径の掻込スターホイル９ｆと、上部の後プーリ３９ａとは、円筒３９ｂを設けて接続して、一体に形成している。この後プーリ３９ａと、掻込ケース９ｂの前部へ設けた前プーリ３９ｃとには、所定間隔で掻込ラグ９ｃを装着して一体に形成した、掻込ベルト９ｄを掛け渡している。
【００９２】
中央部右側の掻込装置９ａの掻込具３９の掻込スターホイル９ｆの上側には、挟持ガイド２１を掻込スターホイル９ｆの上側面と略平行に設けている。又、掻込ケース９ｂの下側面には、上挟持ガイド装置４０の取付板４０ｂをボルト、及びナットで装着すると共に、この取付板４０ｂ下部には、上挟持ガイド４０ａを移送終端部へ設けて、所定角度で上方へ傾斜させて装着している。これら挟持ガイド２１と、上挟持ガイド装置４０とにより、穀稈の巻き付き等を防止すると共に、又、これら両者共に、掻込具３９の円筒３９ｂ部は、この掻込具３９のこの円筒３９ｂの外周部へ所定の隙間を設けて、円周方向に沿わせて設けている。
【００９３】
これにより、中央部右側の前記掻込装置９ａの小径の掻込スターホイル９ｆ部、円筒３９ｂ部、及び掻込ベルト９ｄ等へ穀稈の巻き付きを防止することができる。倒伏、未乾燥穀稈、短稈等の作業性の向上を図ることができる。又、作業効率、及びメンテナンス性の向上を図ることができる。
【００９４】
中央部左右両側の掻込装置９ａ、９ａは、図４０で示すように、これら両掻込装置９ａ、９ａの掻込ケース９ｂ、９ｂの後部へ設けた、大径、及び小径の掻込スターホイル９ｆ、９ｆ等を軸支した各掻込軸９ｅ、９ｅの上部で、各掻込ケース９ｂ、９ｂの上側面には、支持フレーム装置４１のへ字形状のフレーム４１ａを設けると共に、このフレーム４１ａには、前方へ突出させて、左右支持板４１ｂ、４１ｃを装着して設け、これらの先端部には、各支持軸３９ｄ、３９ｄで前プーリ３９ｃ、３９ｃを軸支して設けている。これら各掻込ケース９ｂ、９ｂの前部は、他の箇所から支持部材を設けて支持させない。
【００９５】
中央部左右両側の掻込装置９ａ、９ａは、支持フレーム装置４１のフレーム４１ａで吊り下げ状態に支持している。これら掻込装置９ａ、９ａの前部と、中央部左右両側の左内・右内引起装置６ａ、６ｂの後側の各引起ケース８ａ、８ａの後側面部との間には、所定の隙間を設けている。
【００９６】
これにより、中央部左右両側の掻込装置９ａ、９ａの前部には、支持部材を設けないことにより、これら掻込装置９ａ、９ａの前部のスペースを広くすることができ、これにより、各掻込ベルト９ｄ等の交換が容易である。又、藁屑、雑草等の引掛りを防止することができる。更に、分解、及び組立が容易である。メンテナンス性が良好である。
【００９７】
中央部左右両側の前記掻込装置９ａ、９ａの掻込軸９ｆ、９ｆの中心位置は、図４０で示すように、中央部の伝動フレーム４２ａの右側へ設けた補強フレーム４２ｂの中心位置より、左右同じ位置の所定距離（Ｌ７）、（Ｌ７）へ位置させて設けている。
【００９８】
これにより、前記掻込装置９ａ、９ａの大径と小径との掻込スターホイル９ｆ、９ｆへの負荷分割による振動を防止する。又、補強フレーム４２ｂへ締付けすることにより、強度アップ、及び組立性の向上を図ることができる。
【００９９】
中央部左右両側の前記掻込装置９ａ、９ａの各掻込ケース９ｂ、９ｂの前部へ設けた支持軸３９ｄ、３９ｄを、図４１で示すように、内側へ移動させて、これら掻込装置９ａ、９ａの各掻込ラグ９ｃ、９ｃ前部の回転外周部を、図４２、及び図４３で示すように、引起装置６の左内・右内引起装置６ａ、６ｂを伝動する伝動フレーム４２ａへ近接させて設けている。
【０１００】
これにより、全面刈取り性能の向上、及び横刈取り、旋回刈取り性能の向上を図る。又、中央部の刈取り性能の向上を図ることができる。
中央部左右内側の前記左内、右内引起装置６ａ、６ｂを回転駆動する伝動フレーム４２ａは、従来は、図４６、及び図４７で示すように、この伝動フレーム４２ａと、下フレーム４３との間には、補強部材４３ａを設け、又、前フレーム４４は別部品へ装着していたが、本発明では、図４４、及び図４５で示すように、伝動フレーム４２ａを上下に二分割し、この伝動フレーム４２ａ、４２ａの間には、上継手ギヤーケース４２ｃを設け、下側の伝動フレーム４２ａと、下フレーム４３との間には、下継手ギヤーケース４２ｄを設けている。又、この下継手ギヤーケース４２ｄへ前フレーム４４を装着している。４５は分岐ギヤーケースであり、４５ａは上フレームであり、４５ｂは上チェンケースである。
【０１０１】
これにより、前記伝動フレーム４２ａの変形防止、軽量化、部品点数削減を図ることができる。又、右側条列穀稈の搬送通路の確保が容易である。
【図面の簡単な説明】
【０１０２】
【図１】左根元移送装置の左テンション装置の拡大平面図
【図２】穀稈掻込装置部と、穀稈移送装置部との拡大平面図
【図３】穀稈掻込装置部と、穀稈移送装置部との拡大平面図
【図４】左根元移送チェンと、防止プレートとの平面斜視図
【図５】コンバインの左側全体側面図
【図６】コンバインの全体平面図
【図７】刈取機の全体平面図
【図８】刈取機の一部の拡大平面図
【図９】刈取機の一部の拡大平面図
【図１０】穂先移送ケースの平面図
【図１１】刈取機の上部カバー部の拡大正面図
【図１２】刈取機の上部カバー部の拡大平面図
【図１３】刈取機の上部カバーと、上部着脱カバーとの正面図
【図１４】刈取機の上部カバーと、上部着脱カバーとの側面図
【図１５】刈取機の上部カバーと、上部着脱カバーとの平面図
【図１６】刈取機の上部カバーと、上部着脱カバーとの後方斜視図
【図１７】他の実施例を示す図で、刈取機の一部の拡大平面図
【図１８】他の実施例を示す図で、挟持ガイドと、左挟持ガイドとの拡大平面斜視図
【図１９】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大側面図
【図２０】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大平面図
【図２１】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の上部カバーの拡大平面図
【図２２】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の上部カバーの拡大側面図
【図２３】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大平面図
【図２４】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大正面図
【図２５】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大平面図
【図２６】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大側面図
【図２７】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大平面図
【図２８】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大平面図
【図２９】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大正面図
【図３０】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大側面図
【図３１】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の取付部の拡大平面図
【図３２】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の取付枠材部の拡大平面図
【図３３】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部と、安全ガイド杆との拡大平面図
【図３４】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部のスターホイルの拡大平面図
【図３５】他の実施例を示す図で、右上・右下根元移送装置部の拡大平面図
【図３６】他の実施例を示す図で、引起装置部の防塵用カバー部の拡大正面図
【図３７】他の実施例を示す図で、引起装置部の防塵用カバー部の拡大平面図
