コンバイン
【課題】胴部外周面に螺旋状のスクリュー羽根を有するスクリュー形扱胴のスクリュー羽根を取り外し可能にすること。
【解決手段】外周面に螺旋状のスクリュー羽根25と扱歯体51と有する扱胴を備えたコンバインにおいて、スクリュー羽根は、扱歯体を介して、扱胴に着脱自在に取り付けられる。また、扱歯体は記扱胴軸線方向に対向し、かつ扱胴半径方向に起立した一対の扱歯片と、該一対の扱歯片を支持すると共に、扱胴に着脱自在に取り付けるための取付片とを具備する。しかも、スクリュー羽根は、複数に分割して形成しており、スクリュー羽根の一部だけの交換が可能となる。
【解決手段】外周面に螺旋状のスクリュー羽根25と扱歯体51と有する扱胴を備えたコンバインにおいて、スクリュー羽根は、扱歯体を介して、扱胴に着脱自在に取り付けられる。また、扱歯体は記扱胴軸線方向に対向し、かつ扱胴半径方向に起立した一対の扱歯片と、該一対の扱歯片を支持すると共に、扱胴に着脱自在に取り付けるための取付片とを具備する。しかも、スクリュー羽根は、複数に分割して形成しており、スクリュー羽根の一部だけの交換が可能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関し、特に外周面に螺旋状のスクリュー羽根を有する扱胴を備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、汎用コンバイン等に搭載した脱穀装置においては、前記汎用コンバインにおけるエンジン動力にて回転駆動する扱胴の外周に、スクリュー羽根を、螺旋状でかつ半径方向外向に突設すると共に、多数の扱歯を、所定間隔で且つその一端が当該スクリュー羽根の外周縁よりも半径方向外寄りに突出するように配設したものが知られている。
【0003】
この種の脱穀装置では、汎用コンバインにおける刈取前処理装置で刈取った穀稈を、当該脱穀装置の扱室に搬送し、扱胴の回転に伴って各扱歯が前記穀稈から穀粒を扱き落とすようにしている。
【特許文献1】特開2002−142544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来のコンバインでは、スクリュー羽根が扱胴に溶接等により固着されていたため、スクリュー羽根の変形するような事態が発生したとしても、その修正をすることが極めて困難であった。
【0005】
したがって、このようにスクリュー羽根が変形したような場合には、スクリュー羽根が固着された扱胴まで交換しなければならなかった。
【0006】
そこで、本発明は、スクリュー羽根が変形した場合であっても、容易にその交換をすることができるコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、胴部外周面に螺旋状のスクリュー羽根と扱歯体と有する扱胴を備えたコンバインにおいて、スクリュー羽根は、扱歯体を介して、胴部に着脱自在に取り付けられることを特徴とするコンバインを提供するものである。
【0008】
また、本発明は、以下の構成にも特徴を有する。
【0009】
(1)スクリュー羽根は、複数に分割して形成したこと。
【0010】
(2)扱歯体は記扱胴軸線方向に対向し、かつ扱胴半径方向に起立した一対の扱歯片と、該一対の扱歯片を支持すると共に、胴部に着脱自在に取り付けるための取付片とを具備すること。
【0011】
(3)一対の扱歯片間に補強片を介設したこと。
【0012】
(4)扱胴の刈取穀稈投入側に低スクリュー羽根を取り付け、排出側に高スクリュー羽根を取り付けたこと。
【発明の効果】
【0013】
(1)請求項1の記載の本発明では、胴部外周面に螺旋状のスクリュー羽根と扱歯体と有する扱胴を備えたコンバインにおいて、スクリュー羽根は、扱歯体を介して、胴部に着脱自在に取り付けられる。
【0014】
このようにして、扱歯体を介してスクリュー羽根の扱胴への固定を行うこととしているため、前記扱歯体とスクリュー羽根との連結を解除することによって、容易にスクリュー羽根の取り外しが可能となる。
【0015】
その結果、スクリュー羽根が変形したときのみならず、汚粒を防ぐために作物の種類に応じたスクリュー羽根の交換を実現することができる。
【0016】
(2)請求項2に記載の本発明では、スクリュー羽根は、複数に分割して形成されてる。
【0017】
このように、スクリュー羽根は複数の羽根に分割されており、それぞれの羽根は扱歯体へ連結されることから、羽根毎にその交換が可能となる。
【0018】
その結果、スクリュー羽根のうち交換必要な部分だけでよくなり、取替え作業が最小限で済むと共に、羽根の材料取りを効率よく行うことができる。
【0019】
(3)請求項3に記載の本発明では、扱歯体は記扱胴軸線方向に対向し、かつ扱胴半径方向に起立した一対の扱歯片と、該一対の扱歯片を支持すると共に、胴部に着脱自在に取り付けるための取付片とを具備する。
【0020】
このように、一対の扱歯片が一つの取付片で支持され、扱胴に着脱自在となっている。
【0021】
その結果、一対の扱歯片が同時に交換できるため、扱歯片毎に取り外すという手間を削減することができ、作業性が増す。
【0022】
(4)請求項4に記載の本発明では、一対の扱歯片間に補強片を介設する。
【0023】
