コンパクト容器
【課題】 用具収納凹部から化粧用具を取り出し易くすると同時に、化粧用具を用具収納凹部に収納し易く、しかも蓋体を開いた際に化粧用具が用具収納凹部から不測に落下することがないようにする。
【解決手段】 蓋体23が容器本体1に開閉自在にヒンジ結合され、容器本体1に化粧用具11を収納する用具収納凹部13が設けられたコンパクト容器において、蓋体23の開閉動作により、用具収納凹部13内に化粧用具11を摘むための指挿入空間を形成するべく化粧用具11を移動させる移動手段が設けられている。
【解決手段】 蓋体23が容器本体1に開閉自在にヒンジ結合され、容器本体1に化粧用具11を収納する用具収納凹部13が設けられたコンパクト容器において、蓋体23の開閉動作により、用具収納凹部13内に化粧用具11を摘むための指挿入空間を形成するべく化粧用具11を移動させる移動手段が設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクト容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンパクト容器には蓋体が容器本体に開閉自在にヒンジ結合され、容器本体に化粧用具を収納する用具収納凹部が設けられたものがあり(例えば特許文献1)、この種の従来のコンパクト容器には、用具収納凹部内に受板を上下移動自在に配置すると共に、受板の下方に受板を上方に付勢する板バネを設け、化粧用具を用具収納凹部内の受板上に載せて収納するようにしたものがある(例えば特許文献1)。この場合、化粧用具を用具収納凹部内に収納して、蓋体を閉めると、蓋体に化粧用具が下方に押されて板バネの付勢に抗して化粧用具が用具収納凹部内に受板と共に下方移動して用具収納凹部内に納まり、蓋体を開くと、化粧用具が用具収納凹部内から上方突出し、化粧用具が用具収納凹部から取り出し易くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭58−8407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の場合、板バネで受板を上方に付勢しているため、化粧用具を用具収納凹部内に収納した際に収まりが悪く、収納する際に受板から化粧用具が落下するおそれがあり、化粧用具の収納が面倒になるという問題があった。また、蓋体を開いて化粧用具を取り出す際に板バネの付勢力によって化粧用具が受板乃至用具収納凹部内から不測に落下するおそれもあった。さらに、蓋体を閉じた状態で、板バネのテンションが蓋体側に常時かかり蓋体を係合保持するために係合部が破損し易くなる等の問題もあった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて、用具収納凹部から化粧用具を取り出し易くすると同時に、化粧用具を用具収納凹部に収納し易く、しかも蓋体を開いた際に化粧用具が用具収納凹部から不測に落下することがないようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、蓋体が容器本体に開閉自在にヒンジ結合され、容器本体に化粧用具を収納する用具収納凹部が設けられたコンパクト容器において、
蓋体の開閉動作により、用具収納凹部内に化粧用具を摘むための指挿入空間を形成するべく化粧用具を移動させる移動手段が設けられている点にある。
【0007】
また、本発明の他の技術的手段は、化粧用具の把持部が長円柱形状、楕円柱状又は長方形の柱状に形成され、蓋体の開閉動作により前記移動手段で把持部の長円、楕円又は長方形の長軸が水平状態から起立するように化粧用具を用具収納凹部内で姿勢変更させるようにした点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記移動手段は、容器本体の用具収納凹部に対応して、蓋体に突出した押圧片により構成されている点にある。
【0008】
また、本発明の他の技術的手段は、前記用具収納凹部の壁体に係止部が設けられ、蓋体の前後方向中途部に係合片が下方突設され、係合片に蓋体を閉塞状態に保持すべく係止部に下側から係合する係合凸部が後方突設されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記用具収納凹部の壁体に係止部が設けられ、押圧片に蓋体を閉塞状態に保持すべく係止部に下側から係合する係合凸部が設けられている点にある。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、蓋体の開閉動作により、用具収納凹部内に化粧用具を摘むための指挿入空間を形成するべく化粧用具を移動させる移動手段が設けられているので、用具収納凹部から化粧用具を取り出し易くなる。また、化粧用具を収納する際には、化粧用具を用具収納凹部に入れればよくなり、化粧用具を用具収納凹部に収納し易くなる。しかも、従来のように蓋体を開いた際に化粧用具がバネの付勢力でで用具収納凹部から飛び出したりすることがなくなり、化粧用具が用具収納凹部から不測に落下しなくなる。また、従来のように蓋体を閉じた状態で板バネのテンションが蓋体側に常時かかりるようなこともなくなり、蓋体を係合保持するための係止部や係合凸部が破損し易くなる等の問題もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態を示すコンパクト容器の側断面図である。
【図2】同蓋体を閉じる直前のコンパクト容器の側断面図である。
【図3】同蓋体を閉じた状態のコンパクト容器の側断面図である。
【図4】同蓋体を開いて化粧用具と取り出す場合のコンパクト容器の側断面図である。
【図5】同コンパクト容器の斜視図である。
【図6】他の実施形態を示すコンパクト容器の斜視図である。
【図7】他の実施形態を示すコンパクト容器の斜視図である。
【図8】他の実施形態を示す蓋体の斜視図である。
【図9】他の実施形態を示す蓋体の斜視図である。
【図10】他の実施形態を示す蓋体の斜視図である。
