説明

コンバイン

【課題】伝動ボックスの内部に刈取クラッチを内蔵しているため、伝動ボックス内部の伝動構造が複雑で安価に提供できない。伝動ボックスに、エアコンのコンプレッサ等の外部機器を駆動する出力軸を設けることが困難となる。
【解決手段】機体フレームの下方に走行装置を設け、機体フレームの前方に刈取部4を設け、前記機体フレームの上方に穀稈供給搬送装置15により供給された穀稈を脱穀する扱胴7と唐箕8と揺動選別棚9とを有する脱穀装置を設け、前記機体フレームの所定位置には、少なくとも、前記扱胴7と、前記唐箕8および前記揺動選別棚9と、前記穀稈供給装置15の前部に並設した前側穀稈供給搬送装置16とに、エンジン20の駆動力を分岐させてそれぞれ伝達する伝動ギヤボックス26を設け、該伝動ギヤボックス26から駆動される前側穀稈供給搬送装置16の伝動下手側に前記刈取部4を連動させたことを特徴とするコンバイン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンバイン、特に、その伝動機構に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、機体フレームの下方に走行装置を設け、機体フレームの前方に刈取部を設け、前記機体フレームの上方に穀稈供給装置により供給された穀稈の穂先側を脱穀する扱胴と、唐箕と、揺動選別棚を有する脱穀装置を設け、前記機体フレームの上方所定位置には、エンジンのエンジン出力軸の直接軸装した伝動ボックスを設け、該伝動ボックスは、前記扱胴と、前記唐箕および前記揺動選別棚と、前記穀稈供給装置の前部並設した前側穀稈供給搬送装置との三方に回転を分岐させてそれぞれ伝達する構成は、公知である。
【特許文献1】特開2005−95189号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記公知例は、エンジンの伝動ボックスで三方に回転を分岐させているが、刈取部の伝動下手側に前側穀稈供給搬送装置が連動されており、走行を停止したままエンジンの駆動力によって刈取部と前側穀稈供給搬送装置を一定速度で駆動して畦際の穀稈を刈り取るために、前記伝動ボックスの内部に刈取クラッチ(81)を内蔵している。
従って、伝動ボックス内部の伝動構造が複雑となり、安価に提供することができず、また、この伝動ボックスに、エアコンのコンプレッサ等の外部機器を駆動する出力軸を設けることが困難となる課題がある。
本願は、伝動ギヤボックスの構造を簡素化し、安価に提供することのできる伝動構成を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、機体フレーム1の下方に走行装置2を設け、機体フレーム1の前方に刈取部4を設け、前記機体フレーム1の上方に穀稈供給搬送装置15により供給された穀稈を脱穀する扱胴7と唐箕8と揺動選別棚9とを有する脱穀装置3を設け、前記機体フレーム1の所定位置には、少なくとも、前記扱胴7と、前記唐箕8および前記揺動選別棚9と、前記穀稈供給装置15の前部に並設した前側穀稈供給搬送装置16とに、エンジン20の駆動力を分岐させてそれぞれ伝達する伝動ギヤボックス26を設け、該伝動ギヤボックス26から駆動される前側穀稈供給搬送装置16の伝動下手側に前記刈取部4を連動させたことを特徴とするコンバインとしたものであり、エンジン20からの駆動力を入力した伝動ギヤボックス26にて、扱胴7と唐箕8および揺動選別棚9と前側穀稈供給搬送装置16とに回転を分岐伝達し、伝動ギヤボックス26はエンジン20と別個に機体フレーム1に搭載する。
また、前記伝動ギヤボックス26から前側穀稈供給搬送装置16が伝動されて駆動すると、これに連動して刈取部4も駆動される。
