コンバイン
【課題】容易にかつ瞬時に認識可能なクラッチの係合状態を示すインジケータを備えたコンバインを提供する。
【解決手段】スイッチパネル57は、刈取りクラッチ及び脱穀クラッチを操作するパワークラッチスイッチ59と、刈取りクラッチの係合状態を表示する刈取りクラッチインジケータ60、脱穀クラッチの係合状態を表示する脱穀クラッチインジケータ61、両クラッチが切断された場合に点灯する切りインジケータ62からなるパワークラッチインジケータを有している。パワークラッチインジケータは、互いに独立してクラッチの係合状態を表示し、両クラッチが共に切断されている場合、切りインジケータ62が点灯し、脱穀クラッチが係合すると切りインジケータ62が消灯すると共に脱穀クラッチインジケータ61が点灯し、両クラッチが係合すると脱穀クラッチインジケータ61は点灯したまま、刈取りクラッチインジケータ60が点灯する。
【解決手段】スイッチパネル57は、刈取りクラッチ及び脱穀クラッチを操作するパワークラッチスイッチ59と、刈取りクラッチの係合状態を表示する刈取りクラッチインジケータ60、脱穀クラッチの係合状態を表示する脱穀クラッチインジケータ61、両クラッチが切断された場合に点灯する切りインジケータ62からなるパワークラッチインジケータを有している。パワークラッチインジケータは、互いに独立してクラッチの係合状態を表示し、両クラッチが共に切断されている場合、切りインジケータ62が点灯し、脱穀クラッチが係合すると切りインジケータ62が消灯すると共に脱穀クラッチインジケータ61が点灯し、両クラッチが係合すると脱穀クラッチインジケータ61は点灯したまま、刈取りクラッチインジケータ60が点灯する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場の穀稈を刈取ると共に脱穀するコンバインに係り、詳しくは、所定の順序で係脱してエンジンからの動力を断接する複数のクラッチを備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テンションクラッチからなる刈取りクラッチ43及び脱穀クラッチ44からそれぞれ伸びるワイヤ45,47を、電動モータ48の駆動に応じて回動するセクタギヤ54に異なる方向から連結し、該セクタギヤ54の初期位置から中間位置への回動により刈取りクラッチ43を切断したまま、脱穀クラッチ44のみを係合させ、セクタギヤ54の中間位置から終端位置への回動により、脱穀クラッチ44を係合させたまま、刈取りクラッチ43を係合させるコンバインが案出されている(特許文献1参照)。
【0003】
上記電動モータ48の回動は、作業系クラッチレバー49によって操作されており、該作業系クラッチレバー49はレバー支軸50を支点として前後に回動操作可能に支持されると共に、基端部にカム部49aを有している。そして、該カム部49aの対向位置には二個のレバー位置検出スイッチ51,52が設けられ、これらレバー位置検出スイッチ51,52とカム部49aとの当接によって作業系クラッチレバー49の操作位置が検出されており、上記刈取りクラッチ43及び脱穀クラッチ44は、検出された操作位置に基づいて電動モータ48が作動することにより係脱されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−77959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業者は、収穫作業や脱穀作業をする際に、その作業に応じて上記脱穀クラッチ及び刈取りクラッチを係脱させる。しかしながら、これら脱穀クラッチ及び刈取りクラッチのように、互いに連動して所定の順序でクラッチが係脱されるものでは、上記操作レバーの位置だけではそれぞれのクラッチの係合状態を瞬時に認識することが難しかった。
【0006】
また、クラッチの係合状態を示すインジケータを有していたとしても、各インジケータが独立して対応するクラッチの係合状態を表示しないものでは、例えば、第2クラッチが係合した状態から第1クラッチが係合すると、依然として第2クラッチは係合しているにも係らず、第2クラッチが係合していることを示していたインジケータが消灯し、第1インジケータの係合状態を示すインジケータのみが代わりに点灯してしまい、第2クラッチの係合状態が分からなくなってしまう虞があった。
【0007】
そこで、本発明は、所定の順序で係脱する第1クラッチ及び第2クラッチの係合状態をそれぞれ表示する第1及び第2インジケータを設け、これら第1及び第2インジケータが、連動して係脱する第1及び第2クラッチの係合状態を独立して表示することによって、上記課題を解決したコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、駆動源(22)からの動力を断接する第1クラッチ(46)と、該第1クラッチ(46)の伝動下流側に設けられた第2クラッチ(47)と、これら第1及び第2クラッチ(46,47)を係脱させるクラッチアクチュエータ(52)と、を備え、これら第1及び第2クラッチ(46,47)が前記クラッチアクチュエータ(52)の駆動により所定の順序で係脱するコンバイン(1)において、
前記第1クラッチ(46)の係合状態を表示する第1インジケータ(61)と、
前記第2クラッチ(47)の係合状態を表示する第2インジケータ(60)と、を備え、
これら第1及び第2クラッチ(46,47)が切断されている場合には前記第1及び第2インジケータ(61,60)を消灯し(例えば図11の状態)、前記第1クラッチ(46)が係合されている場合には前記第1インジケータ(61)を点灯し(図12の状態)、前記第1及び第2クラッチ(46,47)が係合されている場合には前記第1及び第2インジケータ(61,60)の両方を点灯してなる(例えば図13の状態)、
ことを特徴とするコンバイン(1)にある。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記クラッチアクチュエータ(52)を操作して前記第1及び第2クラッチ(46,47)を係脱させる操作スイッチ(59)と、
これら第1及び第2クラッチ(46,47)が切断されている場合に点灯する第3インジケータ(62)と、を備え、
前記操作スイッチ(59)と前記第1乃至第3インジケータ(61,60,62)とを近接して配置し、これら操作スイッチ(59)及び第1乃至第3インジケータ(61,60,62)が設けられたパネル部分(76)の表面を同色(たとえば黄色)で形成すると共に、
前記第1及び第2インジケータ(61,60)を同色もしくは同系色(例えば橙色)で点灯させ、前記第3インジケータ(62)をこれら第1及び第2インジケータ(61,60)とは異なった色(たとえば緑色)で点灯させてなる、
請求項1記載のコンバイン(1)にある。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記第1乃至第3インジケータ(61,60,62)を、前記第1及び第2クラッチ(46,47)が係合する順序に応じて、前記第3インジケータ(62)、前記第1インジケータ(61)、前記第2インジケータ(60)の順序で、一列状に配置してなる、
請求項2記載のコンバイン(1)にある。
【0011】
なお、括弧内の符号等は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によると、第1及び第2クラッチの係合状態を示すインジケータをそれぞれ設け、これら第1及び第2インジケータが第1及び第2クラッチの係合状態を独立して表示することによって、作業者はこれら連動して所定の順序で係脱する複数のクラッチにおいても容易にその係合状態を認識することができ、作業に応じてクラッチを確実に係脱させることができる。
【0013】