【図11】他の実施形態を示すコンパクト容器の前部の側断面図である。
【図12】他の実施形態を示すコンパクト容器の後部の側断面図である。
【図13】他の実施形態を示す容器本体の前部の斜視図である。
【図14】同用具収納凹部部分の側断面図である。
【図15】他の実施形態を示す用具収納凹部部分の側断面図である。
【図16】他の実施形態を示す用具収納凹部部分の側断面図である。
【図17】他の実施形態を示す用具収納凹部部分の側断面図である。
【図18】他の実施形態を示す用具収納凹部部分の側断面図である。
【図19】他の実施形態を示す容器本体の前部の斜視図である。
【図20】他の実施形態を示す容器本体の前部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を図示の実施の形態に従って説明すると、図1〜図5において、1はコンパクト容器の容器本体で、合成樹脂により底壁2と前壁3と後壁4と左右一対の側壁5とを有する上端が開口した箱形に形成されている。容器本体1の後壁4の左右両側に左右一対の支持片7が後方突設されている。容器本体1の前端部の側壁5間に取付凹部8が設けられると共に、前壁3に前方突出した係止部9が設けられている。
【0012】
容器本体1の前部側に上端が開口した化粧用具11を収納するための用具収納凹部13が設けられると共に、前後方向の中途部側から後部側に上端が開口した化粧品収納部14が設けられ、用具収納凹部13と化粧品収納部14とは左右方向の中間壁16(用具収納凹部13の後壁体16A)により区切られている。化粧品収納部14に化粧品皿18が内嵌保持され、化粧品皿18に複数の化粧品収納凹部19が形成されており、これら化粧品収納凹部19にアイシャドーやラメ等の各種の化粧品が収納されている。
【0013】
容器本体1の取付凹部8は後述する蓋体23の蓋前壁27及び係合片31に対応して下方に没入され、容器本体1の左右一対の側壁5に、図5に示すように蓋体23の蓋側壁26に対応して嵌合凹部21が形成されている。而して、用具収納凹部13は前壁3と中間壁16と左右一対の側壁5と底壁2とで取り囲まれている。
23は容器本体11の上端開口を塞ぐ蓋体で、合成樹脂により構成され、蓋天壁25と左右一対の蓋側壁26と蓋前壁27とを有し、蓋体23の後端部に支持凸部28が突設されている。支持凸部28は支持片7間に嵌合配置され、支持凸部28が左右一対の支持片7に枢支軸30廻りに揺動自在に枢支され、これにより、蓋体23は容器本体1に後端側で開閉自在にヒンジ結合されている。蓋体23が閉じた状態で、蓋体23の一対の蓋側壁26が嵌合凹部21に嵌合して嵌合凹部21の底面(側壁5上面)に接当すると共に、蓋前壁27が取付凹部8の上端部に嵌合する。蓋体23の前壁3の左右方向中央部に係合片31が設けられ、係合片31の下端部に係合凸部32が設けられており、係合片31の係合凸部32が係止部9に下側から係合片31の弾性変形を利用して係脱自在に係合し、これにより蓋体23を容器本体1に対して閉塞状態に保持するようになっている。
【0014】
化粧用具11はアイシャドーやラメ等を塗布するために用いられるもので、断面が楕円、長円形状又は長方形状の支持軸(柱状体)により構成された把持部35を有し、図5に示すように把持部35の長手方向一端部にブラシ毛36が取り付けられ、他端部にウレタン等により構成した塗布部材37が外嵌固着されている。
蓋体23の前部の用具収納凹部13に対応する位置に押圧片39が突設されている。押圧片39は用具収納凹部13に収納した化粧用具11の把持部35に対応して配置されており、押圧片39は先端側が細くなったブロック状に形成され、後部下端に先端押圧部39aを有すると共に、先端押圧部39aから前上がりに傾斜した傾斜押圧部39bを有している。蓋体23を閉めた際に、先端押圧部39aが把持部35と用具収納凹部13の中間壁16(後壁体16A)との間に入り込んで、先端押圧部39a及び傾斜押圧部39bで、把持部35を前側に押圧して化粧用具11を前方移動させて用具収納凹部13内の把持部35と用具収納凹部13の中間壁16との間に化粧用具11を摘むための指挿入空間Aを形成すると共に、傾斜押圧部39bで把持部35を押圧することにより把持部35の長円、楕円又は長方形の長軸が水平状態から起立するように化粧用具11を用具収納凹部13内で姿勢変更させるようになっている(図3、図4参照)。
【0015】
上記実施形態によれば、化粧用具11を使用した後、図1に示すように化粧用具11を用具収納凹部13に収納し、図2及び図3に示すように蓋体23を閉じれば、蓋体23を閉めた際に、先端押圧部39aが把持部35と用具収納凹部13の中間壁16との間に入り込んで、先端押圧部39a及び傾斜押圧部39bで、把持部35を前側に押圧して化粧用具11を前方移動させて用具収納凹部13内の把持部35と用具収納凹部13の後壁体16Aとの間に化粧用具11を摘むための指挿入空間Aを形成すると共に、傾斜押圧部39bで把持部35を押圧することにより把持部35の長円又は楕円の長軸が水平状態から起立するように化粧用具11を用具収納凹部13内で姿勢変更させる。
【0016】
従って、次に化粧用具11を用具収納凹部13から取り出す場合、図4に示すように指挿入空間Aに人差し指等を挿入して把持部35を摘んで化粧用具11を取り出せばよく、指挿入空間Aと把持部35が水平状態から起立していることを利用して、化粧用具11を簡単に取り出すことができる。また、化粧用具11を用具収納凹部13に収納する場合には、単に化粧用具11の長手方向を用具収納凹部13の左右に一致させて化粧用具11を用具収納凹部13に入れればよく、簡単に化粧用具11を収納することができる。しかも、従来のように蓋体23を開いた際等に化粧用具11がバネの付勢力で用具収納凹部13から飛び出したりすることがなくなり、化粧用具11が用具収納凹部13から不測に落下しなくなる。
【0017】
