説明

コンピュータネットワーク上で情報をパブリッシング、組織化、アクセス及び配布するためのシステム

【課題】情報量の膨大さに加えて、所望のドキュメントを入手することの困難さは、書式及び構成に対する規制がほとんど、又は全くない状態でネットワークに対して作り出され、「パブリッシング」されることである。
【解決手段】システムは、コンピュータネットワークに於いて情報をフィルタするために「次元」を使用する。次元は、地理的位置、企業部門、従業員区分、時期等のカテゴリであり得る。各次元は、単数又は複数の「要素」を有する。要素は、本質的には、次元の「値」である。「コミュニティ」とは、単数又は複数の次元の値の組で、使用可能な全ドキュメント又は情報中の、ドキュメント又は情報のセグメント、即ち「スライス」を定義する。ドキュメントを更に構成化するために「テーマ」が使用される。テーマは、課題カテゴリである。ドキュメント及びドキュメント部分をテーマと関連付けることができ、テーマに従って構成化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景本発明は、概してコンピュータネットワークにおけるデータ変換に関し、特に、コンピュータネットワーク上で情報をパブリッシング、組織化、アクセス及び配布するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
情報へのアクセス、及び他者によるアクセス又は入手の為に情報をパブリッシュすることはコンピュータネットワークの重要な特徴である。しかしながら、コンピュータ及びコンピュータネットワークのユーザにとって情報のアクセスとパブリッシングを容易にすることが一般的傾向ではあるが、利用可能な機構の多くは、平均的ユーザにとって習得することは容易でない。たとえば、ウェブドキュメントをパブリッシングするには、ユーザがどこにパブリッシングするか、又、どのオーディエンスにパブリッシングするかについていくらかの知識を有していることが必要であるばかりでなく、そのユーザは、所望の数のユーザにそのドキュメントを容易に入手可能とするために複数の「サイト」又は位置にそのドキュメントをパブリッシングする必要があるかもしれない。これは、たとえば、ある会社が、異なる部門、地域等に関連する異なるウェブサイトを有する会社のネットワーク又はイントラネットを使用する場合に当てはまる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ネットワーク上に於いてウェブページ、ドキュメントの構造又は構成が欠如していることは善し悪しがある。構造の欠如によって、そのパブリッシャに対して予め定められた構成に従う負担をかけることなく、ドキュメントを容易にパブリッシングすることが可能である。更に、これによって、各ウェブサイト開発者、オンラインビジネス、データベース等が、その特定タイプの情報に最も適した専用構成を作り出すことが可能である。しかしながら、構造及び構成の欠如によって、同時に、ネットワークのユーザがドキュメントを効率的に検索することが困難となる。多くの場合、ユーザは、ドキュメントを捜すために、様々なウェブサイト及びユーティリティに対する検索、アクセスを行わなければならない。これには、多大なタイピング、及びマウス(又はその他のユーザ入力装置)操作が必要であり、これは時間がかかり、いらいらさせ、非生産的であり得る。
【0004】
このことは、効果的でよく知られた構成を有する新聞と比較することができる。新聞の読者は、「ビジネス」、「スポーツ」、「旅行」等といったテーマ部分を参照することによって、その新聞から情報を迅速に入手することができる。新聞には、更に、目次が設けられている。記事は、その記事の続きページ等の、他の部分の関連するニュースに対する「リンク」と共にその重要性の順に構成されている。しかしながら、このレベルの構成を達成するということは、編集、ページレイアウト、貼り込み等のためにかなりの時間を費やさなければならないということを意味する。又、そのように構成された情報を作り出すためには、ライター、エディタ、その他の人々が協力し合わなければならない。従来、コンピュータネットワークに於ける一つの方法は、各ライター/パブリシャーが、記事をランダムなネットワーク「入れ物」に投げ入れ、キーワード検索、フォルダ構成、ハイパーリンク構成、又は標準(criteria)構成等のルーズな構成機構に依存させるとういうものである。
【0005】
典型的な会社が内部イントラネット上で提供するウェブサイト構造の一例は、その役割、即ち、「人材」、「マーケティング」、「財務」等の部門毎に様々なウェブサイトを設けるというものである。もしもその会社が大規模であれば、複数の地域オフィスが存在し、各オフィスがそのような複数の役割を有している場合もある。たとえば、その会社が米国と、ヨーロッパとアジアとにオフィスを有している場合、情報に対して9つの異なるイントラネットサイトが存在することになる。又、通常、各地域オフィス毎、各部門又は構成毎、そして、その会社全体のために、それぞれ主サイトが存在する。
【0006】
従って、上述した例では全部で16のサイトが存在し得ることになる。これらのサイトに関連するドキュメントの典型的な構成化は、それらのドキュメントをリンクによってポイントさせる方法である。これらのリンクは、各サイトのウェブページに於いてカテゴリに構成化することが可能である。これによって、その情報を複数のサイトから入手可能としたい場合に於いて情報のパブリッシングが極めて困難となるばかりでなく、これによって、その情報を検索入手することに興味を有する人は、複数のサイトをビジットしなければならないかもしれない。又、様々なイントラネットサイトに対してドキュメントをパブリッシングするタスクは、通常、そのライター/パブリシャー以外の人によって扱われる。そしてそのドキュメントとサイトの数によって、これは膨大なタスクとなる可能性があるばかりでなく、その分類に誤りが発生する可能性が高い。
【0007】
コンピュータネットワークに於いてドキュメントにアクセスするための従来の方法の一つとしてキーワード検索がある。これに依れば、ユーザは「映画レビュー」等の関連した質問を行うことが可能である。そして、その検索によって、どのドキュメントのどこかにその「映画レビュー」という用語を含む複数のドキュメントがリターンされる。これらのドキュメントは複数のサイトに存在している可能性がある。検索は、たとえば、「AND