このように、扱歯片間に補強片が介設されるので、スクリュー羽根の扱歯体を介した胴部への固定強度を高めることができる。
【0024】
その結果、信頼性を高めることができる。
【0025】
(5)請求項5に記載の本発明では、扱胴の刈取穀稈投入側に低スクリュー羽根を取り付け、排出側に高スクリュー羽根を取り付けたので、胴部前半部で脱粒作用を高め、胴部後半部で搬送性を高めることができる。
【0026】
その結果、脱粒性と搬送性を兼ね備えることができ、作業性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図2〜図4に示すAは、本発明に係るコンバインであり、図中、1は、走行クローラ2を走行フレーム3に装備する機体フレーム、4は、刈り取られた穀桿を脱穀する軸流式のスクリュー形の扱胴5などを備えていて前記機体フレーム1に搭載する脱穀部、6は、上記脱穀部4にて脱穀された穀粒を選別する選別部、7は、揚穀筒8を介して取出す脱穀部4の穀粒を溜める穀粒タンク、9は、前記脱穀部4の下部前方に昇降用シリンダ10を介して昇降可能に装設する刈取部、11は、運転席12及び運転操作部13を備えて前記穀粒タンク7の前方に配設させる運転キャビン、14は、前記穀粒タンク7の後方に備えていてエンジン15を内設するエンジン部、16は、前記穀粒タンク7内の穀粒を取出す上部穀粒搬出オーガである。
【0028】
そして、前記刈取部9は、未刈り穀稈を取入れる刈取ヘッダー17と、同ヘッダー17の後部略中央に連結させて刈取穀稈を脱穀部4に送給するフィーダハウス18によって構成すると共に、未刈り穀稈掻込み用リール19と、往復駆動型刈刃20と、穀稈掻込オーガ21とを前記刈取ヘッダー17に設け、前記ヘッダー17に取込まれる刈取穀稈を、フィーダハウス18に内設する供給チェンコンベア22を介して脱穀部4に送り込んで、脱穀処理するように構成している。
【0029】
また、脱穀部4の右外側には二番還元筒23を配備させていて、二番目処理物を選別機構6に戻して再選別するように設けている。
【0030】
さらに、図4に示すように、前記スクリュー形の扱胴5は、脱穀部4前後長と略等しい長さの円筒形胴部24と、この胴部24外周に巻装して放射状に立設される螺旋状のスクリュー羽根25と、作物の脱穀を行うための扱歯体51と、前記胴部24の後端外周に設ける排塵突起26とを備えるもので、前記スクリュー形の扱胴5を機体前後方向に軸支し、前記フィーダハウス18に連通する扱室27前側の投入口28に扱胴5前端部を臨ませて設けると共に、扱室27後側の排塵口29に扱胴5の後端部を臨ませるもので、前記排塵口29を除く前記扱胴5下側に受網30を張設し、フィーダハウス18から刈取り穀稈を全量投入して脱穀するように構成している。
【0031】
さらに、前記選別機構6を構成する前後の揺動選別盤31、32を備え、揺動リンク33,34及びアーム35を介して前後方向に前後揺動選別盤31,32を揺動駆動すると共に、前記扱胴5前部下方に位置させるフィードパン36と、穀物漏下量を調節自在な第1チャフシーブ37と、そのチャフシーブ37下方に設けるグレンシーブ38とを前選別盤31に設ける一方、前記チャフシーブ37後側に連設する第2チャフシーブ39と、一番及び二番流穀板40,41とを後揺動選別盤32に設けている。
【0032】
また、第1チャフシーブ37及びグレンシーブ38の下方に第1及び第2風路42,43を介して選別風を供給する唐箕ファン44と、グレンシーブ38からの穀粒を受取って揚穀筒8に送出する一番樋45及び一番コンベア46と、二番流穀板41からの還元物を二番還元筒23に送出する二番樋47及び二番コンベア48と、前記チャフシーブ39後端を臨ませる三番口49とを備え、一番樋45の穀粒を穀粒タンク7に、また二番樋47の還元物をフィードパン36に送出するように構成している。
【0033】
以下、扱歯体及びスクリュー羽根の構成につき、図1及び図5乃至図10を参照して説明する。
【0034】
扱歯体51は、図5及び図6に示すように、円筒形胴部24外周に当接されると共にボルトにより着脱自在に円筒形胴部24と連結されて固定される取付片52と、作物を脱穀するための第1の扱歯片53及び第2の扱歯片54と、補強片55とから構成されており、以下具体的に説明する。
【0035】
取付片52は、略四角形のプレートの扱胴5回転方向の一端部と他端部とが円筒形胴部24に当接するように屈曲形成され、円筒形胴部24外周に一部が接触する前記プレートの水平部分である水平部52aと、水平部52aの一端に向けて屈曲形成され円筒形胴部24外周に一部が接触する第1の傾斜部52bと、水平部52aの他端に向けて屈曲形成され円筒形胴部24外周に一部が接触する第2の傾斜部52cとから構成される。
【0036】
また、第1の傾斜部52bには、円筒形胴部24へボルトで連結して固定するために使用するボルト用貫通孔52b1,52b2が形成されており、同様に第2の傾斜部52cにも、円筒形胴部24へボルトで連結して固定するために使用するボルト用貫通孔52c1,52c2が形成されている。
【0037】
従って、水平部52aと第1及び第2の傾斜部52b,52cの3箇所で円筒形胴部24外周に接触させることができるため、扱歯体51の固定を安定させることが可能となる。
