コンロ付厨房装置
【課題】調理台内の空間を、物品収納スペースとして拡げることができるコンロ付厨房装置を提供する。
【解決手段】コンロ付厨房装置1は、調理台2と、加熱体52を有するコンロ5と、コンロ5の操作用の操作ユニット6を備える。調理台2は、キャビネット3と、該キャビネット3の上面側に設置されるカウンター4とを有する。コンロ5は、カウンター4の上面手前側に設けられたスペースよりも奥方の開口40に嵌め付けられている。操作ユニット6の形状は、横長扁平な直方体状である。操作ユニット6は、カウンター4の前面直下のキャビネット3の上端に、コンロ5の加熱体52に相対するようにして設けられている。操作ユニット6は、操作器62と、ケース63と、キャビネット3に固定され操作器62およびケース63を支持する基台ユニット8とから構成される。
【解決手段】コンロ付厨房装置1は、調理台2と、加熱体52を有するコンロ5と、コンロ5の操作用の操作ユニット6を備える。調理台2は、キャビネット3と、該キャビネット3の上面側に設置されるカウンター4とを有する。コンロ5は、カウンター4の上面手前側に設けられたスペースよりも奥方の開口40に嵌め付けられている。操作ユニット6の形状は、横長扁平な直方体状である。操作ユニット6は、カウンター4の前面直下のキャビネット3の上端に、コンロ5の加熱体52に相対するようにして設けられている。操作ユニット6は、操作器62と、ケース63と、キャビネット3に固定され操作器62およびケース63を支持する基台ユニット8とから構成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンロを組み込んだコンロ付厨房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術からなる厨房装置の調理台に組み込まれたコンロとしては、例えば、特許文献1に開示されている形態がある。前記特許文献1に開示されたコンロ、およびこれを組み込む調理台とその上部に載置したカウンターにおいては、カウンター上面に露出したコンロ天板が、カウンターの前端近傍から奥方にかけて3口の加熱体や、コンロの排気口を囲んで、カウンターの後端近傍まで拡がって形成されている。前記コンロ天板には、加熱手段の加熱体が手前使用側を一辺とし左右に各1つ、奥に1つの三角形配置で構成されている。
【0003】
また、コンロ本体は、コンロ天板下面から調理台のカウンターに開設した開口を通してその下方にかけて垂下形成されている。コンロの前面部は、カウンターの下方前端に略一致する位置に形成されている。コンロ本体の後端部は、コンロ天板の排気口下よりも後方位置まで延びて、略矩形立体に大容積を以って形成されている。コンロ本体の左右方向中央には、コンロ本体前面側から奥方にかけて貫通して、グリル加熱装置が一体的に組み込み形成されている。
【0004】
さらに、このコンロでは、コンロ前面部の正面視高さ方向中央位置に、当面に設けた開口から、操作盤およびこの前面カバーが前記開口を通じて出没自在になる操作盤を一体的に備えている。この操作盤は、3つの加熱体およびグリル装置を制御する操作ボタンやツマミ、状態表示手段を具備しており、グリル装置を挟んで正面の左右にそれぞれ配置され、グリル装置とほぼ同等の高さ寸法を占有する構成となっている。
【0005】
上記従来技術にかかるコンロは、調理台に組み込んだ場合、加熱体の三角形配置としたコンロ天板がカウンターのコンロ幅内においてカウンター奥行の大部分を占め、コンロ前端部分はカウンターの前端近傍に位置して、コンロ本体に一体的に組み込まれたグリル加熱装置および操作盤は調理台の前面に臨む形態となる。
【0006】
したがって、上記従来技術にかかるコンロを調理台に組み込んだコンロ付厨房装置においては、操作盤がグリル装置の存在と合わせて、カウンター下方の調理台内の上部空間の大部分を占領しており、カウンター下の調理台内空間は、物品収納空間(例えば、調理物品収納空間)としては最大有効活用できていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−24485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ、本発明の課題は、コンロと操作ユニットの新規な配置構成を提供し、また調理台内の空間を、物品収納スペースとして拡げることができるコンロ付厨房装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るコンロ付厨房装置は、箱体状に形成されたキャビネット、および前記キャビネットの上面に載置されるカウンターを有する調理台を備えている。また、コンロ付厨房装置は、前記カウンターに設けられた開口に嵌め付けられ前記カウンターに組み込まれた状態で前記キャビネットの上部空間に収納されるコンロを備えている。さらに、コンロ付厨房装置は、前記コンロとは別体に形成され前記コンロの遠隔操作に用いられる操作ユニットを備えている。前記操作ユニットは、横長平板状に形成され、横方向を前記コンロの左右幅方向に沿わせた状態で、前記カウンターの手前直下で前記キャビネットの上端部前面側に突出設置されている。
【0010】
この発明によれば、前記コンロを操作するための前記操作ユニットは横長平板状に形成され、前記カウンターの手前直下に配置される。そのため、前記操作ユニットが前記コンロ下の領域を占有する範囲は、前記カウンター直下の高さ寸法の小さな部分に抑えることができる。よって、前記調理台の前記キャビネットにおける前記コンロ下空間を有効活用できる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記開口は前記カウンターにおける前端から所定の間隔を有して奥方に後退した位置に形成されている。前記コンロは、前記開口内に嵌め込まれるコンロ天板と、該コンロ天板の下方に懸架されるコンロ本体とを有している。前記コンロ天板は、前記カウンターの前端から所定の間隔を有して前記カウンターの奥方に後退した位置に配置されている。
【0012】
この好ましい形態によれば、前記カウンター上面において前記コンロ天板の前端よりも前の部分に作業スペースが形成され、調理場所などとして利用できる。
【0013】
また本発明の好ましい形態では、前記コンロには、複数の加熱体が左右方向に並列配置されている。前記操作ユニットは、左右方向において前記複数の加熱体に渡り跨る横長状に構成されている。
【0014】
この好ましい形態によれば、前記コンロと前記操作ユニットとの配置関係が最短動線となるため、前記コンロの使用時や、前記カウンターの前端部分で調理等をしているときでも、前記操作ユニットを操作しやすくなる。
【0015】
この場合、前記操作ユニットは、前記コンロの操作に用いられる矩形箱状の操作器と、前記カウンターの手前直下で前記キャビネットの上端部前面側に突出して上面が開放されるとともに横長に形成され前記操作器を収納するケースとを備えた構成とすることが好ましい。
【0016】
このように構成することで、前記操作器を前記ケースから取り出すことができ、前記操作器の清掃や修理、交換などのメンテナンスが容易になる。
【0017】
またこの場合、前記コンロには、複数の加熱体が左右方向に並列配置され、前記操作ユニットが前記複数の加熱体それぞれに対応する複数の操作器を備え、前記ケースが前記複数の操作器を左右方向に並べて収納するように構成されていると好ましい。
【0018】
このように構成することで、前記コンロの前記加熱体と前記操作器との対応関係が分かりやすく、前記コンロを操作しやすくなる。また、前記複数の操作器をすっきりと前記ケースに収納することができる。
【0019】
さらにこの好ましい形態では、前記コンロ以外の電気機器がコンロ付厨房装置に付設される場合、前記ケースは、その電気機器用の遠隔操作器を着脱自在に格納可能とすると良い。
【0020】
この様に構成することで、前記コンロ以外の電気機器用の前記遠隔操作器を前記コンロの操作器と共に前記ケースに収納できる。そのため、前記遠隔操作器を前記調理台の外部に設置しなくて済む。
【0021】
さらに本発明の好ましい形態では、前記操作ユニットが、前記調理台内に格納可能であり、この格納位置と前記調理台前面手前の操作使用位置との間で前後方向にスライド自在に出没するよう構成されている。
【0022】
この好ましい形態によれば、例えば前記コンロを使用しない場合等には、前記操作ユニットを前記調理台に格納できるから、前記操作ユニットが邪魔にならない。また、コンロ付厨房装置の外観意匠性も向上できる。
【0023】
またこの好ましい形態において、この操作ユニットを前記格納位置から前記操作使用位置へスライド移動させる駆動力を付勢する付勢手段を備えていると好ましい。
【0024】
この発明によれば、前記操作ユニットを前記格納位置から容易に前記操作使用位置に位置させることができる。
【0025】
この場合、前記付勢手段は、前記キャビネットに収納された前記操作ユニットの前後方向寸法内に配置されていることが好ましい。
【0026】
この様に構成することで、前記操作ユニットの後方に前記付勢手段を配置するための空間を確保する必要がない。そのため、前記コンロや前記調理台の設計の自由度が高くなる。
【0027】
さらにこの場合、前記操作ユニットの左右両側の前後スライド移動を連動させる連動機構が設けられており、前記付勢手段は、前記操作ユニットの左右両端部それぞれに駆動力を与えるように構成されていると好ましい。
【0028】
この様に構成することで、前記操作ユニットが平面視で左右方向に対して傾いたり、スライド時にがたついたりすることを防止できる。
【0029】
さらにこの場合において、前記操作ユニットの前後スライド動作の速度緩衝手段を備えていると好ましい。
【0030】
この様に構成することで、前記操作ユニットを前記格納位置から前方へスライド移動させる際に、前記操作ユニットが前記調理台内から急に飛び出すことを抑制できる。また、前記操作ユニットを前記調理台内に格納する際に、前記操作ユニットが奥方へ過度に強く押し込まれて破損してしまうことを抑制できる。
【発明の効果】
【0031】
本発明では、操作ユニットがコンロ下の領域を占有する範囲をカウンター直下の高さ寸法の小さな部分に抑えることができ、これにより調理台内の空間を物品収納スペースとして拡げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施形態1のコンロ付厨房装置の斜視図である。
【図2】同上のコンロ付厨房装置の部分断面図である。
【図3】同上における操作ユニットの斜視図である。
【図4】図3にP1で示す部分の拡大図である。
【図5】同上におけるローラーユニットおよびレール支持脚の斜視図である。
【図6】同上におけるアーム摺動ガイドをローラー取付部に取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【図7】同上のコンロ付厨房装置を示し、(a)は操作卓を格納した状態を示す斜視図、(b)は同図(a)においてカウンターを外した状態を示す斜視図である。
【図8】同上におけるラッチを示し、(a)は係止解除状態の概略断面図、(b)は係止状態の概略断面図である。
【図9】実施形態2のコンロ付厨房装置における操作ユニットの分解斜視図である。
【図10】同上における操作ユニットの斜視図である。
【図11】図12にP2で示す部分の拡大図である。
【図12】同上における基台ユニットの斜視図である。
【図13】同上におけるローラーユニットおよびレール支持脚を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図14】同上におけるローラーユニットを示し、(a)は上側からの斜視図、(b)は下側からの斜視図である。
【図15】同上におけるねじりばね、アーム、アーム保持具、ダンパを示す斜視図である。
【図16】実施形態3における操作ユニットの部分説明図である。
【図17】(a)は実施形態4のコンロ付厨房装置の一部を省略した斜視図、(b)は同図(a)にP3で示す部分の拡大図である。
【図18】同上における操作ユニットの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(実施形態1)
本実施形態のコンロ付厨房装置(以下、厨房装置と略す)1は、図1に示すように、調理台2を備えている。調理台2には、コンロ(焜炉)5と、コンロ5とは別体に形成されコンロ5の遠隔操作に用いられる操作ユニット6とが設けられている。また、レンジフード7が、コンロ5の上方における壁面に固定されている。このレンジフード7が備えている送風機(図示せず)は、この送風機を覆うフードカバー(捕集用天蓋)70に設けられたフード操作部(図示せず)により操作できるほか、レンジフード7用の遠隔操作器71を用いても操作できるように構成されている。
なお、以下の説明では、図1中の矢印F方向を前方向、矢印B方向を後方向、矢印U方向を上方向、矢印D方向を下方向、矢印L方向を左方向、矢印R方向を右方向とする。
【0034】
調理台2は、図1に示すように、台所の床などに設置されるキャビネット(調理台キャビネット)3と、キャビネット3の上面側に設置されるカウンター(天板)4とを有している。
【0035】
キャビネット3は、箱体状に形成されており、その前面および上面は開放されている。キャビネット3の前面側には、図2に示すように、3枚の前板30〜32が取り付けられている。3枚の前板30〜32は上から下へ隣設配置されてキャビネット3の前壁部となる。なお、図1では、下側の前板32を取り外した状態を示している。また、キャビネット3内の上部空間(物品収納部)33は、後述するように上方から開口40を介して組み込まれるコンロ5の収容空間として用いられる。なお、前板30〜32はキャビネット3に前後方向に出し入れ自在に収納した引き出しの前板部で構成しても良い。
【0036】
カウンター4は、平面視で矩形板状に形成されている。カウンター4は、上部空間33を閉塞するようにしてキャビネット3の上面側に設置される。カウンター4の中央部には、矩形状の開口(コンロ開口)40が形成されている。開口40は、コンロ5をカウンター4に組み込むためのものであって、カウンター4の前端から所定の間隔を有してカウンター4の奥方に後退した位置に形成されている。ここで、前記所定の間隔は、カウンター4の上面における開口40よりも前側の領域部分を鍋や皿などを置いて調理するときの作業スペースに利用できる程度の距離である。なお、本実施形態では、カウンター4の前端と開口40との距離が、カウンター4の後瑞と開口40との距離よりも長くなっている。
【0037】
コンロ5は、コンロ本体50と、カウンター4の開口40に嵌め込まれるコンロ天板51とを備えている。コンロ天板51は、例えば、ガラスなどを用いて形成されたガラスプレートである。コンロ本体50は、コンロ天板51の下方に懸架されている。コンロ本体50は、複数(本実施形態では3つ)の加熱出力手段(図示せず)を筐体内に備えている。本実施形態ではコンロ5として、誘導加熱を利用した電磁調理器(IH調理器)が用いられている。このコンロ5では、コンロ天板51において前記加熱出力手段に対応する部位がコンロ本体50による加熱が行える加熱体52となる。
【0038】
このコンロ5は、コンロ天板51をカウンター4の開口40に嵌め込むことでカウンター4に組み込まれる。そして、カウンター4に組み込まれた状態で、キャビネット3の上部空間33に収納される。
【0039】
本実施形態においては、コンロ5の3つの加熱体52が左右方向に沿って並ぶようにして等間隔でコンロ天板51の下面側に設置されている。以下の説明では3つの加熱体52を区別するために、必要に応じて加熱体52を符号521〜523で表す。
【0040】
