説明

コンポストの製造方法

【課題】コンポスト製造施設からの温室効果ガス発生量の削減を可能にすると同時に腐熟の進行による良質なコンポストを製造できるコンポストの製造方法を提供すること。
【解決手段】コンポスト製造過程で、所定時間毎あるいはコンポスト製造施設から発生する一酸化二窒素を含む気体の一酸化二窒素濃度を測定し、測定値が基準値を超えた場合にはに切り返しを行い、一酸化二窒素の発生を抑制することを特徴とするコンポストの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコンポストの製造方法に関し、詳しくは温室効果ガスの発生を抑制しながらコンポストを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下水処理場や農村集落排水処理場などから発生した汚泥を脱水した汚泥ケーキ、家畜糞尿や厨芥等の有機性廃棄物からなるコンポスト原料をコンポスト製造施設に導入して好気性発酵(堆積発酵腐熟)してコンポストを製造する方法は知られている。
【0003】
本発明者らは、コンポストを製造する際には、以下のようなメカニズムで一酸化二窒素が発生することがわかった。
【0004】
コンポスト原料中のたんぱく質などの窒素を含む有機物は、微生物(真菌類・細菌類)の活動によってアンモニアに分解され、その後亜硝酸や硝酸へと酸化されるが、コンポスト内部の酸素は微生物の活動によって消費され、空気(酸素)の供給が十分でないと内部が嫌気的になる。
【0005】
嫌気的条件下では部分的に還元雰囲気となり、硝酸から窒素への還元反応(硝酸→亜硝酸→酸化窒素→一酸化二窒素→窒素)が起こる。
【0006】
この一連の還元反応を行う微生物のうち、還元反応を行う真菌類の中には、一酸化二窒素から窒素へと還元する酵素を持たない菌種が存在する。
【0007】
かかる真菌類によると、一酸化二窒素を還元することができないので、硝酸の還元は一酸化二窒素までで止まり、最終物質として一酸化二窒素が蓄積し、放出される。
【0008】
コンポスト施設は、世界中にたくさん存在し、各々施設から少量でも発生すると、地球規模でみれば大量の一酸化二窒素が発生することになる。
【0009】
一酸化二窒素は、二酸化炭素や、メタン、フロンの一種として知られるクロロフルオロカーボン類などと共に、温暖化を招く原因とされている温室効果ガスである。
【0010】
一酸化二窒素の温室効果は、二酸化炭素に比べて100倍とも300倍ともいわれている(IPCCによれば210倍)。
【0011】
生物由来の温室効果ガスの発生に関して、現在規制はないが、今後、発生を抑制するため、各々の発生源に具体的な抑制対策を講じることが求められてくると思われる。
【0012】
本発明者は、上記のような知見に基づき、コンポスト製造において一酸化二窒素を抑制すること、更に一酸化二窒素の濃度をトリガーとして、「切り返し」を行うことにより、温室効果ガスの削減を可能にすると同時に腐熟の進行による良質なコンポストの製造を可能にすることを見出し、本発明に至った。
【0013】
なお、従来、特許文献1にはコンポストなどから発生する臭気を監視することで切り返しを行う技術が開示され、特許文献2にはコンポストの温度分布を監視することで、適切なタイミングにように切り返しを行う技術が開示されている。また特許文献3には、切り返しの空気注入と、攪拌の手段を同一にし、低コストで完熟したコンポストを製造する装置が開示されている。
【0014】
しかし、特許文献1〜3には、コンポストから発生する一酸化二窒素の量に着目した技術は開示されていない。そのため、一酸化二窒素発生の抑制という観点では切り返しが不十分で、一酸化二窒素が発生している場合もあった。
【0015】
特許文献4には、下水汚泥燃焼炉において、一酸化二窒素を測定し、発生量を少なく制御する方法が開示されている。しかし、特許文献4では、焼却炉中のガスに気体そのまま近赤外波長域のレーザーを照射して吸光度を測定しているが、燃焼ガス中には一酸化二窒素のほか二酸化炭素が含まれており、二酸化炭素と一酸化二窒素は赤外線吸収特性が近いため測定ガス中の二酸化炭素濃度によって一酸化二窒素の濃度に誤差が生じるおそれがある。
【特許文献1】特開2004−196621号公報
【特許文献2】特開2005−145775号公報
【特許文献3】特開2006−219332号公報