また、従来のように蓋体23を閉じた状態で板バネのテンションが蓋体23側に常時かかりるようなこともなくなり、蓋体23を係合保持するための係止部9や係合凸部32が破損し易くなる等の問題もなくなる。また、蓋体23を閉じた状態で、化粧用具11を押圧片39で底壁2や前壁3等に押圧保持することができるため、押圧片39で化粧用具11のガタ付きを防ぐことができて、コンパクト容器を携帯する祭等にガタ付き音の発生を防ぐことができる。
【0018】
図6は他の実施形態を示し、用具収納凹部13が容器本体1の後部側に設けられると共に、容器本体1の前後方向の中途部側から前部側に化粧品収納部14が設けられ、用具収納凹部13と化粧品収納部14とは左右方向の中間壁16により区切られている。そして、蓋体23の後部の用具収納凹部13に対応する位置に、押圧片39が突設されている。その他の点は前記図1〜図5の実施の形態の場合と同様の構成である。
【0019】
図7は他の実施形態を示し、用具収納凹部13が容器本体1の左右方向の一方側に設けられると共に、容器本体1の左右方向の中途部側から他端側に化粧品収納部14が設けられ、用具収納凹部13と化粧品収納部14とは前後方向の中間壁16により区切られている。そして、蓋体23の左右方向の一側部の用具収納凹部13に対応する位置に、押圧片39が突設されている。その他の点は前記図1〜図5の実施の形態の場合と同様の構成である。
【0020】
図8は他の実施形態を示し、蓋体23の用具収納凹部13に対応する位置に設けた押圧片39を、前記図1〜図5の実施形態の左右方向に長いブロック状のものに代えて、板状の押圧片39を蓋体23に用具収納凹部13に対応する位置に左右一対設けるようにしたものである。この場合、押圧体39がリブ状になっているため、合成樹脂による成型時のヒケ(凹み等)が少なくなる効果がある。その他の点は前記前記図1〜図5の実施形態の場合と同様の構成である。
【0021】
図9は他の実施形態を示し、蓋体23の用具収納凹部13に対応する位置に設けた押圧片39を、前記図1〜図5の実施形態の左右方向に長いブロック状のものに代えて、前後方向乃至上下方向に薄い板状の押圧片39を蓋体23に用具収納凹部13に対応する位置に設けるようにしたものである。この場合、押圧体39が薄い板状になっているため、合成樹脂による成型時のヒケ(凹み等)が少なくなる効果があるし、押圧片39が弾性変形し易くなり、押圧時に把持部35との接触時の振動や衝撃を分散吸収する効果がある。その他の点は前記前記図1〜図5の実施形態の場合と同様の構成である。
【0022】
図10は他の実施形態を示し、蓋体23の用具収納凹部13に対応する位置に設けた押圧片39を、前記図1〜図5の実施形態の左右方向に長いブロック状のものに代えて、前後方向乃至上下方向に薄い板状であって、左右幅が先端(下方)に向けて徐々に小さくなる先細り状に形成したものである。この場合、押圧体39が薄い板状になっているため、合成樹脂による成型時のヒケ(凹み等)が少なくなる効果があるし、押圧片39が弾性変形し易くなり、押圧時に把持部35との接触時の振動や衝撃を分散吸収する効果がある。しかも、図9の実施形態の場合と比べて押圧部分が集中するのでより効果的に押圧して化粧用具11を移動することができる。その他の点は前記前記図1〜図5の実施形態の場合と同様の構成である。
【0023】
図11は他の実施形態を示し、蓋体23の用具収納凹部13に対応する位置に設けた押圧片39を、板状に形成すると共に、化粧用具11の把持部35と押圧片39とを互いに反発させるようにこれらに磁石43を固着し又はこれらを磁石43により形成したものである。その他の点は前記前記図1〜図5の実施形態の場合と同様の構成である。
図12は他の実施形態を示し、用具収納凹部13が容器本体1の後部側に設けられると共に、容器本体1の前後方向の中途部側から前部側に化粧品収納部14が設けられ、用具収納凹部13と化粧品収納部14とは中間壁16により区切られている。また、用具収納凹部13の後壁44と底壁45とが一体に構成されて、容器本体1(底壁2及び中間壁16)に対して前後移動自在になるように容器本体1に組み込まれ、台形状の押圧片39が用具収納凹部13の後壁44と底壁45との間に設けられている。そして、連動部材47が、蓋体23の枢支軸30から変位した位置であって蓋体23の支持凸部28又は支持片7に支持軸48廻りに揺動自在に枢支されていると共に、後壁44に屈曲可能に連結されており、連動部材47は蓋体23の閉動作に連動して後壁44及び底壁45乃至押圧片39を前方に押圧すると共に、蓋体23の開動作に連動して後壁44及び底壁45乃至押圧片39を後方に引っ張るように構成されている。従って、蓋体23を閉めた際に、蓋体23の閉動作に連動して押圧片39で把持部35を前側に押圧し、用具収納凹部13内の把持部35の後方に化粧用具11を摘むための指挿入空間Aを形成すると共に、把持部35の長円又は楕円の長軸が水平状態から起立するように化粧用具11を姿勢変更させるようになっている。
【0024】
図13及び図14は他の実施形態を示し、前記図1〜図5の実施形態における押圧片39による化粧用具11の移動を補助するために台形状の台座50を用具収納凹部13の底壁2に設けたものであり、この台座50によって化粧用具11を予め少し回転(把持部35の長軸が水平状態から少し起立するように姿勢変更)させた状態にしておくことができる。従って、この場合、蓋体23を閉めた際に、先端押圧部39aが把持部35と用具収納凹部13の後壁4との間に入り込んで、押圧片39で把持部35を前側に押圧して化粧用具11を摘むための指挿入空間Aが形成し易くなると共に、傾斜押圧部39bで把持部35を押圧することにより把持部35の長円又は楕円の長軸が水平状態から起立するように化粧用具11を収納凹部内で姿勢変更させ易くなる。
【0025】
図15は他の実施形態を示し、前記図1〜図5の実施形態における押圧片39の押圧による化粧用具11の移動後に、化粧用具11を簡易的に固定保持するために用具収納凹部13の底壁2の前側に凹溝51を設けたものである。
