説明

コンピュータ・システムを自動的に構成する方法およびコンピュータ・システム

【課題】 物理的な位置に基づいて自動構成をすることができるコンピュータ・システムを提供する。
【解決手段】 コンピュータ・システムは位置情報提供システム234、236、238と通信が可能になっている。レジストリ210は、コンピュータ・システムの物理位置に固有の構成情報を記憶する。ロケータ・モジュール232は、位置情報提供システムからコンピュータ・システムの物理位置に関する情報を受信してレジストリを検索し物理位置の名前を生成する。ロケーション・マネージャ204は、ロケータ・モジュールにより生成された名前に対応する物理位置に固有の構成情報に基づいてコンピュータ・システムを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ・システムの物理的な位置に基づいてコンピュータ・システムを自動的に構成する技術に関し、さらに詳細には電子的な位置情報提供システムから受け取った物理的な位置に関する情報に基づいてコンピュータ・システムを自動的に構成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
小型で安価でより強力なコンピュータ(例えばラップトップなど)の可用性により、またローカル・エリア・ネットワーク(LAN)や電話接続などのネットワーク・インフラストラクチャへのアクセスの容易性により、多くの人々が自分のコンピュータを抱えて移動するようになった。ネットワークへの接続、およびユーザにとって使用可能な一群のコンピュータ資源への接続のためのオプション・セットは、ユーザが現在位置する物理位置により主に決定される。
【0003】
例えば、ユーザがニューヨークのオフィスにいる場合、ユーザはローカル・エリア・ネットワークによりオフィス・ネットワークに接続し、ニューヨークのオフィス内にあるスキャナやプリンタなどのすべてのサービスにアクセスすることができる。何らかの理由で、ユーザが自分のコンピュータを抱えてフロリダにある彼の支社に出張する場合、ユーザはフロリダの支社において使用可能な資源にアクセスするであろう。出張の間にユーザがどこかのホテルに滞在したり、空港を利用して移動したりする場合、ユーザはホテルや空港において使用可能な資源にアクセスするかもしれない。
【0004】
通常、ホテルでは、ユーザは電話回線を利用して、オフィス・ネットワークにダイアル接続し、またホテルで使用可能なプリンタを使用する。ネットワーク接続を確立した後、一般的なユーザは様々なソフトウェア・アプリケーションを用いて、自分が関心のある情報にアクセスしたり管理したりする。例えば、メールを送受信するためには、ユーザはLotus Notes(商標)やMicrosoft Outlook(商標)などの電子メール・クライアントを使用する。また、ユーザのコンピュータとオフィス・サーバとの間でファイルを転送するためにユーザはファイルを手操作によりコピーするか、ファイル転送アプリケーションを使用する。
【0005】
しかしながら、現在のコンピュータ・システムの構成に関する主な問題は、ユーザが異なる物理位置(例えばホテル、空港など)から接続するたびに、ユーザは頻繁にコンピュータ・システムを構成するためのパラメータを更新しなければならないことである。こうしたパラメータには、ローカル・サービス・プロバイダに接続するための電話番号、ドメイン・ネーム・サーバなどのネットワーク・パラメータ、インターネット・プロトコル(IP)・アドレス、およびプリンタ設定などが含まれる。
【0006】
この面倒な作業は、この情報が幾つかのソフトウェア・アプリケーションを用いて更新されなければならない点で、また任意の構成情報を更新する際に一貫性がない場合にはコンピュータをその物理位置において無用にしてしまう点でさらに複雑化する。これは問題である。
【0007】
この問題は販売員や保険外交員などのような頻繁に移動する特定分野のユーザにとっては、さらに悪化する。平日の間、販売員は幾つかの場所を訪れるであろうが、各地点において、コンピュータを再構成しなければならない。これは彼らにとって非常に不便である。
【0008】
一部の製品(例えばSymantecのMobile Essentials(商標))では、ロケーション・プロファイルの特定の集中管理および展開を提供しようと企てる。ロケーション・プロファイルは、汎用ロケーション情報(例えば国、市、および時間帯)、ダイヤル、伝送制御プロトコル(TCP)/インターネット・プロトコル(IP)およびダイヤル・アップのためのネットワーク設定、プリンタ構成、およびウェブ・ブラウザや電子メール・クライアントなどのような、他のアプリケーションのためのプロファイル設定を含む。別の商品(例えば3ComのDynamicAccess Mobile Connection Manager(商標))は、複数の標準LANおよびリモート・アクセス構成をサポートする。これはロケーション間のシングル・クリック・スイッチングを特徴とし、障害追跡および保守の容易性のために読出し専用ロケーションをサポートする。