映画批評家の名前」といったリレーショナルな用語を含ませることによって、更に、範囲を限定することができる。又、或る日付、又は時期、を特定することも可能である。しかしながら、大半のイントラネット上(そして世界的規模のインターネット上ではもちろんのこと)での情報の膨大さの為に、基礎キーワード検索にマッチングするドキュメントの数は非常に大きなものである。ユーザが自分が興味を有する課題に関連するドキュメントの専門用語、種類を熟知していない限り、そのようなユーザによるキーワード検索によって、ユーザが興味をもっていない多くのドキュメントが提示される可能性が高い。これらは、更に、その適切なドキュメントが明らかにされるまで、その質問文をリファインすることによってフィルタリングすることができる。この方法では、その検索者が興味を有する関連するドキュメントのみのリストを入手することは不可能であることが多い。キーワード検索の範囲は、ユーザ設定可能ではなく、その検索エンジンを運営し、その検索エンジンデータベースを編集している主体によって定められる。
【0008】
情報量の膨大さに加えて、所望のドキュメントを入手することのもう一つの困難さは、それらのドキュメントがそれらの書式及び構成に対する規制がほとんど、又は全くない状態でネットワークに対して作り出され、「パブリッシング」されるということである。換言すると、ユーザは任意の構成で、テキスト、画像等を含むウェブページを作り出し、パブリッシングすることができる。ドキュメントは、表題、著者名、出版日等を含むこともあるし、含まないこともある。ドキュメントのテキストは、欄、段落、又は、画像又はグラフィックによって分離された行等によってアレンジされている可能性がある。多くの場合、ドキュメントには、そのドキュメントのテーマ等の一つのフィールドがどこで始まり、どこで終わるのかを示す短い表示見出し、又は、その他のものが含まれていないので、少なくともキーワード検索に関する限り、そのテーマをドキュメントの本体から区別することができない。
【0009】
これらの問題の内のいくつかを解決する一つの方法は、ネットワーク上のドキュメントを手書き注釈付(hand−annotate)にする方法である。通常、これは、そのドキュメント、ウェブページ等の作成に関わった者によるドキュメント作成後(時として、ドキュメント作成のずっと後)に行われる。これには、そのドキュメントが関連する分野に於いていくらかの技術と知識とを有する者に、多大な労力と時間を要するだけでなく、そのドキュメントの見解を構成し要約しようと試みることによって、ミスが発生し、これによって、情報の正確性、検索可能性が低下する可能性がある。
【0010】
もう一つの方法は、eメール又はウェブブラウザ等のプログラムの「フォルダ」又はサブディレクトリを使用する方法である。しかしながら、このように情報を構成することは、通常、その情報(たとえば、eメール又はウェブドキュメント)の閲覧者によってマニュアルで行われる。これらのフォルダはパブリッシャーから隠されているので、あるユーザの個人的構成に対してパブリッシングするための規約は存在しない。公衆構成階層化がフォルダによって行われる場合は、そのような階層は、たいてい大規模で複雑となり、ナビゲートするのに多大な時間を必要とするものとなる。又、この方法は、フレキシブルな、セキュリティ又はアクセス制御を提供するものではない。
【0011】
www.yahoo.com等のいくつかのウェブサイトは、様々なソースからドキュメント、ウェブページ等の情報を蓄積しこれらのドキュメントを分類、要約、注釈付けしている。この多基準構成は、一つの階層のウェブページとしてインターネットを検索するユーザに対して提示されるカテゴリーを定義している。その階層中のそれぞれの次のウェブページ(即ち、その階層中の一つ下位のウェブページ)には、そのカテゴリーを更に狭くする新しいサブカテゴリーの選択肢が含まれている。なんらかの時点に於いて、ユーザは、そのカテゴリーが所望のものであると判断し、制御装置をクリック操作する。これにより、そのカテゴリーに合致する情報群がユーザに対して提示される。
【0012】
しかしながら、この方法では、多くの場合、ドキュメントが著者以外の者によって解釈され分類される必要があるため、エラーが発生する可能性がある。更に、その分類化、要約の執筆等を行うためにかなりの労力が必要である。もう一つの欠点は、ウェブページのナビゲーションが遅いことにある。又、ユーザには使用されている分類方法の全体がわからない。換言すると、ユーザがその階層の「ツリー」クラス内をかなり深く調査するまで、ユーザにとって、その階層中にいくつのサブカテゴリレベルが存在するのか、或いは、どのような分類が使用されているのかがわからない。
【0013】
従来技術の更に別の欠点として、一つのドキュメントの個々のページ、セクション、部分にインデックスを付けることが出来ないことがある。これは、或るグループのみが一つのドキュメントとして維持される、元のテキストの異なる部分へアクセスすることが可能となることが望まれる場合に、もしそうでなければ一つのドキュメントとして維持されるテキストを、複数のドキュメントに分割しなければならない、ということを意味する。現在のネットワーク構成に依れば、非常にフレキシブルなセキュリティ及びアクセスシステムは提供されない。通常、ウェブサイトは、或る種のアカウント又はパスワードを有するユーザに限定される。そのサイト、及びそのサイトのドキュメントの全部に対するアクセスを希望する各ユーザは、そのパスワードを入力しなければならない。アカウントがセットアップされて、ユーザがパスワードを忘れる可能性があるために、パスワードの使用を維持することは困難である。更に、ウェブサイト全体が通常、特定のユーザに対して開放又は閉鎖されているため、パスワード保護の細分性は非常に粗い。
【0014】
従って、これら従来技術の問題点の一部又は全部を解決し、コンピュータネットワークに於いて情報を、パブリッシング、構成化、アクセス、配布する効率的なシステムを提供するコンピュータネットワークに基づくシステムを提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、ユーザが、ネットワークを介して提供されるドキュメントをフィルタリング、閲覧することを可能にする。ドキュメントは、カテゴリに基づいてフィルタリングされる。カテゴリセレクタは、ユーザがカテゴリを定義するための複数の値を選択することを可能にするユーザインターフェースツールである。たとえば、地理的位置、会社部門、従業員区分、期間等を特定するために値が使用され得る。各カテゴリは、単数又は複数の値を有する。たとえば、「地理的位置」タイプの値の場合、その値は、「全世界」、「ヨーロッパ」、「フランス」等とすることができる。「会社部門」の値には、たとえば、「人材」、「マーケティング」等を含ませることができる。「従業員区分」の値には、「全従業員」、「中級管理者」、「スタッフ」を含ませることができる。
【0016】