図16は他の実施形態を示し、前記図1〜図5の実施形態における押圧片39の押圧による化粧用具11の移動後に、化粧用具11を簡易的に固定保持するために用具収納凹部13の底壁2の前側に細かい凹凸等による摩擦部52を設けたものである。
【0026】
図17は他の実施形態を示し、前記図1〜図5の実施形態における押圧片39の押圧による化粧用具11の移動後(指挿入空間Aの形成及び姿勢変更後)に、化粧用具11を簡易的に固定保持するために化粧用具11の把持部35の長軸方向の一端部におもり53を埋設したものである。
図18は他の実施形態を示し、前記図1〜図5の実施形態における押圧片39の押圧による化粧用具11の移動後(指挿入空間Aの形成及び姿勢変更後)に、化粧用具11を簡易的に固定保持するために化粧用具11の把持部35の長軸方向の両端からややずれた位置に突起54を設けたものである。
【0027】
図19は他の実施形態を示し、係止部9が、前記図1〜図5の実施形態における前壁3に代えて用具収納凹部13の中間壁16(後壁体16A)に設けられ、係合片31が省略されて押圧片39に係合凸部32が後方突設されている。押圧片39の係合凸部32が係止部9に係脱自在に係合し、これにより蓋体23を容器本体1に対して閉塞状態に保持するようにしている。その他の点は前記図1〜図5の実施の形態の場合と同様の構成である。この場合、蓋体23の係合片31が別途不要になり、コンパクト容器の構成部材が少なくなりコンパクト容器がより小さくなる。また、蓋体23の開閉部分に係合凸部32が見えなくなりコンパクト容器を外観上美麗にすることができる。また、係合凸部32を押圧片39と一体に形成できるので、この点からも構成部材を削減することができる。
【0028】
図20は他の実施形態を示し、係止部9が、前記図1〜図5の実施形態における前壁3に代えて用具収納凹部13の中間壁16(後壁体16A)に設けられ、係合片31が蓋体23の蓋前壁27に代えて蓋体23の蓋天壁25の前後方向中途部に下方突設され、係合片31の下端部に係合凸部32が後方突設され、係合片31の左右両側に、一対の押圧片39が図8の実施形態のように設けられており、係合片31の係合凸部32が係止部9に係合片31の弾性変形を利用して下側から係脱自在に係合し、これにより蓋体23を容器本体1に対して閉塞状態に保持するようにしている。その他の点は前記図1〜図5の実施の形態の場合と同様の構成である。この場合、蓋体23の開閉部分に係合凸部32が見えなくなり、コンパクト容器を外観上美麗にすることができる。また、押圧体39がリブ状になっているため、合成樹脂による成型時のヒケ(凹み等)が少なくなる効果がある。
【0029】
なお、前記実施の形態では、蓋体23の開閉動作により用具収納凹部13内に化粧用具11を摘むための指挿入空間Aを形成するべく化粧用具11を移動させる移動手段が、主として蓋体23に設けた押圧片39によって構成されているが、化粧用具11を移動させる移動手段はこれに限定されず、例えば図12の実施形態に示すように、移動手段を後壁44と底壁45と押圧片39と連動部材47とで構成するようにしてもよいし、また、例えば、図12の実施形態を変形して、連動部材47で直接化粧用具11を押圧するようにして指挿入空間Aの形成及び姿勢変更させる移動手段を連動部材47で構成することも可能である。
【0030】
また、19図及び20図の実施形態では、用具収納凹部13の後壁体16Aに係止部9が設けられているが、用具収納凹部13が容器本体1の前後方向の中途部や後部に設ける場合には、係止部9を、用具収納凹部13の後壁体16Aに代えて用具収納凹部13の前壁体に設けるようにしてもよいし、用具収納凹部13の側壁体に設けるようにすることも可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 容器本体
9 係止部
11 化粧用具
13 用具収納部
16A 壁体
23 蓋体
31 係合片
32 係合凸部
35 把持部
39 押圧片
A 指挿入空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンパクト容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コンパクト容器には蓋体が容器本体に開閉自在にヒンジ結合され、容器本体に化粧用具を収納する用具収納凹部が設けられたものがあり(例えば特許文献1)、この種の従来のコンパクト容器には、用具収納凹部内に受板を上下移動自在に配置すると共に、受板の下方に受板を上方に付勢する板バネを設け、化粧用具を用具収納凹部内の受板上に載せて収納するようにしたものがある(例えば特許文献1)。この場合、化粧用具を用具収納凹部内に収納して、蓋体を閉めると、蓋体に化粧用具が下方に押されて板バネの付勢に抗して化粧用具が用具収納凹部内に受板と共に下方移動して用具収納凹部内に納まり、蓋体を開くと、化粧用具が用具収納凹部内から上方突出し、化粧用具が用具収納凹部から取り出し易くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭58−8407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の場合、板バネで受板を上方に付勢しているため、化粧用具を用具収納凹部内に収納した際に収まりが悪く、収納する際に受板から化粧用具が落下するおそれがあり、化粧用具の収納が面倒になるという問題があった。また、蓋体を開いて化粧用具を取り出す際に板バネの付勢力によって化粧用具が受板乃至用具収納凹部内から不測に落下するおそれもあった。さらに、蓋体を閉じた状態で、板バネのテンションが蓋体側に常時かかり蓋体を係合保持するために係合部が破損し易くなる等の問題もあった。
【0005】
