説明

コンバイン

【課題】サイドデバイダが畦に干渉して変形するのを自動的に回避し、かつ、サイドデバイダが畦による干渉から離れた場合にサイドデバイダを元の作業位置に自動的に復帰させることができるコンバインを提供する。
【解決手段】刈取部20と、前記刈取部の横側部から延設された前サイドデバイダ110と、刈取部本体と前記前サイドデバイダの間に設けられ該前サイドデバイダを該刈取部本体の横方向外側に張り出す作業位置と該刈取部本体に近接する収納位置とに変更可能とする作動装置とを備えるコンバインにおいて、前記作動装置は、モータ151と、該モータと前記前サイドデバイダとを連係させる中間リンク杆130とアーム150を含む連係機構と、前記モータを横方向外側または内側に移動可能に支持するブラケット101および台座140からなる支持部材と、前記モータを支持部材を介して所定位置に付勢する付勢部材160とを備える構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行機体の前部に刈取部を備え、この刈取部の横一側部にサイドデバイダを有するコンバインに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、刈取部の横一側部にサイドデバイダを有するコンバインが知られている。サイドデバイダは、刈取作業時に、前進する走行機体がその一側方にある未刈穀稈を刈取部に巻き込んだり、走行クローラにて踏み付けたりしないように、横方向外側(走行機体の側方側)へ押しやるためのものである。例えば特許文献1には、この種のサイドデバイダの一例が開示されている。
【特許文献1】特許第3633861号公報
【0003】
叙上の特許文献1に記載のサイドデバイダは、枢着部材を介して屈曲可能に連結された前後一対の分草杆と、該分草杆の中間部を走行機体に支持させる中間リンク杆を有する。前記中間リンク杆は、電気モータで駆動されるピニオンギアと、該ピニオンギアに噛み合って駆動されるラックギアとを具備する。そして、前記ピニオンギアとラックギアが咬合することにより中間リンク杆がスライド移動し、前記前後一対の分草杆を走行機体の横方向外向きに張り出した作業位置と、刈取部および作業機体に近接した収納位置とに、位置変更可能になっている。
また、前記ピニオンギアとラックギアの連係状態は、付勢機構によって維持されており、畦に干渉するなどしてサイドデバイダに過負荷がかかると、付勢機構の付勢力に抗して前記ピニオンギアとラックギアの連係が解除され、前サイドデバイダの姿勢が収納位置に変更されるようになっている。
このような構成により、畦際作業時にサイドデバイダが畦に干渉しても、サイドデバイダが作業位置から収納位置に自動的に位置変更されるので、サイドデバイダの変形を防止することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、叙上のサイドデバイダの構成を採用すれば、刈取作業中において、サイドデバイダが畦に接触して一旦収納位置に格納されてしまうと、その姿勢が保持される。よって、その後サイドデバイダが畦による干渉から離れ作業位置に復帰する必要が生じた場合には、その都度サイドデバイダを作業位置に変更する操作を行わなければならず、操縦者の作業負担が大きく面倒であるという問題があった。
【0005】
本発明は叙上の事情に鑑みてなされたものであり、畦際作業時にサイドデバイダが畦に干渉して変形するのを自動的に回避し、かつ、サイドデバイダが畦による干渉から離れた場合にサイドデバイダの位置を作業位置に自動的に復帰させることができるコンバインを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0007】
即ち、請求項1においては、走行機体の前部に設けられた刈取部と、前記刈取部の横側部に前後方向に延伸するように設けられた前サイドデバイダと、刈取部本体と前記前サイドデバイダとの間に設けられ、該前サイドデバイダを該刈取部本体の横方向外側に張り出す作業位置と該刈取部本体に近接する収納位置とに変更可能とする作動装置とを備えるコンバインであって、前記作動装置は、アクチュエータと、該アクチュエータと前記前サイドデバイダとの間に配置され、これら双方を連係させる連係機構と、前記刈取部本体に取り付けられ、前記アクチュエータを横方向外側または横方向内側に移動可能に支持する支持部材と、前記アクチュエータを前記支持部材を介して所定位置に付勢する付勢部材とを備えるものである。
【0008】
請求項2においては、前記支持部材は、前記刈取部本体から横方向外側に突設されるブラケットと、該ブラケットに略中央部で枢着される板状の台座とで構成し、前記アクチュエータは、前記支持部材の台座の一端部に固定し、前記付勢部材は、前記支持部材の台座の他端部と前記刈取部本体との間に介装するものである。
【0009】
