説明

コンバイン

【課題】簡単な構造で補助引起装置の引起チェーンに容易に注油できるコンバインを提供することを目的とする。
【解決手段】刈取部3の前部に配設される引起装置23と、引起装置23の引起ケース23a前面に着脱可能に装着され、機体前後方向に突起される引起タイン40を有する引起チェーン41が巻回される補助引起装置4と、刈取部3の穀稈搬送装置24や刈刃装置22に延設される注油配管37を介して注油する注油装置36と、を備えるコンバイン100において、補助引起装置4の下部に配設され、引起チェーン41が巻回されるローラ45と、ローラ45を回転可能に支持するローラホルダ46と、ローラホルダ46から上方に延出される支持パイプ47と、を備え、支持パイプ47に、注油配管37の一端(先端37a)が接続されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、刈取部の前部に配設される引起装置と、該引起装置の引起ケース前面に着脱可能に取り付けられ、機体前後方向に突起される引起タインを有する引起チェーンが巻回される補助引起装置と、刈取部の搬送装置や刈刃に延設される注油配管を介して注油する注油装置と、を備えるコンバインの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、刈取部の前部に配設される引起装置と、該引起装置の引起ケース前面に着脱可能に取り付けられ、機体前後方向に突起される引起タインを有する引起チェーンが巻回される補助引起装置と、刈取部の搬送装置や刈刃に延設される注油配管を介して注油する注油装置と、を備えるコンバインの技術は公知となっている。
例えば、特許文献1には、機体前後方向に突起される引起タインを有する引起チェーンが巻回されている、いわゆる縦回し式の穀稈引起装置(補助引起装置)が開示されている。また、特許文献2には、刈取部にサイドカバーを設け、このサイドカバー内に注油装置を配設したコンバインの注油装置が開示されている。
【特許文献1】特開平10−323110号公報
【特許文献2】特開2004−97229号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1に開示されている補助引起装置は、オペレータが手差しで引起チェーンに注油する必要があるため手間がかかる。また、特許文献2に開示されているコンバインの注油装置は、切換レバーを所定の位置に回動し、注油スイッチを押圧すると、注油タンクの潤滑油が注油ポンプの作動により注油配管を介して、刈取部の搬送装置や刈刃等に注油されるものであるが、補助引起装置の引起チェーンには注油されるものではない。したがって、補助引起装置の引起チェーンには、オペレータが手差しで注油する必要があるため同様に手間がかかる。
【0004】
本発明は以上の状況に鑑み、簡単な構造で補助引起装置の引起チェーンに容易に注油できるコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の解決しようとする課題は以上のとおりであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0006】
すなわち、請求項1においては、
刈取部の前部に配設される引起装置と、
該引起装置の引起ケース前面に着脱可能に装着され、機体前後方向に突起される引起タインを有する引起チェーンが巻回される補助引起装置と、
刈取部の搬送装置や刈刃に延設される注油配管を介して注油する注油装置と、
を備えるコンバインにおいて、
前記補助引起装置の下部に配設され、前記引起チェーンが巻回されるローラと、
該ローラを回転可能に支持するローラホルダと、
該ローラホルダから上方に延出される支持パイプと、を備え、
該支持パイプに、前記注油配管の一端が接続される、ものである。
【0007】
請求項2においては、
前記注油配管は、一端が前記補助引起装置に下部側面より挿入され、前記支持パイプに軸心が一致するように上端より挿入される、ものである。
【0008】
請求項3においては、
前記支持パイプは、バネが外嵌されてガイドケースに取り付けられ、前記ローラを下方に付勢して、前記引起チェーンの自動張り機構が構成される、ものである。
【0009】
請求項4においては、
前記ガイドケースは、合成樹脂により一体成形される、ものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
請求項1においては、
刈取部の集中注油時に補助引起装置の引起チェーンに注油できるため、オペレータが手差しで注油する手間が省ける。
