説明

コンピュータ装置、インストール装置、インストールシステム、インストール方法およびプログラム

【課題】ソフトウェアを容易にインストールするコンピュータ装置、インストール装置、インストールシステム、インストール方法およびプログラムを提供する。
【解決手段】記憶装置を有するコンピュータ装置は、コンピュータ装置自身の種類を識別するための型番を記憶する型番情報記憶部と、複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けて保持する保持部と、保持部を参照し、型番情報記憶部に記憶された型番に対応付けられたソフトウェアを、記憶装置にインストールする処理部と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータ装置、インストール装置、インストールシステム、インストール方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ソフトウェアをインストールする技術が記載されている。特許文献1に記載の技術は、コンピュータプラットホームと、記憶装置を有するコンピュータシステムと、複数のソフトウェアを記憶するライブラリ記憶媒体と、起動プログラムを記憶する起動記憶媒体と、により構成される。
【0003】
特許文献1に記載のコンピュータプラットホームでは、ライブラリ記憶媒体に記憶された複数のソフトウェアのうち必要なソフトウェアがユーザによって選択され、その選択されたソフトウェアを示す選択データが起動記憶媒体に記憶される。また、特許文献1に記載のコンピュータシステムでは、ライブラリ記憶媒体および起動記憶媒体が設置されると、ライブラリ記憶媒体に記憶された複数のソフトウェアのうち、ユーザによって予め選択されたソフトウェアを、起動記憶媒体に記憶された選択データに基づいて検索し、そのソフトウェアが記憶装置にインストールされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−242471号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のコンピュータシステムでは、コンピュータシステムの種類(以下「機種」と称する。)ごとに異なるソフトウェアが記憶装置にインストールされることが多い。製造工場において、コンピュータシステムの機種ごとに異なるソフトウェアを記憶装置にインストールする場合、製造者が機種ごとに複数のソフトウェアのうち必要なソフトウェアを選択し、その選択データが起動記憶媒体に記憶されることになる。
【0006】
このため、コンピュータの機種の数、または、機種ごとに記憶装置にインストールするソフトウェアの数が多い場合には、製造者によるソフトウェアの選択に要する手間が膨大に増えてしまうという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、上記した課題を解決するコンピュータ装置、インストール装置、インストールシステム、インストール方法およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のコンピュータ装置は、記憶装置を有するコンピュータ装置であって、前記コンピュータ装置の種類を識別するための型番を記憶する記憶手段と、複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けて保持する保持手段と、前記保持手段を参照し、前記記憶手段に記憶された型番に対応付けられたソフトウェアを、前記記憶装置にインストールする処理手段と、を含む。
【0009】
本発明のインストール装置は、所定の型番を記憶する記憶手段と記憶装置とを有するコンピュータ装置と、通信を行うインストール装置であって、複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けて保持する保持手段と、前記記憶手段に記憶された所定の型番を前記コンピュータ装置から受信すると、前記保持手段を参照し、当該所定の型番に対応付けられたソフトウェアを、前記コンピュータ装置に送信する送信手段と、を含む。
【0010】
本発明のインストールシステムは、記憶装置を有するコンピュータ装置とインストール装置とを有するインストールシステムであって、前記コンピュータ装置は、前記コンピュータ装置の種類を識別するための型番を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された型番を前記インストール装置に送信し、前記インストール装置から送信されたソフトウェアを受信すると、当該ソフトウェアを前記記憶装置にインストールする処理手段と、を含み、前記インストール装置は、複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けて保持する保持手段と、前記処理手段から送信された型番を受信すると、前記保持手段を参照し、当該型番に対応付けられたソフトウェアを、前記処理手段に送信する送信手段と、を含む。
