説明

コンピュータ支援手術システム

【課題】医療装置の簡単で迅速な位置決めを可能にするコンピュータ支援手術システム及びコンピュータ支援手術システムを動作する方法を提供する。
【解決手段】コンピュータ支援手術システム及びコンピュータ支援手術システムを動作する方法がここに記載される。システム及び方法は、インプラント又は類似物などのような医療装置のより容易な適用をもたらすよう、医療装置の仮想表示を提供することを含む。記載されるシステム及び方法は、例えば、インプラントなどのような医療装置の簡単で迅速な位置決めを可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ支援手術システム及びコンピュータ支援手術システムを動作する方法に関し、具体的には、インプラント又は類似物のような医療装置のより容易な適用をもたらす医療装置の仮想表示を提供するコンピュータ支援手術システム及びコンピュータ支援手術システムを動作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
髄内釘打ち法によって、例えば、大腿骨頸部の骨折を治療し得る。そのような治療では、髄内釘打ち法用の釘は、典型的には、骨ネジを受け入れるための少なくとも1つのボア孔を含む。釘は、大腿骨の長手方向に概ね導入され、骨ネジが少なくとも1つのボア孔内に受け入れられるとき、骨ネジは大腿骨の頸部に対して特定の角度で横方向に延びる。外科医の特定の問題は、そのような釘又はインプラント又はそれらの一部の将来的な位置又は移植される位置を予測することである。過去、操作者はインプラントの大体の最適な位置を得るよう試行錯誤を行っていた。しかしながら、これはより長い期間の手術を招き、それは患者により大きなストレスを引き起こし得る。更に、各試行に関して、インプラントの位置を評価するためにインプラントの現在位置を確認するために、少なくとも1つのX線画像(例えば、フルオロショット)が概して必要である。
【0003】
近年、ダイナミックヒップネジのためのコンピュータ支援手術が、非特許文献1中でAmir Herman et al.によって記載されており、この文献は、三次元距離を測定し、インプラントテンプレートを視覚化し、且つ、標準的なX線透視検査において案内される軌道を見るために画像分析技術を使用する、コンピュータ支援手術システムを記載している。案内システムは、標的、位置決め、及び、基準装置として透明なハードウェアに組み込まれる、一組のX線不伝導性マーカを結合する。この装置は案内ワイヤに取り付けられる。X線透視画像が外科医によって取得され、次に、画像処理エンジンによって処理され、画像処理エンジンは、Cアーム及び画像内のドリル軌道に対する三次元の向きを計算する。
【0004】
更に、係止ネジを髄内装置のオリフィス内に挿入することが意図される情報取得のためのプロセスが特許文献1に記載されている。この文献は、髄内装置の遠位係止孔内に係止ネジを挿入するために意図される情報を取得するためのプロセスを記載している。記載されるプロセスは、透視装置を使用して髄内装置の遠位部分の異なる向きの2つの画像を撮ること、髄内装置に固定される基準フレーム及び透視装置に固定される選択的な他の基準フレームを位置決めすることによって、投射パラメータ、特に、X線源及び各画像の投射平面の位置を取得することを含む。そのプロセスは、画像の如何なる歪みをも矯正すること、各画像における髄内装置の遠位部分をセグメント化すること、髄内装置の位置及び孔の位置に関する属性を計算することを更に含み、属性は、少なくとも、髄内装置の輪郭、その重心、及び、その主軸を含む。更に、そのプロセスは、各画像のために髄内装置の遠位部分の投射コーンを構築すること、2つの投射コーンの交差を決定すること、交差に基づき髄内装置をモデリングすること、モデリング及び画像上に決定される孔の重心の助けを受けて係止孔の中心を決定すること、係止オリフィスの向きを反復的に決定すること、及び、ドリル工具を案内することを含む。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】The Journal of Medical Robotics and Computer Assisted Surgery, Dec.29, 2008; Volume 5,Pages 45−50
【特許文献1】EP1491151B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、例えば、インプラントのような、適用されるべき医療装置の簡単で迅速な位置決めを可能にするコンピュータ支援手術システム及びコンピュータ支援手術システムを動作する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの実施態様によれば、コンピュータ支援手術システムを動作する方法が提供され、当該方法は、解剖学的構造に対して基準体を位置決めすることを含み、基準体は解剖学的構造に適用されるべき医療装置の位置を仮想表示し、解剖学的構造に対する基準体の位置を検出することを含み、解剖学的構造に対する基準体の検出位置に基づき、解剖学的構造を適用されるべき医療装置の仮想表示と重ね合わせることを含み、解剖学的構造に対して医療装置を適用する許容範囲のための規則を提供することを含み、基準体の位置を変更することを含み、許容範囲のための規則に対する最良の適合を得るために、解剖学的構造に対して適用されるべき医療装置の仮想位置を最適化することを含む。