また、支持パイプを注油配管として利用することにより、簡易な構成で補助引起装置への集中注油が可能となる。
【0012】
請求項2においては、
簡易な構成で注油配管を支持パイプに接続することができ、ローラの上下動に伴い支持パイプが上下動しても外れることがなく、注油配管に負荷をかけずに注油することができる。
【0013】
請求項3においては、
支持パイプを利用することにより、バネを支持する部材を別に設けずに自動張り機構が構成でき、部品点数の削減によるコストダウンが可能となる。
【0014】
請求項4においては、
ガイドケースを安価で容易に制作することができ、軽量化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は本発明の一実施例に係るコンバインを示した側面図、図2は同じく平面図、図3は補助引起装置の内部構造を示した側面図、図4は補助引起装置のローラ及び支持パイプ及びを示した側面図、図5は補助引起装置のローラを示した正面断面図、図6は注油装置を模式的に示した図である。
【0016】
先ず、本発明の一実施例に係るコンバイン100の全体構成について、図1及び図2を用いて説明する。
なお、以下の説明では、走行機体1の進行方向に向かって左側を単に「左側」とし、同じく進行方向に向かって右側を単に「右側」とする。また、本実施例では、二条刈りのコンバインについて説明するが、三条刈り以上のコンバインであってもよい。
【0017】
図1及び図2に示すように、コンバイン100は、左右一対の走行クローラ2によって走行機体1が支持されており、この走行機体1の前部には、穀稈を刈り取りながら取り込む刈取部3が昇降調節可能に装着されている。走行機体1の左側には、刈り取られた穀稈を脱穀、選別する脱穀部5が配設され、走行機体1の右側には、脱穀後の穀粒を貯留する穀粒タンク7が、脱穀部5と横並びに配設されている。走行機体1の後部には、排出オーガ8が旋回可能に設けられており、穀粒タンク7の内部の穀粒が、排出オーガ8の籾投げ口9からトラックの荷台またはコンテナ等に排出されるように構成されている。そして、穀粒タンク7の前方には、運転部10が配設されている。
【0018】
運転部10には、オペレータが搭乗するステップ11と、このステップ11上のハンドルコラム12に設けられた略U形の操縦ハンドル13と、この操縦ハンドル13の後方に設けられた運転座席14と、この運転座席14の左側方のサイドコラム15に設けられた主変速レバー16と副変速レバー17と刈取クラッチレバー18と刈取変速レバー19とが配設されている。そして、運転座席14の下方には、コンバイン100自体の走行や後述するフィードチェーン6を駆動するための動力源となるエンジン20が配設されている。
【0019】
また、刈取部3下部の刈取フレーム21の下方には、圃場の未刈り穀稈の株元を切断する刈刃装置(図示省略)が配設されている。刈取部3前部の刈取フレーム21の前方には、圃場の未刈り穀稈を引き起こす2条分の引起装置23が配設されている。引起装置23とフィードチェーン6の前端部(送り始端側)との間には、刈刃装置22によって刈り取られた穀稈をフィードチェーン6へと搬送する穀稈搬送装置24が配設されている。
そして、引起装置23の引起ケース23a前面には、補助引起装置4が着脱可能に装着されており、倒伏した穀稈を引き起こして刈り取れるように構成されている。補助引起装置4には、機体前後方向に突起される引起タイン40を有する引起チェーン41(無端チェーン)が巻回されている。引起チェーン41は、引起装置23と同期して駆動されるように構成されている。補助引起装置4下部の刈取フレーム21の前端には、圃場の未刈り穀稈を分草する分草体25が突設されている。
【0020】
このような構成として、コンバイン100は、エンジン20にて走行クローラ2を駆動して圃場内を移動しながら、刈取部3を駆動して圃場の未刈り穀稈を連続的に刈り取ることができる。
【0021】
また、脱穀部5は、穀稈脱穀用の扱胴26と、扱胴26の下方に落下する脱粒物を選別する揺動選別装置27及び唐箕ファン28と、扱胴26の後部から取り出される脱穀排出物を再処理する処理胴29と、揺動選別装置27後部で藁屑や塵埃等を排出する排塵ファン30とを備えている。そして、脱穀部5は、刈取部3から穀稈搬送装置24によって搬送された穀稈の株元側が、フィードチェーン6に受け継がれて後方へと挟持搬送されて、穀稈の穂先側が扱胴26内に搬入されて扱胴26にて脱穀され、揺動選別装置27による揺動選別と、唐箕ファン28による風選別とが行われ、一番物と二番物と藁屑等に分別されるように構成されている。
【0022】