【0011】
本発明のインストール方法は、記憶装置を有するコンピュータ装置におけるインストール方法であって、前記コンピュータ装置の種類を識別するための型番を記憶手段に記憶する記憶ステップと、複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けて保持手段に保持する保持ステップと、前記保持手段を参照し、前記記憶手段に記憶された型番に対応付けられたソフトウェアを、前記記憶装置にインストールする処理ステップと、を含む。
【0012】
本発明のインストール方法は、所定の型番を記憶する記憶手段と記憶装置とを有するコンピュータ装置と、通信を行うインストール装置におけるインストール方法であって、複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けて保持手段に保持する保持ステップと、前記記憶手段に記憶された型番を前記コンピュータ装置から受信すると、前記保持手段を参照し、当該型番に対応付けられたソフトウェアを、前記コンピュータ装置に送信する送信ステップと、を含む。
【0013】
本発明のインストール方法は、記憶装置を含むコンピュータ装置と、複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けて保持する保持手段を含むインストール装置と、を有するインストールシステムにおけるインストール方法であって、前記コンピュータ装置が、当該コンピュータ装置の種類を識別するための型番を記憶手段に記憶する記憶ステップと、前記コンピュータ装置が、前記記憶手段に記憶された型番を前記インストール装置に送信する第1送信ステップと、前記インストール装置が、前記送信ステップにより送信された型番を受信すると、前記保持手段を参照し、当該型番に対応付けられたソフトウェアを、前記コンピュータ装置に送信する第2送信ステップと、前記コンピュータ装置が、前記インストール装置から送信されたソフトウェアを受信すると、当該ソフトウェアを前記記憶装置にインストールする処理ステップと、を含む。
【0014】
本発明のプログラムは、記憶装置を有するコンピュータ装置に、前記コンピュータ装置の種類を識別するための型番を記憶手段に記憶する記憶手順と、複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けて保持手段に保持する保持手順と、前記保持手段を参照し、前記記憶手段に記憶された型番に対応付けられたソフトウェアを、前記記憶装置にインストールする処理手順と、を実行させる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、ソフトウェアを容易にインストールすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるコンピュータ装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】コンピュータ装置1の動作概要を示す概念図である。
【図3】型番判別データベース4のデータ構造を例示する図である。
【図4】コンピュータ装置1におけるインストール方法の処理手順例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態におけるコンピュータシステムの構成例を示すブロック図である。
【図6】サーバ1aおよびコンピュータ装置1bの動作概要を示す概念図である。
【図7】コンピュータシステム100におけるインストール方法の処理手順例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施形態におけるコンピュータ装置を示すブロック図である。
【0019】
本実施形態では、製造工場において、複数のコンピュータ装置1が、機種に応じて複数のソフトウェアをインストールする。コンピュータ装置1は、型番情報記憶部20と、記憶装置30と、処理部80と、を備える。
【0020】
型番情報記憶部20は、一般的に記憶手段と呼ぶことができる。
【0021】
型番情報記憶部20は、コンピュータ装置1自体の種類を識別するための記号列(以下「型番」と称する。)を記憶する。型番情報記憶部20は、例えば、ROM(Read Only Memory)により構成される。
【0022】
本実施形態では、型番情報記憶部20は、コンピュータ装置1の製造時に、機種ごとに専用に割り当てられた型番を示す型番情報(以下「機種型番情報」と称する。)を記憶する。機種型番情報は、コンピュータ装置1のBIOS(Basic Input-Output System)が格納される領域(以下「BIOS領域」と称する。)内に格納される。
