説明

コンロ付厨房装置

【課題】カウンターの上面より離れた下方の位置に家事調理機器が設けられても、家事調理機器の操作がし易いコンロ付厨房装置を提供する。
【解決手段】カウンター2が載置されてなる調理台3と、カウンター2に形成された開口に嵌め込んで組み付け設置されてなるコンロ4と、コンロ4が設けられた位置よりも下方の空間位置に設けられる家事調理機器5とを備える。コンロ4の操作部6と、家事調理機器5の操作部7とが、コンロ4の前方で且つカウンター2の前端21の直下に、並列して配置されるカウンター2の前操作部22として構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンロおよびコンロ以外の厨房での家事調理を用途とする機器が組み込まれた厨房装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、コンロが組み込まれたコンロ付厨房装置が利用されている。
【0003】
コンロ付厨房装置は、図12に示すように、キャビネット1上面のカウンター2に形成された開口(不図示)にコンロ4の本体が嵌め込まれ、コンロ4の天板42がカウンター2上面に露出するよう組み込み設置されたものである。
【0004】
またキャビネット1の内部もしくはカウンター2の下方の空間には、コンロ4以外に、例えば、オーブン電子レンジ等のコンロ4以外の加熱調理機器や、食器洗浄機等の家事を行う機器が設けられている。なお、上記のカウンター2の下方空間に設けられるコンロ4以外の加熱調理機器や食器洗浄機等を総称して、本発明では、家事調理機器5とする。
【0005】
一般的に家庭用の厨房装置は、カウンター2上面に、不図示の水槽(所謂シンク)とコンロ4の天板42、および調理作業スペースが配置される。また、カウンター2の下方空間には物品収納部、前記天板42と一体的に構成されるコンロ4の本体、コンロ4以外の上記家事調理機器5が、通常コンロ4の下方に配置される。
【0006】
この場合、カウンター2の下方空間に、コンロ4と家事調理機器5とが、上下関係を有して設けられ、家事調理機器5に設けられた操作部500は、カウンター2の上面より離れた下方に位置する。このため、家事調理機器5の操作毎に低姿勢をとる動作が必要となり、カウンター2の前方に立つ使用者にとっては、家事調理機器5の操作、取り扱いがし辛いものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平6−327523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、カウンターの上面より離れた下方の位置に家事調理機器が設けられても、家事調理機器の操作がし易いコンロ付厨房装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のコンロ付厨房装置は、以下のような構成とする。
【0010】
カウンターが載置されてなる調理台と、
前記カウンターに形成された開口に嵌め込んで組み付け設置されてなるコンロと、
前記コンロが設けられた位置よりも下方の空間位置に設けられる家事調理機器と
を備え、
前記コンロの操作部と、
前記家事調理機器の操作部とが、
前記コンロの前方で且つ前記カウンターの前端の直下に、
並列して配置される前記カウンターの前操作部として構成されることを特徴とする。
【0011】
前記カウンターの前記前操作部には、
操作入力部と表示報知部とを備え、
前記コンロおよび前記家事調理機器は、いずれもそれぞれ、
前記操作入力部と前記表示報知部に電気的に信号接続される操作制御部と出力駆動部と駆動制御部とを備えるとともに、
前記コンロおよび前記家事調理機器の前記操作制御部を互いに電気的に信号連携する連動接続部とを備え、
前記連動接続部を介して、
前記コンロもしくは前記家事調理機器の内の一方となる第一の機器の操作入力信号情報を、他方となる第二の機器の前記操作制御部に送り、
さらに前記第二の機器の前記駆動制御部に動作出力信号情報を送ることで、前記第二の機器を駆動させることが好ましい。
【0012】
また、前記コンロの前記操作部と前記家事調理機器の前記操作部とは、前記カウンターの前記前操作部に備えられる単一のユニットケースにともに収納され、且つ、それぞれの前記操作部が収納された状態で前記連動接続部同士が電気的に接続されることが好ましい。
【0013】
また、前記カウンターの前記前操作部は、
前記調理台の前後方向に出没自在に可動格納されることが好ましい。
【0014】
また、前記家事調理機器は、
前面に前記家事調理機器の前記操作部が前方に露出するように、着脱自在に取り付けられる操作部取付部が設けられていることが好ましい。
【0015】
また、前記カウンターの前記前端と、前記コンロの天板の前端との間に、手前調理作業スペースが形成されることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明は、コンロの操作部と家事調理機器の操作部がカウンターの前端の直下に隣接して設けられるため、カウンターの上面より離れた下方の位置に家事調理機器本体が設けられても、使用者がカウンターの下方に身体をかがめて家事調理機器を操作したりすることがなく操作がし易いものである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態のコンロ付厨房装置の斜視図である。
【図2】同上におけるコンロ付厨房装置の断面図である。
