説明

コンパクト容器

【課題】裏面に装飾光発光用電子素子を有する蓋体を、嵩張らずかつ配線が不体裁にならないようにコンパクト容器に組み込むことを目的とする。
【解決手段】 コンパクト本体と蓋体との各後部を枢着し、該蓋体裏面に装飾光発光用電子素子を付設したコンパクト容器において、上記発光用電子素子60を、上記コンパクト本体2と蓋体40との枢着箇所を通る導電線70、72を介して、コンパクト本体2に内装する電源18に接続しており、更に望ましくは、コンパクト本体2と蓋体40との各後部を貫通する枢着ピン48を導電性材料で形成し、該枢着ピンを上記導電線70、72の一部として上記発光用電子素子60と電源18とを接続している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクト容器、特に裏面に装飾用発光手段を有するコンパクト容器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種容器として、蓋体裏面に装飾用発光ダイオードを、又蓋体内部に当該ダイオードに接続する電源をそれぞれ設けたものが知られており(特許文献1)、他方、蓋体裏面に発光ダイオードを、又コンパクト本体に電源を設けたものもある(特許文献2)。
【特許文献1】特開2004−57553号
【特許文献2】特開2000−125933号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1のものは、電源を内蔵することで蓋体が分厚くなり、回動させ難くなるという不都合があった。これを避けるためには特許文献2の如く発光ダイオードを蓋体に、電源をコンパクト本体に分離して設けることが考えられるが、その場合に蓋体と電源との間にどの様に配線をするかが問題となり、仮に両者の間に人目を惹くリード線などを配線したとすれば不体裁であり、装飾用の発光ダイオードを付設した意味がなくなる。この問題に関して特許文献2は何も開示していない。
【0004】
そこで本発明は、裏面に装飾光発光用電子素子を有する蓋体を、嵩張らずかつ配線が不体裁にならないようにコンパクト容器に組み込むために、上記発光用電子素子を、上記コンパクト本体と蓋体との枢着箇所を通る導電線を介して、コンパクト本体に内装する電源に接続したものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、コンパクト本体2と蓋体40との各後部を枢着し、これらコンパクト本体及び蓋体の一方に装飾光発光用電子素子60を、他方に、電源18をそれぞれ装備させ、これら装飾光発光用電子素子と電源とを、上記コンパクト本体2と蓋体40との枢着箇所を通る導電線70,72を介して接続している。
【0006】
上記構成において、コンパクト本体と蓋体との「枢着箇所」に電流を通すのは、蓋体の開閉如何によらず、常時蓋体とコンパクト本体とが常時接触しており、かつ利用者の目につき難い場所だからである。具体的には当該枢着箇所は、コンパクト本体と蓋体との枢着軸とすることが望ましい。該枢着軸以外では、枢着軸近傍のコンパクト本体及び蓋体対向面部分(後述の第1、第2軸受部対向面部分)にそれぞれ導電性の接続端子を付設し、これらを回転自在に面接触させることなども可能であるが、コンパクト本体及び蓋体の軸受部を精度良く成形しないと接触不良を起す可能性があるのに対して、導電性枢着軸を導電路の一部とするときには、このような問題を生じない。
【0007】
「発光用電子素子」は、発光ダイオードとすることが望ましいが、電気エネルギーを光エネルギーに変換可能なものであればなんでも良い。
【0008】
「電源」は、コンパクト本体又は蓋体に対して着脱自在なカセット式のものとすることができる。
【0009】
蓋体が嵩張らないようにするためには、発光用電子素子を蓋体裏面に付設するとともに、電源をコンパクト本体に内蔵させることが有利である。このとき、電源は例えばコンパクト本体の底壁と、コンパクト本体内に装着するパフ乃至化粧料収納用の中皿との間に設置することができる。しかし、これとは逆に、電源を蓋体側に、又、発光用電気素子をコンパクト本体側に組み込むこともできる。この場合には、例えばコンパクト本体に内装する中皿の周壁上端に透明な外向きフランジを付設し、該外向きフランジ下面に発光用電子素子を設置することができる。又、該発光用電子素子とともに、その外向きフランジ下面に沿って延びる後述の導光ライン(光ファイバーなど)を設けることもできる。