本発明は、前記伝動ギヤボックス26には、エアコンのコンプレッサ80等の外部機器へ出力する外部機器用出力軸61Aを設けたことを特徴とするコンバインとしたものであり、伝動ギヤボックス26の外部機器用出力軸61Aから、エアコンのコンプレッサ80等の外部機器へエンジン20の駆動回転を出力伝達する。
【発明の効果】
【0005】
請求項1の発明では、エンジン20からの回転を入力した伝動ギヤボックス26にて、扱胴7と唐箕8および揺動選別棚9と前側穀稈供給搬送装置16とに駆動力を分岐伝達するので、各部に回転を出力する出力軸の支持(軸装)部材を省略でき、軽量・安価に構成できると共に、前側穀稈供給搬送装置16の伝動下手側に刈取部4を連動させることによって、上述の従来技術のような畦際の穀稈を刈り取るための特別な刈取クラッチを伝動ギヤボックス26の内部に設ける必要がなく、該伝動ギヤボックス26の伝動構成を簡素化して安価に提供することができる。
請求項2の発明では、上記請求項1記載の発明の効果に加え、エンジン20からの一定回転が伝達される伝動ギヤボックス26からエアコンのコンプレッサ80等の外部機器に出力するので、外部機器の作動を安定させることができ、また、伝動ギヤボックス26を外部機器用の伝動機構支持部材に兼用でき、伝達経路を短くして全体の構成をコンパクトにできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の一実施例を図面により説明すると、1はコンバインの機体フレーム、2は機体フレーム1の下方に設けた走行装置、3は機体フレーム1の上方に設けた脱穀装置、4は脱穀装置3の前側に設けた刈取部、5は脱穀装置3の側部に設けたグレンタンクである。
脱穀装置3の脱穀室6には扱胴7を軸装し、扱胴7の下方には唐箕8を設け、唐箕8の下手側には穀粒と異物とを風選し得る風選室(符号省略)を形成し、風選室内には、唐箕8の送風方向に往復揺動する揺動選別棚9により構成した揺動選別装置(符号省略)を設けている。10は排塵処理装置の排塵処理胴、11は排塵処理胴10と同軸の二番処理胴、12は一番コンベア、13は二番コンベア、14は吸引排塵ファンである。
前記脱穀室6の側部には脱穀室6に穀稈を供給する穀稈供給搬送装置15を設け、穀稈供給搬送装置15の前部に一部重なるように並べて前側穀稈供給搬送装置16を設け(図3)、刈取部4から搬送される穀稈を円滑・確実に引き継ぐようにしている。また、穀稈供給装置穀稈供給搬送装置15の終端には、脱穀済みの排藁を排藁処理部(カッター装置あるいは結束装置)まで搬送する排藁搬送装置17を設ける。
【0007】
しかして、20はエンジンであり、エンジン20のエンジン出力軸21にはエンジン出力プーリ22を設け、エンジン出力プーリ22には中間入力プーリ23との間にベルト24を掛け回す。該ベルト24を緊張および弛緩させるテンションプーリ18を設けて脱穀クラッチを形成する。
中間入力プーリ23は中間入力軸25に固定し、中間入力軸25は伝動ギヤボックス26に軸装する。伝動ギヤボックス26は任意の取付部材により機体固定部(例えば脱穀室6の前板等)に取付ける。
伝動ギヤボックス26には前記扱胴7等に回転を出力する脱穀用出力軸27を軸装し、脱穀用出力軸27と前記中間入力軸25との間に複数のギヤ28を噛み合わせて、回転を伝達する。
前記脱穀用出力軸27には、脱穀出力プーリ30を固定し、脱穀出力プーリ30には扱胴入力プーリ31と、排塵処理胴入力プーリ32と、二番処理胴入力プーリ33との間にベルト34を掛け回す。35は扱胴7へ回転を伝達するギヤ36を設けたギヤケース、37は排藁搬送装置17に回転を伝達する排藁入力プーリである。
【0008】
