説明

コンバイン

【課題】ひまわり等の長い茎稈を円滑に分草し誘導搬送装置に案内するものとして、刈取作業の能率を高める。
【解決手段】左右の分草杆(2,2)と誘導搬送装置(3,…)の左右両側部との間に、左右の案内カバー(81,81)を夫々設け、該左右の案内カバー(81,81)の前側部を前記左右の分草杆(2,2)よりも前方へ突出する先端分草案内部(81a,81a)に構成し、左右の分草杆(2,2)の先端分草位置と前記左右の先端分草案内部(81a,81a)の先端分草位置を前後方向の同一直線上に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ひまわり等の長い茎稈の作物を刈取収穫するコンバインに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、油糧作物を原料として、バイオディーゼル燃料の精製やパルプの製造を行なう、所謂バイオマス利用技術が注目されている。そのバイオマスの資源作物としてひまわり等の種子等が利用される。
【0003】
ひまわり等の植物は茎部が長く背丈が高い。このような植物を収穫する汎用コンバインとして、特許文献1に示すものがある。
【特許文献1】特開2007−252260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
背景技術の汎用コンバインは、刈取装置、その左右両側に設けた左右の分草杆、刈取装置の上方から前下がり傾斜状に前方へ延出している複数の誘導搬送装置、刈取装置の後方近傍に左右方向の横軸回りに回転する掻込オーガ、掻込オーガの一側から後方に向けて延出している搬送コンベヤ装置、搬送コンベヤ装置の後方に設けた脱穀装置を備えた構成である。
【0005】
そして、左右の分草杆と誘導搬送装置との間に左右の案内カバーを設け、左右の案内カバーの分草先端位置を左右の分草杆の先端分草位置よりも前方へ突出し、これらの先端分草位置が左右にずれた構成であるので、後方に位置している左右の分草杆の分草先端部にひまわりの茎稈が引っ掛って押し倒され、ひまわりの花托をロスするという不具合があった。そこでこの発明はこのような不具合を解消しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、上述の如き課題を解決するために、次のような技術的手段を講じる。
即ち、請求項1記載の発明は、刈取装置(1)と、該刈取装置(1)の左右両側に設けた左右の分草杆(2,2)と、前記刈取装置(1)の上方から前下がり傾斜状に前方へ延出した複数の誘導搬送装置(3,…)と、前記刈取装置(1)の後方部位に左右方向の横軸(4)回りに回転自在に設けた掻込オーガ(5)と、該掻込オーガ(5)の後側から後方に向けて延出した搬送コンベヤ装置(6)と、該搬送コンベヤ装置(6)の後方に設けた脱穀装置(10)とを備えたコンバインであって、前記左右の分草杆(2,2)と前記誘導搬送装置(3,…)の左右両側部との間に、左右の案内カバー(81,81)を夫々設け、該左右の案内カバー(81,81)の前側部を前記左右の分草杆(2,2)よりも前方へ突出する先端分草案内部(81a,81a)に構成し、該左右の先端分草案内部(81a,81a)の後部に後側傾斜案内面部(81b,81b)を接続し、該後側傾斜案内面部(81b,81b)には左右両側が高く内側ほど低くなる傾斜面を形成して傾斜下端部を前記誘導搬送装置(3,…)の左右両側部に臨ませ、前記左右の分草杆(2,2)の先端分草位置と前記左右の先端分草案内部(81a,81a)の先端分草位置を前後方向の同一直線上に配置したことを特徴とするコンバインとする。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記誘導搬送装置(3,…)の搬送無端帯(3a〜3f)の下方を覆うように保護板(85,…)を設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバインとする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1記載の発明によると、左右の案内カバー(81,81)の左右の先端分草案内部(81a,81a)と左右の分草杆(2,2)により分草されたひまわりの花托等は、左右の案内カバー(81,81)の左右後側傾斜案内面部(81b,81b)上を後方に案内されながら傾斜面に沿って内側に流下案内され、左右両側の誘導搬送装置(3,…)により茎稈部の花托の近傍を支持しながら確実に後方へ搬送され、茎稈の花托に近い部位から刈取装置(1)により切断され、収穫ロスを防止することができる。また、左右の分草杆(2,2)の先端分草位置と左右の先端分草案内部(81a,81a)の先端分草位置を前後方向の同一直線上に配置したので、左右両側に向けて倒れているひまわりの花托等を円滑に引き起こして左右内側に案内することができ、該花托等の刈取作業を能率よく行うことができる。