【図3】同上における操作ユニットを示し、(a)は斜視図であり、(b)は分解斜視図である。
【図4】操作ユニットが異なる実施形態の断面図である。
【図5】機器の制御系統ブロック図である。
【図6】(a)はユニットケースにコンロの操作部と家事調理機器の操作部を収納する際の説明図であり、(b)は操作部取付部に家事調理機器の操作部を収納した状態の説明図である。
【図7】コンロの操作部と家事調理機器の操作部の正面図である。
【図8】他の実施形態におけるコンロ及び家事調理機器の制御系統ブロック図である。
【図9】同上における第一の操作部と第二の操作部を示し、(a)は正面図であり、(b)はユニットケースにコンロの操作部と家事調理機器の操作部を収納する際の説明図である。
【図10】更に他の実施形態におけるコンロ付厨房装置の斜視図である。
【図11】更に他の実施形態におけるコンロ付厨房装置の斜視図である。
【図12】従来のコンロ付厨房装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基いて説明する。
【0019】
本実施形態のコンロ付厨房装置を図1及び図2に示す。コンロ付厨房装置は、厨房室の床に設置されるキャビネット1と、キャビネット1の上面に設置され天板となるカウンター2とによって構成された調理台3、およびこの調理台3に組込設置されるコンロ4、家事調理機器5によって構成されている。
【0020】
調理台3には、さらに、コンロ4及び家事調理機器5とは別体に形成され、コンロ4及び家事調理機器5の操作に用いられる操作部6,7およびこの操作部6,7の架台となる操作ユニット8が設けられている。
【0021】
キャビネット1は、前面および上面が開放されて矩形箱体状に形成され、前面側には、前板11a等のキャビネット1の前面化粧部11が備わる。
【0022】
前面化粧部11は、上記前板11aの他、キャビネット1の前面を開閉自在に閉塞する扉11bや、キャビネット1に前後方向に出し入れ自在に収納した引き出しの前板部11c等を組み合せて構成される。
【0023】
また、キャビネット1内の上部空間は、カウンター2の上面から下方にかけて組み込まれるコンロ4の収容空間として用いられる。
【0024】
カウンター2は、平面視で矩形板状に形成され、コンロ4を嵌め込み収容する矩形状の開口(不図示)を有して、前記のキャビネット1の上部空間を覆うように、キャビネット1の上面に載置されることで設置される。
【0025】
コンロ4は、カウンター2の開口に嵌め込まれる本体40と、カウンター2の上面に露出するコンロ4の天板42と、カウンター2の前端21の直下に正面手前に向けて配設された、カウンター2の前操作部22を形成するコンロ4の操作部6とで構成される。
【0026】
コンロ4の天板42は、カウンター2の開口を覆うように構成されるもので、例えば、ガラス板などを用いて形成されたプレート状に構成される。コンロ4の本体40は、コンロ4の上方に開口する外殻となるケーシングで、コンロ4の天板42の下方に一体的に懸架される。本体40内には、コンロ4の天板42表面に臨んで、複数(本実施形態では3つ)の電磁誘導加熱出力手段を用いた発熱体を含むコンロの駆動部45、およびマイクロコンピュータ等の電気回路で構成された該駆動部の駆動制御部44(図5参照)が備えられている。
【0027】
本実施形態では駆動部45としての発熱体として、電磁誘導加熱(IH)方式としたが、ガス燃焼バーナーや電気発熱ヒーター、あるいはこれらの混合組み合せであってもよい。
【0028】
コンロ4の天板42は、カウンター2の開口を覆って、カウンター2の上面に載置され、コンロ4の天板42の厚み分のみ露出して、カウンター2の上面より突設されるものが一般的である。
【0029】
前記のコンロ4の天板42は、この厚み分を含めて、カウンター2の開口に完全に埋設され、コンロ天板の42の上面と、カウンター2の上面が、ほぼ同じ高さ位置関係を備えるものであってもよい。
【0030】
コンロ4は、図1に示すように、カウンター2の前端21から所定の間隔Sを有して、カウンター2の奥方に後退した位置に配置されている。
【0031】
ここで、前記所定の間隔Sは、カウンター2の上面におけるコンロ4の天板42の前端からカウンター2の前端21にかけての領域部分とされる。間隔Sは、鍋や皿、調理食材の仮置き場所、あるいは鍋の取っ手がカウンター2の前端21から突出しないこと等を目的効果として、調理を行うときの手前調理作業スペースとして利用できる寸法に設定され、例えば10〜25cmの範囲で設定されるのが好ましい。
【0032】
コンロ4の操作部6は、コンロ4の本体40あるいはコンロ4の天板42とは別体で、遠隔操作部として設けられ、図5に示すように、操作制御部60、操作入力部61、表示報知部62とを備えている。この操作部6は、単一の箱体筐体状(後述の操作器ケース6c)に組立構成され、架台となる操作ユニット8に組込収容されて、カウンター2の前端21直下の位置に配設されカウンター2の前操作部22となる。
【0033】
このようにコンロ4の手前に調理作業スペースが確保され、操作部6がコンロ4の手前のカウンター2の前端21の直下に設けられてカウンター2の前操作部22として構成されると、前記手前調理作業スペースが最大限活用できる。更に、コンロ4の操作部6と家事調理機器5の操作部7が並列配置されていると、加熱調理や配膳作業等の行為と、コンロ4や家事調理機器5の機器操作行為とが立位姿勢の腰位置高さでの上方からの視線作業となる。その結果、双方の機器に対して、概ね同じ高さ位置の操作行為動作として、作業動線上の連続的動作ができ、コンロ4付の調理台3としての全体的な調理作業性は、優れたものとなる。