【0009】
しかしながら、Symantec製品と同様、この製品はコンピュータ・システムをその物理位置に基づき自動的に構成する点では不十分であり、特に電子手段によりこうした構成を提供していない。実際には、コンピュータの構成はユーザにより選択された位置に基づき実行される。
【0010】
従って、旅行者などが彼らの"ホーム"・ネットワーク(例えばイントラネットなど)などに接続することは可能ではあるが、ユーザがネットワーク接続を確立する上で、たくさんの作業、トラブルおよび不都合が存在する。すなわち、ネットワーク接続を成功裡に確立し、ユーザのデータ、電子メール、および他のネットワーク資源などへのアクセスを獲得するためには、コンピュータのたくさんの構成が変更されなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
コンピュータ・システムの構成に関する従来の方法に対する問題点や不都合を鑑み、本発明の目的は、物理位置に基づいて自動的に構成することができるコンピュータ・システムを提供することである。本発明の別の目的は、電話発呼者識別サービスを提供するダイヤルアップ・サーバまたはグローバル・ポジショニング・システム(GPS)(またはセルラ位置決めシステム、無線三角測量、他の衛星位置決め方法)などの位置情報提供システムからの入力に基づき、自動的に構成することができるコンピュータ・システムを提供することにある。さらに本発明の目的は、そのようなコンピュータ・システムにおいて位置情報システムから物理位置に関する情報を受け取って自動的に構成する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明では、コンピュータ・システムが位置情報提供システムとインターネットやイントラネットを通じて通信が可能な状態にある。コンピュータ・システムにはラップトップ・コンピュータ、ノート型コンピュータ、PDA、携帯電話などを適用することができる。レジストリには、コンピュータ・システムの物理位置に固有の構成情報が記憶されている。ロケータ・モジュールは、位置情報提供システムからコンピュータ・システムの物理位置に関する情報を受信してコンピュータ・システムの物理位置を決定する。ロケーション・マネージャは、ロケータ・モジュールにより決定された物理位置に対応する位置固有の構成情報をレジストリから検索し、検索された構成情報に基づいてコンピュータ・システムを構成する。
【0013】
このように、本発明は、ポータブル装置などのコンピュータ・システムの物理位置を、位置情報提供システムを用いて電子的に決定し自動的に構成する。好適な実施例では、"ロケータ・モジュール"と呼ばれるソフトウェア・モジュールが提供される。ロケータ・モジュールは、位置情報提供システム(例えばGPS、発呼者IDシステムなどの電子入力装置)を用いて、コンピュータ・システムの物理位置を決定する。収集された物理位置に関する情報がロケーション・マネージャに提供され、ロケーション・マネージャはこの情報を用いて、予め構成された物理位置を選択しコンピュータ・システムを構成する。このとき、ロケーション・マネージャは、GetCurrentLocation呼び出しをロケータ・モジュールに発行してこれを実行することによりコンピュータ・システムを構成する。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、物理位置に基づいて自動的に構成することができるコンピュータ・システムを提供することができた。本発明により、電話発呼者識別サービスを提供するダイヤルアップ・サーバまたはグローバル・ポジショニング・システム(GPS)(またはセルラ位置決めシステム、無線三角測量、他の衛星位置決め方法)などの位置情報提供システムからの入力に基づき、自動的に構成することができるコンピュータ・システムを提供することができた。さらに本発明により、そのようなコンピュータ・システムにおいて位置情報提供システムから物理位置に関する情報を受け取って自動的に構成する方法を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1は本発明にとって好適なシステム100の構成を示す。好適には、本発明を実現するソフトウエアはクライアント・コンピュータ102などのポータブル装置上に導入される。クライアント・コンピュータはラップトップ・パーソナル・コンピュータ(PC)により有利に実現されるが、当業者であれば、本発明を全体的に見たとき、他のポータブル装置やコンピュータ・システムについても本発明により大きな利点がもたらされることが理解できよう。後述の図4は、クライアント・コンピュータが取り得る典型的な形態を示す。