【特許文献4】特開2004−125331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
そこで本発明の課題は、コンポスト製造施設からの温室効果ガス発生量の削減を可能にすると同時に腐熟の進行による良質なコンポストを製造できるコンポストの製造方法を提供することにある。
【0017】
本発明の他の課題は以下の記載によって明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題は以下の各発明によって解決される。
【0019】
(請求項1)
一酸化二窒素の発生を抑制することを特徴とするコンポストの製造方法。
【0020】
(請求項2)
コンポスト原料を好気性発酵させてコンポストを製造するコンポストの製造方法において、
切り返しを行って一酸化二窒素の発生を抑制することを特徴とするコンポストの製造方法。
【0021】
(請求項3)
コンポスト製造過程で、所定時間毎に切り返しを行い、一酸化二窒素の発生を抑制することを特徴とする請求項1又は2記載のコンポストの製造方法。
【0022】
(請求項4)
コンポスト製造施設から発生する一酸化二窒素を含む気体の一酸化二窒素濃度を測定し、
測定値が基準値を超えた場合には切り返しを行うことを特徴とする請求項1又は2記載のコンポストの製造方法。
【0023】
(請求項5)
コンポスト製造施設から発生する炭酸ガスと一酸化二窒素を含む気体を捕集し、次いで捕集された気体をアルカリ性の吸収剤に通して炭酸ガスを分離し、
得られた一酸化二窒素を含む気体の吸光度を求め、
求めた吸光度から算出された濃度が基準値を超えた場合には切り返しを行うことを特徴とする請求項1、2又は4記載のコンポストの製造方法。
【0024】
(請求項6)
前記基準値が、一酸化二窒素の濃度で500ppm以上で定められる値であることを特徴とする請求項4又は5に記載のコンポストの製造方法。
【0025】
(請求項7)
コンポスト製造の熟成施設内でのコンポスト原料の含水率を40〜70%に維持することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のコンポストの製造方法。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、コンポスト製造施設からの温室効果ガス発生量の削減を可能にすると同時に腐熟の進行による良質なコンポストを製造できるコンポストの製造方法を提供でき、またサンプリングされた気体をアルカリ性の吸収剤で吸収するので、一酸化二窒素の測定の際に二酸化炭素濃度の影響がないコンポストの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0028】
本発明における、コンポスト製造施設は、下水処理場や農村集落排水処理場などから発生した汚泥を脱水した汚泥ケーキ、家畜糞尿や厨芥等の有機性廃棄物を主なコンポスト原料とし、好気性発酵させ、主に農作物や公園などの植物の肥料として利用されるコンポストを製造する施設である。
【0029】
本発明において、コンポストを製造する施設は、何ら限定されない。屋根やカバーなど、被覆する構造があり、内部の空気を排気する口が設けられて、コンポストから発生する気体を取り出すことができるものが好ましい。被覆する構造がなく、大気に開放されて通常の状態ではコンポストから発生する気体が発散している場合であっても、コンポストから発生する気体をサンプリングすることができれば本発明は有効に用いることができる。
【0030】
図1は温室効果ガスを発生させる設備からサンプリングした排気から、温暖化ガスを測定する装置の概略図である。
【0031】
本発明において、測定対象となる温室効果ガスは一酸化二窒素とメタン、好ましくは一酸化二窒素(NO)である。
【0032】
1は施設から排出された排気を導入する排気導入管であり、2は排気導入管1に設けられたサンプリングファンであり、3は内部にアルカリ性の液体を入れたバイアルであり、バイアル中には気相3aとアルカリ性の吸収剤からなる液相3bが形成されている。
【0033】
温室効果ガス濃度を測定するときはサンプリングファン2を稼動させて、施設の排気口に設けられた排気導入管1から排気を吸入し、バイアル3に導入する。バイアル3でアルカリ性の吸収剤と導入された排気を接触させ、温室効果ガス測定の妨げとなる排気中の二酸化炭素や二酸化硫黄を吸収させる。