【0034】
家事調理機器5は、コンロ4とは別の単独機器で、コンロ4よりも下方の空間位置に設けられ、例えばオーブン電子レンジや食器洗浄機といったコンロ4以外の加熱調理目的、あるいは調理清掃片付け目的の機器等であり、本実施形態ではオーブン電子レンジとする。
【0035】
家事調理機器5は、本体50と、操作部7とで構成される。
【0036】
本実施形態では、家事調理機器5の操作部7は、本体50の上部、およびカウンター2の前操作部22のいずれもの位置へ、任意に着脱自在に組込み設置可能となることを特徴とする。
【0037】
操作部7は、図5に示すように、操作制御部70、操作入力部71、表示報知部72を内部に備え、単一の箱体筐体状(後述の操作器ケース7c)に組立構成される。
【0038】
家事調理機器5の本体50は、図2,図5に示すように、食品の加熱庫51と、高周波発振装置やヒーター等(不図示)の加熱出力手段と、加熱出力手段を含む駆動部55、マイクロコンピュータ等の電気回路で構成された駆動制御部54を備える。
【0039】
また、加熱庫51の前面側に開口52が形成され、開口52を開閉自在に閉塞するドア53が設けられる。
【0040】
さらに、本体50の上部前面に、操作部7を着脱自在に組込み格納可能に形成された操作部取付部57が備えられて、独立単一筐体として構成される。
【0041】
図2に示すように、前記家事調理機器5の操作部7が前方に露出するように着脱自在に取り付け可能に形成された操作部取付部57は、家事調理機器5の本体50の前面の開口52の上に位置し、前方に開口する凹所として形成される
操作部7は、前述の通り、単一箱体の操作器ケース7cで外殻が形成され(図6(a)参照)、前記の凹所(操作部取付部57)に前面側から着脱自在に嵌め込み装着することができる。
【0042】
操作部7は、装着時の保持ロックおよび開放離脱時のリリース機構を操作部取付部57および操作器ケース7cに有している(詳細不図示)。
【0043】
さらに、操作部取付部57内には、家事調理機器5の操作制御部70と、家事調理機器5の駆動制御部54とを電気的に着脱自在に形成され、かつ電気的に信号接続可能であって、接続機構的に凸設された係合部となる操作部連結部59が備えられる。
【0044】
一方、操作部7(操作器ケース7c)には、前記の凸設された操作部連結部59に相対係合するように凹設した連動接続部73(詳細後述)が形成され、前記の操作部連結部59との間で、電気的信号接続が可能なように、電気接点が構成されている。
【0045】
これによって、前述の単一筐体に形成された操作部7が、操作部取付部57に装着された状態では、構造的に自ずと操作部取付部57の操作部連結部59と操作部7の連動接続部73が接合状態をなす。そして、家事調理機器5の操作制御部70と駆動制御部54は、電気的に信号接続され、家事調理機器5の運転が可能となる。
【0046】
よって、この状態で、家事調理機器5は単独で運転使用することができる。
【0047】
さらに、操作部7は、操作部取付部57から取り外されることで、家事調理機器5の本体50とは別体の遠隔式として、詳細後述する操作ユニット8に組み込まれ、カウンター2の前操作部22として、カウンター2の前端21直下の位置に配設可能となる。
【0048】
これにより、家事調理機器5の操作部7が家事調理機器5の本体50に取り付けられての使用および取り外されての使用の両方について、構造的な着脱と、電気的接続開放の双方が単一取扱で行なえる。
【0049】
なお、前記の操作部連結部59は、後述の連動接続部63,73のような凹凸接続形状ではなく、一般的なワイヤーハーネスと接続自在なコネクターが操作部57と本体50に供えられたものであってもよい。
【0050】
さらには、家事調理機器5の操作部7が家事調理機器5の本体50から取り外され、カウンター2の前操作部22に移設されて使用される場合、操作部取付部57に、取り外された部分の開口を前面側から覆う化粧板58が取り付けられて、不要となる開口が閉塞され、家事調理機器5の本体50の前面の一部として構成され、外観正面視の見栄えを良くするようにしている。
【0051】
なお、操作部7を操作部取付部57へ装着した形態では、家事調理機器5は、単独機器として、コンロ4下方の空間に留まらず、任意の位置に組込み設置使用可能であることは、述べるまでもない。
【0052】
コンロ4および家事調理機器5の操作部6,7の架台となる操作ユニット8は、図2、3に示すように、コンロ4の本体40の前方で、カウンター2の前端21側の下方に位置する。操作ユニット8は、ユニットケース80と、キャビネット1本体に設けられる基台12と、ユニットケース80に設けられるローラーユニット85、及び基台12に設けられるレール15とで構成される。
【0053】
ユニットケース80は、コンロ4の操作部6と家事調理機器5の操作部7、あるいはその他レンジフード等のコンロ4や家事調理機器5以外の厨房用機器(不図示)の操作部(不図示)を収納するものである。ユニットケース80は、上方及び左右方向に開口する金属製押出型材(本実施形態では、アルミ押出材)よりなるケース本体82と、前記ケースの左右開口をそれぞれ閉塞する一対の合成樹脂製のエンドキャップ83と、で構成される。ケース本体82は、左右方向を長手方向とする長尺の底面板82aを有しており、底面板82aの左右両端部それぞれには、エンドキャップ83が固定ねじ83aにより取り付けられる。