請求項3においては、前記支持部材は、前記刈取部本体から横方向外側に突設されるブラケットと、該ブラケットに横方向外側または横方向内側に摺動可能に支持される台座とで構成し、前記アクチュエータは、前記支持部材の台座に固定し、前記付勢部材は、前記支持部材に一体的に設けるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0011】
請求項1に係るコンバインによれば、作業位置にある前サイドデバイダが畦に干渉するなどして外力が働いた場合に、作動装置のアクチュエータに大きな負荷を与えることなく、前サイドデバイダを刈取部本体側に逃がすように移動させることが可能となる。したがって、このような外力による前サイドデバイダの変形および損傷を回避することができる。また、このような外力が働かなくなった場合に、付勢部材の付勢力によりアクチュエータを所定位置に、ひいては前サイドデバイダを元の作業位置に自動的に復帰させることが可能となる。したがって、サイドデバイダを作業位置に戻すための操作が不要となり、操縦者の作業負担を軽減することができる。
【0012】
請求項2に係るコンバインによれば、作動装置を簡易に構成することができる。また、付勢部材の取付作業を容易に行うことができる。
【0013】
請求項3に係るコンバインによれば、作動装置のアクチュエータと付勢部材とを刈取部本体と前サイドデバイダとの間にコンパクトに設けることができる。しかも、その結果、コンバインの走行時に、穀稈等が作動装置に巻き込まれることを抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るコンバインの全体構成を示す左側面図であり、図2は同じく平面図であり、図3はコンバインに具備されるサイドデバイダおよび刈取部の詳細な構成を示す平面図である。図4は操縦部における操作によって姿勢を選択的に変更する場合のサイドデバイダの動作態様を表す図であり、(a)は収納位置、(b)は作業位置を示す。図5はサイドデバイダが畦などに干渉して姿勢が変更される場合のサイドデバイダの動作態様を表す図であり、(a)は畦から離間しているときの作業位置、(b)は畦に干渉しているときの収納位置を示す。図6は本発明の別実施形態に係るコンバインに具備されるサイドデバイダおよび刈取部の詳細な構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図を示す。図7は操縦部における操作によって姿勢を選択的に変更する場合の、別実施形態に係るサイドデバイダの動作態様を表す図であり、(a)は収納位置、(b)は作業位置を示す。図8はサイドデバイダが畦などに干渉して姿勢が変更される場合の、別実施形態に係るサイドデバイダの動作態様を表す図であり、(a)は畦から離間しているときの作業位置、(b)は畦に干渉しているときの収納位置を示す。
【0015】
以下では、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係るコンバイン1の全体構成について説明する。
尚、以下の説明においては、図1に示した矢印Aの方向をコンバイン1の進行方向、つまり前方向として、前後左右方向を規定するものとする。
【0016】
コンバイン1には、機体フレーム2に対して、走行部10と、刈取部20と、脱穀部30と、選別部40と、穀粒貯溜部50と、排藁処理部60と、エンジン部70と、ミッション部80と、操縦部90とが備えられる。
【0017】
走行部10は、機体フレーム2の下部に設けられる。走行部10は、左右一対のクローラを有するクローラ式走行装置11などを有して、クローラ式走行装置11により走行機体を前進または後進方向に走行させることができるように構成される。
【0018】
刈取部20は、機体フレーム2の前部に昇降可能に設けられる。刈取部20は、分草具21や、引起装置22や、切断装置23や、搬送装置24などを有して、これらの部材を刈取フレーム25に支持し、分草具21により圃場の穀稈を分草し、引起装置22により分草後の穀稈を引き起こし、切断装置23により引起後の穀稈を切断し、搬送装置24により切断後の穀稈を脱穀部30側へ搬送することができるように構成される。
尚、刈取部20の左側部には、機体フレームの後方へ向かってサイドデバイダ100が延設されるが、これについては後に詳述する。
【0019】
脱穀部30は、機体フレーム2の左側前部に設けられ、刈取部20の後方に配置される。脱穀部30は、搬送装置31や、扱胴や、受網などを有して、搬送装置31により刈取部20から搬送されてくる穀稈を受け継いで排藁処理部60側へ搬送し、扱胴および受網により搬送中の穀稈を脱穀し、その脱穀物を漏下させることができるように構成される。
【0020】
選別部40は、機体フレーム2の左側部に設けられ、脱穀部30の下方に配置される。選別部40は、揺動選別装置や、風選別装置や、脱穀搬送装置や、藁屑排出装置などを有して、揺動選別装置により脱穀部30から落下する脱穀物を穀粒と藁屑や塵埃などとに揺動選別し、風選別装置により揺動選別後のものをさらに穀粒と藁屑や塵埃などとに風選別し、穀粒搬送装置により選別後の穀粒を穀粒貯溜部50側へ搬送する一方、藁屑排出装置により藁屑や塵埃などを外部へ排出することができるように構成される。