【図３８】他の実施例を示す図で、小径の掻込スターホイル部の拡大側面図
【図３９】他の実施例を示す図で、小径の掻込スターホイル部の拡大平面図
【図４０】他の実施例を示す図で、掻込装置部の拡大平面図
【図４１】他の実施例を示す図で、掻込装置部の拡大平面図
【図４２】他の実施例を示す図で、左内・右内引起装置部の背面図
【図４３】他の実施例を示す図で、左内・右内引起装置部の側面図
【図４４】他の実施例を示す図で、引起装置の伝動フレーム部の拡大側面図
【図４５】他の実施例を示す図で、引起装置の伝動フレーム部の拡大正面図
【図４６】従来の実施例を示す図で、引起装置の伝動フレーム部の拡大側面図
【図４７】従来の実施例を示す図で、引起装置の伝動フレーム部の拡大正面図
【符号の説明】
【０１０３】
２ 走行車台
４ 刈取機
５ｃ 刈刃装置
６ 引起装置
９ａ 掻込装置
１０ａ 右上根元移送装置
１０ｂ 右下根元移送装置
１０ｄ 右下根元移送チェン
１０ｅ チェンレール
１０ｈ 防止プレート
１１ 左根元移送装置
１１ａ 左根元移送チェン
１１ｂ 左テンション装置
１１ｃ テンションアーム
１１ｈ 後側外形部
１２ 穂先移送装置
１４ 供給移送装置
リ 合流部
【技術分野】
【０００１】
左右両条列の刈取り穀稈を後方上部の合流部へ移送する略Ｙ字形状に、左・右下根元移送装置の左・右下根元移送チェンを設けている。この左根元移送チェンの移送終端左側部へ設ける左テンション装置のテンションアームを穀稈の巻込みを防止すべく形状に設けた技術であり、コンバインの穀稈移送装置として利用できる。
【背景技術】
【０００２】
コンバインで立毛穀稈の収穫作業は、このコンバインの走行車台の前部へ設けて、穀稈を刈取り、後方上部へ移送する刈取機の前部へ複数個設けた各引起装置で穀稈は引起しされ、複数個設けた各掻込装置で掻込されながら刈刃装置で刈取りされ、この刈取り穀稈は、後方上部へ移送される。
【０００３】
前述のように、左右両条列を刈取りされた穀稈は、特開平５−１２３０３８号公報で示すように、後方上部の合流部へ移送する左右両側の左側条列を刈取りされた刈取り穀稈は、前側株元搬送装置で合流部へ向けて移送される。又、右側条列を刈取りされた刈取り穀稈は、株元集合装置で合流部へ向けて移送され、これら左右両側を移送された穀稈は、合流部で合流され、更に、後方上部へ移送される。
【０００４】
前記前側搬送装置の搬送チェンを案内するチェン案内レールは、前記株元集合装置に対して、遠近調節できるように、該前側搬送装置のフレームへ出入自在に設け、該搬送チェンが伸張した時の対応が可能であると記載されているが、この搬送チェンへ穀稈の巻込みを防止する防止部材は設けられていない。又、この搬送チェンの上側には、穀稈の巻込み防止用のく字形状に形成した巻込防止杆を設けているものもある。
【特許文献１】特開平５−１２３０３８号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
前記前側株元搬送装置の合流部以降の移送終端部側では、穀稈の巻込みが発生することがあるが、この発明により、この問題点を解決しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上述のような課題を解決するために、この発明は、次のような技術手段を講じる。
このために、請求項１に記載の発明においては、走行車台（２）前方部の穀稈を刈り取って後方上部へ移送する刈取機（４）は、複数条列の穀稈を引起す複数の引起装置（６）と、引起した穀稈を掻込み移送する複数の掻込装置（９ａ）と、該掻込装置（９ａ）の後側に刈刃装置（５ｃ）と、該刈刃装置（５ｃ）の後方左右両側に刈取り穀稈を引き継いで後方上部の合流部（リ）へ移送する右下根元移送装置（１０ｂ）と、左根元移送装置（１１）とを設けると共に、該合流部（リ）へ移送された穀稈を引継ぎ更に後方上部へ移送する右上根元移送装置（１０ａ）及び穂先移送装置（１２）と、供給移送装置（１４）等とを設けた構成において、前記左根元移送装置（１１）の左根元移送チェン（１１ａ）を伸張すべく移送終端左側へ設けた左テンション装置（１１ｂ）のテンションアーム（１１ｃ）後側外形部（１１ｈ）を、前記左根元移送チェン（１１ａ）の回転外周近傍部まで突出させて、穀稈の巻込みを防止すべく形成して設けたことを特徴とするコンバインの穀稈移送装置としたものである。
【０００７】
コンバインで立毛穀稈の収穫作業は、このコンバインの走行車台（２）の前方部へ設け、穀稈を刈取り移送する刈取機（４）の前部側へ設けた、複数個の各引起装置（６）で穀稈を引起ししながら、複数個の各掻込装置（９ａ）で掻込みしながら、刈刃装置（５ｃ）で刈取りされ、この刈取り穀稈の右条列側は、右下根元移送装置（１０ｂ）の右下根元移送チェン（１０ｄ）で後方上部の合流部（リ）へ向けて移送される。又、刈取り穀稈の左条列側は、左根元移送装置（１１）の左根元移送チェン（１１ａ）で後方上部の合流部（リ）へ向けて移送される。この合流部（リ）で合流された穀稈は、更に、右上根元移送装置（１０ａ）、及び穂先移送装置（１２）と、供給移送装置（１４）とにより、後方上部へ移送される。
【０００８】
前記左根元移送装置（１１）の左根元移送チェン（１１ａ）で移送される穀稈の巻込み防止は、この左根元移送チェン（１１ａ）の移送終端部へ設けた左テンション装置（１１ｂ）のテンションアーム（１１ｃ）の後側外形部（１１ｈ）を、この根元移送チェン（１１ａ）の回転外周近傍部まで突出させた形状にして設け、この突出部で穀稈の巻込みを防止している。
【０００９】
請求項２記載の発明においては、前記右下根元移送装置（１０ｂ）の右下根元移送チェン（１０ｄ）の移送終端部には、該右下根元移送チェン（１０ｄ）の垂れ下り及び脱落を防止する防止プレート（１０ｈ）を、前記右下根元移送チェン（１０ｄ）の下側であってチェンレール（１０ｅ）の移送終端部へ設けたことを特徴とする請求項１記載のコンバインの穀稈移送装置としたものである。
【００１０】
前記右根元移送装置（１０ｂ）の右下根元移送チェン（１０ｄ）の移送終端部には、この右下根元移送チェン（１０ｄ）が伸長したときに、垂れ下り、及び脱落することを防止するために、防止プレート（１０ｈ）をこの右根元移送チェン（１０ｄ）の下側でチェンレール（１０ｅ）の移送終端部へ設けて、この右根元移送チェン（１０ｄ）を下側より、受けて支持する状態に設けている。
【発明の効果】
【００１１】
請求項１に記載の発明においては、左条列側の刈取り穀稈を後方上部へ移送する左根元移送装置１１の左根元移送チェン（１１ａ）を、伸張すべく移送終端左側へ設けた、左テンション装置（１１ｂ）のテンションアーム（１１ｃ）後方外形部（１１ｈ）を、この左根元移送チェン（１１ａ）先端の回転外周近傍部まで、突出させて設けたことにより、このテンションアーム（１１ｃ）の後側外形部（１１ｈ）の突出部で、穀稈の巻込みを防止することができ、これにより、この左根元移送チェン（１１ａ）へ穀稈の巻込みを防止できる。又、穀稈の移送が良好になる。
【００１２】
請求項２に記載の発明においては、右下根元移送装置（１０ｂ）の右下根元移送チェン（１０ｄ）の移送終端部には、この右下根元移送チェン（１０ｄ）の垂れ下り、及び脱落を防止する防止プレート（１０ｈ）を、この右下根元移送チェン（１０ｄ）の下側で、チェンレール（１０ｅ）の移送終端部へ設けたことにより、この右下根元移送チェン（１０ｄ）の垂れ下り、及び脱落を防止できる。又、これにより、穀稈の移送が良好になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１３】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
コンバイン１の走行車台２の下側に走行装置３を設け、前方部に穀稈を刈取る刈取機４を設けると共に、上側の一方側にこの刈取機４から刈取り穀稈を引継ぎ脱穀する脱穀機２ａと、この脱穀機２ａの横側に脱穀済み穀粒を受けて、貯留する穀粒貯留タンク２ｂとを載置している。
【００１４】