【0034】
より吸収の効果を高めるために、3aのガスをポンプ4によって吸引し、バイアル3内の液相3bに戻し、再びエアレーションすることもできる。
【0035】
アルカリ性の吸収剤としては、アルカリ金属の水酸化物、アルカリ土類金属の水酸化物などが挙げられるが、なかでも水酸化ナトリウムが好ましい。そのpHは少なくとも8以上で、飽和に近い吸収も好ましい。
【0036】
5は温室効果ガスの赤外領域の吸光度を測定する光学計測機である。バイアル3で二酸化炭素、二酸化硫黄などを除いたガスを導入し、一酸化二窒素を含む温暖化ガスの濃度を測定する。赤外領域の吸光度を測定する光学計測機としては、非分散型赤外線吸収ガス分析計、あるいは幅の広い分散型赤外線ガス分析計が挙げられ、常時または間欠的に温室効果ガス濃度、具体的には一酸化二窒素濃度を測定する。
【0037】
なお、一酸化二窒素濃度は、嫌気状態を解消することで抑制することができるので、所定時間毎に切り返しを行うことも一酸化二窒素の発生を抑制する上では好ましい。
【0038】
一酸化二窒素濃度が基準値を超えた場合、コンポスト内部が嫌気的になり、温暖化の原因となる温室効果ガスを発生していると考えられるので、好気的な状態にするため切り返しを行う。またその切り返しを、前記基準値をトリガーとして制御することもできる。
【0039】
切り返しの方法は、コンポストの下に備えた空気導入管から圧縮された空気を送り、好気化する方法、機械などで攪拌し好気化する方法などが挙げられるが、何ら限定されない。切り返し作業は、温暖化ガス濃度は測定される温暖化ガスの濃度が所定の値を下回るまで行ってもよいし、規定回数行い、その後再測定して切り返しの効果が足りない(規定濃度を超えている)場合は再び切り返しを行うようにしても良い。
【0040】
本発明においては、温室効果ガスの測定を行い、測定結果を入力し、測定結果が基準値を超える場合には、切り返しを行うように指示信号を出力する制御部を設けることで、コンポスト製造装置を自動制御することができる。
【0041】
図2は、本発明のコンポスト製造方法に用いられる一態様を示す図である。
【0042】
図2において、7はコンポスト製造装置である。コンポスト製造装置7は、方形状または円筒状のコンポスト製造装置本体701の内部を複数の仕切壁702で仕切られた複数の槽703を持っており、槽703内でコンポストの発酵、熟成を行う。
【0043】
コンポスト原料投入口704から槽703に投入されたコンポスト原料が、コンポスト原料投入口704に近い槽からコンポスト製品取出口705に近い槽に移動しながら発酵と熟成がなされるような構造である。
【0044】
各々の槽703の底部はデッドスペースをなくすため傾斜部706が設けられ、槽703の下方は円錐状または角錐状に形成されている。
【0045】
傾斜部706の下方とコンポスト製造装置本体701の間は、空間が形成され、該空間にはそれぞれ温度調節のためのヒーター707が設けられている。
【0046】
槽703の底部には、コンポストに空気を導入するための空気供給管708が1または2以上設置され、空気供給管708は圧力空気供給のためのコンプレッサ709に接続されている。空気供給管708の先端は槽703内にあり、空気供給管708から加圧された空気が供給されることでコンポスト内部に空気を供給し、同時にコンポストの攪拌をすることができる。図2のコンポスト製造装置においては、この空気導入と攪拌によって「切り返し」が行われている。
【0047】
空気供給管708から導入される空気は温度制御可能に構成されることが好ましく、図示しないヒーターなどによって加温された空気が供給されることが好ましい。
【0048】
また、槽703には別の空気供給管(図示せず)を設け、加湿した空気を供給するブロワと接続し、圧力空気の他に加湿した空気を供給することも好ましい。
【0049】
710はコンポスト製造装置本体701の上部に設けられる排気口である。排気口710には排気の一部をサンプリングできるよう排気導入管1が接続されている。
【0050】
温暖化ガスの測定に供さない余分な排気は、そのまま排気口710から排出される。
【0051】
このようなコンポスト製造装置7を制御する制御部6における制御フローの例を図3に示す。
【0052】
