説明

コンバイン

【課題】引起しケース29が配置された刈取装置3の前側を簡単に開放でき、刈取装置3の前側におけるメンテナンス作業性を向上できるようにしたコンバインを提供するものである。
【解決手段】エンジン14によって作動する走行部2を備えた走行機体1と、刈取装置3と、脱穀装置5とを備え、刈取装置3は、圃場に植立した穀稈を穀稈引起し装置223にて引起し、前記穀稈の株元を刈刃装置222にて切断し、脱穀装置5に前記穀稈を穀稈搬送装置224にて搬送するように構成し、穀稈引起し装置223に多条用の複数の引起しケース29を横並びに設けたコンバインにおいて、多条用の複数の引起しケース29の背面側に縦軸87をそれぞれ配置し、各引起しケース29の上端側をそれに対向した各縦軸87にそれぞれ連結させ、各縦軸87回りに各引起しケース29を各別にそれぞれ回動可能に構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場に植立した穀稈を刈取って穀粒を収集するコンバインに係り、より詳しくは、穀稈引起し装置に横並びに設けた多条用の複数の引起しケースの一部又は全部が、機外側方に回動するように構成したコンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンバインは、圃場に植立した未刈り穀稈の株元を刈刃装置によって切断し、穀稈搬送装置によって脱穀装置にその穀稈を搬送し、脱穀装置によってその穀稈を脱穀して、穀粒を収集するように構成している。特許文献1に示されるように、刈取装置の前側に設けた引起しケース(穀稈引起し装置)を上方に移動させることによって、刈取装置の前側の掃除等のメンテナンス作業を実行するように構成されている。また、特許文献2に示されるように、引起しケース(穀稈引起し装置)の前側に配置した分草体を、分草する作業姿勢から前方に回動した非作業姿勢に変更可能に設ける技術も公知である。
【特許文献1】特開平6−335314号公報
【特許文献2】特開平6−11423号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前記従来技術は、特許文献1に示されるように、刈取装置の前側を開放して掃除する場合、オペレータが引起しケース(穀稈引起し装置)の下端側の適当個所を握って上方に持上げ、引起しケースを上方に移動させる必要がある。また、上方に移動させた引起しケースが降下するのを支持杆によって阻止する必要がある。したがって、引起しケースを上方に持上げたり、支持杆を着脱する面倒があり、刈取装置の前側から引起しケースを簡単に移動できない等の問題がある。また、刈取装置の前側でオペレータが移動するときに支持杆が障害物になる等の問題がある。
【0004】
本発明の目的は、引起しケースが配置された刈取装置の前側を簡単に開放でき、刈取装置の前側におけるメンテナンス作業性を向上できるようにしたコンバインを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明のコンバインは、エンジンによって作動する走行部を備えた走行機体と、刈取装置と、脱穀装置とを備え、前記刈取装置は、圃場に植立した穀稈を穀稈引起し装置にて引起し、前記穀稈の株元を刈刃装置にて切断し、前記脱穀装置に前記穀稈を穀稈搬送装置にて搬送するように構成し、前記穀稈引起し装置に多条用の複数の引起しケースを横並びに設けたコンバインにおいて、前記多条用の複数の引起しケースの背面側に縦軸をそれぞれ配置し、前記各引起しケースの上端側をそれに対向した前記各縦軸にそれぞれ連結させ、前記各縦軸回りに前記各引起しケースを各別にそれぞれ回動可能に構成したものである。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記各引起しケースの前側に多条用の複数の分草体及び分草フレームを横並びに設ける構造であって、前記各分草フレームに前記各分草体を前方に回動可能にそれぞれ配置し、前記分草体の前方回動によってその後端側を前方に移動させた状態で、前記縦軸回りに前記引起しケースを回動させるように構成したものである。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のコンバインにおいて、前記分草体の前方回動を検出する分草体オープンセンサと、前記分草体の前方回動をオペレータに報知する警報作動部、又は前記分草体の前方回動によって前記エンジンを停止維持するエンジン停止操作部を設けたものである。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る発明によれば、エンジンによって作動する走行部を備えた走行機体と、刈取装置と、脱穀装置とを備え、前記刈取装置は、圃場に植立した穀稈を穀稈引起し装置にて引起し、前記穀稈の株元を刈刃装置にて切断し、前記脱穀装置に前記穀稈を穀稈搬送装置にて搬送するように構成し、前記穀稈引起し装置に多条用の複数の引起しケースを横並びに設けたコンバインにおいて、前記多条用の複数の引起しケースの背面側に縦軸をそれぞれ配置し、前記各引起しケースの上端側をそれに対向した前記各縦軸にそれぞれ連結させ、前記各縦軸回りに前記各引起しケースを各別にそれぞれ回動可能に構成したものであるから、前記刈取装置の前側を開放させるときに、前記引起しケースを上方に持上げる必要がない。また、上方に持上げた前記引起しケースの降下を支持杆によって阻止する必要もない。したがって、前記刈取装置の前側の穀稈掻き込み部や穀稈搬送部の前面側の必要個所を、それに該当する前記引起しケース毎に簡単に開放作動できる。前記刈取装置の前側における掃除又は詰まり穀稈の除去等のメンテナンス作業性を向上できるものである。