【0016】
クライアント・コンピュータ102は、Windows 95(商標)、Windows 98(商標)、Windows NT(商標)、またはLinux(商標)などのオペレーティング・システム、およびインターネット/イントラネット104に接続するためのモデム、ケーブル・モデル、DSLモデム、トークンリング、またはイーサネットなどの適切なハードウェア・アダプタを有する。
【0017】
クライアント・コンピュータ102には、ハードウェア・アダプタを介してTCP/IP通信プロトコルを使用するための適切なソフトウェア・ドライバが導入される。更に、クライアント・コンピュータ102は、ユーザがそのルーチン情報管理タスクを管理するために使用するすべての必要なソフトウェア・アプリケーションを有する。これらのアプリケーションには、ウェブ・ブラウザ、ダイヤラおよびメール・クライアントが含まれる。ウェブ・ブラウザはNetscape Navigator(商標)やマイクロソフトのInternet Explorer(商標)により実現され、ダイヤラはAT&TのGlobal network dialerにより実現され、メール・クライアントはLotus Notes(商標)、Microsoft Outlook(商標)、またはEudora(商標)により実現される。
【0018】
ユーザはクライアント・コンピュータ102を用いて、インターネット/イントラネット104に接続されるサーバとの情報管理タスクを実行する。これらのタスクには、メール・サーバ106からの電子メールの送受信、ウェブ・サーバ108からのウェブ・ページの検索、ファイル・サーバ110からのデータ・ファイルの送受信が含まれる。これらのサーバは、例えばAIX(商標)オペレーティング・システムを実行するIBM RISC(商標)システム6000コンピュータ、またはマイクロソフトのWindows NT(商標)サーバ・オペレーティング・システムを実行するPCとして実現される。
【0019】
システム100の構成はさらに、ダイヤルアップ・サーバ112を含む。ダイヤルアップ・サーバ112は、発呼者が呼び出しを行っている位置の電話番号を決定するサービスを提供する。この決定を行うためにダイヤルアップ・サーバは電話発呼者識別(ID)サービスを使用する。ダイヤルアップ・サーバは発呼者IDを本発明にかかるクライアント・コンピュータ102に返送し、これがソフトウェアにより捕獲される。この機構は追加のハードウェアを必要としない。
【0020】
ダイヤルアップ・サーバ112は、Windows NT(商標)、Linux(商標)またはUnix(商標)などのオペレーティング・システムを有するコンピュータと、入ってくるダイヤルアップ呼び出しを受信する適切なハードウェア・アダプタとにより実現される。ダイヤルアップ・サーバ112はクライアント・コンピュータ102の他に、サーバ106、108、110ともインターネット/イントラネット104を通じてインタフェースする。
【0021】
図2は、本発明の論理ソフトウェア・ブロック図を示す。これはロケーション・マネージャ204、同期マネージャ206、接続マネージャ208、およびロケータ・モジュール232の4つのモジュールを含む。
【0022】
ロケーション・マネージャ204は、本発明によりレジストリ210に記憶される位置固有(location-spesific)の構成情報を管理する機能を提供する。レジストリは、Windows(商標)オペレーティング・システムがそのすべてのプログラムについて保持するWindows(商標)データ構造の一部であり、プラット・フォーム固有の情報を格納する。ロケーション・マネージャ204の機能については後述する。
【0023】
同期マネージャ206モジュールは、電子メール222を送受信する機能、ファイル・データ220を同期化する機能、およびオフライン・ブラウジング(走査検索)のために、ウェブ・ページ226を検索および記憶する機能を提供する。メール222サブモジュールは、Lotus Notes(商標)、Microsoft Exchange(商標)、Internet Messaging Access Protocol(IMAP(商標))、およびPOP3(商標)プロトコルを用いてメールを検索する機能を提供する。