【0008】
よって、適用されるべき医療装置の仮想表示を使用することによって、医療装置の最終の所望位置を決定する段階中に、この医療装置を挿入することを必要とせずに、現実の医療装置の将来の位置を予測し得る。よって、医療装置を挿入する前に、医療装置の位置を仮想に最適化し得る。これは切開及びX線の衝撃に対する患者のストレスの軽減をもたらし得る。最適化することは、医療装置、即ち、インプラントの最適な場所、向き、及び、幾何を探すことを含む。この最適化することは、コンピュータ装置によって支援されて行われ得る。基準体は、特別なアドオン素子、並びに、撮像中にその位置を特定する特異な幾何を有する医療工具であり得る。
【0009】
本発明の他の実施態様によれば、医療装置の位置は、医療装置の寸法、場所、及び、向きを含む。
【0010】
よって、患者の解剖学的構造に関する全ての関連情報を考慮して、医療装置を仮想的に表示し得る。位置は、具体的には、所定の様々な医療装置からの医療装置の幾何であってもよい。
【0011】
本発明の更に他の実施態様によれば、解剖学的構造に対して位置付けられる基準体を検出することは、異なる角度から2つの二次元画像を撮ること、二次元画像に基づき三次元表示を生成すること、及び、三次元画像に基づき解剖学的構造に対する基準体の空間位置を決定することを含む。2つの二次元画像は、医療装置を受け入れる解剖学的構造を含み得る。解剖学的構造に対する医療装置の位置は、三次元表示に基づき得る。
【0012】
よって、適用されるべき医療装置の正しい位置決め及び寸法入れに対する概観をもたらすために、解剖学的構造並びに適用されるべき仮想のインプラント又は仮想の医療装置を三次元的な方法で表示し得る。
【0013】
本発明の一層更なる他の実施態様によれば、変更することは、基準体を回転及び/又は移動することを含み得る。
【0014】
よって、提供される規則内で将来的に位置付けられる医療装置の最適化された位置を探し出すために、医療装置の位置を表示する基準体を解剖学的構造に対して仮想に位置付けることができ、規則は、解剖学的構造に対して医療装置を適用するための許容範囲を提供する。
【0015】
本発明の一層更なる他の実施態様によれば、変更することは、様々な医療装置の所定の群から医療装置を選択することを含み得る。
【0016】
よって、許容範囲のための規則を満足するために、例えば、移植されるべき最適なインプラントの種類を探し出すよう、医療装置の寸法も所定の群から選択し得る。様々な種類は、様々な幾何、例えば、長さ、傾斜角、及び、様々な解剖学的特性に対応する他の幾何学的特性を有し得る。
【0017】
本発明の一層更なる他の実施態様によれば、コンピュータ支援手術システムを動作する方法は、解剖学的構造及び挿入されるべき医療装置の仮想表示の重なり合いを撮像することを更に含む。
【0018】
よって、外科医はコンピュータ支援手術システムの進行中のプロセスを現場で制御し且つ監視することが可能であり、それは最適化が十分であるか否かを最終的に決定し且つ外科医による直の最終的な確認を提供するときに関連し得る。
【0019】
本発明の一層更なる他の実施態様によれば、適用されるべき医療装置の位置は基準体から離れる。好ましくは、医療装置は、インプラントである。好ましくは、基準体は、例えば、標的工具のような医療工具に取り付け可能である。
【0020】
よって、基準体は、医療装置の直ぐ近傍に提供される必要はない。基準体の直ぐ近傍にないインプラントを仮想に表示し得る。これは切開の開口場所に関する最終の遠隔位置を有するインプラントに特に関連する。更に、基準体を標的工具に提供するとき、例えば、髄内釘の骨ネジのようなサブインプラントも仮想に表示し得る。
【0021】
本発明の一層更なる他の実施態様によれば、プロセッサによって実行されるとき、コンピュータ支援手術システムを動作する方法を実施するよう構成されるプログラム要素が提供される。
【0022】
本発明の一層更なる他の実施態様によれば、発明的なプログラム要素を記憶させるコンピュータ読取り可能な媒体が提供される。
【0023】
よって、コンピュータ支援手術システムを動作する方法をコンピュータ及びコンピュータプログラム上でそれぞれ実施し得る。
【0024】
本発明の一層更なる他の実施態様によれば、コンピュータ支援手術システムが提供され、当該コンピュータ支援手術システムは、解剖学的構造に対する基準体を含み、基準体は解剖学的構造に提供されるべき医療装置の位置を仮想表示し、解剖学的構造に対する基準体の位置を検出するために構成される検出装置を含み、仮想の医療装置情報を含むデータベースを含み、解剖学的構造を検出装置の出力に基づき適用されるべき医療装置の仮想表示と重ね合わせること、基準体の位置を変更すること、及び、解剖学的構造に対して医療装置を適用する許容範囲のための所定の規則に対する最良の適合を得るために、解剖学的構造に対して適用されるべき医療装置の仮想位置を最適化することのために構成される計算装置を含む。
【0025】
そのようなコンピュータ支援手術システムは、解剖学的構造に対して医療装置を適用する許容範囲のための所定の規則を満足するために外科医の試行錯誤の手法を必要とせずに、例えば、インプラントのような、適用されるべき医療装置の将来的な位置を予測することを可能にし、その規則は、例えば、骨の表面までの所要距離、例えば、大腿骨の長手方向と大腿骨頸部の向きとの間の具体的な傾斜角等の形態で提供され得る。