本実施形態の厨房装置1では、コンロ天板51は、カウンター4の前端から所定の間隔を有してカウンター4の奥方に後退した位置に配置されている。そのため、厨房装置1では、カウンター4の前端部分を調理場所などに利用できる。なお、本実施形態では、コンロ5の好ましい例として電磁調理器を例示しているが、ジュール熱を利用して加熱を行う電気コンロもしくはガスコンロであってもよい。なお、本実施形態ではコンロ5としてグリル加熱装置を具備しないものが使用されている。
【0041】
操作ユニット6は、横長平板状に形成されている。操作ユニット6は、長手方向をコンロ5の左右方向に沿わせた配置で、カウンター4の手前直下でキャビネット3の上端部前面側に突出するよう設置されている。
【0042】
本実施形態における操作ユニット6は、図3に示すように、横長平板状の操作卓(操作盤ユニット)60と、操作卓60の左右両側端面それぞれに取り付けられる一対のローラーユニット61とを備えている。
【0043】
ここで、図9は実施形態2における操作ユニット6の分解斜視図である。しかしながら、本実施形態における操作卓60は実施形態2における操作卓60と同様の構成である。したがって、操作卓60については図9に基づいて説明する。
【0044】
操作卓60は、コンロ5の操作に用いられる操作器(調理用操作器)62と、操作器62を収納するケース(操作器収納ケース)63とを備えている。本実施形態における操作卓60は、3つの操作器62を備えている。以下では、3つの操作器62を区別するために、必要に応じて符号621〜623で表す。
【0045】
また、操作ユニット6は、操作器62およびケース63(すなわち操作卓60)を支持する基台ユニット8を備えている。操作ユニット6はこの基台ユニット8によりキャビネット3に取り付け固定される。なお、図2では、基台ユニット8を簡略化して図示している。本実施形態では、操作ユニット6をキャビネット3に取り付けるために基台ユニット8を連結金具(図示せず)を用いてキャビネット3に固定している。
【0046】
基台ユニット8は、カウンター4の前端部の下方に配置されており、操作卓60を下方から支持するように構成されている。そのため、操作卓60は、キャビネット3内における基台ユニット8とカウンター4の前端部との間の空間34に格納される。また、キャビネット3の第1の前板30の上端部には、操作卓60をキャビネット3の前面から出入り自在にする(つまり、操作卓60のキャビネット3内への出入口となる)格納用開口35が形成されている。格納用開口35は、空間34の前方側領域と連通している。空間34と格納用開口35によって操作ユニット格納部36が構成されている。操作ユニット格納部36には操作卓60が前後方向にスライド自在に格納されるほか、基台ユニット8を含む操作ユニット6全体が収容される。
【0047】
操作ユニット格納部36の上方はカウンター4の前端部によって覆われている。そのため、操作ユニット格納部36に収納された操作ユニット6はカウンター4の前端部の直下に位置する。操作ユニット格納部36の格納用開口35よりも下方の前方は第1の前板30によって覆われている。
【0048】
基台ユニット8は、図3に示すように、その底部において金属製の底部構成材としての基台80を備えている。基台80は、左右方向を長手方向とする矩形板状に形成されている。基台80の前端には前面板81が立設されている。前面板81は、第1の前板30の背面に沿うように設けられている。また、前面板81には、後述する操作器62の接続端子625用の挿通孔811が形成されている。
【0049】
基台80の左右両端部それぞれには、金属製のレール支持脚82が立設されている。各レール支持脚82の上部にはレール83が形成されている。レール83は、正断面で内側方に開口するU字状に形成されている。図4に示すように、レール83の内側開口の上縁には下方に突出する抜止部831が形成されている。同様に、レール83の内側開口の下縁には上方に突出する抜止部831が形成されている。
【0050】
操作ユニット6の操作卓60は、幅(図1における左右方向の長さ)が奥行き(図1における前後方向の長さ)よりも長い横長平板状に形成されている。また、操作ユニット6は、複数の加熱体52の全てに渡り跨る横長状に構成されている。すなわち、操作ユニット6は、左端の加熱体521から右端の加熱体523に渡り跨って位置している。なお、操作ユニット6は、複数(本実施形態では3つ)の加熱体52の全てではなく、いずれかに渡り跨る横長状に構成されていてもよい。
【0051】
操作卓60は、コンロ5の操作時には、図1に示すように、カウンター4の前面に略平行に手前に突出してキャビネット3の前側上端に位置している。そして、操作卓60はコンロ5を操作しないときには、操作ユニット格納部36に格納される。
【0052】
操作器62は、左右方向の長さが前後方向の長さよりも長く、矩形箱状に形成されている。操作器62の上面には、コンロ5を操作するための操作部624が設けられている。操作部624は、例えば、コンロ5を操作する操作スイッチや、操作ボタン、操作ダイヤル、コンロ5の状態を表示する表示部(状態表示部)などにより構成されている。操作器62の後面には、図3に示すように、接続端子625が設けられている。この接続端子625は、コンロ5の加熱体52と電気的に配線接続されている。なお、操作器62は無線で操作信号をコンロ5側へ無線送信するものとすることも可能である。
【0053】
ケース63は、上面が開放され、横長に形成されている。ケース63は、図9に示すように、金属製押出型材(本実施形態では、アルミ押出材)よりなるケース本体64と、合成樹脂製のエンドキャップ65とを備えている。このケース63は、3つの操作器62と、遠隔操作器71とを収納するように構成されている。
【0054】
ケース本体64は、左右方向を長手方向とする長尺の底面板641を有している。本実施形態では、図1に示すように、ケース本体64の左から、操作器621、遠隔操作器71、操作器622、操作器623の順に並べられる。そのため、複数の操作器62は、対応する加熱体52の前方に位置するように、左右方向に沿って並ぶ。また、ケース63における操作器621と操作器622との間の空間が、遠隔操作器71の収納部として用いられる。遠隔操作器71はケース63から着脱自在に収納部に収納されている。ここで、遠隔操作器71をケース63に収納するにあたっては、遠隔操作器71の正面を上方に向けるとともに、正面の長手方向を左右方向に沿わせるようにしている。
【0055】
底面板641の左右両端部それぞれには、エンドキャップ65が固定ねじ651を用いて取り付けられる。
【0056】
底面板641の前後方向の長さは、操作器62の前後方向の長さよりやや長く設定されている。ここで、底面板641の前端には、上方へ突出する前面板642が一体に突設されている。また、底面板641の後端には、上方へ突出する後面板643一体に突設されている。操作器62および遠隔操作器71は、前面板642と後面板643との間に配置される。なお、後面板643には、操作器62の接続端子625を後面側に臨ませるための接続孔644が形成されている。
【0057】
また、後面板643の上端には、後方へ突出する突出板645が一体に突設されている。ここで、ケース本体64における底面板641、前面板642、および後面板643よりなる部位は、側断面(左右方向に直交する面内における断面)が上方に開口するU字状である。
【0058】
ケース63では、底面板641と、前面板642と、後面板643と、一対のエンドキャップ65とで囲まれた、上面が開口した空間が、操作器62および遠隔操作器71の収納スペース(操作器収納部)となる。この収納スペースには、操作器62が上面を外部に臨ませた状態で収納される。
【0059】
そのため、例えば、レンジフード7を操作する場合は、遠隔操作器71をケース63に収納したままその遠隔操作部711の操作ボタンを押すだけでよい。すなわち、遠隔操作器71をケース63に収納したままで、調理台2よりも高い位置に配設されたレンジフード7の受信部701に操作信号を正確に送信できる。これによって、レンジフード7の操作時に、遠隔操作器71をケース63から取り出す手間を省くことができる。特に、天井付近などの高い位置にあるレンジフード7を、手元(レンジフード7よりも低い位置)で遠隔操作できる。そのため、背の低い人や車椅子に乗っている人にとっても操作性がきわめて良好となる。このように、操作ユニット6によって、コンロ5やレンジフード7を個別にコントロールできるため、調理作業の労力や煩雑さを回避できる。これによって、操作の利便性が格段に優れた集中コントロールシステムを実現できる。
【0060】
また、別途ホルダなどを利用して遠隔操作器71を調理台2の外面に取り付ける必要がなくなる。これによって、調理台2の外観がすっきりし、調理台2の外面にホルダを取り付けたことによる美観低下を防止できる。また、遠隔操作器71が邪魔にならなくなる。その上、遠隔操作器71の紛失といった問題も解消できる。
【0061】
また、ケース63の上面開口部631は、操作器62や遠隔操作器71を上方に取り出し可能な大きさである。したがって、操作器62および遠隔操作器71をケース63から取り出し、その配置をユーザの好みに応じて変更できる。また、操作器62および遠隔操作器71の清掃も容易となる。さらに、コンロ5を他機種に変える場合(例えば、コンロ5の規格や数が変わる場合)、その機種に応じた操作器62への交換にも容易に対応できる。このように操作ユニット6はコンロ5の機種の制約を受けないから、汎用性に優れている。なお、取り出し頻度が少ない操作器62は、ケース63の底面板641に対して下方からネジで固定されていても良い。
【0062】
ローラーユニット61は、図4に示すように、金属製のブラケット611を備えている。ブラケット611は、ローラー取付部612と、エンドキャップ固定部613とを有している。エンドキャップ固定部613は、図5に示すように、ローラー取付部612の前端より前方に延出されている。ローラー取付部612は、正断面L字状(前後方向に直交する面内における断面がL字状)に形成されている。ローラー取付部612の縦片614の外側面には、図6に示すように、前後2箇所にローラー615が取り付けられている。ここで、ローラー615は、左右軸回りに回転自在にブラケット611に取り付けられている。なお、左右軸回りとは、回転中心軸方向が左右方向と平行であることをいう。エンドキャップ固定部613は、ローラー取付部612と同様に、正断面L字状に形成されている。エンドキャップ固定部613の縦板部616の外側面はエンドキャップ65の外側面と平行するようにしている。
【0063】
ブラケット611は、縦板部616をエンドキャップ65に取付ねじ652でねじ止めすることで操作卓60に取り付けられる。ブラケット611を操作卓60に取り付けた状態では、図4に示すように、ローラー取付部612は操作卓60の後方に位置する。
【0064】
ローラーユニット61の2個のローラー615は、レール83の内側に収納される。これによって、ローラーユニット61がレール83に対して前後方向に移動自在に取り付けられる。ここで、抜止部831によりレール83からのローラー615の脱落が防止される。
【0065】
操作卓60の左右のローラーユニット61それぞれを基台ユニット8の左右のレール83それぞれに取り付けることで、操作卓60は基台ユニット8に前後方向に移動自在に取り付けられる。本実施形態では、ローラーユニット61とレール83によって操作卓60を前後方向に移動させる移動機構が構成されている。当該移動機構は、操作ユニット6の左右両側それぞれに設けられている。当該移動機構は、操作卓60を、キャビネット3の前面の上端部に位置する操作使用位置(図1に示す位置)と操作ユニット格納部36内に位置する格納位置(図7(a),(b)に示す位置)との間で移動させるように構成されている。
【0066】
ところで、操作ユニット6は、前後スライド自在である操作卓60を格納位置において係脱自在に係止する係止手段を備えている。この係止手段は、操作ユニット格納部36に格納された操作卓60を若干後方に移動させることで操作卓60の係止を解除できるように構成されている。具体的には、係止手段は、図3に示すように、ラッチ9と、ラッチ9に係脱自在に係止されるストライカ66とで構成されている。ラッチ9は、基台ユニット8の基台(取付台)80の左右方向における中央部に設けられている。ストライカ66は、ラッチ9と前後方向で対向するように操作卓60の突出板645に設けられている。ストライカ66は、前後方向を長手方向とする棒状に形成されている。図8(a),(b)に示すように、ストライカ66の先端部661は他部に比べて大きく形成されている。
【0067】
ラッチ9は、図8(a),(b)に示すように、基台ユニット8に固定される固定部材91と、固定部材91に収納される可動部材92とを備えている。
【0068】
固定部材91は前方に開口する可動部材収納部911を備えている。可動部材収納部911は、可動部材92を前後方向にスライド移動自在に収納するように構成されている。可動部材収納部911の底面の前端部にはガイド面912が形成されている。ガイド面912は、後方ほど上方に位置する傾斜面である。可動部材収納部911の底面におけるガイド面912の後方には水平な押圧面913が形成されている。
【0069】
可動部材92は、弾性変形可能な係止爪部921と、ハート形溝922とを備えている。係止爪部921は、斜め下前方に向かって突出する形に形成されている。ハート形溝922は、側面視略ハート形に形成されている。また、可動部材92は、ハート形被係合部923を備えている。ハート形被係合部923は、可動部材92においてハート形溝922で囲まれた部分である。
【0070】
この可動部材収納部911の後壁部と可動部材92との間には押し出しばね93が介装されている。可動部材92は、押し出しばね93により前方に付勢される。
【0071】
可動部材収納部911の後壁部には、ピン94が左右軸回りに枢支されている。ピン94は、係合部941を備えている。係合部941は、ピン94の被枢支部(後瑞部)とは反対側の端部(前端部)を側方に折り曲げて構成されている。係合部941はハート形溝922にスライド自在に挿入されている。
【0072】
次に、係止手段の動作について説明する。なお、図8(b)は、ストライカ66がラッチ9に係止された係止状態を示している。図8(a)は、ストライカ66がラッチ9に係止されていない係止解除状態を示している。
【0073】
係止状態においては、可動部材収納部911の後部に可動部材92が位置する。この時、ハート形被係合部923の前部の凹所924内にピン94の係合部941が位置し、係合部941がハート形被係合部923に係止される。そのため、可動部材92は前方に移動できなくなる。また、係止爪部921は、押圧面913によって、先端部が上方に移動するように弾性変形させられる。これによって、係止爪部921がストライカ66の先端部661の前縁で係止される。よって、ストライカ66、ひいては操作卓60が前方に移動できないように基台ユニット8に保持される。
【0074】
係止状態を解除する場合、まず使用者は手で操作卓60を少しだけ後方に押し込む。操作卓60が後方に押し込まれると、可動部材92はストライカ66の先端部661によって後方に押圧される。その結果、可動部材92は、押し出しばね93の付勢力に抗して若干量後方に移動する。これに伴いピン94の係合部941は矢印A1のようにハート形被係合部923から外れる。これによって、可動部材92が後方へ移動可能となる。
【0075】
次に操作卓60の押し込みを止めて手を離す。その後に操作卓60を前方に移動すれば、これに伴い可動部材92は押し出しばね93の付勢力を受けつつ前方に移動する。その結果、図8(a)に示すように、可動部材92は、可動部材収納部911の前部に位置する。この時、ピン94の係合部941は図8(b)の矢印A2に示すようにハート形溝922内を後方に移動する。最終的に、係合部941は、ハート形溝922の後端部の退避凹所925に位置する。