請求項2に係る発明によると、第1及び第2クラッチが共に切断されている場合に点灯する第3インジケータを設け、該第3インジケータの点灯色を第1及び第2インジケータとは異なる色にすることによって、第1クラッチ及び第2クラッチが切断状態にあることを容易に認識することができる。また、第1及び第2インジケータを同色もしくは同系色で点灯させることによって、クラッチが係合状態にあることが容易に認識することができる。更に、第1及び第2クラッチの係脱を操作するスイッチと、第1乃至第3インジケータが設けられているパネル部の表面を同色にしたことにより、他のインジケータと混同せずに、瞬時にクラッチ関係のインジケータであることが分かり、クラッチの係合状態を容易かつ確実に認識することができる。
【0014】
請求項3に係る発明によると、インジケータを、クラッチの係合順序に応じて、第3インジケータ、第1インジケータ、第2インジケータの順序で一列状に配置したことによって、インジケータ位置と点灯個数の2つの手段で、確実かつ瞬時にクラッチの係合状態を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本願発明の実施形態に係るコンバインの側面図。
【図2】本願発明の実施形態に係るコンバインの平面図。
【図3】本願発明の実施形態に係るコンバインの伝動系統図。
【図4】本願発明の実施形態に係る刈取り及び脱穀クラッチの右側面図。
【図5】刈取りクラッチが切断され、脱穀クラッチが切断された状態における図4の左側面図。
【図6】刈取りクラッチが切断され、脱穀クラッチが係合された状態における図4の左側面図。
【図7】刈取りクラッチが係合され、脱穀クラッチが係合された状態における図4の左側面図。
【図8】本願発明の実施形態に係るスイッチパネルの正面図。
【図9】本願発明の実施形態に係るコンバインのブロック図。
【図10】本願発明の実施形態に係るコンバインのタイミングチャート。
【図11】刈取り及び脱穀クラッチが図5の状態におけるスイッチパネルを示す平面図。
【図12】刈取り及び脱穀クラッチが図6の状態におけるスイッチパネルを示す平面図。
【図13】刈取り及び脱穀クラッチが図7の状態におけるスイッチパネルを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面に基づいて本発明の実施形態に係るコンバインについて説明をする。なお、説明中の方向は作業者が機体に着座した状態を基準として考えるものとする。
【0017】
[コンバインの概略]
図1及び図2に示すように、コンバイン1は、左右一対のクローラ走行装置2,2に支持された機体3を有していると共に、該機体3の前方には前処理部5が昇降自在に設けられている。該前処理部5の側方には作業者が着座して運転操作する運転操作部6が設けられていると共に、その後方には穀稈を脱穀する脱穀部7及び排藁を処理する後処理部9が設けられている。また、脱穀された穀粒は、脱穀部7の側方かつ、運転操作部6の後方に設けられたグレンタンク10に一時的に貯留され、排出オーガ11によって機外へと排出されるように構成されている。
【0018】
上記前処理部5は、その前部に複数設けられて穀稈を分草するデバイダ12と、デバイダ12の後方で分草された穀稈を引起す引起装置13と、穀稈を刈取るレシプロ式の刈刃を有する刈取装置15と、引起された穀稈の株元側を掻き込む掻込搬送装置(不図示)と、刈取装置15によって刈取られた穀稈を搬送して脱穀部7のフィードチェーン16に受け渡す穀稈搬送装置17などから構成されている。また、脱穀部7は、図3に示すように、フィードチェーン16によって搬送されてきた穀稈を脱穀する第1及び第2こぎ胴19,20、脱穀された穀粒を風選別する唐箕ファン21、穀粒を篩い選別する揺動流板(不図示)などから構成されている。
【0019】
次に、図3に基づいてコンバイン1の動力伝達について説明をする。エンジン(駆動源)22の出力軸23には走行用プーリ23aが設けられており、該走行用プーリ23aと走行HST26の入力軸27に設けられたプーリ27aとの間には走行ベルト25が巻回している。また、走行HST26は、トランスミッション29に接続しており、エンジン22から出力された動力はこれら走行HST26及びトランスミッション29によって変速されると共に左右のドライブシャフトに出力されて、クローラ走行装置2,2の駆動スプロケット30,30に伝達される。これら走行HST26、トランスミッション29などによってコンバイン1の走行伝動系Aが形成されている。
【0020】
一方、上述したエンジン22の出力軸23には、走行用プーリ23aの他にエンジンクランクプーリ23bが設けられており、該エンジンクランクプーリ23bと搬送トランスミッション31の入力軸32に設けられているプーリ32aとの間には、カウンター入力ベルト33が巻回している。また、搬送トランスミッション31の入力軸32にはプーリ32bが設けられており、該プーリ32bと唐箕ファン21の駆動軸35に設けられたプーリ35aとの間にはベルト36が巻回されている。そして、エンジン22からの動力は、これらベルト33,36を介して上述した脱穀部7及び後処理部9に伝達されている。
【0021】
また、搬送トランスミッション31には搬送HST37が取付けられており、入力軸32に出力された動力は、これら搬送トランスミッション31及び搬送HST37により変速されて搬送トランスミッションの出力軸39に出力される。出力軸39の端部にはプーリ40が設けられており、該プーリ40と横伝動軸41に設けられた刈取り入力プーリ42との間には刈取りベルト43が巻回されている。そして、横伝動軸41は、ベベルギヤ41a,45aの噛合により前処理伝動軸45に動力を伝達し、該前処理伝動軸45により前処理部5にエンジン22からの動力が伝達される。
【0022】
上述した脱穀部7及び前処理部5へ動力を伝達する作業部動力伝動系Bには、エンジン22からの動力を係脱して断接する2つのテンションクラッチが設けられており、これら2つのクラッチの内、脱穀クラッチ(第1クラッチ)46は伝動上流側に位置し、刈取りクラッチ(第2クラッチ)47は該脱穀クラッチ46よりも伝動下流側に位置している。
【0023】
上記脱穀クラッチ46は、エンジンクランクプーリ23bとプーリ32aとの間に巻回されたカウンター入力ベルト33に設けられており、作業部動力伝動系Bの伝動最上流において、脱穀部7及び前処理部5などへの動力伝達を断接している。そのため、脱穀クラッチ46が切断状態にあるとエンジン22からの動力は、脱穀部7及び前処理部5に伝達されないように構成されている。また、刈取りクラッチ47は、プーリ40と刈取り入力プーリ42との間に巻回された刈取りベルト43に設けられており、該刈取りクラッチ47が切断状態にあると前処理部5への動力が伝達されないように構成されている。
【0024】
そのため、作業部動力伝動系Bは、脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47共に係合している場合には、エンジン22からの動力が脱穀部7及び前処理部5に伝達され、脱穀クラッチ46のみが係合している場合には、エンジン22からの動力が脱穀部7のみに伝達され、脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47の両方が切断されている場合には、脱穀部7及び前処理部5の両方にエンジン22からの動力が伝達されないように構成されている。
【0025】
[脱穀クラッチ及び刈取りクラッチの構造]
次に、脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47の構成について説明をする。図4乃至図7に示すように、搬送トランスミッション31には、上記脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47のテンションアーム46b,47bが回動自在に設けられており、脱穀クラッチ46のテンションアーム46bの先端部には脱穀プーリ46aが設けられている。脱穀クラッチ46は、テンションアーム46bが回動することにより、脱穀プーリ46aがカウンター入力ベルト33に当接し、該カウンター入力ベルト33を緊張又は弛緩させて、作業部伝動系Bへの動力伝達を断接している。
【0026】
また、刈取りクラッチ47のテンションアーム47bの先端部には刈取りプーリ47aが設けられており、刈取りクラッチ47は、テンションアーム47bが回動することにより刈取りプーリ47aが刈取りベルト43に当接し、該刈取りベルト43を緊張又は弛緩させて、前処理部5への動力伝達を断接している。