また、前記伝動ギヤボックス26には、別途、選別用出力軸40を設け、選別用出力軸40には選別用出力プーリ41を設ける。選別用出力プーリ41には、揺動入力プーリ42と、一番コンベア入力プーリ43と、二番コンベア入力プーリ44と、排塵ファン入力プーリ45とに、ベルト46を掛け回す。また、選別用出力軸40には、別に、唐箕出力プーリ47を設け、唐箕出力プーリ47には唐箕入力プーリ48との間にベルト49を掛け回す。この場合、唐箕入力プーリ48は、所謂割プーリにより構成し、唐箕8に伝達される回転を変速させる。
51は排塵ファン入力プーリ45を取付けた後側ギヤケースであり、後側ギヤケース51には穀稈供給搬送装置15の後側駆動歯車52を軸装し、穀稈供給搬送装置15へ回転を伝達する。
また、前記伝動ギヤボックス26には、別途、前側供給搬送用出力軸54を設け、前側供給搬送用出力軸54には前側供給搬送用出力プーリ55を設け、前側供給搬送用出力プーリ55には前側供給搬送用入力プーリ56との間にベルト59を掛け回す。尚、前記供給搬送用出力軸54と前側供給搬送用出力プーリ55との間、または、後述するギヤケース60に軸支する前側供給搬送用入力プーリ56部にワンウエイクラッチを介装する。
【0009】
60は前側供給搬送用入力プーリ56を軸装したギヤケースであり、ギヤケース60には前側穀稈供給搬送装置16の前側駆動歯車61を軸装し、前側駆動歯車61に搬送チエン(図示省略)を掛け回して回転を伝達する。
したがって、エンジン20からの回転を入力した伝動ギヤボックス26にて、扱胴7等と揺動選別棚9等と前側穀稈供給搬送装置16等との三方の各部に回転を分岐伝達するので、伝動機構を軽量・安価に構成できる。
また、前記伝動ギヤボックス26には、別途、任意の外部機器用出力軸61Aを設け、外部機器用出力軸61Aからエアコンあるいは油圧ポンプ等の外部機器を駆動する。
即ち、外部機器には、常時、一定回転を伝達するので、エンジン20からの一定回転が伝達される伝動ギヤボックス26から外部機器に出力することは、好都合であり、伝動ギヤボックス26を外部機器用の伝動ギヤボックス26に兼用する構成となって、伝達経路を短くして全体の構成をコンパクトにできる。
【0010】
しかして、機体フレーム1は、左右方向の複数の横枠62と前後方向の複数の縦枠63等を組合せて構成し、前記複数の縦枠63のうち機体全長方向に長い縦枠63(メインビーム)に前記伝動ギヤボックス26を搭載する(図6、図7)。
伝動ギヤボックス26の中間入力プーリ23には、エンジン20のエンジン出力プーリ22とのベルト24の張力が大きく掛かるが、機体全長方向に長い縦枠63により中間入力プーリ23とエンジン出力プーリ22との前後方向の取付ピッチを長くして強い支持構成となって、伝動ギヤボックス26の支持強度を向上させる。
しかして、前記脱穀出力プーリ30は前記伝動ギヤボックス26の前側に設け(図7)、脱穀出力プーリ30と扱胴入力プーリ31との間に掛け回したベルト34よりも後側に伝動ギヤボックス26が位置するように構成する。
したがって、ベルト34の後方に伝動ギヤボックス26を配置しているので、図示は省略するが、刈取部4の刈取懸架台(図示省略)と伝動ギヤボックス26との間の空間を広くでき、エンジン20からの熱風排出性が良好になり、ヒートバランスに効果がある。
また、伝動ギヤボックス26を脱穀装置3に固定支持することが容易になり、合理的構成となる。
【0011】
例えば、脱穀装置3の扱胴7の下方に設けた脱穀フレーム65に取付部材66により伝動ギヤボックス26を取付けると(図7)、組立時、伝動ギヤボックス26は脱穀装置3と一体で取付可能となり、脱穀装置3を機体フレーム1に搭載する前に駆動試験が可能となるので、不具合発見が容易となって、機体フレーム1に搭載後の修正工数を不要にし、全体作業を合理化できる。