【0076】
図8(a)に示すように、可動部材92が可動部材収納部911の前部に移動すれば、係止爪部921は押圧面913からの押圧力が加わらない状態となる。そのため、係止爪部921は弾性復帰して、先端部がガイド面912側である下側に移動する。これにより係止爪部921とストライカ66の先端部661との係合が解除される。このように本実施形態の厨房装置1では、操作卓60は、いわゆるプッシュオープン式となっている。
【0077】
係止解除状態から係止状態とするには操作卓60を後方に押し込めばよい。操作卓60が後方に押し込まれると、可動部材92はストライカ66の先端部661によって後方に押圧される。そのため、可動部材92は、押し出しばね93の付勢力に抗して後部に移動していき、やがて係止状態となる。また、これに伴いピン94の係合部941は退避凹所925からハート形溝922内を矢印A3、A4に示すように移動し、最終的にハート形被係合部923に係止される。
【0078】
ところで、基台ユニット8は、突出用ばね84(図5参照)と、ダンパ85(図4参照)とを備えている。突出用ばね84は、操作卓60を操作使用位置へ押し出す付勢手段を構成している。ダンパ85は、操作卓60の前後スライド動作の速度緩衝手段を構成している。
【0079】
本実施形態では突出用ばね84として定荷重ばね841が用いられている。定荷重ばね841は、左右のレール支持脚82それぞれの前端部に取り付けられている。定荷重ばね841の基端部はドラム842に接続され、先端部はドラム842より後方に引き出されている。定荷重ばね841の先端部はローラー取付部612の後部下面に接続されている。突出用ばね84は引き出された状態から巻き取り状態に戻ろうとする作用を奏し、これにより操作卓60が前方に押し出される。付勢手段は、操作卓60のケース63の左右両端部それぞれに駆動力を与えるように構成されている。
【0080】
したがって、係止手段すなわちラッチ9による操作卓60の係止を解除すれば、定荷重ばね841の付勢力を受けて操作卓60が自動的に前方にスライドする。そして、図1に示すように操作卓60がキャビネット3の前面から前方に突出する。このように付勢手段を設けたことによって、操作卓60を容易に操作使用位置に位置させることができる。
【0081】
一方、操作卓60を操作ユニット格納部36に格納する場合は、操作卓60を定荷重ばね841の付勢力に抗して後方に押し込めばよい。操作卓60を操作ユニット格納部36に格納すれば、係止手段によって操作卓60が格納位置に保持される。なお、操作卓60を操作ユニット格納部36に格納した際には、操作卓60の前面とキャビネット3の前面とがほぼ面一となるようにしている。
【0082】
また、基台ユニット8は、図3に示すように、2つのアーム保持具86を備えている。アーム保持具86は、基台80上において両レール支持脚82よりも内側の左右2箇所に取り付けられている。各アーム保持具86は、回転体を構成するアーム87を左右軸回りに回転自在に支持するように構成されている。アーム87は、アーム87の一端部から左右両側方に向けて一体に突出する回動軸となるアーム軸871を備えている。アーム保持具86は、アーム軸871を枢支するように構成されている。これにより各アーム87はアーム保持具86に対して回動自在となっている。また、両アーム87の内側方(基台ユニット8の中央側)に突出したアーム軸871同士は連結軸88を介して連結されている。
【0083】
また、アーム87の他端部(アーム軸871とは反対側の端部)には外側方(基台ユニット8の外側)に向けて突出する摺動突起872が一体に形成されている。
【0084】
一方、操作卓60の後部両側端部それぞれにはアーム摺動ガイド67が設けられている。より詳しくは、アーム摺動ガイド67は、図6に示すように、各ローラー取付部612の横片617で構成される底部上に取り付けられている。このアーム摺動ガイド67は操作卓60の対応する側端部の前後動作に応じてアーム87を左右軸回りに回動させる回動手段を構成する。各アーム摺動ガイド67には内側方及び上方に開口する上下に長い摺動溝671が形成されている。各摺動溝671には対応する摺動突起872が上下方向に摺動自在に挿入されている。
【0085】
このため、操作卓60が後方へ移動すると、各ブラケット611に取付けたアーム摺動ガイド67も後方に移動する。つまり、操作卓60の後方への移動時には、各アーム87の摺動突起872は摺動溝671内を上下方向に摺動しつつアーム摺動ガイド67によって後側に押される。そのため、アーム87は後方へ回動する。
【0086】
逆に操作卓60が前方へ移動すると、各アーム87の摺動突起871は摺動溝671内を上下方向に摺動しつつアーム摺動ガイド67によって前側に押される。そのため、アーム87は前方へ回動する。つまり、操作卓60と各アーム87は、アーム摺動ガイド67と摺動突起872で連結されている。これによって、両アーム87が操作卓60の前後のスライド移動に同期して前後に回動する。
【0087】
また、上述したように左右のアーム87は連結軸88で一体に連結されている。これにより、左右両アーム87の回動量が同じとなり、各アーム87がローラーユニット61を移動させる量も左右同じとなるため、操作卓60の両側端部の前後位置が相対的にずれて操作卓60が左右方向に対して傾くことを防止できる。その結果、操作卓60をカウンター4の左右方向と平行にスムーズに前後方向にスライドさせることができる。特に操作卓60を操作ユニット格納部36に格納した状態においては、操作卓60の長手方向を調理台2の前面に対して確実に平行に配置できる。そのため、厨房装置1の外観を向上できる。
【0088】
また、各アーム摺動ガイド67のローラー取付部612に対する取付位置は以下のように前後方向において調節可能である。
【0089】
アーム摺動ガイド67は、図6に示すように、板状の底部672を有している。底部672は、ローラー取付部612の横片617上に載置される。底部672の前後2箇所には、前後に長い長孔673が形成されている。一方、横片617の前後2箇所には、上下に貫通するねじ孔618が形成されている。アーム摺動ガイド67をローラー取付部612に取り付けるには、各長孔673に上方から通したねじ具674をねじ孔618に螺合する。これによって、各ねじ具674の頭部と横片617とで底部672を挟持する。このとき、各長孔673内でのねじ具674の挿通位置を前後方向に調節することで、各アーム摺動ガイド67の取付位置を前後に調節することができる。そのため、両アーム87に係合される操作卓60の左右端における前後方向のずれを調節して、操作卓60を左右方向と平行に配置できる。
【0090】
また、本実施形態におけるアーム摺動ガイド67の摺動溝671は上方に開口している。そのため、操作卓60の取付時に、アーム87の摺動突起872を上方から容易に摺動溝671に挿入できる。
【0091】
また、基台ユニット8の基台80上の左右2箇所の後部には、緩衝手段(ダンパ85)としてのロータリーダンパ851を設けている。各アーム87の外側方に突出したアーム軸871の端部はロータリーダンパ851に接続されている。
【0092】
操作卓60の前後スライド時には、各アーム87は上述したように前後に回動する。ここで、ロータリーダンパ851はアーム87の回動時の抵抗となる。したがって、定荷重ばね841の付勢力により操作卓60が前方に勢いよく突出することを防止できる。そのため、勢いよく突出した操作卓60が使用者に当たったり、他の部材に当たって大きな音が発生したり、破損が生じたりすることを防止できる。
【0093】
ここで、突出用ばね84およびダンパ85は操作ユニット格納部36に格納された操作卓60の突出板645やブラケット611の下方に位置しており、格納状態とした操作ユニット6の前後方向寸法内に配置されている。また、各アーム87もキャビネット3に収納された操作ユニット6の前後方向寸法内で回動する。
【0094】
このように本実施形態では、付勢手段(突出用ばね84)および緩衝手段(ダンパ85)はキャビネット3に収納された操作ユニット6の前後方向寸法内に位置する。よって、操作ユニット6の後方に付勢手段や緩衝手段を配置するための空間を確保する必要がない。その結果、操作ユニット6の前後幅寸法を短くすることができ、その後方空間に余裕が生じる。それゆえ、コンロ5や調理台2の設計の自由度が高くなる。このため調理台2のコンロ5の前方部の前後長さを充分に確保できない場合にも、突出用ばね84により操作卓60を前方に容易に突出させることができ、また、ダンパ85により操作卓60の前後スライド動作を緩和できる。
【0095】
本実施形態では、両アーム87のアーム軸871同士を連結することで、両アーム87の回動を同期させている。つまり、アーム保持具86、アーム87、連結軸88、およびアーム摺動ガイド67によって、一対の移動機構を連動させる連動機構を構成している。本実施形態では、一対の移動機構と、連動機構とによって、操作卓60を前後方向に平行移動させる移動手段が構成されている。このため、操作卓60が平面視で左右方向に対して傾いたり、スライド時にがたついたりすることを防止できる。
【0096】
なお、本実施形態では、アーム87に摺動突起872を設けると共に操作卓60に摺動溝671を設けている。しかしながら、後述の実施形態2のように、操作卓60に摺動突起872を設けると共にアーム87に摺動溝671を形成しても良い。
【0097】
以上述べたように、本実施形態の厨房装置1は、箱体状に形成されたキャビネット3、およびキャビネット3の上面に載置されるカウンター4を有する調理台2を備えている。また、厨房装置1は、カウンター4に設けられた開口40に嵌め付けられカウンター4に組み込まれた状態でキャビネット3の上部空間33に収納されるコンロ5を備えている。さらに、厨房装置1は、コンロ5とは別体に形成されコンロ5の遠隔操作に用いられる操作ユニット6を備えている。操作ユニット6は、横長平板状に形成され、横方向をコンロ5の左右幅方向に沿わせた状態で、カウンター4の手前直下でキャビネット3の上端部前面側に突出設置されている。
【0098】
また、コンロ5は、開口40内に嵌め込まれるコンロ天板51と、該コンロ天板51の下方に懸架されるコンロ本体50とを有している。コンロ天板51は、カウンター4の前端から所定の間隔を有してカウンター4の奥方に後退した位置に配置されている。
【0099】
加えて、コンロ5には、複数の加熱体52が左右方向に並列配置されている。操作ユニット6は、複数の加熱体52の全てに渡り跨る横長状に構成されている
さらに、操作ユニット6は、コンロ5の操作に用いられる矩形箱状の操作器62と、上面が開放されるとともに横長に形成され操作器62を収納するケース63と、キャビネット3に取り付けられケース63を支持する基台ユニット8とを備えている。
【0100】
その上、キャビネット3は、操作器62およびケース63をキャビネット3の前面から取り出し自在になる格納用開口35を有している。基台ユニット8は、操作器62およびケース63を、キャビネット3内の格納位置とキャビネット3前面手前の操作使用位置との間でスライド自在に出没させる移動機構を備えている。
【0101】
したがって、本実施形態の厨房装置1によれば、コンロ5を操作するための操作ユニット6は横長平板状に形成され、カウンター4の手前直下に配置される。そのため、操作ユニット6がコンロ5下の領域を占有する範囲は、カウンター4直下の高さ寸法の小さな部分に抑えることができる。よって、調理台2のキャビネット3におけるコンロ5下空間を有効活用できる。
【0102】
また、操作ユニット6がコンロ5の加熱体52に対応した横幅となり、各加熱体52の制御操作が判り易く行なえる。さらに、操作ユニット6の操作面もカウンター4直下位置であり、従来技術よりも上方になり、その分視認性、操作性も良化している。
【0103】
さらに、コンロ5を奥方へ後退させて配置し、操作ユニット6をキャビネット3で支持することにより、カウンター4直下でも操作ユニット6の操作卓60を出没自在に格納可能な構成を採用できる。この出没自在な構成によって、不使用時に操作卓60を格納でき邪魔にならず、格納時の調理台2正面視の外観意匠性も良好である。
【0104】
加えて、操作器62が操作ユニット6あるいはコンロ5と分離可能となる。そのため、複数の加熱体52それぞれの仕様や位置に係わらずケース63に選択組み付け自在となる。よって、コンロ5の取付作業時や操作器62の取替えなどが容易となる。
【0105】
また、キャビネット3は、操作卓60が調理台2の前面から出入り自在になる格納用開口35を有している。操作ユニット6は、操作卓60を、調理台2内の格納位置と調理台2の前面手前の操作使用位置との間でスライド自在に出没させる移動機構を備えている。そのため、例えばコンロ5を使用しない場合には、操作ユニット6の操作卓60を調理台2内に格納できるから、操作ユニット6が邪魔にならない。また、操作ユニット格納部36をキャビネット3の上端部に設けているから、従来例に比べれば、キャビネット3内において操作ユニット6が邪魔になることがない。よって、キャビネット3内の空間を有効に利用できる。
【0106】
また、操作ユニット6には、複数の加熱体52それぞれに対応する複数の操作器62が設けられている。これら複数の操作器62は、対応する加熱体52の前方に位置するように、左右方向に並べてケース63に収納されている。そのため、コンロ5の加熱体52と操作器62との関係が分かりやすくなる。よって、コンロ5を操作しやすくなる。
【0107】
ところで、本実施形態では、操作卓60を調理台2内に出し入れ自在に格納できるようにしている。しかしながら、操作卓60は必ずしもキャビネット3に格納できるようにする必要はない。すなわち、本発明においては、操作卓60は調理台2の前面側に位置した状態で固定されていてもよい。
【0108】
また、操作器62や遠隔操作器71の操作対象となる機器は、上記の例に限定されず、例えば、電動昇降棚、ガスコンロ、電子レンジ、食器洗浄機、炊飯器等のコンロ5以外のコンロ付厨房装置1用の電気調理器であってもよい。なお、本実施形態では、遠隔操作器71は無線式であり、操作器62は有線式である。しかしながら、このような点は適宜に設定変更自在である。
【0109】
(実施形態2)
本実施形態の厨房装置1の基本的な構成は上記実施形態1の厨房装置1と同様である。したがって、以下の説明では同一の構成については同一の番号を付与して説明を省略し、特徴的な構成についてのみ説明する。
【0110】
本実施形態における操作ユニット6の左右のローラーユニット61は、図9〜図11に示すように、ローラー(以下、本実施形態では、「縦ローラー」と称する)615に加えて、横ローラー619を備えている。
【0111】
本実施形態におけるローラー取付部612は、図12〜図14に示すように、正断面上向きコ字状に形成されている。ローラー取付部612の下面の前後2箇所には左右一対の横ローラー619が上下軸回りに回転自在に取り付けられている。なお、上下軸回りとは、回転中心軸方向が上下方向と平行であることをいう。
【0112】
前側の縦ローラー615と前側の一対の横ローラー619は前後方向において同位置に配置されている。また、後側の縦ローラー615と後側の一対の横ローラー619は前後方向において同位置に配置されている。
【0113】
図13(a),(b)に示すように、ローラー取付部612には、各縦ローラー615を枢支する枢支部680が取り付けられている。この点は実施形態1と同じである。一方、各横ローラー619を枢支する枢支部681はローラー取付部612の底部を貫通する左右に長い長孔(図示せず)を通してローラー取付部612の底部より上方に突出している。ローラー取付部612の底部上にはスライド具682が載置されている。各横ローラー619の枢支部681は、スライド具682に取り付けられている。