【0023】
機種型番情報は、BIOS領域内のDMI(Desktop Management Interface:デスクトップ管理インターフェース)に用いられる情報である。機種型番情報に示される型番は、20桁の記号により表現され、例えば、型番の1桁目は「A」、2桁目は「J」、3桁目は「P」を示す。
【0024】
記憶装置30は、コンピュータ装置1に内蔵される主記憶媒体である。また、記憶装置30は、処理部80に処理を実行させるためのプログラムを記憶する。なお、記憶装置30は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。記憶装置30は、例えば、ハードディスクにより実現される。本実施形態では、記憶装置30は、保持部70とソフト記憶部90とにより構成される。
【0025】
保持部70は、一般的に保持手段と呼ぶことができる。
【0026】
保持部70は、複数の型番の各々と複数のソフトウェアとを互いに対応付けて保持する。
【0027】
本実施形態では、保持部70は、処理部80が記憶装置30にソフトウェアをインストールする処理(以下「インストール処理」と称する。)を行うために確保される作業領域である。また、作業領域は、ソフトウェアが記憶装置30にインストールされた後に消去され、その後、他のデータを記憶するための新たな領域として用いられる。保持部70は、対応情報保持部40と、インストールプログラム保持部50と、全ソフト群保持部60と、を備える。
【0028】
全ソフト群保持部60は、コンピュータ装置1にインストール可能な全てのソフトウェア(以下「全ソフト群」と称する。)を保持する。
【0029】
対応情報保持部40は、型番ごとに、全ソフト群のうち少なくとも1つのソフトウェアが対応付けられた対応情報(以下「型番判別データベース」と称する。)を保持する。すなわち、対応情報保持部40は、インストールすべきソフトウェアを機種型番情報に基づいて判別するための型番判別データベースを保持する。
【0030】
インストールプログラム保持部50は、処理部80により型番判別データベースを用いて判別されるソフトウェアのソフト記憶部90へのインストールを制御するためのプログラム(以下「インストールプログラム」と称する。)を保持する。
【0031】
ソフト記憶部90は、一般的にソフト記憶手段と呼ぶことができる。
【0032】
ソフト記憶部90は、処理部80によってインストールされたソフトウェアを記憶する。ソフト記憶部90は、コンピュータ装置1にソフトウェアをインストールするために確保される領域(以下「インストール領域」と称する。)である。
【0033】
処理部80は、一般的に処理手段と呼ぶことができる。
【0034】
処理部80は、保持部70を参照し、型番情報記憶部20に記憶された型番に対応付けられたソフトウェアを、記憶装置30のソフト記憶部90にインストールする。例えば、処理部80は、予め定められた起動要求を受け付けると、保持部70を参照し、型番情報記憶部20に記憶された型番に対応付けられたソフトウェアを、ソフト記憶部90にインストールする。
【0035】
また、処理部80は、型番情報記憶部20に記憶された型番に対応付けられたソフトウェアをソフト記憶部90にインストールした後、保持部70に互いに対応付けて保持された型番の各々とソフトウェアとを消去する。
【0036】
本実施形態では、処理部80は、図示していない入力部から、型番判別データベースとインストールプログラムと全ソフト群とを受け付けると、これらの情報(以下「ソフト情報」と称する。)を保持部70に格納する。例えば、処理部80は、型番判別データベースを対応情報保持部40に、インストールプログラムをインストールプログラム保持部50に、全ソフト群を全ソフト群保持部60にそれぞれ格納する。
【0037】
また、処理部80は、例えば、ソフト情報が保持部70に保持されると、インストールプログラムを読み出し、そのインストールプログラムを実行する。あるいは、処理部80は、ソフト情報を保持部70に格納した後、使用者によって入力された起動要求を受け付けると、コンピュータ装置1に電源電圧が供給されることにより、インストールプログラムを読み出し、そのインストールプログラムを実行する。
【0038】
処理部80は、そのインストールプログラムの実行により、型番判別データベースを用いて、全ソフト群保持部60に保持された全ソフト群のうち、機種型番情報の示す型番に対応付けられたソフトウェアを抽出する。また、処理部80は、その抽出されたソフトウェアを、ソフト記憶部90にインストールする。これとともに、処理部80は、インストールプログラムを、ソフト記憶部90に転送する。
【0039】