【0009】
請求項2に係る発明によれば、前記各引起しケースの前側に多条用の複数の分草体及び分草フレームを横並びに設ける構造であって、前記各分草フレームに前記各分草体を前方に回動可能にそれぞれ配置し、前記分草体の前方回動によってその後端側を前方に移動させた状態で、前記縦軸回りに前記引起しケースを回動させるように構成したものであるから、従来の作業(引起しケースを持上げる作業)に比べて、前記刈取装置の前側を開放させるオペレータの操作力(前記引起しケースを回動させる操作力)を低減できる。また、前記刈取装置の前側を開放するときに、前記分草体又は分草フレームを取外す必要もない。前記刈取装置の前側を簡単に開放できるものである。
【0010】
請求項3に係る発明によれば、前記分草体の前方回動を検出する分草体オープンセンサと、前記分草体の前方回動をオペレータに報知する警報作動部、又は前記分草体の前方回動によって前記エンジンを停止維持するエンジン停止操作部を設けたものであるから、前記分草体が収穫作業位置から外れた位置に支持されているときに、前記エンジン停止操作部によって前記エンジンが自動的に停止維持される。また、前記警報作動部からの報知によって、オペレータの誤操作等にて前記エンジンが始動されるのも禁止される。前記刈取装置の前側の掃除又は詰まり穀稈の除去等のメンテナンス作業において、前記刈取装置の各部が前記エンジンによって作動する誤動作を心配する必要がない。したがって、前記刈取装置の前側のメンテナンス作業をスムーズに実行できる。一方、収穫作業中、例えば圃場の盛り土等の障害物に前記分草体の前側が衝突して、前記分草体の前方回動等によって、前記分草体オープンセンサが作動した場合にも、前記エンジン停止操作部が作動して前記エンジンが自動的に停止される。即ち、収穫作業中、例えば圃場の盛り土等の障害物に前記分草体の前側が衝突した場合、前記分草体の前方回動等によって、前記分草体オープンセンサが作動するから、前記刈取装置等の損傷を最低限に抑えることができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。図1はコンバインの左側面図、図2はコンバインの平面図、図3は刈刃装置及び穀稈搬送装置等の刈取装置の側面説明図、図4は同刈取装置の平面説明図、図5はコンバインの駆動系統図、図6図はコンバインの正面図、図7図及び図8は穀稈引起装置の正面図、図9は穀稈引起装置の側面図、図10図は引起しケースの正面図、図11図は引起しケースの上部の側面図、図12図は引起しケースの上部の正面図、図13図はエンジンを停止させる電気回路図である。図1及び図2を参照しながら、コンバインの全体構造について説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の進行方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく進行方向に向かって右側を単に右側と称する。
【0012】
本実施形態のコンバインは、走行部としての左右一対の走行クローラ2にて支持された走行機体1を備えている。走行機体1の前部には、穀稈を刈り取りながら取り込む6条刈り用の刈取装置3が、単動式の昇降用油圧シリンダ4によって刈取回動支点軸4a回りに昇降調節可能に装着されている。走行機体1には、フィードチェン6を有する脱穀装置5と、該脱穀装置5から取出された穀粒を貯留する穀粒タンク7とが横並び状に搭載されている。本実施形態では、脱穀装置5が走行機体1の進行方向左側に、穀粒タンク7が走行機体1の進行方向右側に配置されている。走行機体1の後部に旋回可能な排出オーガ8が設けられ、穀粒タンク7の内部の穀粒が、排出オーガ8の籾投げ口9からトラックの荷台またはコンテナ等に排出されるように構成されている。刈取装置3の右側方で、穀粒タンク7の前側方には、運転キャビン10が設けられている。
【0013】
運転キャビン10内には、操縦ハンドル11と、運転座席12と、主変速レバー42と、副変速レバー43と、脱穀クラッチ及び刈取クラッチを入り切りする作業クラッチレバー44とを配置している。なお、図示しないが、運転キャビン10には、オペレータが搭乗するステップと、操縦ハンドル11を設けたハンドルコラムと、前記各レバー42,43,44等を設けたレバーコラムとが配置されている。運転座席12の下方の走行機体1には、動力源としてのエンジン14が配置されている。
【0014】