【0027】
これら、テンションアーム46b,47bには、それぞれリンク機構50,51が取付けられており、リンク機構50,51の他端は、伝動モータからなるクラッチアクチュエータ52の出力軸に設けられた駆動ピニオンギヤ53と噛合して回動する単一のセクタギヤ55の両端にそれぞれ接続されている。そのため、クラッチアクチュエータ52の出力軸に出力された動力は、セクタギヤ55、リンク機構50,51を介して、テンションアーム46b,47bに伝達され、これらテンションアーム46b,47bを回動させることによって脱穀及び刈取りクラッチ46,47が連動して係脱するように構成されている。また、セクタギヤ55はポテンショメータ56によって回動量が検出されており、その回動位置の検出が可能に構成されている。
【0028】
次に、本発明の要部である脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47の係脱を操作するスイッチパネル57について説明をする。図2及び図8に示すように、スイッチパネル57は、運転操作部6の運転座席8の側方に設けられており、クラッチアクチュエータ52を操作して脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47を係脱させるパワークラッチスイッチ(操作スイッチ)59と、該パワークラッチスイッチ59の側方に近接して配置された刈取りクラッチインジケータ(第2インジケータ)60、脱穀クラッチインジケータ(第1インジケータ)61、切りインジケータ(第3インジケータ)62からなるパワークラッチインジケータと、これらパワークラッチインジケータ60,61,62の側方に設けられた扱ぎ深さ自動スイッチ63及び扱ぎ深さ自動インジケータ65と、方向自動スイッチ66及び方向自動インジケータ67と、水平自動スイッチ69及び水平自動インジケータ70と、旋回切換えダイヤル付きスイッチ71及び旋回切換えインジケータ72と、選別自動ダイヤル付きスイッチ73及び選別自動インジケータ75とを有している。
【0029】
上記パワークラッチスイッチ59はシーソースイッチにより構成されており、スイッチの上側矢印方向を押すと、クラッチ入スイッチ59aがONになり、制御部(マイコン)78からの制御信号によりクラッチアクチュエータ52を駆動させる。それにより、一度クラッチ入スイッチ59aがONになるとセクタギヤ55が時計回りに回動して、脱穀クラッチ46が係合し、再度、クラッチ入スイッチ59aがONになると更にセクタギヤ55が時計回りに回動して、刈取りクラッチ47が係合する。一方、スイッチの下側矢印方向を押すと、クラッチ切スイッチ59bがONになり、制御部78からの制御信号によりクラッチアクチュエータ52を駆動させる。それにより、一度クラッチ切スイッチ59bがONになるとセクタギヤ55が反時計回りに回動して、刈取りクラッチ47が切断され、再度、クラッチ切スイッチ59bがONになると更にセクタギヤ55が反時計回りに回動して、脱穀クラッチ47が切断される。
【0030】
一方、パワークラッチインジケータ60,61,62は、脱穀及び刈取りクラッチ46,47の係合順序に合わせて、切りインジケータ62、脱穀クラッチインジケータ61、刈取りクラッチインジケータ60の順序で一列状に配設されており、上記パワークラッチスイッチ59の操作(矢印)方向と同じ方向にインジケータが点灯/消灯してゆく。つまり、パワークラッチスイッチ59の上側矢印方向を押してクラッチ入スイッチ59aをONにすると、パワークラッチインジケータ60,61,62は、切りインジケータ62が消灯し、その後、クラッチ入スイッチ59aをONする度に、下から脱穀クラッチインジケータ61、刈取りクラッチインジケータ60の順に点灯する。また、パワークラッチスイッチ59の下側矢印方向を押してクラッチ切スイッチ59bをONすると、上から刈取りクラッチインジケータ60が消灯し、その後、クラッチ切スイッチ59bをONする度に、脱穀クラッチインジケータ61が消灯し、脱穀及び刈取りクラッチ46,47が共に切断されると切りインジケータ62が点灯する。
【0031】
これら、パワークラッチインジケータ60,61,62は、2色のLEDランプによって構成されており、クラッチ46,47が係合した際に点灯する刈取りクラッチインジケータ60及び脱穀クラッチインジケータ61は橙色のLEDランプにより構成され、両クラッチ46,47が切断されている際に点灯する切りインジケータ62は緑色のLEDランプにより構成されている。つまり、クラッチの係合状態は、橙色のLEDランプで表示され、クラッチの切断状態は、緑色のLEDランプで表示されている。
【0032】
また、これらのパワークラッチインジケータ60,61,62は、それぞれ独立して刈取り及び脱穀クラッチ46,47の係合状態を表示しており、脱穀クラッチ46のみ係合状態にある場合は、脱穀クラッチインジケータ61のみが点灯し、該脱穀クラッチ46が係合したまま、更に刈取りクラッチ47が係合しても、脱穀クラッチインジケータ61は点灯した状態を保ちつつ、刈取りクラッチインジケータ60が点灯する。
【0033】
更に、スイッチパネル57には、扱ぎ深さ自動インジケータ65、方向自動インジケータ67、水平自動インジケータ70、旋回切換えインジケータ72、選別自動インジケータ75など複数のインジケータに橙色LEDが用いられているが、パワークラッチスイッチ59の表面には黄色ラベルが貼られていると共に、パワークラッチインジケータ60,61,62が設けられているパネル部分76(パワークラッチインジケータ60,61,62周辺)にも、同じ黄色のラベルが貼られており、瞬時にクラッチ関係の表示であると認識できるように構成されている。
【0034】
次に、本発明に係るコンバイン1の作用について、特にスイッチパネル57のパワークラッチインジケータ60,61,62を主に説明する。作業者は、脱穀部7のみを駆動させ、フィードチェーン16に直接穀稈を供給して脱穀する手こぎ作業を行うに際して、まず、運転操作部6に乗込んでエンジン22を始動させる。この時、図5に示すように、脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47は、脱穀及び刈取りプーリ46a,47aがベルト33,43から離れた切断状態にあり、図11に示すように、スイッチパネル57では緑色の切りインジケータ62が点灯している(図10の期間m)。
【0035】
作業者は、脱穀部7にエンジン22からの動力を伝達するため、パワークラッチスイッチ59のクラッチ入りスイッチ59aを押し、脱穀クラッチ46を係合させる。上記クラッチ入りスイッチ59aが所定時間t以上押圧されるとスイッチ操作が確定し、制御部78からクラッチアクチュエータ52に制御信号が出力される。そして、クラッチアクチュエータ52が回動して、セクタギヤ55を初期位置(図5の位置)から時計回りに中間位置(図6の位置)まで回動させる。セクタギヤ55が初期位置から中間位置まで回動すると、リンク機構50を介してテンションアーム46bが回動して、脱穀プーリ46aがカウンター入力ベルト33に当接し、脱穀クラッチ46のみが係合する。
【0036】
また同時に、制御部78からパワークラッチインジケータ60,61,62に制御信号が出力され、クラッチ46,47の切断を示していた切りインジケータ62が消灯し、橙色の脱穀クラッチインジケータ61が点灯する。作業者は、脱穀クラッチインジケータ61の点灯により脱穀クラッチ46が係合したことを確認すると、運転操作部6から降りてフィードチェーン16に穀稈を供給する(図10の期間n)。
【0037】
手こぎ作業が終了し、コンバイン1で圃場を走行して収穫作業を行う場合、作業者は、パワークラッチスイッチ59のクラッチ入スイッチ59aを所定時間t以上押して、刈取りクラッチ47を係合させる。クラッチ入りスイッチ59aが押圧されると、同様に制御部78からクラッチアクチュエータ52に制御信号が出力され、セクタギヤ55が中間位置から終端位置まで回動する。セクタギヤ55が終端位置まで回動すると、図7に示すように、リンク機構51を介して刈取りクラッチ47のテンションアーム47bが回動して、刈取りプーリ47aが刈取りベルト43に当接し、脱穀クラッチ46が係合した状態を保ちつつ刈取りクラッチ47も係合する(図7の状態)。