また、処理部80は、ソフト記憶部90にインストールプログラムを転送した後、コンピュータ装置1の再起動が行われると、ソフト記憶部90に転送されたインストールプログラムを読み出す。処理部80は、そのインストールプログラムを実行し、対応情報保持部40に保持された型番判別データベースと、インストールプログラム保持部50に保持されたインストールプログラムと、全ソフト群保持部60に保持された全ソフト群と、を削除する。すなわち、処理部80は、作業領域として確保された保持部70を消去する。
【0040】
図2は、コンピュータ装置1の動作概要を示す概念図である。
【0041】
図2(a)は、ソフトウェアのインストール前のコンピュータ装置1の状態を示す図である。図2(b)は、インストールプログラムによる記憶装置30の状態を示す図である。図2(c)は、インストール後の記憶装置30の状態を示す図である。
【0042】
図2(a)には、機種型番情報2と記憶装置30の作業領域7とが示されている。図2(a)では、作業領域7に、型番判別データベース4と、インストールプログラム5と、全ソフト群6と、が予め保持されている。また、図2(a)には、全ソフト群6として、例えば、ソフトaからソフトeなどが示されている。
【0043】
図2(b)には、機種型番情報2および作業領域7に加えてインストール領域9が示されている。図2(b)では、コンピュータ装置1に電源が投入されることにより、処理部80が、インストールプログラム5のインストール処理を実行する。インストール処理において、処理部80は、型番判別データベースを用いて、全ソフト群6のうち機種型番情報2に示される型番に対応付けられたソフト10(例えば、ソフトaおよびソフトc)を、インストール領域9にインストールする。
【0044】
図2(c)には、インストール領域9が示されている。図2(c)では、ソフトウェアがインストールされるとともに、インストールプログラムがインストール領域9に転送された後、コンピュータ装置1が再起動されて、処理部80が、そのインストールプログラムを読み出す。そして、処理部80が、インストールプログラムの実行により、作業領域7の型番判別データベース4とインストールプログラム5と全ソフト群6とを削除する。このため、記憶装置30には、インストール領域9にソフト10のみが保持される。
【0045】
図3は、型番判別データベース4のデータ構造を例示する図である。
図3には、機種型番情報の型番桁数41および文字種類42と、ソフト群43と、の対応関係がマトリックスにより示されている。型番桁数41は、機種型番情報に示される型番の桁数を表わしている。構成文字42は、型番桁数41の各桁の文字種類を表わしている。ソフト群43は、ソフト記憶部90にインストールするソフトウェアを「○」により表わしている。
【0046】
図3では、機種型番情報は、型番桁数41が20桁で構成され、型番桁数41の各桁の構成文字42が、アルファベット(A〜Z)26文字と、数字(0〜9)10文字の計36文字と、から構成されていることを想定している。
【0047】
図3に示すように、各桁の型番桁数41の各構成文字42には、ソフト群43の中からインストールが必要なソフトウェアが割り当てられている。例えば、型番桁数41の1桁目の構成文字Aには、ソフトウェアaとソフトウェアcとが割り当てられ、1桁目の構成文字Bには、ソフトウェアfが割り当てられている。なお、各構成文字42には、複数のソフトウェアが割当て可能となっている。
【0048】
次にコンピュータ装置1の動作について説明する。
【0049】
図4は、コンピュータ装置1におけるインストール方法の処理手順例を示すフローチャートである。
【0050】
まず、記憶装置30の作業領域7である保持部70に、型番判別データベース4と、インストールプログラム5と、全ソフト群6とが、ソフト情報として格納される(ステップA1)。型番判別データベース4とインストールプログラム5と全ソフト群6とが保持部70に格納された後、処理部80は、インストールプログラム5の実行により、型番情報記憶部20に記憶された機種型番情報を参照する(ステップA2)。
【0051】
処理部80は、機種型番情報を参照すると、インストールプログラム5の実行により、機種型番情報の桁数を示す機種型番情報桁NUMBERを、「1」に設定する(ステップA3)。そして、処理部80は、機種型番情報2に示される型番の「1」桁目の構成文字と、型番判別データベース4の「1」桁目の36種類の構成文字42とを順次比較し、「1」桁目の型番に一致する構成文字42に割り当てられているソフトウェアを、全ソフト群6の中からインストール領域9であるソフト記憶部90へインストールする(ステップA4)。
【0052】
処理部80は、「1」桁目の型番の文字に対応付けられたソフトウェアをインストールすると、NUMBERに格納された値に「1」を加算した値を、NUMBERに設定する(ステップA5)。
【0053】