【0024】
接続マネージャ208は、モデム212、トークンリング・カード214、およびイーサネット・カード216を用いて、ネットワーク接続を確立する接続機能を提供する。これはまた、ユーザが同期を開始することを可能にするグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)を提供する。
【0025】
ロケータ・モジュール232は、電子的な手段である位置情報提供システムを用いてコンピュータの物理位置を決定する機能を提供する。図2に示される典型的な実施例は、幾つかの位置情報提供システム(例えばGPSサブモジュール234および発呼者IDサブモジュール236)をサポートする。使用可能な他の位置情報提供システムには、他の衛星位置決めシステム、セルラ位置決めユニット237(例えばセルラ・ネットワーク内のセルへの近接度)、および他の形態の無線三角測量ユニット238が含まれる。
【0026】
図3は、ロケータ・モジュール232のAPIであるGetCurrentLocation300のフロー制御図である。図3はまたロケータ・モジュール232のフロー制御図を示す。ロケータ・モジュール232は、GetCurrentLocationと呼ばれる単一のAPIをロケーション・マネージャ204にエクスポート(公開)する。
【0027】
ロケーション・マネージャ204がユーザにより実行開始されるとき、ロケーション・マネージャ204はGetCurrentLocation呼び出しをロケータ・モジュール232に発行し、図3に示す方法でクライアント・コンピュータ102の構成を行う。
【0028】
最初にステップ302で、ロケータ・モジュール232は、通信回線(例えば電話回線)がクライアント・コンピュータ102のモデムに接続されているか否かを判断する。
【0029】
回線が接続されていると判断される場合、ロケータ・モジュール232は所定の無料電話番号をダイヤルアップ・サーバ112にダイヤルする(ステップ304)。呼び出しを受信すると、ダイヤルアップ・サーバ112のモデムが呼び出しに応答し、電話サービス・プロバイダの発呼者ID機構を用いて、発呼者の電話番号を抽出し保管する(ステップ316)。
【0030】
次にステップ306で、クライアント・コンピュータ102が呼び出しの発信元である発呼者の電話番号を要求する要求メッセージを、ダイヤルアップ・サーバ112に送信する。ステップ318では、ダイヤルアップ・サーバ112が発呼者の電話番号と一緒に、応答をクライアント102に送信する。
【0031】
ステップ308では、ロケータ・モジュール232が応答メッセージから電話番号を抽出し、次にステップ310で、特定の電話番号の位置構成を求めてレジストリ210(例えば図2参照)を探索する。
【0032】
ステップ312で、位置構成が見いだされたと判断されると、フローはステップ314に進む。ステップ314では、位置の名前がロケーション・マネージャ204に返される。
【0033】
ステップ312で位置が見いだされない場合、"不在(Not Found)"結果がロケーション・マネージャ204に返される(ステップ320)。
【0034】
さらに、ステップ302において通信回線(例えば電話回線)がモデムに接続されていないと判断される場合、ロケータ・モジュール232はGPS受信機がコンピュータ102に接続されているか否かを判断する(ステップ322)。
【0035】
GPS受信機(または前述の別の位置情報提供システム)がコンピュータ102に接続されている場合、ステップ324で、ロケータ・モジュール232はGPS受信機からローカルGPS座標を検索し、これらの座標を用いて、コンピュータが位置する市、州および国を決定する。発呼者の電話番号やローカルGPS座標は、コンピュータ102の物理位置に関する情報となる。
【0036】
ステップ310では、前述の情報(例えば市、州、国など)を用いて、ロケータ・モジュール232がレジストリ210を探索し、その物理位置の位置構成を決定する。
【0037】
プロセスはステップ312に進み、位置構成が見いだされたか否かを判断する。位置構成が見いだされた場合、その物理位置の名前がロケーション・マネージャ204に返される(ステップ314)。位置が見いだされない場合、前述のように、"不在"結果がロケーション・マネージャに返される(ステップ320)。
【0038】
ロケーション・マネージャ204がロケータ・モジュール232から有効な位置の名前を返されると、ロケーション・マネージャ204はその情報を用いて、その位置に対してレジストリ210に記憶された位置固有の構成情報を検索し、検索された構成情報に基づいてクライアント・コンピュータ102を自動的に構成する。
