説明

コンベアケース開閉システム

【課題】アンローダとコンベアとコンベアケースの組み合わせによるコンベアケース開閉システムにおいて、コンベアケースのカバー開蓋時に、アンローダの底面が低い場合でもカバーや雨除けカバーがアンローダに衝突しないようなコンベアケース開閉システムを開発する。
【解決手段】ガイドレールでカバーをガイドして閉鎖状態から120°以上にカバーを開蓋できるようにし、さらにカバーと雨除けカバーを連結手段により連結してカバーと雨除けカバーが連動して開閉されるコンベアケース開閉システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、港湾等に設置されている荷揚げ用のコンベアとアンローダの組み合わせになるコンベアケース開閉システムに関するものであって、さらに詳しくは、以下の構成を有するコンベアケース開閉システムに関するものである。
<構成1>
アンローダから排出された内容物を受けて運搬するコンベアのコンベアケース開閉システムにおいて、
コンベアケースの上部に、コンベアケースの本体に対して回動可能に枢着された複数のカバーが設けられていて、各カバーには回動自在のローラが固着されており、
アンローダに、コンベアケースのカバーのローラをガイドするガイド部材を有し、
アンローダの移動において、ガイド部材がアンローダの進行方向前方に位置するコンベアケースのカバーのローラをガイドしてアンローダの推進力をもってコンベアケースのカバーのローラをコンベアケースのカバーを開蓋させる方向に移動させることによりコンベアケースのカバーを回動させて開蓋し、
コンベアケースのカバーの最大開蓋角度はコンベアケースのカバーの閉蓋状態から120°以上となるようにコンベアケースのカバーのローラとアンローダのガイド部材との関係が構成されており、
すなわち、コンベアケースのカバーが最大開蓋角度となった状態にてガイド部材がコンベアケースのカバーのローラをコンベアケースのカバーの閉蓋状態から120°以上の角度に位置せしめるような位置に配設されるように構成されており、
投入口を有するアンローダの本体の下に位置する各カバーが閉蓋状態から120°以上の角度で開蓋された状態を維持し、
アンローダの本体が通過し終わるとガイド部材がアンローダの移動部分の進行方向後方に位置するコンベアケースのカバーのローラをガイドしてアンローダの推進力をもってコンベアケースのカバーのローラをコンベアケースのカバーを閉蓋させる方向に移動させることによりコンベアケースのカバーを回動させて閉蓋し、
上記開蓋作用及び閉蓋作用が、アンローダの進行方向が逆転されても同様に行われるようにコンベアケースのカバーのローラとアンローダのガイド部材との関係が構成されていることを特徴とするコンベアケース開閉システム。
<構成2>
隣接する2枚のカバーの間に、2枚のカバーの隣接部分を蔽覆する雨除けカバーが設けられており、
雨除けカバーは、コンベアケースの本体に対して回動可能に枢着され、隣接する2枚のカバーと連結手段をもって連結された状態にあり、
すなわち、連結手段の両端部は夫々が隣接する2枚のカバーに固着され、雨除けカバーに中間受具が固着されていて、連結手段の中間部が該中間受具を経由する構成により1枚の雨除けカバーと両隣のカバーが連結されていることを特徴とする構成1に記載のコンベアケース開閉システム。
<構成3>
連結手段が、雨除けカバーと隣接する2枚のカバーを索条により連結するものであり、
索条の両端部は夫々が隣接する2枚のカバーに固着され、雨除けカバーに中間受具としての挿通部が固着されていて索条の中間部が該挿通部に挿通され、
カバー及び雨除けカバーが完全に閉じられた状態にて索条が緊締状態ではなく余裕を持った長さで2枚のカバーと雨除けカバーを連結していることを特徴とする構成2に記載のコンベアケース開閉システム。
<構成4>
ガイドレールの両端部において、下方のレールの端部が曲折可能に構成されていて、該端部を下方に曲折しその状態にて固定することによりコンベアケースのカバーのローラが該端部に当接してガイドレールに挟持されてガイドされ、該端部を上方に曲折しその状態にて固定することによりコンベアケースのカバーのローラが該端部に当接することなく、すなわちガイドレールに挟持されてガイドされることなくガイドレールの下方を通過するように構成されていることを特徴とする構成1あるいは構成2あるいは構成3に記載のコンベアケース開閉システム。
【背景技術】
【0002】
従来、港湾等においては、特に穀物や砕石、砂等の粉流体の荷揚げ作業において、岸壁にコンベアを設置し、該コンベアにアンローダにより穀物や砕石、砂等の粉流体を落下投入させることにより荷揚げ作業を行うが、この際に、扱う対象が粉流体であるので、必ず粉塵飛散の防止対策が求められる。このため、コンベアの底部と側面部をコンベアケースで覆うのが一般的である。なお、ここでいう側面部とは、コンベアの進行方向に平行な側面のことを意味している。
【0003】
このようにコンベアの底部と側面部をコンベアケースで覆うことによって、粉塵の大部分は飛散防止できるが、上面は、アンローダによる投入口として、開放状態にされているのが通常であった。しかし、上面が常時開放状態であると上面からも粉塵は飛散するので、このコンベアケースの上面からの粉塵飛散防止対策が求められていた。加えて、雨天の際などには雨水が上面からコンベア内に侵入するので、この為にもコンベアケースの上面処理の問題は懸案事項となってきた。
【0004】
簡単な方法としては、コンベアケースの上面にカバーを設けて常時はカバーを閉鎖状態とし、アンローダによる荷揚げ作業のときだけ投入したい部分のカバーを開くという方法である。実際に、この方式により製造されたカバー付コンベアケースは、粉塵飛散防止や雨滴侵入防止に一定の効果を有することは明白である。
【0005】
しかしながら、カバー付コンベアケースにおける問題点は、そのカバーの開閉にあり、従来は、これを人力によって行っていた。すなわち、作業員が、アンローダにより投入予定部分のコンベアケースのカバーを予め開蓋しておき、アンローダにて投入後、カバーを閉鎖するという方法である。しかしながら、この方法にては作業員の労力が非常に大きく、且つ作業員による開蓋が済まないとアンローダによる投入作業ができないので、投入作業に時間を要するという欠点が問題となってきた。また、アンローダのオペレータからはアンローダの投入口やその付近のコンベアケースの状態は視認できないので、万一作業員がその部分に残ったままアンローダが進行すれば大事故につながる危険性もある。このような意味から、作業員によるコンベアケースのカバーの開閉を避けたいというのは現場の大きな要望となっていた。
【0006】
この欠点を改良するために考えられたのが、アンローダの推進力を利用してコンベアケースのカバーを自動的に開閉するというシステムである。該システムの概略を、図20〜図27によって説明すれば、次のとおりである。
【0007】
図27は、上記従来の方法のコンベアケース開閉システムCSの平面図である。図27のコンベアケース開閉システムCSにおいては、コンベアケース開閉システムCS1とコンベアケース開閉システムCS2の2基のシステムが並列状態に設置されているが、むろん1基のみでもかまわない。なお、図27の右半分の詳細を図25に、左半分の詳細を図26に夫々示す。また、図21には図25のC−C線縦断面図を示す。なお、以下の明細書にては、図面表示の関係上、コンベアケース開閉システムCSの長手方向を左右にして描画表示する。したがって、段落0002において、「コンベアケースの両側面部」と記載していた部分は、以下では「コンベアケースの正面部及び背面部」と記載される。
【0008】
コンベアケース開閉システムCS1とコンベアケース開閉システムCS2の構成は基本的には同一であるので、以下、コンベアケース開閉システムCS1に絞って説明を進める。コンベアケース開閉システムCS1は、図20、図22〜図27に見るように、コンベアCV、コンベアCV全体を覆うコンベアケースCC、コンベアケースCCの上面を遮蔽するカバーC、(図24、図27ではC0〜C17まで表示)隣接するカバーC、Cの隣接部分を遮蔽する雨除けカバーW(図24、図27ではW0〜W16まで表示)から構成されている。なお、図24、図27では、カバーCはC0〜C17までの表示に留まるが、カバーCはC0の右方及びC17の左方にも当然存在する。また、雨除けカバーWもW0〜W16までの表示に留まるが、W0の右方及びW16の左方にも雨除けカバーWが存在しているのは言うまでもないことである。
【0009】