【0038】
しかも、第1及び第2の傾斜部52b,52cを各々ボルト用貫通孔52b1,52b2,52c1,52c2を使用して複数のボルトで円筒形胴部24に固定するため、円筒形胴部24への固定を強固にすることができる。
【0039】
水平部52aの扱胴5軸線方向の一端部及び他端部には、各々第1の扱歯片53及び第2の扱歯片54が扱胴半径方向に立設して形成される。言い換えれば、取付片52には、扱胴軸線方向に対向し、かつ扱胴半径方向に起立した一対の扱歯片53,54が形成され、それらが支持される。
【0040】
そして、第1の扱歯片53には、スクリュー羽根25へボルトで固定するためのボルト用貫通孔53c〜53eが円筒形胴部24軸線方向に形成されており、同様に及び第2の扱歯片54にも、ボルト用貫通孔54c〜54eが形成されている。
【0041】
ここで、各扱歯片53,54のボルト用貫通孔53c〜53e,54c〜54eは、スクリュー羽根25の種類に対応するために複数個形成されており、スクリュー羽根25と扱歯片53,54とは、後述のスクリュー羽根25のボルト用貫通孔25b1〜3と扱歯片53,54のボルト用貫通孔53c〜53e,54c〜54eとを介して、それぞれ一以上のボルトで固定される。例えば、図7のように高スクリュー羽根に対しては、ボルト用貫通孔53c〜eを使用し、図8のように低スクリュー羽根に対しては、ボルト用貫通孔53eを使用する等である。
【0042】
このように、スクリュー羽根25を扱歯体51に固定することができるため、扱歯体51を介してスクリュー羽根25を着脱自在に円筒形胴部24に固定することができる。
【0043】
しかも、スクリュー羽根25の高さに応じて、ボルト用貫通孔53c〜53d,54c〜54dを使い分けて使用することができる。
【0044】
なお、本実施の形態では、スクリュー羽根25のボルト用貫通孔25bを3つとしたが、これに制限されない。そして、ボルト用貫通孔25bは、1つや2つでもよい。
【0045】
また、スクリュー羽根25は、図1のように、扱胴5回転方向に対して角度α(以下、「リード角α」とする)を持った螺旋形状であり、図9のように第1の扱歯片53及び第2の扱歯片54を略リード角α(以下、「取り付け角」とする)として扱歯体51を構成するようにすれば、扱歯体51の円筒形胴部24への着脱をスムーズに行うことができるようになる。
【0046】
さらに、第1の扱歯片53は、水平部52aの扱胴5軸線方向の一端部の略中心Bに第1の扱歯片53底部から第1の扱歯片53上部まで傾斜(円筒形胴部24回転方向に対し、第1の扱歯片53底部から第1の扱歯片53上部にかけて後退)する傾斜部53aを有すると共に、略中心Bを中心として傾斜部53aと左右対称の傾斜部53bを有する。また、同様に第1の扱歯片54も、水平部52aの扱胴5軸線方向の他端部の略中心に傾斜する傾斜部54aと、その中心に対して傾斜部54aと左右対称の傾斜部54bを有する。
【0047】
このように、傾斜部53a,53b,54a,54bを扱歯片底部から扱歯片上部まで長く形成しているため、図7のような高スクリュー羽根を取り付けた場合であっても、図8のような低スクリュー羽根を取り付けた場合であっても、スクリュー羽根から突出する傾斜部(後退角面)を存在させることができる。
【0048】
しかも、第1の扱歯片53と第2の扱歯片54とが、それぞれ左右対称の2つの傾斜部53a,53b,54a,54bを有しているので、扱歯体51の中心Cを軸として扱歯体51を180度回転させても使用することが可能となる。したがって、例えば、傾斜部53a及び54aが扱歯磨耗や損傷した場合であっても、扱歯体51を回転させて傾斜部53b,53bを扱歯として使用することが可能となる。
【0049】
第1の扱歯片53と第2の扱歯片54との間には、補強片55が介設され、補強片55はさらに水平部52aにも結合される。また、補強片55は、第1の扱歯片53と第2の扱歯片54と水平部52aとの接合部分を多くして接合強度を高めるために凹状平板で形成されている。
【0050】
このように、扱歯体51の第1の扱歯片53と第2の扱歯片54とは、取付片52に加えて補強片55によって補強されているから、スクリュー羽根25を第1の扱歯片53と第2の扱歯片54とで架設し連結することによって、スクリュー羽根25の扱歯体51を介した円筒形胴部24への固定強度を高めることができる。
【0051】
したがって、スクリュー羽根25を円筒形胴部24へ溶接にて固定する必要がなくなり、その結果、スクリュー羽根25を扱胴5から着脱可能にすることができる。
【0052】
また、図1に示すように、スクリュー羽根25には、扱歯体51へボルトで接合するためのボルト用貫通孔25b1〜3,25c1〜3に加え、円筒形胴部24へ直接ボルトで固定するためのボルト用貫通孔25dが形成される。このボルト用貫通孔25dは、扱胴5軸線方向かつ作物搬送面逆側に形成された接触部25eに、扱胴5半径方向に形成される。
【0053】
このように、スクリュー羽根25は、扱歯体51へのボルトでの連結に加え、円筒形胴部24へも連結するようになるから、さらにスクリュー羽根25の円筒形胴部24への固定度を向上させることが可能となる。
【0054】