【0009】
請求項2記載の発明によると、上記請求項1記載の発明の効果に加えて、保護板(85,…)により誘導搬送装置(8,…)の搬送無端帯(3a〜3f)への茎稈の巻き込みを防止して、刈取作業を円滑に行なうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明の実施例を図面に基づき説明する。
本発明のコンバインは、主としてひまわりを収穫するために製造されたものである。このひまわり用汎用コンバインは、図1及び図2に示すように、左右一対のクローラ8,8を装備した車台9上に、供給部11を前側にした脱穀装置10を後側に搭載し、その供給部11に搬送コンベヤ装置6の搬送終端部を臨ませて構成している。そして、前記搬送コンベヤ装置6をコンベヤ室17に内装して軸架し、搬送終端側を扱室18の供給部11に臨ませ、搬送始端側を前側のオーガー5の背後に臨ませている。
【0011】
そして、前記脱穀装置10は、図2に示すように、上部に扱胴19を前後方向の扱胴軸により軸架し、その下側に選別受網20を張設して扱室18を構成し、その下側には選別室21を設けている。
【0012】
刈取前処理装置7は、図1及び図2に示すように、前記コンベヤ室17の搬送始端側に収集テーブル30の後側端部を連結して前側に延出して設け、このテーブル30上に左右方向横向きにした横軸4に軸架した掻込オーガー5を設けている。そして、刈取前処理装置7には、前記収集テーブル30の前側の高い部位から少し前方へ離した位置に第一刈刃に相当する刈取装置1を設けている。この刈取装置1が刈り取った茎稈上部のひまわりの花托部(種子部)を前記掻込オーガー5側に送り、オーガー5の搬送過程で収集しながら、前記コンベヤ室17の搬送始端側に供給する構成としている。そして、掻込オーガー5は、搬送コンベヤ装置6の搬送始端側のすぐ前側に対応する部位に掻込フィンガー31を設けて花托を後方へ掻き込むようにしている。なお、66は掻込リールである。
【0013】
また、収集テーブル30の左右両側部で前記刈取装置1の左右両側に相当する部位に、左右の分草杆2,2を前側に突出させて設けている。
また、誘導搬送装置3は、図1及び図2に示すように、上面部で搬送する形状にした複数の搬送無端帯3a〜3fの間に、それぞれ茎稈通路12,…を形成して前後方向に配列し、複数のひまわりの茎稈を誘導しながら後方へ搬送できるように構成している。そして、各搬送無端帯3a〜3fは、図面に示すように、後部を前記刈取装置1の上側から後方を経て、下側を通して前方下方に無端状に延出し、先端部を前側下方に下げ傾斜させて構成し、ひまわりの花托部を上に載せて搬送するように構成している。
【0014】
また、前記誘導搬送装置3は、図1に示すように、その左右中心に位置する搬送無端帯3aが車台9に装備した左右一対のクローラ8,8の中心部位から前方に延出した仮想中心線(P−P)上に配置するように構成している。そして、第2刈取装置13は、図1に示すように、左右中心位置の搬送無端帯3aと同様に前記仮想中心線(P−P)上に配置し、コンベヤの左右バランスを確保できる構成としている。
【0015】
次に、図1、図3及び図4に基づきひまわり茎稈の誘導搬送装置3への案内構成について説明する。
収集テーブル30における刈取装置1の左右両側方には、左右の分草杆2,2を前側に突出させて設け、左右の分草杆2,2と誘導搬送装置3の左右両側部との間の空間部を覆うように、左右の案内カバー81,81を設けている。そして、この左右の案内カバー81,81の前側部を、左右の先端分草案内部81a,81aに構成し、この先端分草位置と左右の分草杆2,2の分草位置を前後方向の同一直線上に位置させて、左右の先端分草案内部81a,81aの先端を左右の分草杆2,2の先端よりも前方へ延出させている。
【0016】
この左右の先端分草案内部81a,81aの後側に左右後側傾斜案内面部81b,81bを接続し、その上面には、図3に示すように、左右両側が高く内側ほど低くなる傾斜面を形成している。左右後側傾斜案内面部81b,81bの傾斜下端部には、正面視で上下方向に沿わせた左右縦案内面部81c,81cを接続して誘導搬送装置3の左右両側の搬送無端帯3e,3fの近傍に臨ませている。
【0017】
従来装置は、図5に示すように、左右の分草杆2,2の先端分草位置と左右の案内カバー81,81の先端分草位置とが左右にずれているので、ひまわりの茎稈が左右の分草杆2,2に引っ掛って押し倒され、ひまわりの花托をロスするという不具合があった。