図1乃至図4に示されるように、走行機体1の下面側に左右のトラックフレーム21を配置している。トラックフレーム21には、走行クローラ2にエンジン14の動力を伝える駆動スプロケット22と、走行クローラ2のテンションを維持するテンションローラ23と、走行クローラ2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ24と、走行クローラ2の非接地側を保持する中間ローラ25とを設けている。駆動スプロケット22によって走行クローラ2の前側を支持し、テンションローラ23によって走行クローラ2の後側を支持し、トラックローラ24によって走行クローラ2の接地側を支持し、中間ローラ25によって走行クローラ2の非接地側を支持する。
【0015】
刈取装置3の刈取回動支点軸4aに連結した刈取フレーム221の下方には、圃場に植立した未刈り穀稈(穀稈)の株元を切断するバリカン式の刈刃装置222が設けられている。刈取フレーム221の前方には、圃場に植立した未刈り穀稈を引起す6条分の穀稈引起装置223が配置されている。穀稈引起装置223とフィードチェン6の前端部(送り始端側)との間には、刈刃装置222によって刈取られた刈取り穀稈を搬送する穀稈搬送装置224が配置されている。なお、穀稈引起装置223の下部前方には、圃場に植立した未刈り穀稈を分草する6条分の分草体225が突設されている。エンジン14にて走行クローラ2を駆動して圃場内を移動しながら、刈取装置3によって圃場に植立した未刈り穀稈を連続的に刈取る。
【0016】
次に、図3及び図4を参照して刈取装置3の構造を説明する。図3及び図4に示すように、刈取フレーム221は、走行機体1の前端側の軸受台15に回動可能に支持した刈取入力ケース16と、刈取入力ケース16から前方に向けて延長する縦伝動ケース18と、縦伝動ケース18の前端側で左右方向に向けて延長する横伝動ケース19と、横伝動ケース19に連結する6条分の分草フレーム20と、分草フレーム20の前端側に支持する6条分の分草体225とによって形成されている。機体左右方向に水平に横架した刈取入力ケース16内には、エンジン14からの動力が伝達される刈取り穀稈用の刈取り入力軸17を組込んでいる。
【0017】
穀稈引起装置223は、分草板225によって分草された未刈穀稈を起立させる複数の引起タイン28を有する6条分の引起ケース29を有する。穀稈搬送装置224は、右側2条分の引起ケース29から導入される右側2条分の穀稈の株元側を掻込む左右の右スターホイル30R及び左右の右掻込ベルト31Rと、左側2つの引起ケース29から導入される左側2条分の穀稈の株元側を掻込む左右の左スターホイル30L及び左右の左掻込ベルト31Lと、中央2つの引起ケース29から導入される中央2条分の穀稈の株元側を掻込む左右の中央スターホイル30C及び左右の中央掻込ベルト31Cとを有する。
【0018】
刈刃装置222は、右スターホイル30R及び左右の右掻込ベルト31R、左スターホイル30L及び左右の左掻込ベルト31L、中央スターホイル30C及び左右の中央掻込ベルト31Cによって掻込まれた6条分の穀稈の株元を切断するバリカン形の左右の刈刃32を有する。
【0019】
また、穀稈搬送装置224は、右側2条分のスターホイル30R及び掻込ベルト31Rによって掻込まれた右側2条分の刈取穀稈の株元側を後方に搬送する右株元搬送チェン33Rと、左側2条分のスターホイル30L及び掻込ベルト31Lによって掻込まれた左側2条分の刈取穀稈の株元側を右株元搬送チェン33Rの搬送終端部に合流させる左株元搬送チェン33Lと、中央2条分のスターホイル30C及び掻込ベルト31Cによって掻込まれた中央2条分の刈取穀稈の株元側を後方に搬送して右株元搬送チェン33Rの搬送途中に合流させる中央株元搬送チェン33Cを有する。左右及び中央の株元搬送チェン33R,33L,33Cによって、右株元搬送チェン33Rの搬送終端部に、6条分の刈取穀稈の株元側を合流させる。
【0020】
穀稈搬送装置224は、右株元搬送チェン33Rから6条分の刈取穀稈の株元側を受継ぐ穀稈搬送手段としての縦搬送チェン34と、縦搬送チェン34の搬送終端部からフィードチェン6の搬送始端部に6条分の刈取穀稈の株元側を搬送する補助搬送手段としての補助株元搬送チェン35,36とを有する。縦搬送チェン34から、補助株元搬送チェン35,36を介して、フィードチェン6の搬送始端部に、6条分の刈取穀稈の株元側を搬送する。
【0021】
穀稈搬送装置224は、右株元搬送チェン33Rにて搬送される右側2条分の刈取穀稈の穂先側を搬送する右穂先搬送タイン37Rと、左株元搬送チェン33Lにて搬送される左側2条分の刈取穀稈の穂先側を搬送する左穂先搬送タイン37Lと、中央株元搬送チェン33Cにて搬送される中央2条分の刈取穀稈の穂先側を搬送する中央穂先搬送タイン37Cと、縦搬送チェン34にて搬送される6条分の刈取穀稈の穂先側を搬送する後穂先搬送タイン38とを有する。脱穀装置5の扱胴226室内に、刈取装置3で刈取った6条分の刈取穀稈の穂先側を搬送する。
【0022】