前記刈取機４には、一方側の条列の穀稈と、他方側の条列とを分離する複数個の分草体５ｂと、分離、及び引起しする複数個の引起装置６と、引起しされた穀稈を掻込み移送する穀稈掻込移送装置９の掻込装置９ａと、掻込される穀稈を刈取りする刈刃装置５ｃと、刈取りされた穀稈を後方上部の合流部（リ）、及び合流部（リ）により、更に、後方上部へ移送する右側には、右下・右上根元移送装置１０ｂ、１０ａ、及び穂先移送装置１２を設けると共に、左側には、左根元移送装置１１、及び供給移送装置１４を設けている。この左根元移送装置１１の左根元移送チェン１１ａを伸張する移送終端左側には、左テンション装置１１ｂを設けている。これら左根元移送チェン１１ａと、左テンション装置１１ｂ等とを主に図示して説明する。
【００１５】
前記コンバイン１は、四条列を刈取りする。このコンバイン１を説明する。このコンバイン１の走行車台２の下側には、図５、及び図６で示すように、土壌面を走行する左右一対の走行クローラ３ａを張設した走行装置３を配設し、走行車台２の上側面に脱穀機２ａを載置した構成である。走行車台２の前方部の刈取機４で立毛穀稈を刈取りして、後方上部へ移送し、脱穀機２ａのフィードチェン２ｃと、挟持杆２ｄとで引継いで挟持移送しながら脱穀する。脱穀済みで選別済みの穀粒は、脱穀機２ａの右横側へ配設した穀粒貯留タンク２ｂ内へ供給され、一時貯留される。
【００１６】
前記走行車台２の前方部には、図５、及び図６で示すように、立毛穀稈を分離するナローガイド５ａ、及び複数個の分草体５ｂと、立毛穀稈を引起す複数個の引起装置６と、引起された穀稈を掻込みする穀稈掻込移送装置９の外側左右両側と、中央部左右両側とに四個の各掻込装置９ａと、掻込された穀稈を刈取る刈刃装置５ｃと、刈取りされた穀稈を挟持移送して、脱穀機２ａのフィードチェン２ｃと挟持杆２ｄとへ受渡しする穀稈掻込移送装置９の右側は、右上・右下根元移送装置１０ａ、１０ｂと、穂先移送装置１２と、左側は、左根元移送装置１１と、供給移送装置１４等とからなる刈取機４を設けている。該刈取機４は、油圧駆動による伸縮シリンダ１６により、土壌面に対して昇降する。
【００１７】
前記刈取機４の前方下部から後方上部へ傾斜する伝動機構１６ｄを内装した、支持杆１６ａの上端部に設ける伝動機構１６ｅを内装した、支持パイプ杆１６ｂを走行車台２の上側面に設けた支持装置１６ｃで回動自在に支持させている。伸縮シリンダ１６を作動させると支持杆１６ａと共に、刈取機４が上下回動する。
【００１８】
前記刈取機４の穀稈掻込移送装置９によって形成される穀稈移送経路中には、刈取られて移送する穀稈に接触作用することにより、脱穀機４への穀稈の供給の有無を検出する穀稈センサ４ａを設けている。
【００１９】
前記穀粒貯留タンク２ｂ側の前部には、図５、及び図６で示すように、コンバイン１を始動、停止、及び各部を調節等の操作を行う制御装置２２と、操縦席２３とを設け、この操縦席２３の下側にエンジン２４を載置している。
【００２０】
前記走行車台２の前端部に装架した走行用のミッションケース２５内の伝動機構２５ａの伝動経路中には、その出力に基づいて、走行車速を検出するポテンションメータ方式の車速センサ２５ｂを設けている。
【００２１】
前記穀粒貯留タンク２ｂ内へ貯留した穀粒を機外へ排出するこの穀粒貯留タンク２ｂの後側には、図５、及び図６で示すように、縦移送螺旋２６ａを内装した縦移送筒２６を略垂直姿勢で旋回自在に装着して設け、この縦移送筒２６の上端部には、その全長がコンバイン１の前後長に亘る機外へ穀粒を排出する排出螺旋２７ａを伸縮自在に内装した排出オーガ２７を伸縮自在、上下回動自在、及び左右旋回自在に前後方向に配設した構成である。
【００２２】
図５、及び図７で示すように、左側二条列の穀稈は、左外側と左外側より二番目と中央部との各分草体５ｂ、５ｂ、５ｂにより、穀稈を分離すると共に、右側二条列の穀稈は、右外側と右外側より二番目と中央部との各分草体５ｂ、５ｂ、５ｂにより、穀稈を分離する。
【００２３】
前記引起装置６は、図５、及び図７で示すように、左右両外側部には、左・右外引起装置７ａ、７ｂを設けると共に、中央部の左右両側には、左・右内引起装置６ａ、６ｂを設けている。これら左外引起装置７ａと、左内引起装置６ａとにより、左側の二条列の穀稈が引起しされる。又、これら右外引起装置７ｂと、右内引起装置６ｂとにより、右側の二条列の穀稈が引起される。
【００２４】
前記左・右内引起装置６ａ、６ｂと、左・右外引起装置７ａ、７ｂとは、図６、及び図８で示すように、個別に設けた引起ケース８ａ内の上下端部には、上・下スプロケット８ｂ、８ｃを軸支して設け、これら上・下スプロケット８ｂ、８ｃには、所定間隔に引起ラグ８ｅを装着した引起チェン８ｄを掛け渡している。
【００２５】
前記各引起ラグ８ｅの作用範囲は、引起ケース８ａの下端部の略中央部から上端部の略中央部までの間の一方側部が作用範囲であり、この引起ケース８ａより、突出した各引起ラグ８ｅの回転駆動により、穀稈を引起しする。他方側部は、引起ケース８内へ収納状態で回転駆動され、穀稈を引起ししない不作用範囲である。
【００２６】
前記左・右外引起装置７ａ、７ｂ、及び左・右内引起装置６ａ、６ｂの後側には、図６、及び図７で示すように、左右両側の二条列毎の穀稈を掻込みする各掻込装置９ａを平面視左右両側に、略Ｖ字形状に設けている。
【００２７】
前記各掻込装置９ａは、掻込ケース９ｂの下側部に所定間隔で掻込ラグ９ｃを設けた掻込ベルト９ｄを張設すると共に、この掻込ベルト９ｄの下側で、後側の掻込軸９ｅに掻込スターホイル９ｆを軸支している。
【００２８】
前記左側２個の掻込装置９ａ、９ａで、左側二条列の穀稈を掻込みする。又、右側２個の掻込装置９ａ、９ａで、右側二条列の穀稈を掻込みする。
前記各掻込装置９ａの後方部の右側の下部には、図２、図３、及び図６で示すように、右上根元移送チェン１０ｃを掛け渡した右上根元移送装置１０ａと、右下根元移送チェン１０ｄを掛け渡した右下根元移送装置１０ｂとを設けると共に、右側の上部には、略三角形状で平面視移送側面部が略Ｌ字形状の穂先移送ケース１２ａ内には、所定間隔で穂先移送ラグ１２ｃを装着した穂先移送チェン１２ｂを掛け渡して内装した、穂先移送装置１２を設けている。又、左側の下部には、左根元移送チェン１１ａを掛け渡した、左根元移送装置１１を設けると共に、左側の上部には、従動軸１５ａへ設けた供給ケース１４ａの下側へ複数個の供給ラグ１４ｃと、供給スターホイル１４ｂとを、従動軸１５ａへ軸支した、供給移送装置１４を設けている。
【００２９】
前記穂先移送装置１２と、右上根元移送装置１０ａと、供給移送装置１４とは、一体で上下回動自在に設けている。穀稈の稈長により、脱穀機２ａへ供給する穀稈の供給深さ（扱ぎ深さ）を、これら三部品を一体で自動で上下回動移動させて、脱穀機２ａへ供給する穀稈の扱ぎ深さ位置を自動調節する構成である。
【００３０】
前記四個の各掻込装置９ａで、一方側条列（右側）と、他方側条列（左側）との穀稈が、掻込み移送されながら、刈刃装置５ｃで刈取りされた刈取り穀稈は、図２、図３及び図６で示すように、この刈刃装置５ｃの後側へ設けた、穀稈移送装置の右下・右上根元移送装置１０ｂ、１０ａと、穂先移送装置１２とにより、右側部の刈取り穀稈は、後方上部へ移送される。又、左根元移送装置１１と、供給移送装置１４とにより、左側部の刈取り穀稈は、後方上部へ移送され、途中の合流部（リ）で穀稈は合流されて、さらに後方上部へ移送され、脱穀機２ａへ引継ぎされ、脱穀機２ａ内を挟持移送中に脱穀される。
【００３１】
前記穀稈移送装置の株元側は、右下・右上・左根元移送装置１０ｂ、１０ａ、１１により、後方上部へ移送される。又、穂先側は、穂先移送装置１２と供給移送装置１４とにより、後方上部へ移送されることにより、構成がシンプルであり、このために、穀稈の移送が良好になり、穀稈の詰り発生の防止と、穀稈の引継ぎ不良の発生防止と、穀稈の移送姿勢のみだれ等の防止ができる。又、構成がシンプルであることにより、コスト低減を図ることができる。
【００３２】
一方側条列と、他方側条列との刈取りされた刈取り穀稈の穂先側を挟持して移送する穂先移送装置１２と、供給移送装置１４との右・左穂先案内ガイドの移送終端部の高さ位置とは、右下根元移送装置１０ｂの右下根元移送チェン１０ｄの移送始端部へ軸支して設けた下スプロケットを、最下降位置へ操作した時の高さ位置とは、略同じ高さ位置へ設けている。
【００３３】
一方側条列（右側）と、他方側条列（左側）との穀稈の穂先側を挟持移送する、前記右・左穂先案内ガイドの移送終端部の高さ位置は、右下根元移送チェン１０ｄの移送始端部の下スプロケットを最下降位置へ操作した時の高さ位置（Ｈ２）とは、略同じ高さ位置へ設けたことにより、短稈穀稈の穂先側引継ぎの安定を図ることができる。又、左右両側を移送されて、合流部（リ）で合流するときに、穀稈のクロス状態を防止できる。