【0026】
本発明のある実施態様によれば、データベースは、医療装置のための複数のデータセットを含み、データセットは、様々な医療装置を表示する。
【0027】
よって、許容範囲のための所定の規則を満足するために、医療装置の向き及び場所を決定し得るのみならず、医療装置自体の寸法も決定し得る。これは、例えば、髄内釘及びそれぞれの骨ネジの長さ、直径、及び、具体的な角度に関して異なる寸法を要求する広範囲な解剖学的構造を有するときに、特に関連し得る。本発明のある実施態様によれば、医療装置は、インプラントである。
【0028】
本発明の一層更なる他の実施態様によれば、システムは、インプラントを位置付けるために構成される医療工具を更に含み、基準体は所定の方法で医療工具に取り付け可能である。
【0029】
よって、髄内釘の正しい位置並びに髄内釘に挿入される前の将来的に移植される骨ネジの正しい位置を探すために未だ移植されていない髄内釘を表示するために基準体を使用し得る。しかしながら、髄内釘を基準体と考え得る。何故ならば、髄内釘は、挿入されるべき骨ネジの将来の位置も表示する特異な形態を有し得るからである。よって、医療工具に取り付けられる髄内釘を挿入させるとき、髄内釘の幾何から、骨ネジの将来的な位置、即ち、場所、寸法、及び、向きを決定し得る。例えば、骨ネジの将来的な位置を表示する基準体として髄内釘を使用し得ることが付記されなければならない。しかしながら、例えば、髄内釘を表示するために、別個の基準体を使用可能であり、その場合には、髄内釘の将来的な位置を表示し且つ予測するために、そのような基準体を所定位置において医療工具又は釘に固定し得る。髄内釘の幾何及び向きを知るときには、医療工具に取り付けられる基準体を評価することによって、骨ネジの将来的な位置も予測し得る。
【0030】
本発明の上述の実施態様は、コンピュータ支援手術システムを動作する方法、コンピュータ支援手術システム、プログラム要素、並びに、コンピュータ読取り可能な媒体にも当て嵌まることが付記されなければならない。
【0031】
上記の特徴を組み合わせ得ることも付記されなければならない。上記の特徴の組み合わせは、仮に詳細に明記されていないとしても、相乗効果も引き起こし得る。
【0032】
本発明のこれらの及び他の特徴は、以下に記載される実施態様を参照して明瞭に解明されるであろう。
【0033】
本発明は、その非限定的な実施態様に関する後続の詳細な記載を判読した後に、及び、付属の図面を検討した後に、より十分に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】コンピュータ支援手術システムを示す概略図である。
【図2】その上に固定された基準体を有する医療工具と、髄内釘と骨ネジとを含むインプラントとを示す側面図である。
【図3】図2に示される医療工具から分離された状態のインプラントを示す側面図である。
【図3a】図3に示される基準体を示す正面図である。
【図3b】図3に示される基準体を示す端面図である。
【図4a】インプラントの仮想表示を示す側面図である。
【図4b】インプラントの現実の位置を示す側面図である。
【図5】骨ネジの仮想表示及び釘の現実の位置を示す側面図である。
【図6】骨ネジ及び釘の仮想表示を示す側面図である。
【図7a】提供される矢印によって示されるような仮想の釘及び仮想のネジの第一方向への偏りを示す側面図である。
【図7b】提供される矢印によって示されるような仮想の釘及び仮想のネジの第二方向への偏りを示す側面図である。
【図7c】仮想の釘及び仮想のネジの正しい位置を示す側面図である。
【図7d】仮想の釘及び仮想のネジの最終の位置を示す側面図である。
【図8a】提供される矢印によって示されるような現実の釘及び仮想のネジの第一方向への偏りを示す側面図である。
【図8b】提供される矢印によって示されるような現実の釘及び仮想のネジの第二方向への偏りを示す側面図である。
【図8c】現実の釘及び仮想のネジの正しい位置を示す側面図である。
【図8d】現実の釘及び仮想のネジの最終の位置を示す側面図である。
【図9a】様々な異なる幾何、即ち、釘に対するネジの傾斜角の仮想表示を示す側面図である。
【図9b】様々な異なる幾何、即ち、釘に対するネジの傾斜角の仮想表示を示す側面図である。
【図10】様々な異なる幾何、即ち、現実の釘に対するネジの長さの仮想表示を示す側面図である。
【図11】コンピュータ支援手術システムを動作する方法を概略的に示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、コンピュータ支援手術システム1を例証している。例えば、インプラント(移植片)のような、適用されるべき医療装置の提供を支援し得るよう、コンピュータ支援手術システム内に或いはコンピュータ支援手術システム上に患者2を位置付け得る。図1のコンピュータ支援手術システムは、患者2の大腿骨内への髄内釘の移植のための構造を例証している。この目的のために、インプラントの適用が意図される解剖学的構造の場所からの画像を送るために、画像化装置3が提供される。コンピュータ支援手術システムは、医療装置及びインプラントの正しい位置をそれぞれ計算し且つディスプレイ装置上に表示し得るよう、ディスプレイ装置4と、計算装置5とを更に含む。よって、総切開時間を減少し且つインプラントの位置を向上し得るよう、外科医は髄内釘及びそれぞれの骨ネジを提供する助けを受ける。