【0021】
穀粒貯溜部50は、機体フレーム2の右側後部に設けられ、脱穀部30および選別部40の右側方に配置される。穀粒貯溜部50は、穀粒タンク51や、穀粒排出装置52などを有して、穀粒タンク51により選別部40から搬送されてくる穀粒を貯溜し、穀粒排出装置52により貯溜中の穀粒を任意の方向に搬送してから外部へ排出することができるように構成される。
【0022】
排藁処理部60は、機体フレーム2の左側後部に設けられ、脱穀部30の後方に配置される。排藁処理部60は、排藁搬送装置や、排藁切断装置などを有して、排藁搬送装置により脱穀部30から搬送されてくる脱穀済みの穀稈を受け継いでこれを排藁として外部へ排出する、もしくは排藁切断装置へ搬送し、排藁切断装置により細かく切断してから外部へ排出することができるように構成される。
【0023】
エンジン部70は、機体フレーム2の右側に設けられ、穀粒貯溜部50の前方に配置される。エンジン部70は、エンジンなどを有して、エンジンの動力を当該エンジンを駆動源とする各部の装置に適宜の伝達機構を介して供給し、エンジンにより各部の装置を駆動させることができるように構成される。
【0024】
ミッション部80は、機体フレーム2の右側前部に設けられ、エンジン部70の前方に配置される。ミッション部80は、トランスミッションなどを有して、エンジン部70のエンジンの動力が走行部10や刈取部20などの各装置へ供給される前に、トランスミッションにより当該動力を変速することができるように構成される。
【0025】
操縦部90は、機体フレーム2の右側前部に設けられ、エンジン部70およびミッション部80の上方に配置される。操縦部90は、ステアリングハンドル91および変速レバーを含む各種の操作具や、操縦席92や、キャビン93などを有して、前記操作具により各部の装置などを操作し、操縦席92に操縦者を着座させ、キャビン93により前記操作具や操縦席92を覆うことができるように構成される。
【0026】
このようにして、コンバイン1は、操縦部90での前記操作具の操作に応じて、エンジン部70からエンジンの動力を各部の装置に供給するなどして、走行部10にて機体を走行させながら、刈取部20で圃場の穀稈を刈り取り、脱穀部30で刈取部20からの穀稈を脱穀し、選別部40で脱穀部30からの脱穀物を選別して、穀粒貯溜部50で選別部40からの穀粒を貯溜すると同時に、排藁処理部60で脱穀部30からの排藁を外部へ排出することができるように構成される。
【0027】
次に、サイドデバイダ100および作動装置の詳細な構成について、図3を参照して説明する。
【0028】
サイドデバイダ100は、刈取作業時に、コンバイン1の横一側方にある未刈穀稈を刈取部20に巻き込んだり、走行部10にて踏み付けたりしないように、横方向外向きに押しやるためのものである。サイドデバイダ100は、刈取部20と、機体フレーム2および走行部10を含む前記走行機体の横一側部、本実施形態においては、左側部に配置されて、作業位置と収納位置とに位置変更可能に前後方向に延設される。
【0029】
サイドデバイダ100には、前サイドデバイダ110と、後サイドデバイダ120とが備えられる。前サイドデバイダ110は、第一分草杆111と第二分草杆112とを有して構成される。ただし、前サイドデバイダ110は、第二分草杆112を備えず、第一分草杆111のみで構成することも可能である。
【0030】
第一分草杆111は、刈取部20の左側部付近に主に配置され、分草具21と連続するように前後方向に延設されるとともに、後端部が前端部よりも横方向外側(前記走行機体の左側方側)に位置するように刈取部20に対して斜設される。第一分草杆111は、前端部で刈取部20の左側部に縦向きの枢支軸113にて水平回動可能に枢着され、後端部で第二分草杆112と連結される。
【0031】
第一分草杆111の後部には、ステー106が横方向内側に突出するように設けられる。そして、第一分草杆111が、後述するように、ステー106でモータ151と連係機構を介して連係される。
【0032】
第二分草杆112は、前記走行機体の左側部付近に配置され、前後方向に延設されるとともに、後端部が前端部よりも機体横方向内側に位置するように前記走行機体に対して斜設される。第二分草杆112は、前後中途部で屈曲されて、前端部で第一分草杆111の後端部に縦向きの枢支軸114からなる枢着部材にて水平回動可能に枢着され、後端部で後サイドデバイダ120に支持される。
【0033】
後サイドデバイダ120は、前記走行機体の左側部付近に配置され、前記走行機体に沿って前後方向に延設される。後サイドデバイダ120は、前端部および後端部で屈曲されて、前端部で前記走行機体の左側前部に固定され、後端部で前記走行機体の左側後部に固定される。そして、後サイドデバイダ120は、前後中途部が前記走行機体と略平行となるように、前記走行機体から横方向外側に所定幅だけ突出される。
【0034】