【００３４】
前記穂先移送装置１２の平面視略三角形状に形成した穂先移送ケース１２ａの上部の移送終端部へ設けた、穂先上部軸１３ａに上部スプロケット１３ｄを軸支して設け、略中間の頂上部へ設けた、穂先中間軸１３ｃに中間スプロケット１３ｅと、駆動スターホイル１２ｄとを軸支して設け、下部の移送始端部へ設けた、穂先下部軸１３ｂに下部スプロケット１３ｆを軸支して設けている。
【００３５】
前記上部・中間・下部スプロケット１３ｄ、１３ｅ、１３ｆに穂先移送ラグ１２ｃを所定間隔で装着した穂先移送チェン１２ｂを掛け渡している。各穂先移送ラグ１２ｃは、略三角形状の短辺側の二辺部で平面視移送側面部が略Ｌ字形状部では、穂先移送ケース１２ａから突出して、穀稈の穂先側を移送する作用側としている。又、反対側は穀稈を移送しない不作用側である。
【００３６】
前記穂先移送装置１２の複数個の穂先移送ラグ１２ｃを装着した、穂先移送チェン１２ｂを内装張設した穂先移送ケース１２ａは、図９、及び図１０で示すように、この穂先移送ケース１２ａの穀稈移送作用側の短辺側の二辺部の移送角度は、平面視横移送側から縦移送側へ向けて、移送始端部側から移送終端部へ向けて、平面視水平に対して、順次小角度から大角度に複数段に変更して設けている。
【００３７】
図１０で示すように、例えば、移送始端部側より、水平に対して、小角度の２５度から、５０度、７５度、移送終端部側の９０度に、略２５度、又は移送終端部は、略１５度増加させて、順次変更して形成している。２５度の範囲は、右側２条列が移送される箇所であり、２５度から５０度へ変化する箇所は、左・右２条列が合流する合流部（リ）である。又、５０度以後の箇所は、左右の２条列が合流されて、４条列の穀稈が移送される。
【００３８】
前記穂先移送装置１２の穂先移送ケース１２ａは、穀稈移送作用側の短辺の二辺部の移送角度は、平面視水平に対して、移送始端部から移送終端部へ向けて、順次小角度から大角度に、略２５度、又は１５度増加した角度に変更したことにより、移送始端部から移送終端部にわたって穀稈の移送角度が安定する。又、移送終端部は、１５度増加変更にしたことにより、穀稈のこぼれ、ずれ等が防止できる。更に、合流部（リ）で穀稈の穂先のクロスを防止できる。
【００３９】
前記穂先移送装置１２の穂先移送ケース１２ａの上側面には、図８で示すように、穂先案内カバー１２ｆを設けている。この穂先案内カバー１２ｆの後端部は、刈取機４の後側へ設けた脱穀機２ａの前側近部か、前端部は、右外側の引起装置６の後側近傍部までの間に位置させて設けると共に、穂先案内カバー１２ｆの前後方向の外形形状は、穂先移送ケース１２ａの前後方向の外形形状と略同じ形状に形成して設けている。更に、この穂先案内カバー１２ｆは、頂点部から穂先移送ケース１２ａの穀稈移送の作用側の端部へ向けて、下り傾斜させて設けている。
【００４０】
又、前記穂先移送ケース１２ａを最上部位置へ回動移動操作した時でも、この穂先移送ケース１２ａの前端部は、後方部から前方部へ向けて下り傾斜状態に設けている。穂先移送装置１２で移送中の穀稈から、落下する藁屑、及び塵等は、穂先移送ケース１２ａ、及び穂先案内カバー１２ｆへ堆積しない構成である。
【００４１】
前記穀稈の穂先側を移送する穂先移送装置１２の穂先移送ケース１２ａの上側面には、穂先案内カバー１２ｆを設けている。この穂先案内カバー１２ｆの外観形状は、穂先移送ケース１２ａの外観形状と略同じ形状に形成し、又、穂先案内カバー１２ｆは、頂点部から、穀稈移送の作用側へ向けて、下り傾斜させて設けると共に、上下回動自在な穂先移送ケース１２ａを最上部位置へ回動移動操作した時でも、この穂先移送ケース１２ａの前端は、前方下部へ下り傾斜状態に設けたことにより、穂先案内カバー１２ｆ、及び穂先移送ケース１２ａには、移送中に穀稈から落下した藁屑、及び塵埃等の堆積を防止することができる。又、移送中の穀稈より、飛散する穀粒を防止できる。穀稈の穂先側がスムーズに移送される。
【００４２】
前記供給移送装置１４の従動軸１５ａへ軸支した、供給スターホイル１４ｂの上側面には、図８で示すように、複数個の供給ラグ１４ｃを回転自在に設け、供給ケース１４ａより、前方部側と内側部とで突出して、穀稈へ供給スターホイル１４ｂと共に、作用して移送する。又、供給ラグ１４ｃは、前方部側と内側部との以外では、逐次供給ケース１４ａ内へ収納状態になる不作用側である。供給スターホイル１４ｂは、穂先移送装置１２の駆動スターホイル１２ｄと噛合して、回転駆動される。
【００４３】
前記供給移送装置１４は、図８で示すように、穂先移送装置１２へ設けた支持杆１５ｂの先端部へコ字形状の支持枠１５ｃを設け、この支持枠１５ｃへ受杆１５ｄを設け、この受杆１５ｄへ供給ケース１４ａを装着して設けると共に、受杆１５ｄの前端部に従動軸１５ａを装着して設けている。又、支持枠１５ｃには、スプリング（図示せず）等により、挟持移動自在に挟持用杆１７ａを設け、この挟持用杆１７ａの後端部に受板１７ｂを固着して設け、この受板１７ｂに後挟持用杆１７ｃを装着している。
【００４４】
前記右側部二個の前記掻込装置９ａ、９ａで掻込されながら、刈刃装置５ｃで刈取りされた穀稈は、図６、及び図７で示すように、右側のこの掻込装置９ａ、９ａから右下根元移送装置１０ｂと、同時に上下回動自在な穂先移送装置１２、及び右上根元移送１０ａとにより、後方上部移送される。又、左側部二個の掻込装置９ａ、９ａで掻込されながら刈刃装置５ｃで刈取りされた穀稈は、図６、及び図７で示すように、左側のこの掻込装置９ａ、９ａから左根元移送装置１１と、供給移送装置１４とにより、合流部（リ）へ移送され、この合流部（リ）で左右両側を移送される刈取り穀稈は合流され、更に右上根元移送装置１０ａと、穂先移送装置１２とにより、後方上部へ移送され、脱穀機２ａへ供給され、この脱穀機２ａのフィードチェン２ｃと挟持杆２ｄとで引継ぎされ、脱穀機２ａ内を挟持移送され、この脱穀機２ａ内で脱穀される。
【００４５】
前記穂先移送装置１２の穀稈移送作用側で、上側の移送終端部側へ設けた穂先上部軸１３ａの軸心（イ）と、穂先移送装置１２の前側へ設けた供給移送装置１４の従動軸１５ａの軸心（ニ）とは、図８で示すように、前後方向に略直線上へ位置させて設けている。又、左側の二条列の穀稈と、右側の二条列の穀稈とが、後方上部へ移送されて合流される位置までの形状は、平面視、図８で示すように、略Ｙ字形状に形成している。
【００４６】
前記穂先移送装置１２の穀稈の穂先側を移送する移送終端部の穂先上部軸１３ａの軸心（イ）位置と、供給移送装置１４の従動軸１５ａの軸心（ニ）位置とは、前後方向に略直線上へ位置させて設けた構成としたことにより、左側の二条列の穀稈と、右側の二条列の穀稈との合流部（リ）で合流したときの穀稈の乱れを防止できる。又、穀稈のクロス防止、及び穀稈の詰り防止、供給移送装置１４の供給ラグ１４ｃの移送範囲を少なくしたことにより、多量の穀稈の移送が可能である。更に、穂先の振れが少ないことにより、穀粒の飛散防止ができる
前記穂先移送装置１２の上下移送方向の略中間位置には、図７、及び図８で示すように、穂先中間軸１３ｃを軸支して設け、この穂先中間軸１３ｃには、駆動スターホイル１２ｄ、及び中間スプロケット１３ｅ等を軸支して設けている。穂先中間軸１３ｃの軸心（ハ）を頂点として、上下方向、又は前後方向に略二等辺三角形状で平面視移送側面部がＬ字形状の穂先移送ケース１２ａを設けて、穂先移送装置１２を形成している。下部の移送始端部の穂先下部軸１３ｂの軸心（ロ）を、右側部側の左右両側（右外側端部と、右外側から二番目）の右側二条列の穀稈を掻込みする。掻込装置９ａ、９ａの近傍部へ位置させて設けている。
【００４７】
前記穂先移送装置１２の上下移送方向の略中間位置の穂先中間軸１３ｃの軸心（ハ）を頂点として、上下方向、又は前後方向に略二等辺三角形状に形成し、この穂先移送装置１２の下部の移送始端部の穂先下部軸１３ｂの軸心（ロ）を、右側部側の左右両側の掻込装置９ａ、９ａの近傍部へ位置させて設けたことにより、穂先ケース１２ａの成形型の型製作が容易でコストダウンになる。又、穂先移送装置１２の駆動スターホイル１２ｄと、供給移送装置１４の供給スターホイル１４ｂとの合流部（リ）での位置合せが容易である。左右両側の二条列の合流部（リ）の傾斜角度を同じ角度にすることが容易であり、穀稈が合流部（リ）でクロス状態になることを防止できる。移送始端部側で各掻込装置９ａ、９ａからの穀稈の引継ぎが良好になる。