【0036】
図2は、標的工具の形態の医療適用工具10を例証している。標的工具は、摘み11と、適用されるべき医療装置200を結合するための結合部15とを含む。図2のこの医療装置は、髄内釘200である。この髄内釘は、上方部201を有し、上方部201は、髄内釘を医療工具10の結合部15に結合するための結合部205も含む。図2に示される実施態様において、髄内釘200は、髄内釘の上方シャフト部201に提供されるオリフィス202を含む。このオリフィス202は、骨ネジ210を受け入れる働きをする。髄内釘200は、下方シャフト部203を更に含み、下方シャフト部は、遠位固定ネジ220を受け入れるための更なるオリフィス204を含む。骨ネジ210は、大腿骨の頸部内に延びるよう設計される。この目的のために、骨ネジ210は、骨材料内での固定のためのギアシャフト211を備える。更に、骨ネジ210は、骨ネジを髄内釘200内に固定し得るよう、固定構成216を備える。この固定は、髄内釘200に対する骨ネジ210の位置を固定するよう上方シャフト部201内の髄内釘の長手方向延長に沿う内部ネジによって行われ得る。更に、骨ネジ210は、骨ネジ210を回転して骨、例えば、大腿骨頸部内に入れるために、それぞれの工具、例えば、ネジ回しを受け入れるための受け部215を備え得る。
【0037】
図2では、基準体100が医療工具10上に所定の方法で固定されている。基準体は、基準体のより容易な固定及び位置決めのために摘み101を含む。基準体は、複数の基準マーカ102を更に含む。これらのマーカは、単一のフロオロショット画像が基準体100の特異な三次元位置を決定するのに十分であり得るよう、あらゆる二次元投射において特異な表示をもたらす所定の方法で基準体に亘って配置される。基準体100は、所定の方法で医療工具10に固定され、髄内釘200に対しても固定されるので、基準体100の既知の向き、場所、及び、一般的には、位置は、髄内釘200の位置を同時に表示する。髄内釘200の幾何が既知である場合には、骨ネジ210及び遠位係止ネジ220の位置も、少なくともそれらの長手方向延長の方向のために予め定められる。よって、医療工具10の位置決めは、基準体100と共に、例えば、フロオロショット画像における髄内釘の可視性と無関係に、髄内釘200の位置、並びに、少なくとも骨ネジ210及び遠位係止ネジ220の長手延長方向を決定することを可能にする。基準体10が医療工具10に対して正しく位置決めされているか否かを決定するために、単一のフロオロショット画像を評価することによって医療工具10に対する基準体の正しい位置を決定し得るよう、医療工具10は複数の基準マーカ12も備え得る。
【0038】
図3は、単一素子のインプラント部と、図2に示される工具部とを例証している。図3は、医療工具10に対して解放された状態の髄内釘200を例証している。医療工具10は、例えば、髄内釘206,205のそれぞれの対応物を受け入れるための鼻部の形態の特異な整合パターン16を有する結合部15を含む。よって、髄内釘200を事前に明確に表示するために基準体10を使用し得ることを保証し得るよう、医療工具10に対する髄内釘200の特異な整合位置を提供し得る。
【0039】
図3aは、基準体100の正面図を例証している。単一のフロオロショットが基準体の空間位置の特異な決定を可能にするよう、基準マーカ202は、基準体100上に不規則ではあるが所定の方法で配置されている。図3bは、医療工具10から分離された基準体の側面図を例証している。
【0040】
基準体に対する髄内釘200の位置を知っているときには、髄内釘が医療工具10に取り付けられていないとしても、ここでは医療工具10に取り付けられる基準体の位置の変動を、髄内釘の将来の位置を決定するために使用し得る。これは図4aから分かり、図4aは、大腿骨頭330、大腿骨頸部320、及び、大腿骨骨幹部310を有する大腿骨の形態の解剖学的構造300を例証している。その上に基準体100が取り付けられた医療工具10を位置付けるときには、髄内釘200’の仮想表示を視覚化することによって、髄内釘の将来の位置を決定し得る。以下の記載のために、アポストロフィ表示を伴う参照番号は、提供されるべき医療装置、例えば、インプラントの仮想位置を表示し、アポストロフィを伴わない参照番号は現実の医療装置を表し、適用済みの医療装置も表すことが付記されなければならない。
【0041】
医療工具10を大腿骨の頂部上に位置付けるとき、医療工具の位置の修正は、基準体100と共に、後に適用される医療装置の仮想表示を決定する。図4aに示されるように、移植されるべき医療装置の正しい位置が発見されたときには、進入地点を固定するために、それぞれの案内ワイヤ400を大腿骨に適用可能であり、進入地点は、適用されるべき医療装置の最適な位置に属する。次に、案内ワイヤ400を大腿骨300に維持しながら医療工具10を取り外し得る。よって、大腿骨のそれぞれの進入地点を開口するために穿孔装置又は突き錐を提供するために、進入地点は固定される。穿孔後、髄内釘を大腿骨300、具体的には、図4bから分かるように、大腿骨骨幹部310内に挿入するために、現実の髄内釘200を医療工具10に結合し得る。
【0042】
基準体を突き錐又は穿孔工具に或いは突き錐を表示するための標的工具にも取り付け得る。突き錐が基準体を備えるときには、突き錐の軌道に基づき釘の将来の位置を予測し得る。よって、例えば、突き錐又は穿孔工具によってボア孔を生成するときには、釘の将来の位置を決定し得る。換言すれば、釘のための孔を穿孔するときには、将来の釘の位置を現場で決定することが可能である。