後サイドデバイダ120の前後中途部には、リング部材115が前後方向にスライド可能に遊嵌される。このリング部材115が第二分草杆112の後端部と連結されて、第二分草杆112の後端部が当該リング部材115を介して後サイドデバイダ120の前後中途部に沿って前後方向にスライド可能とされる。
【0035】
こうして、前サイドデバイダ110は、第一分草杆111と第二分草杆112とを前後に枢支軸114にて屈曲可能に連結する構成とされ、この第一分草杆111と第二分草杆112とがなす屈曲角度を変化させることで、横方向外側への張り出し具合を変更することができるようになっている。
【0036】
一方、作動装置は、前サイドデバイダ110と刈取部本体(刈取フレーム25)との間に配置され、前サイドデバイダ110を作業位置と収納位置とに位置変更可能とするものである。前記作動装置は、ブラケット101および台座140からなる支持部材と、アクチュエータとしてのモータ151と、アーム150や中間リンク杆130からなる連係機構と、付勢部材160とで構成される。
【0037】
前記支持部材のブラケット101は、基端部で刈取部本体(刈取フレーム25)に固定され、横方向外側へ突出される。ただし、ブラケット101を含む各部材は、刈取部20ではなく、前記走行機体に配置することも可能である。
【0038】
前記支持部材の台座140は、略長方形板状の部材からなり、前サイドデバイダ110よりも横方向内側(前記走行機体に近接する側)に配置される。台座140は、その長手方向が前後方向となるように延伸され、中央部でブラケット101の先端部に縦向きの枢支軸141にて水平回動自在に枢着される。
【0039】
モータ151は、その駆動軸152が上方へ突出するように、台座140の後端部に固定される。モータ151は、刈取部20または前記走行機体の任意位置に備えられるコントローラに接続され、操縦部90に配設した前記操作具の操作に応じて、コントローラにより駆動または停止するように駆動制御可能とされる。或いは、操縦部90に設けたスイッチ等の前記操作具により、直接モータ151を正転または逆転駆動することができるように構成してもよい。
【0040】
前記連係機構は、モータ151と第一分草杆111との間に介装される。すなわち、アーム150が、モータ151の上方に水平に配置され、一端部でモータ151の縦向きの駆動軸152に固定されて、この駆動軸152と一体的に水平回動可能とされる。そして、中間リンク杆130が、一端部で前サイドデバイダ110のステー106に縦向きの枢支軸105にて水平回動自在に枢着され、他端部でアーム150の他端部に縦向きの枢支軸131にて水平回動自在に枢着される。
【0041】
こうして、モータ151の駆動時に、アーム150および中間リンク杆130が作動して、第一分草杆111(前サイドデバイダ110)を横方向外側または内側に移動させて、その位置を前記刈取部20の横外側に張り出す作業位置、または前記刈取部20および前記走行機体に近接する収納位置とに変更させることができるようになっている。なお、第一分草杆111の移動によって、第二分草杆112も、第一分草杆111となす屈曲角度を変化させながら横方向外側または内側に移動される。
【0042】
そして、バネ等により構成した付勢部材160が、台座140の前端部と刈取部(刈取フレーム25)本体との間に介設される。この付勢部材160によって、台座140の前端部が横方向内側に付勢されると同時に、ブラケット101の先端部から上方へ突設されるストッパー142に当接されて、台座140がその長手方向を前後方向として水平回動されないように所定の回動位置に保持される。
【0043】
このように、台座140が所定の回動位置に保持されることで、図3に示すように、台座140の後端部上のモータ151が所定位置に保持される。モータ151は後述する外力が前サイドデバイダ110に働かない通常の刈取作業時には、この所定位置に保持された状態で駆動制御される。
【0044】
以下では、本実施形態に係るサイドデバイダ100および前記作動装置の作動態様について、図4および図5を参照して説明する。
【0045】
まず、刈取作業時または作業開始・終了時などにおいて、操縦者が操縦部90で前記操作具を操作することによって、または、センサ等を用いて作業クラッチレバーと連動させて自動的に、前サイドデバイダ110の姿勢を作業位置または収納位置に選択的に変更する場合について、図4を参照して説明する。
【0046】
図4(a)に示すように、前サイドデバイダ110がコンバイン1の路上走行や停止などに応じて収納位置に保持された状態で、前記操作具により前サイドデバイダ110を作業位置とするための操作が行われると、モータ151が所定位置で駆動され、駆動軸152が正転方向(または逆転方向)に所定量(本実施形態では180度)だけ回動される。その際、アーム150が駆動軸152の回動にともなって駆動軸152を中心として時計回り方向(図4(a)における矢印Rの方向)に水平回動され、中間リンク杆130がアーム150の水平回動にともなって機体フレーム2から横方向外側へ水平移動される。