【0114】
スライド具682は、図13(b)および図14(a)に示すように、左右に2個配置されている。左側のスライド具682の前後には左側に配置した前後の横ローラー619の枢支部681が取り付けられている。右側のスライド具682の前後には右側に配置した前後の横ローラー619の枢支部681が取り付けられている。両スライド具682の上部前後2箇所同士は、図13(b)に示すように、それぞれ連結ばね683で連結されている。両連結ばね683により両スライド具682およびこれに連結された左右一対の横ローラー619には互いに接近するように付勢力が与えられる。
【0115】
また、各レール支持脚82は、レール(縦ローラー用レール)83に加えて、横ローラー619を前後方向に走行させるためのレール(横ローラー用レール)89を備えている。
【0116】
レール89は対応するローラーユニット61の前後2対の横ローラー619を前後方向に走行させるように構成されている。レール89は縦長の板状に形成されている。レール89は、厚み方向が左右方向に一致するようにして基台80の上面に取り付けられている。レール89の左側面には左側の横ローラー619が接触配置されている。また、レール89の右側面には右側の横ローラー619が接触配置されている。左側の横ローラー619と右側の横ローラー619との間には連結ばね683の付勢力により互いに近づく方向に力が作用している。そのため、左右一対の横ローラー619でレール89が挟持される。この状態で各横ローラー619が上下軸回りに回動することで、ローラーユニット61はレール89に沿って前後方向に移動する。
【0117】
本実施形態では、実施形態1とは逆に、操作卓60に摺動突起872を設けると共にアーム87に摺動溝671を設けている。
【0118】
図11に示すように、摺動突起872は、各ブラケット611のローラー取付部612の縦ローラー615を設けた側と反対側の側面部に設けられている。摺動突起872は、両ローラー取付部612の内側に向けて突出している。一方、摺動溝671は、図15に示すように、アーム軸871側とは反対側のアーム87の端部に形成されている。摺動溝671はアーム87の長さ方向に伸びている。各摺動突起872は対応する摺動溝671内にアーム87の長さ方向に摺動自在に挿入されている。
【0119】
このため、操作ユニット6の後方への移動時には、各ブラケット611の摺動突起872は摺動溝671内をアーム87の長さ方向に摺動しつつアーム87を後側に押す。これによってアーム87は後方へ回動する。
【0120】
逆に、操作卓60の前方への移動時には、各ブラケット611の摺動突起872は摺動溝671内をアーム87の長さ方向に摺動しつつアーム87を前側に押す。これによってアーム87は前方へ回動する。なお、操作卓60の前後スライド時において、摺動突起872は摺動溝671内に対して上下に移動する。
【0121】
また、本実施形態における突出用ばね84は、図15に示すように、定荷重ばね841に代えてねじりばね(ねじりコイルばね)843が用いられている。ねじりばね843は各アーム87に対して一個ずつ設けられている。各ねじりばね842の一端は基台ユニット8の底部(基台80)側に接続され、他端はアーム87のアーム軸871に接続されている。これによって、各ねじりばね843はアーム87が前方に回動するようにアーム87を付勢する。この付勢力を受けて操作卓60が前方にスライドし、操作卓60が調理台2の前面から前方に突出する。
【0122】
以上のべた本実施形態の厨房装置1では、ローラーユニット61が、縦ローラー615に加えて、横ローラー619を備えている。そのため、縦ローラー615のみを備える実施形態1の厨房装置1に比べれば、操作卓60を安定して前後に移動させることができるようになる。
【0123】
(実施形態3)
本実施形態の厨房装置1では、主として操作器62および遠隔操作器71の構成が実施形態1と異なっている。なお、本実施形態の厨房装置1のその他の構成は実施形態1と同様である。よって、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0124】
本実施形態における遠隔操作器71は、図16に示すように、連接部712を備えている。連接部712は、ケース63への収納時に操作器62と隣り合う遠隔操作器71の側面の上端部(上端コーナ部)に設けられている。連接部712は、隣り合う操作器62側に向けて突出するリブ状に形成されている。なお、連接部712は、遠隔操作器71と操作器62との隙間1000を覆い隠すことができる大きさに形成されている。
【0125】
一方、操作器62は凹段部626を備えている。凹段部626は、操作器62の上面においてケース63への収納時に遠隔操作器71側となる端部に凹設されている。この凹段部626は、底面に、連接部712がオーバーハング状に載置されるような形に形成されている。連接部712と凹段部626とのオーバーハング構造によって、隣り合う操作器62と遠隔操作器71との隙間1000が覆い隠される。これによって調理台2内への水の浸入防止が図られている。また、操作器62の上面を含む平面と、連接部712の上面(遠隔操作器71の上面)を含む平面とは同じ高さになるようにしている。
【0126】
また、本実施形態では、遠隔操作器71の左右両側に操作器62が配置される。そのため、遠隔操作器71の左右両側面それぞれの上端部に連接部712が突設されている。そして、操作器621の上面の右端部および操作器622の上面の左端部それぞれに凹段部626が凹設されている。これにより遠隔操作器71の取り出し時に連接部712が妨げとならないようにしている。
【0127】
さらに、図16に示すように、連接部712の先端に雄実部713を突設している。また、凹段部626に雌実部627を凹段部626に凹設している。雌実部627は、雄実部713と凹凸嵌合する形状を有している。すなわち、連接部712と凹段部626とは、雄実部713と雌実部627とを凹凸嵌合させる実構造となっている。これによって、連接部712と凹段部626との目地部の水密性をより向上させることができる。
【0128】
本実施形態では、ケース63に操作器62および遠隔操作器71を取り出し自在に収納している。ここで、取り出しをスムーズに行えるようにするためには、図16に示すように、隣り合う操作器62と遠隔操作器71との間にある程度の隙間1000を確保する必要がある。しかしながら、隙間1000を設けると、隙間1000から調理台2内に水(飛散水や結露水)が浸入しやすくなる。また、操作器62や遠隔操作器71の隙間1000側の部分が汚れやすくなる。その上、隙間1000が上から見えるため美観を損なってしまう。
【0129】
そこで、本実施形態では、上述したように、隣り合う一方の操作器(遠隔操作器71)の上端コーナ部から他方の操作器(操作器62)側に向けて連接部712を突設している。また、他方の操作器の上端コーナ部に連接部712がオーバーハング状に載置される凹段部626を凹設している。これら連接部712と凹段部626とのオーバーハングによって隙間1000を覆い隠すことができる。よって、デザイン性を高めることができる。また、隙間1000からの水の浸入を防ぐことができる。その上、隙間1000部分の汚れを未然に防止できるようになり、掃除の手間を省くことができる。さらに、互いに隣り合う遠隔操作器71の上面と操作器62の上面とが連接部712を介して略面一状に連続した外観を呈するようになる。そのため、外観上の見栄えがきわめて良くなる。
【0130】
ところで、遠隔操作器71は電池交換が必要である。一方、操作器62はコンロ5より給電されるため、電池交換の必要がない。そのため、遠隔操作器71は、操作器62に比べれば、ケース63からの取り出し頻度が高い。そこで、連接部712を遠隔操作器71に設けている。この場合、遠隔操作器71の取り出し時に連接部712が邪魔にならない。そのため、遠隔操作器71の電池交換や掃除等のメンテナンスがスムーズに行える。
【0131】
(実施形態4)
本実施形態の厨房装置1では、操作ユニット6の構成が実施形態1と異なっている。なお、本実施形態の厨房装置1のその他の構成は実施形態1と同様である。よって、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0132】
本実施形態における操作ユニット6のケース63は、実施形態1と同様に、3つの操作器62と、遠隔操作器71とを収納するように構成されている。しかしながら、本実施形態における操作ユニット6は、図17(a),(b)に示すように、遠隔操作器71を収納するためのホルダ(リモートコントローラホルダ、保持ケース)69を備えている。
【0133】
ホルダ69は、左右方向の長さが前後方向の長さよりも長い直方体状に形成されている。また、ホルダ69の前後方向の長さは操作器62の前後方向の長さに等しい。ホルダ69の上面には、遠隔操作器71用の収納部691が形成されている。収納部691には、遠隔操作器71がその正面を上方に臨ませた状態で収納される。
【0134】
収納部691の左右両内側面には、係止爪692が形成されている。遠隔操作器71の左右両外側面には、遠隔操作器71を収納部691に収納したときに、係止爪692が入り込む係止凹所(図示せず)が形成されている。したがって、遠隔操作器71は、係止爪692によって収納部691内に保持される。また、収納部691の底面には、ホルダ69の底部を厚み方向に貫通する貫通孔部693が形成され、ケース63の底面板641にも底面開口646を設けている。貫通孔部693は、人の手指1100あるいは治具(例えば、ドライバなどの工具や、ボールペン、鉛筆のような日用品)を差し込むことができる大きさに形成されている。よって、貫通孔部693を通して収納部691内の遠隔操作器71の下面を押すことができる。このように遠隔操作器71の下面を押して遠隔操作器71を上方に押し上げることで、遠隔操作器71を収納部691から取り出すことができる。このようにホルダ69は、遠隔操作器71を着脱自在に収納するように構成されている。手指1100等で遠隔操作器71の下面を上方に押し上げれば、遠隔操作器71が上方にポップアップする(飛び出す)。
【0135】
したがって、本実施形態によれば、遠隔操作器71のケース63からの取り外しが簡単に行える。そのため、電池交換や掃除などのメンテナンス作業性を向上できる。よって、従来のように遠隔操作器71の上面の外周縁に指を引っ掛けて取り出すという面倒さがなくなる。また、遠隔操作器71の上端縁に遠隔操作器71の外周部に指を引っ掛けるための凹みのような段差を設けたりする必要もない。これによって、遠隔操作器71の上面とホルダ69の上端面とケース63の上端面とを段差のない面一状に形成することができる。そのため、操作ユニット6の見栄えを良くできる。また、遠隔操作器71とホルダ69とケース73のそれぞれの間に隙間が生じないようにできる。そのため、効果的に水の浸入を防止できる。その上、ケース63の底面開口646は水抜き用の排水孔も兼ねることができる。よって、ケース63の底面に前記排水孔を別途設けなくても、ケース63内の排水性を良好にできる。
【0136】
図18は本実施形態の変形例を示している。図18に示す遠隔操作器71は実施形態3とは異なり連接部712を備えていない。代わりに、ホルダ69の上端部に外周フランジ694が形成されている。外周フランジ694は、操作器62の凹段部626の底面に載設されるように構成されている。すなわち、図18に示す例では、外周フランジ694を、凹段部626の底面に載設することで、ホルダ69の外側面と操作器62の外側面との隙間1000を覆い隠すことができる。よって、デザイン性を高めることができる。また、隙間1000からの水の浸入を防ぐことができる。その上、隙間1000部分の汚れを未然に防止できるようになり、掃除の手間を省くことができる。さらに、外観上の見栄えが良くなる。
【0137】
また、外周フランジ694は、ホルダ69の上端部を一周するように形成してもよい。この場合には、ケース63の内周面の上端部に、外周フランジ694を載せる内周凹部(図示せず)を形成する。このようにすれば、ケース63とホルダ69との隙間を覆い隠すことができる。これによって、外観上の見栄えをさらに向上できる。
【符号の説明】
【0138】
1 コンロ付厨房装置
2 調理台
3 キャビネット
33 上部空間
4 カウンター
40 開口
5 コンロ
50 コンロ本体
51 コンロ天板
52 加熱体
6 操作ユニット
62 操作器
63 ケース
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンロを組み込んだコンロ付厨房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術からなる厨房装置の調理台に組み込まれたコンロとしては、例えば、特許文献1に開示されている形態がある。前記特許文献1に開示されたコンロ、およびこれを組み込む調理台とその上部に載置したカウンターにおいては、カウンター上面に露出したコンロ天板が、カウンターの前端近傍から奥方にかけて3口の加熱体や、コンロの排気口を囲んで、カウンターの後端近傍まで拡がって形成されている。前記コンロ天板には、加熱手段の加熱体が手前使用側を一辺とし左右に各1つ、奥に1つの三角形配置で構成されている。
【0003】
また、コンロ本体は、コンロ天板下面から調理台のカウンターに開設した開口を通してその下方にかけて垂下形成されている。コンロの前面部は、カウンターの下方前端に略一致する位置に形成されている。コンロ本体の後端部は、コンロ天板の排気口下よりも後方位置まで延びて、略矩形立体に大容積を以って形成されている。コンロ本体の左右方向中央には、コンロ本体前面側から奥方にかけて貫通して、グリル加熱装置が一体的に組み込み形成されている。
【0004】
さらに、このコンロでは、コンロ前面部の正面視高さ方向中央位置に、当面に設けた開口から、操作盤およびこの前面カバーが前記開口を通じて出没自在になる操作盤を一体的に備えている。この操作盤は、3つの加熱体およびグリル装置を制御する操作ボタンやツマミ、状態表示手段を具備しており、グリル装置を挟んで正面の左右にそれぞれ配置され、グリル装置とほぼ同等の高さ寸法を占有する構成となっている。
【0005】
上記従来技術にかかるコンロは、調理台に組み込んだ場合、加熱体の三角形配置としたコンロ天板がカウンターのコンロ幅内においてカウンター奥行の大部分を占め、コンロ前端部分はカウンターの前端近傍に位置して、コンロ本体に一体的に組み込まれたグリル加熱装置および操作盤は調理台の前面に臨む形態となる。
【0006】
したがって、上記従来技術にかかるコンロを調理台に組み込んだコンロ付厨房装置においては、操作盤がグリル装置の存在と合わせて、カウンター下方の調理台内の上部空間の大部分を占領しており、カウンター下の調理台内空間は、物品収納空間(例えば、調理物品収納空間)としては最大有効活用できていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−24485号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記従来の問題点に鑑みてなされ、本発明の課題は、コンロと操作ユニットの新規な配置構成を提供し、また調理台内の空間を、物品収納スペースとして拡げることができるコンロ付厨房装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るコンロ付厨房装置は、箱体状に形成されたキャビネット、および前記キャビネットの上面に載置されるカウンターを有する調理台を備えている。また、コンロ付厨房装置は、前記カウンターに設けられた開口に嵌め付けられ前記カウンターに組み込まれた状態で前記キャビネットの上部空間に収納されるコンロを備えている。さらに、コンロ付厨房装置は、前記コンロとは別体に形成され前記コンロの遠隔操作に用いられる操作ユニットを備えている。前記操作ユニットは、横長平板状に形成され、横方向を前記コンロの左右幅方向に沿わせた状態で、前記カウンターの手前直下で前記キャビネットの上端部前面側に突出設置されている。