【0039】
図4は、本発明に従う情報処理/コンピュータ・システム400の典型的なハードウェア構成(例えばクライアントのポータブル装置)を示す。コンピュータ・システム400は好適には、少なくとも1つのプロセッサまたは中央処理ユニット(CPU)411を有する。
【0040】
CPU411はシステム・バス412を介して、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)414、読出し専用メモリ(ROM)416、入出力(I/O)アダプタ418(ディスク・ユニット421およびテープ・ドライブ440などの周辺装置をバス412に接続する)、ユーザ・インタフェース・アダプタ422(キーボード424、マウス426、スピーカ428、マイクロフォン432、および他のユーザ・インタフェース装置をバス412に接続する)、通信アダプタ434(情報処理システムをデータ処理ネットワーク、インターネット、イントラネットなどに接続する)、および表示アダプタ436(バス412を表示装置438やプリンタ439に接続する)に相互接続される。
【0041】
前述のハードウェア/ソフトウェア環境に加えて、本発明の異なる態様では、前述の方法を実行するコンピュータにより実現される方法を含む。例えば、この方法は前述の特定の環境において実現される。
【0042】
こうした方法は、例えばデジタル・データ処理装置であるコンピュータを動作させ、マシン読取り可能命令のシーケンスを実行することにより実現される。これらの命令は様々なタイプの信号担持媒体内に存在し得る。
【0043】
従って、本発明はこの態様において、プログラム化製品として提供され、そうしたものには、例えばデジタル・データ・プロセッサにより実行されて、前述の方法を実行するマシン読取り可能命令のプログラムを有する信号担持媒体が含まれる。
【0044】
従って、図5に示されるように、前述のハードウェアおよびプロセス環境に加えて、本発明の異なる態様では、位置情報提供システム(例えば発呼者IDまたはGPS)を用いて、コンピュータ・システムの自動構成をその物理位置に基づき提供する、コンピュータにより実現される方法が含まれる。1例として、この方法は前述の特定のハードウェア環境において実現される。
【0045】
こうした方法は、例えばCPU411(図4)を動作させ、マシン読取り可能命令のシーケンスを実行することにより実現される。これらの命令は様々なタイプの信号担持媒体内に存在し得る。
【0046】
信号担持媒体には、例えば、高速アクセス記憶装置を代表するCPU411内に含まれるRAMが含まれる。或いは、命令が例えば磁気データ記憶ディスケット500(図5)などの、CPU411により直接的にまたは間接的にアクセス可能な別の信号担持媒体内に含まれてもよい。
【0047】
ディスケット500、コンピュータ/CPU411またはその他の場所に含まれるかに関わらず、命令は様々なマシン読取り可能データ記憶媒体上に記憶され得る。それらには、DASD記憶装置(例えば従来の"ハード・ドライブ"またはRAIDアレイ)、磁気テープ、電子式読取り専用メモリ(例えばROM、EPROMまたはEEPROM)、光記憶装置(例えばCD−ROM、WORM、DVD、デジタル光テープなど)、ペーパ・パンチ・カード、または他の好適な信号担持媒体、例えばデジタルおよびアナログ通信リンクおよび無線などの伝送媒体が含まれる。本発明の実施例では、マシン読取り可能命令は、"C"などの言語からコンパイルされたソフトウェア・オブジェクト・コードを含む。
【0048】
本発明の独特な新規の機構により、電子的な位置情報提供システム(例えば発呼者ID、GPS、セルラ位置決め、無線三角測量、他の衛星位置決めシステムなど)を用いて、コンピュータ・システムをその物理位置に基づき自動的に構成することにより、新たな位置でのコンピュータの再構成の問題が軽減される。
【0049】
本発明は好適な実施例に関連して述べられてきたが、当業者であれば、本発明がその趣旨および範囲内において、変更を伴い実施され得ることが理解できよう。
【0050】
例えば、前述の典型的な実施例は、ポータブル装置(例えばラップトップ・コンピュータ)に関連して述べられたが、パーソナル・データ・アシスタント(PDA)、パーム・パイロット、携帯電話、シャープ株式会社により製造されるMobilonProなどの製品など、他のコンピュータ・システムでも本発明の特徴による恩恵を甘受することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に従う好適なシステム構成を示す図である。