上述した4つのタイプの値全部を使用して、一つのカテゴリを、「ヨーロッパ;人材;全従業員;1999年以前」とすることができる。このように、カテゴリによって、ネットワーク内に於いて入手可能な全ドキュメント又は情報内に於いて、ドキュメント又は情報のセグメントの定義、即ちフィルタリングが行われる。入手可能な全ドキュメント又は情報は、ある会社のイントラネット内のドキュメント、又は、インターネット、全世界のウェブ、個々のウェブサイト、又は、他のコンピュータネットワーク又はデータベース上で入手可能なドキュメントの全部と見なすことができる。
【0017】
尚、後述するように、同じカテゴリを選択した二人の異なるユーザが同じドキュメント又はドキュメント部分を見ることもあるし、見ないこともありる。これは、本発明に於いて、各ユーザが指定されたコミュニティが考慮に入れられるからである。そこで、たとえば、その指定コミュニティに対するHRdimensionsを有するあるユーザは、会計用に指定されたドキュメントを見ることを規制される可能性がある。同じタイプの規制を、ドキュメントの各セクション、又は部分に適用することが可能である。
【0018】
本発明の好適実施例は、カテゴリ定義を満足するドキュメントのリストを発生する。カテゴリ定義は、ユーザインターフェースの「セレクタ」ツールを使用するそのシステムのユーザによって選択可能である。この好適実施例のセレクタツールは、そのカテゴリの各値タイプのための値のリストを提示する。従って、ユーザは、カテゴリ定義を作り出すための値を、メニュー式に選択することができる。カテゴリ定義が設定されると、その定義を満たすドキュメントのみがそのユーザに示される。これは、ネットワーク上の多くのサイト、サーバ、ライブラリ等をユーザが検索する作業を大幅に簡略化する。強力な検索能力を提供するべく、カテゴリ選択と、キーワード検索を併用することも可能である。
【0019】
カテゴリを満たすドキュメントのリストは、それぞれ個別のドキュメントとして構成化することも可能であるし、又は、ドキュメントタイプの集合として構成化することも可能である。換言すると、「経歴」、「デモ」、「法律」、「方針」等のドキュメントタイプに構成化することも可能である。これらドキュメントタイプのそれぞれの中に、個々のドキュメントの名前、副タイプ等を含ませることができる。所与のカテゴリに対してリターンされるタイプ、そのタイプのドキュメント、及び副タイプの集合を「テーマ」と称する。カテゴリは、「コミュニティ」又は「スライス」と称される。タイプの値は「次元」と称される。コミュニティ次元、次元値、及びテーマは、システム管理者によって設定可能である。テーマの使用に於いてユーザには大きなフレキシビリティが与えられ、ユーザには、新しいテーマを定義するある程度の能力が提供される。一つの所与のテーマを、複数のスライスと関連付けることができる。ネットワークに対してドキュメントをパブリッシングするユーザは、一つのスライス又はコミュニティと関連付けられる。パブリッシングされたドキュメントのデフォルト値は、そのパブリッシングユーザのスライスと関連付けられる。しかしながら、ユーザは、ドキュメントを別のスライス又は複数のスライスと関連付けることを選択することができる。或いは、システム管理者がドキュメントの関連を変更することができる。
【0020】
一好適実施例に於いて、本発明は、ネットワーク上でウェブページにアクセスするための方法を提供し、ここで、前記ネットワークはサーバコンピュータと、ユーザによって操作されるユーザコンピュータとに接続され、前記ユーザコンピュータは、ユーザ入力装置とディスプレイ装置とを備えるものに於いて、前記方法は以下の工程を有する、前記ネットワークを介して前記サーバコンピュータから前記ディスプレイ装置へウェブページの一部を転送する工程、ここで前記ウェブページの一部はユーザが、次のカテゴリ、即ち、地理的位置、企業部門、従業員区分、時期、を一つ以上選択することを可能にするセレクタを有する、前記ユーザによって選択された一つ以上のカテゴリを示すべく前記ユーザ入力装置から送られた信号に応答して発生された情報を受信することによってユーザ選択を検出する工程、前記選択されたカテゴリを満たす情報に関連する単数又は複数のウェブページを同定する工程、そして、前記同定されたウェブページ関する情報を前記ユーザコンピュータに対して送信する工程。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明のセレクタツールを図示している
【図2】厳密フィルタリングを図示している
【図3】上方フィルタリングを図示している
【図4】下方フィルタリングを図示している
【図5】テーマ見出しの使用を例示している
【図6】テーマ定義用のユーザインターフェース機構を例示している
【図7】スライスセレクタツールと共に使用されるテキスト検索ボックスを図示している
【図8】好適実施例のデータモデルの一部を例示している
【図9】好適実施例のデータモデルの図8に示す以外の部分を例示している
【図10】本発明に好適に使用される基本的ハードウェア(コンピュータシステム)を例示している
【図11】本発明に好適に使用される基本的ハードウェア(サブシステム)を例示している
【図12】本発明に好適に使用される基本的ハードウェア(典型的なネットワークの汎用ダイアグラム)を例示している
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1は、本発明のユーザインターフェースのスクリーンディスプレイ100を示している。
【0023】
図1に於いて、セレクタ110は、4つのプルダウンメニュー又はリストのセットとして構成されている。各プルダウンメニューは、「スライス」又は「コミュニティ」を定義するために使用される一つの「次元(dimension)」に対応している。これらプルダウンメニュー102,104,106及び108は、それぞれ、地理的位置、企業部門、従業員区分、時期、の次元に対応している。
【0024】
スクリーン100は、ユーザが、これら各次元の値を、「米国;人材;全従業員;全期間」として設定した後の表示状態を示している。従って、このスクリーンディスプレイ100のセレクタ110に定義されたスライス又はコミュニティは、会社の人材部門に関連した会社の米国のオフィスに於いて、全従業員に関連し、全時期にパブリッシュされたドキュメントに対するものである。
【0025】