本発明は上記問題点に鑑みて、用具収納凹部から化粧用具を取り出し易くすると同時に、化粧用具を用具収納凹部に収納し易く、しかも蓋体を開いた際に化粧用具が用具収納凹部から不測に落下することがないようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この技術的課題を解決する本発明の技術的手段は、蓋体が容器本体に開閉自在にヒンジ結合され、容器本体に化粧用具を収納する用具収納凹部が設けられたコンパクト容器において、
蓋体の開閉動作により、用具収納凹部内に化粧用具を摘むための指挿入空間を形成するべく化粧用具を移動させる移動手段が設けられている点にある。
【0007】
また、本発明の他の技術的手段は、化粧用具の把持部が長円柱形状、楕円柱状又は長方形の柱状に形成され、蓋体の開閉動作により前記移動手段で把持部の長円、楕円又は長方形の長軸が水平状態から起立するように化粧用具を用具収納凹部内で姿勢変更させるようにした点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記移動手段は、容器本体の用具収納凹部に対応して、蓋体に突出した押圧片により構成されている点にある。
【0008】
また、本発明の他の技術的手段は、前記用具収納凹部の壁体に係止部が設けられ、蓋体の前後方向中途部に係合片が下方突設され、係合片に蓋体を閉塞状態に保持すべく係止部に下側から係合する係合凸部が後方突設されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記用具収納凹部の壁体に係止部が設けられ、押圧片に蓋体を閉塞状態に保持すべく係止部に下側から係合する係合凸部が設けられている点にある。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、蓋体の開閉動作により、用具収納凹部内に化粧用具を摘むための指挿入空間を形成するべく化粧用具を移動させる移動手段が設けられているので、用具収納凹部から化粧用具を取り出し易くなる。また、化粧用具を収納する際には、化粧用具を用具収納凹部に入れればよくなり、化粧用具を用具収納凹部に収納し易くなる。しかも、従来のように蓋体を開いた際に化粧用具がバネの付勢力でで用具収納凹部から飛び出したりすることがなくなり、化粧用具が用具収納凹部から不測に落下しなくなる。また、従来のように蓋体を閉じた状態で板バネのテンションが蓋体側に常時かかりるようなこともなくなり、蓋体を係合保持するための係止部や係合凸部が破損し易くなる等の問題もなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態を示すコンパクト容器の側断面図である。
【図2】同蓋体を閉じる直前のコンパクト容器の側断面図である。
【図3】同蓋体を閉じた状態のコンパクト容器の側断面図である。
【図4】同蓋体を開いて化粧用具と取り出す場合のコンパクト容器の側断面図である。
【図5】同コンパクト容器の斜視図である。
【図6】他の実施形態を示すコンパクト容器の斜視図である。
【図7】他の実施形態を示すコンパクト容器の斜視図である。
【図8】他の実施形態を示す蓋体の斜視図である。
【図9】他の実施形態を示す蓋体の斜視図である。
【図10】他の実施形態を示す蓋体の斜視図である。
【図11】他の実施形態を示すコンパクト容器の前部の側断面図である。
【図12】他の実施形態を示すコンパクト容器の後部の側断面図である。
【図13】他の実施形態を示す容器本体の前部の斜視図である。
【図14】同用具収納凹部部分の側断面図である。
【図15】他の実施形態を示す用具収納凹部部分の側断面図である。
【図16】他の実施形態を示す用具収納凹部部分の側断面図である。
【図17】他の実施形態を示す用具収納凹部部分の側断面図である。
【図18】他の実施形態を示す用具収納凹部部分の側断面図である。
【図19】他の実施形態を示す容器本体の前部の斜視図である。
【図20】他の実施形態を示す容器本体の前部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を図示の実施の形態に従って説明すると、図1〜図5において、1はコンパクト容器の容器本体で、合成樹脂により底壁2と前壁3と後壁4と左右一対の側壁5とを有する上端が開口した箱形に形成されている。容器本体1の後壁4の左右両側に左右一対の支持片7が後方突設されている。容器本体1の前端部の側壁5間に取付凹部8が設けられると共に、前壁3に前方突出した係止部9が設けられている。
【0012】
容器本体1の前部側に上端が開口した化粧用具11を収納するための用具収納凹部13が設けられると共に、前後方向の中途部側から後部側に上端が開口した化粧品収納部14が設けられ、用具収納凹部13と化粧品収納部14とは左右方向の中間壁16(用具収納凹部13の後壁体16A)により区切られている。化粧品収納部14に化粧品皿18が内嵌保持され、化粧品皿18に複数の化粧品収納凹部19が形成されており、これら化粧品収納凹部19にアイシャドーやラメ等の各種の化粧品が収納されている。
【0013】
容器本体1の取付凹部8は後述する蓋体23の蓋前壁27及び係合片31に対応して下方に没入され、容器本体1の左右一対の側壁5に、図5に示すように蓋体23の蓋側壁26に対応して嵌合凹部21が形成されている。而して、用具収納凹部13は前壁3と中間壁16と左右一対の側壁5と底壁2とで取り囲まれている。
23は容器本体11の上端開口を塞ぐ蓋体で、合成樹脂により構成され、蓋天壁25と左右一対の蓋側壁26と蓋前壁27とを有し、蓋体23の後端部に支持凸部28が突設されている。支持凸部28は支持片7間に嵌合配置され、支持凸部28が左右一対の支持片7に枢支軸30廻りに揺動自在に枢支され、これにより、蓋体23は容器本体1に後端側で開閉自在にヒンジ結合されている。蓋体23が閉じた状態で、蓋体23の一対の蓋側壁26が嵌合凹部21に嵌合して嵌合凹部21の底面(側壁5上面)に接当すると共に、蓋前壁27が取付凹部8の上端部に嵌合する。蓋体23の前壁3の左右方向中央部に係合片31が設けられ、係合片31の下端部に係合凸部32が設けられており、係合片31の係合凸部32が係止部9に下側から係合片31の弾性変形を利用して係脱自在に係合し、これにより蓋体23を容器本体1に対して閉塞状態に保持するようになっている。