次に、図5を参照して引起し駆動構造を説明する。図5に示すように、刈取り入力軸17に、後述する縦伝動軸40及び横伝動軸41及び左搬送駆動軸69を介して引起伝動縦軸48及び引起伝動横軸49を連結する。引起伝動横軸49は、6条分の各引起ケース29用の各引起タイン駆動軸45にそれぞれ連結している。分草体225の後方で分草フレーム20の上方に引起ケース29が立設されている。引起ケース29の上端側の背面に引起タイン駆動軸45を配置している。引起タイン駆動軸45及び引起伝動縦軸48及び引起伝動横軸49を介して、複数の引起タイン28を設けた引起タインチェン28aが駆動される。
【0023】
なお、上記実施形態では、1本の引起伝動縦軸48を設けて、6条分の各引起ケース29の引起タイン駆動軸45に1本の引起伝動縦軸48を連結し、6条分の各引起タイン28を駆動しているが、一対の左右の引起伝動縦軸48を設けてもよい。例えば、左右の3条分の引起ケース29を一組として、左右の3条分の引起タイン駆動軸45に、左右の引起伝動横軸49を介して、左右の引起伝動縦軸48をそれぞれ連結し、2本の引起伝動縦軸48から6条分の各引起ケース29の引起タイン駆動軸45に駆動力を伝達するように構成しても、6条分の各引起タイン28をそれぞれ駆動できる。
【0024】
図5に示すように、横伝動軸41に左右のクランク軸52a,52bを介して左右の刈刃32を連結する。横伝動軸41を介して左右の刈刃32を同期させて駆動するように構成している。なお、刈刃装置222は、6条分の刈幅の中央部で分割して左右の刈刃32を形成し、左右の刈刃32を相反する方向に往復移動させ、往復移動によって発生する左右の刈刃32の振動(慣性力)を相殺可能に構成している。
【0025】
図5に示すように、刈取り入力軸17に縦伝動ケース18内の縦伝動軸40の一端側を連結する。縦伝動軸40の他端側に横伝動ケース19内の横伝動軸41の一端側を連結する。縦伝動軸40及び横伝動軸41から穀稈搬送装置224の各駆動部に刈取り入力軸17の回転力を伝える。即ち、縦伝動軸40には、右搬送駆動軸62を連結している。縦伝動軸40及び右搬送駆動軸62を介して、右株元搬送チェン33R及び右穂先搬送タイン37Rと、右スターホイル30R及び右掻込ベルト31Rとを駆動するように構成している。右搬送駆動軸62に縦搬送伝動軸63を介して縦搬送チェン34を駆動するように構成している。また、縦伝動軸40及び後搬送駆動軸54を介して、補助株元搬送チェン35,36及び後穂先搬送タイン38を駆動するように構成している。
【0026】
また、横伝動軸41の左端側に左搬送駆動軸69を連結している。左搬送駆動軸69を介して、左株元搬送チェン33L及び左穂先搬送タイン37Lと、左スターホイル30L及び左掻込ベルト31Lとを駆動するように構成している。また、横伝動軸41に中央搬送駆動軸75を連結し、中央搬送駆動軸75を介して、中央株元搬送チェン33C及び中央穂先搬送タイン37Cと、中央スターホイル30C及び中央掻込ベルト31Cとを駆動するように構成している。
【0027】
次に、図1及び図2を参照して、脱穀装置5の構造を説明する。図1及び図2に示されるように、脱穀装置5には、穀稈脱穀用の扱胴226と、扱胴226の下方に落下する脱粒物を選別する揺動選別盤227及び唐箕ファン228と、扱胴226の後部から取出される脱穀排出物を再処理する処理胴229と、揺動選別盤227の後部の排塵を排出する排塵ファン230とが備えられている。なお、扱胴226の回転軸芯線は、フィードチェン6による穀稈の搬送方向(換言すると走行機体1の進行方向)に沿って延びている。刈取装置3から穀稈搬送装置224によって搬送された穀稈の株元側は、フィードチェン6に受け継がれて挟持搬送される。そして、この穀稈の穂先側が脱穀装置5の扱室内に搬入されて扱胴226にて脱穀される。
【0028】
揺動選別盤227の下方側には、揺動選別盤227にて選別された穀粒(一番物)を取出す一番コンベヤ231と、枝梗付き穀粒等の二番物を取出す二番コンベヤ232とが設けられている。本実施形態の両コンベヤ231,232は、走行機体1の進行方向前側から一番コンベヤ231、二番コンベヤ232の順で、側面視において走行クローラ2の後部上方の走行機体1の上面側に横設されている。
【0029】
揺動選別盤227は、扱胴226の下方に張設された受網237から漏下した脱穀物が、フィードパン238及びチャフシーブ239によって搖動選別(比重選別)されるように構成している。揺動選別盤227から落下した穀粒は、その穀粒中の粉塵が唐箕ファン228からの選別風によって除去され、一番コンベヤ231に落下する。一番コンベヤ231のうち脱穀装置5における穀粒タンク7寄りの一側壁(実施形態では右側壁)から外向きに突出した終端部には、上下方向に延びる揚穀コンベヤ233が連通接続されている。一番コンベヤ231から取出された穀粒は、揚穀コンベヤ233を介して穀粒タンク7に搬入され、穀粒タンク7に収集される。なお、穀粒タンク7の後面の傾斜に沿わせて、揚穀コンベヤ233の上端側が後方に傾斜する後傾姿勢で、穀粒タンク7の後方に揚穀コンベヤ233が立設されている。
【0030】