【0047】
この中間リンク杆130の移動にともなって、第一分草杆111が枢支軸113を中心に横方向外側へ水平回動される。このとき、第二分草稈112は第一分草杆111に連動され、後端部を後サイドデバイダ120に沿って前方にスライドさせて、第一分草杆111となす角度をより小さくするように変化させながら、横方向外側へ移動される。
【0048】
そして、モータ151の駆動軸152が所定量だけ回動された後に停止されると、これにより第一分草杆111が予め設定された作業位置に保持される。その結果として、第一分草杆111および第二分草杆112の姿勢、即ち前サイドデバイダ110の位置が、図4(b)に示すように、機体の横方向外側に最も張り出した作業位置となり、この作業位置に保持されることとなる。このようにして、前サイドデバイダ110の位置が、図4(a)に示される収納位置から図4(b)に示される作業位置に変更されるようになっている。
【0049】
また、図4(b)に示すように、前サイドデバイダ110が作業位置に保持された状態で、前記操作具により前サイドデバイダ110を収納位置とするための操作が行われると、モータ151が所定位置で駆動され、駆動軸152が逆転方向(または正転方向)に所定量(本実施形態では180度)だけ回動される。その際、アーム150が駆動軸152の回動にともなって駆動軸152を中心にして反時計回り方向(図4(b)における矢印Lの方向)に水平回動され、中間リンク杆130が横方向内側へ水平移動される。
【0050】
そのため、第一分草杆111の後部が中間リンク杆130により引っ張られ、第一分草杆111が枢支軸113を中心にして横方向内側へ水平回動される。このとき、第二分草杆112は第一分草杆111に連動され、後端部を後サイドデバイダ120に沿って後方にスライドさせて、第一分草杆111となす角度をより大きくするように変化させながら、横方向内側へ移動される。
【0051】
そして、モータ151の駆動軸152が所定量だけ回動された後に停止されると、その結果として、第一分草杆111および第二分草杆112の位置、即ち前サイドデバイダ110の位置が、図4(a)に示すように、刈取部20および前記走行機体に近接する収納位置となり、この位置に保持されることとなる。このようにして、前サイドデバイダ110の位置が、図4(b)に示される作業位置から図4(a)に示される収納位置に変更されるようになっている。
【0052】
次に、畦際などでの刈取作業時に、前サイドデバイダ110が畦などに接触して、外力が当該前サイドデバイダ110に働いた場合に、前サイドデバイダ110の位置が作業位置から収納位置に変更される態様について、図5を参照して説明する。
【0053】
刈取作業時に、図5(a)に示すように、前サイドデバイダ110が作業位置に保持された状態で畦などに接触して、この前サイドデバイダ110に外力Fが横方向内側に向かって働いた場合、第一分草杆111はこの外力Fによって枢支軸113を中心にして横方向内側に水平回動される。このとき、第二分草稈112は第一分草杆111に連動され、後端部を後サイドデバイダ120に沿って後方にスライドさせて、第一分草杆111となす角度をより大きくするように変化させながら、横方向内側へ水平移動される。
【0054】
また、中間リンク杆130が第一分草杆111の後部により押され、横方向内側に水平移動される。ここで、モータ151が停止されていることから、モータ151はアーム150を介して台座140と一体的に押される。そのため、台座140が枢支軸141を中心にして、付勢部材160の付勢力に抗して図5(a)における反時計回り方向に回動されて、モータ151が所定位置から横方向内側へ移動される。
【0055】
このようにして、第一分草杆111が元の位置から横方向内側へ水平回動可能とされて、前サイドデバイダ110が、図5(a)に示される作業位置から図5(b)に示される収納位置に変更されるようになっている。
【0056】
前記の状態から、前サイドデバイダ110がコンバイン1の前進に従って畦などから離れて、前記前サイドデバイダ110に外力Fが働かなくなると、付勢部材160の付勢力により台座140が引っ張られて、枢支軸141を中心に図5(b)における時計回りに水平回動される。その際、台座140の後端部上のモータ151が横方向外側の所定位置に向かって水平移動され、アーム150が中間リンク杆130とともに横方向外側へ水平移動される。
【0057】
そのため、第一分草杆111の後部が中間リンク杆130により押され、第一分草杆111が枢支軸113を中心にして横方向外側へ水平回動される。このとき、第二分草杆112は第一分草杆111に連動され、後端部を後サイドデバイダ120に沿って前方にスライドさせて、第一分草杆111となす角度をより小さくするように変化させながら、横方向外側へ水平移動される。
【0058】
このようにして、第一分草杆111が元の位置へ向けて横方向外側へ水平回動可能とされて、前サイドデバイダ110が、図5(a)に示すように、元の作業位置(図4(b))に復帰されるようになっている。