【0014】
化粧用具11はアイシャドーやラメ等を塗布するために用いられるもので、断面が楕円、長円形状又は長方形状の支持軸(柱状体)により構成された把持部35を有し、図5に示すように把持部35の長手方向一端部にブラシ毛36が取り付けられ、他端部にウレタン等により構成した塗布部材37が外嵌固着されている。
蓋体23の前部の用具収納凹部13に対応する位置に押圧片39が突設されている。押圧片39は用具収納凹部13に収納した化粧用具11の把持部35に対応して配置されており、押圧片39は先端側が細くなったブロック状に形成され、後部下端に先端押圧部39aを有すると共に、先端押圧部39aから前上がりに傾斜した傾斜押圧部39bを有している。蓋体23を閉めた際に、先端押圧部39aが把持部35と用具収納凹部13の中間壁16(後壁体16A)との間に入り込んで、先端押圧部39a及び傾斜押圧部39bで、把持部35を前側に押圧して化粧用具11を前方移動させて用具収納凹部13内の把持部35と用具収納凹部13の中間壁16との間に化粧用具11を摘むための指挿入空間Aを形成すると共に、傾斜押圧部39bで把持部35を押圧することにより把持部35の長円、楕円又は長方形の長軸が水平状態から起立するように化粧用具11を用具収納凹部13内で姿勢変更させるようになっている(図3、図4参照)。
【0015】
上記実施形態によれば、化粧用具11を使用した後、図1に示すように化粧用具11を用具収納凹部13に収納し、図2及び図3に示すように蓋体23を閉じれば、蓋体23を閉めた際に、先端押圧部39aが把持部35と用具収納凹部13の中間壁16との間に入り込んで、先端押圧部39a及び傾斜押圧部39bで、把持部35を前側に押圧して化粧用具11を前方移動させて用具収納凹部13内の把持部35と用具収納凹部13の後壁体16Aとの間に化粧用具11を摘むための指挿入空間Aを形成すると共に、傾斜押圧部39bで把持部35を押圧することにより把持部35の長円又は楕円の長軸が水平状態から起立するように化粧用具11を用具収納凹部13内で姿勢変更させる。
【0016】
従って、次に化粧用具11を用具収納凹部13から取り出す場合、図4に示すように指挿入空間Aに人差し指等を挿入して把持部35を摘んで化粧用具11を取り出せばよく、指挿入空間Aと把持部35が水平状態から起立していることを利用して、化粧用具11を簡単に取り出すことができる。また、化粧用具11を用具収納凹部13に収納する場合には、単に化粧用具11の長手方向を用具収納凹部13の左右に一致させて化粧用具11を用具収納凹部13に入れればよく、簡単に化粧用具11を収納することができる。しかも、従来のように蓋体23を開いた際等に化粧用具11がバネの付勢力で用具収納凹部13から飛び出したりすることがなくなり、化粧用具11が用具収納凹部13から不測に落下しなくなる。
【0017】
また、従来のように蓋体23を閉じた状態で板バネのテンションが蓋体23側に常時かかりるようなこともなくなり、蓋体23を係合保持するための係止部9や係合凸部32が破損し易くなる等の問題もなくなる。また、蓋体23を閉じた状態で、化粧用具11を押圧片39で底壁2や前壁3等に押圧保持することができるため、押圧片39で化粧用具11のガタ付きを防ぐことができて、コンパクト容器を携帯する祭等にガタ付き音の発生を防ぐことができる。
【0018】
図6は他の実施形態を示し、用具収納凹部13が容器本体1の後部側に設けられると共に、容器本体1の前後方向の中途部側から前部側に化粧品収納部14が設けられ、用具収納凹部13と化粧品収納部14とは左右方向の中間壁16により区切られている。そして、蓋体23の後部の用具収納凹部13に対応する位置に、押圧片39が突設されている。その他の点は前記図1〜図5の実施の形態の場合と同様の構成である。
【0019】
図7は他の実施形態を示し、用具収納凹部13が容器本体1の左右方向の一方側に設けられると共に、容器本体1の左右方向の中途部側から他端側に化粧品収納部14が設けられ、用具収納凹部13と化粧品収納部14とは前後方向の中間壁16により区切られている。そして、蓋体23の左右方向の一側部の用具収納凹部13に対応する位置に、押圧片39が突設されている。その他の点は前記図1〜図5の実施の形態の場合と同様の構成である。
【0020】
図8は他の実施形態を示し、蓋体23の用具収納凹部13に対応する位置に設けた押圧片39を、前記図1〜図5の実施形態の左右方向に長いブロック状のものに代えて、板状の押圧片39を蓋体23に用具収納凹部13に対応する位置に左右一対設けるようにしたものである。この場合、押圧体39がリブ状になっているため、合成樹脂による成型時のヒケ(凹み等)が少なくなる効果がある。その他の点は前記前記図1〜図5の実施形態の場合と同様の構成である。
【0021】
図9は他の実施形態を示し、蓋体23の用具収納凹部13に対応する位置に設けた押圧片39を、前記図1〜図5の実施形態の左右方向に長いブロック状のものに代えて、前後方向乃至上下方向に薄い板状の押圧片39を蓋体23に用具収納凹部13に対応する位置に設けるようにしたものである。この場合、押圧体39が薄い板状になっているため、合成樹脂による成型時のヒケ(凹み等)が少なくなる効果があるし、押圧片39が弾性変形し易くなり、押圧時に把持部35との接触時の振動や衝撃を分散吸収する効果がある。その他の点は前記前記図1〜図5の実施形態の場合と同様の構成である。
【0022】
図10は他の実施形態を示し、蓋体23の用具収納凹部13に対応する位置に設けた押圧片39を、前記図1〜図5の実施形態の左右方向に長いブロック状のものに代えて、前後方向乃至上下方向に薄い板状であって、左右幅が先端(下方)に向けて徐々に小さくなる先細り状に形成したものである。この場合、押圧体39が薄い板状になっているため、合成樹脂による成型時のヒケ(凹み等)が少なくなる効果があるし、押圧片39が弾性変形し易くなり、押圧時に把持部35との接触時の振動や衝撃を分散吸収する効果がある。しかも、図9の実施形態の場合と比べて押圧部分が集中するのでより効果的に押圧して化粧用具11を移動することができる。その他の点は前記前記図1〜図5の実施形態の場合と同様の構成である。