【0010】
この発明によれば、前記コンロを操作するための前記操作ユニットは横長平板状に形成され、前記カウンターの手前直下に配置される。そのため、前記操作ユニットが前記コンロ下の領域を占有する範囲は、前記カウンター直下の高さ寸法の小さな部分に抑えることができる。よって、前記調理台の前記キャビネットにおける前記コンロ下空間を有効活用できる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記開口は前記カウンターにおける前端から所定の間隔を有して奥方に後退した位置に形成されている。前記コンロは、前記開口内に嵌め込まれるコンロ天板と、該コンロ天板の下方に懸架されるコンロ本体とを有している。前記コンロ天板は、前記カウンターの前端から所定の間隔を有して前記カウンターの奥方に後退した位置に配置されている。
【0012】
この好ましい形態によれば、前記カウンター上面において前記コンロ天板の前端よりも前の部分に作業スペースが形成され、調理場所などとして利用できる。
【0013】
また本発明の好ましい形態では、前記コンロには、複数の加熱体が左右方向に並列配置されている。前記操作ユニットは、左右方向において前記複数の加熱体に渡り跨る横長状に構成されている。
【0014】
この好ましい形態によれば、前記コンロと前記操作ユニットとの配置関係が最短動線となるため、前記コンロの使用時や、前記カウンターの前端部分で調理等をしているときでも、前記操作ユニットを操作しやすくなる。
【0015】
この場合、前記操作ユニットは、前記コンロの操作に用いられる矩形箱状の操作器と、前記カウンターの手前直下で前記キャビネットの上端部前面側に突出して上面が開放されるとともに横長に形成され前記操作器を収納するケースとを備えた構成とすることが好ましい。
【0016】
このように構成することで、前記操作器を前記ケースから取り出すことができ、前記操作器の清掃や修理、交換などのメンテナンスが容易になる。
【0017】
またこの場合、前記コンロには、複数の加熱体が左右方向に並列配置され、前記操作ユニットが前記複数の加熱体それぞれに対応する複数の操作器を備え、前記ケースが前記複数の操作器を左右方向に並べて収納するように構成されていると好ましい。
【0018】
このように構成することで、前記コンロの前記加熱体と前記操作器との対応関係が分かりやすく、前記コンロを操作しやすくなる。また、前記複数の操作器をすっきりと前記ケースに収納することができる。
【0019】
さらにこの好ましい形態では、前記コンロ以外の電気機器がコンロ付厨房装置に付設される場合、前記ケースは、その電気機器用の遠隔操作器を着脱自在に格納可能とすると良い。
【0020】
この様に構成することで、前記コンロ以外の電気機器用の前記遠隔操作器を前記コンロの操作器と共に前記ケースに収納できる。そのため、前記遠隔操作器を前記調理台の外部に設置しなくて済む。
【0021】
さらに本発明の好ましい形態では、前記操作ユニットが、前記調理台内に格納可能であり、この格納位置と前記調理台前面手前の操作使用位置との間で前後方向にスライド自在に出没するよう構成されている。
【0022】
この好ましい形態によれば、例えば前記コンロを使用しない場合等には、前記操作ユニットを前記調理台に格納できるから、前記操作ユニットが邪魔にならない。また、コンロ付厨房装置の外観意匠性も向上できる。
【0023】
またこの好ましい形態において、この操作ユニットを前記格納位置から前記操作使用位置へスライド移動させる駆動力を付勢する付勢手段を備えていると好ましい。
【0024】
この発明によれば、前記操作ユニットを前記格納位置から容易に前記操作使用位置に位置させることができる。
【0025】
この場合、前記付勢手段は、前記キャビネットに収納された前記操作ユニットの前後方向寸法内に配置されていることが好ましい。
【0026】
この様に構成することで、前記操作ユニットの後方に前記付勢手段を配置するための空間を確保する必要がない。そのため、前記コンロや前記調理台の設計の自由度が高くなる。
【0027】
さらにこの場合、前記操作ユニットの左右両側の前後スライド移動を連動させる連動機構が設けられており、前記付勢手段は、前記操作ユニットの左右両端部それぞれに駆動力を与えるように構成されていると好ましい。
【0028】
この様に構成することで、前記操作ユニットが平面視で左右方向に対して傾いたり、スライド時にがたついたりすることを防止できる。
【0029】
さらにこの場合において、前記操作ユニットの前後スライド動作の速度緩衝手段を備えていると好ましい。
【0030】
この様に構成することで、前記操作ユニットを前記格納位置から前方へスライド移動させる際に、前記操作ユニットが前記調理台内から急に飛び出すことを抑制できる。また、前記操作ユニットを前記調理台内に格納する際に、前記操作ユニットが奥方へ過度に強く押し込まれて破損してしまうことを抑制できる。
【発明の効果】
【0031】
本発明では、操作ユニットがコンロ下の領域を占有する範囲をカウンター直下の高さ寸法の小さな部分に抑えることができ、これにより調理台内の空間を物品収納スペースとして拡げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】実施形態1のコンロ付厨房装置の斜視図である。
【図2】同上のコンロ付厨房装置の部分断面図である。
【図3】同上における操作ユニットの斜視図である。
【図4】図3にP1で示す部分の拡大図である。
【図5】同上におけるローラーユニットおよびレール支持脚の斜視図である。
【図6】同上におけるアーム摺動ガイドをローラー取付部に取り付ける前の状態を示す斜視図である。
【図7】同上のコンロ付厨房装置を示し、(a)は操作卓を格納した状態を示す斜視図、(b)は同図(a)においてカウンターを外した状態を示す斜視図である。
【図8】同上におけるラッチを示し、(a)は係止解除状態の概略断面図、(b)は係止状態の概略断面図である。
【図9】実施形態2のコンロ付厨房装置における操作ユニットの分解斜視図である。
【図10】同上における操作ユニットの斜視図である。
【図11】図12にP2で示す部分の拡大図である。
【図12】同上における基台ユニットの斜視図である。
【図13】同上におけるローラーユニットおよびレール支持脚を示し、(a)は斜視図、(b)は正面図である。
【図14】同上におけるローラーユニットを示し、(a)は上側からの斜視図、(b)は下側からの斜視図である。
【図15】同上におけるねじりばね、アーム、アーム保持具、ダンパを示す斜視図である。
【図16】実施形態3における操作ユニットの部分説明図である。
【図17】(a)は実施形態4のコンロ付厨房装置の一部を省略した斜視図、(b)は同図(a)にP3で示す部分の拡大図である。
【図18】同上における操作ユニットの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
(実施形態1)
本実施形態のコンロ付厨房装置(以下、厨房装置と略す)1は、図1に示すように、調理台2を備えている。調理台2には、コンロ(焜炉)5と、コンロ5とは別体に形成されコンロ5の遠隔操作に用いられる操作ユニット6とが設けられている。また、レンジフード7が、コンロ5の上方における壁面に固定されている。このレンジフード7が備えている送風機(図示せず)は、この送風機を覆うフードカバー(捕集用天蓋)70に設けられたフード操作部(図示せず)により操作できるほか、レンジフード7用の遠隔操作器71を用いても操作できるように構成されている。
なお、以下の説明では、図1中の矢印F方向を前方向、矢印B方向を後方向、矢印U方向を上方向、矢印D方向を下方向、矢印L方向を左方向、矢印R方向を右方向とする。
【0034】
調理台2は、図1に示すように、台所の床などに設置されるキャビネット(調理台キャビネット)3と、キャビネット3の上面側に設置されるカウンター(天板)4とを有している。
【0035】
キャビネット3は、箱体状に形成されており、その前面および上面は開放されている。キャビネット3の前面側には、図2に示すように、3枚の前板30〜32が取り付けられている。3枚の前板30〜32は上から下へ隣設配置されてキャビネット3の前壁部となる。なお、図1では、下側の前板32を取り外した状態を示している。また、キャビネット3内の上部空間(物品収納部)33は、後述するように上方から開口40を介して組み込まれるコンロ5の収容空間として用いられる。なお、前板30〜32はキャビネット3に前後方向に出し入れ自在に収納した引き出しの前板部で構成しても良い。
【0036】
カウンター4は、平面視で矩形板状に形成されている。カウンター4は、上部空間33を閉塞するようにしてキャビネット3の上面側に設置される。カウンター4の中央部には、矩形状の開口(コンロ開口)40が形成されている。開口40は、コンロ5をカウンター4に組み込むためのものであって、カウンター4の前端から所定の間隔を有してカウンター4の奥方に後退した位置に形成されている。ここで、前記所定の間隔は、カウンター4の上面における開口40よりも前側の領域部分を鍋や皿などを置いて調理するときの作業スペースに利用できる程度の距離である。なお、本実施形態では、カウンター4の前端と開口40との距離が、カウンター4の後瑞と開口40との距離よりも長くなっている。
【0037】
コンロ5は、コンロ本体50と、カウンター4の開口40に嵌め込まれるコンロ天板51とを備えている。コンロ天板51は、例えば、ガラスなどを用いて形成されたガラスプレートである。コンロ本体50は、コンロ天板51の下方に懸架されている。コンロ本体50は、複数(本実施形態では3つ)の加熱出力手段(図示せず)を筐体内に備えている。本実施形態ではコンロ5として、誘導加熱を利用した電磁調理器(IH調理器)が用いられている。このコンロ5では、コンロ天板51において前記加熱出力手段に対応する部位がコンロ本体50による加熱が行える加熱体52となる。
【0038】
このコンロ5は、コンロ天板51をカウンター4の開口40に嵌め込むことでカウンター4に組み込まれる。そして、カウンター4に組み込まれた状態で、キャビネット3の上部空間33に収納される。
【0039】
本実施形態においては、コンロ5の3つの加熱体52が左右方向に沿って並ぶようにして等間隔でコンロ天板51の下面側に設置されている。以下の説明では3つの加熱体52を区別するために、必要に応じて加熱体52を符号521〜523で表す。
【0040】
本実施形態の厨房装置1では、コンロ天板51は、カウンター4の前端から所定の間隔を有してカウンター4の奥方に後退した位置に配置されている。そのため、厨房装置1では、カウンター4の前端部分を調理場所などに利用できる。なお、本実施形態では、コンロ5の好ましい例として電磁調理器を例示しているが、ジュール熱を利用して加熱を行う電気コンロもしくはガスコンロであってもよい。なお、本実施形態ではコンロ5としてグリル加熱装置を具備しないものが使用されている。
【0041】
操作ユニット6は、横長平板状に形成されている。操作ユニット6は、長手方向をコンロ5の左右方向に沿わせた配置で、カウンター4の手前直下でキャビネット3の上端部前面側に突出するよう設置されている。
【0042】
本実施形態における操作ユニット6は、図3に示すように、横長平板状の操作卓(操作盤ユニット)60と、操作卓60の左右両側端面それぞれに取り付けられる一対のローラーユニット61とを備えている。
【0043】
ここで、図9は実施形態2における操作ユニット6の分解斜視図である。しかしながら、本実施形態における操作卓60は実施形態2における操作卓60と同様の構成である。したがって、操作卓60については図9に基づいて説明する。
【0044】
操作卓60は、コンロ5の操作に用いられる操作器(調理用操作器)62と、操作器62を収納するケース(操作器収納ケース)63とを備えている。本実施形態における操作卓60は、3つの操作器62を備えている。以下では、3つの操作器62を区別するために、必要に応じて符号621〜623で表す。
【0045】
また、操作ユニット6は、操作器62およびケース63(すなわち操作卓60)を支持する基台ユニット8を備えている。操作ユニット6はこの基台ユニット8によりキャビネット3に取り付け固定される。なお、図2では、基台ユニット8を簡略化して図示している。本実施形態では、操作ユニット6をキャビネット3に取り付けるために基台ユニット8を連結金具(図示せず)を用いてキャビネット3に固定している。
【0046】
基台ユニット8は、カウンター4の前端部の下方に配置されており、操作卓60を下方から支持するように構成されている。そのため、操作卓60は、キャビネット3内における基台ユニット8とカウンター4の前端部との間の空間34に格納される。また、キャビネット3の第1の前板30の上端部には、操作卓60をキャビネット3の前面から出入り自在にする(つまり、操作卓60のキャビネット3内への出入口となる)格納用開口35が形成されている。格納用開口35は、空間34の前方側領域と連通している。空間34と格納用開口35によって操作ユニット格納部36が構成されている。操作ユニット格納部36には操作卓60が前後方向にスライド自在に格納されるほか、基台ユニット8を含む操作ユニット6全体が収容される。
【0047】
操作ユニット格納部36の上方はカウンター4の前端部によって覆われている。そのため、操作ユニット格納部36に収納された操作ユニット6はカウンター4の前端部の直下に位置する。操作ユニット格納部36の格納用開口35よりも下方の前方は第1の前板30によって覆われている。
【0048】
基台ユニット8は、図3に示すように、その底部において金属製の底部構成材としての基台80を備えている。基台80は、左右方向を長手方向とする矩形板状に形成されている。基台80の前端には前面板81が立設されている。前面板81は、第1の前板30の背面に沿うように設けられている。また、前面板81には、後述する操作器62の接続端子625用の挿通孔811が形成されている。
【0049】
基台80の左右両端部それぞれには、金属製のレール支持脚82が立設されている。各レール支持脚82の上部にはレール83が形成されている。レール83は、正断面で内側方に開口するU字状に形成されている。図4に示すように、レール83の内側開口の上縁には下方に突出する抜止部831が形成されている。同様に、レール83の内側開口の下縁には上方に突出する抜止部831が形成されている。
【0050】
操作ユニット6の操作卓60は、幅(図1における左右方向の長さ)が奥行き(図1における前後方向の長さ)よりも長い横長平板状に形成されている。また、操作ユニット6は、複数の加熱体52の全てに渡り跨る横長状に構成されている。すなわち、操作ユニット6は、左端の加熱体521から右端の加熱体523に渡り跨って位置している。なお、操作ユニット6は、複数(本実施形態では3つ)の加熱体52の全てではなく、いずれかに渡り跨る横長状に構成されていてもよい。
【0051】
操作卓60は、コンロ5の操作時には、図1に示すように、カウンター4の前面に略平行に手前に突出してキャビネット3の前側上端に位置している。そして、操作卓60はコンロ5を操作しないときには、操作ユニット格納部36に格納される。