しかも、このように、ボルト用貫通孔25cは、作物の搬送面とは逆の面に形成されているから、搬送作物がボルト用貫通孔25cに取り付けたボルトに引っかかり、搬送が乱れるのを防ぐことができ、さらに取り付けたボルトが搬送作物により磨耗することを減少することが可能となる。
【0055】
ここで、スクリュー羽根25は、円筒形胴部24外周の一周につき複数に分割された部分を有する。図10、11は円筒形胴部24外周の一周につき4つの羽根25aから構成されたスクリュー羽根25の例を示したものである。
【0056】
そして、羽根25aはそれぞれ、その高さに応じて、扱歯体51のボルト用貫通孔25a〜cのいずれか又は全部にボルトで連結するためのボルト用貫通孔25b1〜3,25c1〜3が左右端に形成される。
【0057】
また、羽根25aは、隣接する羽根25aと重なりあうように扱歯体51にボルトで連結される。そして、図12のように、円筒形胴部24の回転方向に近い羽根25aの端部が扱歯体51ともう一方の羽根25aの端部と接触する。
【0058】
したがって、搬送作物が、羽根25a端部に引っかかり、搬送が乱れるのを防ぐことができる。
【0059】
また、回転方向の前側の羽根25aを、扱歯体51と回転方向の後側の羽根25aとの間になるようにしている。
【0060】
したがって、羽根25aと羽根25aとの結合部分で搬送作物が引っかかりにくくなり、搬送が乱れるのを防ぐことができ、さらに取り付けたボルトが搬送作物により磨耗することを減少することが可能となる。
【0061】
このように、スクリュー羽根25を、複数の羽根25aから構成されるようにしたため、破損や変形等によりスクリュー羽根25の交換が必要になった場合であっても、必要な部分だけ羽根25aを交換すればよく、保守性を高めることができる。
【0062】
しかも、図11のような分割の羽根25aにすれば、その羽根25aの材料取りの効率を高めることができる。
【0063】
さらに、スクリュー羽根25を全てはずして、扱歯体51だけの扱胴部にすることもでき、たとえば、大豆等などに使用できる。
【0064】
さらに、目的に応じて、円筒形胴部24に異なる高さのスクリュー羽根を取り付けることができるため、性能を上げることが可能となる。たとえば、円筒形胴部24の前半部分(刈取穀稈投入側)には、低スクリュー羽根25を取り付けて脱粒作用を高め、一方、円筒形胴部24の後半部分(排出側)には、高スクリュー羽根25を取り付けて搬送性を高めるようにしたり、スクリュー羽根を全てはずして大豆などの作物に使用したりと、種々の組み合わせによって用途に合った扱胴部をきわめて容易に形成することができる。
【0065】
以上のような構成のスクリュー羽根及び扱歯体であるため、スクリュー羽根単独の取り外しや、扱歯体単独の取り外しが可能となり、作業性、保守性を大きく向上させることが可能となる。
【0066】
したがって、スクリュー羽根の破損や変形の場合の交換のみならず、低スクリュー羽根から高スクリュー羽根への交換及びその逆を行うことが極めて容易となる。
【0067】
なお、本実施の形態では、扱歯体及びスクリュー羽根にボルト用貫通孔を設けて、ボルトで固定することとしたが、連結できる構成であればよく、その連結のための構成は、ボルト用貫通孔に限られない。たとえば、雌ネジを、各ボルト用貫通孔に螺刻(ねじ山を形成)にすれば、ナットを廃止することができ、コストの削減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】胴部へのスクリュー羽根及び扱歯体の取り付け説明図
【図2】コンバイン全体の側面図
【図3】コンバイン全体の平面図
【図4】脱穀部の断面側面図
【図5】扱歯体の斜視図
【図6】胴部への扱歯体の取付状態を示す部分正面図
【図7】スクリュー羽根への扱歯体の取付状態を示す部分正面図
【図8】スクリュー羽根への扱歯体の取付状態を示す部分正面図
【図9】扱歯体の底面図
【図10】スクリュー羽根の取付図
【図11】スクリュー羽根の斜視図
【図12】スクリュー羽根への扱歯体の取付状態を示す部分底面図
【符号の説明】
【0069】
A コンバイン
1 機体フレーム
2 走行クローラ
3 走行フレーム
4 脱穀部
5 扱胴
25 スクリュー羽根
51 扱歯体
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバインに関し、特に外周面に螺旋状のスクリュー羽根を有する扱胴を備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、汎用コンバイン等に搭載した脱穀装置においては、前記汎用コンバインにおけるエンジン動力にて回転駆動する扱胴の外周に、スクリュー羽根を、螺旋状でかつ半径方向外向に突設すると共に、多数の扱歯を、所定間隔で且つその一端が当該スクリュー羽根の外周縁よりも半径方向外寄りに突出するように配設したものが知られている。
【0003】
この種の脱穀装置では、汎用コンバインにおける刈取前処理装置で刈取った穀稈を、当該脱穀装置の扱室に搬送し、扱胴の回転に伴って各扱歯が前記穀稈から穀粒を扱き落とすようにしている。