【0054】
キャビネット1本体に設けられるユニットケース80を前後動作させるにあたって固定側となる基台12は、左右方向を長手方向とする矩形板状に形成され、前端21に立設される前面板13がキャビネット1の前板11aの背面に沿うように設けられている。
【0055】
基台12の左右両端部それぞれには、金属製のレール支持脚14が立設されると共に、各レール支持脚14の上部にレール15が設けられる。
【0056】
レール15は、正断面で内側方に開口するU字状に形成されており、その内部に、ユニットケース80に設けられるローラーユニット85が収納される。
【0057】
ローラーユニット85は、正断面L字状(前後方向に直交する面内における断面がL字状)に形成される金属製のブラケット86に、ローラー取付部87と、ローラー取付部87の前端21より前方に延出されるエンドキャップ固定部88とが形成され、縦板部をエンドキャップ83に取付ねじ86aでねじ止めすることでケース本体82に取り付けられる。
【0058】
ローラー取付部87の縦片の外側面には、前後2箇所に、左右軸回りに回転自在なローラー89が取り付けられている。なお、左右軸回りとは、回転中心軸方向が左右方向と平行であることをいう。
【0059】
ローラーユニット85の2個のローラー89は、レール15との摺動嵌合をなし、ローラーユニット85がレール15に対して前後方向に移動自在となる。
【0060】
また、操作ユニット8は、前後スライド自在であるユニットケース80を後方の格納位置において係脱自在に係止する係止手段を備えている。
【0061】
この係止手段は、ユニットケース80を格納位置から若干後方に押し込むことでユニットケース80の係止を解除できる。
【0062】
具体的には図3に示すように、係止手段は、ラッチ16と、ラッチ16に係脱自在に係止される先端が膨大部となるストライカ84とで構成されている。
【0063】
ラッチ16は、基台12の左右方向における中央部に設けられ、ストライカ84は、ラッチ16と前後方向で対向するようにユニットケース80に設けられている。
【0064】
上記のようなユニットケース80に、コンロ4の操作部6、家事調理機器5の操作部7が収納されることで、前後に出没自在なカウンター2の前端21直下の操作部すなわちカウンター2の前操作部22が形成される。
【0065】
なお、ユニットケース80は、上述したような水平方向の直線移動動作式の形態に限定されるものではない。ユニットケース80は、例えば図4に示すように、カウンター2の前端21の直下の前板11aの一部がその下端側が回転軸となり上端側が前方に回動されて開かれる、所謂カンガルーポケット800のようなものでもよい。
【0066】
また、ユニットケース80は、カウンター2の前端21の直下において常時前方に突出する固定式、すなわちカウンター2下方内への格納が不可能な構成であってもよい。
【0067】
コンロ4および家事調理機器5の各操作部6,7は、図5、7に示すように、操作入力部61,71と、表示報知部62,72と、操作制御部60,70と、連動接続部63,73を備え、それぞれ、上面が操作使用面となる単一の独立した操作器ケース6c,7cに収納される(図6(a)参照)。本実施形態では、操作入力部61,71はスイッチ・ボリューム等からなり、表示報知部62,72は液晶表示盤やランプ・ブザー等からなり、操作制御部60,70はマイクロコンピュータ等からなるが、これらの構成は特に限定されない。
【0068】
図6に示すように、前記のユニットケース80の上方から、コンロ4の操作部6,家事調理機器5の操作部7(各操作器ケース6c,7c)が順に挿嵌載置されることで、各操作部6,7は、並列配置にて一体的となる操作ユニット8として形成される。
【0069】
操作入力部61からの操作入力信号は操作制御部60へ、同じく操作入力部71からの操作入力信号は同じく操作制御部70に、それぞれ伝送される。また、各々の操作制御部60、70からは、表示出力信号が、前記それぞれの表示報知部62、72へ伝送され、各表示報知部62、72が動作する。
【0070】
コンロ4、家事調理機器5のそれぞれの操作制御部60,70は、各々、本体40、50側に設けられた駆動制御部44,54と電気的に相互に信号接続されている。そして、操作入力部61,71からの操作入力信号は、操作制御部60,70を介して、コンロ4、家事調理機器5のそれぞれの駆動制御部44,54が、駆動制御情報をそれぞれの駆動部45,55に伝達することによって、それぞれの機器は運転出力される。また、駆動部45,55の出力状態等は、駆動制御部44,54に応答としてフィードバックされる。
【0071】
以上の構成により、コンロ4の操作部6,家事調理機器5の操作部7は、ともに、コンロ4の本体40,家事調理機器5の本体50との間で、有線もしくは無線手段によって電気的に信号接続された状態となる。
【0072】
つまり、前記のコンロ4の操作制御部60と駆動制御部44との間、もしくは、前記の家事調理機器5の操作制御部70と駆動制御部54との間のそれぞれで、操作制御部60(操作制御部70)からは、動作出力信号が送られる。また、駆動制御部44(駆動制御部54)からは、応答情報信号が送られることで、入力〜駆動動作〜応答表示報知の制御系統が形成される。
【0073】