図1に図示したスライスの特定結果のリストが、図1の120のところのウェブページの左側に示されている。このリストは、二つのドキュメントタイプ見出し、「経歴及び方針」を示している。経歴の見出しには、「雇用方針」、「レフェラル(referral)プログラム」及び「トレーニング&開発」として三つのドキュメントタイプが同定されている。「方針」の見出しには、「雇用ガイドライン」と「方針」とが示されている。ドキュメントリスト120は、定義されたスライスに基づいてデータベース検索命令をサーバが自動的に実行した後に取出される。サーバは、ユーザが「ファインド」アイコン122をクリックした時に、定義されたスライスに基づいてデータベース検索を実行開始する。
【0026】
ユーザは、リスト120内のドキュメント名をクリックすることによって選択されたドキュメントを閲覧することができる。ドキュメントは、セレクタ110の下で、リスト120の右側の、図1の領域130のドキュメント閲覧領域に図示される。
【0027】
ドキュメント名称に加えて、リストにユニフォームリソースロケータ(URL)も図示させることができる。URLをクリックすることで、ユーザに対応するウェブサイト、ウェブページ、またはクリックされたURLに関連する他のリソースをユーザは利用する。
【0028】
表1は、各次元の値の具体例を示す。
【0029】
表1に於いて、図1のセレクタ110に使用されている各次元の値は次の通りである。即ち、次元「地理的位置」は、「全世界」、「アジア」、「ヨーロッパ」、「フランス」、「英国」、「アメリカ」、及び「米国」等の値とすることができる。当然、任意の数の地理的位置を特定して、それらをリストに入れることができる。この好適実施例に依れば、これら次元の値を階層構造に構成化することができる。表1に図示されているように、値「全世界」は、それに抱合される複数の値を有する。これらの「子」値(それに対して値「全世界」は親である)は、右累進インデントによって示されている。従って、「アジア」、「ヨーロッパ」及び「アメリカ」は、それぞれ、右への1レベルのインデントが与えられている。「ヨーロッパ」の値の下には、「フランス」と「英国」という子値が関連付けられている。「アメリカ」の値の下には、値「米国」がある。
【0030】
【表1】

その他の次元の値も表1に図示されている。尚、これら以外の次元の選択肢及び構成、次元値も可能である。この好適実施例に於いて、システム管理者は、次元と、コミュニティ又はスライスを定義するためにユーザによって使用可能な次元値とを設定する人物である。従って、システム管理者には、このネットワーク中に於けるドキュメントの最も高レベルの構成化に対するコントロールが与えられる。ユーザは、情報をフィルタリングし、ドキュメントのリストを入手するためのスライスを形成するためにこれらの次元と次元値を使用する。
【0031】
図1のセレクタ110を実施するためのその他の構成も可能である。即ち、各次元は、必ずしも複数のアイテムのプルダウンリストである必要はない。たとえば、各次元の全ての値の完全なリストを、常に表示させることができる。しかしながら、プルダウンメニューを使用することによってセレクタ110をよりコンパクトにさせることができる。これによって、たとえば、ドキュメントのテキストの表示、又はその他の目的のためにより大きな空間を残すことができる。たとえば、リストすら提供されないように、任意のテキスト記入を可能とすることができる。これは、特に、ユーザが複数の日付と時間にタイプすることを可能にするべく、「時期」次元用に有用であるかもしれない。時期は、又、スライダ(slider)、クロック及びカレンダー等を備えさせてグラフィカルに設定可能とすることができる。
【0032】
表1に示されている次元と次元値を利用したスライスの別の例は、スライス「ヨーロッパ;マーケティング;スタッフ;今週」である。これによって、そのスライスに基づくドキュメントリクエストがなされているその週にマーケティング部門のスタッフに関連してその会社のヨーロッパのオフィスで作成されたすべてのドキュメントのリストが提供される。
【0033】
尚、一旦スライスが設定されると、そのユーザのその後の全てのブラウジングはそのスライス内で行われる。換言すると、そのユーザには、図1のリスト120に於いて、その選択されたスライスに無関係のドキュメント又はドキュメント見出しは示されない。何れかのドキュメント見出しを定義するテーマとドキュメントとが、次に詳述するように、そのスライスとの関連に於いて示される。
【0034】
従って、ユーザは、一つの企業構造内に於いて意味を有するようにドキュメントを「フィルタリング」することができる。この好適実施例に於いて、フィルタリングは異なるレベルで行うことができる。その可能なレベルは、「厳密」と「下方」である。その他の実施例では後述する「上方」フィルタリングが含まれる。
【0035】
厳密フィルタリングとは、その与えられたスライスに関連するドキュメントのみがそのユーザに対して示される、ということを意味する。図2は、表1に示した次元と次元値の具体例とによって厳密フィルタリングを使用した場合の結果を示している。図2に於いて、厳密フィルタリングに於いて、2つのカテゴリの4つのドキュメントのみがコミュニティ「全世界;マーケティング;全従業員;全期間」を満たす。
【0036】
上方フィルタリングに於いては、その選択されたスライスに関連付けられた又はその選択されたスライスにマッチするが、その選択スライスの次元値の親値である、単数又は複数の次元値を有する他のスライスに関連付けられたすべてのドキュメントがリストされる。たとえば、地理的位置次元を使用して説明すると、値「全世界」は、値「ヨーロッパ」の親値である。同様に、値「ヨーロッパ」は、値「フランス」の親値である。従って、もしもユーザが図1に図示した「米国;人材;全従業員;全期間」というスライスをフィルタリングしているとすると、次のスライス、即ち、「アメリカ;人材;全従業員;全期間」と「全世界;人材;全従業員;全期間」というスライスに関連するすべてのドキュメントもまたリターンされる。
【0037】
本発明の一好適実施例は、厳密フィルタリングと下方フィルタリングのみを使用する。その他の実施例ではユーザがこれら三つのタイプの内の一つ又は複数のタイプのフィルタリングを選択することを許容する。その他のタイプのフィルタリングも可能である。
【0038】
図3は、上方フィルタリングがコミュニティ「ヨーロッパ;販売;全従業員;全期間」に対して使用された時にリターンされるドキュメントリストの例を図示している。ヨーロッパと全世界との両方の販売報告書に関連するドキュメントがリターンされる。
【0039】
「下方」フィルタリングは、「上方」フィルタリングに類似するが、その次元値に対して反対方向に進む。即ち、この下方フィルタリングに於いては、その選択されたスライスと、選択されたスライスと同じ次元値を有し、その選択スライスの次元値の単数又は複数の子値である次元値を有するスライスを含むスライスとに関連付けられた全てのドキュメントがユーザに対して提供される。たとえば、特定されたスライスが「アメリカ;人材;全従業員;全期間」である場合、そのスライスに関連付けられたドキュメントに加えて、更に「米国;人材;全従業員;全期間」というスライスに関連付けられたドキュメントもユーザに対してリターンされる。