【0018】
しかし、前記構成によると、左右の先端分草案内部81a,81aの先端分草位置と左右の分草杆2,2の先端分草位置が左右一致しているので、左右両側に向けて倒れているひまわりの花托を確実且つ円滑に引き起こすことができる。
【0019】
また、左右の先端分草案内部81a,81a及び左右の分草杆2,2により引き起こされたひまわりの花托は、左右の案内カバー81,81の左右後側傾斜案内面部81b,81b上を後方に案内されながら傾斜面に沿って内側に流下誘導され、左右両側の搬送無端帯3e,3fにより花托が確実に後方へ搬送され、茎稈の花托に近い部位から刈取装置1により切断される。従って、運転操作が楽になり、収穫ロスを防止し、切断性能を向上させることができる。
【0020】
次に、図1、図3及び図6に基づき誘導搬送装置3について説明する。
誘導搬送装置3は、搬送フレーム3g,…には複数の搬送無端帯3a〜3fが茎稈通路12を形成するように前後方向に配列し、機体フレームに左右方向の軸3p回りに上下回動自在に支架している。機体フレームの搬送フレーム3g,…の下方には左右方向の軸で屈折自在に連結しているアーム84a及びロッド84bを設け、ロッド84bの前側端部で搬送フレーム3gの前後方向中途部を支持している。そして、アーム84aと搬送フレーム3gの後側部との間に、上下調節手段83を設け、搬送フレーム3g,…を上下調節可能に支持している。
【0021】
従来装置は、図7に示すように、機体フレームに対して左右方向の軸回りに搬送フレーム3gを単に上下回動自在に支架する構成であるので、ひまわりの茎稈の搬送中に負荷がかかると、折り曲がって変形したり、振動するという不具合があった。しかし、前記構成によると、搬送フレーム3gの剛性が向上し、振動を軽減させ、ひまわりの茎稈を安定して搬送することができる。
【0022】
次に、図8乃至図10に基づき誘導搬送装置3について説明する。
誘導搬送装置3は、図8及び図9に示すように、搬送フレーム3g,…には複数の搬送無端帯3a〜3fを前端ローラ3h,…及び後端ローラ(図示省略)に巻き架け、茎稈通路12,…を形成するように前後方向に配設し、搬送無端帯3a〜3fには所定間隔毎にスラット3i,…を設けて、ひまわりの花托を載置し後方へ搬送するように構成している。そして、搬送フレーム3g,…には搬送無端帯3a〜3fの下方を覆うように保護板85を取り付けている。
【0023】
従来装置は、図10に示すように、搬送無端帯3a〜3fの下方には何もなく、搬送無端帯3a〜3fの下側の前方へ回動する部分は非作用側ではあるが、搬送無端帯3a〜3fが垂れ下がってくると、茎稈を引っ掛けて前端ローラ3hに持ち込み、詰まりが生じるという不具合があった。
【0024】
しかし、前記構成によると、保護板85により搬送無端帯3a〜3fの垂れ下がりを防止し、搬送無端帯3a〜3fによる前端ローラ3hへの茎稈の巻き込みを防止し、円滑な搬送作用をすることができ、また、搬送フレーム3gの剛性を高めることができる。
【0025】
また、搬送フレーム3gの前側下部には支持板86を取り付け、この支持板86を前記保護板85の前側部下方を通して前方へ延出し、支持板86の前端には上下方向の軸回りに回転するように円板87を取り付け、この円板87を搬送無端帯3a〜3fの前端部下方に配置している。
【0026】
前記構成によると、機体の後進時に円板87の支持部からひまわりの茎稈が搬送無端帯3a〜3fに侵入することもなく、ひまわりの花托の脱落を防止することができる。
次に、図11及び図12に基づき汎用コンバインにおける刈取前処理装置7の自動刈取高さ制御について説明する。
【0027】
刈取前処理装置7を左右にローリング制御可能な汎用コンバインにおいて、刈取前処理装置7の下部に左右接地センサ91a,91b、中央接地センサ91cを設け、刈取前処理装置7により3畦U,…のひまわりの刈取作業をするように構成している。そして、左右接地センサ91a,91bの接地が優先するように刈取前処理装置7を左右対地平行に刈取高さ制御をする。そして、この左右対地平行の高さ制御中に、中央接地センサ91cの接地を検出すると、刈取前処理装置7を左右水平による刈取高さ制御に変更するものである。
【0028】
図12に示すように、刈高さ制御が開始されると、刈取・脱穀クラッチ入り、作業速度での前進走行開始等の条件から刈高さ自動制御条件が成立したか否かを判定する(ステップS1)。刈高さ自動制御条件が成立している場合には、刈り高さ自動スイッチのON/OFFを判定し(ステップS2)、OFFの場合には、刈高さ自動制御を解除し(ステップS3)、ONの場合には、左右接地センサ91a,91bが接地しているか否かの判定をする(ステップS4)。