【0052】
操作器62は、左右方向の長さが前後方向の長さよりも長く、矩形箱状に形成されている。操作器62の上面には、コンロ5を操作するための操作部624が設けられている。操作部624は、例えば、コンロ5を操作する操作スイッチや、操作ボタン、操作ダイヤル、コンロ5の状態を表示する表示部(状態表示部)などにより構成されている。操作器62の後面には、図3に示すように、接続端子625が設けられている。この接続端子625は、コンロ5の加熱体52と電気的に配線接続されている。なお、操作器62は無線で操作信号をコンロ5側へ無線送信するものとすることも可能である。
【0053】
ケース63は、上面が開放され、横長に形成されている。ケース63は、図9に示すように、金属製押出型材(本実施形態では、アルミ押出材)よりなるケース本体64と、合成樹脂製のエンドキャップ65とを備えている。このケース63は、3つの操作器62と、遠隔操作器71とを収納するように構成されている。
【0054】
ケース本体64は、左右方向を長手方向とする長尺の底面板641を有している。本実施形態では、図1に示すように、ケース本体64の左から、操作器621、遠隔操作器71、操作器622、操作器623の順に並べられる。そのため、複数の操作器62は、対応する加熱体52の前方に位置するように、左右方向に沿って並ぶ。また、ケース63における操作器621と操作器622との間の空間が、遠隔操作器71の収納部として用いられる。遠隔操作器71はケース63から着脱自在に収納部に収納されている。ここで、遠隔操作器71をケース63に収納するにあたっては、遠隔操作器71の正面を上方に向けるとともに、正面の長手方向を左右方向に沿わせるようにしている。
【0055】
底面板641の左右両端部それぞれには、エンドキャップ65が固定ねじ651を用いて取り付けられる。
【0056】
底面板641の前後方向の長さは、操作器62の前後方向の長さよりやや長く設定されている。ここで、底面板641の前端には、上方へ突出する前面板642が一体に突設されている。また、底面板641の後端には、上方へ突出する後面板643一体に突設されている。操作器62および遠隔操作器71は、前面板642と後面板643との間に配置される。なお、後面板643には、操作器62の接続端子625を後面側に臨ませるための接続孔644が形成されている。
【0057】
また、後面板643の上端には、後方へ突出する突出板645が一体に突設されている。ここで、ケース本体64における底面板641、前面板642、および後面板643よりなる部位は、側断面(左右方向に直交する面内における断面)が上方に開口するU字状である。
【0058】
ケース63では、底面板641と、前面板642と、後面板643と、一対のエンドキャップ65とで囲まれた、上面が開口した空間が、操作器62および遠隔操作器71の収納スペース(操作器収納部)となる。この収納スペースには、操作器62が上面を外部に臨ませた状態で収納される。
【0059】
そのため、例えば、レンジフード7を操作する場合は、遠隔操作器71をケース63に収納したままその遠隔操作部711の操作ボタンを押すだけでよい。すなわち、遠隔操作器71をケース63に収納したままで、調理台2よりも高い位置に配設されたレンジフード7の受信部701に操作信号を正確に送信できる。これによって、レンジフード7の操作時に、遠隔操作器71をケース63から取り出す手間を省くことができる。特に、天井付近などの高い位置にあるレンジフード7を、手元(レンジフード7よりも低い位置)で遠隔操作できる。そのため、背の低い人や車椅子に乗っている人にとっても操作性がきわめて良好となる。このように、操作ユニット6によって、コンロ5やレンジフード7を個別にコントロールできるため、調理作業の労力や煩雑さを回避できる。これによって、操作の利便性が格段に優れた集中コントロールシステムを実現できる。
【0060】
また、別途ホルダなどを利用して遠隔操作器71を調理台2の外面に取り付ける必要がなくなる。これによって、調理台2の外観がすっきりし、調理台2の外面にホルダを取り付けたことによる美観低下を防止できる。また、遠隔操作器71が邪魔にならなくなる。その上、遠隔操作器71の紛失といった問題も解消できる。
【0061】
また、ケース63の上面開口部631は、操作器62や遠隔操作器71を上方に取り出し可能な大きさである。したがって、操作器62および遠隔操作器71をケース63から取り出し、その配置をユーザの好みに応じて変更できる。また、操作器62および遠隔操作器71の清掃も容易となる。さらに、コンロ5を他機種に変える場合(例えば、コンロ5の規格や数が変わる場合)、その機種に応じた操作器62への交換にも容易に対応できる。このように操作ユニット6はコンロ5の機種の制約を受けないから、汎用性に優れている。なお、取り出し頻度が少ない操作器62は、ケース63の底面板641に対して下方からネジで固定されていても良い。
【0062】
ローラーユニット61は、図4に示すように、金属製のブラケット611を備えている。ブラケット611は、ローラー取付部612と、エンドキャップ固定部613とを有している。エンドキャップ固定部613は、図5に示すように、ローラー取付部612の前端より前方に延出されている。ローラー取付部612は、正断面L字状(前後方向に直交する面内における断面がL字状)に形成されている。ローラー取付部612の縦片614の外側面には、図6に示すように、前後2箇所にローラー615が取り付けられている。ここで、ローラー615は、左右軸回りに回転自在にブラケット611に取り付けられている。なお、左右軸回りとは、回転中心軸方向が左右方向と平行であることをいう。エンドキャップ固定部613は、ローラー取付部612と同様に、正断面L字状に形成されている。エンドキャップ固定部613の縦板部616の外側面はエンドキャップ65の外側面と平行するようにしている。
【0063】
ブラケット611は、縦板部616をエンドキャップ65に取付ねじ652でねじ止めすることで操作卓60に取り付けられる。ブラケット611を操作卓60に取り付けた状態では、図4に示すように、ローラー取付部612は操作卓60の後方に位置する。
【0064】
ローラーユニット61の2個のローラー615は、レール83の内側に収納される。これによって、ローラーユニット61がレール83に対して前後方向に移動自在に取り付けられる。ここで、抜止部831によりレール83からのローラー615の脱落が防止される。
【0065】
操作卓60の左右のローラーユニット61それぞれを基台ユニット8の左右のレール83それぞれに取り付けることで、操作卓60は基台ユニット8に前後方向に移動自在に取り付けられる。本実施形態では、ローラーユニット61とレール83によって操作卓60を前後方向に移動させる移動機構が構成されている。当該移動機構は、操作ユニット6の左右両側それぞれに設けられている。当該移動機構は、操作卓60を、キャビネット3の前面の上端部に位置する操作使用位置(図1に示す位置)と操作ユニット格納部36内に位置する格納位置(図7(a),(b)に示す位置)との間で移動させるように構成されている。
【0066】
ところで、操作ユニット6は、前後スライド自在である操作卓60を格納位置において係脱自在に係止する係止手段を備えている。この係止手段は、操作ユニット格納部36に格納された操作卓60を若干後方に移動させることで操作卓60の係止を解除できるように構成されている。具体的には、係止手段は、図3に示すように、ラッチ9と、ラッチ9に係脱自在に係止されるストライカ66とで構成されている。ラッチ9は、基台ユニット8の基台(取付台)80の左右方向における中央部に設けられている。ストライカ66は、ラッチ9と前後方向で対向するように操作卓60の突出板645に設けられている。ストライカ66は、前後方向を長手方向とする棒状に形成されている。図8(a),(b)に示すように、ストライカ66の先端部661は他部に比べて大きく形成されている。
【0067】
ラッチ9は、図8(a),(b)に示すように、基台ユニット8に固定される固定部材91と、固定部材91に収納される可動部材92とを備えている。
【0068】
固定部材91は前方に開口する可動部材収納部911を備えている。可動部材収納部911は、可動部材92を前後方向にスライド移動自在に収納するように構成されている。可動部材収納部911の底面の前端部にはガイド面912が形成されている。ガイド面912は、後方ほど上方に位置する傾斜面である。可動部材収納部911の底面におけるガイド面912の後方には水平な押圧面913が形成されている。
【0069】
可動部材92は、弾性変形可能な係止爪部921と、ハート形溝922とを備えている。係止爪部921は、斜め下前方に向かって突出する形に形成されている。ハート形溝922は、側面視略ハート形に形成されている。また、可動部材92は、ハート形被係合部923を備えている。ハート形被係合部923は、可動部材92においてハート形溝922で囲まれた部分である。
【0070】
この可動部材収納部911の後壁部と可動部材92との間には押し出しばね93が介装されている。可動部材92は、押し出しばね93により前方に付勢される。
【0071】
可動部材収納部911の後壁部には、ピン94が左右軸回りに枢支されている。ピン94は、係合部941を備えている。係合部941は、ピン94の被枢支部(後瑞部)とは反対側の端部(前端部)を側方に折り曲げて構成されている。係合部941はハート形溝922にスライド自在に挿入されている。
【0072】
次に、係止手段の動作について説明する。なお、図8(b)は、ストライカ66がラッチ9に係止された係止状態を示している。図8(a)は、ストライカ66がラッチ9に係止されていない係止解除状態を示している。
【0073】
係止状態においては、可動部材収納部911の後部に可動部材92が位置する。この時、ハート形被係合部923の前部の凹所924内にピン94の係合部941が位置し、係合部941がハート形被係合部923に係止される。そのため、可動部材92は前方に移動できなくなる。また、係止爪部921は、押圧面913によって、先端部が上方に移動するように弾性変形させられる。これによって、係止爪部921がストライカ66の先端部661の前縁で係止される。よって、ストライカ66、ひいては操作卓60が前方に移動できないように基台ユニット8に保持される。
【0074】
係止状態を解除する場合、まず使用者は手で操作卓60を少しだけ後方に押し込む。操作卓60が後方に押し込まれると、可動部材92はストライカ66の先端部661によって後方に押圧される。その結果、可動部材92は、押し出しばね93の付勢力に抗して若干量後方に移動する。これに伴いピン94の係合部941は矢印A1のようにハート形被係合部923から外れる。これによって、可動部材92が後方へ移動可能となる。
【0075】
次に操作卓60の押し込みを止めて手を離す。その後に操作卓60を前方に移動すれば、これに伴い可動部材92は押し出しばね93の付勢力を受けつつ前方に移動する。その結果、図8(a)に示すように、可動部材92は、可動部材収納部911の前部に位置する。この時、ピン94の係合部941は図8(b)の矢印A2に示すようにハート形溝922内を後方に移動する。最終的に、係合部941は、ハート形溝922の後端部の退避凹所925に位置する。
【0076】
図8(a)に示すように、可動部材92が可動部材収納部911の前部に移動すれば、係止爪部921は押圧面913からの押圧力が加わらない状態となる。そのため、係止爪部921は弾性復帰して、先端部がガイド面912側である下側に移動する。これにより係止爪部921とストライカ66の先端部661との係合が解除される。このように本実施形態の厨房装置1では、操作卓60は、いわゆるプッシュオープン式となっている。
【0077】
係止解除状態から係止状態とするには操作卓60を後方に押し込めばよい。操作卓60が後方に押し込まれると、可動部材92はストライカ66の先端部661によって後方に押圧される。そのため、可動部材92は、押し出しばね93の付勢力に抗して後部に移動していき、やがて係止状態となる。また、これに伴いピン94の係合部941は退避凹所925からハート形溝922内を矢印A3、A4に示すように移動し、最終的にハート形被係合部923に係止される。
【0078】
ところで、基台ユニット8は、突出用ばね84(図5参照)と、ダンパ85(図4参照)とを備えている。突出用ばね84は、操作卓60を操作使用位置へ押し出す付勢手段を構成している。ダンパ85は、操作卓60の前後スライド動作の速度緩衝手段を構成している。
【0079】
本実施形態では突出用ばね84として定荷重ばね841が用いられている。定荷重ばね841は、左右のレール支持脚82それぞれの前端部に取り付けられている。定荷重ばね841の基端部はドラム842に接続され、先端部はドラム842より後方に引き出されている。定荷重ばね841の先端部はローラー取付部612の後部下面に接続されている。突出用ばね84は引き出された状態から巻き取り状態に戻ろうとする作用を奏し、これにより操作卓60が前方に押し出される。付勢手段は、操作卓60のケース63の左右両端部それぞれに駆動力を与えるように構成されている。
【0080】
したがって、係止手段すなわちラッチ9による操作卓60の係止を解除すれば、定荷重ばね841の付勢力を受けて操作卓60が自動的に前方にスライドする。そして、図1に示すように操作卓60がキャビネット3の前面から前方に突出する。このように付勢手段を設けたことによって、操作卓60を容易に操作使用位置に位置させることができる。
【0081】
一方、操作卓60を操作ユニット格納部36に格納する場合は、操作卓60を定荷重ばね841の付勢力に抗して後方に押し込めばよい。操作卓60を操作ユニット格納部36に格納すれば、係止手段によって操作卓60が格納位置に保持される。なお、操作卓60を操作ユニット格納部36に格納した際には、操作卓60の前面とキャビネット3の前面とがほぼ面一となるようにしている。
【0082】
また、基台ユニット8は、図3に示すように、2つのアーム保持具86を備えている。アーム保持具86は、基台80上において両レール支持脚82よりも内側の左右2箇所に取り付けられている。各アーム保持具86は、回転体を構成するアーム87を左右軸回りに回転自在に支持するように構成されている。アーム87は、アーム87の一端部から左右両側方に向けて一体に突出する回動軸となるアーム軸871を備えている。アーム保持具86は、アーム軸871を枢支するように構成されている。これにより各アーム87はアーム保持具86に対して回動自在となっている。また、両アーム87の内側方(基台ユニット8の中央側)に突出したアーム軸871同士は連結軸88を介して連結されている。
【0083】
また、アーム87の他端部(アーム軸871とは反対側の端部)には外側方(基台ユニット8の外側)に向けて突出する摺動突起872が一体に形成されている。
【0084】
一方、操作卓60の後部両側端部それぞれにはアーム摺動ガイド67が設けられている。より詳しくは、アーム摺動ガイド67は、図6に示すように、各ローラー取付部612の横片617で構成される底部上に取り付けられている。このアーム摺動ガイド67は操作卓60の対応する側端部の前後動作に応じてアーム87を左右軸回りに回動させる回動手段を構成する。各アーム摺動ガイド67には内側方及び上方に開口する上下に長い摺動溝671が形成されている。各摺動溝671には対応する摺動突起872が上下方向に摺動自在に挿入されている。
【0085】
このため、操作卓60が後方へ移動すると、各ブラケット611に取付けたアーム摺動ガイド67も後方に移動する。つまり、操作卓60の後方への移動時には、各アーム87の摺動突起872は摺動溝671内を上下方向に摺動しつつアーム摺動ガイド67によって後側に押される。そのため、アーム87は後方へ回動する。