【0043】
髄内釘の既知の幾何及び所定の結合構成205,206,15,16を介した医療工具10への髄内釘200の所定の結合によれば、骨ネジ210の方向も遠位係止ネジ220の方向と共に定められる。
【0044】
図5は、現実の髄内釘200を挿入させた図4bから始めて、骨ネジ210’及び係止ネジ220’の仮想表示を例証している。骨ネジ及び係止ネジの正確な位置は異なり得るが、それらの長手方向及び向きは、髄内釘200のオリフィス202,204によって予め定められる。よって、髄内釘を挿入させるとき、髄内釘の長手軸に対する長手方向の平行移動及び回転に対する髄内釘の正しい位置を決定するために、骨ネジ210’の仮想表示を使用し得る。髄内釘200は、髄内釘の位置、即ち、その場所、寸法、及び、向きの所定の決定を許容する特異な幾何を備え得ることも理解されなければならない。換言すれば、現実の髄内釘200を基準体として使用するとき、医療工具の頂部上の追加的な基準体100を省略し得る。何故ならば、その場合には、髄内釘は、適用されるべき骨ネジ210’及び適用されるべき遠位係止ネジ220’のための基準体として働き得るからである。
【0045】
図6は、骨ネジ210’及び遠位係止ネジ220’の仮想表示と共に、髄内釘200’の仮想表示を例証している。骨ネジ210’の位置は髄内釘200’に対するその向きによって定められるので、髄内釘及び骨ネジの正しい位置を探すために、医療工具の位置を使用し得る。医療工具の位置変更によって、骨ネジ210’と共に髄内釘200’の仮想表示は異なるので、髄内釘の正しい位置のみならず、骨ネジの正しい位置も決定し得る。これは、例えば、骨ネジと大腿骨頸部320の骨表面との間の特定の距離を維持するよう仮想骨ネジ210’の正しい位置を探すために、仮想髄内釘200’の正しい軸方向変位を決定することを可能にする。これは後続の図面に関連してより詳細に記載される。
【0046】
図7aは、骨ネジ210の仮想表示と共に、髄内釘200の仮想位置を例証している。しかしながら、インプラント、髄内釘、及び、骨ネジの仮想表示は、髄内釘及び骨ネジの最終的な挿入にとって十分ではない位置を例証している。何故ならば、大腿骨骨幹部310の表面に対する髄内釘の距離及び大腿骨頸部320の表面に対する骨ネジの距離は狭すぎるからである(矢印を参照)。よって、より良好な位置決めを探すために、医療工具10の位置は変更されなければならない。
【0047】
しかしながら、図7bはこの位置もインプラントの最終的な挿入に適さないことを例証している。何故ならば、髄内釘200’の仮想表示及び骨ネジ210’の仮想表示は、やはり、大腿骨骨幹部310及び大腿骨頸部320のそれぞれの表面に対して狭すぎるからである。図7cに従った更なる位置決めの後、仮想髄内釘200’及び骨ネジ210’の仮想表示の正しい位置が達成されるので、例えば、案内ワイヤ400を適用することによって、正しい位置を固定し得る。正しい進入地点を固定させた後、全体的な現実のインプラント、即ち、前に決定された位置において髄内釘200及び骨ネジ210を大腿骨300に適用し得る。基準体100の特異な表示、髄内釘及び骨ネジの方向を特異に表示することに従って、図7aと図7cとの間で更なるフロオロショットは必要とされない。図7dに例証されるように、その成功裏な移植を確認するために、最終的なインプラント位置を制御することが望ましいならば、他のフロオロショットを撮り得る。
【0048】
図7cに示されるように、正しい進入位置が決定される場合には、髄内釘200を医療工具10に結合し、次に、大腿骨骨幹部310内に挿入し得る。骨ネジ210’及び遠位係止ネジ220’を仮想に表示するために、髄内釘200又は基準体100の一方、或いは、基準体100及び髄内釘200の双方を基準体100として使用し得る。髄内釘200と共に医療工具10を位置変更することによって、骨ネジ210’の正しい更なる位置を決定し得る。
【0049】
図8a乃至8dは、現実の釘200を位置付けさせたときの骨ネジ210’の仮想表示の配置を例証している。図8aは、仮想の骨ネジ210’と大腿骨頸部320との間の低い距離に関する不十分な位置(矢印)を例証しているのに対し、図8bは、大腿骨頸部320の他方の側に関する反対に位置付けられた不十分な位置決め(矢印)を例証している。図8cは、骨ネジ210’の仮想表示に対する髄内釘200のより良好な位置を例証しているので、現実の骨ネジ210を図8dに示されるように挿入し得る。穿孔処理中に1枚のフロオロショット画像も必要とせずに、穿孔プロセス中に穿孔機の正しい位置を監視し得るよう、例えば、大腿骨頸部320の根幹部内にボア孔を提供するために穿孔工具を提示するために基準体100を使用し得ることも付記されなければならない。後に釘を受け入れるための孔を穿孔するときに釘の正しい位置決めを監視し得るよう、基準体はボア孔を穿孔するときの釘200’も表示し得る。穿孔処理のこの監視は図8a乃至8cの例証と類似し、その場合には、髄内釘200は穿孔機によって交換されるのに対し、骨ネジ210の正しい位置を保証するために骨ネジ210’の仮想表示を維持し得る。
【0050】