【００４８】
前記支持杆１６ａの上端部へ設けた支持パイプ杆１６ｂには、図５、及び図６で示すように、支持メタル１９ａを設け、この支持メタル１９ａと、穂先移送装置１２の上部の移送終端部に設けた穂先上部メタル１２ｅとの間には、接続メタル１９ｂを設けて接続している。この接続メタル１９ｂへ回動自在に軸支した接続軸１９ｃを回動中心として、穂先移送装置１２の穀稈移送部側の下側部を上下回動自在に形成している。接続軸１９ｃの中心位置は、支持パイプ杆１６ｂの中心位置より、所定距離上部へ位置させて設けている。支持パイプ杆１６ｂを支持する支持メタル１９ａは、図７で示すように、コンバイン１の機体１ａの左右方向略中央部へ位置させて設けている。
【００４９】
前記前側、及び横側へ設けた前側の操作装置２２の前側面部から、左横外側の操作装置２２の左横外側面部にわたって設ける防塵用外カバー２０の外側面は、図６で示すように、刈取機４の左右方向の中心（チ）の近傍部、又は略同じ位置へ設けている。
【００５０】
これにより、穀稈の穂先移送通路と、前記各操作装置２２とを離すことにより、藁屑等の溜りを防止する。又、穀粒、及び塵埃の飛散を防止できる。
右条列側の刈取り穀稈を、後方上部の合流部（リ）へ向けて移送する。前記右下根元移送装置１０ｂの右下根元移送チェン１０ｄは、図２、及び図６で示すように、右外側の掻込装置９ａへ設けたスプロケット９ｊと、移送終端部へ設けたテンション装置２８とへ掛け渡している。右下根元移送チェン１０ｄの移送始端部側で、右外側と、右側より二番目の各掻込装置９ａ、９ａの各掻込スターホイル９ｆ、９ｆの噛合部の後側には、凹部（逃がし部）１０ｆを設けている。多量の穀稈が掻込みされたときであっても、右下根元移送チェン１０ｄは、この凹部１０ｆ部で穀稈を逃がして、移送中の穀稈の詰りを防止している。１０ｅはチェンレールであり、右下根元移送チェン１０ｄを支持させている。右外側の掻込スターホイル９ｆの外径（Ｄ１）より、右側より二番目の掻込スターホイル９ｆの外径（Ｄ２）を所定寸法小径に形成して設けている。
【００５１】
前記右下根元移送装置１０ｂの右下根元移送チェン１０ｄの前側の穀稈を移送する作用側には、図２で示すように、挟持ガイド２１を挟持受装置２１ａで摺動移動自在に設けている。この挟持ガイド２１の移送終端部には、合流部（リ）まで延長した補助挟持ガイド２１ｂを設けると共に、テンション装置２８を設けている。この挟持受装置２１ａへ設けたスプリング２１ｃは、挟持ガイド２１を弾発する。
【００５２】
右側二条列の掻込みされて、刈取りされた刈取り穀稈の株元側は、右下根元移送チェン１０ｄと、各挟持ガイド２１，２１ｂとの間へ挟持されて、合流部（リ）へ移送される。
これにより、右側二条列の穀稈が多量掻込みされて、引継ぎされたときであっても、右下根元移送装置１０ｂの右下根元移送チェン１０ｄの移送始端部側へ穀稈の詰りを防止することができる。又、部品の変形、及び破損を防止できる。
【００５３】
前記右下根元移送装置１０ｂの右下根元移送チェン１０ｄの垂れ下り、及び脱落を防止する略Ｌ字形状の防止プレート１０ｈを、図３、及び図４で示すように設けている。この防止プレート１０ｈは、チェンレール１０ｅへ装着して設け、この防止プレート１０ｈのＬ部（立ち上り部）で、穀稈を移送する移送作用側である。右下根元移送チェン１０ｄの移送終端部側で、チェンプレートの下側面でチェンピンの外側部を、下側から支持させている。又、この防止プレート１０ｈの移送始端部側は、所定角度の傾斜角の切欠部を設けて、移送する穀稈が引掛ることを防止している。
【００５４】
前記右下根元移送チェン１０ｄの下側面部を支持する防止プレート１０ｈを設けたことにより、この右下根元移送チェン１０ｄの垂れ下り、及び脱落を防止できる。これらにより、穀稈の移送が良好となり、合流部（リ）へ確実に穀稈を移送することができる。
【００５５】
左条列側の刈取り穀稈を、後方上部合流部（リ）へ向けて移送する。前記左根元移送装置１１ａの左根元移送チェン１１ａは、図１、及び図２で示すように、左外側の掻込装置９ａの駆動ギヤーケース９ｈへ設けたスプロケット９ｊと、移送終端部の左側部へ設けた左テンション装置１１ｂと、移送終端部の右側へ設けたチェン摺し１１ｊとへ掛け渡している。
【００５６】
前記左テンション装置１１ｂは、図１で示すように、テンションアーム１１ｃをテンション軸１１ｅで回動自在に軸支している。又、このテンションアーム１１ｃの前端部には、テンションプーリ１１ｄを設けている。左側端部には、スプリング１１ｆを設けて、このテンションアーム１１ｃを回動状態に支持して、左根元移送チェン１１ａを張設状態に支持している。
【００５７】
前記テンションアーム１１ｃは、図１で示すように、このテンションアーム１１ｃの後側外形部１１ｈを、左根元移送チェン１１ａのチェンプレート先端部の回転外周近傍部まで突出させて設け、この左根元移送チェン１１ａで移送する穀稈の巻込みを防止する形状にして設けている。
【００５８】
前記左根元移送装置１１の左根元移送チェン１１ａを伸張する移送終端部の左側部へ設けた、左テンション装置１１ｂのテンションアーム１１ｃの後側外形部１１ｈを、この左根元移送チェン１１ａのチェンプレートの先端部の回転外周近傍部まで、突出させて設けたことにより、このテンションアーム１１ｃの後側外形部１１ｈを突出させて設けたことにより、このテンションアーム１１ｃの後側外形部１１ｈの突出部で、穀稈の巻込みを防止できる。又、穀稈の移送が良好になる。更に、左根元移送チェン１１ａへ穀稈の巻き付きの防止を図ることができる。
【００５９】
前記左根元移送装置１１の左根元移送チェン１１ａと、右下根元移送装置１０ｂの右下根元移送チェン１０ｄとにより、後方上部の合流部（リ）へ穀稈は移送されて、この合流部（リ）で合流した穀稈は、更に、右上根元移送装置１０ａの右上根元移送チェン１０ｃと、穂先移送装置１２の穂先移送チェン１２ｂへ所定間隔で装着した穂先移送ラグ１２ｃと、供給移送装置１４の供給スターホイル１４ｂ、及び供給ラグ１４ｃとにより、後方上部移送されて、脱穀機２ａのフィードチェン２ｃと、挟持杆２ｄとで引継ぎされる。これらにより、この脱穀機２ａ内を挟持移送されて、この脱穀機２ａで脱穀される。
【００６０】
前記引起装置６の左・右内引起装置６ａ、６ｂの引起ケース８ａ、８ａの後側には、図１１、及び図１２で示すように、略コ字形状の上部カバー１８を設けている。この上部カバー１８の右側には、右側へ向けて突出させて、右下根元移送チェン１０ｄと略一致させた、突出部１８ａを設けている。この突出部１８ａにより、移送する刈取り穀稈を合流部（リ）へ安定させて、移送させる構成である。
【００６１】
これにより、前記右下根元移送チェン１０ｄの始端部と、上部カバー１８の突出部１８ａとを合せることで、穂先の移送角度が安定する。又、面積を広くしたことにより、藁屑の圃場への落下をよくして、引起ケース８ａ内への混入を防止させている。
【００６２】
前記左・右内引起装置６ａ、６ｂの各引起ケース８ａの後側上方部には、図１３〜図１６で示すように、略コ字形状の上部カバー１８を設けると共に、この上部カバー１８の上側には、複数本（３本）のボルトで着脱自在に箱形状の上部着脱カバー２９を設けている。又、上部カバー１８と上部着脱カバー２９とに二分割にして設けると共に、この上部着脱カバー２９を着脱容易にすると共に、上部カバー１８は、左側部を後方へ大きく突出させて設けている。
【００６３】
これにより、前記上部着脱カバー２９を容易に着脱できる。これらにより、左・右内引起装置６ａ、６ｂの前後、及び左右調節、又は引起ラグ８ｅの隙間調節が容易である。更に、引起伝動パイプ等への藁屑、塵埃等の堆積の防止ができる。
【００６４】
図１７、及び図１８で示すように、前記穀稈掻込移送装置９の中央部左右両側へ設けた、左側の掻込装置９ａへ設けた大径用の掻込スターホイル９ｆ下側へ設けて、穀稈を挟持して案内する左挟持ガイド３０と、右側の掻込装置９ａへ設けた小径用の掻込スターホイル９ｆの下側へ設けて、穀稈を挟持して案内する右側の挟持ガイド２１とは、これら中央部左右両側へ設けた、各掻込装置９ａ、９ａ間の略中央部へ設けた取付用ステー３０ａへボルト、及びナット等により、装着して設けた構成である。