【0038】
また、制御部78から刈取りクラッチインジケータ60に制御信号が出力され、刈取りクラッチインジケータ60が点灯する。この時、パワークラッチインジケータ60,61,62は、それぞれ独立してクラッチ46,47の係合状態を表示するため、図13に示すように脱穀クラッチインジケータ61は点灯したままである。作業者は、黄色ラベルで表示されたパネル部76の脱穀インジケータ61及び刈取りインジケータ60が点灯したことを確認すると、コンバイン1を走行させて、前処理部5で圃場の穀稈を刈取りながら、刈取った穀稈を脱穀部7で脱穀して収穫作業を進める(図10の期間o)。
【0039】
上記収穫作業が終了すると、作業者はパワークラッチスイッチの切りスイッチ59bを所定時間t以上押圧することによって、クラッチ46,47を係合する順序とは逆に切断し、作業者が切りスイッチ59bを押圧する毎に、クラッチは刈取りクラッチ47、脱穀クラッチ46の順で切断される。また、パワークラッチインジケータ60,61,62も同様に、刈取り及び脱穀の両クラッチインジケータ60,61が点灯した状態(図13の状態)から、切りスイッチ59bが押圧される毎に、刈取りクラッチインジケータ60、脱穀クラッチインジケータ61の順で消灯し(図12から図11の状態へ移行)、脱穀及び刈取りクラッチ46,47が切断されると、切りインジケータ62が点灯する(図10の期間p)。
【0040】
また、作業者は、脱穀及び刈取りの両クラッチ46,47が切断されている状態から、これらのクラッチ46,47を係合させて収穫作業を行いたい場合には、パワークラッチスイッチ59のクラッチ入スイッチ59aを長押しすると、セクタギヤ55が初期位置から終端位置まで一気に回動して脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47の両方が係合する(図11の期間q)。更に、これら両クラッチ46,47が係合した状態からパワークラッチスイッチ59のクラッチ切スイッチ59bを長押しすると、セクタギヤ55が終端位置から初期位置まで回動して、これら脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47の両方が切断される(図11の期間r)。
【0041】
この時、パワークラッチインジケータ60,61,62は、クラッチ入スイッチ59aが長押しされた場合には、図11に示す、切りインジケータ62が点灯している状態から、図13に示す、脱穀及び刈取りインジケータ61,60が点灯した状態となり、クラッチ切スイッチ59bが長押しされた場合には、図13の状態から図11の状態へと変化する。なお、パワークラッチスイッチ59の長押し時間Tは、通常のスイッチ操作が確定される時間tより長く、かつ作業者が操作しやすい範囲内で適宜設定される(T>t)。
【0042】
上述したように、パワークラッチインジケータ60,61,62をそれぞれ独立して脱穀クラッチ46、刈取りクラッチ47の係合状態を表示するように構成すると共に、クラッチ46,47が係合状態にある際に点灯する脱穀および刈取りインジケータ61,60を橙色のインジケータとし、クラッチ46,47が切断状態にある際に点灯する切りインジケータ62を緑色のインジケータとしたことによって、作業者は、互いに連動して所定の順序で係脱する脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47においても、各クラッチの係合状態を容易に認識することができる。
【0043】
例えば、緑色の切りインジケータ62が点灯していれば「切」の文字を確認することなく脱穀及び刈取りクラッチ46,47が切断していると容易に確認できる。また、橙色のインジケータ(脱穀インジケータ61)が1個点灯していれば「脱こく」の文字を確認することなく脱穀クラッチ46のみ係合していると容易に認識できる。更に、橙色のインジケータ(脱穀及び刈取りインジケータ61,60)が2個点灯していれば「脱こく及び刈取り」の文字を確認することなく脱穀及び刈取りクラッチ46,47が係合していると容易に認識できる。それに対して、「切」と「脱こく・刈取」のインジケータの色が同じであったり、脱穀及び刈取りの両方のクラッチ46,47が係合している場合に刈取りインジケータ60のみ点灯していたりしていると、インジケータ横の文字を見ないとクラッチの係合状態がわからない。
【0044】
更に、パワークラッチインジケータ60,61,62は、脱穀および刈取りクラッチ46,47が係脱する順序に応じて、切りクラッチインジケータ62、脱穀クラッチインジケータ61、刈取りインジケータ60の順序で一列状に配設されているため、上記クラッチインジケータの点灯色とも相俟って、作業者は容易かつ確実にクラッチの係合状態を把握することができる。
【0045】
また、脱穀及び刈取りクラッチ46,47を操作するパワークラッチスイッチ59の表面及び、パワークラッチインジケータ60,61,62が配設されたパネル部76の表面を黄色で統一したことにより、作業者は瞬時にこれらがクラッチ46,47に関連した表示及び操作部材であることが認識でき、作業中などにおける、クラッチ46,47の係合状態の確認及び操作を容易にすることができる。
【0046】
なお、本実施形態では、パワークラッチインジケータ60,61,62のうち、クラッチが係合している際に点灯する脱穀クラッチインジケータ61、刈取りクラッチインジケータ60を橙色とし、クラッチが切断されている際に点灯する切りインジケータ62を緑色としたが、これらのインジケータ60,61,62は、上述した色に限定されるものではなく、クラッチの係合を表示するインジケータ60,61が同系色(同色も含む)で点灯し、クラッチの切断を表示するインジケータ62がクラッチの係合を示すインジケータ60,61と明確に識別可能な異なった色で点灯するように構成されていればどのような色の組み合わせでもよい。
【0047】
更に、このインジケータ60,61,62の表示形式は、脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47の係合状態の表示に限定されるものではなく、互いに連動して係脱するクラッチ46,47であれば、どのようなクラッチの係合状態の表示に使用されてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 コンバイン
22 エンジン(駆動源)
46 脱穀クラッチ(第1クラッチ)
47 刈取りクラッチ(第2クラッチ)
52 クラッチアクチュエータ
59 パワークラッチスイッチ(操作スイッチ)
60 刈取りクラッチインジケータ(第2インジケータ)
61 脱穀クラッチインジケータ(第1インジケータ)
62 切りインジケータ(第3インジケータ)
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場の穀稈を刈取ると共に脱穀するコンバインに係り、詳しくは、所定の順序で係脱してエンジンからの動力を断接する複数のクラッチを備えたコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テンションクラッチからなる刈取りクラッチ43及び脱穀クラッチ44からそれぞれ伸びるワイヤ45,47を、電動モータ48の駆動に応じて回動するセクタギヤ54に異なる方向から連結し、該セクタギヤ54の初期位置から中間位置への回動により刈取りクラッチ43を切断したまま、脱穀クラッチ44のみを係合させ、セクタギヤ54の中間位置から終端位置への回動により、脱穀クラッチ44を係合させたまま、刈取りクラッチ43を係合させるコンバインが案出されている(特許文献1参照)。
【0003】