その後、処理部80は、NUMBERに設定された値が「21」以下であるか否かを判断する(ステップA4)。処理部80は、NUMBERが「21」以下である場合には、ステップA4に戻り、機種型番情報2の「2」桁目の構成文字と、型番判別データベース4の「2」桁目の構成文字42とを順次比較し、「2」桁目の型番に一致する構成文字42に割り当てられているソフトウェアをインストールする。そして、処理部80は、NUMBERに設定された値が「21」を超えるまで、ステップA4からA6までの一連の処理手順を繰り返す。
【0054】
一方、処理部80は、NUMBERが「21」を超える場合には、インストールプログラム5を、インストール領域9に転送する(ステップA7)。その後、コンピュータ装置1の再起動が行われる(ステップA8)。コンピュータ装置1の再起動が行われると、処理部80は、インストール領域9からインストールプログラム5を起動して処理を開始する(ステップA9)。
【0055】
処理部80は、インストールプログラム5の実行により、作業領域7を削除して(ステップA10)、インストール方法の一連の処理手順を終了する。
【0056】
本発明の第1の実施形態によれば、型番情報記憶部20が、機種を識別するための型番を記憶し、保持部70が、複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けてソフト情報として保持する。処理部80は、保持部70を参照し、型番情報記憶部20に記憶された型番に対応付けられたソフトウェアを、記憶装置30にインストールする。
【0057】
これにより、コンピュータ装置1は、コンピュータ装置1の機種に応じたソフトウェアを、記憶装置30にインストールすることができる。このため、製造工場において、システム構成の異なるコンピュータ装置1ごとに、製造者が複数のソフトウェアのうちインストールの必要なソフトウェアを選択することなく、コンピュータ装置1は、そのシステム構成に応じたソフトウェアをインストールすることができる。
【0058】
したがって、種類の異なるコンピュータ装置1のインストール作業を容易に行うことができ、製造者の作業負担を軽減することができる。また、製造工場における製造者によるインストールミスを低減することができる。
【0059】
また、本発明の第1の実施形態では、保持部70は、型番の各々に対し、複数のソフトウェアを互いに対応付けて保持する。これにより、コンピュータ装置1は、機種ごとに多数のソフトウェアを、記憶装置30にインストールすることができる。このため、製造者は、機種ごとに数多くのソフトウェアの選択を行う必要がないため、容易にインストール作業を行うことができる。
【0060】
また、本発明の第1の実施形態では、記憶装置30が、保持部70とソフト記憶部90とを有する。記憶装置30が保持部70を有することにより、記憶装置30と別個の記憶媒体を、新たにコンピュータ装置1に設けることなく、容易にソフトウェアをインストールすることができる。このため、コンピュータ装置1の製造コストおよび規模の増大を抑制することができる。
【0061】
さらに、本発明の第1の実施形態では、処理部80が、型番情報記憶部20に記憶された型番に対応付けられたソフトウェアを、記憶装置30のソフト記憶部90にインストールした後、保持部70に互いに対応付けて保持された型番の各々とソフトウェアとを削除する。
【0062】
コンピュータ装置1は、保持部70に保持された情報を削除することにより、インストール後に不要となる情報を記憶することによって記憶装置30の記憶容量が減少することを回避でき、インストール前における記憶装置30の記憶領域を有効に利用することができる。したがって、製造者は、コンピュータ装置1の保持部70として新たに記憶媒体を設ける必要がないため、その記憶媒体の設置スペースおよび製造コストの増加を招くことなく、コンピュータ装置1にて容易にソフトウェアのインストールをすることができる。
【0063】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0064】
図5は、本発明の第2の実施形態におけるコンピュータシステム100の構成例を示すブロック図である。
【0065】
コンピュータシステム100は、一般的にインストールシステムと呼ぶことができる。
【0066】
コンピュータシステム100は、ソフトウェアをインストールするコンピュータ装置1bと、コンピュータ装置1bの機種に応じたソフトウェアをコンピュータ装置1bに送信するサーバ1aと、を備えている。また、コンピュータシステム100では、サーバ1aとコンピュータ装置1bとの間がネットワークにより接続される。
【0067】
サーバ1aは、一般的にインストール装置と呼ぶことができる。
【0068】