図7に示すように、コンロ4の操作部6の操作入力部61としては、コンロ4の運転/停止スイッチ61a、温度/時間設定スイッチ61bと、増減設定矢印キー61b1、調理設定スイッチ61c、加熱調節つまみ61d〜61fが設けられている。温度/時間設定スイッチ61bは、加熱温度やタイマー時間の設定のため、調理設定スイッチ61cは、調理機能や調理メニューの選択のため、加熱調節つまみ61d〜61fは、各加熱部43の加熱/停止と加熱量の設定のためのものである。
【0074】
家事調理機器5の操作部7の操作入力部71としては、家事調理機器5の運転/停止スイッチ71a、温度/時間設定スイッチ71bと、増減設定矢印キー71b1、調理設定スイッチ71c、加熱の開始スイッチ71d、取消スイッチ71eが設けられている。温度/時間設定スイッチ71bは加熱温度やタイマー時間を設定するため、調理設定スイッチ71cは調理メニューを選択するため、のものである。
【0075】
図7に示すように、コンロ4の表示報知部62は、運転/停止ランプ(運転/停止スイッチ61aと同体構成)や、温度/時間(タイマー)設定や、「湯沸し」や「揚げ物」等のコンロ加熱調理設定、その他の異常エラーの表示報知をおこなう液晶等やブザー・スピーカー等によって構成される。
【0076】
また、前記のコンロ4の表示報知部62では、コンロ使用中を示す「コンロ」表示に加えて、後述する「電子レンジ」/「オーブン・グリル」等の家事調理機器5の機能選択設定が液晶等によって表示可能となっている。
【0077】
家事調理機器5の表示報知部72は、コンロ4と同じく、運転/停止ランプ(運転/停止スイッチ71aと同体で構成)や、温度/時間(タイマー)設定や、「電子レンジ」/「オーブン・グリル」等の機能選択設定、「ごはん」や「燗」、「解凍」等の調理メニュー設定、およびその他の異常エラーの表示報知をおこなう液晶等やブザー・スピーカー等によって構成される。
【0078】
また、コンロ4の操作部6と家事調理機器5の操作部7は、それぞれ図5、6に示すようにコンロ4の操作制御部60と家事調理機器5の操作制御部70とを電気的に信号接続するための連動接続部63,73を備えている。
【0079】
連動接続部63,73は、操作部6,7をそれぞれ収納する操作器ケース6c,7cの底部にあって、図5、図6に示すように、コンロ4の連動接続部63は、操作器ケース6cの側端底面に対して凸設部を備えている。家事調理機器5の連動接続部73は、操作器ケース7cの同じく側端底面に対して凹設部を備えている。そして、コンロ4の操作器ケース6cの側端底部にあって上方向きの接続端子63aを露出凹設させた部位と、家事調理機器5の操作器ケース7cの側端底部にあって下方向きの接続端子73aを露出凸設させた部位が、凹凸組み合わせされる。これにより、操作器ケース6c,7c(操作部7,6)相互がまたがる状態となり、双方の接続部が上下に重ね合わされることで電気的に接続される。
【0080】
つまり、操作部6,7のユニットケース80への並列順位組み付けにより、自ずと操作制御部60,70は、連動接続部63,73を介して相互に電気的に接続され、操作部6,7の分離開放によって、前記の電気的な接続は開放される。
【0081】
なお、連動接続部63,73は、上述の如く操作器ケース6c,7cの収容組込と同時に電気接続される構成に限定されることはなく、例えばワイヤーハーネス等を用いて、操作入力部61、71及び表示報知部62、72が設けられた露出面以外の部分で接続がなされるコネクター接続式等であってもよい。
【0082】
また、前述の家事調理機器5の操作部連結部59(凸設)と、コンロ4の操作部6の連動接続部63(凸設)を同形状とすることで、家事調理機器5の操作部7は、家事調理機器5の本体50にある操作部取付部57に収納して用いる場合と、操作ユニット8に収納して用いる場合の両方が、任意に選択可能となる。
【0083】
なお、コンロ4の連動接続部63と家事調理機器5の連動接続部73の凹凸部形状、家事調理機器5の操作部連結部59と連動接続部73の凹凸形状は、いずれも、本実施の形態に示す構成に限定されない。また、連動接続部63と連動接続部73、操作部連結部59と連動接続部73は、電気的な信号接続が可能な構成であれば、例えば、面接触での信号回路接続や、無線等を介した非接触通信手段を用いたものであってもよく、その種類を問わない。
【0084】
また本発明においては、コンロ4の操作部6と家事調理機器5の操作部7は、連動接続部63,73にて接続された状態で、操作制御部70は、コンロ4の操作部6で入力された操作情報に基づいて前記家事調理機器5の本体50に指令を送ることができる。つまりコンロ4と家事調理機器5の連動操作および駆動ができるものであり、以下に説明する。
【0085】
コンロ4の操作部6と家事調理機器5の操作部7とが連動接続部63,73にて接続されると、コンロ4(本実施形態では第一の機器)、家事調理機器5(本実施形態では第二の機器)の操作制御部60,70が相互の接続を電気的に認識する。そして、それぞれの操作制御部60,70は、コンロ4,家事調理機器5の操作入力部61,71や表示報知部62,72において、それぞれの一部もしくは全部の機能や動作を、制限もしくは不動作とする連動設定制御をおこなう。
【0086】
この制御によって、第一の機器の操作部から、第二の機器の操作制御部を経て、第二の機器の駆動制御部への動作出力を行なうことで、第二の機器が駆動される。
【0087】
また、第二の機器の駆動部の状態について、第二の駆動制御部から出力される応答情報を、第一の機器の操作制御部に反映させることができ、第二の機器の状態を第一の機器の表示報知部に出力する。
【0088】