第2の手段は、上記第1の手段を有し、かつ上記装飾光発光用素子60を、上記蓋体40裏面に付設するとともに、上記電源18をコンパクト本体2に内蔵させている。
【0010】
第3の手段は、上記第1の手段又は第2の手段を有し、かつ上記コンパクト本体2と蓋体40との各後部を貫通する枢着ピン48を導電性材料で形成し、該枢着ピンを上記導電線70、72の一部として上記発光用電子素子60と電源18とを接続している。
【0011】
第4の手段は、上記第3の手段を有し、かつコンパクト本体周壁6の後壁左右中間部に形成した少なくとも上面及び後面開口の嵌合凹部8内へ、上記蓋体40の頂板42後端部側から軸受板44を垂下し、該軸受板の左右両端部分下部と上記嵌合凹部8両側の本体後壁部分下部とを、それぞれ軸受部10、46として、同一軸線上に存する一対の枢着ピン48、48で枢着するとともに、これら枢着ピンの左右両半の各一部が前方に露出するように本体側軸受部10及び蓋体側軸受部46の前壁部分を切り欠いて、これら切欠き32、84を介して各枢着ピンの両露出部分に、本体側乃至蓋体側の導電線部分70、72の接続端子76、80を回転自在に接触させている。
【0012】
「切欠き」は、少なくとも第1、第2軸受部の軸方向の一部(好ましくは両軸受部の対向部分)を、軸受孔として残すように設ける。具体的には、第1、第2軸受部の前壁側に深溝状の切込みとして穿設してもよく、又、上記対向部分を除く第1、第2軸受部の前壁部分を切除して形成してもよい。これらの構造については後述する。
【0013】
第5の手段は、上記第4の手段を有し、かつ上記蓋体40は、上記軸受板44の下部から前方側へ蓋体側軸受部46を突設させ、該蓋体側軸受部46と蓋体頂板42の後部との間隙内に上記発光用電子素子60を収納するように形成している。
【0014】
第6の手段は、上記第5の手段を有し、かつ上記蓋体40の裏面側又は上記コンパクト本体2の上面側の周辺部分に沿って、一端部で装飾光発光素子60からの装飾光を受光して他端部で発光する、光ファイバーその他の導光ライン62を設けている。
【0015】
「導光ライン」は、光ファイバーの如く先端部からのみ光を発するように処理されたものの他、その様な処理をせずに先端面以外の表面部分全体から発光するように設けた合成樹脂製の線状材、例えばナイロン製の毛束などとすることができる。その合成樹脂の好適な例としては、PET,ポリエステル、アクリル、ナイロン、スチレン系樹脂などが挙げられる。
【0016】
又、この導光ラインは、蓋体の裏面側に装着された鍔形の上枠58を介して取り付けることができる。具体的には、上記上枠58を透明材料で形成するとともに、該上枠58上面と蓋体頂板42の外周部下面との間に発光用電子素子及び導光ラインを載置するとよい。該構成については更に後述する。又、上記上枠58の下面に発光用電子素子及び導光ライン嵌合用の溝を形成しても良い。
【0017】
更に導光ラインとしては、各発光用電子素子から長さが異なる複数の光ファイバーを延出して、蓋体40外周部の周方向に異なる位置に存する光ファイバーの端面から発光するように設けることもできる。更に光ファイバーの長手方向の適所に切込みを穿設して、該切込みから発光するように設けてもよい。更に又、異なる色彩を発光する複数の発光ダイオードを設け、各発光ダイオードから光ファイバーを延出し、異なる色を発光する複数のファイバーの束とすることができる。
【0018】
第7の手段は、上記第2の手段を有し、かつ上記蓋体40の裏面周辺部分に沿って、透明合成樹脂材で形成された鍔形の上枠58を取り付るとともに、該上枠の一部を除去して、側内面を受光面86aとする切欠き状の受光部86を形成し、該受光部内に収納した発光用電子素子60から上記受光面86aを介して上枠58の内部へ装飾光を入射可能としている。「上枠」は、AS樹脂(アクリロニトリルスチレン共重合体)、或いはアクリル樹脂で形成することができる。又、該上枠58には、発光用の溝88を凹設することができる。