上記電動モータ48の回動は、作業系クラッチレバー49によって操作されており、該作業系クラッチレバー49はレバー支軸50を支点として前後に回動操作可能に支持されると共に、基端部にカム部49aを有している。そして、該カム部49aの対向位置には二個のレバー位置検出スイッチ51,52が設けられ、これらレバー位置検出スイッチ51,52とカム部49aとの当接によって作業系クラッチレバー49の操作位置が検出されており、上記刈取りクラッチ43及び脱穀クラッチ44は、検出された操作位置に基づいて電動モータ48が作動することにより係脱されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−77959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
作業者は、収穫作業や脱穀作業をする際に、その作業に応じて上記脱穀クラッチ及び刈取りクラッチを係脱させる。しかしながら、これら脱穀クラッチ及び刈取りクラッチのように、互いに連動して所定の順序でクラッチが係脱されるものでは、上記操作レバーの位置だけではそれぞれのクラッチの係合状態を瞬時に認識することが難しかった。
【0006】
また、クラッチの係合状態を示すインジケータを有していたとしても、各インジケータが独立して対応するクラッチの係合状態を表示しないものでは、例えば、第2クラッチが係合した状態から第1クラッチが係合すると、依然として第2クラッチは係合しているにも係らず、第2クラッチが係合していることを示していたインジケータが消灯し、第1インジケータの係合状態を示すインジケータのみが代わりに点灯してしまい、第2クラッチの係合状態が分からなくなってしまう虞があった。
【0007】
そこで、本発明は、所定の順序で係脱する第1クラッチ及び第2クラッチの係合状態をそれぞれ表示する第1及び第2インジケータを設け、これら第1及び第2インジケータが、連動して係脱する第1及び第2クラッチの係合状態を独立して表示することによって、上記課題を解決したコンバインを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に係る発明は、駆動源(22)からの動力を断接する第1クラッチ(46)と、該第1クラッチ(46)の伝動下流側に設けられた第2クラッチ(47)と、これら第1及び第2クラッチ(46,47)を係脱させるクラッチアクチュエータ(52)と、を備え、これら第1及び第2クラッチ(46,47)が前記クラッチアクチュエータ(52)の駆動により所定の順序で係脱するコンバイン(1)において、
前記第1クラッチ(46)の係合状態を表示する第1インジケータ(61)と、
前記第2クラッチ(47)の係合状態を表示する第2インジケータ(60)と、を備え、
これら第1及び第2クラッチ(46,47)が切断されている場合には前記第1及び第2インジケータ(61,60)を消灯し(例えば図11の状態)、前記第1クラッチ(46)が係合されている場合には前記第1インジケータ(61)を点灯し(図12の状態)、前記第1及び第2クラッチ(46,47)が係合されている場合には前記第1及び第2インジケータ(61,60)の両方を点灯してなる(例えば図13の状態)、
ことを特徴とするコンバイン(1)にある。
【0009】
請求項2に係る発明は、前記クラッチアクチュエータ(52)を操作して前記第1及び第2クラッチ(46,47)を係脱させる操作スイッチ(59)と、
これら第1及び第2クラッチ(46,47)が切断されている場合に点灯する第3インジケータ(62)と、を備え、
前記操作スイッチ(59)と前記第1乃至第3インジケータ(61,60,62)とを近接して配置し、これら操作スイッチ(59)及び第1乃至第3インジケータ(61,60,62)が設けられたパネル部分(76)の表面を同色(たとえば黄色)で形成すると共に、
前記第1及び第2インジケータ(61,60)を同色もしくは同系色(例えば橙色)で点灯させ、前記第3インジケータ(62)をこれら第1及び第2インジケータ(61,60)とは異なった色(たとえば緑色)で点灯させてなる、
請求項1記載のコンバイン(1)にある。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記第1乃至第3インジケータ(61,60,62)を、前記第1及び第2クラッチ(46,47)が係合する順序に応じて、前記第3インジケータ(62)、前記第1インジケータ(61)、前記第2インジケータ(60)の順序で、一列状に配置してなる、
請求項2記載のコンバイン(1)にある。
【0011】
なお、括弧内の符号等は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によると、第1及び第2クラッチの係合状態を示すインジケータをそれぞれ設け、これら第1及び第2インジケータが第1及び第2クラッチの係合状態を独立して表示することによって、作業者はこれら連動して所定の順序で係脱する複数のクラッチにおいても容易にその係合状態を認識することができ、作業に応じてクラッチを確実に係脱させることができる。
【0013】
請求項2に係る発明によると、第1及び第2クラッチが共に切断されている場合に点灯する第3インジケータを設け、該第3インジケータの点灯色を第1及び第2インジケータとは異なる色にすることによって、第1クラッチ及び第2クラッチが切断状態にあることを容易に認識することができる。また、第1及び第2インジケータを同色もしくは同系色で点灯させることによって、クラッチが係合状態にあることが容易に認識することができる。更に、第1及び第2クラッチの係脱を操作するスイッチと、第1乃至第3インジケータが設けられているパネル部の表面を同色にしたことにより、他のインジケータと混同せずに、瞬時にクラッチ関係のインジケータであることが分かり、クラッチの係合状態を容易かつ確実に認識することができる。
【0014】
請求項3に係る発明によると、インジケータを、クラッチの係合順序に応じて、第3インジケータ、第1インジケータ、第2インジケータの順序で一列状に配置したことによって、インジケータ位置と点灯個数の2つの手段で、確実かつ瞬時にクラッチの係合状態を判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本願発明の実施形態に係るコンバインの側面図。
【図2】本願発明の実施形態に係るコンバインの平面図。
【図3】本願発明の実施形態に係るコンバインの伝動系統図。
【図4】本願発明の実施形態に係る刈取り及び脱穀クラッチの右側面図。
【図5】刈取りクラッチが切断され、脱穀クラッチが切断された状態における図4の左側面図。
【図6】刈取りクラッチが切断され、脱穀クラッチが係合された状態における図4の左側面図。
【図7】刈取りクラッチが係合され、脱穀クラッチが係合された状態における図4の左側面図。
【図8】本願発明の実施形態に係るスイッチパネルの正面図。
【図9】本願発明の実施形態に係るコンバインのブロック図。
【図10】本願発明の実施形態に係るコンバインのタイミングチャート。
【図11】刈取り及び脱穀クラッチが図5の状態におけるスイッチパネルを示す平面図。
【図12】刈取り及び脱穀クラッチが図6の状態におけるスイッチパネルを示す平面図。
【図13】刈取り及び脱穀クラッチが図7の状態におけるスイッチパネルを示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面に基づいて本発明の実施形態に係るコンバインについて説明をする。なお、説明中の方向は作業者が機体に着座した状態を基準として考えるものとする。
【0017】
[コンバインの概略]
図1及び図2に示すように、コンバイン1は、左右一対のクローラ走行装置2,2に支持された機体3を有していると共に、該機体3の前方には前処理部5が昇降自在に設けられている。該前処理部5の側方には作業者が着座して運転操作する運転操作部6が設けられていると共に、その後方には穀稈を脱穀する脱穀部7及び排藁を処理する後処理部9が設けられている。また、脱穀された穀粒は、脱穀部7の側方かつ、運転操作部6の後方に設けられたグレンタンク10に一時的に貯留され、排出オーガ11によって機外へと排出されるように構成されている。
【0018】