具体的には、前記の連動制御状態では、操作制御部70は家事調理機器5の操作部7の温度/時間設定スイッチ71bと、調理設定スイッチ71cの操作入力を受け付けなくする。
【0089】
家事調理機器5での加熱にあたって、温度や時間を設定するには、コンロ4の操作部6の温度/時間設定スイッチ61bと調理設定スイッチ61cとで設定し、家事調理機器5での加熱は開始スイッチ71dにより行い、加熱の停止は取消スイッチ71eにて行う。
【0090】
設定時間や設定温度は、家事調理機器5の操作部7の表示報知部72には表示されず、コンロ4の操作部6の表示報知部62に集約移管して表示され、家事調理機器5の操作部7側の温度/時間設定スイッチ71b、及び調理設定スイッチ71cの入力が受け付けられない旨の報知を行う。
【0091】
そして家事調理機器5の操作部7の運転/停止スイッチ71aがオンの状態では、コンロ4の操作部6の温度/時間設定スイッチ61bと調理設定スイッチ61cとで設定された入力信号は、家事調理機器5の操作部7の操作制御部70に送信され、該操作制御部70から家事調理機器5の駆動制御部54に送信されて、家事調理機器5が運転される。
【0092】
またこの時、家事調理機器5に対して設定された温度/時間設定情報は、コンロ4の操作部6の表示報知部62にのみ表示される。
【0093】
さらに、家事調理機器5として表示報知される「電子レンジ」/「オーブン・グリル」等の機能選択設定、「ごはん」や「燗」、「解凍」等の調理メニュー設定についても、コンロ4の表示報知部62に集約して行なわれてもよく、この場合、家事調理機器5の操作部7は、運転/停止を示す状態や異常エラーの表示報知に留めることも好適である。
【0094】
また、コンロ4、家事調理機器5が共に消費電力が大きな電気機器である場合、両方の機器を同時に使用すると、電気容量制限を超えることがある。
【0095】
この弊害を解消するために、前述の連動制御は、第一,第二の機器を併せて総合的に優先順位の高い調理機能を使用可能とし、それ以外の機能を選択した場合に、動作制限が成される等の制御を備えることも可能である。
【0096】
具体例としては、家事調理機器5のオーブン調理や解凍中などは、コンロ4の火力が制限される、コンロ4での「揚げ物」調理中は、オーブンや電子レンジ機能の一部が制限され、総合的に電流量を抑制するなどが挙げられる。
【0097】
以上の連動制御による一部機能の制限は、加熱調理作業全体を通して優先順位が自ずと決定されるもので、調理作業性を大きく低下することには至らず、コンロ4と家事調理機器5を併せた厨房設備としての性能は、より高いものとなる。
【0098】
なお、本実施形態では、コンロ4の発熱体数が3口であって、主な加熱調理手段がコンロ4となるので、第一の機器がコンロ4であり、第二の機器が家事調理機器5である。また、例えば、コンロ4の発熱体の口数が少なく、従となる加熱調理形態として使用されるなどの場合には、第一と第二の関係は、前記の逆であってもよい。
【0099】
上述したように本実施形態においては、コンロ4の操作部6と家事調理機器5の操作部7がカウンター2の前端21の直下に隣接して設けられている。これにより、カウンター2の上面より離れた下方の位置に家事調理機器5が設けられても、使用者がカウンター2の下方に身体をかがめて操作したりする必要がなく操作がし易いものである。
【0100】
また、単一のユニットケース80にコンロ4の操作部6と家事調理機器5の操作部7とが収納されることで、統一感のある集合操作部とすることができる。
【0101】
なお、コンロ4の操作部6と家事調理機器5の操作部7とは、単一のユニットケース80に収納される必要はない。すなわち、別個のユニットケースに分離配設されてもよく、相互のユニットケースに備わる各操作部6・7は、配線ハーネス等によって電気的に接合されることも可能である。
【0102】
また、第二の機器の操作部(家事調理機器5の操作部7)の操作制御部(操作制御部70)が、第一の機器の操作部(コンロ4の操作部6)で入力された操作情報に基づいて第二の機器の本体(家事調理機器5の本体50)の駆動制御部(駆動制御部54)に動作出力の情報を送って駆動部(駆動部55)を駆動させている。このため、主に第一の機器の操作部から入力操作すればよく、より一層の統一感がでるとともに、隣接した類似機能を有する機器の操作や表示について、可能な限りの重複輻輳を回避し、操作性を向上させるものである。
【0103】
次に、他の実施形態について図8乃至図9に基づいて説明する。
【0104】
本実施形態では、家事調理機器5の操作部7は、それぞれ別体となる2つの構成体として、主操作部7Aと副操作部7Bとで構成される。副操作部7Bは、家事調理機器5の本体50に一体的に組み付けされる。主操作部7Aは、図8に示すように、上記実施形態と同様に、本体50の上部に備わる操作部取付部57に着脱自在に格納されると共に、本体50から開放離脱して、操作ユニット8に格納収容して、コンロ4の操作部6と接続されて構成される。
【0105】
主操作部7Aは、図9に示すように、操作入力部71Aとして、運転/停止スイッチ71aと、加熱の開始スイッチ71d、ならびに取消スイッチ71eを有し、表示報知部72Aとして、点灯消灯動作をおこなう運転/停止ランプ72aが運転/停止スイッチ71aと同体に構成されている。また主操作部7Aは、家事調理機器5の機能設定を示す「電子レンジ」/「オーブン」等の表示や調理メニュー選択、温度/時間設定の表示を統合的におこなう液晶表示盤72bが備えられる。
【0106】