【0086】
逆に操作卓60が前方へ移動すると、各アーム87の摺動突起871は摺動溝671内を上下方向に摺動しつつアーム摺動ガイド67によって前側に押される。そのため、アーム87は前方へ回動する。つまり、操作卓60と各アーム87は、アーム摺動ガイド67と摺動突起872で連結されている。これによって、両アーム87が操作卓60の前後のスライド移動に同期して前後に回動する。
【0087】
また、上述したように左右のアーム87は連結軸88で一体に連結されている。これにより、左右両アーム87の回動量が同じとなり、各アーム87がローラーユニット61を移動させる量も左右同じとなるため、操作卓60の両側端部の前後位置が相対的にずれて操作卓60が左右方向に対して傾くことを防止できる。その結果、操作卓60をカウンター4の左右方向と平行にスムーズに前後方向にスライドさせることができる。特に操作卓60を操作ユニット格納部36に格納した状態においては、操作卓60の長手方向を調理台2の前面に対して確実に平行に配置できる。そのため、厨房装置1の外観を向上できる。
【0088】
また、各アーム摺動ガイド67のローラー取付部612に対する取付位置は以下のように前後方向において調節可能である。
【0089】
アーム摺動ガイド67は、図6に示すように、板状の底部672を有している。底部672は、ローラー取付部612の横片617上に載置される。底部672の前後2箇所には、前後に長い長孔673が形成されている。一方、横片617の前後2箇所には、上下に貫通するねじ孔618が形成されている。アーム摺動ガイド67をローラー取付部612に取り付けるには、各長孔673に上方から通したねじ具674をねじ孔618に螺合する。これによって、各ねじ具674の頭部と横片617とで底部672を挟持する。このとき、各長孔673内でのねじ具674の挿通位置を前後方向に調節することで、各アーム摺動ガイド67の取付位置を前後に調節することができる。そのため、両アーム87に係合される操作卓60の左右端における前後方向のずれを調節して、操作卓60を左右方向と平行に配置できる。
【0090】
また、本実施形態におけるアーム摺動ガイド67の摺動溝671は上方に開口している。そのため、操作卓60の取付時に、アーム87の摺動突起872を上方から容易に摺動溝671に挿入できる。
【0091】
また、基台ユニット8の基台80上の左右2箇所の後部には、緩衝手段(ダンパ85)としてのロータリーダンパ851を設けている。各アーム87の外側方に突出したアーム軸871の端部はロータリーダンパ851に接続されている。
【0092】
操作卓60の前後スライド時には、各アーム87は上述したように前後に回動する。ここで、ロータリーダンパ851はアーム87の回動時の抵抗となる。したがって、定荷重ばね841の付勢力により操作卓60が前方に勢いよく突出することを防止できる。そのため、勢いよく突出した操作卓60が使用者に当たったり、他の部材に当たって大きな音が発生したり、破損が生じたりすることを防止できる。
【0093】
ここで、突出用ばね84およびダンパ85は操作ユニット格納部36に格納された操作卓60の突出板645やブラケット611の下方に位置しており、格納状態とした操作ユニット6の前後方向寸法内に配置されている。また、各アーム87もキャビネット3に収納された操作ユニット6の前後方向寸法内で回動する。
【0094】
このように本実施形態では、付勢手段(突出用ばね84)および緩衝手段(ダンパ85)はキャビネット3に収納された操作ユニット6の前後方向寸法内に位置する。よって、操作ユニット6の後方に付勢手段や緩衝手段を配置するための空間を確保する必要がない。その結果、操作ユニット6の前後幅寸法を短くすることができ、その後方空間に余裕が生じる。それゆえ、コンロ5や調理台2の設計の自由度が高くなる。このため調理台2のコンロ5の前方部の前後長さを充分に確保できない場合にも、突出用ばね84により操作卓60を前方に容易に突出させることができ、また、ダンパ85により操作卓60の前後スライド動作を緩和できる。
【0095】
本実施形態では、両アーム87のアーム軸871同士を連結することで、両アーム87の回動を同期させている。つまり、アーム保持具86、アーム87、連結軸88、およびアーム摺動ガイド67によって、一対の移動機構を連動させる連動機構を構成している。本実施形態では、一対の移動機構と、連動機構とによって、操作卓60を前後方向に平行移動させる移動手段が構成されている。このため、操作卓60が平面視で左右方向に対して傾いたり、スライド時にがたついたりすることを防止できる。
【0096】
なお、本実施形態では、アーム87に摺動突起872を設けると共に操作卓60に摺動溝671を設けている。しかしながら、後述の実施形態2のように、操作卓60に摺動突起872を設けると共にアーム87に摺動溝671を形成しても良い。
【0097】
以上述べたように、本実施形態の厨房装置1は、箱体状に形成されたキャビネット3、およびキャビネット3の上面に載置されるカウンター4を有する調理台2を備えている。また、厨房装置1は、カウンター4に設けられた開口40に嵌め付けられカウンター4に組み込まれた状態でキャビネット3の上部空間33に収納されるコンロ5を備えている。さらに、厨房装置1は、コンロ5とは別体に形成されコンロ5の遠隔操作に用いられる操作ユニット6を備えている。操作ユニット6は、横長平板状に形成され、横方向をコンロ5の左右幅方向に沿わせた状態で、カウンター4の手前直下でキャビネット3の上端部前面側に突出設置されている。
【0098】
また、コンロ5は、開口40内に嵌め込まれるコンロ天板51と、該コンロ天板51の下方に懸架されるコンロ本体50とを有している。コンロ天板51は、カウンター4の前端から所定の間隔を有してカウンター4の奥方に後退した位置に配置されている。
【0099】
加えて、コンロ5には、複数の加熱体52が左右方向に並列配置されている。操作ユニット6は、複数の加熱体52の全てに渡り跨る横長状に構成されている
さらに、操作ユニット6は、コンロ5の操作に用いられる矩形箱状の操作器62と、上面が開放されるとともに横長に形成され操作器62を収納するケース63と、キャビネット3に取り付けられケース63を支持する基台ユニット8とを備えている。
【0100】
その上、キャビネット3は、操作器62およびケース63をキャビネット3の前面から取り出し自在になる格納用開口35を有している。基台ユニット8は、操作器62およびケース63を、キャビネット3内の格納位置とキャビネット3前面手前の操作使用位置との間でスライド自在に出没させる移動機構を備えている。
【0101】
したがって、本実施形態の厨房装置1によれば、コンロ5を操作するための操作ユニット6は横長平板状に形成され、カウンター4の手前直下に配置される。そのため、操作ユニット6がコンロ5下の領域を占有する範囲は、カウンター4直下の高さ寸法の小さな部分に抑えることができる。よって、調理台2のキャビネット3におけるコンロ5下空間を有効活用できる。
【0102】
また、操作ユニット6がコンロ5の加熱体52に対応した横幅となり、各加熱体52の制御操作が判り易く行なえる。さらに、操作ユニット6の操作面もカウンター4直下位置であり、従来技術よりも上方になり、その分視認性、操作性も良化している。
【0103】
さらに、コンロ5を奥方へ後退させて配置し、操作ユニット6をキャビネット3で支持することにより、カウンター4直下でも操作ユニット6の操作卓60を出没自在に格納可能な構成を採用できる。この出没自在な構成によって、不使用時に操作卓60を格納でき邪魔にならず、格納時の調理台2正面視の外観意匠性も良好である。
【0104】
加えて、操作器62が操作ユニット6あるいはコンロ5と分離可能となる。そのため、複数の加熱体52それぞれの仕様や位置に係わらずケース63に選択組み付け自在となる。よって、コンロ5の取付作業時や操作器62の取替えなどが容易となる。
【0105】
また、キャビネット3は、操作卓60が調理台2の前面から出入り自在になる格納用開口35を有している。操作ユニット6は、操作卓60を、調理台2内の格納位置と調理台2の前面手前の操作使用位置との間でスライド自在に出没させる移動機構を備えている。そのため、例えばコンロ5を使用しない場合には、操作ユニット6の操作卓60を調理台2内に格納できるから、操作ユニット6が邪魔にならない。また、操作ユニット格納部36をキャビネット3の上端部に設けているから、従来例に比べれば、キャビネット3内において操作ユニット6が邪魔になることがない。よって、キャビネット3内の空間を有効に利用できる。
【0106】
また、操作ユニット6には、複数の加熱体52それぞれに対応する複数の操作器62が設けられている。これら複数の操作器62は、対応する加熱体52の前方に位置するように、左右方向に並べてケース63に収納されている。そのため、コンロ5の加熱体52と操作器62との関係が分かりやすくなる。よって、コンロ5を操作しやすくなる。
【0107】
ところで、本実施形態では、操作卓60を調理台2内に出し入れ自在に格納できるようにしている。しかしながら、操作卓60は必ずしもキャビネット3に格納できるようにする必要はない。すなわち、本発明においては、操作卓60は調理台2の前面側に位置した状態で固定されていてもよい。
【0108】
また、操作器62や遠隔操作器71の操作対象となる機器は、上記の例に限定されず、例えば、電動昇降棚、ガスコンロ、電子レンジ、食器洗浄機、炊飯器等のコンロ5以外のコンロ付厨房装置1用の電気調理器であってもよい。なお、本実施形態では、遠隔操作器71は無線式であり、操作器62は有線式である。しかしながら、このような点は適宜に設定変更自在である。
【0109】
(実施形態2)
本実施形態の厨房装置1の基本的な構成は上記実施形態1の厨房装置1と同様である。したがって、以下の説明では同一の構成については同一の番号を付与して説明を省略し、特徴的な構成についてのみ説明する。
【0110】
本実施形態における操作ユニット6の左右のローラーユニット61は、図9〜図11に示すように、ローラー(以下、本実施形態では、「縦ローラー」と称する)615に加えて、横ローラー619を備えている。
【0111】
本実施形態におけるローラー取付部612は、図12〜図14に示すように、正断面上向きコ字状に形成されている。ローラー取付部612の下面の前後2箇所には左右一対の横ローラー619が上下軸回りに回転自在に取り付けられている。なお、上下軸回りとは、回転中心軸方向が上下方向と平行であることをいう。
【0112】
前側の縦ローラー615と前側の一対の横ローラー619は前後方向において同位置に配置されている。また、後側の縦ローラー615と後側の一対の横ローラー619は前後方向において同位置に配置されている。
【0113】
図13(a),(b)に示すように、ローラー取付部612には、各縦ローラー615を枢支する枢支部680が取り付けられている。この点は実施形態1と同じである。一方、各横ローラー619を枢支する枢支部681はローラー取付部612の底部を貫通する左右に長い長孔(図示せず)を通してローラー取付部612の底部より上方に突出している。ローラー取付部612の底部上にはスライド具682が載置されている。各横ローラー619の枢支部681は、スライド具682に取り付けられている。
【0114】
スライド具682は、図13(b)および図14(a)に示すように、左右に2個配置されている。左側のスライド具682の前後には左側に配置した前後の横ローラー619の枢支部681が取り付けられている。右側のスライド具682の前後には右側に配置した前後の横ローラー619の枢支部681が取り付けられている。両スライド具682の上部前後2箇所同士は、図13(b)に示すように、それぞれ連結ばね683で連結されている。両連結ばね683により両スライド具682およびこれに連結された左右一対の横ローラー619には互いに接近するように付勢力が与えられる。
【0115】
また、各レール支持脚82は、レール(縦ローラー用レール)83に加えて、横ローラー619を前後方向に走行させるためのレール(横ローラー用レール)89を備えている。
【0116】
レール89は対応するローラーユニット61の前後2対の横ローラー619を前後方向に走行させるように構成されている。レール89は縦長の板状に形成されている。レール89は、厚み方向が左右方向に一致するようにして基台80の上面に取り付けられている。レール89の左側面には左側の横ローラー619が接触配置されている。また、レール89の右側面には右側の横ローラー619が接触配置されている。左側の横ローラー619と右側の横ローラー619との間には連結ばね683の付勢力により互いに近づく方向に力が作用している。そのため、左右一対の横ローラー619でレール89が挟持される。この状態で各横ローラー619が上下軸回りに回動することで、ローラーユニット61はレール89に沿って前後方向に移動する。
【0117】
本実施形態では、実施形態1とは逆に、操作卓60に摺動突起872を設けると共にアーム87に摺動溝671を設けている。
【0118】
図11に示すように、摺動突起872は、各ブラケット611のローラー取付部612の縦ローラー615を設けた側と反対側の側面部に設けられている。摺動突起872は、両ローラー取付部612の内側に向けて突出している。一方、摺動溝671は、図15に示すように、アーム軸871側とは反対側のアーム87の端部に形成されている。摺動溝671はアーム87の長さ方向に伸びている。各摺動突起872は対応する摺動溝671内にアーム87の長さ方向に摺動自在に挿入されている。
【0119】
このため、操作ユニット6の後方への移動時には、各ブラケット611の摺動突起872は摺動溝671内をアーム87の長さ方向に摺動しつつアーム87を後側に押す。これによってアーム87は後方へ回動する。
【0120】
逆に、操作卓60の前方への移動時には、各ブラケット611の摺動突起872は摺動溝671内をアーム87の長さ方向に摺動しつつアーム87を前側に押す。これによってアーム87は前方へ回動する。なお、操作卓60の前後スライド時において、摺動突起872は摺動溝671内に対して上下に移動する。
【0121】
また、本実施形態における突出用ばね84は、図15に示すように、定荷重ばね841に代えてねじりばね(ねじりコイルばね)843が用いられている。ねじりばね843は各アーム87に対して一個ずつ設けられている。各ねじりばね842の一端は基台ユニット8の底部(基台80)側に接続され、他端はアーム87のアーム軸871に接続されている。これによって、各ねじりばね843はアーム87が前方に回動するようにアーム87を付勢する。この付勢力を受けて操作卓60が前方にスライドし、操作卓60が調理台2の前面から前方に突出する。
【0122】
以上のべた本実施形態の厨房装置1では、ローラーユニット61が、縦ローラー615に加えて、横ローラー619を備えている。そのため、縦ローラー615のみを備える実施形態1の厨房装置1に比べれば、操作卓60を安定して前後に移動させることができるようになる。
【0123】
(実施形態3)
本実施形態の厨房装置1では、主として操作器62および遠隔操作器71の構成が実施形態1と異なっている。なお、本実施形態の厨房装置1のその他の構成は実施形態1と同様である。よって、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0124】
本実施形態における遠隔操作器71は、図16に示すように、連接部712を備えている。連接部712は、ケース63への収納時に操作器62と隣り合う遠隔操作器71の側面の上端部(上端コーナ部)に設けられている。連接部712は、隣り合う操作器62側に向けて突出するリブ状に形成されている。なお、連接部712は、遠隔操作器71と操作器62との隙間1000を覆い隠すことができる大きさに形成されている。