サーバ1aは、型番情報記憶部21と、記憶装置30aと、処理部81と、を備える。記憶装置30aは、作業領域である保持部70に、対応情報保持部40と、インストールプログラム保持部50と、全ソフト群保持部60と、を備える。また、コンピュータ装置1bは、サーバ1aのクライアント端末であり、型番情報記憶部22と、記憶装置30bと、処理部82と、を備える。記憶装置30bには、ソフト記憶部91が含まれる。
【0069】
型番情報記憶部21は、一般的に記憶手段と呼ぶことができる。
【0070】
型番情報記憶部21は、サーバ1aの型番を示す機種型番情報を記憶する。型番情報記憶部21は、図1に示した型番情報記憶部20の構成と同一の構成であるため、ここでの説明を省略する。
【0071】
保持部70は、一般的に保持手段と呼ぶことができる。
【0072】
保持部70は、図1に示した保持部70と同様の構成であるため、同一符号を付してここでの説明を省略する。
【0073】
処理部81は、一般的に送信手段と呼ぶことができる。
【0074】
処理部81は、コンピュータ装置1bの型番情報記憶部22に記憶された型番をコンピュータ装置1bから受信すると、保持部70を参照し、その型番に対応付けられたソフトウェアを、コンピュータ装置1bの処理部82に送信する処理を行う。
【0075】
本実施形態では、処理部81は、インストールプログラムを読み出し、そのインストールプログラムの実行により、コンピュータ装置1bの機種型番情報を要求するための要求情報を、コンピュータ装置1bの処理部82に送信する。
【0076】
また、処理部81は、コンピュータ装置1bの機種型番情報を処理部82から受信すると、対応情報保持部40に保持された型番判別データベースを用いて、全ソフト群のうち、コンピュータ装置1bの機種型番情報の示す型番に対応付けられたソフトウェアを抽出する。処理部81は、その抽出されたソフトウェアを、コンピュータ装置1bの処理部82に送信する。処理部81は、例えば、抽出されたソフトウェアと、そのソフトウェアをソフト記憶部91にインストールするために用いられるプログラム(以下「クライアント向けプログラム」と称する。)と、を処理部82に送信する。
【0077】
型番情報記憶部22は、一般的に記憶手段と呼ぶことができる。
【0078】
型番情報記憶部22は、コンピュータ装置1bの型番を示す機種型番情報を記憶する。型番情報記憶部22は、図1に示した型番情報記憶部20の構成と同一の構成であるため、ここでの説明を省略する。
【0079】
処理部82は、一般的に処理手段と呼ぶことができる。
【0080】
処理部82は、型番情報記憶部22に記憶された型番を示す型番情報をサーバ1aに送信し、サーバ1aから送信されたソフトウェアを受信すると、そのソフトウェアを記憶装置30bにインストールする。
【0081】
本実施形態では、処理部82は、サーバ1aの処理部81から要求情報を受信すると、型番情報記憶部22に記憶された機種型番情報を、サーバ1aの処理部81に送信する。また、処理部82は、サーバ1aの処理部81から、インストールが必要なソフトウェアとクライアント向けプログラムとを受信すると、そのクライアント向けプログラムの実行により、受信したソフトウェアを、ソフト記憶部91にインストールする。
【0082】
ソフト記憶部91は、一般的に記憶装置と呼ぶことができる。
【0083】
ソフト記憶部91は、処理部82によってインストールされたソフトウェアを記憶する。ソフト記憶部91は、図1に示したソフト記憶部90と同様の構成である。
【0084】
図6は、コンピュータシステム100の動作を示す概念図である。
【0085】
図6には、サーバ1aおよびコンピュータ装置1bのそれぞれの構成が示されている。
【0086】
サーバ1aには、機種型番情報2aと、記憶装置30aの作業領域7と、が示されている。サーバ1aでは、作業領域7に、型番判別データベース4と、インストールプログラム5と、全ソフト群6と、が予め保持されている。
【0087】
また、サーバ1aでは、インストールプログラムが実行されると、処理部81が、要求情報をコンピュータ装置1bの処理部82に送信する。その後、処理部81は、機種型番情報2bを処理部82から受信すると、型番判別データベースを用いて、全ソフト群6のうち機種型番情報2bに示される型番に対応付けられたソフト10を検索する。そして、処理部81は、記憶装置30bのインストール領域9にインストールするために、その検索されたソフト10をコンピュータ装置1bに送信する。
【0088】
コンピュータ装置1bには、機種型番情報2bと記憶装置30bのインストール領域9とが示されている。コンピュータ装置1bでは、サーバ1aの処理部81から要求情報を受信すると、処理部82が、機種型番情報2bをサーバ1aに送信する。その後、コンピュータ装置1bでは、サーバ1aからソフト10を受信すると、処理部82が、そのソフト10を記憶装置30bのインストール領域9にインストールする。
【0089】
次にコンピュータシステム100の動作について説明する。