GLはガイドレールであり、カバーC(図24、図27ではC0〜C17)の夫々に固着されているローラR(図24、図27ではR0〜R17)を上下から挟むように構成された2本のレールG1、G2から構成されている。ガイドレールGLは、平面視にては、図25〜図27に示すように、右端にてはコンベアケースCCの背面のやや上部に位置しているが、左方に向かうに従い正面側に曲折され、同時に図22〜図24に示すように正面視にてはコンベアケースCCの上方に曲折され、図24、図27に示すように、一定の距離の間、すなわち下記アンローダARの本体AR1の延長と略同一区間に亘りコンベアケースCCの正面上方部に位置し、再び背面側及び下方に曲折され、左端にてはコンベアケースCCの背面やや上部の位置に戻るように構成されている。
【0010】
図20〜図27に2点鎖線(仮想線)で表示しているのはアンローダARである。アンローダARは、本体AR1、釣屋根AR2、釣屋根AR3から構成されており、T1は釣屋根AR2を本体AR1に釣固定しているテンション構造、T2は釣屋根AR3を本体AR1に釣固定しているテンション構造である。このようなアンローダARの構成は公知技術であるので、詳細は示さない。なお、アンローダARの本体AR1は水平方向(X方向及びY方向)に移動することができる。また、ガイドレールGLは、アンローダARの本体AR1、釣屋根AR2、AR3から吊設固定されており、アンローダARの移動と共に水平方向(X方向及びY方向)に移動する。(図面簡略化のため吊設部材の図示は省略してある)
【0011】
以下に、コンベアケース開閉システムCS1の動作を説明する。なお、コンベアケース開閉システムCS2の動作は、コンベアケース開閉システムCS1の動作と全く同様である。コンベアケース開閉システムCS1において、アンローダARが右方向(方向X)に移動する場合、図20、図22、図25に示すように、カバーC0及びカバーC1は完全に閉じられた状態にある。また、雨除けカバーW0はカバーC0の左端上及びカバーC1の右端上に跨って載置されているので、カバーC0及びカバーC1が完全に閉じられた状態にて雨除けカバーW0はやはり完全に閉じられた状態でカバーC0とカバーC1の隣接部分を覆い、ここからの雨水の浸入を防止している。
【0012】
カバーC1の背面に固着されたローラR1は、ガイドレールGLの右端部に位置しているが、この状態では、ガイドレールGLの右端部はカバーC1の背面に位置しているので、ローラR1はレールG2の上面に接触してはいるものの、カバーC1の位置は完全閉鎖状態から動いていない。なお、図22に明らかなように、ローラR1はレールG2の上面に接触しているが、レールG1の下面からは僅かなクリアランスで被接触状態にある。
【0013】
次に、カバーC2の状態を見ると、ガイドレールGLがやや正面方向及び上方に位置しているので、レールG1、G2に挟まれたカバーC2のローラR2もやや正面方向及び上方に移動しており、その結果カバーC2は完全閉鎖状態ではなく少し開いた状態にある。この状態は図20に見るとおりで、図20にては、カバーC2の開角度β1は約20°程度である。なお、雨除けカバーW1はカバーC2の右端部に載置された状態でカバーC2と同様の角度に持ち上げられている。なお、この状態で、ローラR2はレールG2に接触し、レールG1には非接触の状態である。
【0014】
次に、カバーC3の状態を見ると、ガイドレールGLがさらに正面方向及び上方に位置しているので、レールG1、G2に挟まれたカバーC3のローラR3もさらに正面方向及び上方に移動しており、その結果カバーC3はカバーC2よりさらに開いた状態にある。この状態も図20に見るとおりで、図20にては、カバーC2の開角度β2は約40°程度である。また、雨除けカバーW2はカバーC3の右端部に載置された状態でカバーC3と同様の角度に持ち上げられている。なお、この状態でも、ローラR3はレールG2に接触し、レールG1には非接触の状態である。
【0015】
次に、カバーC4の状態を見ると、ガイドレールGLがさらに正面方向及び上方に位置しているので、レールG1、G2に挟まれたカバーC4のローラR4もさらに正面方向及び上方に移動しており、その結果カバーC4はカバーC3よりさらに開いた状態にある。この状態も図20に見るとおりで、図20にては、カバーC4の開角度β3は約60°程度である。また、雨除けカバーW3はカバーC4の右端部に載置された状態でカバーC4と同様の角度に持ち上げられている。なお、この状態でも、ローラR4はレールG2に接触し、レールG1には非接触の状態である。
【0016】
次に、カバーC5の状態を見ると、ガイドレールGLがさらに正面方向及び上方に位置しているので、レールG1、G2に挟まれたカバーC5のローラR5もさらに正面方向及び上方に移動しており、その結果カバーC5はカバーC4よりさらに開いた状態にある。この状態も図20に見るとおりで、図20にては、カバーC5の開角度β4は約85°程度である。また、雨除けカバーW4はカバーC5の右端部に載置された状態でカバーC5と同様の角度に持ち上げられている。なお、この状態でも、ローラR5はレールG2に接触し、レールG1には非接触の状態である。
【0017】
この位置から左方にては、ガイドレールGLが直線状となるので、図20、図22〜図27に見るように、カバーC6〜C12はカバーC5と同位置にあり、開き具合もカバーC5と同一である。すなわち、カバーC5〜C12は水平より90°を若干下回る角度にて開蓋状態となり、アンローダARの本体AR1から落下投入された粉流体はカバーC5〜C12に遮られることなくコンベアCVに収納される。なお、この状態にて、雨除けカバーW4〜W12はカバーC5〜C12に載置された状態であるので、カバーC5〜C12と同一角度にて開蓋状態となっている。また、開角度β4は上記のように約85°程度で90°より小なので、カバーC5〜C12が正面側に倒れる可能性はないが、万一なんらかの振動等にて開角度β4が大きくなったとしても、ローラR5〜R12がレールG1の背面に接触してそれ以上の開角度β4の増大を停止させるので、開角度β4は一定の範囲内に保たれる。
【0018】
次に、カバーC13にては(図23、図26参照)、ガイドレールGLがやや背面方向及び下方に位置するので、ローラR13もやや背面方向及び下方に位置することになり、結果としてカバーC13の開き具合はカバーC5〜C12の開き具合よりは小となる。すなわち、図20に見るようにカバーC4の開き具合と同程度となる。また、カバーC13の左端部に載置されている雨除けカバーW13の開き具合も同様である。さらに、カバーC14の開き具合はカバーC3の開き具合と同様、雨除けカバーW14の開き具合は雨除けカバーW2の開き具合と同様、カバーC15の開き具合はカバーC2の開き具合と同様、雨除けカバーW15の開き具合は雨除けカバーW1の開き具合と同様、カバーC16の開き具合はカバーC1の開き具合と同様で完全閉鎖(水平状態)、雨除けカバーW16の開き具合は雨除けカバーW0の開き具合と同様で完全閉鎖(水平状態)である。
【0019】
この状態で、アンローダARが右方(X方向)に水平移動することにより、ローラR1はガイドレールGLにガイドされることにより除々に上昇されてカバーC1が開き、カバーC2〜C4の開き具合は除々に大きくなり、逆にカバーC12〜C15の開き具合は除々に小となる。また、雨除けカバーW0〜W3の開き具合は除々に大きくなり、逆に雨除けカバーW12〜W15の開き具合は除々に小となる。すなわち、アンローダARが右方(X方向)に進行すると、アンローダARの本体AR1の右方(進行方向前方)にてはカバーCの開き具合が完全閉鎖状態から漸増し、アンローダARの本体AR1の直下にては最大開度となり、アンローダARの本体AR1の左方(進行方向後方)にてはカバーCの開き具合が漸減して再び完全閉鎖状態となる。これにより、アンローダARの通過前にカバーCが自動的に開かれ、アンローダARの本体AR1直下で最大開度となり、アンローダARが通過するとカバーCが自動的に閉じられるので、コンベアCVに収納された粉流体が飛散されることがなく、またコンベアCV内に雨滴が侵入することも防止することができることとなった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0020】
上記に説明した従来技術は、本発明の発明者が既に実施しているものであるが、特許文献の検索では、上記従来技術あるいはこれに近い技術は発見できなかった。下記に挙げる特許文献は、上記従来技術のようにコンベアケースのカバーを回動させて開閉を行うものではなく、コンベアケースのシールベルトのリフトアップをアンローダの推進力を利用して行うものであり、構成や作用は大きく異なるが、粉流体の飛散防止という目的は共通するところがあるので掲げておく。技術内容として本発明に最も近いものは、上記に詳細に説明したガイドレールを使うコンベアカバー開閉システムである。
【特許文献1】特開平9−202420号
【特許文献2】特開2000−302221号
【特許文献3】特開2001−139137号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