【特許文献1】特開2002−142544号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記従来のコンバインでは、スクリュー羽根が扱胴に溶接等により固着されていたため、スクリュー羽根の変形するような事態が発生したとしても、その修正をすることが極めて困難であった。
【0005】
したがって、このようにスクリュー羽根が変形したような場合には、スクリュー羽根が固着された扱胴まで交換しなければならなかった。
【0006】
そこで、本発明は、スクリュー羽根が変形した場合であっても、容易にその交換をすることができるコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、胴部外周面に螺旋状のスクリュー羽根と扱歯体と有する扱胴を備えたコンバインにおいて、スクリュー羽根は、扱歯体を介して、胴部に着脱自在に取り付けられることを特徴とするコンバインを提供するものである。
【0008】
また、本発明は、以下の構成にも特徴を有する。
【0009】
(1)スクリュー羽根は、複数に分割して形成したこと。
【0010】
(2)扱歯体は記扱胴軸線方向に対向し、かつ扱胴半径方向に起立した一対の扱歯片と、該一対の扱歯片を支持すると共に、胴部に着脱自在に取り付けるための取付片とを具備すること。
【0011】
(3)一対の扱歯片間に補強片を介設したこと。
【0012】
(4)扱胴の刈取穀稈投入側に低スクリュー羽根を取り付け、排出側に高スクリュー羽根を取り付けたこと。
【発明の効果】
【0013】
(1)請求項1の記載の本発明では、胴部外周面に螺旋状のスクリュー羽根と扱歯体と有する扱胴を備えたコンバインにおいて、スクリュー羽根は、扱歯体を介して、胴部に着脱自在に取り付けられる。
【0014】
このようにして、扱歯体を介してスクリュー羽根の扱胴への固定を行うこととしているため、前記扱歯体とスクリュー羽根との連結を解除することによって、容易にスクリュー羽根の取り外しが可能となる。
【0015】
その結果、スクリュー羽根が変形したときのみならず、汚粒を防ぐために作物の種類に応じたスクリュー羽根の交換を実現することができる。
【0016】
(2)請求項2に記載の本発明では、スクリュー羽根は、複数に分割して形成されてる。
【0017】
このように、スクリュー羽根は複数の羽根に分割されており、それぞれの羽根は扱歯体へ連結されることから、羽根毎にその交換が可能となる。
【0018】
その結果、スクリュー羽根のうち交換必要な部分だけでよくなり、取替え作業が最小限で済むと共に、羽根の材料取りを効率よく行うことができる。
【0019】
(3)請求項3に記載の本発明では、扱歯体は記扱胴軸線方向に対向し、かつ扱胴半径方向に起立した一対の扱歯片と、該一対の扱歯片を支持すると共に、胴部に着脱自在に取り付けるための取付片とを具備する。
【0020】
このように、一対の扱歯片が一つの取付片で支持され、扱胴に着脱自在となっている。
【0021】
その結果、一対の扱歯片が同時に交換できるため、扱歯片毎に取り外すという手間を削減することができ、作業性が増す。
【0022】
(4)請求項4に記載の本発明では、一対の扱歯片間に補強片を介設する。
【0023】
このように、扱歯片間に補強片が介設されるので、スクリュー羽根の扱歯体を介した胴部への固定強度を高めることができる。
【0024】
その結果、信頼性を高めることができる。
【0025】
(5)請求項5に記載の本発明では、扱胴の刈取穀稈投入側に低スクリュー羽根を取り付け、排出側に高スクリュー羽根を取り付けたので、胴部前半部で脱粒作用を高め、胴部後半部で搬送性を高めることができる。
【0026】
その結果、脱粒性と搬送性を兼ね備えることができ、作業性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
図2〜図4に示すAは、本発明に係るコンバインであり、図中、1は、走行クローラ2を走行フレーム3に装備する機体フレーム、4は、刈り取られた穀桿を脱穀する軸流式のスクリュー形の扱胴5などを備えていて前記機体フレーム1に搭載する脱穀部、6は、上記脱穀部4にて脱穀された穀粒を選別する選別部、7は、揚穀筒8を介して取出す脱穀部4の穀粒を溜める穀粒タンク、9は、前記脱穀部4の下部前方に昇降用シリンダ10を介して昇降可能に装設する刈取部、11は、運転席12及び運転操作部13を備えて前記穀粒タンク7の前方に配設させる運転キャビン、14は、前記穀粒タンク7の後方に備えていてエンジン15を内設するエンジン部、16は、前記穀粒タンク7内の穀粒を取出す上部穀粒搬出オーガである。
【0028】
そして、前記刈取部9は、未刈り穀稈を取入れる刈取ヘッダー17と、同ヘッダー17の後部略中央に連結させて刈取穀稈を脱穀部4に送給するフィーダハウス18によって構成すると共に、未刈り穀稈掻込み用リール19と、往復駆動型刈刃20と、穀稈掻込オーガ21とを前記刈取ヘッダー17に設け、前記ヘッダー17に取込まれる刈取穀稈を、フィーダハウス18に内設する供給チェンコンベア22を介して脱穀部4に送り込んで、脱穀処理するように構成している。
【0029】
また、脱穀部4の右外側には二番還元筒23を配備させていて、二番目処理物を選別機構6に戻して再選別するように設けている。
【0030】