【0040】
図4は、下方フィルタリングを例示している。図4は、コミュニティ「全世界;人材;全従業員;全期間」によってリターンされた結果を示している。尚、人材部門のすべての地理的地域に対応する多くのドキュメントが示されている。
【0041】
セレクタツールの改造例が図7に図示されている。
【0042】
図7に於いて、セレクタ140は、図1のセレクタ110に類似の次元を有しているが、これらに加えて更に「趣味」という次元を追加している。更に、検索ボタン144に沿って、テキスト記入ウインドウ142が設けられている。このテキスト記入ウインドウと検索ボタンとを使用することによって、ユーザは、その定義されたスライス内でのキーワード検索を行うことができる。その後、そのテキスト記入ウインドウに特定されたテキストフェーズ又はキーワードも含むスライスフィルタリング内の全てのドキュメントがユーザに対して表示される。尚、テキスト記入ウインドウ内での関連する表現を可能にする等の改変構成も可能である。
【0043】
従って、スライスを使用して、単数又は複数のウェブサイト、サーバ、データベース等の多数のドキュメントにわたるフィルタリング機能が提供される。スライスは、上述したセレクタツールを使用してユーザによって容易に選択される。その他のフィルタリングモードを使用することもできる。
【0044】
本発明のもう一つの特徴構成に依れば、ユーザは、後に呼び戻すことが可能なスライスを予め定義することが可能である。そのような予め定義されたスライスを「チャネル」と称する。従って、ユーザは、「米国;人材;全従業員;全期間」等のスライスを選択し、このスライスと関連付けるべく「All
US HR」等のラベルを選択することができる。一旦、一つのチャネルとして指定されると、「All
US HR」というハイパーリンクがユーザのディスプレイに表示される。これは、ウェブページ上、又は、継続的に表示されるツールバー、サイドバー等の一部として表示することができる。次に、ユーザは、単にそのチャネルをクリックするだけで、そのスライスを簡便に呼び出すことができる。ユーザは、このように複数のチャネルを定義することができる。
【0045】
予め定義されたチャネル、又は、チャネルのリストを準備し他のユーザに送ることができる。たとえば、チャネルがウェブページ上にリストされる場合、そのウェブページを、単数又は複数の他のユーザにeメールすることができる。このeメールされたウェブページを開き、その所望のチャネルをクリックすることによって、そのチャネルと関連付けられたスライスはそのユーザが選択したスライスとなる。
【0046】
パブリッシング
ユーザはシステムに対してドキュメントをパブリッシングすることができる。ドキュメントのパブリッシングとアクセスは、「座標」位置と、視認度の「範囲」という二つの概念を使用することによって最も良く理解される。
【0047】
座標は、あるユーザ又はドキュメント(又はドキュメントセクション)に関連付けられた特定組の次元値である。座標の別の考え方は、それを、それに対してユーザ又はドキュメントが関連付けられたコミュニティとして考える方法である。たとえば、ユーザは、「フランス」、「人材」コミュニティに属し得る。通常、ユーザによってパブリッシングされるドキュメントには、そのパブリッシングユーザと同じ座標又はコミュニティが与えられる。「フランス」;「人材」という座標を有するユーザはその同じ座標に対してパブリッシングすることになる。しかしながら、すべての所与のユーザ、部門、地理的位置、コミュニティ等に対するパブリッシング用のデフォルト座標として、他の座標値が使用されるように、システムをシステム管理者によって設定することが可能である。
【0048】
更に、ユーザがドキュメントを複数の座標に対してパブリッシングすることを許容することもできる。これを行う一つの方法は、ユーザが、そのユーザがパブリッシングするドキュメントと所望の座標との間の相関関係を作り出すべく図1のセレクタ110を使用してデフォルト設定をオーバーライド(無効化)することを許容する方法である。ユーザは、ドキュメントをドキュメント閲覧領域130に表示させ、「パブリッシング」アイコン124をクリックすることによって、ある座標に対してパブリッシングする。パブリッシングアイコン124をクリックする時に、セレクタ110によって選択されたどのような座標(即ち、次元値組)でも、そのドキュメントと関連付けられる。ユーザは、パブリッシングすべき次の座標を選択し、次に、そのパブリッシングされるドキュメントが表示されている間に「パブリッシング」アイコン124をクリックすることによって、複数の座標に対してパブリッシングする。尚、前述した検索ルール、たとえば、上方フィルタリングは、そのドキュメントをパブリッシングした座標以外の他の座標のユーザが、それらユーザがそのフィルタリングルール内にある限りに於いて、そのドキュメントを閲覧、アクセスすることを許容する。
【0049】
「範囲」という概念は、一つのドキュメントを閲覧しアクセスすることができるすべてのユーザ座標の集合を意味する。これは、そのドキュメントがパブリッシングされた座標と、そのフィルタリングルール内に含まれる座標のユーザ以上のものであり得る。
【0050】
システム管理者は、あるドキュメントの(又はドキュメントセクション)の範囲に対して座標を追加することができる。システム管理者は、ユーザが所定の座標にアクセスすることを認可し、禁止することができる。これによって、地理的地域、従業員の地位等の任意の次元値に基づくセキュリティ及びアクセス制御が提供される。システム管理者又は別のユーザによって、又、或る種の座標に属するユーザが、或る種のドキュメント又はドキュメント部分を閲覧することを排除することもできる。従ってドキュメント又はドキュメント部分は、後述するように、ユーザに対するドキュメントの「視認範囲」を設定するべく、システム内に於いて、その指定された座標を利用することができる。当然、複数のドキュメント或いはドキュメントの複数部分が閲覧されることを許可または制限する任意の機構が使用され得る。たとえば、あるドキュメントを閲覧することができる各特定のコミュニティ又は座標のアクセスリストを維持することができる。このアクセスリストと共に、除外リストも維持することができる。ドキュメントの複数の部分を、それぞれ、その同じドキュメントの他の部分に関連付けられた座標と異なる単数又は複数の座標と関連付けることができる。