上記従来技術により、粉流体の飛散防止及び雨水の浸入防止という目的は達成された。しかし、課題がすべて解決されたわけではなかった。解決できなかった課題を挙げれば、以下のとおりである。
【0022】
課題の一点目は、コンベアケースCCの上面とアンローダARの本体AR1の底面(図20に符号ARaで表示)との間隔Dの問題である。すなわち、コンベアケースCCの上面とアンローダARの本体AR1の底面ARaとの間隔Dが、コンベアケースCCのカバーCの最大開度時のコンベアケースCCの上面からローラRの先端までの高さD1以上であれば、アンローダARの本体AR1の底面ARaとカバーCのローラRとの衝突は起こらない。従って、高さD1は常時間隔D以下としなければならないことは明白である。
【0023】
図20〜図27に示すアンローダARにては、コンベアケースCCのカバーCを90°近く開蓋した状態でもD>D1であるので問題はない。すなわち本体AR1の底面ARaとカバーCのローラRとの衝突は発生しない。ところが、実際の現場にては、D>D1であるアンローダARとコンベアケースCCの組み合わせはむしろ稀であり、コンベアケースCCのカバーCを90°近く開蓋すると間隔Dが高さD1の半分以下、中には3分の1以下であるケースが非常に多い。これは、間隔Dを大にすればするほどアンローダARの高さを高くしなければならず、また粉流体の投入時も高いところからの投入となるので投入時に飛散する可能性が高くなる等の理由による。
【0024】
このように間隔Dが狭い場合において上記のようなローラRとガイドレールGLを用いたコンベアケース開閉システムを適用しようとすれば、
必然的にカバーCの最大開度を下げざるをえなくなる。しかし、カバーCの最大開度を下げてしまうとアンローダ本体81からの粉流体の落下投入に支障をきたす結果となる。たとえば、図20における開角度β3の状態(約60°)では、カバーC4のローラR4はカバーC5のローラR5より僅かに下がっただけであるが、平面視(図25)ではすでにコンベアケースCCの上面の半分近くを覆っており、粉流体の適切な投入に大きな障害となっているのが明白である。したがって、粉流体の適切な投入のためにはカバーCの最大開度をどうしても90°近くに設定することが必要となる。あるいは、側方から投入する構成の投入口を用いるとしても、少なくとも45°以上に設定することが必要となるが、現実には、多くのシステムにおいて、間隔Dが高さD1の半分以下であるので、多くのシステムにおいて、上記従来技術の適用が不可能であった。
【0025】
課題の二点目は、雨除けカバーWの問題である。上述のように、雨除けカバーWはカバーC上に載置されているので、カバーCの開蓋時にはカバーCに伴って開蓋され、またカバーCの閉蓋時にはカバーCに伴って閉蓋される。しかしながら、カバーCの最大開度の状態(図24、図27のC5〜C12)において、雨除けカバーWの状態が不安定となることがあるという問題である。
【0026】
すなわち、カバーCの最大開度の状態において、カバーCはガイドレールGLに挟持されているので、なんらかの振動等があったとしても最大開度以上には開かない。ところが、雨除けカバーWはカバーCに載置されているだけなので、振動等によって開度が90°を越えてしまうと正面側に倒れこみ、その閉蓋が不可能となってしまう。このようなときにはアンローダの移動を一時停止させて作業員がコンベアケースCC上にのぼり、手作業にて雨除けカバーWを閉蓋しなければならず、手間がかかり、また時間的損失も大きなものがある。さらには強風などで雨除けカバーWが正面側に倒れこんだ場合には危険を伴う作業ともなってしまう。したがって、雨除けカバーWも常に自動的に開閉されるようなシステムを考える必要があった。
【0027】
課題の三点目は、例えば図27のようにコンベア開閉システムCS1、CS2が2基(あるいはそれ以上)並列されたシステムにおいて、コンベア開閉システムCS1は開蓋したいがCS2の方は開蓋させる必要がない場合にも、アンローダARの通過によって自動的にCS2の方も開蓋させられてしまうという不都合が起こる点である。必要がないのに開蓋させた場合、飛散防止という観点からすると好ましいことではなく、また不要な開蓋のために余分な動力を使用しなければならないのも望ましいことではない。しかし、アンローダARの移動はコンベア開閉システムCS1、CS2に共通して行われるので、これまで一方は開蓋させ、もう一方は閉蓋状態のままにできるような構成がなく、不便であった。
【0028】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、下記の解決手段を提供するものである。
<解決手段1>
アンローダから排出された内容物を受けて運搬するコンベアのコンベアケース開閉システムにおいて、
コンベアケースの上部に、コンベアケースの本体に対して回動可能に枢着された複数のカバーが設けられていて、各カバーには回動自在のローラが固着されており、
アンローダに、コンベアケースのカバーのローラをガイドするガイド部材を有し、
アンローダの移動において、ガイド部材がアンローダの進行方向前方に位置するコンベアケースのカバーのローラをガイドしてアンローダの推進力をもってコンベアケースのカバーのローラをコンベアケースのカバーを開蓋させる方向に移動させることによりコンベアケースのカバーを回動させて開蓋し、
コンベアケースのカバーの最大開蓋角度はコンベアケースのカバーの閉蓋状態から120°以上となるようにコンベアケースのカバーのローラとアンローダのガイド部材との関係が構成されており、
すなわち、コンベアケースのカバーが最大開蓋角度となった状態にてガイド部材がコンベアケースのカバーのローラをコンベアケースのカバーの閉蓋状態から120°以上の角度に位置せしめるような位置に配設されるように構成されており、
投入口を有するアンローダの本体の下に位置する各カバーが閉蓋状態から120°以上の角度で開蓋された状態を維持し、
アンローダの本体が通過し終わるとガイド部材がアンローダの移動部分の進行方向後方に位置するコンベアケースのカバーのローラをガイドしてアンローダの推進力をもってコンベアケースのカバーのローラをコンベアケースのカバーを閉蓋させる方向に移動させることによりコンベアケースのカバーを回動させて閉蓋し、
上記開蓋作用及び閉蓋作用が、アンローダの進行方向が逆転されても同様に行われるようにコンベアケースのカバーのローラとアンローダのガイド部材との関係が構成されていることを特徴とするコンベアケース開閉システム。
<解決手段2>
隣接する2枚のカバーの間に、2枚のカバーの隣接部分を蔽覆する雨除けカバーが設けられており、
雨除けカバーは、コンベアケースの本体に対して回動可能に枢着され、隣接する2枚のカバーと連結手段をもって連結された状態にあり、
すなわち、連結手段の両端部は夫々が隣接する2枚のカバーに固着され、雨除けカバーに中間受具が固着されていて、連結手段の中間部が該中間受具を経由する構成により1枚の雨除けカバーと両隣のカバーが連結されていることを特徴とする解決手段1に記載のコンベアケース開閉システム。
<解決手段3>
連結手段が、雨除けカバーと隣接する2枚のカバーを索条により連結するものであり、
索条の両端部は夫々が隣接する2枚のカバーに固着され、雨除けカバーに中間受具としての挿通部が固着されていて索条の中間部が該挿通部に挿通され、
カバー及び雨除けカバーが完全に閉じられた状態にて索条が緊締状態ではなく余裕を持った長さで2枚のカバーと雨除けカバーを連結していることを特徴とする解決手段2に記載のコンベアケース開閉システム。
<解決手段4>
ガイドレールの両端部において、下方のレールの端部が曲折可能に構成されていて、該端部を下方に曲折しその状態にて固定することによりコンベアケースのカバーのローラが該端部に当接してガイドレールに挟持されてガイドされ、該端部を上方に曲折しその状態にて固定することによりコンベアケースのカバーのローラが該端部に当接することなく、すなわちガイドレールに挟持されてガイドされることなくガイドレールの下方を通過するように構成されていることを特徴とする解決手段1あるいは解決手段2あるいは解決手段3に記載のコンベアケース開閉システム。
【発明の効果】
【0029】
本発明の解決手段1の発明によれば、コンベアケースのカバーの最大開蓋角度がコンベアケースのカバーの閉蓋状態から120°以上となるようにコンベアケースのカバーのローラとアンローダのガイド部材との関係が構成されており、すなわち、コンベアケースのカバーが最大開蓋角度となった状態にてガイド部材がコンベアケースのカバーのローラをコンベアケースのカバーの閉蓋状態から120°以上の角度に位置せしめるような位置に配設されるように構成されているので、コンベアケースの上面とアンローダの本体の下面との間隔が、コンベアケースのカバーを90°近く開蓋させた場合にコンベアケースの上面からカバーのローラ先端までの高さを下回るようなケースにあってもローラを含むカバーがアンローダの下面に衝突する危険がない。