【００６５】
これにより、左側の前記左挟持ガイド３０と、右側の挟持ガイド２１との取付け、取り外しが容易である。このために、穀稈が巻きついたときであっても、巻き付き穀稈の除去を容易に行うことができる。
【００６６】
前記穂先移送装置１２の下側の穂先移送ケース１２ａの上側内には、図１９〜図２２で示すように、穂先移送チェン１２ｂへ所定間隙で設けた穂先移送ラグ１２ｃが突出状態、及び収納状態に回転自在に内装している。
【００６７】
前記穂先移送チェン１２ｂの各穂先移送ラグ１２ｃが、穀稈移送の不作用側の所定位置で収納状態にする、鉄板材で形成した上部カバー３１を設けている。この上部カバー３１は、穀稈移送の不作用側で、一方側の端部を接曲させて、穂先移送ラグ１２ｃのラグ収納域を、ラグ起立限界位置まで折曲させた、広幅の起立防止部３１ａと、この起立防止部３１ａと、両側へ狭幅の折曲部３１ｂとを設けている。又、この上部カバー３１の上側には、穂先案内カバー１２ｆを設けている。
【００６８】
これにより、前記穂先移送ラグ１２ｃを所定位置で確実に収納状態にすることにより、他部品へ当接することを確実に防止できる。又、穂先移送ラグ１２ｃの収納音の低下を図ることができると共に、安全性が向上する。
【００６９】
前記穂先移送装置１２の下側へ設ける穂先移送ケース１２ａは、図２３、及び図２４で示すように、縦フレーム３３ａの前後両側へ前・後フレーム３３ｂ、３３ｃを設けると共に、中央部にコ字形状の中フレーム３３ｆを設け、この中フレーム３３ｈには、所定間隔で長孔３３ｊ、３３ｊを設け、先端部には、コ字形状の受板３３ｈを設け、基部は縦フレーム３３ａへ装着している。後フレーム３３ｃは、後部へ設けた伝動機構３２ａを内装した、駆動ケース３２へボルト等により、装着している。これら前・後フレーム３３ｂ、３３ｃには、四角パイプ材よりなる外ガイド３３ｄ、及び内ガイド３３ｅを装着して設けている。
【００７０】
前記駆動ケース３２へ設けた穂先上部軸１３ａを回動中心として、穂先移送ケース１２ａを回動させるときには、中フレーム３３ｆの各長孔３３ｊへ締付けしたボルトをゆるめて、回動移動操作すると、穂先移送ラグ１２ｃの先端部と、左内・右内引起装置６ａ、６ｂの後側へ設けた上部カバー１８との間の隙間（Ｌ１）、及び（Ｌ２）を、広く、又は狭く変更できる。
【００７１】
これにより、前記穂先移送ラグ１２ｃの先端位置を、調節可能に設けたことにより、穀稈の移送性能の向上を図ることができる。又、組立性の向上を図ることができる。
前記穂先移送装置１２の下側へ設ける穂先移送ケース１２aは、図２５、及び図２６で示すように、穀稈を移送する作用側は、四角パイプ材によりなる外ガイド３３ｄと、内ガイド３３ｅとを装着して設けると共に、穂先移送ケース１２ａの、左右両側の穀稈が合流する合流部（リ）で、二等辺三角形の頂点部には、穂先移送ラグ１２ｃの倒れを防止して、起立状態に保持するコ字形状の受板３３ｈを設けている。
【００７２】
これにより、左右両側の穀稈が合流する合流部（リ）には、穂先移送ラグ１２ｃの倒れを防止する受板３３ｈを設けたことにより、穀稈の移送が安定する。又、多量の穀稈の移送を円滑にすることができる。
【００７３】
図２７で示すように、穂先移送装置１２と、供給移送装置１４との間に設け、穀稈を後方上部へ移送する挟持杆１７ａの移送終端部には、受板１７ｂを装着して設けている。この受板１７ｂには、前後に取付用孔１７ｄを設け、この前側の取付用孔１７ｄ部へボルト、及びナット等により、後挟持杆１７ｃを装着した時には、刈取りする穀稈の稈長が標準稈長以上の時である。又、この後側の取付用孔１７ｄ部へボルト、及びナット等により、後挟持杆１７ｃを装着した時には、刈取りする穀稈の稈長が短稈の時であり、これにより短稈の穀稈をより深扱ぎ側へ寄せることができる。
【００７４】
これにより、前記後挟持杆１７ｃを前後に装着位置を変更することにより、短稈適応性の向上を図ることができる。又、組付け、及び調節の容易化を図ることができる。又、組み付け及び調節の容易化を図ることができる。更に、扱ぎ深さの適性化を図ることができる。
【００７５】
図２５、及び図２８で示すように、前記穂先移送ケース１２ａの穀稈移送作用側には、二本の角パイプ材よりなる内・外ガイド３３ｄ、３３ｅを設けて、穂先移送ラグ１２ｃの上下・左右方向を案内すべく設けている。移送終端部には、後フレーム３３ｃ以外は設けないと共に、移送終端部へ設けた穂先上部軸１３ａの軸心と、後フレーム３３ｃの後外端との間は、所定間隔（Ｌ３）にして設け、この穂先上部軸１３ａの上部スプロケット１３ｅの近傍部には、スペースを確保している。３４はゴム材、又は樹脂材よりなる引継用板である。これにより、上部スプロケット１３ｃ部へ穀稈の巻込み、及び藁屑の溜りを防止している。
【００７６】
前記刈取機４の穂先移送装置１２の後側と、脱穀機２ａの入口漏斗側２ｅの前側との間で、引継ぎ用板３４を穂先移送装置１２の後側へ設けている。
これにより、前記脱穀機２ａの入口側へ穀稈の特に短稈の巻付を防止できる。又、穂先移送ラグ１２ｃの収納時の騒音、摩擦の防止、寿命の延長を図ることができる。更に、穂先移送ケース１２ａ内への藁屑の溜りを防止できる。メンテナンス性、組立容易化を図ることができる。
【００７７】
図２９、及び図３０で示すように、前記穂先移送装置１２は、前後方向の中央部より、前方部を回動中心として、上下回動自在に設けている。
前記穂先移送装置１２下側の穂先移送ケース１２ａ下側面の前後方向中央部より、前方部側には、Ｕ字形状の受フレーム３５ａを装着し、又、刈取機４を支持する支持杆１６ａ、及び支持パイプ杆１６ｂ等を支持する支持パイプ装置１６ｃには、正逆回転用の回動用モータ３５ｂを設け、この回動用モータ３５ｂと、受フレーム３５ａとは、接続装置３５ｃで接続している。この回動用モータ３５ｂの正逆回転により、連続装置３５ｃ、及び受フレーム３５ａ等を介して穂先移送装置１２が上下回動移動する。
【００７８】
これにより、移送する穀稈の穂先側の移送安定化を図る。又、上下回動移動時の振動防止、上下位置の早期安定を図ることができる。
前記穂先移送装置１２下側の穂先移送ケース１２ａの中フレーム３３ｆに設けた各長孔３３ｊを、図３１、及び図３２で示すように、パイプ材よりなるメインフレーム３６ａの端部へ設けた支持板３６ｂ部へ重合して、ボルト、及びナット等により、装着して設けている。
【００７９】
これにより、前記穂先移送装置１２を上下回動移動時の振動防止を図ることができる。又、メインフレーム３６ａの変形、及び磨耗の防止、更に、穂先移送ラグ１２ｃ位置の安定化、この穂先移送装置１２の強度アップを図ることができる。
【００８０】
図３３で示すように、前記供給装置１４下側へ設けた、供給ケース１４ａの下側には、案内ガイド３７を設け、合流部（リ）で合流した穀稈の穂先側を、穂先移送装置１２の移送ラグ１２ｃと、この案内ガイド３７とにより，更に後方上部へ移送する。
【００８１】
前記案内ガイド３７の移送始端部と、穂先移送装置１２下側の穂先移送ケース１２ａへ設けた外ガイド３３ｄの頂点近傍部との間の所定間隔（Ｌ４）は広くして設け、又、この案内ガイド３７の移送終端部と、この外ガイド３３ｄの移送終端部との間の所定間隔（Ｌ５）は狭くして設けている。更に、案内ガイド３７の移送終端部は、駆動ケース３２へ軸支内装した穂先上部軸１３ａの中心位置により、所定距離（Ｌ６）前方位置までとしている。又、穂先移送ケース１２ａの中フレーム３３ｆの前後両側には、空間部（ホ）を設けている。
【００８２】
これにより、前記穂先移送装置１２の穂先移送ラグ１２ｃで、特に短稈穀稈の穂先側を巻込みすることを防止できる。又、穂先のずれの改善が容易である。空間部（ホ）を設けたことにより、軽くなり、藁屑等の溜りも防止できる。
【００８３】
前記穂先移送装置１２の下側の穂先移送ケース１２ａの前側（下側）へ設けた前フレーム３３ｂには、穂先下部軸１３ｂを設け、この穂先下部軸１３ｂに下部スプロケット１３ｆを軸支している。これら穂先下部軸１３ｂ、及び下部スプロケット１３ｆを下方へ調節移動させて、穂先移送チェン１２ｂを張操作する調節具３７ｂと、スプリング３７ｃ等とよりなる伸張調節装置３７ａを、図３１で示すように、穂先移送ケース１２の前フレーム３３ｂへ設けると共に、この伸張調節具３７ａは、引起装置６の右内・右外引起装置６ｂ、７ｂの各引起ラグ８ｅ、８ｅの合せスペースへ位置させて設けている。