【0059】
以下では、本発明の他の実施形態に係る、コンバイン200の構成について、図6から図8を参照して説明する。ただし、以下では、前述の実施形態と略同一の部分の説明は、各部材にコンバイン1の場合と同一の符号を付して省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0060】
図6に示すように、作動装置は、前サイドデバイダ110と刈取部本体(刈取フレーム25)との間に設けられ、前サイドデバイダ110を作業位置と収納位置とに位置変更可能とするものである。前記作動装置は、ブラケット301および台座340からなる支持部材と、アクチュエータとしてのモータ351と、アーム350や中間リンク杆330からなる連係機構と、付勢部材360とで構成される。
【0061】
前記支持部材のブラケット301は、基端部で刈取部本体(刈取フレーム25)に固定され、横方向外側へ突出される。ただし、ブラケット301を含む各部材は、刈取部20ではなく、前記走行機体に配置することも可能である。ブラケット301には、長手方向に沿って溝状のレール部302が形成される。
【0062】
前記支持部材の台座340は、板状の部材からなり、前サイドデバイダ110よりも横方向内側(前記走行機体に近接する側)に配置される。台座340の底部には凸部340aが形成されて、これがブラケット301のレール部302に嵌合される。こうして、台座340がブラケット301にレール部302に沿って摺動可能に支持される。
【0063】
そして、バネなどからなる付勢部材360が、一端部で台座340の凸部340aと当接するように、レール部302内の当該凸部340aよりも横方向内側に挿入されて、ブラケット301と一体的に設けられる。この付勢部材360の付勢力によって、台座340が横方向外側へ付勢され、レール部302の横方向最外側端上の所定位置に保持される。
【0064】
モータ351は、その駆動軸352が上方へ突出するように、台座340の上部に固定され、付勢部材360にて付勢される台座340を介して所定位置に保持される。モータ351は、コントローラを介して操縦部90に配設される前記操作具に接続され、前記操作具の操作に応じて、正転駆動または逆転駆動が可能とされる。ここで、モータ151は後述する外力が前サイドデバイダ110に働かない通常の刈取作業時には、所定位置に保持された状態で駆動制御される。
【0065】
前記連係機構は、モータ351と第一分草杆111との間に介設される。すなわち、アーム350が、モータ351の上方に水平に配置され、一端部でモータ351の縦向きの駆動軸352に固定されて、この駆動軸352と一体的に水平回動可能とされる。そして、中間リンク杆330が、一端部で前サイドデバイダ110のステー106に縦向きの枢支軸105にて水平回動自在に枢着され、他端部でアーム350の他端部に縦向きの枢支軸331にて水平回動自在に枢着される。
【0066】
こうして、モータ351の駆動時に、アーム350および中間リンク杆330が作動して、第一分草杆111を横方向外側または内側に移動させて、その位置を前記刈取部20の横外側に張り出す作業位置、または前記刈取部20および前記走行機体に近接する収納位置とに変更させることができるようになっている。なお、第一分草杆111の移動によって、第二分草杆112も第一分草杆111となす屈曲角度を変化させながら横方向外側または内側に移動される。
【0067】
以下では、本実施形態に係るサイドデバイダ300の動作態様について、図7および図8を参照して説明する。
【0068】
刈取作業時または作業開始・終了時などにおいて、操縦者が操縦部90で前記操作具を操作することによって、または、センサ等を用いて作業クラッチレバーと連動させて自動的に、前サイドデバイダ110の位置を作業位置または収納位置に選択的に変更する場合については、図7に示すように、コンバイン1の場合と略同様の動作態様となる(図4参照)。
【0069】
次に、畦際などでの刈取作業時に、サイドデバイダ300が畦などに接触して、外力が当該サイドデバイダ300に働いた場合に、サイドデバイダ300の位置が作業位置から収納位置に変更される態様について、図8を参照して説明する。
【0070】
刈取作業時に、図8(a)に示すように、前サイドデバイダ110が作業位置に保持された状態で畦などに接触して外力Fが横方向内側に向かって働いた場合、第一分草杆111は縦向きの枢支軸113を中心にして水平回動される。第二分草稈112は第一分草杆111に連動され、後端部を後サイドデバイダ120に沿って後方にスライドさせて、第一分草杆111となす角度をより大きくするように変化させながら、横方向内側へ移動される。
【0071】
また、中間リンク杆330が第一分草杆111の後部によって押され、横方向内側に水平移動される。ここで、モータ351が停止していることから、モータ351はアーム350を介して台座340と一体的に押される。そのため、台座340がレール部302に沿って付勢部材360の付勢力に抗して横方向内側へ水平移動されて、モータ351が所定位置から横方向内側へ移動される。