さらに、図4に示すように、前記スクリュー形の扱胴5は、脱穀部4前後長と略等しい長さの円筒形胴部24と、この胴部24外周に巻装して放射状に立設される螺旋状のスクリュー羽根25と、作物の脱穀を行うための扱歯体51と、前記胴部24の後端外周に設ける排塵突起26とを備えるもので、前記スクリュー形の扱胴5を機体前後方向に軸支し、前記フィーダハウス18に連通する扱室27前側の投入口28に扱胴5前端部を臨ませて設けると共に、扱室27後側の排塵口29に扱胴5の後端部を臨ませるもので、前記排塵口29を除く前記扱胴5下側に受網30を張設し、フィーダハウス18から刈取り穀稈を全量投入して脱穀するように構成している。
【0031】
さらに、前記選別機構6を構成する前後の揺動選別盤31、32を備え、揺動リンク33,34及びアーム35を介して前後方向に前後揺動選別盤31,32を揺動駆動すると共に、前記扱胴5前部下方に位置させるフィードパン36と、穀物漏下量を調節自在な第1チャフシーブ37と、そのチャフシーブ37下方に設けるグレンシーブ38とを前選別盤31に設ける一方、前記チャフシーブ37後側に連設する第2チャフシーブ39と、一番及び二番流穀板40,41とを後揺動選別盤32に設けている。
【0032】
また、第1チャフシーブ37及びグレンシーブ38の下方に第1及び第2風路42,43を介して選別風を供給する唐箕ファン44と、グレンシーブ38からの穀粒を受取って揚穀筒8に送出する一番樋45及び一番コンベア46と、二番流穀板41からの還元物を二番還元筒23に送出する二番樋47及び二番コンベア48と、前記チャフシーブ39後端を臨ませる三番口49とを備え、一番樋45の穀粒を穀粒タンク7に、また二番樋47の還元物をフィードパン36に送出するように構成している。
【0033】
以下、扱歯体及びスクリュー羽根の構成につき、図1及び図5乃至図10を参照して説明する。
【0034】
扱歯体51は、図5及び図6に示すように、円筒形胴部24外周に当接されると共にボルトにより着脱自在に円筒形胴部24と連結されて固定される取付片52と、作物を脱穀するための第1の扱歯片53及び第2の扱歯片54と、補強片55とから構成されており、以下具体的に説明する。
【0035】
取付片52は、略四角形のプレートの扱胴5回転方向の一端部と他端部とが円筒形胴部24に当接するように屈曲形成され、円筒形胴部24外周に一部が接触する前記プレートの水平部分である水平部52aと、水平部52aの一端に向けて屈曲形成され円筒形胴部24外周に一部が接触する第1の傾斜部52bと、水平部52aの他端に向けて屈曲形成され円筒形胴部24外周に一部が接触する第2の傾斜部52cとから構成される。
【0036】
また、第1の傾斜部52bには、円筒形胴部24へボルトで連結して固定するために使用するボルト用貫通孔52b1,52b2が形成されており、同様に第2の傾斜部52cにも、円筒形胴部24へボルトで連結して固定するために使用するボルト用貫通孔52c1,52c2が形成されている。
【0037】
従って、水平部52aと第1及び第2の傾斜部52b,52cの3箇所で円筒形胴部24外周に接触させることができるため、扱歯体51の固定を安定させることが可能となる。
【0038】
しかも、第1及び第2の傾斜部52b,52cを各々ボルト用貫通孔52b1,52b2,52c1,52c2を使用して複数のボルトで円筒形胴部24に固定するため、円筒形胴部24への固定を強固にすることができる。
【0039】
水平部52aの扱胴5軸線方向の一端部及び他端部には、各々第1の扱歯片53及び第2の扱歯片54が扱胴半径方向に立設して形成される。言い換えれば、取付片52には、扱胴軸線方向に対向し、かつ扱胴半径方向に起立した一対の扱歯片53,54が形成され、それらが支持される。
【0040】
そして、第1の扱歯片53には、スクリュー羽根25へボルトで固定するためのボルト用貫通孔53c〜53eが円筒形胴部24軸線方向に形成されており、同様に及び第2の扱歯片54にも、ボルト用貫通孔54c〜54eが形成されている。
【0041】
ここで、各扱歯片53,54のボルト用貫通孔53c〜53e,54c〜54eは、スクリュー羽根25の種類に対応するために複数個形成されており、スクリュー羽根25と扱歯片53,54とは、後述のスクリュー羽根25のボルト用貫通孔25b1〜3と扱歯片53,54のボルト用貫通孔53c〜53e,54c〜54eとを介して、それぞれ一以上のボルトで固定される。例えば、図7のように高スクリュー羽根に対しては、ボルト用貫通孔53c〜eを使用し、図8のように低スクリュー羽根に対しては、ボルト用貫通孔53eを使用する等である。
【0042】
このように、スクリュー羽根25を扱歯体51に固定することができるため、扱歯体51を介してスクリュー羽根25を着脱自在に円筒形胴部24に固定することができる。
【0043】
しかも、スクリュー羽根25の高さに応じて、ボルト用貫通孔53c〜53d,54c〜54dを使い分けて使用することができる。
【0044】
なお、本実施の形態では、スクリュー羽根25のボルト用貫通孔25bを3つとしたが、これに制限されない。そして、ボルト用貫通孔25bは、1つや2つでもよい。
【0045】