一方、副操作部7Bは、操作入力部71Bとして、温度/時間設定スイッチ71bとその加減送り矢印キー71b1、調理機能および調理設定スイッチ71cのみを備える。
【0107】
主操作部7Aと副操作部7Bは、図6に示す上記実施形態の連動接続部63,73、操作部連結部59の構成と同様に電気信号接続部を備えている。主操作部7Aには、前述の連動接続部73形状の如く、凹設形成した主連結部73aが形成され、副操作部7Bには、前述の操作部連結部59形状の如く、凸設形成した副連結部73bがそれぞれ形成される。そして、これらの主連結部73a、副連結部73bそれぞれに、電気的な信号接続部(接続端子)が備えられ、これらの信号接続部が主操作部7Aと副操作部7Bとの間を相互に電気的に信号接続され接続開放自在となる主副接続部となる。
【0108】
また、主操作部7Aは、操作制御部70を備えている。操作制御部70は、主操作部7Aと副操作部7Bとが主連結部73aと副連結部73bとの結合によって、電気的に接続された状態で副操作部7Bの操作入力部71Bからの入力信号を認識し、家事調理機器5は、操作部7が家事調理機器5と一体になった状態で、運転することができる。
【0109】
一方、主操作部7Aは、操作ユニット8に収納装着され、コンロ4の操作部6と接続することができる。主操作部7Aと副操作部7Bの結合が解かれ、主連結部73a、副連結部73bの電気的な信号接続部が開放されたことを、操作制御部70が認識し、副操作部7Bの操作入力部71B(温度/時間設定スイッチ71b、調理設定スイッチ71c)の入力情報信号は、操作制御部70ひいては、家事調理機器5の駆動制御部54に受け付けられなくなる。
【0110】
一方、操作ユニット8内で、家事調理機器5の主操作部7Aとコンロ4の操作部6とが、連動接続部63および主連結部73aにて電気的に信号接続されると、操作制御部70は、副操作部7Bの操作入力部71Bからの入力信号の代わりにコンロ4の操作部6の温度/時間設定スイッチ61bと調理設定スイッチ61cからコンロ4の操作制御部60を経た入力信号情報を受け付けるようになる。
【0111】
これによって、上記実施形態と同じく、操作制御部70は、コンロ4の操作制御部60からの温度/時間設定スイッチ61bと調理設定スイッチ61cからの入力信号に基づいて駆動制御部54に動作出力信号の情報を送信したり、表示報知部72Aに信号出力することで、表示や報知が行われる。
【0112】
駆動制御部54が前記動作出力信号の情報を受信すると、前記情報に基づいて駆動部55を駆動し、家事調理機器5を連動運転する。
【0113】
本実施形態においては、図1乃至図7に示す実施形態において得られる効果と同様の効果が得られるのに加えて、図1乃至図7に示す実施形態においては操作入力を受け付けなくなるスイッチを、本実施形態においては副操作部7Bに分離したため、使用者に対して、スイッチ操作機能が受け付けられない旨の報知をわざわざ行う必要がなく、更に操作性が向上する。
【0114】
この場合、コンロ4の操作部6に接続連結される家事調理機器5の操作部7が主操作部7Aのみでよく、操作ユニット8の小型化を図ることもできる。
【0115】
なお、図示しないが、主操作部7Aが副操作部7Bと分離された場合、家事調理機器5の本体50に残された副操作部7Bに隣接する主操作部7Aが離脱した部分の前面側には、図1に示すように、化粧板58が用いられ、家事調理機器5の正面外観としてもよい。
【0116】
次に、更に他の実施形態について図10に基づいて説明する。
【0117】
なお、図1乃至図7に示す実施形態と同じ構成については説明を省略し、主に異なる構成について説明する。
【0118】
本実施例においては、家事調理機器5の操作部7は、元々、本体50とは別体の遠隔式操作部として独立してカウンター2の前端21直下にある操作ユニット8に備えられる。つまり、図1乃至図7に示す実施形態に示すものとは異なり、家事調理機器の本体50に操作部取付部57を設けない構成となっている。したがって、家事調理機器5の本体50の前面は略全面に亘って加熱庫51、およびその開口52とドア53が形成される。
【0119】
本実施形態においては、図1乃至図7に示す実施形態において得られる効果と同様に、各機器4,5の制御の連動による効果が得られるのに加えて、図1乃至図7に示す実施形態における操作部取付部57が不要となり、従って化粧板58が不要となる。さらには、家事調理機器5の高さ寸法において、加熱庫51の容積の拡大、逆にいえば、家事調理機器5のコンパクト化が可能となる。
【0120】
次に、更に他の実施形態について図11に基づいて説明する。
【0121】
本実施形態では、家事調理機器5が食器洗浄機であり、家事調理機器5の本体50としての引出式に出没格納自在になる食器の洗浄槽56と、前記の洗浄槽56の前面側に備わる前記引出の前板としてのドア53、およびこれらを収容するボデー(不図示)、洗浄駆動部(不図示)および駆動制御部(不図示)から構成される。
【0122】
前記家事調理機器5の操作部は、図8に示す実施例と同様に、家事調理機器5の操作部7は、元々家事調理機器5の本体50とは別体として備えられる。
【0123】
家事調理機器5の本体50においては、前面の上端部に、引出式の洗浄槽56の取っ手や空気取り入れ口が形成され、家事調理機器5の操作部7の大きさあるいは取っ手の操作性の観点から、本体50のドア53に前記操作部7を設けることは、好ましくない。
【0124】