上記前処理部5は、その前部に複数設けられて穀稈を分草するデバイダ12と、デバイダ12の後方で分草された穀稈を引起す引起装置13と、穀稈を刈取るレシプロ式の刈刃を有する刈取装置15と、引起された穀稈の株元側を掻き込む掻込搬送装置(不図示)と、刈取装置15によって刈取られた穀稈を搬送して脱穀部7のフィードチェーン16に受け渡す穀稈搬送装置17などから構成されている。また、脱穀部7は、図3に示すように、フィードチェーン16によって搬送されてきた穀稈を脱穀する第1及び第2こぎ胴19,20、脱穀された穀粒を風選別する唐箕ファン21、穀粒を篩い選別する揺動流板(不図示)などから構成されている。
【0019】
次に、図3に基づいてコンバイン1の動力伝達について説明をする。エンジン(駆動源)22の出力軸23には走行用プーリ23aが設けられており、該走行用プーリ23aと走行HST26の入力軸27に設けられたプーリ27aとの間には走行ベルト25が巻回している。また、走行HST26は、トランスミッション29に接続しており、エンジン22から出力された動力はこれら走行HST26及びトランスミッション29によって変速されると共に左右のドライブシャフトに出力されて、クローラ走行装置2,2の駆動スプロケット30,30に伝達される。これら走行HST26、トランスミッション29などによってコンバイン1の走行伝動系Aが形成されている。
【0020】
一方、上述したエンジン22の出力軸23には、走行用プーリ23aの他にエンジンクランクプーリ23bが設けられており、該エンジンクランクプーリ23bと搬送トランスミッション31の入力軸32に設けられているプーリ32aとの間には、カウンター入力ベルト33が巻回している。また、搬送トランスミッション31の入力軸32にはプーリ32bが設けられており、該プーリ32bと唐箕ファン21の駆動軸35に設けられたプーリ35aとの間にはベルト36が巻回されている。そして、エンジン22からの動力は、これらベルト33,36を介して上述した脱穀部7及び後処理部9に伝達されている。
【0021】
また、搬送トランスミッション31には搬送HST37が取付けられており、入力軸32に出力された動力は、これら搬送トランスミッション31及び搬送HST37により変速されて搬送トランスミッションの出力軸39に出力される。出力軸39の端部にはプーリ40が設けられており、該プーリ40と横伝動軸41に設けられた刈取り入力プーリ42との間には刈取りベルト43が巻回されている。そして、横伝動軸41は、ベベルギヤ41a,45aの噛合により前処理伝動軸45に動力を伝達し、該前処理伝動軸45により前処理部5にエンジン22からの動力が伝達される。
【0022】
上述した脱穀部7及び前処理部5へ動力を伝達する作業部動力伝動系Bには、エンジン22からの動力を係脱して断接する2つのテンションクラッチが設けられており、これら2つのクラッチの内、脱穀クラッチ(第1クラッチ)46は伝動上流側に位置し、刈取りクラッチ(第2クラッチ)47は該脱穀クラッチ46よりも伝動下流側に位置している。
【0023】
上記脱穀クラッチ46は、エンジンクランクプーリ23bとプーリ32aとの間に巻回されたカウンター入力ベルト33に設けられており、作業部動力伝動系Bの伝動最上流において、脱穀部7及び前処理部5などへの動力伝達を断接している。そのため、脱穀クラッチ46が切断状態にあるとエンジン22からの動力は、脱穀部7及び前処理部5に伝達されないように構成されている。また、刈取りクラッチ47は、プーリ40と刈取り入力プーリ42との間に巻回された刈取りベルト43に設けられており、該刈取りクラッチ47が切断状態にあると前処理部5への動力が伝達されないように構成されている。
【0024】
そのため、作業部動力伝動系Bは、脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47共に係合している場合には、エンジン22からの動力が脱穀部7及び前処理部5に伝達され、脱穀クラッチ46のみが係合している場合には、エンジン22からの動力が脱穀部7のみに伝達され、脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47の両方が切断されている場合には、脱穀部7及び前処理部5の両方にエンジン22からの動力が伝達されないように構成されている。
【0025】
[脱穀クラッチ及び刈取りクラッチの構造]
次に、脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47の構成について説明をする。図4乃至図7に示すように、搬送トランスミッション31には、上記脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47のテンションアーム46b,47bが回動自在に設けられており、脱穀クラッチ46のテンションアーム46bの先端部には脱穀プーリ46aが設けられている。脱穀クラッチ46は、テンションアーム46bが回動することにより、脱穀プーリ46aがカウンター入力ベルト33に当接し、該カウンター入力ベルト33を緊張又は弛緩させて、作業部伝動系Bへの動力伝達を断接している。
【0026】
また、刈取りクラッチ47のテンションアーム47bの先端部には刈取りプーリ47aが設けられており、刈取りクラッチ47は、テンションアーム47bが回動することにより刈取りプーリ47aが刈取りベルト43に当接し、該刈取りベルト43を緊張又は弛緩させて、前処理部5への動力伝達を断接している。
【0027】
これら、テンションアーム46b,47bには、それぞれリンク機構50,51が取付けられており、リンク機構50,51の他端は、伝動モータからなるクラッチアクチュエータ52の出力軸に設けられた駆動ピニオンギヤ53と噛合して回動する単一のセクタギヤ55の両端にそれぞれ接続されている。そのため、クラッチアクチュエータ52の出力軸に出力された動力は、セクタギヤ55、リンク機構50,51を介して、テンションアーム46b,47bに伝達され、これらテンションアーム46b,47bを回動させることによって脱穀及び刈取りクラッチ46,47が連動して係脱するように構成されている。また、セクタギヤ55はポテンショメータ56によって回動量が検出されており、その回動位置の検出が可能に構成されている。
【0028】
次に、本発明の要部である脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47の係脱を操作するスイッチパネル57について説明をする。図2及び図8に示すように、スイッチパネル57は、運転操作部6の運転座席8の側方に設けられており、クラッチアクチュエータ52を操作して脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47を係脱させるパワークラッチスイッチ(操作スイッチ)59と、該パワークラッチスイッチ59の側方に近接して配置された刈取りクラッチインジケータ(第2インジケータ)60、脱穀クラッチインジケータ(第1インジケータ)61、切りインジケータ(第3インジケータ)62からなるパワークラッチインジケータと、これらパワークラッチインジケータ60,61,62の側方に設けられた扱ぎ深さ自動スイッチ63及び扱ぎ深さ自動インジケータ65と、方向自動スイッチ66及び方向自動インジケータ67と、水平自動スイッチ69及び水平自動インジケータ70と、旋回切換えダイヤル付きスイッチ71及び旋回切換えインジケータ72と、選別自動ダイヤル付きスイッチ73及び選別自動インジケータ75とを有している。
【0029】
上記パワークラッチスイッチ59はシーソースイッチにより構成されており、スイッチの上側矢印方向を押すと、クラッチ入スイッチ59aがONになり、制御部(マイコン)78からの制御信号によりクラッチアクチュエータ52を駆動させる。それにより、一度クラッチ入スイッチ59aがONになるとセクタギヤ55が時計回りに回動して、脱穀クラッチ46が係合し、再度、クラッチ入スイッチ59aがONになると更にセクタギヤ55が時計回りに回動して、刈取りクラッチ47が係合する。一方、スイッチの下側矢印方向を押すと、クラッチ切スイッチ59bがONになり、制御部78からの制御信号によりクラッチアクチュエータ52を駆動させる。それにより、一度クラッチ切スイッチ59bがONになるとセクタギヤ55が反時計回りに回動して、刈取りクラッチ47が切断され、再度、クラッチ切スイッチ59bがONになると更にセクタギヤ55が反時計回りに回動して、脱穀クラッチ47が切断される。