【0029】
そして、ONの場合には、中央接地センサ91cが接地しているか否かを判定する(ステップS5)。ONの場合には、刈取前処理装置7を左右水平姿勢の刈取高さ制御をし(ステップS6)、OFFの場合には、刈取前処理装置7を地面左右平行の刈取高さ制御をする(ステップS7)。
【0030】
また、刈高さ自動制御条件が成立したか否かを判定し(ステップS1)、刈高さ自動制御条件が成立していない場合には、昇降レバーの昇降操作の判定をし(ステップS8)、上昇操作であれば、刈取前処理装置7を上昇して自動刈高さ制御を解除し、また、下降操作の場合には、前記ステップS4に移行する。また、左右接地センサ91a,91bの接地しているか否かを判定し(ステップS4)、接地していない場合には、ステップS6に移行する。
【0031】
3条刈りの刈取前処理装置7を地面に対して左右平行だけの刈取高さ制御では、中央の畦が高い場合には、左右どちらかの畦は高刈りになってしまい、刈り残し茎稈が長くなるという不具合がある。しかし、前記構成によると、中央接地センサ91cが接地状態を検出すると、刈取前処理装置7を左右水平制御に変更するので、左右茎稈の刈り残しを少なくすることができる。
【0032】
次に、図13に基づき汎用コンバインにおける刈取前処理装置7の自動刈取高さ制御の他の実施例について説明する。
3条刈り型の刈取前処理装置7を左右にローリング制御可能な汎用コンバインにおいて、刈取前処理装置7の下部に左右接地センサ91a,91b、中央接地センサ91cを設け、刈取前処理装置7の左右、中央の地面からの高さを検出可能に構成し、3個の接地センサ91a,91b,91cの検出高さからコントローラ(図示省略)で左右対地平行高さ、左右水平制御高さを演算し、刈取前処理装置7を左右対地平行制御、あるいは、左右水平制御により刈り高さ制御を行なうものである。
【0033】
図13に示すように、刈高さ制御が開始されると、刈高さ自動制御条件が成立したか否かを判定する(ステップS11)。刈高さ自動制御条件が成立している場合には、刈り高さ自動スイッチのON/OFFを判定し(ステップS12)、OFFの場合には、刈高さ自動制御を解除し(ステップS3)、ステップS11に戻る。また、刈り高さ自動スイッチがONの場合には、左右接地センサ91a,91bで対地高さを検出すると共に(ステップS14)、中央接地センサ91cで対地高さを検出し(ステップS15)、CPUに入力する。
【0034】
次いで、CPUで所定の演算式により左右接地センサ91a,91bの対地最下限高さ、及び、中央接地センサ91cの対地最下限高さを算出する(ステップS16)。次いで、左右接地センサ91a,91bが対地最下限高さ以上の高さを検出しているときには、対地左右平行による刈取高さ制御を実行し(ステップS17)、中央接地センサ91cが対地最下限高さを検出すると、左右水平の刈取高さ制御を実行する(ステップS18)。
【0035】
前記構成によると、中央接地センサ91cが接地最下限高さを検出すると、刈取前処理装置7を左右水平制御に変更するので、左右茎稈の刈り残しを少なくすることができる。
次に、図14に基づきコンバインのクローラの泥落し装置について説明する。
【0036】
車体後部には左右ブラシアーム95,95を左右方向の軸95a回りに回動自在に軸支し、左右ブラシアーム95,95の先端部にブラシ支持軸96を取り付けている。ブラシ支持軸96の左右両側部に左右ブラシ97,97の筒体97a,97aを嵌合しピンで固着している。また、ブラシ支持軸96にはブレーキ98を装着している。
【0037】
しかして、左右ブラシアーム95,95を下方に回動すると、左右ブラシ97,97が左右クローラ8,8の外周面に接触し、ブラシ支持軸96にブレーキ98を作動しながら、左右クローラ8,8を走行させると、外周面に付着した泥を迅速に落すことができる。また、左右ブラシアーム95,95を上方へ回動すると、左右ブラシ97,97を上方の退避位置に収納することができる。
【0038】
前記構成によると、圃場から出たところで、コンバインを前後進することにより、圃場の出入り口付近でクローラ8の泥を落すことができ、クローラ8,8の清掃が容易となる。また、機体の左右両側から左右ブラシ97,97の交換をすることができ、交換作業が容易になる。
【0039】
次に、図15に基づきコンバインの電力節減構成について説明する。
コンバインの作業時において、特に旋回走行や湿田作業時にオルタネータ101の発電をゼロにし、馬力ロスを低減しようとするものである。
【0040】