このため、本実施形態におけるように家事調理機器5の操作部7を家事調理機器5の本体50とは別体として設けられている。これにより、前述したような制約を受けず、またカウンター2の上面よりも離れた下方の位置に家事調理機器5の操作部7が位置するのを回避することができる。
【0125】
本実施形態においては、コンロ4と家事調理機器5の、操作制御部60,70の同士の接続により、電源入/切、タイマー運転機能、運転状態の表示報知等について、第一の機器(コンロ4)もしくは第二の機器(家事調理機器5)の不動作化が行なわれ、いずれか一方の機器への集約を行なうことができる。
【0126】
また、前述の様に、コンロ4と家事調理機器5の総合的な電流容量制限となる連動制御が行なわれると、コンロ4を用いる加熱調理作業から、家事調理機器5を用いる後片付け洗浄作業にかけて、順に工程が移行する過程にあって、一方の機器の使用運転機能制限が合理的に行なえる。
【0127】
よって、コンロ4と家事調理機器5のそれぞれの操作部6,7の入力・表示報知にあって、使用制限およびその表示報知が、カウンター2の前端21位置に並列に配置された操作部6,7によって、手元の位置で、使用者に使用制限等の情報を明瞭に伝達することができて好適である。
【0128】
なお、全ての実施の形態にあって、コンロ4の操作部6と家事調理機器5の操作部7とは単一のユニットケース80に収納されず、独立して出没自在となるようにしてもよい。
【0129】
上述したように、コンロ4の本体40はその加熱部43を備えたコンロ4の天板42が、カウンター2上に露出するように設けられ(図2参照)、また、カウンター2のコンロ4の本体40の側方の部分にはシンク(不図示)が設けられる。カウンター2の左右間口寸法が大きなものでない限り一般的には、加熱調理機器を位置的に集約することになり、また、カウンター2の間口が狭い場合などには家事調理機器5はコンロ4の本体40の下方に設けられることになる。
【0130】
すなわち、コンロ4の下方に、オーブン電子レンジ、食器洗浄機を配置することは、厨房装置全体の容積効率を向上させることについて好適である。さらに、本願実施例に示す家事調理機器5の操作部7が、調理台面近傍の高さ位置にあって操作性に優れることと併せて、厨房装置の利便性は格段に向上することになる。
【0131】
また、ユニットケース80に操作部6,7が収納されることで、統一感のある集合操作部とすることができ、厨房装置全体の意匠性も高められる。
【符号の説明】
【0132】
1 キャビネット
11 前壁部
2 カウンター
21 前端
3 調理台
4 コンロ
42 コンロ天板
43 加熱部
5 家事調理機器
50 家事調理機器の本体
53 扉
6 コンロの操作部
61 操作入力部
62 表示報知部
63 連動接続部
7 家事調理機器の操作部
71 操作入力部
72 表示報知部
73 連動接続部
8 操作ユニット
80 ユニットケース
6c,7c操作器ケース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カウンターが載置されてなる調理台と、
前記カウンターに形成された開口に嵌め込んで組み付け設置されてなるコンロと、
前記コンロが設けられた位置よりも下方の空間位置に設けられる家事調理機器と
を備え、
前記コンロの操作部と、
前記家事調理機器の操作部とが、
前記コンロの前方で且つ前記カウンターの前端の直下に、
並列して配置される前記カウンターの前操作部として構成されることを特徴とするコンロ付厨房装置。
【請求項2】
前記カウンターの前記前操作部には、
操作入力部と表示報知部とを備え、
前記コンロおよび前記家事調理機器は、いずれもそれぞれ、
前記操作入力部と前記表示報知部に電気的に信号接続される操作制御部と出力駆動部と駆動制御部とを備えるとともに、
前記コンロおよび前記家事調理機器の前記操作制御部を互いに電気的に信号連携する連動接続部とを備え、
前記連動接続部を介して、
前記コンロもしくは前記家事調理機器の内の一方となる第一の機器の操作入力信号情報を、他方となる第二の機器の前記操作制御部に送り、
さらに前記第二の機器の前記駆動制御部に動作出力信号情報を送ることで、前記第二の機器を駆動させることを特徴とする請求項1記載のコンロ付厨房装置。
【請求項3】
前記コンロの前記操作部と前記家事調理機器の前記操作部とは、前記カウンターの前記前操作部に備えられる単一のユニットケースにともに収納され、且つ、それぞれの前記操作部が収納された状態で前記連動接続部同士が電気的に接続されることを特徴とする請求項1乃至2のいずれか1項に記載のコンロ付厨房装置。
【請求項4】
前記カウンターの前記前操作部は、
前記調理台の前後方向に出没自在に可動格納されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のコンロ付厨房装置。
【請求項5】
前記家事調理機器は、
前面に前記家事調理機器の前記操作部が前方に露出するように、着脱自在に取り付けられる操作部取付部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のコンロ付厨房装置。
【請求項6】
前記カウンターの前記前端と、前記コンロの天板の前端との間に、手前調理作業スペースが形成されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のコンロ付厨房装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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