即ち、脱穀装置3と伝動ギヤボックス26との距離が変わらないので、例えば、脱穀出力プーリ30と扱胴入力プーリ31との軸間距離が変更せず、狂いが少ない。
しかして、前記ベルト34にはテンションクラッチプーリ67を接離自在に当接させ、テンションクラッチプーリ67はテンションアーム68の先端に設ける。テンションアーム68の基部は軸69により伝動ギヤボックス26に取付ける(図9)。
この場合、軸69は、その基部およびテンションアーム68より突出する先端の両方を、伝動ギヤボックス26の支持部70により所謂両持ち状態で支持する。
テンションクラッチプーリ67が入りにするときは、扱胴7の起動トルクが大きく、衝撃的な大きな力が軸69に掛かることがあるが、軸69は、基部および先端の両方を、所謂両持ち状態で支持されているから、荷重を分散し、破損を防止すると共に、軽量化できる。
【0012】
また、ベルト34のテンションクラッチプーリ67を、伝動ギヤボックス26に取り付けることで、伝動ギヤボックス26を取付部材を兼用でき、脱穀出力プーリ30と扱胴入力プーリ31とテンションクラッチプーリ67の配置精度も向上し、ベルト34の外れ等の不具合の発生も防止する。
しかして、伝動ギヤボックス26は、正面視、本体ケース71の下方に左側(エンジン20側)に突き出る下側筒部72を設け、下側筒部72には中間入力軸25を軸装する(図10)。また、本体ケース71の上方に右側に突き出る上側筒部73を設け、上側筒部73には前記選別用出力軸40を軸装し、選別用出力軸40には選別用出力プーリ41を固定する。また、前記本体ケース71の上下中間位置に前記脱穀用出力軸27からの回転により回転するベベルギヤ74を軸装し、ベベルギヤ74により前記脱穀出力プーリ30に回転伝達する。
したがって、伝動ギヤボックス26は正面視略「Z」型形状に形成し(図10)、ベルトの張力のバランスの取れた形状になると共に、上下に長い形状となるので、空間を有効利用してコンバイン全体長を短くでき、合理的構成となる。
【0013】
また、前記上側筒部73の下方には、バッテリー75を設ける(図5、図10)。脱穀装置3の前方左側にバッテリー75を配置することになり、バッテリー75の着脱交換・充電等のメンテナンスが容易にできる。また、バッテリー75の上方に上側筒部73を設け、上側筒部73に選別用出力プーリ41を軸装するので、空間を有効利用して、選別用出力プーリ41を配置できる。
しかして、伝動ギヤボックス26は、側面視、本体ケース71の下方に下側筒部72が位置し、本体ケース71の上方に上側筒部73を設け、本体ケース71と下側筒部72と上側筒部73は略同じ幅で縦長形状に形成すると共に、上側筒部73に軸装した選別用出力プーリ41が、脱穀装置3の前板78に形成した穀稈供給口79に穀稈を案内する入り口漏斗(じょうご)76(図3)の下方で揺動選別棚9の前方に配置する。
また、伝動ギヤボックス26を縦長に構成することで、刈取部4の刈取懸架台(図示省略)と伝動ギヤボックス26との間の空間を広くでき、エンジン20からの熱風排出性が良好になり、ヒートバランスに効果がある。
【0014】
伝動ギヤボックス26の下側筒部72の中間入力プーリ23を揺動選別棚9の始端部下方に位置させて、エンジン20のエンジン出力軸21と伝動ギヤボックス26の中間入力プーリ23の間の距離を長くでき、ベルト34の付き回りや外れ等の不具合発生を防止する。
この場合、下側筒部72の軸心は脱穀装置3の前板78よりも後方に位置させると(図7、図8)、エンジン20のエンジン出力軸21と伝動ギヤボックス26の中間入力プーリ23の間の距離を長くでき、エンジン出力軸21および中間入力プーリ23の軸受けの耐久性を向上させる。