【0051】
あるドキュメントが作成されると、それは一つのセクションと見なされる。これは、「マスターセクション」と称される。多くの場合、これは、そのドキュメントの唯一のセクションであり、これが、そのドキュメント全体を、一つの座標又はテーマ(後述)に関連付ける。ドキュメントが作成されると、そのドキュメントの著者は、複数のドキュメントセクションを定義することができ、これらのセクションを、異なる座標、テーマ、及びアクセス条件と関連付けることができる。たとえば、あるドキュメントは、「販売」又は「重役」値を有さない全てのコミュニティから除外される販売報告書を含むかもしれない。
【0052】
一つのドキュメントの複数のセクションは、Java,XML等の実行可能コードを含むことができ、或いは、その全体を実行可能コードとすることができる。一つのドキュメントの複数のセクションは、ストリーミング(streaming)メディア情報を呼び出したり、その他のタスクを実行する他の機構を提供することができる。そのような実行可能セクションは、上述したように、テキストセクションと同様に関連付け、規制することが可能である。これによって、より大きな柔軟性、能力及び制御が可能となる。たとえば、ある実行可能セクションによって、ビデオ又はShock
Wave(登録商標)ウインドウが現れ、再生を開始するようにすることができる。Javaを使用して、ドキュメント中に、埋込式計算ボックス、スプレッドシート等が現れるようにすることができる。このような機能は、所定のスライスと関連付けられていないユーザ、又は、その機能にアクセスすることを望まないユーザから除外することができる。その他の例としては、ヨーロッパ価格がヨーロッパコミュニティの人々のみに視認可能で、米国価格が米国の人々のみに視認可能な価格リスト等がある。
【0053】
テーマ
本発明の一つの態様は、ユーザに対する情報のプレゼンテーションを構成化するのを助け、複数のコミュニティに渡って情報をパブリッシングすることを補助するために「テーマ」を使用する。テーマは、あるカテゴリに属するドキュメント群のカテゴリ見出しとして作用する。
【0054】
図5は、テーマ見出しを例示する本発明のユーザインターフェースの一部を図示している。図5に於いて、テーマ見出しは150で示されている。各見出しの下方には、ドキュメント名称が示されている。これらのドキュメント名称は、そのそれぞれのテーマ見出しからインデントされている。この白黒図面には図示されていないが、好適実施例に於いてテーマ見出しは赤色で表示される。これらテーマ見出しは、標準カテゴリ見出しとして機能する。たとえば、「デモ」テーマ見出しの下方に、「我が社の製品」、「キット前売り」、及び「キット売上」が見られる。図示されてはいないが、副テーマを使用することも可能である。たとえば、「デモ」テーマは、その下に最後の二つのドキュメントがリストされる「キット」という副テーマを有することができる。
【0055】
会社の構造及び時間フレームに基づいてドキュメントを類別、区別する作用を有するコミュニティと異なり、テーマは、ドキュメントを、ドキュメントの課題又はタイプによって構成化する。換言すると、次元は、人々のグループ又はコミュニティを記載し、これに対してテーマは内容分類を定義する。たとえば、テーマは、従業員「ストックオプション」に関連するドキュメントとすることができる。そのようなテーマは、株式の所有権を許容する国にのみ関連付けることができる。これまで使用した次元及び値の例に於いて、そのようなテーマは、「地理的領域」次元の「米国」及び「英国」値と関連付けられるであろう。パブリッシャーは、そのパブリッシング時に、テーマのリストから選択することによって、このテーマに対してパブリッシングすることができる。このパブリッシングされたドキュメントは、米国及び英国値と自動的に関連付けられる。そのテーマ見出しは、そのテーマに関連付けられたドキュメントと共に、米国及び英国値を有する(厳密フィルタリングを前提として)コミュニティにのみ表示される。ユーザは、その選択されたテーマの課題カテゴリ(そのスライス又はコミュニティの次元値に加えて)にマッチングするドキュメントのみが表示されるように、テーマをフィルタの一部として使用することができる。
【0056】
この好適実施例に於いて、あるドキュメントのために、テーマは、図6に図示されているもののようなプルダウンリストを使用して、選択される。ユーザは、カーソルをそのセクション内に移動し(たとえば、そのセクションのテキスト領域中でクリックすることによって)、そのテーマを選択することによって、一つのテーマを、一つのセクションと関連付ける。各ユーザには、そのユーザが属するデフォルトコミュニティが割り当てられる。ドキュメントのテーマは、カーソルをマスターセクションに移動し、その所望のテーマを選択することによって、割り当てられる。
【0057】
ハードウェア/ソフトウェア実行
図10〜図12は、本発明に好適に使用される基本的ハードウェアを例示している。
【0058】
図10は、ディスプレイスクリーン5を有するディスプレイ3を備えたコンピュータシステム1を図示している。キャビネット7には、デスクドライブ、CDROMドライブ、ディスプレイアダプタ、ネットワークカード、ランダムアクセスメモリ(RAM)、中央演算処理装置(CPU)、その他のコンポーネント、サブシステム及びデバイス等の標準的なコンピュータコンポーネント(図示せず)が収納されている。ボタン13を備えたマウス11やキーボード9等のユーザ入力装置が図示されている。トラックボール、タッチスクリーン、デジタイジングタブレット等のその他のユーザ入力装置を使用することも可能である。一般に、このコンピュータシステムは、本発明に好適に使用される、デスクトップコンピュータ等の一つのタイプのコンピュータシステムを例示するものにすぎない。コンピュータは、様々なハードウェアコンポーネントで構築することが可能であり、又、様々な寸法及びスタイル(たとえば、ラップトップ、パームトップ、ペントップ、サーバ、ワークステーション、メインフレーム)で構築することができる。ここに記載の処理を行うのに適したすべてのハードウェアプラットフォームが本発明に好適に使用可能である。
【0059】
図11は、コンピュータ100等のコンピュータに見られる典型的なサブシステムを例示している。
【0060】