【００８４】
これにより、前記穂先移送チェン１２ｂの伸張操作する、伸張調節装置３７ａを設けたことにより、この穂先移送チェン１２ｂの伸張が容易であり、又、組付けの容易化を図ることができる。
【００８５】
図３４で示すように、前記穂先移送装置１２の合流部（リ）近傍の頂点部に設けた駆動スターホイル１２ｄの外径（Ｄ３）は、供給移送装置１４の供給スターホイル１４ｂの外径（Ｄ４）により、所定寸法小外径にして設けている。
【００８６】
これにより、前記供給スターホイル１４ｂは、低速になり、これにより、穀稈の穂先の倒れ、穀粒飛散の防止ができる。又、左側部の穀稈の掻込みの範囲を拡大することができる。
【００８７】
前記右下根元移送装置１０ｂの右下根元移送チェン１０ｄの移送終端部の穀稈移送の作用側と、右上根元移送装置１０ａの右上根元移送チェン１０ｃ移送始端部の円形状の穀稈移送作用側とは、図３５で示すように、穀稈を移送する移送作用側が重合状態になるように、右上根元移送チェン１０ｃを前方左側へ寄せて設け、合流部（リ）で合流した穀稈を、スムーズに引継ぎして、後方上部へ移送する。
【００８８】
上述の構成により、従来は必要としていた案内ガイドが不要となり、又、走行
クローラ３ａで穀稈の株元側の巻込みを防止すると共に、前記右上根元移送チェン１０ｃの巻付け角度の増加を図り、この右上根元移送チェン１０ｃの脱落の防止を図っている。
【００８９】
これにより、前記右下根元移送装置１０ｂの右下根元移送チェン１０ｄにより、四条列の穀稈が合流部（リ）で合流したこの合流穀稈の株元側の巻込み、及び引抜きを防止できる。又、走行クローラ３ａへの巻込みも防止できる。穀稈の株元側が、脱穀機２ａのフィードチェン２ｃまでの距離が短くなり、穀稈のこぼれの防止と、この移送チェン１０ｄの脱落の防止ができる。
【００９０】
図３６、及び図３７で示すように、前記右内引起装置６ｂと、右外引起装置７ｂとの上部には、防塵用カバー３８を設けて、これら両者を接続している。この防塵用カバー３８の上部には、全照灯３８ａを設けている。
【００９１】
これにより、前記右内・右外引起装置６ｂ、７ｂの左右の振動防止、操縦席２３へ着座して運転操作する運転作業者へ向けて飛散する穀粒、藁屑等の飛散を防止できる。
中央部右側の掻込装置９ａの掻込具３９は、図３８、及び図３９で示すように、下部の小径の掻込スターホイル９ｆと、上部の後プーリ３９ａとは、円筒３９ｂを設けて接続して、一体に形成している。この後プーリ３９ａと、掻込ケース９ｂの前部へ設けた前プーリ３９ｃとには、所定間隔で掻込ラグ９ｃを装着して一体に形成した、掻込ベルト９ｄを掛け渡している。
【００９２】
中央部右側の掻込装置９ａの掻込具３９の掻込スターホイル９ｆの上側には、挟持ガイド２１を掻込スターホイル９ｆの上側面と略平行に設けている。又、掻込ケース９ｂの下側面には、上挟持ガイド装置４０の取付板４０ｂをボルト、及びナットで装着すると共に、この取付板４０ｂ下部には、上挟持ガイド４０ａを移送終端部へ設けて、所定角度で上方へ傾斜させて装着している。これら挟持ガイド２１と、上挟持ガイド装置４０とにより、穀稈の巻き付き等を防止すると共に、又、これら両者共に、掻込具３９の円筒３９ｂ部は、この掻込具３９のこの円筒３９ｂの外周部へ所定の隙間を設けて、円周方向に沿わせて設けている。
【００９３】
これにより、中央部右側の前記掻込装置９ａの小径の掻込スターホイル９ｆ部、円筒３９ｂ部、及び掻込ベルト９ｄ等へ穀稈の巻き付きを防止することができる。倒伏、未乾燥穀稈、短稈等の作業性の向上を図ることができる。又、作業効率、及びメンテナンス性の向上を図ることができる。
【００９４】
中央部左右両側の掻込装置９ａ、９ａは、図４０で示すように、これら両掻込装置９ａ、９ａの掻込ケース９ｂ、９ｂの後部へ設けた、大径、及び小径の掻込スターホイル９ｆ、９ｆ等を軸支した各掻込軸９ｅ、９ｅの上部で、各掻込ケース９ｂ、９ｂの上側面には、支持フレーム装置４１のへ字形状のフレーム４１ａを設けると共に、このフレーム４１ａには、前方へ突出させて、左右支持板４１ｂ、４１ｃを装着して設け、これらの先端部には、各支持軸３９ｄ、３９ｄで前プーリ３９ｃ、３９ｃを軸支して設けている。これら各掻込ケース９ｂ、９ｂの前部は、他の箇所から支持部材を設けて支持させない。
【００９５】
中央部左右両側の掻込装置９ａ、９ａは、支持フレーム装置４１のフレーム４１ａで吊り下げ状態に支持している。これら掻込装置９ａ、９ａの前部と、中央部左右両側の左内・右内引起装置６ａ、６ｂの後側の各引起ケース８ａ、８ａの後側面部との間には、所定の隙間を設けている。
【００９６】
これにより、中央部左右両側の掻込装置９ａ、９ａの前部には、支持部材を設けないことにより、これら掻込装置９ａ、９ａの前部のスペースを広くすることができ、これにより、各掻込ベルト９ｄ等の交換が容易である。又、藁屑、雑草等の引掛りを防止することができる。更に、分解、及び組立が容易である。メンテナンス性が良好である。
【００９７】
中央部左右両側の前記掻込装置９ａ、９ａの掻込軸９ｆ、９ｆの中心位置は、図４０で示すように、中央部の伝動フレーム４２ａの右側へ設けた補強フレーム４２ｂの中心位置より、左右同じ位置の所定距離（Ｌ７）、（Ｌ７）へ位置させて設けている。
【００９８】
これにより、前記掻込装置９ａ、９ａの大径と小径との掻込スターホイル９ｆ、９ｆへの負荷分割による振動を防止する。又、補強フレーム４２ｂへ締付けすることにより、強度アップ、及び組立性の向上を図ることができる。
【００９９】
中央部左右両側の前記掻込装置９ａ、９ａの各掻込ケース９ｂ、９ｂの前部へ設けた支持軸３９ｄ、３９ｄを、図４１で示すように、内側へ移動させて、これら掻込装置９ａ、９ａの各掻込ラグ９ｃ、９ｃ前部の回転外周部を、図４２、及び図４３で示すように、引起装置６の左内・右内引起装置６ａ、６ｂを伝動する伝動フレーム４２ａへ近接させて設けている。
【０１００】
これにより、全面刈取り性能の向上、及び横刈取り、旋回刈取り性能の向上を図る。又、中央部の刈取り性能の向上を図ることができる。
中央部左右内側の前記左内、右内引起装置６ａ、６ｂを回転駆動する伝動フレーム４２ａは、従来は、図４６、及び図４７で示すように、この伝動フレーム４２ａと、下フレーム４３との間には、補強部材４３ａを設け、又、前フレーム４４は別部品へ装着していたが、本発明では、図４４、及び図４５で示すように、伝動フレーム４２ａを上下に二分割し、この伝動フレーム４２ａ、４２ａの間には、上継手ギヤーケース４２ｃを設け、下側の伝動フレーム４２ａと、下フレーム４３との間には、下継手ギヤーケース４２ｄを設けている。又、この下継手ギヤーケース４２ｄへ前フレーム４４を装着している。４５は分岐ギヤーケースであり、４５ａは上フレームであり、４５ｂは上チェンケースである。
【０１０１】
これにより、前記伝動フレーム４２ａの変形防止、軽量化、部品点数削減を図ることができる。又、右側条列穀稈の搬送通路の確保が容易である。
【図面の簡単な説明】
【０１０２】
【図１】左根元移送装置の左テンション装置の拡大平面図
【図２】穀稈掻込装置部と、穀稈移送装置部との拡大平面図
【図３】穀稈掻込装置部と、穀稈移送装置部との拡大平面図
【図４】左根元移送チェンと、防止プレートとの平面斜視図
【図５】コンバインの左側全体側面図
【図６】コンバインの全体平面図
【図７】刈取機の全体平面図
【図８】刈取機の一部の拡大平面図
【図９】刈取機の一部の拡大平面図
【図１０】穂先移送ケースの平面図
【図１１】刈取機の上部カバー部の拡大正面図
【図１２】刈取機の上部カバー部の拡大平面図
【図１３】刈取機の上部カバーと、上部着脱カバーとの正面図
【図１４】刈取機の上部カバーと、上部着脱カバーとの側面図
【図１５】刈取機の上部カバーと、上部着脱カバーとの平面図
【図１６】刈取機の上部カバーと、上部着脱カバーとの後方斜視図
【図１７】他の実施例を示す図で、刈取機の一部の拡大平面図
【図１８】他の実施例を示す図で、挟持ガイドと、左挟持ガイドとの拡大平面斜視図
【図１９】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大側面図