【発明の効果】
【0019】
第1の手段に係る発明によれば、上記電源18と発光用電子素子60とを、コンパクト本体2と蓋体40との枢着箇所を通る導電線70、72を介して接続したから、簡単な構成で良好な接続状態が得られるとともに、配線が人目につき難く体裁が良い。
【0020】
第2の手段に係る発明によれば、コンパクト本体2に電源18を、又蓋体40裏面に発光用電子素子60をそれぞれ設けたから、蓋体40が過度に嵩張ることがなく、開閉蓋が容易である。
【0021】
第3の手段に係る発明によれば、既存のコンパクト容器の構成の一部である枢着ピンを導電路の一部として利用するから、より一層簡易な構成とすることができる。
【0022】
第4の手段に係る発明によれば、枢着ピンを2本に分離して軸受板44の左右両端の2箇所をコンパクト本体側へ枢着して、これら両枢着ピンを、コンパクト本体と蓋体との接続箇所としたから、これら接続箇所の間に十分に距離をとって短絡を生ずることを防止することができる。
【0023】
第5の手段に係る発明によれば、上記軸受板44の下部から前方側へ蓋体側軸受部46を突設させたから、該蓋体側軸受部46と蓋体頂板42の後部との間隙内に上記発光用電子素子60を収納することでコンパクトな構成とすることができる。
【0024】
第6の手段に係る発明によれば、上記蓋体40の裏面側又は上記コンパクト本体2の上面側の周辺部分に沿って、一端部で装飾光発光素子60からの装飾光を受光して他端部で発光する、光ファイバーその他の導光ライン62を設けたから、より装飾性を高めることができる。
【0025】
第7の手段に係る発明によれば、上記蓋体40の裏面周縁部分に沿って設けた、透明合成樹脂製の鍔形の上枠58の端面へ装飾光を入射可能に形成したから、その上枠の縁部分が発光して、上記光ファイバーを使用した場合とは趣の異なる装飾効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1乃至図10は、本発明の第1の実施形態に係るコンパクト容器を示している。
【0027】
まず、本発明の構成のうち公知の部分を説明すると、当該コンパクト容器は、コンパクト本体2と、蓋体40と、中皿64と、化粧皿68とで構成されている。
【0028】
コンパクト本体2は、長方形状の底壁4周縁から周壁6を起立しており、該周壁の後壁部分を前方へ陥没させて、上下両面及び後面開口の嵌合凹部8を形成している。該嵌合凹部両側の後壁部分下部は、蓋体側の軸受部10としている。又、上記周壁6の前壁部分には、蓋体40前端部と係止部を兼ねた押し釦12を設けている。
【0029】
蓋体40は、図6及び図7に示す如く頂板42の後端部左右中間部から軸受板44を垂下しており、該軸受板を上記嵌合凹部8内へ嵌合させるとともに、該軸受板の下部に蓋体側軸受部46を形成し、該蓋体側軸受部と本体側軸受部10とを枢着ピン48で枢着している。該枢着部の構造は後述する。又、後端部左右中間部を除く頂板42周縁部分からは、垂下板50を垂設して、その下端部を上記コンパクト本体周壁6の上端面に載置させている。又、上記頂板42の裏面中央部には鏡52が付設されている。
【0030】
中皿64は、図2及び図3に示す如くコンパクト本体2の周壁6内に嵌合された浅皿状の部材であり、仕切り壁部64aを隔てて開口するパフ及び化粧皿収納用の左右一対の凹部64b,64cを有している。
【0031】
化粧皿68は、上記中皿の凹部64bに収納されている。
【0032】
本発明のコンパクト容器は、更に電源部16と、光源部54と、電源と光源との接続用の導電線70、72とを具備している。
【0033】