【0030】
一方、パワークラッチインジケータ60,61,62は、脱穀及び刈取りクラッチ46,47の係合順序に合わせて、切りインジケータ62、脱穀クラッチインジケータ61、刈取りクラッチインジケータ60の順序で一列状に配設されており、上記パワークラッチスイッチ59の操作(矢印)方向と同じ方向にインジケータが点灯/消灯してゆく。つまり、パワークラッチスイッチ59の上側矢印方向を押してクラッチ入スイッチ59aをONにすると、パワークラッチインジケータ60,61,62は、切りインジケータ62が消灯し、その後、クラッチ入スイッチ59aをONする度に、下から脱穀クラッチインジケータ61、刈取りクラッチインジケータ60の順に点灯する。また、パワークラッチスイッチ59の下側矢印方向を押してクラッチ切スイッチ59bをONすると、上から刈取りクラッチインジケータ60が消灯し、その後、クラッチ切スイッチ59bをONする度に、脱穀クラッチインジケータ61が消灯し、脱穀及び刈取りクラッチ46,47が共に切断されると切りインジケータ62が点灯する。
【0031】
これら、パワークラッチインジケータ60,61,62は、2色のLEDランプによって構成されており、クラッチ46,47が係合した際に点灯する刈取りクラッチインジケータ60及び脱穀クラッチインジケータ61は橙色のLEDランプにより構成され、両クラッチ46,47が切断されている際に点灯する切りインジケータ62は緑色のLEDランプにより構成されている。つまり、クラッチの係合状態は、橙色のLEDランプで表示され、クラッチの切断状態は、緑色のLEDランプで表示されている。
【0032】
また、これらのパワークラッチインジケータ60,61,62は、それぞれ独立して刈取り及び脱穀クラッチ46,47の係合状態を表示しており、脱穀クラッチ46のみ係合状態にある場合は、脱穀クラッチインジケータ61のみが点灯し、該脱穀クラッチ46が係合したまま、更に刈取りクラッチ47が係合しても、脱穀クラッチインジケータ61は点灯した状態を保ちつつ、刈取りクラッチインジケータ60が点灯する。
【0033】
更に、スイッチパネル57には、扱ぎ深さ自動インジケータ65、方向自動インジケータ67、水平自動インジケータ70、旋回切換えインジケータ72、選別自動インジケータ75など複数のインジケータに橙色LEDが用いられているが、パワークラッチスイッチ59の表面には黄色ラベルが貼られていると共に、パワークラッチインジケータ60,61,62が設けられているパネル部分76(パワークラッチインジケータ60,61,62周辺)にも、同じ黄色のラベルが貼られており、瞬時にクラッチ関係の表示であると認識できるように構成されている。
【0034】
次に、本発明に係るコンバイン1の作用について、特にスイッチパネル57のパワークラッチインジケータ60,61,62を主に説明する。作業者は、脱穀部7のみを駆動させ、フィードチェーン16に直接穀稈を供給して脱穀する手こぎ作業を行うに際して、まず、運転操作部6に乗込んでエンジン22を始動させる。この時、図5に示すように、脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47は、脱穀及び刈取りプーリ46a,47aがベルト33,43から離れた切断状態にあり、図11に示すように、スイッチパネル57では緑色の切りインジケータ62が点灯している(図10の期間m)。
【0035】
作業者は、脱穀部7にエンジン22からの動力を伝達するため、パワークラッチスイッチ59のクラッチ入りスイッチ59aを押し、脱穀クラッチ46を係合させる。上記クラッチ入りスイッチ59aが所定時間t以上押圧されるとスイッチ操作が確定し、制御部78からクラッチアクチュエータ52に制御信号が出力される。そして、クラッチアクチュエータ52が回動して、セクタギヤ55を初期位置(図5の位置)から時計回りに中間位置(図6の位置)まで回動させる。セクタギヤ55が初期位置から中間位置まで回動すると、リンク機構50を介してテンションアーム46bが回動して、脱穀プーリ46aがカウンター入力ベルト33に当接し、脱穀クラッチ46のみが係合する。
【0036】
また同時に、制御部78からパワークラッチインジケータ60,61,62に制御信号が出力され、クラッチ46,47の切断を示していた切りインジケータ62が消灯し、橙色の脱穀クラッチインジケータ61が点灯する。作業者は、脱穀クラッチインジケータ61の点灯により脱穀クラッチ46が係合したことを確認すると、運転操作部6から降りてフィードチェーン16に穀稈を供給する(図10の期間n)。
【0037】
手こぎ作業が終了し、コンバイン1で圃場を走行して収穫作業を行う場合、作業者は、パワークラッチスイッチ59のクラッチ入スイッチ59aを所定時間t以上押して、刈取りクラッチ47を係合させる。クラッチ入りスイッチ59aが押圧されると、同様に制御部78からクラッチアクチュエータ52に制御信号が出力され、セクタギヤ55が中間位置から終端位置まで回動する。セクタギヤ55が終端位置まで回動すると、図7に示すように、リンク機構51を介して刈取りクラッチ47のテンションアーム47bが回動して、刈取りプーリ47aが刈取りベルト43に当接し、脱穀クラッチ46が係合した状態を保ちつつ刈取りクラッチ47も係合する(図7の状態)。
【0038】
また、制御部78から刈取りクラッチインジケータ60に制御信号が出力され、刈取りクラッチインジケータ60が点灯する。この時、パワークラッチインジケータ60,61,62は、それぞれ独立してクラッチ46,47の係合状態を表示するため、図13に示すように脱穀クラッチインジケータ61は点灯したままである。作業者は、黄色ラベルで表示されたパネル部76の脱穀インジケータ61及び刈取りインジケータ60が点灯したことを確認すると、コンバイン1を走行させて、前処理部5で圃場の穀稈を刈取りながら、刈取った穀稈を脱穀部7で脱穀して収穫作業を進める(図10の期間o)。
【0039】
上記収穫作業が終了すると、作業者はパワークラッチスイッチの切りスイッチ59bを所定時間t以上押圧することによって、クラッチ46,47を係合する順序とは逆に切断し、作業者が切りスイッチ59bを押圧する毎に、クラッチは刈取りクラッチ47、脱穀クラッチ46の順で切断される。また、パワークラッチインジケータ60,61,62も同様に、刈取り及び脱穀の両クラッチインジケータ60,61が点灯した状態(図13の状態)から、切りスイッチ59bが押圧される毎に、刈取りクラッチインジケータ60、脱穀クラッチインジケータ61の順で消灯し(図12から図11の状態へ移行)、脱穀及び刈取りクラッチ46,47が切断されると、切りインジケータ62が点灯する(図10の期間p)。
【0040】
また、作業者は、脱穀及び刈取りの両クラッチ46,47が切断されている状態から、これらのクラッチ46,47を係合させて収穫作業を行いたい場合には、パワークラッチスイッチ59のクラッチ入スイッチ59aを長押しすると、セクタギヤ55が初期位置から終端位置まで一気に回動して脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47の両方が係合する(図11の期間q)。更に、これら両クラッチ46,47が係合した状態からパワークラッチスイッチ59のクラッチ切スイッチ59bを長押しすると、セクタギヤ55が終端位置から初期位置まで回動して、これら脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47の両方が切断される(図11の期間r)。
【0041】
この時、パワークラッチインジケータ60,61,62は、クラッチ入スイッチ59aが長押しされた場合には、図11に示す、切りインジケータ62が点灯している状態から、図13に示す、脱穀及び刈取りインジケータ61,60が点灯した状態となり、クラッチ切スイッチ59bが長押しされた場合には、図13の状態から図11の状態へと変化する。なお、パワークラッチスイッチ59の長押し時間Tは、通常のスイッチ操作が確定される時間tより長く、かつ作業者が操作しやすい範囲内で適宜設定される(T>t)。