【図２０】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大平面図
【図２１】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の上部カバーの拡大平面図
【図２２】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の上部カバーの拡大側面図
【図２３】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大平面図
【図２４】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大正面図
【図２５】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大平面図
【図２６】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大側面図
【図２７】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大平面図
【図２８】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大平面図
【図２９】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大正面図
【図３０】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の拡大側面図
【図３１】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の取付部の拡大平面図
【図３２】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部の取付枠材部の拡大平面図
【図３３】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部と、安全ガイド杆との拡大平面図
【図３４】他の実施例を示す図で、穂先移送装置部のスターホイルの拡大平面図
【図３５】他の実施例を示す図で、右上・右下根元移送装置部の拡大平面図
【図３６】他の実施例を示す図で、引起装置部の防塵用カバー部の拡大正面図
【図３７】他の実施例を示す図で、引起装置部の防塵用カバー部の拡大平面図
【図３８】他の実施例を示す図で、小径の掻込スターホイル部の拡大側面図
【図３９】他の実施例を示す図で、小径の掻込スターホイル部の拡大平面図
【図４０】他の実施例を示す図で、掻込装置部の拡大平面図
【図４１】他の実施例を示す図で、掻込装置部の拡大平面図
【図４２】他の実施例を示す図で、左内・右内引起装置部の背面図
【図４３】他の実施例を示す図で、左内・右内引起装置部の側面図
【図４４】他の実施例を示す図で、引起装置の伝動フレーム部の拡大側面図
【図４５】他の実施例を示す図で、引起装置の伝動フレーム部の拡大正面図
【図４６】従来の実施例を示す図で、引起装置の伝動フレーム部の拡大側面図
【図４７】従来の実施例を示す図で、引起装置の伝動フレーム部の拡大正面図
【符号の説明】
【０１０３】
２ 走行車台
４ 刈取機
５ｃ 刈刃装置
６ 引起装置
９ａ 掻込装置
１０ａ 右上根元移送装置
１０ｂ 右下根元移送装置
１０ｄ 右下根元移送チェン
１０ｅ チェンレール
１０ｈ 防止プレート
１１ 左根元移送装置
１１ａ 左根元移送チェン
１１ｂ 左テンション装置
１１ｃ テンションアーム
１１ｈ 後側外形部
１２ 穂先移送装置
１４ 供給移送装置
リ 合流部
【特許請求の範囲】
【請求項１】
走行車台（２）前方部の穀稈を刈り取って後方上部へ移送する刈取機（４）は、複数条列の穀稈を引起す複数の引起装置（６）と、引起した穀稈を掻込み移送する複数の掻込装置（９ａ）と、該掻込装置（９ａ）の後側に刈刃装置（５ｃ）と、該刈刃装置（５ｃ）の後方左右両側に刈取り穀稈を引き継いで後方上部の合流部（リ）へ移送する右下根元移送装置（１０ｂ）と、左根元移送装置（１１）とを設けると共に、該合流部（リ）へ移送された穀稈を引継ぎ更に後方上部へ移送する右上根元移送装置（１０ａ）及び穂先移送装置（１２）と、供給移送装置（１４）等とを設けた構成において、前記左根元移送装置（１１）の左根元移送チェン（１１ａ）を伸張すべく移送終端左側へ設けた左テンション装置（１１ｂ）のテンションアーム（１１ｃ）後側外形部（１１ｈ）を、前記左根元移送チェン（１１ａ）の回転外周近傍部まで突出させて、穀稈の巻込みを防止すべく形成して設けたことを特徴とするコンバインの穀稈移送装置。
【請求項２】
前記右下根元移送装置（１０ｂ）の右下根元移送チェン（１０ｄ）の移送終端部には、該右下根元移送チェン（１０ｄ）の垂れ下り及び脱落を防止する防止プレート（１０ｈ）を、前記右下根元移送チェン（１０ｄ）の下側であってチェンレール（１０ｅ）の移送終端部へ設けたことを特徴とする請求項１記載のコンバインの穀稈移送装置。
【請求項１】
走行車台（２）前方部の穀稈を刈り取って後方上部へ移送する刈取機（４）は、複数条列の穀稈を引起す複数の引起装置（６）と、引起した穀稈を掻込み移送する複数の掻込装置（９ａ）と、該掻込装置（９ａ）の後側に刈刃装置（５ｃ）と、該刈刃装置（５ｃ）の後方左右両側に刈取り穀稈を引き継いで後方上部の合流部（リ）へ移送する右下根元移送装置（１０ｂ）と、左根元移送装置（１１）とを設けると共に、該合流部（リ）へ移送された穀稈を引継ぎ更に後方上部へ移送する右上根元移送装置（１０ａ）及び穂先移送装置（１２）と、供給移送装置（１４）等とを設けた構成において、前記左根元移送装置（１１）の左根元移送チェン（１１ａ）を伸張すべく移送終端左側へ設けた左テンション装置（１１ｂ）のテンションアーム（１１ｃ）後側外形部（１１ｈ）を、前記左根元移送チェン（１１ａ）の回転外周近傍部まで突出させて、穀稈の巻込みを防止すべく形成して設けたことを特徴とするコンバインの穀稈移送装置。
【請求項２】
前記右下根元移送装置（１０ｂ）の右下根元移送チェン（１０ｄ）の移送終端部には、該右下根元移送チェン（１０ｄ）の垂れ下り及び脱落を防止する防止プレート（１０ｈ）を、前記右下根元移送チェン（１０ｄ）の下側であってチェンレール（１０ｅ）の移送終端部へ設けたことを特徴とする請求項１記載のコンバインの穀稈移送装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【図３２】
【図３３】
【図３４】
【図３５】
【図３６】
【図３７】
【図３８】
【図３９】
【図４０】
【図４１】
【図４２】
【図４３】
【図４４】
【図４５】
【図４６】
【図４７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図１４】
【図１５】
【図１６】
【図１７】
【図１８】
【図１９】
【図２０】
【図２１】
【図２２】
【図２３】
【図２４】
【図２５】
【図２６】
【図２７】
【図２８】
【図２９】
【図３０】
【図３１】
【図３２】
【図３３】
【図３４】
【図３５】
【図３６】
【図３７】
【図３８】
【図３９】
【図４０】
【図４１】
【図４２】
【図４３】
【図４４】
【図４５】
【図４６】
【図４７】
【公開番号】特開２００７−２２２０４７（Ｐ２００７−２２２０４７Ａ）
【公開日】平成１９年９月６日（２００７．９．６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−４５４８１（Ｐ２００６−４５４８１）
【出願日】平成１８年２月２２日（２００６．２．２２）
【出願人】（００００００１２５）井関農機株式会社 (3,813)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１９年９月６日（２００７．９．６）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年２月２２日（２００６．２．２２）
【出願人】（００００００１２５）井関農機株式会社 (3,813)
【Ｆターム（参考）】
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