また、揺動選別盤227は、搖動選別(比重選別)によってチャフシーブ239から枝梗付き穀粒等の二番物を二番コンベヤ232に落下させるように構成している。チャフシーブ239の下方に落下する二番物を風選する選別ファン241を備える。チャフシーブ239から落下した二番物は、その穀粒中の粉塵及び藁屑が選別ファン241からの選別風によって除去され、二番コンベヤ232に落下する。二番コンベヤ232のうち脱穀装置5における穀粒タンク7寄りの一側壁から外向きに突出した終端部は、揚穀コンベヤ233と交差して前後方向に延びる還元コンベヤ236を介して、フィードパン238の上面側に連通接続され、二番物をフィードパン238の上面側に戻して再選別するように構成している。
【0031】
一方、フィードチェン6の後端側(送り終端側)には、排藁チェン234が配置されている。フィードチェン6の後端側から排藁チェン234に受け継がれた排藁(穀粒が脱粒された稈)は、長い状態で走行機体1の後方に排出されるか、又は脱穀装置5の後方側に設けた排藁カッタ235にて適宜長さに短く切断されたのち、走行機体1の後方下方に排出される。
【0032】
次に、図5を参照しながら、脱穀装置5、フィードチェン6、排藁チェン234、排藁カッタ235等の駆動構造について説明する。図5に示されるように、エンジン14の前側及び後側にその出力軸70を突出する。エンジン14の前側の出力軸70に自在継手を介してミッションケース71の走行入力軸(図示省略)を連結し、エンジン14の回転駆動力が、前側の出力軸70からミッションケース71に伝達されて変速された後、左右の車軸72を介して左右の走行クローラ2に伝達され、左右の走行クローラ2がエンジン14の回転力によって駆動されるように構成している。
【0033】
図5に示されるように、エンジン14を冷却するためのラジエータ用の冷却ファン73に、エンジン14の後側の出力軸70が連結されている。エンジン14の回転駆動力によって、冷却ファン73が駆動されるように構成している。また、エンジン14の後側の出力軸70に排出オーガ駆動軸76を連結し、エンジン14からの回転駆動力によって排出オーガ駆動軸76を介して排出オーガ8が駆動され、穀粒タンク7内の穀粒がコンテナ等に排出されるように構成している。
【0034】
また、扱胴226及び処理胴230にエンジン14からの回転駆動力を伝える脱穀駆動軸77を備える。エンジン14の後側の出力軸70には、テンションローラ形脱穀クラッチ78及び脱穀駆動ベルト79を介して、脱穀駆動軸77が連結されている。脱穀駆動軸77には、扱胴226を軸支した扱胴軸80と、処理胴230を軸支した処理胴軸81とが連結されている。エンジン14の略一定回転数の回転力によって、扱胴226及び処理胴230が略一定回転数で回転するように構成している。
【0035】
また、脱穀駆動軸77に選別入力軸82が連結されている。エンジン14の略一定回転数の回転力によって、選別入力軸82を介して、揺動選別盤227、唐箕ファン228、一番コンベヤ231、二番コンベヤ232、選別ファン241、排塵ファン230が略一定回転数で回転するように構成している。
【0036】
図5に示す如く、ミッションケース71にPTO軸98を配置する。PTO軸98は、走行主変速用の油圧式無段変速機構(図示省略)の走行油圧モータによって駆動される。ミッションケース71からこの左外側にPTO軸98の一端側を突設させている。エンジン14の左側方で、脱穀装置5の前側方の走行機体1上に、カウンタギヤケース99を設けている。
【0037】
カウンタギヤケース99には、上述した脱穀駆動軸77と、脱穀駆動軸77に連結する選別入力軸82と、PTO軸98に連結する車速同調軸100と、選別入力軸82又は車速同調軸100に連結する刈取伝動軸101と、刈取り入力軸17に連結する刈取駆動軸102と、フィードチェン6を駆動するフィードチェン駆動軸103とを配置している。
【0038】
次に、図6乃至図12を参照しながら、刈取装置3の前部を開放する穀稈引起装置223の構造について説明する。図6及び図7に示されるように、穀稈引起装置223には、6条用(多条用)の複数の引起ケース29を横並びに設けている。また、図8乃至図12に示されるように、左機外側方の引起ケース29の背面側にパイプ状の引起伝動縦ケース85を配置している。横伝動ケース19に引起伝動縦ケース85の下端側を固着する。引起伝動縦ケース85の上端側に引起伝動横ケース86の左端側を連結させる。また、各引起ケース29毎に各別にそれぞれ回動可能に支持する縦軸としての6条分の引起駆動ケース87を設ける。引起伝動横ケース86に6条分の引起駆動ケース87の上端側を連結している。
【0039】
図10乃至図12に示されるように、引起伝動縦ケース85に引起伝動縦軸48を回転自在に内挿している。引起伝動横ケース86に引起伝動横軸49を回転自在に内挿している。引起駆動ケース87に引起タイン駆動軸45を回転自在に内挿している。引起伝動縦軸48の上端側にべベルギヤ機構50を介して引起伝動横軸49の右端側を連結する。引起伝動横軸49にべベルギヤ機構51を介して引起タイン駆動軸45の上端側を連結する。引起タイン駆動軸45の下端側にべベルギヤ機構52を介してスプロケット軸53を連結する。引起ケース29から背面側にスプロケット軸53を突出させている。引起伝動縦軸48、引起伝動横軸49、引起タイン駆動軸45、スプロケット軸53を介して、引起タインチェン28aに引起タイン28駆動力が伝達され、6条分の引起タイン28がそれぞれ駆動されるように構成している。