コンピュータ支援手術システムは基準体100,200のより良好な位置又は向きを探すのも助けることが付記されなければならない。これは外科医に詳細な指示を与えることによって起こり得る。その場合には、正しい位置を探すために標的工具方向は移動されなければならない。例えば、どの方向に標的工具を移動すべきかを外科医が直接的に認識し得るよう、標的工具の取手に触覚的フィードバックを与えることも可能である。この目的のために、それぞれの作用主体をハンドル又はグリップに配置し得る。
【0051】
図9aは、異なる幾何のオリフィス202を有する髄内釘の仮想表示の視覚化を例証している。それぞれの仮想髄内釘200’を選択することによって、骨ネジ210’の傾斜をより急勾配の位置210a’又はより少ない傾きの位置210b’に変更し得る。よって、骨ネジ210’の異なる傾斜角を可能にする様々な可能な髄内釘を仮想表示することによって、後に移植される骨ネジ210の正しい位置決めを達成するために、正しい種類の髄内釘を選択し得る。データベース内の最適な幾何を調査し、それぞれの種類のインプラントを提案するとき、コンピュータ支援手術システムによってこの選択を実施し得る。
【0052】
実際には、術中X線撮像を伴う定位固定が使用され、その場合には、図9bに例証されるように、釘用のボア孔を穿孔するために、基準体100を備える突き錐9を使用し得る。システムは突き錐9の基準体100を検出することができ、よって、インプラント200’の軸、例えば、三次元空間内のガンマ釘/髄内釘の軸を知る。特定距離に亘って骨を進入させるとき、突き錐9の軌道は実質的に決定される。しかしながら、突き錐の深さに依存して、僅かな矯正を行い得る。2つの二次元画像、例えば、AP方向にある1つの二次元画像及びML方向にある1つの二次元画像を生成することによって、既に進入させられた突き錐と共に解剖学的構造を視覚化し得る。ML視像では、システムは大腿骨頭をセグメント化し、よって、大腿骨頭の中心を知り、よって、ML視像におけるインプラントの正しい回転を計算することができる。AP視像では、システムはMLにおいて計算されたような正しい軸回転を用いてインプラントをオーバーレイし、大腿骨頭の自動セグメント化を行い、よって、大腿骨頭の中心(又は尖部)を計算する。釘の仮想表示は、釘の最適化された位置を探すために基準体を回転及び/又は平行移動することを可能にする。次に、システムは、初期値としての釘200と骨ネジ210との間の125°の傾斜角に亘って骨ネジの軌道まで釘軸に対応する軌道に沿ってインプラント、例えば、釘を仮想に移動可能であり、大腿骨頭の中心(又は尖部)を通過し、初期設定の種類に加えて、全ての他の利用可能な種類のインプラントを表示する。これをソフトウェアツールによって実施し得る。データベースの利用可能なデータセットに基づき計算装置によって最適な釘の位置及び最適な釘の種類を自動的に決定し得るので、外科医は、釘の位置及び釘の種類、並びに、対応する骨ネジ及び/又は遠位係止ネジに関する提案を受け取り得る。選択的に、釘の進入深さを採用するよう、使用者はシステムと相互作用し得る。選択的に、システムは全シーンの三次元再構成を提示し得る。既に導入された突き錐は骨内に安定的な位置をもたらすので、髄内釘の将来の位置を提供し得る。更に、突き錐の剛的な位置は、手術プロセス中にその位置を維持するのを可能にする。換言すれば、コンピュータ支援手術システムを使用するとき、手術の仕事の流れの全体は妨げられない。図2乃至10の例証はAP方向における例証であること、並びに、計算装置5で供給されるべきML方向においても対応する例証を得ることができることが付記されなければならない。
【0053】
図10は、大腿骨頭330の表面に対する骨ネジの所要距離を維持し得るよう、様々な骨ネジから正しい骨ネジ210を選択する類似の方法を例証している。図10は、骨ネジ210’及び210c’の2つの可能な長さを例証しており、許容範囲に関する規則に基づくシステムは、位置210’を選択しなければならない。何故ならば、より長い骨ネジ210cは大腿骨頭330の表面までの所要距離を維持しないからである。
【0054】
図11は、コンピュータ支援手術システムを動作する方法を例証している。本方法は、解剖学的構造300に対する基準体100,200の位置決めすることS10を含み、基準体は解剖学的構造300に適用されるべき医療装置200,210,220の位置を仮想に表示している。本方法は、更に、解剖学構造300に対する基準体の位置を検出することS20、解剖学的構造に対する基準体の検出位置に基づき、解剖学的構造を、適用されるべき医療装置の仮想表示200,210,220と重ね合わせることS30、解剖学的構造に対して医療装置を適用するための許容範囲に関する規則を提供することS40、基準体の位置を変更することS50、及び、許容範囲に関する規則に関する最良の適合を得るために、解剖学的構造に対して適用されるべき医療装置の仮想位置を最適化することS60を含む。解剖学的構造に対して位置決められた基準体100;200を検出することS20は、異なる角度から2つの二次元画像を撮ることS21、2つの二次元画像に基づき三次元表示を生成することS22、及び、三次元表示に基づき解剖学的構造に対する基準体の空間位置を決定することS23を更に含み得る。変更することS50は、基準体100;200を回転することS51及び/又は移動することS52、並びに、様々な医療装置の所定の群から医療装置200;210;220を選択することS53を含み得る。
【0055】