【0072】
このようにして、第一分草杆111が元の位置から横方向内側へ水平回動可能とされて、前サイドデバイダ110が、図8(a)に示される作業位置から図8(b)に示される収納位置に変更されるようになっている。
【0073】
前記の状態から、前サイドデバイダ110がコンバイン200の前進に従って畦などから離れて、前サイドデバイダ110に外力Fが働かなくなると、付勢部材360の付勢力により台座340が押し出されて、横方向外側へレール部302に沿って水平移動される。その際、台座340上部に固定されるモータ351が横方向外側の所定位置に向かって水平移動され、アーム350が中間リンク杆330とともに横方向外側へ水平移動される。
【0074】
そのため、第一分草杆111の後部が中間リンク杆330により押され、第一分草杆111が枢支軸113を中心にして横方向外側へ水平回動される。このとき、第二分草杆112は第一分草杆111に連動され、後端部を後サイドデバイダ120に沿って前方にスライドさせて、第一分草杆111となす角度をより小さくするように変化させながら、横方向外側へ移動される。
【0075】
このようにして、第一分草杆111が元の位置へ向けて横方向外側へ水平移動可能とされて、前サイドデバイダ110が、図8(a)に示すように、元の作業位置(図7(b))に復帰されるようになっている。
【0076】
以上のように、本発明の一実施形態に係るコンバイン1および他の実施形態に係るコンバイン200は、機体フレーム2(走行機体)の前部に設けられた刈取部20と、刈取部20の横側部に前後方向に延伸するように設けられた前サイドデバイダ110と、該前サイドデバイダ110を該刈取部本体の横方向外側に張り出す作業位置と該刈取部本体に近接する収納位置とに変更可能とする作動装置とを備えるものとされ、前記作動装置は、アクチュエータとしてのモータ151・351と、該モータ151・351と前サイドデバイダ110との間に配置され、これら双方を連係させるアーム150・350および中間リンク杆130・330を含んで構成される連係機構と、前記刈取部本体(刈取フレーム25)に取り付けられ、モータ151・351を横方向外側または横方向内側に移動可能に支持するブラケット101・301および台座140・340を含んでなる支持部材と、モータ151・351を支持部材を介して所定位置に付勢する付勢部材160・360とを備える構成とされる。
【0077】
これにより、刈取作業時に、前サイドデバイダ110がその姿勢を作業位置とした状態で畦などに接触して、この前サイドデバイダ110に外力が働いた場合、モータ151・351を作業位置から刈取部本体側に移動させて、前サイドデバイダ110を外力の働く方向へ逃がし、その位置を作業位置から収納位置に変更することが可能となる。また、前サイドデバイダ110がその位置を外力により収納位置とした状態で畦などから離れて、前サイドデバイダ110に外力が働かなくなった場合、付勢部材160・360の付勢力によりモータ151・351を所定の位置に戻し、これにともなって前サイドデバイダ110の位置を収納位置から元の作業位置に変更することが可能となる。
【0078】
そのため、作業位置にある前サイドデバイダ110が畦に干渉するなどして外力が働いた場合に、作動装置のモータ151・351に大きな負荷を与えることなく、前サイドデバイダ110を刈取部本体(刈取フレーム25)側に逃がすように移動させることが可能となる。したがって、このような外力による前サイドデバイダ110の変形および損傷を回避することができる。
【0079】
また、このような外力が働かなくなった場合に、付勢部材160・360の付勢力によりモータ151・351を所定位置に、ひいては前サイドデバイダ110を元の作業位置に自動的に復帰させることが可能となる。したがって、サイドデバイダ100・300を作業位置に戻すための操作が不要となり、操縦者の作業負担を軽減することができる。
【0080】
また、本発明の一実施形態に係るコンバイン1の支持部材は、前記刈取部本体(刈取フレーム25)から横方向外側に突設されるブラケット101と、該ブラケット101に略中央部で枢着される板状の台座140とで構成し、モータ151は、前記支持部材の台座140の一端部に固定し、付勢部材160は、前記支持部材の台座140の他端部と前記刈取部本体(刈取フレーム25)との間に介装する構成とされる。
【0081】
これにより、モータ151を簡単な構造で横方外側または内側に移動させることが可能となり、作動装置を簡易に構成することができる。また、付勢部材160の取付作業を容易に行うことができる。
【0082】
また、本発明の他の実施形態に係るコンバイン200の支持部材は、前記刈取部本体(刈取フレーム25)から横方向外側に突設されるブラケット301と、該ブラケット301に横方向外側または横方向内側に摺動可能に支持される台座340とで構成し、モータ351は、前記支持部材の台座340に固定し、付勢部材360は、台座340に一体的に設ける構成とされる。