電源部16は、コンパクト本体2に内蔵させており、好ましくは、該コンパクト本体の底壁4と中皿64の底板との間に介在させている。このため、図9に示す如く中皿底板の一部(図示例では底板後部側の一方角部)を周囲から盛り上がった隆起板部64dとして、該隆起板部下面とコンパクト本体底壁4の上面との間に電源部16を設けている。上記隆起板部64dは、中皿64のパフ収納凹部64b側に設けることが望ましい。又図示の電源部16は、図9に示す如くコンパクト本体2からの着脱が自在なカセットタイプのものとして構成されており、図8に示す如くコンパクト本体2の周壁の一部に穿設した挿入口14から出し入れ可能としている。上記電源部16は、電源18と該電源を収納するためのカセット20とで構成されており、該カセットは、図3に示す如く左右方向に長い上板22の左右両側部から側板24、24を、又左右方向中間部から中板26をそれぞれ短く垂下するとともに、該中板から前面視ハ字形の接続金物28の左右両部を突設している。そしてこれら接続金物の両端部に正負の電極面を接触させて相互に上下反対向きの一対の電源18、18を上記各側板24と中板26との間に挟持させている。又、上記上板22と上記中皿64の隆起板部64dの各対応部分には、例えば図2に示す如くカセット抜止め用の係合手段30、66を形成している。
【0034】
光源部54は、蓋体40の頂板42裏面外周部に形成しており、好ましくは該裏面との間に光源収納用間隙56を存して取り付けた透明合成樹脂製の鍔形の上枠58と、上記間隙56内に収納された発光用電子素子60及び導光ライン62とで構成されている。上記上枠58は、中筒58aの下端に鍔板58bを付設した形状のもので、該鍔板の周辺部を上記蓋体40の垂下板50内面に、かつ中筒58aの上端面を、鏡52周縁に沿った頂板42裏面部分にそれぞれ突き当てて着脱自在に固定している。上記発光用電子素子60は、発光部を側外方に向けた左右一対の発光ダイオードとして、上記鍔板58bの後板部分左右中間部の上面に載置されている。尚、図1では、両電子素子60、60の左右両側には電源への導電線の一部である接続端子の保持部が描かれているが、これらについては後述する。上記導光ライン62は、上記発光用電子素子60、60の各発光部から、上記保持部の側方を経て蓋体40前方側へ延出している。図示例では、導光ラインとして、上記発光部から延びる長短2本の光ファイバーを設けており、短い光ファイバーの先端部を蓋体40の左右側壁部分に、又長い光ファイバーの先端部を蓋体の前壁中央部分にそれぞれ位置させている。これに対して、一本の光ファイバーの適所に数カ所に浅い切込みを穿設して各切込みから光が漏れるように形成しても良い。又、異なる色の光を発光する複数の発光ダイオードを設け、これら発光ダイオードにそれぞれ光ファイバーを接続することで多色の装飾光を利用できるようにすることができる。
【0035】
導電線70、72は、2本の枢着ピン48、48を介して電源部16と光源部54とを接続している。
【0036】
電源部16と枢着ピン48とを結ぶ導電線70は、図2に示す如く2個の電池にそれぞれ接続した長短2本の線であって、何れも図2に示す如く一方端部に例えばL字形の電源接続用端子74を、又他方端部に好ましくは舌片形の枢着ピン接続用端子76をそれぞれ付設している。短い導電線70は、図9に示す如く、電源部16からスイッチ78を介して電源部16の近くの枢着ピン48へ、又長い導電線70は、電源部16からコンパクト本体周壁6の後壁部分前面に沿って、電源部16の遠くの枢着ピン48へそれぞれ延びており、かつ各導電線70先端側の端子76を、コンパクト本体側の軸受孔10aに挿入された枢着ピン部分に接続している。これら枢着ピン部分は、上記コンパクト本体2の周壁6後壁部分へ深溝状の切欠き32、32穿設により露出させ、該露出部分に上記枢着ピン接続用端子76を回転自在に接触させている。上記スイッチ78は、蓋体を開蓋したときにオンになるように形成している。尚、78a,78aは、スイッチ78の端子である。
【0037】