本発明の他の実施態様では、適切なシステム上で前述の実施態様のうちの1つに従った方法の方法ステップを実行するよう構成されることを特徴とするコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム要素が提供される。
【0056】
従って、コンピュータプログラム要素を本発明の実施態様の一部でもあり得る計算装置上に記憶し得る。この計算装置は上述された方法のステップを遂行し或いは遂行を引き起こすよう構成され得る。その上、この計算装置は上述された装置の構成部品を動作するよう構成され得る。計算装置は使用者の指令を自動的に作動し且つ/或いは実行するよう構成され得る。コンピュータプログラムはデータプロセッサの作動メモリ内にロードされ得る。よって、データプロセッサは本発明の方法を実施するよう装備され得る。
【0057】
本発明のこの実施態様は、開始から直ちに本発明を使用するコンピュータプログラム、及び、アップデートを用いて既存のプログラムを本発明を使用するプログラムに転換するコンピュータプログラムの両方をカバーする。
【0058】
更に、コンピュータプログラム要素は、上述されるような方法の実施態様の手順を充足する全ての必要なステップを提供し得る。
【0059】
本発明の更なる実施態様によれば、CD−ROMのようなコンピュータ読取り可能な媒体が提示され、コンピュータ読取り可能な媒体は、その上に記憶されるコンピュータプログラム要素を有し、そのコンピュータプログラム要素は先行部分に記載される。
【0060】
しかしながら、ワールドワイドウェブのようなネットワーク上にもコンピュータプログラムを提示し得るし、そのようなネットワークからデータプロセッサの作動メモリ内にダウンロードし得る。本発明の更なる実施態様によれば、コンピュータプログラム要素をダウンロード可能にする媒体も提供され、そのコンピュータプログラム要素は、本発明の前述された実施態様のうちの1つに従った方法を遂行するよう配置される。
【0061】
本発明の実施態様は異なる主題を参照して記載されることが付記されなければならない。具体的には、一部の実施態様は方法の種類の請求項を参照して記載されるのに対し、他の実施態様は装置の種類の請求項を参照して記載される。しかしながら、当業者は、特段の断りのない限り、1つの種類の主題に属する特徴のあらゆる組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴間のあらゆる組み合わせも本出願に開示されていると考えられることを上記及び後続の記載から推測するであろう。しかしながら、全ての特徴は組み合わされて、それらの特徴の単純な合計よりも多くの相乗効果をもたらし得る。
【0062】
本発明の実施態様は異なる主題を参照して記載されることが付記されなければならない。具体的には、一部の実施態様は装置の種類の請求項を参照して記載されるのに対し、一部の実施態様は方法の種類の請求項を参照して記載される。しかしながら、当業者は、特段の断りのない限り、1つの種類の主題に属する特徴のあらゆる組み合わせに加えて、異なる主題に関する特徴間の、具体的には、装置の種類の請求項の特徴と方法の種類の請求項の特徴との間のあらゆる組み合わせも本出願中に開示されると考えられることを上記及び後続の記載から推測するであろう。
【0063】
請求項において、「含む」という用語は、他の素子又はステップを排除せず、不定冠詞の使用は、複数を排除しない。単一のプロセッサ又は他の装置は、請求項中に列挙される幾つかの品目の機能を満足し得る。特定の手段が相互に異なる従属項において列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせを有利に使用し得ないことを示さない。
【0064】
他のハードウェアと共に或いはその一部として供給される光記憶媒体又はソリッドステート媒体のような適切な媒体上にコンピュータプログラムを記憶し且つ/或いは配置し得るが、インターネット又は他の有線若しくは無線の通信システムを介してなどのような他の形態でも配置し得る。
【符号の説明】
【0065】
1 コンピュータ支援手術システム(computer assisted
surgery system)
2 患者(patient)
3 画像化装置 (imaging device)
4 ディスプレイ装置 (display unit)
5 計算装置 (computation unit)
9 突き錐 (awl)
10 医療工具 (medical tool)
11 摘み (finger grip)
15 結合部 (coupling portion)
16 整合パターン (matching pattern)
100 基準体 (reference body)
101 摘み (finger grip)
102 基準マーカ (fiducial marker)
200 髄内釘 (intramedullary nail)
200’ 仮想の髄内釘 (virtual intramedullary nail)
201 上方シャフト部 (upper shaft portion)
202 オリフィス (orifice)
203 下方シャフト部 (lower shaft portion)
204 オリフィス (orifice)
205 髄内釘 (intramedullary nail)
206 髄内釘 (intramedullary nail)
210 骨ネジ (bone screw)
210’ 仮想の骨ネジ (virtual bone screw)
211 ギアシャフト (gear shaft)