【図2】本発明に従う論理ソフトウェア・ブロック図である。
【図3】ロケータ・モジュール232のGetCurrentLocationアプリケーション・プログラム・インタフェース(API)のフロー制御図である。
【図4】クライアント(ユーザ)側で本発明と共に使用される典型的な情報処理/コンピュータ・システム400を示す図である。
【図5】本発明に従う方法を実現するプログラムを格納する媒体500を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
100 システム
102 クライアント・コンピュータ
104 インターネット/イントラネット
106 メール・サーバ
108 ウェブ・サーバ
110 ファイル・サーバ
112 ダイヤルアップ・サーバ
204 ロケーション・マネージャ
206 同期マネージャ
208 接続マネージャ
210 レジストリ
212 モデム
214 トークンリング・カード
216 イーサネット・カード
220 ファイル・データ
222 電子メール
226 ウェブ・ページ
232 ロケータ・モジュール
234 GPSサブモジュール
236 発呼者IDサブモジュール
237 セルラ位置決めユニット
238 無線三角測量ユニット
300 GetCurrentLocation


【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置情報提供システムと通信が可能なコンピュータ・システムであって、
前記コンピュータ・システムの物理位置に固有の構成情報を記憶するレジストリと、
前記位置情報提供システムから前記コンピュータ・システムの物理位置に関する情報を受信して前記コンピュータ・システムの物理位置を決定するロケータ・モジュールと、
前記ロケータ・モジュールにより決定された物理位置に対応する位置固有の構成情報を前記レジストリから検索し、該検索された構成情報に基づいて前記コンピュータ・システムを構成するロケーション・マネージャと
を有するコンピュータ・システム。
【請求項2】
前記位置情報提供システムが、電話発呼者識別サービスを提供するダイヤルアップ・サーバを含む請求項1記載のコンピュータ・システム。
【請求項3】
前記位置情報提供システムが、GPS受信機を含む請求項1記載のコンピュータ・システム。
【請求項4】
前記ロケータ・モジュールがアプリケーション・プログラミング・インタフェースGetCurrentLocationを前記ロケーション・マネージャにエクスポートする請求項1記載のポータブル装置。
【請求項5】
前記ロケーション・マネージャが、前記GetCurrentLocation呼び出しを実行することにより前記コンピュータ・システムを構成する請求項4記載のポータブル装置。
【請求項6】
位置情報提供システムと通信が可能なコンピュータ・システムを自動的に構成する方法であって、
前記コンピュータ・システムの物理位置に固有の構成情報を記憶するレジストリを提供するステップと、
前記位置情報提供システムから前記コンピュータ・システムの前記物理位置に関する情報を受信して前記コンピュータ・システムの物理位置を決定するステップと、
前記決定された物理位置に対応する位置固有の構成情報を前記レジストリから検索するステップと、
前記検索した位置固有の構成情報に基づいて前記コンピュータ・システムを構成するステップと
を有する構成方法。










【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−107488(P2006−107488A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−275516(P2005−275516)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【分割の表示】特願2001−26390(P2001−26390)の分割
【原出願日】平成13年2月2日(2001.2.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.イーサネット
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【復代理人】
【識別番号】100106699
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 弘道
【復代理人】
【識別番号】100077584
【弁理士】
【氏名又は名称】守谷 一雄
【Fターム(参考)】