図11に於いて、ボックス20内のサブシステムは、内部バス22に直接インターフェースされている。このようにサブシステムは、通常、図10のキャビネット7等のコンピュータシステムの内部に収納されている。サブシステムとしては、入力/出力(I/O)コントローラ24、システムランダムアクセスメモリ(RAM)26、中央演算処理装置(CPU)28、ディスプレイアダプタ30、シリアルポート40、固定ディスク42及びネットワークインターフェースアダプタ44が含まれる。バス22を使用することによって、これらサブシステムのそれぞれが、これらサブシステム間に於いて、更に、最も重要にはそのCPUと、データを転送することが可能である。外部装置は、CPUと通信することができ、又は他のサブシステムとバス上でインターフェースすることによって、バス22を介してそのサブシステムと通信することができる。モニタ46がディスプレイアダプタ30を介してバスと接続されている。マウス等の相対位置に基づくポインティング・デバイス(RPD)48がシリアルポート40と接続されている。キーボード50等のなんらかの装置によって、メインデータバスを使用することなく、たとえば割込みコントローラとそれに対応するレジスタ(図示せず)を介した直接手段によって、CPUと通信することができる。
【0061】
図10に図示した外見的な物理的構成と共に、様々なサブシステム構成をとることが可能である。図11は、そのような一つの好適な構成を例示するものにすぎない。図11に図示したもの以外のサブシステム、コンポーネント又は装置を追加することも可能である。図11に図示したサブシステムの全部を使用しなくても、適当なコンポーネントシステムを達成することは可能である。たとえば、スタンドアロンコンピュータはネットワークと接続する必要はなく、その場合、ネットワークインターフェース44は不要となる。本発明のシステムの性能に影響することなく、CDROMドライブ、グラフィックアクセラレータ等のその他のサブシステムを、構成に含ませることができる。
【0062】
図12は、典型的なネットワークの概略図である。
【0063】
図12に於いて、ネットワークシステム80は、インターネットに接続された複数のローカルネットワークを有する。ここにいくつかの具体的なネットワークプロトコル、物理層、トポロジー、その他のネットワークプロパティが提示されているが、本発明は、どのようなネットワークにも好適に使用される。
【0064】
図12に於いて、コンピュータユーザ1は、サーバ1に接続されている。この接続は、イーサネット(登録商標)等のネットワーク、非同期伝送モード,IEEE標準1553バス、モデム接続、ユニバーサルシリアルバス等によって行うことができる。その通信リンクは、ワイヤ接続である必要はなく、赤外線、ラジオ波伝送等とすることも可能である。サーバ1はインターネットに接続されている。インターネットはサーバルータ82の集合体として記号図示されている。尚、本発明を実施するに当たって、情報の配布又は通信のためにインターネットを使用することは必ずしも必要ではなく、これは、単に下記の好適実施例を例示するものに過ぎない。更に、サーバコンピュータの使用、及びサーバ機とクライアント機との指定、は、本発明を実施するため必須のものではない。ユーザ1コンピュータは、インターネットに直接接続することができる。インターネットに対するサーバ1の接続は、通常は、T1やT3線等の比較的高帯域幅の伝送媒体によって行われる。
【0065】
同様に、その他のコンピュータ84は、ユーザ1コンピュータと異なる位置でローカルネットワークを利用している状態で図示されている。これらのコンピュータ84は、サーバ2を介してインターネットに接続されている。ユーザ3とサーバ3とは、更に別の設備を表わしている。
【0066】
尚、この出願明細書および産業界に於いて「クライアント」と「サーバ」という概念は非常に大まかな定義で使用されており、実際には、機器及びこれら機器上で実行されるソフトウェアプロセスに対して固定されるものではない。通常、サーバとは別の装置又はプロセスに対して情報を提供している、即ち、その情報を要求している「クライアント」に対して情報を提供している装置又はプロセスである。この点に関して、コンピュータ又はプロセスは、ある時点に於いてはクライアントとして機能し(それが情報をリクエストしている為)、別の時点に於いてはサーバとして機能(それが情報を提供している為)することがあり得る。いくつかのコンピュータは、それらが通常、しばしば要求される大量の情報の為の一時的貯蔵場所として機能するため、常に「サーバ」として言及される。たとえば、ワールドワイドウェブ(WWW又は単に「ウェブ」)サイトは、しばしば、大容量、高速プロセッサを備えるサーバコンピュータと、多数の高帯域幅通信線とによってホストされる。
【0067】
サーバ機は、最も一般的には、連続的に人間のユーザによって手動操作されるのではなく、その代りに、情報リクエストに対して常時、自動的に応答するソフトウェアを有している。他方、デスクトップコンピュータ等のいくつかの機械は、通常、それらが主としてその機械を操作するユーザのためにインターネットから情報を入手するために使用されることから、クライアント機と見なされる。
【0068】
これらの機械に於いてある時点で実行される特定のソフトウェアに応じて、その機械は、その必要に応じて、クライアント又はサーバとしての役割を実際に行い得る。たとえば、ユーザのデスクトップコンピュータは、別のデスクトップコンピュータに対して情報を提供することができる。或いは、サーバは、別のサーバコンピュータと直接に通信することができる。時として、これは「ピア・ツー・ピア」通信として特徴付けられる。本発明のプロセス、これらのプロセスを実行するハードウェア、はインターネットの記載に一般的な用語(たとえば、「クライアント」、「サーバ」、「ピア」)によって特徴付けることが可能であるが、本発明のソフトウェアが、インターネット以外のネットワークを含むどのようなタイプの適当なソフトウェア上でも実行可能であることは当然である。
【0069】
本発明のソフトウェアは、単一のエンティティとして提供することが可能であるが、そのようなソフトウェアは多数のマシン上で容易に実行可能である。即ち、所与の一つのソフトウェアプログラムのの複数の実行が可能であり、一つのプログラムが、分散処理環境に於いて2つ以上のプロセッサ上で実行されたり、一つのプログラムの複数の部分が、物理的に異なるマシーン上で実行される等が可能である。更に、クライアントプログラムとサーバプログラム等の二つの異なるプログラムを、一つの機械で実行したり、別々のマシーンで実行したりすることができる。一つのプログラムは、一つの情報処理の為にはクライアントとして動作し、別の情報処理のためにはサーバとして動作することが可能である。
【0070】
図8および図9は、本発明の基本的なデータオブジェクトのモデルチャートである。
【0071】