【0042】
上述したように、パワークラッチインジケータ60,61,62をそれぞれ独立して脱穀クラッチ46、刈取りクラッチ47の係合状態を表示するように構成すると共に、クラッチ46,47が係合状態にある際に点灯する脱穀および刈取りインジケータ61,60を橙色のインジケータとし、クラッチ46,47が切断状態にある際に点灯する切りインジケータ62を緑色のインジケータとしたことによって、作業者は、互いに連動して所定の順序で係脱する脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47においても、各クラッチの係合状態を容易に認識することができる。
【0043】
例えば、緑色の切りインジケータ62が点灯していれば「切」の文字を確認することなく脱穀及び刈取りクラッチ46,47が切断していると容易に確認できる。また、橙色のインジケータ(脱穀インジケータ61)が1個点灯していれば「脱こく」の文字を確認することなく脱穀クラッチ46のみ係合していると容易に認識できる。更に、橙色のインジケータ(脱穀及び刈取りインジケータ61,60)が2個点灯していれば「脱こく及び刈取り」の文字を確認することなく脱穀及び刈取りクラッチ46,47が係合していると容易に認識できる。それに対して、「切」と「脱こく・刈取」のインジケータの色が同じであったり、脱穀及び刈取りの両方のクラッチ46,47が係合している場合に刈取りインジケータ60のみ点灯していたりしていると、インジケータ横の文字を見ないとクラッチの係合状態がわからない。
【0044】
更に、パワークラッチインジケータ60,61,62は、脱穀および刈取りクラッチ46,47が係脱する順序に応じて、切りクラッチインジケータ62、脱穀クラッチインジケータ61、刈取りインジケータ60の順序で一列状に配設されているため、上記クラッチインジケータの点灯色とも相俟って、作業者は容易かつ確実にクラッチの係合状態を把握することができる。
【0045】
また、脱穀及び刈取りクラッチ46,47を操作するパワークラッチスイッチ59の表面及び、パワークラッチインジケータ60,61,62が配設されたパネル部76の表面を黄色で統一したことにより、作業者は瞬時にこれらがクラッチ46,47に関連した表示及び操作部材であることが認識でき、作業中などにおける、クラッチ46,47の係合状態の確認及び操作を容易にすることができる。
【0046】
なお、本実施形態では、パワークラッチインジケータ60,61,62のうち、クラッチが係合している際に点灯する脱穀クラッチインジケータ61、刈取りクラッチインジケータ60を橙色とし、クラッチが切断されている際に点灯する切りインジケータ62を緑色としたが、これらのインジケータ60,61,62は、上述した色に限定されるものではなく、クラッチの係合を表示するインジケータ60,61が同系色(同色も含む)で点灯し、クラッチの切断を表示するインジケータ62がクラッチの係合を示すインジケータ60,61と明確に識別可能な異なった色で点灯するように構成されていればどのような色の組み合わせでもよい。
【0047】
更に、このインジケータ60,61,62の表示形式は、脱穀クラッチ46及び刈取りクラッチ47の係合状態の表示に限定されるものではなく、互いに連動して係脱するクラッチ46,47であれば、どのようなクラッチの係合状態の表示に使用されてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 コンバイン
22 エンジン(駆動源)
46 脱穀クラッチ(第1クラッチ)
47 刈取りクラッチ(第2クラッチ)
52 クラッチアクチュエータ
59 パワークラッチスイッチ(操作スイッチ)
60 刈取りクラッチインジケータ(第2インジケータ)
61 脱穀クラッチインジケータ(第1インジケータ)
62 切りインジケータ(第3インジケータ)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源からの動力を断接する第1クラッチと、該第1クラッチの伝動下流側に設けられた第2クラッチと、これら第1及び第2クラッチを係脱させるクラッチアクチュエータと、を備え、これら第1及び第2クラッチが前記クラッチアクチュエータの駆動により所定の順序で係脱するコンバインにおいて、
前記第1クラッチの係合状態を表示する第1インジケータと、
前記第2クラッチの係合状態を表示する第2インジケータと、を備え、
これら第1及び第2クラッチが切断されている場合には前記第1及び第2インジケータを消灯し、前記第1クラッチが係合されている場合には前記第1インジケータを点灯し、前記第1及び第2クラッチが係合されている場合には前記第1及び第2インジケータの両方を点灯してなる、
ことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記クラッチアクチュエータを操作して前記第1及び第2クラッチを係脱させる操作スイッチと、
これら第1及び第2クラッチが切断されている場合に点灯する第3インジケータと、を備え、
前記操作スイッチと前記第1乃至第3インジケータとを近接して配置し、これら操作スイッチ及び第1乃至第3インジケータが設けられたパネル部分の表面を同色で形成すると共に、
前記第1及び第2インジケータを同色もしくは同系色で点灯させ、前記第3インジケータをこれら第1及び第2インジケータとは異なった色で点灯させてなる、
請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記第1乃至第3インジケータを、前記第1及び第2クラッチが係合する順序に応じて、前記第3インジケータ、前記第1インジケータ、前記第2インジケータの順序で、一列状に配置してなる、
請求項2記載のコンバイン。
【請求項1】
駆動源からの動力を断接する第1クラッチと、該第1クラッチの伝動下流側に設けられた第2クラッチと、これら第1及び第2クラッチを係脱させるクラッチアクチュエータと、を備え、これら第1及び第2クラッチが前記クラッチアクチュエータの駆動により所定の順序で係脱するコンバインにおいて、
前記第1クラッチの係合状態を表示する第1インジケータと、
前記第2クラッチの係合状態を表示する第2インジケータと、を備え、
これら第1及び第2クラッチが切断されている場合には前記第1及び第2インジケータを消灯し、前記第1クラッチが係合されている場合には前記第1インジケータを点灯し、前記第1及び第2クラッチが係合されている場合には前記第1及び第2インジケータの両方を点灯してなる、
ことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記クラッチアクチュエータを操作して前記第1及び第2クラッチを係脱させる操作スイッチと、
これら第1及び第2クラッチが切断されている場合に点灯する第3インジケータと、を備え、
前記操作スイッチと前記第1乃至第3インジケータとを近接して配置し、これら操作スイッチ及び第1乃至第3インジケータが設けられたパネル部分の表面を同色で形成すると共に、
前記第1及び第2インジケータを同色もしくは同系色で点灯させ、前記第3インジケータをこれら第1及び第2インジケータとは異なった色で点灯させてなる、
請求項1記載のコンバイン。
【請求項3】
前記第1乃至第3インジケータを、前記第1及び第2クラッチが係合する順序に応じて、前記第3インジケータ、前記第1インジケータ、前記第2インジケータの順序で、一列状に配置してなる、
請求項2記載のコンバイン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2010−178699(P2010−178699A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−26387(P2009−26387)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]