【0083】
これにより、作動装置のモータ351と付勢部材360とを刈取部本体(刈取フレーム25)と前サイドデバイダ110との間にコンパクトに設けることが可能となる。しかも、その結果、コンバイン200の走行時に、穀稈等が作動装置に巻き込まれることを抑制することができる。
【0084】
さらに、本発明の一実施形態に係るコンバイン1および他の実施形態に係るコンバイン200によれば、前記走行機体の横一側部に、後サイドデバイダ120を前サイドデバイダ110との間に一貫して隙間が生じないように設けることが可能となる。したがって、前サイドデバイダ110の位置が畦などとの接触により収納位置に変更されたとき、または畦などから離れることにより作業位置に変更されときに、畦際の未刈穀稈を刈取部20に巻き込んだり、前期走行機体に設けられた走行部にて踏み付けたりすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンバインの全体構成を示す左側面図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】コンバインに具備されるサイドデバイダおよび刈取部の詳細な構成を示す平面図である。
【図4】操縦部における操作によって姿勢を選択的に変更する場合の、サイドデバイダの動作態様を表す図であり、(a)は収納位置、(b)は作業位置を示す図である。
【図5】サイドデバイダが畦などに干渉して姿勢が変更される場合の、サイドデバイダの動作態様を表す図であり、(a)は畦から離間しているときの作業位置、(b)は畦に干渉しているときの収納位置を示す図である。
【図6】本発明の別実施形態に係るコンバインに具備されるサイドデバイダおよび刈取部の、詳細な構成を示す図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図を示す。
【図7】操縦部における操作によって姿勢を選択的に変更する場合の、別実施形態に係るサイドデバイダの動作態様を表す図であり、(a)は収納位置、(b)は作業位置を示す図である。
【図8】サイドデバイダが畦などに干渉して姿勢が変更される場合の、別実施形態に係るサイドデバイダの動作態様を表す図であり、(a)は畦から離間しているときの作業位置、(b)は畦に干渉しているときの収納位置を示す図である。
【符号の説明】
【0086】
1 コンバイン
20 刈取部
100 サイドデバイダ
101 ブラケット(支持部材の一部)
105 枢支軸
110 前サイドデバイダ
111 第一分草杆
112 第二分草杆
114 枢支軸(枢着部材)
115 リング部材
120 後サイドデバイダ
130 中間リンク杆(連係機構の一部)
131 枢支軸
140 台座(支持部材の一部)
141 枢支軸
150 アーム(連係機構の一部)
151 モータ(アクチュエータ)
152 駆動軸
160 付勢部材
301 ブラケット(支持部材の一部)
302 レール部
340 台座(支持部材の一部)
350 アーム
351 モータ
352 駆動軸
360 付勢部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行機体の前部に設けられた刈取部と、
前記刈取部の横側部に前後方向に延伸するように設けられた前サイドデバイダと、
刈取部本体と前記前サイドデバイダとの間に設けられ、該前サイドデバイダを該刈取部本体の横方向外側に張り出す作業位置と該刈取部本体に近接する収納位置とに変更可能とする作動装置とを備えるコンバインであって、
前記作動装置は、
アクチュエータと、
該アクチュエータと前記前サイドデバイダとの間に配置され、これら双方を連係させる連係機構と、
前記刈取部本体に取り付けられ、前記アクチュエータを横方向外側または横方向内側に移動可能に支持する支持部材と、
前記アクチュエータを前記支持部材を介して所定位置に付勢する付勢部材とを備える、コンバイン。
【請求項2】
前記支持部材は、前記刈取部本体から横方向外側に突設されるブラケットと、該ブラケットに略中央部で枢着される板状の台座とで構成し、
前記アクチュエータは、前記支持部材の台座の一端部に固定し、
前記付勢部材は、前記支持部材の台座の他端部と前記刈取部本体との間に介装する、請求項1に記載のコンバイン。
【請求項3】
前記支持部材は、前記刈取部本体から横方向外側に突設されるブラケットと、該ブラケットに横方向外側または横方向内側に摺動可能に支持される台座とで構成し、
前記アクチュエータは、前記支持部材の台座に固定し、
前記付勢部材は、前記支持部材に一体的に設ける、請求項1に記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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