しかして、伝動ギヤボックス26の本体ケース71の上下および左右中間位置に前記脱穀出力プーリ30を軸装しているので、伝動ギヤボックス26は脱穀出力プーリ30の伝動ケースを兼用することになり、合理的構成となる。
即ち、扱胴7の扱胴入力プーリ31の下方に脱穀出力プーリ30を配置でき、脱穀出力プーリ30と扱胴入力プーリ31との軸間距離を短くできる。
【0015】
また、前記脱穀出力プーリ30は、扱胴7の中心より正面視左側に配置すると(図10)、入り口漏斗76を避けて無理のないベルト34のラインとすることができ、耐久性を向上させ、コストを低減させる。
また、入り口漏斗76を避けて無理のないベルト34のラインとしたので、余分なカウンタプーリ等が不要となって、構成を簡素にできる。
しかして、実施例の伝動ギヤボックス26には、エアコン(図示省略)のコンプレッサ80を取付け(図11)、伝動ギヤボックス26をコンプレッサ80の伝動ケースとして兼用する。コンプレッサ80は正面視中間入力プーリ23とバッテリー75の間であって脱穀出力プーリ30の下方は位置する。
したがって、コンプレッサ80専用の伝動ケースが不要となり、部品点数が減少し、コストおよび重量ともに軽減させ、空間を有効利用できる。
【0016】
図中、81はミッションケース、82は油圧式無段変速装置(HST)、83は油圧式無段変速装置82の変速入力プーリ、84は刈取出力プーリ、85は刈取入力プーリである。ミッションケース81に設ける変速出力軸86は、主変速レバーによって変速操作される油圧式無段変速装置(HST)82の出力によって式無段変速駆動される。そして、該変速出力軸86の先端部にワンウエイクラッチを介して取り付けた刈取出力プーリ84からベルトテンション式の刈取クラッチ87を介して刈取部4の刈取入力軸88へ変速回転が入力される。
また、前記ベルト59を緊張および弛緩させるテンションローラを設けて掻込クラッチ89を形成し、該掻込クラッチ89を入り切り操作する掻込ペダルを操縦部に設ける。
【0017】
(実施例の作用)
エンジン20を始動すると、エンジン20の回転が油圧式無段変速装置82を介してミッションケース81に伝達され、ミッションケース81は走行装置2を駆動して走行し、また、ミッションケース81から走行速度に同調した回転が刈取部4に伝達されて、刈取部4を駆動する。
また、エンジン20の回転が伝動ギヤボックス26の中間入力プーリ23に伝達されて、伝動ギヤボックス26で分岐された回転が、伝動ギヤボックス26の前側供給搬送用出力軸54から出力されて前側供給搬送用出力プーリ55に伝達されて前側穀稈供給搬送装置16を駆動し、刈取部4が刈取った穀稈は前側穀稈供給搬送装置16により穀稈供給装置7に受け渡す。穀稈供給装置7は伝動ギヤボックス26の選別用出力軸40から出力された回転が、排塵ファン入力プーリ45と後側ギヤケース51を介して穀稈供給装置7の後側駆動歯車52に伝達されて、穀稈供給装置7を駆動し、穀稈供給装置7は穀稈を挟持搬送しつつ穂先側を脱穀室6に供給する。
【0018】
脱穀室6では、扱胴7が、伝動ギヤボックス26に伝達された回転のうち脱穀用出力軸27に分岐された回転を脱穀出力プーリ30から扱胴入力プーリ31およびギヤケース35を介して伝達され、回転する扱胴7により、穀稈供給装置7で挟持搬送された穀稈の穂先側を脱穀する。
また、伝動ギヤボックス26で分岐された回転の他の一つが、選別用出力プーリ41により出力されて唐箕出力プーリ47に伝達されて、唐箕8を回転させ、また、揺動入力プーリ42を介して揺動選別棚9を揺動させ、風選別される。選別された穀粒は選別用出力プーリ41から回転が伝達される一番コンベア入力プーリ43により駆動される一番コンベア12で回収される。