たとえば、図8および図9は、ドキュメントオブジェクト200が、「BLOB_ID」、「DESCRIPTION」、「DOCUMENT_ID」等を含んでいることを示している。そして、BLOB_IDは、追加の情報および/又は他のオブジェクトに対する参照事項を含むブロッブ表を示している。当然、図8および図9のアーキテクチュアと異なる、又は、それを改変したその他のどのような適当なソフトウェア実行を使用することも可能である。
【0072】
本発明の一好適実施例は、マイクロソフトNT又はUnixプラットフォーム上で作動する。クライアントプラットフォームは、どのようなコンピュータ、消費者が備える処理装置等であってもよい。この好適実施例では、クライアント側処理にJavaを使用し、その下位にあるデータベースエンジンにOracle8iを使用する。ここでも、コンピュータ処理の特性に応じて、これらの詳細は、本発明を実施するために使用可能なハードウェアとソフトウェアの1つの実行形態に過ぎない。
【0073】
以上、本発明を、具体的実施例に関して記載したが、これらの実施例は、本発明を単に例示するものであって、限定するものではない。本発明の範囲は、添付の請求項によってのみ定められるべきものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上でウェブページにアクセスする方法であって、前記ネットワークがサーバコンピュータとユーザによって操作されるユーザコンピュータとに接続され、前記ユーザコンピュータが、ユーザ入力装置とディスプレイ装置とを備えたものに於いて、前記方法は以下の工程を有する、
前記ネットワークを介して前記サーバコンピュータから前記ディスプレイ装置にウェブページの一部を転送し、前記ウェブページの一部は、前記ユーザが、地理的位置、企業部門、従業員区分、時期のカテゴリの内、一つ以上を選択することを可能にするセレクタを有する、
前記ユーザによって選択された前記一つ以上のカテゴリを示すべく前記ユーザ入力装置からの信号に応答して発生された情報を受けることによってユーザによる選択を検出する、
前記選択されたカテゴリを満たす情報に関連付けられた単数又は複数のウェブページを同定する、そして
前記同定されたウェブページに関する情報を前記ユーザコンピュータに送る方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、前記セレクタはそれぞれが一つのカテゴリに対応する、複数のプルダウンリストを有する方法。
【請求項3】
請求項1の方法であって、前記ユーザコンピュータに送られる情報は、前記同定されたウェブページのリストを表示するために使用される方法。
【請求項4】
請求項1の方法であって、更に以下の工程を有する、
前記ユーザ入力装置から信号を受取ってドキュメントを作成する、そして
前記ユーザ入力装置から信号を受取って、ドキュメントをカテゴリと関連付ける方法。
【請求項5】
請求項4の方法であって、更に以下の工程を有する、
ユーザをカテゴリに関連付ける、そして
前記ユーザ関連カテゴリを、前記作成されたドキュメントに関連付けられたデフォルトカテゴリとして使用する方法。
【請求項6】
請求項1の方法であって、前記各カテゴリが複数のサブカテゴリを有するものに於いて、前記方法は更に以下の工程を有する、
ドキュメントをカテゴリと関連付けるためのテーマを定義する方法。
【請求項7】
ネットワーク上でウェブページにアクセスするためのユーザインターフェースであって、
前記ユーザインターフェースが、ユーザ入力装置とディスプレイ装置とを使用するものに於いて、前記ユーザインターフェースは以下を有する、
単数又は複数のカテゴリを表示するセレクタ手段、
前記ユーザインターフェース装置から信号を受取って単数又は複数のカテゴリを検出する検出手段、
前記選択されたカテゴリを満たす単数又は複数のウェブページを選択する選択手段、そして
前記選択されたウェブページのリストを前記ディスプレイ装置上に提示するディスプレイ手段を有するユーザインターフェース。
【請求項8】
ウェブページにアクセスするためのユーザインターフェースであって、該ユーザインターフェースは以下を有する、
単数又は複数のカテゴリを選択するためのセレクタを表示する、
前記ユーザ入力装置から信号を受取って、前記カテゴリの内の単数又は複数を選択する、
前記選択されたカテゴリに含まれるドキュメントのリストを表示するユーザインターフェース。
【請求項9】
請求項8のユーザインターフェースであって、前記カテゴリは、地理的位置、企業部門、又は従業員区分のいずれかであるユーザインターフェース。
【請求項10】
コンピュータネットワークに於いてドキュメントを検索する方法であって、該方法は以下の工程を有する、
複数のカテゴリタイプを有す第1カテゴリを定義する、
ドキュメントの少なくとも一部を、前記カテゴリの第1タイプに割り当てる、
前記ドキュメントの一部を取出し可能な形式で格納する、
前記カテゴリをユーザに対して示す、
前記ユーザから入力を受けて前記第1タイプを特定する、そして
前記ドキュメントの一部を前記ユーザに対して同定する方法。
【請求項11】
請求項10の方法であって、前記カテゴリは地理的位置である方法。
【請求項12】
請求項10の方法であって、前記カテゴリは企業部門である方法。
【請求項13】
請求項10の方法であって、前記カテゴリは従業員区分である方法。
【請求項14】
請求項10の方法であって、前記カテゴリは時期である方法。
【請求項15】
請求項10の方法であって、複数のカテゴリが使用され、前記カテゴリをユーザに対して示す工程は複数のカテゴリを前記ユーザに対して示す副工程を有し、
前記ユーザからの入力を受ける工程は、前記ユーザが前記カテゴリの内の二つ以上について少なくとも一つのカテゴリタイプを特定することを許容する副工程を有する方法。
【請求項16】
請求項15の方法であって、前記ユーザ特定は、デジタル処理システムへのグラフィカルユーザインターフェース上に表示されるセレクタツールによって行われる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−14709(P2012−14709A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−166837(P2011−166837)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【分割の表示】特願2000−301215(P2000−301215)の分割
【原出願日】平成12年8月24日(2000.8.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.UNIX
【出願人】(506332063)セールスフォース ドット コム インコーポレイティッド (10)
【Fターム(参考)】