【0030】
理論的には、コンベアケースのカバーの最大開蓋角度を180°以上とすることも可能で、この場合には、コンベアケースの上面とアンローダの本体の下面との間隔を限りなくゼロに近づけることも可能である。すなわち、コンベアケースの上面とアンローダの本体の下面とのクリアランスを限りなくゼロとすることができる。ただ、実際には、カバーの回動機構の部分の高さ、アンローダの移動の際の垂直方向のブレ、そして、閉蓋時のカバー自身の高さ等を考慮する必要があるので、現実の設計に当たっては、該クリアランスは、コンベアケースのカバーを90°近く開蓋させた場合のコンベアケースの上面からカバーのローラ先端までの高さの5分の1〜6分の1程度が最小値となると考えられる。通常のシステムでは、上記数値は3分の2〜4分の1程度であるので、本発明の解決手段1の方法は、現存する略すべてのシステムに適用可能である。
【0031】
同じく、本発明の解決手段1の発明によれば、投入口を有するアンローダの本体の下に位置する各カバーが閉蓋状態から120°以上の角度で開蓋された状態を維持するので、各カバーが粉流体の落下投入に際して全く障害となることがなく、アンローダの投入作業が極めて円滑に行われる。
【0032】
又同じく本発明の解決手段1の発明によれば、アンローダの本体が通過し終わるとガイド部材がアンローダの移動部分の進行方向後方に位置するコンベアケースのカバーのローラをガイドしてアンローダの推進力をもってコンベアケースのカバーのローラをコンベアケースのカバーを閉蓋させる方向に移動させることによりコンベアケースのカバーを回動させて閉蓋し、上記開蓋作用及び閉蓋作用が、アンローダの進行方向が逆転されても同様に行われるようにコンベアケースのカバーのローラとアンローダのガイド部材との関係が構成されているので、アンローダの進行方向を逆転させても投入作業に支障をきたすことは全くなく、アンローダの進行方向にかかわらず投入作業が円滑且つ効率的に行われる。
【0033】
本発明の解決手段2の発明によれば、隣接する2枚のカバーの間に、2枚のカバーの隣接部分を蔽覆する雨除けカバーが設けられており、雨除けカバーは、コンベアケースの本体に対して回動可能に枢着され、隣接する2枚のカバーと連結手段をもって連結された状態にあり、すなわち、連結手段の両端部は夫々が隣接する2枚のカバーに固着され、雨除けカバーに中間受具が固着されていて、連結手段の中間部が該中間受具を経由する構成により1枚の雨除けカバーと両隣のカバーが連結されているので、コンベアケースのカバーの開蓋角度が90°を越えても雨除けカバーのみが急激に回動してコンベアケースの片側に倒れこむような事態が生ぜず、さらにコンベアケースのカバーの閉蓋時には連結手段によって雨除けカバーもコンベアケースのカバーに連動して閉蓋されるので、雨除けカバーのみが閉蓋されない状態となるということが起こり得ない。
【0034】
本発明の解決手段3の発明によれば、連結手段が、雨除けカバーと隣接する2枚のカバーを索条により連結するものであり、索条の両端部は夫々が隣接する2枚のカバーに固着され、雨除けカバーに中間受具としての挿通部が固着されていて索条の中間部が該挿通部に挿通され、カバー及び雨除けカバーが完全に閉じられた状態にて索条が緊締状態ではなく余裕を持った長さで2枚のカバーと雨除けカバーを連結しているので、解決手段2の構成を極めて簡単に実現することができる。すなわち、索条により連結する効果としては、他の手段、例えばアームやロッドによる連結に比較すれば、極めて構成が簡単であり、修理や部品の交換も容易である。アームやロッドで連結した場合には回動部分が必要となり構成が複雑化するが、索条を用いれば、両端部を隣接するカバーの夫々に固着させ、雨除けカバーの挿通部(例えばリング状の部材)に索条の中間部を挿通するのみである。索条をある程度余裕を持った長さにしておけば、順次開蓋していくカバーを余裕を持って連結することが可能である。すなわち、開蓋あるいは閉蓋中に索条が過度の緊締状態となって過大な負荷がかかり切断される怖れがない。
【0035】
雨除けカバーの開閉構成としては、もう一つ、雨除けカバーにもローラを設けて雨除けカバーをコンベアケースのカバーとは独立させて開閉する方法も考え得る。ただし、この方法を用いた場合、隣接するカバーと雨除けカバーの動作が互いに衝突しないように行われるように構成せねばならず、コンベアケースのカバーの開閉をガイドするガイドレールとは別に、雨除けカバーの開閉をガイドするガイドレールをもう一組用意しなければならなくなるので、構成が大掛かりとなり、メリットは少ない。現在のところ、索条を用いた連結手段によって連動させる方法が、構成も簡便で所望の効果を的確に得ることができるベストの方法ではないかと考えられる。
【0036】
本発明の解決手段4の発明によれば、ガイドレールの両端部において、下方のレールの端部が曲折可能に構成されていて、該端部を下方に曲折しその状態にて固定することによりコンベアケースのカバーのローラが該端部に当接してガイドレールに挟持されてガイドされ、該端部を上方に曲折しその状態にて固定することによりコンベアケースのカバーのローラが該端部に当接することなく、すなわちガイドレールに挟持されてガイドされることなくガイドレールの下方を通過するように構成されているので、コンベアケースのカバーを開蓋させる必要がない場合には上記端部を上方に曲折しその状態にて固定することによりコンベアケースのカバーを閉蓋状態のままにてアンローダを通過させることができる。すなわち、アンローダの移動において、コンベアケースを開閉させるか否かを選択することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図2の要部の拡大図である。
【図2】図8のA−A線拡大縦断面図である。
【図3】本発明の実施例1のコンベア開閉システムの一部を省略した右半分の正面図である。
【図4】本発明の実施例1のコンベア開閉システムの一部を省略した左半分の正面図である。
【図5】本発明の実施例1のコンベア開閉システムの一部を省略した正面図である。
【図6】本発明の実施例1のコンベア開閉システムの一部を省略した右半分の平面図である。
【図7】本発明の実施例1のコンベア開閉システムの一部を省略した左半分の平面図である。
【図8】本発明の実施例1のコンベア開閉システムの一部を省略した平面図である。
【図9】(a)本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースのカバーの平面図である。(b)本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースのカバーの正面図である。(c)本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースのカバーの背面図である。(d)本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースのカバーの右側面図である。
【図10】(a)本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースのカバーの背面側の上方から見た外観斜視図である。(b)本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースのカバーの正面側の下方から見た外観斜視図である。
【図11】(a)本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースの雨除けカバーの平面図である。(b)本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースの雨除けカバーの右側面図である。(c)本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースの雨除けカバーの正面図である。(d)本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースの雨除けカバーの背面図である。(e)本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースの雨除けカバーの上面右方から見た外観斜視図である。(f)本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースの雨除けカバーの下面右方から見た外観斜視図である。