【0090】
図7は、コンピュータシステム100におけるインストール方法の処理手順例を示すフローチャートである。
【0091】
まず、記憶装置30aの作業領域7としての保持部70に、型番判別データベース4と、インストールプログラム5と、全ソフト群6と、がソフト情報として格納される(ステップB1)。型番判別データベース4とインストールプログラム5と全ソフト群6とが保持部70に格納されると、サーバ1aは、インストールプログラム5の実行により、コンピュータ装置1bの機種型番情報2bを参照する(ステップA2)。
【0092】
サーバ1aは、機種型番情報2bを参照すると、インストールプログラム5の実行により、機種型番情報の桁数を示す機種型番情報桁NUMBERを「1」に設定する(ステップB3)。そして、サーバ1aは、機種型番情報2bに示される型番の「1」桁目の構成文字と、型番判別データベース4の「1」桁目の36種類の構成文字42とを順次比較し、「1」桁目の型番に一致する構成文字42に割り当てられているソフトウェアを、全ソフト群6の中から抽出する。そして、サーバ1aが、そのソフトウェアをコンピュータ装置1bの処理部82に送信することによって、処理部82が、そのソフトウェアを、記憶装置30bのインストール領域9にインストールする(ステップB4)。
【0093】
さらに、サーバ1aは、「1」桁目の型番の文字に対応付けられたソフトウェアを送信すると、NUMBERに格納された値に「1」を加算した値を、NUMBERに設定する(ステップB5)。
【0094】
その後、サーバ1aは、NUMBERに設定された値が「21」以下であるか否かを判断する(ステップB4)。サーバ1aは、NUMBERが「21」以下である場合には、ステップB4に戻り、機種型番情報2bの「2」桁目の構成文字と、型番判別データベース4の2桁目の構成文字42とを順次比較し、「2」桁目の型番に一致する構成文字42に割り当てられているソフトウェアを、サーバ1aに送信する。
【0095】
そして、サーバ1aは、NUMBERに設定された値が「21」を超えるまで、ステップB4からB6の処理手順を繰り返し、NUMBERに設定された値が「21」を超えると、インストール方法の一連の処理手順を終了する。
【0096】
本発明の第2の実施形態によれば、サーバ1aが、複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けて保持部70に保持し、サーバ1aが、コンピュータ装置1bの型番をコンピュータ装置から受信すると、保持部70を参照し、その型番に対応付けられたソフトウェアを、コンピュータ装置1bに送信する。そして、コンピュータ装置1bが、サーバ1aから送信されたソフトウェアを受信すると、そのソフトウェアを記憶装置30bにインストールする。
【0097】
このため、コンピュータシステム100は、第1の実施形態とは異なり、それぞれのコンピュータ装置1bの記憶装置30bに、型番ごとのソフトウェアを格納することなく、コンピュータ装置1bの種類に応じたソフトウェアを簡易にインストールすることができる。また、コンピュータ装置1bでは、ソフトウェアのインストール後におけるソフト情報の削除を行う処理が不要となる。また、サーバ1aとコンピュータ装置1bとをネットワークを介して接続することにより、遠隔地のコンピュータ装置1bに対して適切なソフトウェアをインストールすることができる。
【0098】
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0099】
1、1b コンピュータ装置
1a サーバ
20、21、22 型番情報記憶部
30、30a、30b 記憶装置
40 対応情報保持部
50 インストールプログラム保持部
60 全ソフト群保持部
70 保持部
80、81、82 処理部
90、91 ソフト記憶部
100 コンピュータシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶装置を有するコンピュータ装置であって、
前記コンピュータ装置の種類を識別するための型番を記憶する記憶手段と、
複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けて保持する保持手段と、
前記保持手段を参照し、前記記憶手段に記憶された型番に対応付けられたソフトウェアを、前記記憶装置にインストールする処理手段と、を含むコンピュータ装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコンピュータ装置において、
前記保持手段は、前記型番の各々に対し、複数のソフトウェアを互いに対応付けて保持する、コンピュータ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のコンピュータ装置において、