【0040】
図9乃至図12に示されるように、引起駆動ケース87は、引起伝動横軸49に上端側を固着する上部ケース体87aと、引起ケース29に下端側を固着する下部ケース体87bと、上部ケース体87aの下端側に下部ケース体87bの上端側を連結する中間ケース体87cとから形成する。下部ケース体87bは、中間ケース体87cを介して上部ケース体87aに引起タイン駆動軸45回りに回動可能に連結されている。引起ケース29と、引起ケース29の上端側に固着した下部ケース体87bを、縦軸としての引起駆動ケース87(引起タイン駆動軸45)の軸心線回りに回動させように構成している。また、引起駆動ケース87回りの引起ケース29の回動角度(旋回移動範囲)は、図示しないストッパによって約100度に制限されている。図7に実線で示す引起し作業位置(収穫作業姿勢)、又は図8に実線で示す非作業位置(刈取メンテナンス姿勢)に、引起ケース29が移動して支持されるように構成している。
【0041】
したがって、引起ケース29が引起し作業位置(収穫作業姿勢)に支持された状態(図7参照)では、引起ケース29から左右方向に向けて引起タイン28が突出し、圃場の未刈り穀稈が引起タイン28によって引起されるように構成している。また、引起ケース29が非作業位置に支持されている場合(図8参照)、刈取装置3の前方側に向けて引起タイン28が突出し、隣接する各引起ケース29の間隔が拡大され、各引起ケース29の間に作業者が入り込むメンテナンス用のスペースが形成されるように構成している。
【0042】
図9に示されるように、分草フレーム20から上方に向けて引起し支柱88を突出させる。引起し支柱88の下端側が分草フレーム20に一体的に固着されている。引起し支柱88の上端側にパッチン錠形の連結具89を設ける。引起ケース29の背面の下端側に、連結具89を介して引起し支柱88を着脱可能に連結している。即ち、連結具89の締結によって、引起し支柱88に引起ケース29が連結され、図7に実線で示す引起し作業位置(収穫作業姿勢)に引起ケース29が支持される。一方、連結具89の締結を解除して、引起し支柱88から引起ケース29を分離させ、図7に実線で示す引起し作業位置(収穫作業姿勢)から、図8に実線で示す非作業位置に、引起ケース29を移動させるように構成している。
【0043】
一方、図9に示されるように、前記分草フレーム20の前端側には、分草支点軸90を介して分草体225を回動可能に連結している。分草支点軸90の軸芯線を左右方向に延長させる。その分草支点軸90回りに、分草位置(収穫作業姿勢)の分草体225が回動したときに、鍬状の分草体225の先端側(傾斜下端側)が、下方から後側に向けて後退する。一方、鍬状の分草体225の後端側(傾斜上端側)が、上方から前側に向けて移動するように構成している。また、ピン93を有した支持ブラケット91を、分草体225の背面に固着する。下向きに開口するノッチ94を形成した受ブラケット92を分草フレーム20に固着する。受ブラケット92のピン93に支持ブラケット91のノッチ94を着脱可能に係合させ、分草位置(収穫作業姿勢)に分草体225を支持させるように構成している。
【0044】
上記の構成により、引起し作業位置(収穫作業姿勢)から非作業位置(刈取メンテナンス姿勢)に、引起ケース29を移動させる場合、作業者が分草体225の後端側(傾斜上端側)を握って前側に移動させることによって、非作業位置(刈取メンテナンス姿勢)への引起ケース29の移動スペースが、引起ケース29の前側に確保される。即ち、作業者によって分草体225の後端側(傾斜上端側)を前側に移動させ、非作業位置(刈取メンテナンス姿勢)に分草体225を支持した状態で、連結具89の締結を解除して、引起駆動ケース87(引起タイン駆動軸45)の軸心線回りに引起ケース29と下部ケース体87bを回動させ、隣接する各引起ケース29の間隔を拡大する。刈取装置3の前側の穀稈掻き込み部(スターホイル30C,30L,30R、又は掻込ベルト31C,31L,31R等)や、穀稈搬送部(株元搬送チェン33C,33L,33R等)の前面側の必要個所を、それに該当する引起しケース29毎に開放できる。各引起ケース29の間に作業者が入り込み、刈取装置3の前側における掃除又は詰まり穀稈の除去等のメンテナンス作業を実行できる。
【0045】
次に、図13を参照しながら、分草体225等の損傷を低減するためのエンジン停止機構110の構造について説明する。図11に示す如く、エンジン14の始動等に利用するバッテリ111と、オペレータが手動で入り切り操作するエンジン自動停止スイッチ112と、操縦座席12からオペレータが離れたときに入り作動するオンオフ切換スイッチ型の着座センサ113と、分草作業位置(図9に実線で示す後方起立姿勢)から非作業位置(図9に仮想線で示す前方傾倒姿勢)に分草体225が移動したときに入り作動するオンオフ切換スイッチ型の分草体オープンセンサ114と、エンジン14の自動停止動作を報知する警報作動部としての警報ブザー116と、エンジン14への燃料供給を停止(禁止)するエンジン停止操作部としてのエンジン停止ソレノイド117とを備えている。6条分の各分草体225に対向させて6条分の分草体オープンセンサ114を設けている。