【0023】
図11は他の実施形態を示し、蓋体23の用具収納凹部13に対応する位置に設けた押圧片39を、板状に形成すると共に、化粧用具11の把持部35と押圧片39とを互いに反発させるようにこれらに磁石43を固着し又はこれらを磁石43により形成したものである。その他の点は前記前記図1〜図5の実施形態の場合と同様の構成である。
図12は他の実施形態を示し、用具収納凹部13が容器本体1の後部側に設けられると共に、容器本体1の前後方向の中途部側から前部側に化粧品収納部14が設けられ、用具収納凹部13と化粧品収納部14とは中間壁16により区切られている。また、用具収納凹部13の後壁44と底壁45とが一体に構成されて、容器本体1(底壁2及び中間壁16)に対して前後移動自在になるように容器本体1に組み込まれ、台形状の押圧片39が用具収納凹部13の後壁44と底壁45との間に設けられている。そして、連動部材47が、蓋体23の枢支軸30から変位した位置であって蓋体23の支持凸部28又は支持片7に支持軸48廻りに揺動自在に枢支されていると共に、後壁44に屈曲可能に連結されており、連動部材47は蓋体23の閉動作に連動して後壁44及び底壁45乃至押圧片39を前方に押圧すると共に、蓋体23の開動作に連動して後壁44及び底壁45乃至押圧片39を後方に引っ張るように構成されている。従って、蓋体23を閉めた際に、蓋体23の閉動作に連動して押圧片39で把持部35を前側に押圧し、用具収納凹部13内の把持部35の後方に化粧用具11を摘むための指挿入空間Aを形成すると共に、把持部35の長円又は楕円の長軸が水平状態から起立するように化粧用具11を姿勢変更させるようになっている。
【0024】
図13及び図14は他の実施形態を示し、前記図1〜図5の実施形態における押圧片39による化粧用具11の移動を補助するために台形状の台座50を用具収納凹部13の底壁2に設けたものであり、この台座50によって化粧用具11を予め少し回転(把持部35の長軸が水平状態から少し起立するように姿勢変更)させた状態にしておくことができる。従って、この場合、蓋体23を閉めた際に、先端押圧部39aが把持部35と用具収納凹部13の後壁4との間に入り込んで、押圧片39で把持部35を前側に押圧して化粧用具11を摘むための指挿入空間Aが形成し易くなると共に、傾斜押圧部39bで把持部35を押圧することにより把持部35の長円又は楕円の長軸が水平状態から起立するように化粧用具11を収納凹部内で姿勢変更させ易くなる。
【0025】
図15は他の実施形態を示し、前記図1〜図5の実施形態における押圧片39の押圧による化粧用具11の移動後に、化粧用具11を簡易的に固定保持するために用具収納凹部13の底壁2の前側に凹溝51を設けたものである。
図16は他の実施形態を示し、前記図1〜図5の実施形態における押圧片39の押圧による化粧用具11の移動後に、化粧用具11を簡易的に固定保持するために用具収納凹部13の底壁2の前側に細かい凹凸等による摩擦部52を設けたものである。
【0026】
図17は他の実施形態を示し、前記図1〜図5の実施形態における押圧片39の押圧による化粧用具11の移動後(指挿入空間Aの形成及び姿勢変更後)に、化粧用具11を簡易的に固定保持するために化粧用具11の把持部35の長軸方向の一端部におもり53を埋設したものである。
図18は他の実施形態を示し、前記図1〜図5の実施形態における押圧片39の押圧による化粧用具11の移動後(指挿入空間Aの形成及び姿勢変更後)に、化粧用具11を簡易的に固定保持するために化粧用具11の把持部35の長軸方向の両端からややずれた位置に突起54を設けたものである。
【0027】
図19は他の実施形態を示し、係止部9が、前記図1〜図5の実施形態における前壁3に代えて用具収納凹部13の中間壁16(後壁体16A)に設けられ、係合片31が省略されて押圧片39に係合凸部32が後方突設されている。押圧片39の係合凸部32が係止部9に係脱自在に係合し、これにより蓋体23を容器本体1に対して閉塞状態に保持するようにしている。その他の点は前記図1〜図5の実施の形態の場合と同様の構成である。この場合、蓋体23の係合片31が別途不要になり、コンパクト容器の構成部材が少なくなりコンパクト容器がより小さくなる。また、蓋体23の開閉部分に係合凸部32が見えなくなりコンパクト容器を外観上美麗にすることができる。また、係合凸部32を押圧片39と一体に形成できるので、この点からも構成部材を削減することができる。
【0028】
図20は他の実施形態を示し、係止部9が、前記図1〜図5の実施形態における前壁3に代えて用具収納凹部13の中間壁16(後壁体16A)に設けられ、係合片31が蓋体23の蓋前壁27に代えて蓋体23の蓋天壁25の前後方向中途部に下方突設され、係合片31の下端部に係合凸部32が後方突設され、係合片31の左右両側に、一対の押圧片39が図8の実施形態のように設けられており、係合片31の係合凸部32が係止部9に係合片31の弾性変形を利用して下側から係脱自在に係合し、これにより蓋体23を容器本体1に対して閉塞状態に保持するようにしている。その他の点は前記図1〜図5の実施の形態の場合と同様の構成である。この場合、蓋体23の開閉部分に係合凸部32が見えなくなり、コンパクト容器を外観上美麗にすることができる。また、押圧体39がリブ状になっているため、合成樹脂による成型時のヒケ(凹み等)が少なくなる効果がある。
【0029】
なお、前記実施の形態では、蓋体23の開閉動作により用具収納凹部13内に化粧用具11を摘むための指挿入空間Aを形成するべく化粧用具11を移動させる移動手段が、主として蓋体23に設けた押圧片39によって構成されているが、化粧用具11を移動させる移動手段はこれに限定されず、例えば図12の実施形態に示すように、移動手段を後壁44と底壁45と押圧片39と連動部材47とで構成するようにしてもよいし、また、例えば、図12の実施形態を変形して、連動部材47で直接化粧用具11を押圧するようにして指挿入空間Aの形成及び姿勢変更させる移動手段を連動部材47で構成することも可能である。