まず、制御部6はサンプリングファン2を稼動させて、施設の排気口に設けられた排気導入管1から、排気を吸入しバイアル3に導入する(S1)。
【0053】
バイアル3でアルカリ性の吸収剤と導入された排気を接触させ、温暖化ガス測定の妨げとなる排気中の二酸化炭素などを吸収させる(S2)。また、必要に応じてポンプ4を稼動させる。
【0054】
光学計測機5により赤外領域の吸光度を測定し(S3)、吸光度から温暖化ガスの濃度を算出する(S4)。
【0055】
温暖化ガス濃度が、基準値を超えているか判断する(S5)。
【0056】
ここで基準値は、一酸化二窒素の濃度が500ppm以上の範囲で定められる値である。なおメタンの場合も、一酸化二窒素と同様な切り返しをおこなう場合メタンの濃度が500ppm以上の範囲で定められる値であることが好ましい。
【0057】
基準値を超えていなかった場合は嫌気的状態に陥っていないと判断され終了する。
【0058】
基準値を超えていた場合、制御部6はコンプレッサ709を稼動させて槽703内に空気を導入し、切り返しを行う(S6)。その後、S1に戻る。
【0059】
コンポスト製造装置が攪拌手段としてモーター駆動の攪拌翼等と、空気供給手段としてブロワ等を備えている場合には、制御部6はモーターおよびブロワを稼動させることで切り返しを行うように制御することができる。
【0060】
また、嫌気性菌の活動を抑制し、好気性菌による発酵を促進し、真菌類の代謝を抑えて熟成を進めるために、コンポスト熟成時の含水率を例えば40〜70%、好ましくは50〜60%に維持することは重要である。ドライタイプでコンポスト製造する態様においても上記のような含水率に維持されていることは好ましい。
【0061】
含水率が70%を超えると真菌類が増殖しやすい環境になり、盛んに増殖する。また、含水率が上がることによりコンポストの通気性が低下し、嫌気状態に陥りやすくなる。
【0062】
結果として、真菌類が嫌気的条件下で盛んに増殖することになり、かかる真菌類によると、一酸化二窒素を還元することができないので、硝酸の還元は一酸化二窒素までで止まり、最終物質として一酸化二窒素が蓄積し、放出される量が増加する。
【0063】
このことから、温室効果ガスを測定して切り返しを制御する方法とは別に、真菌類の発する独特の臭気(いわゆるカビ臭)をモニタリングして、切り返しの制御を行う方法もある。なお、この方法と、本発明とを、併用することもできる。
【0064】
含水率は必要に応じて一般に用いられる方法で測定することができ、含水率が不足である場合は加湿した空気、ミスト、散水などによって水分を補給し、過剰である場合には切り返しなどによって水分の蒸発を促進させ、調整することができる。
【0065】
含水率の管理と切り返しを適切に行うことで、コンポスト内部が嫌気状態になることと、真菌類の増殖とを抑制し、温室効果ガスの発生をより抑える事ができる。また、(嫌気状態となって)温室効果ガスが発生しない様に好気的な状態を維持するので、好気性菌による発酵、熟成が促進され、良質なコンポストを生産することができる。
【0066】
本発明において、一酸化二窒素とメタンの測定された温室効果ガス濃度が基準値を超えた場合に、上記制御を行うと共に警告を発するようにすることもできる。警告は、例えば図示しないモニター画面上等において行うことができる。
【実施例】
【0067】
以下に、実施例によって本発明の効果を例証する。
【0068】
実施例1
乾式型(含水率50%程度)のコンポスト化装置から採取した下水汚泥由来の半熟成堆肥(含水率54%)を2本の三角フラスコA、Bに取り、密閉した(実験開始)。
【0069】
三角フラスコは5〜10分間隔で振とうして三角フラスコ内の空気と接触させるようにし(切り返し)、実験開始から1時間後に三角フラスコA、2時間後に三角フラスコB内の気体を採取し、水酸化ナトリウム液に通して二酸化炭素を吸収させ、電子捕獲型検出器をもつガスクロマトグラフを用いて一酸化二窒素濃度を測定した。
【0070】
実施例2
実施例1と同様に半熟成堆肥を密閉した三角フラスコC、Dを静置した(切り返し無し)。実験開始から1時間後三角フラスコCの気体を採取し、実施例1と同様に一酸化二窒素濃度を測定した。三角フラスコDは、1時間静置した後、5〜10分間隔で振とう(切り返し)して実験開始から2時間後に気体を採取し、一酸化二窒素濃度を測定した。
【0071】
比較例1