【0046】
この場合、バッテリ111に対して、エンジン自動停止スイッチ112を介して、警報ブザー116とエンジン停止ソレノイド117とが並列に接続されている。エンジン自動停止スイッチ112のオン操作によって警報ブザー116及びエンジン停止ソレノイド117がそれぞれ作動可能になる。図示しない燃料タンクからエンジン14への燃料供給は、エンジン停止ソレノイド117の励磁作動によって中止されて、エンジン14が停止維持されるように構成している。
【0047】
エンジン自動停止スイッチ112と、警報ブザー116又はエンジン停止ソレノイド117との間には、着座センサ113と、6条分の分草体オープンセンサ114とが互いに並列に接続されている。各センサ113〜114から見ると、それぞれ113〜114は、エンジン自動停止スイッチ112と警報ブザー116又はエンジン停止ソレノイド117とに直列に接続されている。分草体オープンセンサ114は、分草体225の背面側の支持ブラケット91に設けられている。分草作業位置(図9に実線で示す後方起立姿勢)から非作業位置(図9に仮想線で示す前方傾倒姿勢)に分草体225が移動したときに、分草体225が分草体オープンセンサ114から離反することによって、分草体オープンセンサ114が入り作動してオン維持されるように構成されている。
【0048】
上記の構成により、操縦座席12にオペレータが着座していない場合は、着座センサ113が入り作動してエンジン停止ソレノイド117が励磁作動する。また、圃場の盛り土等の障害物に分草体225が衝突して非作業位置に分草体225が移動した場合、又は作業者が非作業位置に分草体225を移動した場合は、6条分の各分草体オープンセンサ114のうち、分草体225が非作業位置に移動した分草体オープンセンサ114が入り作動してエンジン停止ソレノイド117が励磁作動する。その結果、エンジン14の駆動が自動的に停止維持される。従って、圃場の盛り土等の障害物に分草体225が衝突したときに、エンジン14が自動的に停止するから、走行クローラ2が停止し、走行機体1が停止し、分草体225等の損傷を低減できる。また、操縦座席12にオペレータが着座していない間、又は分草作業位置から分草体225が移動している(刈取装置3の前部が開放状態である)間は、エンジン14の駆動が禁止されて、エンジン14が停止維持されるから、刈取装置3の駆動も禁止される。
【0049】
以上をまとめると、操縦座席12にオペレータが着座していない場合、又は刈取装置3の前側の分草作業位置から分草体225が移動している場合、という条件のいずれか1つを満たせば、エンジン14が自動的に停止維持されるから、走行クローラ2、又は刈取装置3、又は脱穀装置5等の不用意な駆動を防止できる。その結果、作業クラッチレバー44が刈取クラッチ入り状態で、エンジン14の始動操作が実行されても、刈取装置3の駆動が禁止される。即ち、エンジン停止ソレノイド117によってエンジン14が自動的に停止維持され、且つ警報ブザー116の報知によって、オペレータの誤操作等にてエンジン14が始動されるのも禁止されるから、刈取装置3の前側の掃除又は詰まり穀稈の除去等のメンテナンス作業において、刈取装置3の各部がエンジン14によって作動するのを心配する必要がない。したがって、刈取装置3前部の穀稈搬送装置224のメンテナンス作業等をスムーズに実行できる。
【0050】
上記の記載及び図1、図7乃至図12から明らかなように、エンジン14によって作動する走行部2を備えた走行機体1と、刈取装置3と、脱穀装置5とを備え、刈取装置3は、圃場に植立した穀稈を穀稈引起し装置223にて引起し、前記穀稈の株元を刈刃装置222にて切断し、脱穀装置5に前記穀稈を穀稈搬送装置224にて搬送するように構成し、穀稈引起し装置223に多条用の複数の引起しケース29を横並びに設けたコンバインにおいて、多条用の複数の引起しケース29の背面側に縦軸としての引起駆動ケース87をそれぞれ配置し、各引起しケース29の上端側をそれに対向した各引起駆動ケース87にそれぞれ連結させ、各引起駆動ケース87回りに各引起しケース29を各別にそれぞれ回動可能に構成したものであるから、刈取装置3の前側を開放させるときに、引起しケース29を上方に持上げる必要がない。また、上方に持上げた引起しケース29の降下を支持杆によって阻止する必要もない。したがって、刈取装置3の前側の穀稈掻き込み部(スターホイル30C,30L,30R、又は掻込ベルト31C,31L,31R等)や、穀稈搬送部(株元搬送チェン33C,33L,33R等)の前面側の必要個所を、それに該当する引起しケース29毎に簡単に開放作動できる。刈取装置3の前側における掃除又は詰まり穀稈の除去等のメンテナンス作業性を向上できる。
【0051】