【0125】
一方、操作器62は凹段部626を備えている。凹段部626は、操作器62の上面においてケース63への収納時に遠隔操作器71側となる端部に凹設されている。この凹段部626は、底面に、連接部712がオーバーハング状に載置されるような形に形成されている。連接部712と凹段部626とのオーバーハング構造によって、隣り合う操作器62と遠隔操作器71との隙間1000が覆い隠される。これによって調理台2内への水の浸入防止が図られている。また、操作器62の上面を含む平面と、連接部712の上面(遠隔操作器71の上面)を含む平面とは同じ高さになるようにしている。
【0126】
また、本実施形態では、遠隔操作器71の左右両側に操作器62が配置される。そのため、遠隔操作器71の左右両側面それぞれの上端部に連接部712が突設されている。そして、操作器621の上面の右端部および操作器622の上面の左端部それぞれに凹段部626が凹設されている。これにより遠隔操作器71の取り出し時に連接部712が妨げとならないようにしている。
【0127】
さらに、図16に示すように、連接部712の先端に雄実部713を突設している。また、凹段部626に雌実部627を凹段部626に凹設している。雌実部627は、雄実部713と凹凸嵌合する形状を有している。すなわち、連接部712と凹段部626とは、雄実部713と雌実部627とを凹凸嵌合させる実構造となっている。これによって、連接部712と凹段部626との目地部の水密性をより向上させることができる。
【0128】
本実施形態では、ケース63に操作器62および遠隔操作器71を取り出し自在に収納している。ここで、取り出しをスムーズに行えるようにするためには、図16に示すように、隣り合う操作器62と遠隔操作器71との間にある程度の隙間1000を確保する必要がある。しかしながら、隙間1000を設けると、隙間1000から調理台2内に水(飛散水や結露水)が浸入しやすくなる。また、操作器62や遠隔操作器71の隙間1000側の部分が汚れやすくなる。その上、隙間1000が上から見えるため美観を損なってしまう。
【0129】
そこで、本実施形態では、上述したように、隣り合う一方の操作器(遠隔操作器71)の上端コーナ部から他方の操作器(操作器62)側に向けて連接部712を突設している。また、他方の操作器の上端コーナ部に連接部712がオーバーハング状に載置される凹段部626を凹設している。これら連接部712と凹段部626とのオーバーハングによって隙間1000を覆い隠すことができる。よって、デザイン性を高めることができる。また、隙間1000からの水の浸入を防ぐことができる。その上、隙間1000部分の汚れを未然に防止できるようになり、掃除の手間を省くことができる。さらに、互いに隣り合う遠隔操作器71の上面と操作器62の上面とが連接部712を介して略面一状に連続した外観を呈するようになる。そのため、外観上の見栄えがきわめて良くなる。
【0130】
ところで、遠隔操作器71は電池交換が必要である。一方、操作器62はコンロ5より給電されるため、電池交換の必要がない。そのため、遠隔操作器71は、操作器62に比べれば、ケース63からの取り出し頻度が高い。そこで、連接部712を遠隔操作器71に設けている。この場合、遠隔操作器71の取り出し時に連接部712が邪魔にならない。そのため、遠隔操作器71の電池交換や掃除等のメンテナンスがスムーズに行える。
【0131】
(実施形態4)
本実施形態の厨房装置1では、操作ユニット6の構成が実施形態1と異なっている。なお、本実施形態の厨房装置1のその他の構成は実施形態1と同様である。よって、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0132】
本実施形態における操作ユニット6のケース63は、実施形態1と同様に、3つの操作器62と、遠隔操作器71とを収納するように構成されている。しかしながら、本実施形態における操作ユニット6は、図17(a),(b)に示すように、遠隔操作器71を収納するためのホルダ(リモートコントローラホルダ、保持ケース)69を備えている。
【0133】
ホルダ69は、左右方向の長さが前後方向の長さよりも長い直方体状に形成されている。また、ホルダ69の前後方向の長さは操作器62の前後方向の長さに等しい。ホルダ69の上面には、遠隔操作器71用の収納部691が形成されている。収納部691には、遠隔操作器71がその正面を上方に臨ませた状態で収納される。
【0134】
収納部691の左右両内側面には、係止爪692が形成されている。遠隔操作器71の左右両外側面には、遠隔操作器71を収納部691に収納したときに、係止爪692が入り込む係止凹所(図示せず)が形成されている。したがって、遠隔操作器71は、係止爪692によって収納部691内に保持される。また、収納部691の底面には、ホルダ69の底部を厚み方向に貫通する貫通孔部693が形成され、ケース63の底面板641にも底面開口646を設けている。貫通孔部693は、人の手指1100あるいは治具(例えば、ドライバなどの工具や、ボールペン、鉛筆のような日用品)を差し込むことができる大きさに形成されている。よって、貫通孔部693を通して収納部691内の遠隔操作器71の下面を押すことができる。このように遠隔操作器71の下面を押して遠隔操作器71を上方に押し上げることで、遠隔操作器71を収納部691から取り出すことができる。このようにホルダ69は、遠隔操作器71を着脱自在に収納するように構成されている。手指1100等で遠隔操作器71の下面を上方に押し上げれば、遠隔操作器71が上方にポップアップする(飛び出す)。
【0135】
したがって、本実施形態によれば、遠隔操作器71のケース63からの取り外しが簡単に行える。そのため、電池交換や掃除などのメンテナンス作業性を向上できる。よって、従来のように遠隔操作器71の上面の外周縁に指を引っ掛けて取り出すという面倒さがなくなる。また、遠隔操作器71の上端縁に遠隔操作器71の外周部に指を引っ掛けるための凹みのような段差を設けたりする必要もない。これによって、遠隔操作器71の上面とホルダ69の上端面とケース63の上端面とを段差のない面一状に形成することができる。そのため、操作ユニット6の見栄えを良くできる。また、遠隔操作器71とホルダ69とケース73のそれぞれの間に隙間が生じないようにできる。そのため、効果的に水の浸入を防止できる。その上、ケース63の底面開口646は水抜き用の排水孔も兼ねることができる。よって、ケース63の底面に前記排水孔を別途設けなくても、ケース63内の排水性を良好にできる。
【0136】
図18は本実施形態の変形例を示している。図18に示す遠隔操作器71は実施形態3とは異なり連接部712を備えていない。代わりに、ホルダ69の上端部に外周フランジ694が形成されている。外周フランジ694は、操作器62の凹段部626の底面に載設されるように構成されている。すなわち、図18に示す例では、外周フランジ694を、凹段部626の底面に載設することで、ホルダ69の外側面と操作器62の外側面との隙間1000を覆い隠すことができる。よって、デザイン性を高めることができる。また、隙間1000からの水の浸入を防ぐことができる。その上、隙間1000部分の汚れを未然に防止できるようになり、掃除の手間を省くことができる。さらに、外観上の見栄えが良くなる。
【0137】
また、外周フランジ694は、ホルダ69の上端部を一周するように形成してもよい。この場合には、ケース63の内周面の上端部に、外周フランジ694を載せる内周凹部(図示せず)を形成する。このようにすれば、ケース63とホルダ69との隙間を覆い隠すことができる。これによって、外観上の見栄えをさらに向上できる。
【符号の説明】
【0138】
1 コンロ付厨房装置
2 調理台
3 キャビネット
33 上部空間
4 カウンター
40 開口
5 コンロ
50 コンロ本体
51 コンロ天板
52 加熱体
6 操作ユニット
62 操作器
63 ケース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体状に形成されたキャビネット、および前記キャビネットの上面に載置されるカウンターを有する調理台と、
前記カウンターに設けられた開口に嵌め付けられ前記カウンターに組み込まれた状態で前記キャビネットの上部空間に収納されるコンロと、
前記コンロとは別体に形成され前記コンロの遠隔操作に用いられる操作ユニットとを備え、
前記操作ユニットは、横長平板状に形成され、横方向を前記コンロの左右幅方向に沿わせた状態で、前記カウンターの手前直下で前記キャビネットの上端部前面側に突出設置されていることを特徴とするコンロ付厨房装置。
【請求項2】
前記開口は、前記カウンターにおける前端から所定の間隔を有して奥方に後退した位置に形成され、
前記コンロは、前記開口内に嵌め込まれるコンロ天板と、該コンロ天板の下方に懸架されるコンロ本体とを有し、
前記コンロ天板は、前記カウンターの前端から所定の間隔を有して前記カウンターの奥方に後退した位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載のコンロ付厨房装置。
【請求項3】
前記コンロには、複数の加熱体が左右方向に並列配置され、
前記操作ユニットは、左右方向において前記複数の加熱体に渡り跨る横長状に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコンロ付厨房装置。
【請求項4】
前記操作ユニットは、前記コンロの操作に用いられる矩形箱状の操作器と、前記カウンターの手前直下で前記キャビネットの上端部前面側に突出して上面が開放されるとともに横長に形成され前記操作器を収納するケースとを備えていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載のコンロ付厨房装置。
【請求項5】
前記コンロには、複数の加熱体が左右方向に並列配置され、
前記操作ユニットは、前記複数の加熱体それぞれに対応する複数の操作器を備え、
前記ケースは、前記複数の操作器を左右方向に並べて収納するように構成されていることを特徴とする請求項4記載のコンロ付厨房装置。
【請求項6】
前記コンロ以外の電気機器が付設されたコンロ付厨房装置であって、前記ケースは、前記電気機器用の遠隔操作器を着脱自在に格納可能であることを特徴とする請求項4記載のコンロ付厨房装置。
【請求項7】
前記キャビネットは、前記操作ユニットが、前記調理台内に格納可能であり、この格納位置と前記調理台前面手前の操作使用位置との間で前後方向にスライド自在に出没するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコンロ付厨房装置。
【請求項8】
この操作ユニットを前記格納位置から前記操作使用位置へスライド移動させる駆動力を付勢する付勢手段を備えていることを特徴とする請求項7記載のコンロ付厨房装置。
【請求項9】
前記付勢手段は、前記キャビネットに収納された前記操作ユニットの前後方向寸法内に配置されていることを特徴とする請求項8記載のコンロ付厨房装置。
【請求項10】
前記操作ユニットの左右両側の前後スライド移動を連動させる連動機構が設けられており、
前記付勢手段は、前記操作ユニットの左右両端部それぞれに駆動力を与えるように構成されていることを特徴とする請求項8または9に記載のコンロ付厨房装置。
【請求項11】
前記操作ユニットの前後スライド動作の速度緩衝手段を備えていることを特徴とする請求項7〜10のうちいずれか1項記載のコンロ付厨房装置。
【請求項1】
箱体状に形成されたキャビネット、および前記キャビネットの上面に載置されるカウンターを有する調理台と、
前記カウンターに設けられた開口に嵌め付けられ前記カウンターに組み込まれた状態で前記キャビネットの上部空間に収納されるコンロと、
前記コンロとは別体に形成され前記コンロの遠隔操作に用いられる操作ユニットとを備え、
前記操作ユニットは、横長平板状に形成され、横方向を前記コンロの左右幅方向に沿わせた状態で、前記カウンターの手前直下で前記キャビネットの上端部前面側に突出設置されていることを特徴とするコンロ付厨房装置。
【請求項2】
前記開口は、前記カウンターにおける前端から所定の間隔を有して奥方に後退した位置に形成され、
前記コンロは、前記開口内に嵌め込まれるコンロ天板と、該コンロ天板の下方に懸架されるコンロ本体とを有し、
前記コンロ天板は、前記カウンターの前端から所定の間隔を有して前記カウンターの奥方に後退した位置に配置されていることを特徴とする請求項1記載のコンロ付厨房装置。
【請求項3】
前記コンロには、複数の加熱体が左右方向に並列配置され、
前記操作ユニットは、左右方向において前記複数の加熱体に渡り跨る横長状に構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のコンロ付厨房装置。
【請求項4】
前記操作ユニットは、前記コンロの操作に用いられる矩形箱状の操作器と、前記カウンターの手前直下で前記キャビネットの上端部前面側に突出して上面が開放されるとともに横長に形成され前記操作器を収納するケースとを備えていることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか1項記載のコンロ付厨房装置。
【請求項5】
前記コンロには、複数の加熱体が左右方向に並列配置され、
前記操作ユニットは、前記複数の加熱体それぞれに対応する複数の操作器を備え、
前記ケースは、前記複数の操作器を左右方向に並べて収納するように構成されていることを特徴とする請求項4記載のコンロ付厨房装置。
【請求項6】
前記コンロ以外の電気機器が付設されたコンロ付厨房装置であって、前記ケースは、前記電気機器用の遠隔操作器を着脱自在に格納可能であることを特徴とする請求項4記載のコンロ付厨房装置。
【請求項7】
前記キャビネットは、前記操作ユニットが、前記調理台内に格納可能であり、この格納位置と前記調理台前面手前の操作使用位置との間で前後方向にスライド自在に出没するよう構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のコンロ付厨房装置。
【請求項8】
この操作ユニットを前記格納位置から前記操作使用位置へスライド移動させる駆動力を付勢する付勢手段を備えていることを特徴とする請求項7記載のコンロ付厨房装置。
【請求項9】
前記付勢手段は、前記キャビネットに収納された前記操作ユニットの前後方向寸法内に配置されていることを特徴とする請求項8記載のコンロ付厨房装置。
【請求項10】
前記操作ユニットの左右両側の前後スライド移動を連動させる連動機構が設けられており、
前記付勢手段は、前記操作ユニットの左右両端部それぞれに駆動力を与えるように構成されていることを特徴とする請求項8または9に記載のコンロ付厨房装置。
【請求項11】
前記操作ユニットの前後スライド動作の速度緩衝手段を備えていることを特徴とする請求項7〜10のうちいずれか1項記載のコンロ付厨房装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2010−32197(P2010−32197A)
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−44275(P2009−44275)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年2月12日(2010.2.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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