【図12】(a)本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースのカバーと雨除けカバーを枢着する枢軸の軸受け部材の正面図である。(b)本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースのカバーと雨除けカバーを枢着する枢軸の軸受け部材の右側面図である。(c)本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースのカバーと雨除けカバーを枢・BR>・キる枢軸の軸受け部材の平面図である。(d)本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースのカバーと雨除けカバーを枢着する枢軸の軸受け部材の外観斜視図である。
【図13】本発明の実施例1のコンベア開閉システムのコンベアケースのカバーと雨除けカバーの回動機構の正面図である。
【図14】図13のB−B線縦断面図である。
【図15】本発明の実施例1のコンベア開閉システムのガイドレールの右端部を背面側から見た状態を説明する説明図である。
【図16】本発明の実施例2のコンベア開閉システムの一部を省略した平面図である。
【図17】本発明の実施例2のコンベア開閉システムのガイドレールの右端部を背面側から見た状態を説明する説明図である。
【図18】本発明の実施例2のコンベア開閉システムのガイドレールの右端部の作用を説明するための説明図である。
【図19】本発明の実施例2のコンベア開閉システムのガイドレールの右端部の作用を説明するための説明図である。
【図20】図21の要部の拡大図である。
【図21】図25のC−C線縦断面図である。
【図22】従来のコンベア開閉システムの一部を省略した右半分の正面図である。
【図23】従来のコンベア開閉システムの一部を省略した左半分の正面図である。
【図24】従来のコンベア開閉システムの一部を省略した正面図である。
【図25】従来のコンベア開閉システムの一部を省略した右半分の平面図である。
【図26】従来のコンベア開閉システムの一部を省略した左半分の平面図である。
【図27】従来のコンベア開閉システムの一部を省略した平面図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0038】
本発明の実施例1のコンベアケース開閉システムを実施するための形態を、以下に図面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図8までは、システム全体の構成あるいは作用を説明するための図面であり、図9〜図12は部品の構成あるいは作用を説明するための図面、図13は回動機構の構成あるいは作用を説明するための図面、図14はカバー及び雨除けカバーの組付け構成の説明のための図面、図15はガイドレールの端部の構成及び作用を説明するための図面である。
【0039】
<実施例1の構成>
本発明の実施例1のコンベアケース開閉システム1は、図2、図8に見るように、コンベアケース開閉システム1Aとコンベアケース開閉システム1Bの2基のシステムが並列状態に設置されているが、むろんどちらか1基のみとしてもかまわない。なお、図8の右半分の詳細を図6に、左半分の詳細を図7に夫々示す。また、図2には図8のA−A線縦断面図を拡大して示す。なお、従来技術の説明の項と同様に、図面表示の関係上、コンベアケース開閉システム1の長手方向を左右にして描画表示する。したがって、図8(平面図)にては図の下方が正面側、上方が背面側となり、また、図3〜図5は正面図となる。
【0040】
コンベアケース開閉システム1Aとコンベアケース開閉システム1Bの構成は基本的には同一であるので、以下、コンベアケース開閉システム1Aに絞って説明を進める。コンベアケース開閉システム1Aは、図1、図3〜図8に見るように、コンベア2、コンベア2全体を覆うコンベアケース3、コンベアケース3の上面を遮蔽するカバー4、(図5、図8ではカバー400〜417まで表示)隣接するカバー4、4の隣接部分を遮蔽する雨除けカバー5(図5、図8では500〜516まで表示)から構成されている。なお、図5、図8では、カバー4は400〜417までの表示に留まるが、カバー4は400の右方及び417の左方にも当然存在する。また、雨除けカバー5も500〜516までの表示に留まるが、500の右方及び516の左方にも雨除けカバー5が存在しているのは言うまでもないことである。
【0041】
6はガイドレールであり、カバー4(図5、図8では400〜417)の夫々に固着されているローラ7(図5、図8では700〜717)を挟むように構成された2本のレール61、62から構成されている。ガイドレール6は、平面視にては、図6〜図8に示すように、右端にてはコンベアケース3の背面やや上部に位置しており、完全閉鎖状態のカバー401のローラ701を挟持するが、左方に向かうに従い、カバー402のローラ702を挟持しながら正面側に曲折され、同時に図3〜図5に示すように正面視にてはコンベアケース3の上方に曲折され、カバー403の位置にてローラ703を挟持しつつコンベアケース3から最も高く離れた状態に位置し、さらに左方に行くとカバー404のローラ704を挟持しつつ図6に見るようにコンベアケース3の正面側に捻られると同時に図3に見るように高さを減じ、カバー405の位置にてローラ705を挟持しつつコンベアケース3の上面よりやや高く、且つコンベアケース3から最も正面側に離れた状態となり(図6参照)、一定の距離の間、すなわち下記アンローダ8の本体81の延長と略同一区間に亘りこの位置を保った直線状態となり、この間、カバー405〜411のローラ705〜711を挟持し、さらに図4、図7に示すようにカバー412の位置にてローラ712を挟持しつつ正面側に曲折されると同時に上方に曲折されてカバー413のローラ713を挟持し、カバー414の位置にて再び最も高い位置となってローラ714を挟持し、さらに左方に向かうに従って高さを減じると共に背面側に曲折されてカバー415のローラ715を挟持し、完全閉鎖状態のカバー416の位置にてローラ716を挟持しつつコンベアケース3に対して右端と同位置となり、ここがガイドレール6の左端となる。すなわち、ガイドレール6は、右方と左方にて優美な曲線を描きながら正面側に曲折され、中間部は直線状態となっている。また、正面視にては、直線状態の中間部の両端になだらかな山型の上昇部を有している。
【0042】
図1〜図8に2点鎖線(仮想線)で表示しているのはアンローダ8である。アンローダ8は、本体81、釣屋根82、釣屋根83から構成されており、T1は釣屋根82を本体81に釣固定しているテンション構造、T2は釣屋根83を本体81に釣固定しているテンション構造である。このようなアンローダ8の構成は、従来技術の項にて述べたように公知技術であるので、詳細は示さない。なお、アンローダ8の本体81はコンベア2の長手方向に沿った水平方向(X方向及びY方向)に移動することができる。また、ガイドレール6は、アンローダ8の本体81、釣屋根82、83から吊設固定されており、アンローダ8の移動と共に水平方向(X方向及びY方向)に移動する。なお、図面簡略化のため釣屋根82、83からの吊設部材の図示は省略するが、図1〜図5には本体81からの吊設部材84を仮想線(二点鎖線)で示してある。
【0043】
図9a〜図9dと図10a、図10bに、カバー4の構成を示す。カバー4は略正方形の板状の本体41の左端部41a、右端部41bが共に上方に曲折され、背面部41cは下方に曲折されている。また、本体41の上面の左端近傍には板状の支持板42が上方に突設固着され、右端近傍には板状の支持板43が上方に突設固着されている。支持板42は正面側が下方に延伸されて軸孔42aが穿設され、支持板43は正面側が下方に延伸されて軸孔43aが穿設されている。また、本体41の上面の中央左方にはリング44が、中央右方にはリング45が、夫々固着されている。さらに、本体41の上面後端部中央にはローラ7の軸71が溶着されている。軸71は本体41から背面方向に突設され、突設された部分に回動部72が回動自在に設けられてローラ7を構成している。
【0044】
図11a〜図11fに、雨除けカバー5の構成を示す。雨除けカバー5は全体が正面と底面を欠いた細長い箱型で、上面51、左側面52、右側面53、背面54が一体として構成され、左側面52の正面端部は下方に延伸されて円孔52aが穿設され、左側面53の正面端部は下方に延伸されて円孔53aが穿設され、円孔52a、53aには円筒形状のスリーブ55の両端部が固着されている。また、上面51の中央部分にはリング56が固着されている。リング56は、解決手段2の中間受部、解決手段3の挿通部に相当する構成である。
【0045】
図12a〜図12dに、軸受部材9の構成を示す。軸受部材9は、長方形の板状の取付板91の左右に軸受92、93が正面方向に突設固着されていて、軸受け92、93の正面側は上方に延伸され、軸孔92a、93aが夫々穿設されている。また、取付板91には、3ヶ所にネジ孔91a、91b、91cが穿設されている。
【0046】