そして、フィードチェーン6の後端側(送り終端側)には、排藁チェーン34が配設されている。フィードチェーン6の後端側から排藁チェーン34に受け継がれた排藁(穀粒が脱粒された稈)は、長い状態のまま走行機体1の後方に排出されるか、または脱穀部5の後方に配設された排藁カッタ35にて適宜長さに短く切断された後、走行機体1の後方下方に排出されるように構成されている。
【0023】
また、コンバイン100は、刈取部3の穀稈搬送装置24や刈刃装置22、引起装置23、補助引起装置4に延設される注油配管37・52・・・を介して注油する注油装置36を備えて、集中注油できるように構成されている(図6参照)。
注油装置36は、潤滑油が貯溜されている注油タンク32と、この注油タンク32の潤滑油を送油するための注油ポンプ31と、穀稈搬送装置24や刈刃装置22等に延設される注油配管37・52・・・等とを備えて構成されている。注油ポンプ31から延設される注油配管52は、分岐管39を介して、穀稈搬送装置24及び補助引起装置4に接続される注油配管53と、刈刃装置22及び引起装置23に接続される注油配管54とに分岐されている。注油配管53はさらに、分岐管56を介して、穀稈搬送装置24に接続される注油配管55と、補助引起装置4に接続される注油配管37とに分岐されている。注油配管54はさらに、分岐管57を介して、左側の刈刃装置22L及び引起装置23Lに接続される注油配管54Lと、右側の刈刃装置22R及び引起装置23Rに接続される注油配管54Rとに分岐されている。なお、分岐構成は、上記構成に限定するものではなく、三つ以上に分岐する分岐管による構成でもよい。
そして、注油装置36は、右側の引起装置23の引起ケース23aの後面に配設されており、図示しない切換レバーを所定の位置に回動し、注油レバー33を回動すると、注油タンク32の潤滑油が注油ポンプ31の作動により注油配管37・52・・・を介して、刈取部3の穀稈搬送装置24や刈刃装置22、引起装置23、補助引起装置4等に注油される。なお、注油ポンプ31は、手動式または電動式のどちらであってもよい。
【0024】
次に、補助引起装置4について図3から図6を用いて説明する。なお、左右の補助引起装置4は、それぞれ略同一構成であるため、以下、特に断りのない限り、左側の補助引起装置4の構成について説明する。
図3に示すように、補助引起装置4は、引起装置23の引起ケース23a前面に着脱可能に装着されており、傾倒した稲を引き起こすように構成されている。具体的には、補助引起装置4は、補助引起ケース42の上部が、一側面(右側面)に設けられた取付部42aを介して、引起装置23の引起ケース23a前面にネジ留め等されて取り付けられ、補助引起ケース42の下部が、分草体25のヒッチ部25aに係止されている。そして、補助引起装置4は、機体前後方向に突起される引起タイン40を有する引起チェーン41が、駆動スプロケット44とローラ45とに巻回されている。
【0025】
駆動スプロケット44は、補助引起ケース42内の上部に配設される補助引起駆動軸43上の一端(左端)に固設されている。補助引起駆動軸43は、軸心方向が機体左右方向とされて取付部42a内に配設されており、一端(左端)が補助引起ケース42に回転可能に挿入されている。補助引起駆動軸43の他端(右端)は、ベベルギア(図示省略)を介して、エンジン20からの動力が伝達されている引起装置23の引起駆動軸23bと動力伝達可能とされている。
こうして、引起装置23の引起駆動軸23bの駆動力は、補助引起駆動軸43、駆動スプロケット44と伝達されて、引起チェーン41が回転駆動される。この引起チェーン41の回転駆動に伴い引起タイン40が引き上げられて、倒伏した穀稈が引き起こされる。
【0026】
ローラ45は、補助引起ケース42内の下部に配設されるローラホルダ46に、ローラ軸50を介して回転自在に支持されている。ローラホルダ46は、ローラ45を回転自在に支持するためのものであって、正面視略逆U字状(図5参照)に形成されている。ローラ45は、ローラ軸50上に設けられ、ローラホルダ46の左右両側面の間に配設されている。そして、ローラホルダ46から上方に支持パイプ47が延設されている。
【0027】
図5に示すように、ローラ軸50は、軸長が補助引起ケース42の幅(左右方向の長さ)よりも長く形成されており、両端部が補助引起ケース42の左右両側面の長孔42bから突出されている。長孔42bは、補助引起ケース42の左右両側面に上下方向に長く開口されている。