前記記憶装置は、前記保持手段とソフト記憶手段とにより構成され、
前記処理手段は、前記記憶手段に記憶された型番に対応付けられたソフトウェアを前記ソフト記憶手段にインストールした後、前記保持手段に互いに対応付けて保持された型番の各々とソフトウェアとを消去する、コンピュータ装置。
【請求項4】
所定の型番を記憶する記憶手段と記憶装置とを有するコンピュータ装置と、通信を行うインストール装置であって、
複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けて保持する保持手段と、
前記記憶手段に記憶された所定の型番を前記コンピュータ装置から受信すると、前記保持手段を参照し、当該所定の型番に対応付けられたソフトウェアを、前記コンピュータ装置に送信する送信手段と、を含むインストール装置。
【請求項5】
請求項4に記載のインストール装置において、
前記保持手段は、前記型番の各々に対し、複数のソフトウェアを互いに対応付けて保持する、インストール装置。
【請求項6】
記憶装置を有するコンピュータ装置とインストール装置とを有するインストールシステムであって、
前記コンピュータ装置は、
前記コンピュータ装置の種類を識別するための型番を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された型番を前記インストール装置に送信し、前記インストール装置から送信されたソフトウェアを受信すると、当該ソフトウェアを前記記憶装置にインストールする処理手段と、を含み、
前記インストール装置は、
複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けて保持する保持手段と、
前記処理手段から送信された型番を受信すると、前記保持手段を参照し、当該型番に対応付けられたソフトウェアを、前記処理手段に送信する送信手段と、を含む、インストールシステム。
【請求項7】
記憶装置を有するコンピュータ装置におけるインストール方法であって、
前記コンピュータ装置の種類を識別するための型番を記憶手段に記憶する記憶ステップと、
複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けて保持手段に保持する保持ステップと、
前記保持手段を参照し、前記記憶手段に記憶された型番に対応付けられたソフトウェアを、前記記憶装置にインストールする処理ステップと、を含むインストール方法。
【請求項8】
所定の型番を記憶する記憶手段と記憶装置とを有するコンピュータ装置と、通信を行うインストール装置におけるインストール方法であって、
複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けて保持手段に保持する保持ステップと、
前記記憶手段に記憶された型番を前記コンピュータ装置から受信すると、前記保持手段を参照し、当該型番に対応付けられたソフトウェアを、前記コンピュータ装置に送信する送信ステップと、を含むインストール方法。
【請求項9】
記憶装置を含むコンピュータ装置と、複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けて保持する保持手段を含むインストール装置と、を有するインストールシステムにおけるインストール方法であって、
前記コンピュータ装置が、当該コンピュータ装置の種類を識別するための型番を記憶手段に記憶する記憶ステップと、
前記コンピュータ装置が、前記記憶手段に記憶された型番を前記インストール装置に送信する第1送信ステップと、
前記インストール装置が、前記送信ステップにより送信された型番を受信すると、前記保持手段を参照し、当該型番に対応付けられたソフトウェアを、前記コンピュータ装置に送信する第2送信ステップと、
前記コンピュータ装置が、前記インストール装置から送信されたソフトウェアを受信すると、当該ソフトウェアを前記記憶装置にインストールする処理ステップと、を含む、インストール方法。
【請求項10】
記憶装置を有するコンピュータ装置に、
前記コンピュータ装置の種類を識別するための型番を記憶手段に記憶する記憶手順と、
複数の型番の各々とソフトウェアとを互いに対応付けて保持手段に保持する保持手順と、
前記保持手段を参照し、前記記憶手段に記憶された型番に対応付けられたソフトウェアを、前記記憶装置にインストールする処理手順と、を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−215995(P2011−215995A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−84999(P2010−84999)
【出願日】平成22年4月1日(2010.4.1)
【出願人】(390001395)NECシステムテクノロジー株式会社 (438)
【Fターム(参考)】