図13には連結手段Jと回動機構Tの構成を示す。連結手段Jは、隣接するカバー4L、4Rとカバー4L、4Rの隣接部分を覆う雨除けカバー5を一連に連結するもので、左端を左方のカバー4Lのリング45に、右端を右方のカバー4Rのリング44に夫々固定され、中間部が雨除けカバー5のリング56(挿通部)に挿通された状態の索条Sから構成されている。索条Sは緊締状態ではなく、余裕を持った弛緩状態にて装着されている。なお、索条Sは、ワイヤーでもロープでも良いが、強度的な面からはワイヤーを用いるのが望ましい。なお、図5、図8には、J0〜J16までの連結手段Jが示してあるが、J0の右方にも連結手段Jは存在し、J16の左方にも連結手段Jが存在するのは当然のことである。
【0047】
回動機構Tは、図13に示すように、コンベアケース3の正面上端部に螺着された軸受け部材9と、軸受け部材9の軸受け92、93の正面側の軸孔92a、93aに挿通された枢軸10から構成されている。枢軸10は、カバー4Lの支持板43の軸孔43a、カバー4Rの支持板42の軸孔42a、雨除けカバー5の左側板52と右側板53の間に渡設されたスリーブ55に挿通されており、カバー4L、4R、雨除けカバー5は枢軸10により軸受け部材9に回動自在に枢着されているが、軸受け部材9がコンベアケース3の正面上端部に螺着されているので、カバー4L、4R、雨除けカバー5は枢軸10によりコンベアケース3の正面上端部に回動自在に枢着されていることになる。なお、wはワッシャである。また、図13のB−B線縦断面図を図14に示す。図14にて、符号pはパッキンである(他の図面では図示省略)。さらに、図14では、雨除けカバー5の上面51とカバー4R(4)の支持板42の上端部が微小角度θをなすが、これは、カバー4R(4)の全体が、雨水を正面側に排水するように水平から微小角度θだけ正面側が下がるように傾斜されて構成されているからである。微小角度θを表示しているのは図14のみで、他の図面にては、煩雑になるのでカバー4はすべて略水平として表している。
【0048】
以上の図示にては、図面の描画サイズの関係上、アンローダ8の釣屋根82、83の直下のガイドレール6の部分に挟持されるカバー4の枚数を夫々5枚程度として描画しているが、釣屋根82、83の直下のガイドレール6の部分を延伸することにより、挟持されるカバー4の枚数を夫々6枚以上とすることは当然可能である。また、このようにすることにより、より円滑なカバー4の開閉及び雨除けカバー5の開閉が実現される。ただ、あまり長く延伸すると釣屋根82、83への負荷も大きくなるので、挟持されるカバー4の枚数は夫々10枚位までが適切であろうと考えられる。むろん、この枚数は、カバーの左右方向のサイズにも関係するので、例えば、図9aにおいてカバーの左右方向のサイズが半分になれば、ガイドレール6の長さが同一でも挟持されるカバーの枚数は当然2倍となる。
【0049】
<実施例1の作用>
以下に、実施例1のコンベアケース開閉システム1Aの作用を説明する。なお、コンベアケース開閉システム1Bの作用は、コンベアケース開閉システム1Aの動作と全く同様である。コンベアケース開閉システム1Aにおいて、アンローダ8が右方向(方向X)に移動する場合、図1、図3、図6に示すように、カバー400及びカバー401は完全に閉じられた状態にある。また、雨除けカバー500はカバー400の左端上及びカバー401の右端上に跨って載置されているので、カバー400及びカバー401が完全に閉じられた状態にて雨除けカバー500はやはり完全に閉じられた状態でカバー400とカバー401の隣接部分を覆い、ここからの雨水の浸入を防止している。
【0050】
図3、図6において、カバー400、401は、上記のように完全閉鎖状態にあるが、カバー400の背面に固着されたローラ700は、ガイドレール6には挟持されておらず自由状態であり、カバー401の背面に固着されたローラ701は、ガイドレール6の右端部に位置しているが、この状態では、ガイドレール6の右端部はカバー401の背面に位置しているので、ローラ701はレール62の上面に接触してはいるものの、カバー401の位置は完全閉鎖状態から動いていない。なお、図15に見るように、ローラ701はレール62の上面に接触しているが、レール61の下面からは僅かなクリアランスで非接触状態にある。また、カバー400、401、雨除けカバー500は連結手段J0によって遊動可能に連結された状態にある。
【0051】
次に、図3、図6にてカバー402の位置では、ガイドレール6がカバー401のガイドレール6の位置よりは正面方向及び上方に位置しているので、レール61、62に挟まれたカバー402のローラ702もローラ701の位置よりは正面方向及び上方に移動しており、その結果カバー702は開かれた状態にある。カバー402の開角度α1は図1に見るとおりで、約40°程度である。なお、雨除けカバー501はカバー402の右端部に載置された状態でカバー402と同様の角度に持ち上げられている。なお、この状態で、ローラ702はレール62に接触し、レール61には非接触の状態である。
【0052】
次に、カバー403の状態を見ると、ガイドレール6がさらに正面方向に位置し、高さは図3に示すように最も高い位置にあり、レール61、62に挟持されたカバー403のローラ703もさらに正面方向及び最高の高さに移動しており、その結果カバー403はカバー402よりさらに開いて直立の状態にある。この状態を図1で見ると、図1にては、カバー403の開角度α2は90°程度である。また、雨除けカバー502は自重で正面側に倒れこんでいるが、連結手段J2の作用でカバー403より若干正面側に倒れた位置で回動が停止され、それ以上倒れていない。なお、この状態で、ローラ703はレール62かレール61のどちらかに接している。
【0053】
次に、カバー404の状態を見ると、ガイドレール6が平面視ではさらに正面方向に位置するが(図6)、正面視では高さを減じている(図3)。したがって、図1に見るようにカバー404は直角からさらに正面方向に倒れこんだ状態となっている。この際の開角度α3は130°程度である。また、雨除けカバー503はカバー404よりさらに正面側に倒れた位置となるが、連結手段J3の作用でそれ以上は倒れていない。なお、この状態で、ローラ704はレール61に接触し、レール62には非接触の状態である。
【0054】
次に、カバー405の状態を見ると、ガイドレール6が平面視ではさらに正面方向に位置し(図6)、正面視ではさらに高さを減じている(図3)。したがって、図1に見るようにカバー405は水平にかなり近くなり、この際の開角度α4は170°程度である。また、雨除けカバー504はカバー405よりさらに正面側に倒れ略水平状態となるが、連結手段J4の作用でそれ以上は倒れていない。なお、この状態で、ローラ705はレール61に接触し、レール62には非接触の状態である。
【0055】
この状態になると、ローラ705の先端部分とアンローダ8の本体81の底面81aの間には充分なクリアランスCR(図1、図3参照)が生じており、アンローダ8の本体81の移動に際しても、カバー405、雨除けカバー504共に障害にはならない。図6を見るとわかるように、カバー405はアンローダ8の本体81の直前(移動方向がXとして)に位置しており、逆にいうなら、アンローダ8の本体81の直前(移動方向がXとして)にてカバー4の位置がアンローダ8の本体81の底面81aとの間に充分なクリアランスCRを生じるようにガイドレール6の曲折状態を設計するということになる。
【0056】
この位置から左方にては、ガイドレール6が直線状となるので、図3〜図8に見るように、カバー406〜412はカバー405と同位置にあり、開き具合もカバー405と同一である。すなわち、カバー405〜412は水平に近い角度にて開蓋状態となり、アンローダ8の本体81から落下投入された粉流体はカバー405〜412に遮られることなくコンベア2に収納される。また、前述のように、カバー405〜412がアンローダ8の本体81の移動の障害となることもない。なお、この状態にて、雨除けカバー504〜512は連結手段J4〜J12によりカバー405〜412に連結された状態であるので、カバー405〜412よりやや大きい略水平に近い角度で開蓋された状態にある。したがって、雨除けカバー504〜512も当然粉流体の落下投入の障害にも、アンローダ8の本体81の移動の障害にもならない。
【0057】
次に、カバー413にては(図4、図7参照)、ガイドレール6が再びやや背面方向及び上方に位置するので、ローラ713もやや背面方向及び上方に位置することになり、結果としてカバー413の開き具合はカバー405〜412の開き具合よりは小となる。すなわち、図1に見るようにカバー404の開き具合と同程度となる。また、カバー413に連結されている雨除けカバー513の開き具合は雨除けカバー503の開き具合と同様となる。この際、雨除けカバー513はカバー413に連結されているので、カバー413が正面方向に回動すれば、雨除けカバー513もやはり正面方向に回動して雨除けカバー503の開き具合と同様となるのである。