また、スクリュー羽根25は、図1のように、扱胴5回転方向に対して角度α(以下、「リード角α」とする)を持った螺旋形状であり、図9のように第1の扱歯片53及び第2の扱歯片54を略リード角α(以下、「取り付け角」とする)として扱歯体51を構成するようにすれば、扱歯体51の円筒形胴部24への着脱をスムーズに行うことができるようになる。
【0046】
さらに、第1の扱歯片53は、水平部52aの扱胴5軸線方向の一端部の略中心Bに第1の扱歯片53底部から第1の扱歯片53上部まで傾斜(円筒形胴部24回転方向に対し、第1の扱歯片53底部から第1の扱歯片53上部にかけて後退)する傾斜部53aを有すると共に、略中心Bを中心として傾斜部53aと左右対称の傾斜部53bを有する。また、同様に第1の扱歯片54も、水平部52aの扱胴5軸線方向の他端部の略中心に傾斜する傾斜部54aと、その中心に対して傾斜部54aと左右対称の傾斜部54bを有する。
【0047】
このように、傾斜部53a,53b,54a,54bを扱歯片底部から扱歯片上部まで長く形成しているため、図7のような高スクリュー羽根を取り付けた場合であっても、図8のような低スクリュー羽根を取り付けた場合であっても、スクリュー羽根から突出する傾斜部(後退角面)を存在させることができる。
【0048】
しかも、第1の扱歯片53と第2の扱歯片54とが、それぞれ左右対称の2つの傾斜部53a,53b,54a,54bを有しているので、扱歯体51の中心Cを軸として扱歯体51を180度回転させても使用することが可能となる。したがって、例えば、傾斜部53a及び54aが扱歯磨耗や損傷した場合であっても、扱歯体51を回転させて傾斜部53b,53bを扱歯として使用することが可能となる。
【0049】
第1の扱歯片53と第2の扱歯片54との間には、補強片55が介設され、補強片55はさらに水平部52aにも結合される。また、補強片55は、第1の扱歯片53と第2の扱歯片54と水平部52aとの接合部分を多くして接合強度を高めるために凹状平板で形成されている。
【0050】
このように、扱歯体51の第1の扱歯片53と第2の扱歯片54とは、取付片52に加えて補強片55によって補強されているから、スクリュー羽根25を第1の扱歯片53と第2の扱歯片54とで架設し連結することによって、スクリュー羽根25の扱歯体51を介した円筒形胴部24への固定強度を高めることができる。
【0051】
したがって、スクリュー羽根25を円筒形胴部24へ溶接にて固定する必要がなくなり、その結果、スクリュー羽根25を扱胴5から着脱可能にすることができる。
【0052】
また、図1に示すように、スクリュー羽根25には、扱歯体51へボルトで接合するためのボルト用貫通孔25b1〜3,25c1〜3に加え、円筒形胴部24へ直接ボルトで固定するためのボルト用貫通孔25dが形成される。このボルト用貫通孔25dは、扱胴5軸線方向かつ作物搬送面逆側に形成された接触部25eに、扱胴5半径方向に形成される。
【0053】
このように、スクリュー羽根25は、扱歯体51へのボルトでの連結に加え、円筒形胴部24へも連結するようになるから、さらにスクリュー羽根25の円筒形胴部24への固定度を向上させることが可能となる。
【0054】
しかも、このように、ボルト用貫通孔25cは、作物の搬送面とは逆の面に形成されているから、搬送作物がボルト用貫通孔25cに取り付けたボルトに引っかかり、搬送が乱れるのを防ぐことができ、さらに取り付けたボルトが搬送作物により磨耗することを減少することが可能となる。
【0055】
ここで、スクリュー羽根25は、円筒形胴部24外周の一周につき複数に分割された部分を有する。図10、11は円筒形胴部24外周の一周につき4つの羽根25aから構成されたスクリュー羽根25の例を示したものである。
【0056】
そして、羽根25aはそれぞれ、その高さに応じて、扱歯体51のボルト用貫通孔25a〜cのいずれか又は全部にボルトで連結するためのボルト用貫通孔25b1〜3,25c1〜3が左右端に形成される。
【0057】
また、羽根25aは、隣接する羽根25aと重なりあうように扱歯体51にボルトで連結される。そして、図12のように、円筒形胴部24の回転方向に近い羽根25aの端部が扱歯体51ともう一方の羽根25aの端部と接触する。
【0058】
したがって、搬送作物が、羽根25a端部に引っかかり、搬送が乱れるのを防ぐことができる。
【0059】
また、回転方向の前側の羽根25aを、扱歯体51と回転方向の後側の羽根25aとの間になるようにしている。
【0060】
したがって、羽根25aと羽根25aとの結合部分で搬送作物が引っかかりにくくなり、搬送が乱れるのを防ぐことができ、さらに取り付けたボルトが搬送作物により磨耗することを減少することが可能となる。
【0061】
このように、スクリュー羽根25を、複数の羽根25aから構成されるようにしたため、破損や変形等によりスクリュー羽根25の交換が必要になった場合であっても、必要な部分だけ羽根25aを交換すればよく、保守性を高めることができる。
【0062】
しかも、図11のような分割の羽根25aにすれば、その羽根25aの材料取りの効率を高めることができる。
【0063】
さらに、スクリュー羽根25を全てはずして、扱歯体51だけの扱胴部にすることもでき、たとえば、大豆等などに使用できる。
【0064】