枢着ピン48と光源部54とを結ぶ導電線72は、左右一対の枢着ピン接続用端子80、80を有する。これら端子は、例えば図7に示す如く側面視J字形の帯板状のもので、既述上枠58の鍔板58b上に載置した保持部82から、蓋体40側の軸受孔46aに挿入された枢着ピン部分へ垂下している。該枢着ピン部分は、図6、10と図7とに示す如く既述蓋体側軸受部46の前壁部分を切り欠くことで容器内方へ露出しており、該露出部分を、上記切欠き84を介して上記枢着ピン接続用端子80の下端部へ回転可能に接触させている。上記導電線72は、更に上記両枢着ピン接続用端子80の上端部と上記一対の発光用電子素子60、60の一方端子とを接続するとともに、これら電子素子の他方端子相互を接続している。
【0038】
上記構成において、上記切欠き32、84は、第1、第2軸受10、46の何処に設けてもよいが、蓋体のガタつきを避けるために図4に示す両軸受の端面10b,46b付近を除く部分に穿設することが望ましい。尚、枢着ピンを介して電流を通電する本実施形態の構成に代えて、既述の如く上記第1、第2軸受10、46の端面10b、46bにそれぞれ導電板などの接続端子を相互に摺接自在に貼着し、これら端面をそれぞれ電源側及び光源側に接続することも可能である。
【0039】
上記構成によれば、図4に示す如く、同図左側の電源18から、電源接続用端子74、スイッチ78、同図左側の枢着ピン接続用端子76、枢着ピン48、及び枢着ピン接続用端子80を介して発光用電子素子60、60へ接続し、又両素子から、同図右側の枢着ピン接続用端子80、枢着ピン48及び枢着ピン接続用端子76を介して、同図右側の電源18へ接続し、更に両電源18、18を接続金物28で接続する回線を形成しているが、図4の閉蓋状態では、スイッチ78がオフになっている。蓋体40を開蓋すると、スイッチ78がオンになって電流が流れるので、発光用電子素子60が発光し、この光が導光ライン62を経て所定箇所で射出され、装飾的効果が得られる。蓋体40を閉じるとスイッチがオフとなり、装飾光も消える。
【0040】
尚、図示例と異なり、上記電源部を蓋体側に、又、光源部を蓋体側にそれぞれ装備させることもできる。この場合、電源部は、例えば蓋体の頂板と鏡との間に図示例で示したような円盤型の電池を挿入させてもよいが、これだと蓋体がかなり厚く嵩張るものとなるので、図7に示す間隙56に発光ダイオードに代えて円筒型の電池を設置しても良い。又、スイッチは、蓋体裏面の適所に、閉蓋時にコンパクト本体側と接触してオフとなり開蓋時にオンとなるように設置することができる。又、光源部は、例えばコンパクト本体の周壁6と中皿64の周壁との間隙に装備させることができる。例えば図2に示す枢着ピン接続用端子76,76の付近にそれぞれ一対の発光用電子素子を設置することができる。この場合、上記中皿64の周壁の上端に付設した外向きフランジを透明とするとともに、やや巾広に形成し、この外向きフランジ下面に沿って、コンパクト本体の後部から前部側へ延びる導光ラインを設置すると良い。
【0041】
図10は、本発明の第2の実施形態を示すものである。この実施形態は、光ファイバーなどの導光ラインに代えて、透明合成樹脂材で形成した上枠58を導光路として用いたものであり、該上枠の鍔板58b後板部分に、発光用電子素子の収納凹部を兼ねた受光部86を穿設して、該受光部内に発光用電子素子60を挿入し、該電子素子から受光部の端面で形成する受光面86a内へ装飾光を入射したときに、該入射光が鍔板58bの内部で全反射を繰り返して主に鍔板58bの縁部で発光するように構成している。又、該鍔板の適所には、発光用溝88を形成すると良い。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るコンパクト容器の上面図である。
【図2】同容器のコンパクト本体の上面図である。
【図3】図2のIII−III線方向に見た同容器の拡大縦断面図である。
【図4】同容器の後面図である。
【図5】図2のV−V線方向に見た同容器の拡大縦断面図である。
【図6】図2のVI−VI線方向に見た同容器の拡大縦断面図である。
【図7】図2のVII−VII線方向に見た同容器の拡大縦断面図である。
【図8】同容器の側面図である。
【図9】同容器の電源部及びその周辺の分解斜視図である。
【図10】同容器の蓋体側軸受部及びその周辺の拡大図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るコンパクト容器の上面図である。