なお、各実施例の構成を適宜組合せることは勿論可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】コンバインの例の側面図。
【図2】脱穀装置の側面図。
【図3】刈取部と脱穀装置との間の側面図。
【図4】コンバインの伝動機構概略図。
【図5】同一部展開状態正面図。
【図6】伝動ギヤボックス付近の展開状態図。
【図7】同側面図。
【図8】伝動ギヤボックスの取付の他の実施例の側面図。
【図9】テンションクラッチプーリと伝動ギヤボックスの展開状態図。
【図10】伝動ギヤボックス付近の正面図。
【図11】伝動ギヤボックスとコンプレッサの側面図。
【符号の説明】
【0020】
1…機体フレーム、2…走行装置、3…脱穀装置、4…刈取部、5…グレンタンク、10…排塵処理胴、11…二番処理胴、12…一番コンベア、13…二番コンベア、14…吸引排塵ファン、15…穀稈供給搬送装置、16…前側穀稈供給搬送装置、17…排藁搬送装置、20…エンジン、21…エンジン出力軸、22…エンジン出力プーリ、23…中間入力プーリ、24…ベルト、25…中間入力軸、26…伝動ギヤボックス、27…脱穀用出力軸、28…ギヤ、30…脱穀出力プーリ、31…扱胴入力プーリ、32…排塵処理胴入力プーリ、33…二番処理胴入力プーリ、34…ベルト、36…ギヤ、40…選別用出力軸、41…選別用出力プーリ、42…揺動入力プーリ、43…一番コンベア入力プーリ、44…二番コンベア入力プーリ、45…排塵ファン入力プーリ、46…ベルト、51…後側ギヤケース、52…後側駆動歯車、54…前側供給搬送用出力軸、55…前側供給搬送用出力プーリ、56…前側供給搬送用入力プーリ、59…ベルト、60…ギヤケース、61…前側駆動歯車、61A…外部機器用出力軸、62…横枠、63…縦枠、65…脱穀フレーム、66…取付部材、67…テンションクラッチプーリ、68…テンションアーム、69…軸、70…支持部、71…本体ケース、72…下側筒部、73…上側筒部、74…ベベルギヤ、75…バッテリー、76…入り口漏斗、78…前板、80…コンプレッサ、81…ミッションケース、82…油圧式無段変速装置、83…刈取出力プーリ、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレーム(1)の下方に走行装置(2)を設け、機体フレーム(1)の前方に刈取部(4)を設け、前記機体フレーム(1)の上方に穀稈供給搬送装置(15)により供給された穀稈を脱穀する扱胴(7)と唐箕(8)と揺動選別棚(9)とを有する脱穀装置(3)を設け、前記機体フレーム(1)の所定位置には、少なくとも、前記扱胴(7)と、前記唐箕(8)および前記揺動選別棚(9)と、前記穀稈供給装置(15)の前部に並設した前側穀稈供給搬送装置(16)とに、エンジン(20)の駆動力を分岐させてそれぞれ伝達する伝動ギヤボックス(26)を設け、該伝動ギヤボックス(26)から駆動される前側穀稈供給搬送装置(16)の伝動下手側に前記刈取部(4)を連動させたことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
請求項1において、前記伝動ギヤボックス(26)には、エアコンのコンプレッサ(80)等の外部機器へ出力する外部機器用出力軸(61A)を設けたことを特徴とするコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−86209(P2008−86209A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267707(P2006−267707)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】