図15に示すように、オルタネータ101、レギュレータ102及びコントローラ103を設けた電気回路において、オルタネータ101とレギュレータ102との間を、コントローラ103に接続している接続回路104を経由して接続している。コントローラ103の入力側には、刈取・脱穀クラッチレバーの操作状態を検出するクラッチ検出スイッチ103aを接続し、また、左右操舵用のパワーステアリングレバーの左右操舵検出スイッチ103b,103cを接続している。また、出力側にはローリング制御用のローリングソレノイド出力回路103dを接続し、ローリングソレノイドに制御信号を出力するように構成している。
【0041】
刈取・脱穀クラッチの入り操作が刈取・脱穀クラッチ入切検出スイッチ103aによりコントローラ103に入力された状態で、パワーステアリングレバーの左右操舵操作に基づく左右操舵検出スイッチ103b,103cの操舵情報が例えば2秒以上連続して検出されたとき、また、ローリングソレノイド出力回路103dから例えば5秒間に10回以上のローリングソレノイドの励磁信号が出力されたときには、オルタネータ101のフィールドコイル101aの励磁電流をカットし、フリクションロスを低減するようにしている。
【0042】
コンバインの自動化、夜間作業などで電装品の消費電力が増加し、作業中において最大時には約1馬力程度のロスがオルタネータ101で発生する。しかし、前記構成によると、コンバインの高負荷運転中におけるオルタネータ101の馬力ロスを軽減し、円滑に作業を進めることができる。
【0043】
なお、エンジンの始動時に、オルタネータ101のフリクションロスを低減すするために、主変速レバーが中立時において、、無段変速装置駆動用のベルトテンションクラッチが非作用状態になると、オルタネータ101のフィールドコイル101aの励磁電流をカットするように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】コンバインの全体平面図。
【図2】コンバインの全体側面図。
【図3】刈取前処理装置の切断正面図(図1のS−S線断面図)。
【図4】刈取前処理装置の平面図。
【図5】従来の刈取前処理装置の平面図。
【図6】誘導搬送装置の側面図。
【図7】従来の誘導搬送装置の側面図。
【図8】誘導搬送装置の側面図。
【図9】誘導搬送装置の切断正面図。
【図10】従来の誘導搬送装置の側面図。
【図11】刈取前処理装置の側面図、平面図。
【図12】フローチャート。
【図13】フローチャート。
【図14】コンバイン後側部の側面図、背面図。
【図15】制御電気回路図。
【符号の説明】
【0045】
1 刈取装置
2 分草杆
3 誘導搬送装置
4 掻き込みオーガ
6 搬送コンベヤ装置
10 脱穀装置
81 案内カバー
81a 先端分草案内部
81b 後側傾斜案内面部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
刈取装置(1)と、該刈取装置(1)の左右両側に設けた左右の分草杆(2,2)と、前記刈取装置(1)の上方から前下がり傾斜状に前方へ延出した複数の誘導搬送装置(3,…)と、前記刈取装置(1)の後方部位に左右方向の横軸(4)回りに回転自在に設けた掻込オーガ(5)と、該掻込オーガ(5)の後側から後方に向けて延出した搬送コンベヤ装置(6)と、該搬送コンベヤ装置(6)の後方に設けた脱穀装置(10)とを備えたコンバインであって、前記左右の分草杆(2,2)と前記誘導搬送装置(3,…)の左右両側部との間に、左右の案内カバー(81,81)を夫々設け、該左右の案内カバー(81,81)の前側部を前記左右の分草杆(2,2)よりも前方へ突出する先端分草案内部(81a,81a)に構成し、該左右の先端分草案内部(81a,81a)の後部に後側傾斜案内面部(81b,81b)を接続し、該後側傾斜案内面部(81b,81b)には左右両側が高く内側ほど低くなる傾斜面を形成して傾斜下端部を前記誘導搬送装置(3,…)の左右両側部に臨ませ、前記左右の分草杆(2,2)の先端分草位置と前記左右の先端分草案内部(81a,81a)の先端分草位置を前後方向の同一直線上に配置したことを特徴とするコンバイン。
【請求項2】
前記誘導搬送装置(3,…)の搬送無端帯(3a〜3f)の下方を覆うように保護板(85,…)を設けたことを特徴とする請求項1記載のコンバイン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−29133(P2010−29133A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−196544(P2008−196544)
【出願日】平成20年7月30日(2008.7.30)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】