【符号の説明】
【0043】
2…コンパクト本体 4…底壁 6…周壁 8…嵌合凹部 10…本体側軸受部
10a…軸受孔 10b…同端面12…押し釦 14…挿入口 16…電源部16…電源
20…カセット 22…上板 24…側板 26…中板 28…接続金物 30…係合手段
32…切欠き 40…蓋体 42…頂板 44…軸受板 46…蓋体側軸受部
46a…軸受孔 46b…同端面 48…枢着ピン
50…垂下板 52…鏡 54…光源部 56…光源収納用間隙 58…上枠
58a…中筒 58b…鍔板 60…発光用電子素子 62…導光ライン
64…中皿 64a…仕切り壁部 64b…パフ収納凹部 64c…化粧皿収納凹部
64d…隆起板部 66…係合手段 68…化粧皿 70、72…導電線
74…電源接続用端子 76…枢着ピン接続用端子 78…スイッチ 78a…同端子
80…枢着ピン接続用端子 82…端子保持部 84…切欠き 86…受光部 86a…同端面
88…発光用溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンパクト本体2と蓋体40との各後部を枢着し、これらコンパクト本体及び蓋体の一方に装飾光発光用電子素子60を、他方に、電源18をそれぞれ装備させ、これら装飾光発光用電子素子と電源とを、上記コンパクト本体2と蓋体40との枢着箇所を通る導電線70,72を介して接続したことを特徴とする、コンパクト容器。
【請求項2】
上記装飾光発光用素子60を、上記蓋体40裏面に付設するとともに、上記電源18をコンパクト本体2に内蔵させたことを特徴とする、請求項1記載のコンパクト容器。
【請求項3】
上記コンパクト本体2と蓋体40との各後部を貫通する枢着ピン48を導電性材料で形成し、該枢着ピンを上記導電線70、72の一部として上記発光用電子素子60と電源18とを接続したことを特徴とする、請求項1又は請求項2記載のコンパクト容器。
【請求項4】
コンパクト本体周壁6の後壁左右中間部に形成した少なくとも上面及び後面開口の嵌合凹部8内へ、上記蓋体40の頂板42後端部側から軸受板44を垂下し、該軸受板の左右両端部分下部と上記嵌合凹部8両側の本体後壁部分下部とを、それぞれ軸受部10、46として、同一軸線上に存する一対の枢着ピン48、48で枢着するとともに、これら枢着ピンの左右両半の各一部が前方に露出するように本体側軸受部10及び蓋体側軸受部46の前面部分を切り欠いて、これら切欠き32、84を介して各枢着ピンの両露出部分に、本体側乃至蓋体側の導電線部分70、72の接続端子76、80を回転自在に接触させたことを特徴とする、請求項3記載のコンパクト容器。
【請求項5】
上記蓋体40は、上記軸受板44の下部から前方側へ蓋体側軸受部46を突設させ、該蓋体側軸受部46と蓋体頂板42の後部との間隙内に上記発光用電子素子60を収納するように形成したことを特徴とする、請求項4記載のコンパクト容器。
【請求項6】
上記蓋体40の裏面側又は上記コンパクト本体2の上面側の周辺部分に沿って、一端部で装飾光発光素子60からの装飾光を受光して他端部で発光する、光ファイバーその他の導光ライン62を設けたことを特徴とする、請求項1記載のコンパクト容器。
【請求項7】
上記蓋体40の裏面周辺部分に沿って、透明合成樹脂材で形成された鍔形の上枠58を取り付るとともに、該上枠の一部を除去して、側内面を受光面86aとする切欠き状の受光部86を形成し、該受光部内に収納した発光用電子素子60から上記受光面86aを介して上枠58の内部へ装飾光を入射可能としたことを特徴とする、請求項2に記載のコンパクト容器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−42945(P2006−42945A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−224931(P2004−224931)
【出願日】平成16年7月30日(2004.7.30)
【出願人】(000006909)株式会社吉野工業所 (2,913)
【Fターム(参考)】