【0058】
ガイドレール6は、カバー412〜416に係る部分が、カバー401〜405に係る部分と左右対称に構成されているので、カバー414の開き具合はカバー403の開き具合と同様、雨除けカバー514の開き具合は雨除けカバー502の開き具合と同様、カバー415の開き具合はカバー402の開き具合と同様、雨除けカバー515の開き具合は雨除けカバー501の開き具合と同様、カバー416の開き具合はカバー401の開き具合と同様で完全閉鎖(水平状態)、雨除けカバー516の開き具合は雨除けカバー500の開き具合と同様で完全閉鎖(水平状態)である。また、カバー413〜415はアンローダ8の本体81から外れるので、ローラ713〜715が本体81の底面81aより高い位置となっても(図1、図4参照)、粉流体の落下投入の障害にも、アンローダ8の本体81の移動の障害にもならない。
【0059】
図1〜図8の状態から、アンローダ8が右方(X方向)に水平移動すると、ローラ701はガイドレール6にガイドされることにより除々に上昇されてカバー401が開き、カバー402〜404の開き具合は除々に大きくなり、逆にカバー412〜415の開き具合は除々に小となる。また、雨除けカバー500〜503の開き具合は除々に大きくなり、逆に雨除けカバー512〜515の開き具合は除々に小となる。すなわち、アンローダ8が右方(X方向)に進行すると、アンローダ8の本体81の右方(進行方向前方)にてはカバー4と雨除けカバー5の開き具合が完全閉鎖状態から漸増し、アンローダ8の本体81の直下にては最大開度となり、アンローダ8の本体81の左方(進行方向後方)にてはカバー4と雨除けカバー5の開き具合が漸減して再び完全閉鎖状態となる。
【0060】
これにより、アンローダ8の通過前にカバー4と雨除けカバー5が順次自動的に開かれ、アンローダ8の本体81直下で最大開度(実施例1では水平に近い状態)となり、アンローダ8が通過するとカバー4と雨除けカバー5が自動的に閉じられるので、コンベア2に収納された粉流体が飛散されることがなく、またコンベア2内に雨滴が侵入することも防止できるばかりではなく、アンローダ8の本体81の底面81aとコンベアケース3の上面との間のクリアランスCRが狭い場合にても、カバー4と雨除けカバー5が粉流体の投入の障害にもならず、アンローダ8の本体81の移動の障害にもなることがない。なお、カバー4の最大開度の最小値は120°とする。すなわち、アンローダ8の本体81の直下にては、カバー4を水平面(完全閉鎖状態)より120°以上に開くこととする。これは、現場の実情として、コンベアケース2の上面からアンローダ8の本体81の底面81aの距離が、カバー4が垂直に立った状態にてコンベアケース2の上面からカバー4のローラ7の先端までの距離の略3分の2以下である場合が多いからに他ならない。中でも多いケースは、コンベアケース2の上面からアンローダ8の本体81の底面81aの距離が、カバー4が垂直に立った状態にてコンベアケース2の上面からカバー4のローラ7の先端までの距離の2分の1以下というものであるが、この場合には当然、カバー4の最大開度を135°以上としなければならない。
【実施例2】
【0061】
本発明の実施例2のコンベアケース開閉システム20は、図16に見るように、コンベアケース開閉システム2Aとコンベアケース開閉システム2Bの2基のシステムが並列状態に設置されているが、むろんどちらか1基のみとしてもかまわない。実施例2のコンベアケース開閉システム20は、実施例1のコンベアケース開閉システム1と略同様の構成であるが、ガイドレール60の左右両端部の構成が、実施例1のコンベアケース開閉システム1のガイドレール6の左右両端部の構成と異なっている。その点を、図17〜図19にて説明する。なお、実施例1と構成が変化しているのはガイドレール60のみであるので、他の部材については、すべて実施例1と同一の符号を使用する。
【0062】
図17はガイドレール60の右端部を背面側から見た拡大図であり、図18は同部分の外観斜視図である。図17、図18に明らかなように、ガイドレール60を構成する2本のレールのうち、レール601は実施例1のレール61と略同様の構成であるが、レール602は、端部に連結部材604を介して端部ガイド部材603を有している。
【0063】
端部ガイド部材603は端部が鋭角状に切断された角棒状で、通常の使用状態にては、レール602の端部と略一直線状をなすように連結部材604を介してレール602の端部に螺着固定されている。すなわち、レール602の端部が平板状に潰されてここに2枚の板状の連結部材604がネジB3によってレール602の端部を両側から挟み着けるように螺着固定され、2枚の板状の連結部材604の他端の間隙に角棒状の端部ガイド部材603がレール602の端部と略一直線状をなすようにネジB2、B1によって螺着固定されている。端部ガイド部材603の先端部603aは通常はカバー4に固着されたローラ7より下方に位置するように構成されているので、アンローダ8の移動と共にガイドレール60がX方向に移動することにより、ローラ7はまず端部ガイド部材603の上面603bに載置され、上面603bにガイドされて連結部材604からレール602を回動しつつローラ7は除々に持ち上げられ、これによりカバー4が除々に開蓋される。
【0064】
しかしながら、図16にて、例えばコンベアケース開閉システム2Bは作動させたいが、コンベアケース開閉システム2Aまで作動させる必要はないというケースが当然起こりうる。すなわち、コンベアケース開閉システム2Bのコンベア2には粉流体を落下投入させたいが、コンベアケース開閉システム2Aのコンベア2には粉流体を落下投入させる必要がないというケースである。この場合、当然アンローダ8からの落下投入はコンベアケース開閉システム2Bのコンベア2に限られるわけであるが、ガイドレール60、60によりコンベアケース開閉システム2Aのカバー4、4、……もコンベアケース開閉システム2Bのカバー4、4、……も同時に開いてしまうと、コンベアケース開閉システム2Aにおいては開閉のエネルギーロスが生じるばかりでなく、無駄にカバー4、4、……が開蓋されることにより、粉流体の飛散の可能性が僅かでも高くなる。
【0065】
したがって、このような場合には、図17のコンベアケース開閉システム2Aの端部ガイド部材603を実線で描画した状態から仮装線(二点鎖線)で描画した状態に変更する。すなわち、ネジB1を外し、ネジB2を一旦緩めて端部ガイド部材603を仮装線(二点鎖線)で描画した状態に位置させ、再びネジB2を緊締する(図19参照)。これにより、端部ガイド部材603は略水平状態となり、先端部603aは上昇してローラ7の上に位置するので、アンローダ8の移動によってガイドレール60がX方向に移動してもローラ7は端部ガイド部材603の下を素通りすることとなって、カバー4の開蓋は発生しない。
【0066】
以上、コンベアケース開閉システム2Aのガイドレール60の右端部分の構成を説明したが、左端部分も同様の構成となっているので、図16にてアンローダ8がX方向に移動してもY方向に移動しても、どちらの方向でも上記作用効果を得ることができる。またコンベアケース開閉システム2Bのガイドレール60の左右両端部もコンベアケース開閉システム2Aのガイドレール60の左右両端部と同一の構成であるので、コンベアケース開閉システム2Bにても同様の作用効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、これまで、コンベアケースとアンローダの本体底面との距離があまり大きくとれないシステムにおいて、自動的に開閉するカバーを有するコンベアケース開閉システムの導入ができず、やむなく人力に頼ってカバーの開閉を行ったり、あるいは飛散防止効果や雨水侵入防止効果を犠牲にしてカバーなしのコンベアケースを用いていたりした多くの事例において、自動的に開閉するカバーを有するコンベアケース開閉システムの導入を図ることができる画期的なものである。
【0068】
すなわち、荷揚げ作業におけるアンローダとコンベアの組み合わせは、全体がかなり大規模なシステムとなるので、コンベアケースとアンローダの本体底面との距離があまり大きくとれない場合にても、アンローダを底面の高いものに取り替える、あるいはコンベアを、高さの低いものに取り替えるといった方法がとりにくい。できれば既存のコンベアとアンローダをそのまま生かして飛散防止効果や雨水侵入防止効果のあるコンベアケース開閉システムの導入を図りたいというのが現場における切実な要請である。
【0069】