215 受け部 (receptacle)
216 固定構成 (fixation arrangement)
220 遠位係止ネジ (distal locking screw)
220’ 仮想の遠位係止ネジ (virtual distal locking
screw)
300 大腿骨 (femur)
310 大腿骨骨幹部 (femur shaft)
320 大腿骨頸部 (femur neck)
330 大腿骨頭 (femur head)
400 案内ワイヤ (guide wire)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ支援手術システムを動作する方法であって、
解剖学的構造に対して基準体を位置決めすることを含み、前記基準体は、前記解剖学的構造に適用されるべき医療装置の位置を仮想表示し、
前記解剖学的構造に対する前記基準体の位置を検出することを含み、
前記解剖学的構造に対する前記基準体の検出位置に基づき、前記解剖学的構造を、適用されるべき医療装置の仮想表示と重ね合わせることを含み、
前記解剖学的構造に対して前記医療装置を適用する許容範囲のための規則を提供することを含み、
前記基準体の位置を変更することを含み、
前記許容範囲のための規則に対する最良の適合を得るために、前記解剖学的構造に対して適用されるべき前記医療装置の前記仮想位置を最適化することを含む、
方法。
【請求項2】
前記医療装置の前記位置は、前記医療装置の寸法、場所、及び、向きを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記解剖学的構造に対する基準体の位置を検出することは、
異なる角度から2つの二次元画像を撮ること、
該二次元画像に基づき三次元表示を生成すること、及び、
該三次元画像に基づき前記解剖学的構造に対する前記基準体の空間位置を決定することを含む、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記基準体の位置を変更することは、前記基準体を回転すること及び/又は移動することを含む、請求項1乃至3のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記基準体の位置を変更することは、様々な医療装置の所定の群から前記医療装置を選択することを含む、請求項1乃至4のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記解剖学的構造及び挿入されるべき前記医療装置の仮想表示の重なり合いを撮像することを更に含む、請求項1乃至5のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
適用されるべき前記医療装置の位置は、前記基準体から離れる、請求項1乃至6のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記医療装置は、インプラントである、請求項1乃至7のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記基準体は、医療工具に取り付け可能である、請求項1乃至8のうちのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
プロセッサによって実行されるとき、請求項1乃至9のうちのいずれか1項に記載の方法を実施するよう構成されるプログラム要素。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラム要素を記憶させるコンピュータ読取り可能な媒体。
【請求項12】
解剖学的構造に対する基準体を含み、該基準体は、前記解剖学的構造に提供されるべき医療装置の位置を仮想表示し、
前記解剖学的構造に対する前記基準体の位置を検出するために構成される検出装置を含み、
仮想の医療装置情報を含むデータベースを含み、
前記解剖学的構造を前記検出装置の出力に基づき適用されるべき医療装置の仮想表示と重ね合わせること、前記基準体の位置を変更すること、及び、前記解剖学的構造に対して前記医療装置を適用する許容範囲のための所定の規則に対する最良の適合を得るために、前記解剖学的構造に対して適用されるべき前記医療装置の前記仮想位置を最適化することのために構成される計算装置を含む、
コンピュータ支援手術システム。
【請求項13】
前記データベースは、前記医療装置のための複数のデータセットを含み、該データセットは、様々な医療装置を表示する、請求項12に記載のコンピュータ支援手術システム。
【請求項14】
前記医療装置は、インプラントである、請求項12又は13に記載のコンピュータ支援手術システム。
【請求項15】
前記インプラントを位置付けるために構成される医療工具を更に含み、前記基準体は、所定の方法で前記医療工具に取り付け可能である、請求項14に記載のコンピュータ支援手術システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−177513(P2011−177513A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−41532(P2011−41532)
【出願日】平成23年2月28日(2011.2.28)
【出願人】(507015952)ストライカー トラウマ ゲーエムベーハー (13)
【Fターム(参考)】