ローラ軸50は、ローラ45が外嵌される中空状の第一ローラ軸50aと、この第一ローラ軸50aに挿入される第二ローラ軸50bとを備えて構成されている。第二ローラ軸50bは、補助引起ケース42の長孔42bから、第一ローラ軸50aに挿入されており、この第一ローラ軸50aにローラ45が回転自在に支持されている。第一ローラ軸50aは、両側が補助引起ケース42の長孔42b内で上下摺動可能に支持されており、第二ローラ軸50bの両側には、抜け防止用の座金が外嵌されている。
【0028】
図4及び図5に示すように、支持パイプ47は、中空状の部材であって、ローラホルダ46上面の中央に開口された連通孔に連設されて、上方に延出されている。支持パイプ47の上端には、前記注油装置36の注油配管37の一端が接続されている。注油配管37は、一端が補助引起ケース42の下部側面(左側面)より挿入され、図4に示す先端37aが支持パイプ47の軸心と一致するように支持パイプ47の上端より挿入されており、支持パイプ47(ローラホルダ46)が摺動したときに抜けないように支持パイプ47の上端から適当長さ奥方まで挿入されている。
【0029】
このような構成により、注油装置36の図示しない切換レバーを所定の位置に回動し、注油レバー33を回動すると、注油タンク32の潤滑油が注油ポンプ31の作動により注油配管52、53、37等を介して補助引起装置4に送油される(図6参照)。図5に示すように、送油された潤滑油は、注油配管37の一端(先端37a)から支持パイプ47へと導出される。導出された潤滑油は、支持パイプ47内を通過して、ローラ45(ローラ45の溝)上に滴下される(図5に示す潤滑油38)。滴下された潤滑油38は、ローラ45の回転とともに引起チェーン41に付着する。こうして、注油装置36により引起チェーン41に注油して潤滑される。
【0030】
また、図4に示すように、支持パイプ47は、バネ48が外嵌されてガイドケース49に取り付けられ、ローラ45を下方に付勢して、引起チェーン41の自動張り機構が構成されている。すなわち、バネ48により、支持パイプ47、ローラホルダ46、ローラ45が一体となって、下方に付勢されてテンションローラの役目を果たしている。
ガイドケース49は、支持パイプ47を上下摺動可能に案内支持するためのものであって、合成樹脂により一体成形されている。ガイドケース49は、上部と上下中途部にそれぞれ左右方向にボルト孔が開口され、第一取付ボルト49aと第二取付ボルト49bとにより、補助引起ケース42に固定されている。
第一取付ボルト49aは、ガイドケース49を補助引起ケース42の右側面に固定し、第二取付ボルト49bは、補助引起ケース42の左側面の外側(左側)から挿入されて、ガイドケース49を補助引起ケース42の左右両側面に固定するように構成されている。また、ガイドケース49の下部には、支持パイプ47が挿入されるガイド溝51が上下方向に形成されている。
ガイド溝51は、上部ガイド溝51aと、下部ガイド溝51bとからなり、上部ガイド溝51aは、溝幅が前記支持パイプ47の幅の径よりも若干広く形成されて、支持パイプ47を上下摺動可能に案内支持するように構成されている。下部ガイド溝51b部は、溝幅が上部ガイド溝51aよりも広く形成されており、支持パイプ47に外嵌されるバネ48を内挿するように構成されている。
バネ49は、支持パイプ47に外嵌されており、下端がローラホルダ46の上面に当接され、上端が下部ガイド溝51bの上面に当接されて、ローラホルダ46を下方に付勢するように構成されている。
【0031】
このような構成により、引起チェーン41が伸びると、バネ48の付勢力により、支持パイプ47がガイドケース49のガイド溝51に案内されながら、支持パイプ47、ローラホルダ46、ローラ45が一体となって、自動的に下方に移動されることにより、引起チェーン41が緊張される。また、引起チェーン41に負荷がかかった場合等は、バネ48の付勢力に抗して支持パイプ47がガイドケース49のガイド溝51に案内されて上方に移動される。この時、ローラ軸50は、両端部が補助引起ケース42の長孔42bの端面に沿って摺動される。こうして、駆動スプロケット44の補助引起駆動軸43と、ローラ45のローラ軸50との軸間距離が増減されて、引起チェーン41の張り具合が保持される。
そして、注油配管37は、補助引起ケース42に固定されており、支持パイプ47は、注油配管37の先端が挿入されたまま抜けることなく上下に移動される。
また、ローラ軸50の軸長が補助引起ケース42の幅(左右方向の長さ)よりも長く形成されているため、補助引起ケース42を締め上げることがなく、ローラ軸50を補助引起ケース42に組み付けることできる。これにより、ローラ軸50の両端部が長孔42bに端面に沿って、滑らかに摺動される。
【0032】