本発明のコンベアケース開閉システムは、まさにこの現場の要請に正確に応えるものであり、加えて、多くの現場においては必須不可欠である雨除けカバーに対しても、カバーに連動して自動開閉が行えるように設計しているので、荷揚げ作業の現場においては、導入費用が格安で施設の改良工事期間も最短で済み、しかも飛散防止効果や雨水侵入防止効果に関しては万全の成果が得られるものとして、産業上の利用可能性は限りなく大きなものであると考えている。
【符号の説明】
【0070】
1 コンベアケース開閉システム
10 枢軸
1A コンベアケース開閉システム
1B コンベアケース開閉システム
2 コンベア
20 コンベアケース開閉システム
2A コンベアケース開閉システム
2B コンベアケース開閉システム
3 コンベアケース
4 カバー
41 本体
41a 左端部
41b 右端部
41c 背面部
42 支持板
42a 軸孔
43 支持板
43a 軸孔
44 リング
45 リング
401 カバー
402 カバー
403 カバー
404 カバー
405 カバー
406 カバー
407 カバー
408 カバー
409 カバー
410 カバー
411 カバー
412 カバー
413 カバー
414 カバー
415 カバー
416 カバー
417 カバー
4L カバー
4R カバー
5 雨除けカバー
51 上面
52 左側面
52a 円孔
53 右側面
53a 円孔
54 背面
55 スリーブ
56 リング
501 雨除けカバー
502 雨除けカバー
503 雨除けカバー
504 雨除けカバー
505 雨除けカバー
506 雨除けカバー
507 雨除けカバー
508 雨除けカバー
509 雨除けカバー
510 雨除けカバー
511 雨除けカバー
512 雨除けカバー
513 雨除けカバー
514 雨除けカバー
515 雨除けカバー
516 雨除けカバー
6 ガイドレール
60 ガイドレール
601 レール
602 レール
603 端部ガイド部材
603a 先端部
604 連結部材
61 レール
62 レール
7 ローラ
71 軸
72 回動部
701 ローラ
702 ローラ
703 ローラ
704 ローラ
705 ローラ
706 ローラ
707 ローラ
708 ローラ
709 ローラ
710 ローラ
711 ローラ
712 ローラ
713 ローラ
714 ローラ
715 ローラ
716 ローラ
717 ローラ
8 アンローダ
81 本体
82 釣屋根
83 釣屋根
83a 底面
84 吊設部材
9 軸受部材
91 取付板
91a ネジ孔
91b ネジ孔
91c ネジ孔
92 軸受
92a 軸孔
93 軸受
93a 軸孔
AR アンローダ
AR1 本体
AR2 釣屋根
AR3 釣屋根
ARa 底面
C カバー
C0 カバー
C1 カバー
C2 カバー
C3 カバー
C4 カバー
C5 カバー
C6 カバー
C7 カバー
C8 カバー
C9 カバー
C10 カバー
C11 カバー
C12 カバー
C13 カバー
C14 カバー
C15 カバー
C16 カバー
C17 カバー
CC コンベアケース
CR クリアランス
CS コンベアケース開閉システム
CS1 コンベアケース開閉システム
CS2 コンベアケース開閉システム
CV コンベア
D 間隔
D1 高さ
G1 レール
G2 レール
GL ガイドレール
J 連結手段
J0 連結手段
J1 連結手段
J2 連結手段
J3 連結手段
J4 連結手段
J5 連結手段
J6 連結手段
J7 連結手段
J8 連結手段
J9 連結手段
J10 連結手段
J11 連結手段
J12 連結手段
J13 連結手段
J14 連結手段
J15 連結手段
J16 連結手段
R ローラ
R0 ローラ
R1 ローラ
R2 ローラ
R3 ローラ
R4 ローラ
R5 ローラ
R6 ローラ
R7 ローラ
R8 ローラ
R9 ローラ
R10 ローラ
R11 ローラ
R12 ローラ
R13 ローラ
R14 ローラ
R15 ローラ
R16 ローラ
R17 ローラ
S 索条
T 回動機構
T1 テンション構造
T2 テンション構造
W 雨除けカバー
W0 雨除けカバー
W1 雨除けカバー
W2 雨除けカバー
W3 雨除けカバー
W4 雨除けカバー
W5 雨除けカバー
W6 雨除けカバー
W7 雨除けカバー
W8 雨除けカバー
W9 雨除けカバー
W10 雨除けカバー
W11 雨除けカバー
W12 雨除けカバー
W13 雨除けカバー
W14 雨除けカバー
W15 雨除けカバー
W16 雨除けカバー
X 方向
Y 方向
p パッキン
w ワッシャ
α1 開角度
α2 開角度
α3 開角度
α4 開角度
β1 開角度
β2 開角度
β3 開角度
β4 開角度
θ 微小角度



【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンローダから排出された内容物を受けて運搬するコンベアのコンベアケース開閉システムにおいて、
コンベアケースの上部に、コンベアケースの本体に対して回動可能に枢着された複数のカバーが設けられていて、各カバーには回動自在のローラが固着されており、
アンローダに、コンベアケースのカバーのローラをガイドするガイド部材を有し、
アンローダの移動において、ガイド部材がアンローダの進行方向前方に位置するコンベアケースのカバーのローラをガイドしてアンローダの推進力をもってコンベアケースのカバーのローラをコンベアケースのカバーを開蓋させる方向に移動させることによりコンベアケースのカバーを回動させて開蓋し、
コンベアケースのカバーの最大開蓋角度はコンベアケースのカバーの閉蓋状態から120°以上となるようにコンベアケースのカバーのローラとアンローダのガイド部材との関係が構成されており、
すなわち、コンベアケースのカバーが最大開蓋角度となった状態にてガイド部材がコンベアケースのカバーのローラをコンベアケースのカバーの閉蓋状態から120°以上の角度に位置せしめるような位置に配設されるように構成されており、
投入口を有するアンローダの本体の下に位置する各カバーが閉蓋状態から120°以上の角度で開蓋された状態を維持し、
アンローダの本体が通過し終わるとガイド部材がアンローダの移動部分の進行方向後方に位置するコンベアケースのカバーのローラをガイドしてアンローダの推
進力をもってコンベアケースのカバーのローラをコンベアケースのカバーを閉蓋させる方向に移動させることによりコンベアケースのカバーを回動させて閉蓋し、
上記開蓋作用及び閉蓋作用が、アンローダの進行方向が逆転されても同様に行われるようにコンベアケースのカバーのローラとアンローダのガイド部材との関係が構成されていることを特徴とするコンベアケース開閉システム。
【請求項2】
隣接する2枚のカバーの間に、2枚のカバーの隣接部分を蔽覆する雨除けカバーが設けられており、
雨除けカバーは、コンベアケースの本体に対して回動可能に枢着され、隣接する2枚のカバーと連結手段をもって連結された状態にあり、
すなわち、連結手段の両端部は夫々が隣接する2枚のカバーに固着され、雨除けカバーに中間受具が固着されていて、連結手段の中間部が該中間受具を経由する構成により1枚の雨除けカバーと両隣のカバーが連結されていることを特徴とする請求項1に記載のコンベアケース開閉システム。
【請求項3】
連結手段が、雨除けカバーと隣接する2枚のカバーを索条により連結するものであり、
索条の両端部は夫々が隣接する2枚のカバーに固着され、雨除けカバーに中間受具としての挿通部が固着されていて索条の中間部が該挿通部に挿通され、
カバー及び雨除けカバーが完全に閉じられた状態にて索条が緊締状態ではなく余裕を持った長さで2枚のカバーと雨除けカバーを連結していることを特徴とする請求項2に記載のコンベアケース開閉システム。
【請求項4】
ガイドレールの両端部において、下方のレールの端部が曲折可能に構成されていて、該端部を下方に曲折しその状態にて固定することによりコンベアケースのカバーのローラが該端部に当接してガイドレールに挟持されてガイドされ、該端部を上方に曲折しその状態にて固定することによりコンベアケースのカバーのローラが該端部に当接することなく、すなわちガイドレールに挟持されてガイドされることなくガイドレールの下方を通過するように構成されていることを特徴とする請求項1あるいは請求項2あるいは請求項3に記載のコンベアケース開閉システム。













【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2011−26046(P2011−26046A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−171988(P2009−171988)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【特許番号】特許第4384258号(P4384258)
【特許公報発行日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(505331823)中部資材株式会社 (4)
【Fターム(参考)】