半熟成堆肥に加水して含水率を78%とした以外は実施例1と同様に一酸化二窒素の濃度を測定した。(三角フラスコE、F)
【0072】
比較例2
比較例1と同じ堆肥を用い、条件は実施例2と同様に一酸化二窒素の濃度を測定した。(三角フラスコG、H)
【0073】
実施例1、2及び比較例1、2の一酸化二窒素濃度測定結果を表1に示す。
【0074】
【表1】

【0075】
実施例1では、所定間隔で振とうによって撹拌(切り返し)され、三角フラスコ内の空気に触れて堆肥内の嫌気化が抑制されたため一酸化二窒素濃度が低く抑えられた。
【0076】
実施例2は、実験開始から1時間静置したため、堆肥内の嫌気化が進み一酸化二窒素濃度が高くなった(三角フラスコAとCの対比)。切り返しが行われないことによって発生する一酸化二窒素濃度に大きく差があることがわかる。
【0077】
しかし、その後所定時間間隔で撹拌(切り返し)されるようになると、一酸化二窒素濃度が低下した(三角フラスコD)。一酸化二窒素濃度が高く検出されても、切り返しを行い嫌気条件を解消すると、一酸化二窒素を減少させることができた。
【0078】
比較例1は実施例1、比較例2は実施例2と、試料の含水率以外は同条件であり、切り返しによる一酸化二窒素発生の傾向は同様であった。しかし、三角フラスコE〜Hで測定された一酸化二窒素濃度は、三角フラスコA〜Dに比べ高い傾向にあった。含水率が高いため、堆肥の通気性が低下して嫌気状態になりやすかったこと、真菌類の代謝(増殖)が進んだためと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】温暖化ガスを測定する装置の概略図
【図2】本発明のコンポスト製造方法に用いられる一態様を示す図
【図3】コンポスト製造装置を制御する制御部における制御フロー図
【符号の説明】
【0080】
1:排気導入管
2:サンプリングファン
3:バイアル
3a:気相
3b:液相
4:ポンプ
5:光学計測機
6:制御部
7:コンポスト製造装置
701:コンポスト製造装置本体
702:仕切壁
703:槽
704:コンポスト原料投入口
705:コンポスト製品取出口
706:傾斜部
707:ヒーター
708:空気供給管
709:コンプレッサ
710:排気口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一酸化二窒素の発生を抑制することを特徴とするコンポストの製造方法。
【請求項2】
コンポスト原料を好気性発酵させてコンポストを製造するコンポストの製造方法において、
切り返しを行って一酸化二窒素の発生を抑制することを特徴とするコンポストの製造方法。
【請求項3】
コンポスト製造過程で、所定時間毎に切り返しを行い、一酸化二窒素の発生を抑制することを特徴とする請求項1又は2記載のコンポストの製造方法。
【請求項4】
コンポスト製造施設から発生する一酸化二窒素を含む気体の一酸化二窒素濃度を測定し、
測定値が基準値を超えた場合には切り返しを行うことを特徴とする請求項1又は2記載のコンポストの製造方法。
【請求項5】
コンポスト製造施設から発生する炭酸ガスと一酸化二窒素を含む気体を捕集し、次いで捕集された気体をアルカリ性の吸収剤に通して炭酸ガスを分離し、
得られた一酸化二窒素を含む気体の吸光度を求め、
求めた吸光度から算出された濃度が基準値を超えた場合には切り返しを行うことを特徴とする請求項1、2又は4記載のコンポストの製造方法。
【請求項6】
前記基準値が、一酸化二窒素の濃度で500ppm以上で定められる値であることを特徴とする請求項4又は5に記載のコンポストの製造方法。
【請求項7】
コンポスト製造の熟成施設内でのコンポスト原料の含水率を40〜70%に維持することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のコンポストの製造方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−46335(P2009−46335A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−212441(P2007−212441)
【出願日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(000005902)三井造船株式会社 (1,723)
【Fターム(参考)】