さらに、目的に応じて、円筒形胴部24に異なる高さのスクリュー羽根を取り付けることができるため、性能を上げることが可能となる。たとえば、円筒形胴部24の前半部分(刈取穀稈投入側)には、低スクリュー羽根25を取り付けて脱粒作用を高め、一方、円筒形胴部24の後半部分(排出側)には、高スクリュー羽根25を取り付けて搬送性を高めるようにしたり、スクリュー羽根を全てはずして大豆などの作物に使用したりと、種々の組み合わせによって用途に合った扱胴部をきわめて容易に形成することができる。
【0065】
以上のような構成のスクリュー羽根及び扱歯体であるため、スクリュー羽根単独の取り外しや、扱歯体単独の取り外しが可能となり、作業性、保守性を大きく向上させることが可能となる。
【0066】
したがって、スクリュー羽根の破損や変形の場合の交換のみならず、低スクリュー羽根から高スクリュー羽根への交換及びその逆を行うことが極めて容易となる。
【0067】
なお、本実施の形態では、扱歯体及びスクリュー羽根にボルト用貫通孔を設けて、ボルトで固定することとしたが、連結できる構成であればよく、その連結のための構成は、ボルト用貫通孔に限られない。たとえば、雌ネジを、各ボルト用貫通孔に螺刻(ねじ山を形成)にすれば、ナットを廃止することができ、コストの削減を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】胴部へのスクリュー羽根及び扱歯体の取り付け説明図
【図2】コンバイン全体の側面図
【図3】コンバイン全体の平面図
【図4】脱穀部の断面側面図
【図5】扱歯体の斜視図
【図6】胴部への扱歯体の取付状態を示す部分正面図
【図7】スクリュー羽根への扱歯体の取付状態を示す部分正面図
【図8】スクリュー羽根への扱歯体の取付状態を示す部分正面図
【図9】扱歯体の底面図
【図10】スクリュー羽根の取付図
【図11】スクリュー羽根の斜視図
【図12】スクリュー羽根への扱歯体の取付状態を示す部分底面図
【符号の説明】
【0069】
A コンバイン
1 機体フレーム
2 走行クローラ
3 走行フレーム
4 脱穀部
5 扱胴
25 スクリュー羽根
51 扱歯体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
胴部外周面に螺旋状のスクリュー羽根と扱歯体と有する扱胴を備えたコンバインにおいて、
前記スクリュー羽根は、前記扱歯体を介して、前記胴部に着脱自在に取り付けられることを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記スクリュー羽根は、複数に分割して形成したことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記扱歯体は、前記扱胴軸線方向に対向し、かつ前記扱胴半径方向に起立した一対の扱歯片と、該一対の扱歯片を支持すると共に、前記胴部に着脱自在に取り付けるための取付片とを具備することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記一対の扱歯片間に補強片を介設したことを特徴とする請求項1乃至3にいずれか記載のコンバイン。
【請求項5】
前記扱胴の刈取穀稈投入側に低スクリュー羽根を取り付け、排出側に高スクリュー羽根を取り付けたことを特徴とする請求項1乃至4にいずれか記載のコンバイン。
【請求項1】
胴部外周面に螺旋状のスクリュー羽根と扱歯体と有する扱胴を備えたコンバインにおいて、
前記スクリュー羽根は、前記扱歯体を介して、前記胴部に着脱自在に取り付けられることを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記スクリュー羽根は、複数に分割して形成したことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記扱歯体は、前記扱胴軸線方向に対向し、かつ前記扱胴半径方向に起立した一対の扱歯片と、該一対の扱歯片を支持すると共に、前記胴部に着脱自在に取り付けるための取付片とを具備することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記一対の扱歯片間に補強片を介設したことを特徴とする請求項1乃至3にいずれか記載のコンバイン。
【請求項5】
前記扱胴の刈取穀稈投入側に低スクリュー羽根を取り付け、排出側に高スクリュー羽根を取り付けたことを特徴とする請求項1乃至4にいずれか記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−174710(P2006−174710A)
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−368259(P2004−368259)
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年12月20日(2004.12.20)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】
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