上記の記載及び図7乃至図12から明らかなように、各引起しケース29の前側に多条用の複数の分草体225及び分草フレーム20を横並びに設ける構造であって、各分草フレーム20に各分草体225を前方に回動可能にそれぞれ配置し、分草体225の前方回動によってその後端側を前方に移動させた状態で、引起駆動ケース87回りに引起しケース29を回動させるように構成したものであるから、従来の作業(引起しケースを持上げる作業)に比べて、前記刈取装置3の前側を開放させるオペレータの操作力(引起しケース29を回動させる操作力)を低減できる。また、刈取装置3の前側を開放するときに、分草体225又は分草フレーム20を取外す必要もない。刈取装置3の前側を簡単に開放できる。
【0052】
上記の記載及び図9、図13から明らかなように、分草体225の前方回動を検出する分草体オープンセンサ114と、分草体225の前方回動をオペレータに報知する警報作動部としての警報ブザー116、又は分草体225の前方回動によってエンジン14を停止維持するエンジン停止操作部としてのエンジン停止ソレノイド117を設けたものであるから、分草体225が収穫作業位置から外れた位置に支持されているときに、エンジン停止ソレノイド117によって前記エンジン14が自動的に停止維持される。また、警報ブザー116からの報知によって、オペレータの誤操作等にてエンジン14が始動されるのも禁止される。刈取装置3の前側の掃除又は詰まり穀稈の除去等のメンテナンス作業において、刈取装置3の各部がエンジン14によって作動する誤動作を心配する必要がない。したがって、刈取装置3の前側のメンテナンス作業をスムーズに実行できる。一方、収穫作業中、例えば圃場の盛り土等の障害物に分草体225の前側が衝突して、分草体225の前方回動等によって、分草体オープンセンサ114が作動した場合にも、エンジン停止ソレノイド117が作動してエンジン14が自動的に停止される。即ち、収穫作業中、例えば圃場の盛り土等の障害物に分草体225の前側が衝突した場合、分草体225の前方回動等によって、分草体オープンセンサ114が作動するから、刈取装置3等の損傷を最低限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の第1実施形態の6条刈り用コンバインの左側面図である。
【図2】同コンバインの平面図である。
【図3】刈刃装置及び穀稈搬送装置等の刈取装置の側面説明図である。
【図4】同刈取装置の平面説明図である。
【図5】コンバインの駆動系統図である。
【図6】コンバインの正面図である。
【図7】穀稈引起装置を引起し作業姿勢に支持した正面図である。
【図8】穀稈引起装置を非作業姿勢に支持した正面図である。
【図9】引起ケース部の側面図である。
【図10】引起ケース部の正面図である。
【図11】引起しケースの上部の側面図である。
【図12】引起しケースの上部の正面図である。
【図13】エンジンを停止させる電気回路図である。
【符号の説明】
【0054】
1 走行機体
2 走行クローラ(走行部)
3 刈取装置
5 脱穀装置
14 エンジン
20 分草フレーム
29 引起ケース
87 引起駆動ケース(縦軸)
114 分草体オープンセンサ
116 警報ブザー(警報作動部)
117 エンジン停止ソレノイド(エンジン停止操作部)
222 刈刃装置
223 穀稈引起装置
224 穀稈搬送装置
225 分草体




【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンによって作動する走行部を備えた走行機体と、刈取装置と、脱穀装置とを備え、前記刈取装置は、圃場に植立した穀稈を穀稈引起し装置にて引起し、前記穀稈の株元を刈刃装置にて切断し、前記脱穀装置に前記穀稈を穀稈搬送装置にて搬送するように構成し、前記穀稈引起し装置に多条用の複数の引起しケースを横並びに設けたコンバインにおいて、
前記多条用の複数の引起しケースの背面側に縦軸をそれぞれ配置し、前記各引起しケースの上端側をそれに対向した前記各縦軸にそれぞれ連結させ、前記各縦軸回りに前記各引起しケースを各別にそれぞれ回動可能に構成したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記各引起しケースの前側に多条用の複数の分草体及び分草フレームを横並びに設ける構造であって、前記各分草フレームに前記各分草体を前方に回動可能にそれぞれ配置し、前記分草体の前方回動によってその後端側を前方に移動させた状態で、前記縦軸回りに前記引起しケースを回動させるように構成したことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記分草体の前方回動を検出する分草体オープンセンサと、前記分草体の前方回動をオペレータに報知する警報作動部、又は前記分草体の前方回動によって前記エンジンを停止維持するエンジン停止操作部を設けたことを特徴とする請求項2に記載のコンバイン。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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