以上のように、コンバイン100は、刈取部3の前部に配設される引起装置23と、引起装置23の引起ケース23a前面に着脱可能に装着され、機体前後方向に突起される引起タイン40を有する引起チェーン41が巻回される補助引起装置4と、刈取部3の穀稈搬送装置24や刈刃装置22に延設される注油配管37を介して注油する注油装置36と、を備えるコンバイン100において、補助引起装置4の下部に配設され、引起チェーン41が巻回されるローラ45と、ローラ45を回転可能に支持するローラホルダ46と、ローラホルダ46から上方に延出される支持パイプ47と、を備え、支持パイプ47に、注油配管37の一端(先端37a)が接続されるものである。
このような構成により、刈取部3の集中注油時に補助引起装置4の引起チェーン41に注油できるため、オペレータが手差しで注油する手間が省ける。また、支持パイプ47を注油配管37として利用することにより、簡易な構成で補助引起装置4への集中注油が可能となる。
【0033】
そして、注油配管37は、一端(先端37a)が補助引起装置4(補助引起ケース42)に下部側面より挿入され、支持パイプ47に軸心が一致するように支持パイプ47の上端より挿入されるものであるため、簡易な構成で注油配管37を支持パイプ47に接続することができ、ローラ45の上下動に伴い支持パイプ47が上下動しても外れることがなく、注油配管37に負荷をかけずに注油することができる。
【0034】
また、支持パイプ47は、バネ48が外嵌されてガイドケース49に取り付けられ、ローラ45を下方に付勢して、引起チェーン41の自動張り機構が構成されるものであるため、支持パイプ47を利用することにより、バネ48を支持する部材を別に設けずに自動張り機構が構成でき、部品点数の削減によるコストダウンが可能となる。
【0035】
さらに、ガイドケース49は、合成樹脂により一体成形されるものであるため、ガイドケース49を安価で容易に制作することができ、軽量化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施例に係るコンバインを示した側面図。
【図2】同じく平面図。
【図3】補助引起装置の内部構造を示した側面図。
【図4】補助引起装置のローラ及び支持パイプ及びを示した側面図。
【図5】補助引起装置のローラを示した正面断面図。
【図6】注油装置を模式的に示した図。
【符号の説明】
【0037】
3 刈取部
4 補助引起装置
22 刈刃装置
23 引起装置
23a 引起ケース
24 穀稈搬送装置
36 注油装置
37 注油配管
40 引起タイン
41 引起チェーン
45 ローラ
46 ローラホルダ
47 支持パイプ
100 コンバイン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取部の前部に配設される引起装置と、
該引起装置の引起ケース前面に着脱可能に装着され、機体前後方向に突起される引起タインを有する引起チェーンが巻回される補助引起装置と、
刈取部の搬送装置や刈刃に延設される注油配管を介して注油する注油装置と、
を備えるコンバインにおいて、
前記補助引起装置の下部に配設され、前記引起チェーンが巻回されるローラと、
該ローラを回転可能に支持するローラホルダと、
該ローラホルダから上方に延出される支持パイプと、を備え、
該支持パイプに、前記注油配管の一端が接続される、
ことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記注油配管は、一端が前記補助引起装置に下部側面より挿入され、前記支持パイプに軸心が一致するように上端より挿入される、
ことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記支持パイプは、バネが外嵌されてガイドケースに取り付けられ、前記ローラを下方に付勢して、前記引起チェーンの自動張り機構が構成される、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコンバイン。
【請求項4】
前記ガイドケースは、合成樹脂により一体成形される、
ことを特徴とする請求項3に記載のコンバイン。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−220252(P2008−220252A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62402(P2007−62402)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【出願人】(000006781)ヤンマー株式会社 (3,810)
【Fターム(参考)】