【0030】
また、19図及び20図の実施形態では、用具収納凹部13の後壁体16Aに係止部9が設けられているが、用具収納凹部13が容器本体1の前後方向の中途部や後部に設ける場合には、係止部9を、用具収納凹部13の後壁体16Aに代えて用具収納凹部13の前壁体に設けるようにしてもよいし、用具収納凹部13の側壁体に設けるようにすることも可能である。
【符号の説明】
【0031】
1 容器本体
9 係止部
11 化粧用具
13 用具収納部
16A 壁体
23 蓋体
31 係合片
32 係合凸部
35 把持部
39 押圧片
A 指挿入空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓋体(23)が容器本体(1)に開閉自在にヒンジ結合され、容器本体(1)に化粧用具(11)を収納する用具収納凹部(13)が設けられたコンパクト容器において、
蓋体(23)の開閉動作により、用具収納凹部(13)内に化粧用具(11)を摘むための指挿入空間(A)を形成するべく化粧用具(11)を移動させる移動手段が設けられていることを特徴とするコンパクト容器。
【請求項2】
化粧用具(11)の把持部(35)が長円柱形状、楕円柱状又は長方形の柱状に形成され、蓋体(23)の開閉動作により前記移動手段で把持部(35)の長円、楕円又は長方形の長軸が水平状態から起立するように化粧用具(11)を用具収納凹部(13)内で姿勢変更させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のコンパクト容器。
【請求項3】
前記移動手段は、容器本体(1)の用具収納凹部(13)に対応して、蓋体(23)に突出した押圧片(39)により構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンパクト容器。
【請求項4】
前記用具収納凹部(13)の壁体(16A)に係止部(9)が設けられ、蓋体(23)の前後方向中途部に係合片(31)が下方突設され、係合片(31)に蓋体(23)を閉塞状態に保持すべく係止部(9)に下側から係合する係合凸部(32)が後方突設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンパクト容器。
【請求項5】
前記用具収納凹部(13)の壁体(16A)に係止部(9)が設けられ、押圧片(39)に蓋体(23)を閉塞状態に保持すべく係止部(9)に下側から係合する係合凸部(32)が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のコンパクト容器。
【請求項1】
蓋体(23)が容器本体(1)に開閉自在にヒンジ結合され、容器本体(1)に化粧用具(11)を収納する用具収納凹部(13)が設けられたコンパクト容器において、
蓋体(23)の開閉動作により、用具収納凹部(13)内に化粧用具(11)を摘むための指挿入空間(A)を形成するべく化粧用具(11)を移動させる移動手段が設けられていることを特徴とするコンパクト容器。
【請求項2】
化粧用具(11)の把持部(35)が長円柱形状、楕円柱状又は長方形の柱状に形成され、蓋体(23)の開閉動作により前記移動手段で把持部(35)の長円、楕円又は長方形の長軸が水平状態から起立するように化粧用具(11)を用具収納凹部(13)内で姿勢変更させるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のコンパクト容器。
【請求項3】
前記移動手段は、容器本体(1)の用具収納凹部(13)に対応して、蓋体(23)に突出した押圧片(39)により構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンパクト容器。
【請求項4】
前記用具収納凹部(13)の壁体(16A)に係止部(9)が設けられ、蓋体(23)の前後方向中途部に係合片(31)が下方突設され、係合片(31)に蓋体(23)を閉塞状態に保持すべく係止部(9)に下側から係合する係合凸部(32)が後方突設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のコンパクト容器。
【請求項5】
前記用具収納凹部(13)の壁体(16A)に係止部(9)が設けられ、押圧片(39)に蓋体(23)を閉塞状態に保持すべく係止部(9)に下側から係合する係合凸部(32)が設けられていることを特徴とする請求項3に記載のコンパクト容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2011−55889(P2011−55889A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205893(P2009−205893)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【特許番号】特許第4397968号(P4397968)
【特許公報発行日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(000241625)エム・エフ・ヴィ株式会社 (22)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【特許番号】特許第4397968号(P4397968)
【特許公報発行日】平成22年1月13日(2010.1.13)
【出願人】(000241625)エム・エフ・ヴィ株式会社 (22)
【Fターム(参考)】
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