説明

コーティングのインライン塗布

コーティングした医療器具を形成する方法を記載する。コーティングを、切断および二次操作の前に、押出し形成した連続管にインラインで塗布し得る。したがって、個々の管をコーティング用に調製することに関連する非効率的かつ手間のかかるステップが回避され得る。本方法には、流動可能な物質を押出し機の出口に押し通すこと、管を出口に押し通した後、押出管の連続長の少なくとも一部分上にコーティングを付着させること、コーティングを置いた後にコーティングした管を所望の長さに切断すること、および約15℃〜約375℃の範囲の温度でコーティングした管に1つまたは複数の二次操作を行うことが含まれ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許文書は、米国特許法第119条第(e)項の下、本明細書中に参考として援用されている2006年2月9日出願の米国特許仮出願第60/771,652号の出願日の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、医療器具の製造に関し、より詳細には、コーティングした医療器具の製造に関する。
【背景技術】
【0003】
特定の利点または機能性を提供するためにコーティングを医療器具に塗布し得る。たとえば、コーティングは、医療器具の表面の潤滑性を増大させるかつ/または生物活性(bioactive)物質のレザーバとして役割を果たし得る。
【0004】
カテーテルは、コーティングから利益を受け得る医療器具の一例である。カテーテルとは、体腔または血管内に挿入して診断または治療目的のために所望の部位まで操縦され得る、細長い柔軟な管状器具である。摩擦、血栓症、組織損傷、組織接着、および/または他の効果を最小限にするために、カテーテルの表面を滑らかなコーティング剤でコーティングすることが有益であり得る。カテーテルが治療目的を有する場合は、生物活性剤を含有および放出する能力を有するコーティングを塗布することが望ましい可能性がある。
【0005】
慣習的に、カテーテルなどの医療器具にコーティングを塗布することには、いくつかの手間のかかる加工および取扱いステップが伴う。慣用の一プロセスでは、コーティングを塗布する前に連続長の押出管を1つまたは複数の管に切断し得る。それぞれの管は、コーティングを塗布する前にさらに形成または接合の操作を受け得る。コーティングプロセス中にコーティングが管の内核すなわちルーメン内に浸透することを防ぐために、それぞれの管の末端内に栓を挿入し得る。それぞれの栓をした管を、コーティングを塗布するためにコーティングタンクに移すための固定具上に配置し得る。コーティングを塗布した後、それぞれの栓をした管を、固定具および栓を取り外すために別の場所に移し得る。さらに、取り外した栓は、生産に戻す前にコーティング残留物を排除するための洗浄プロセスを受け得る。それぞれの管から栓を挿入および取り外すこと、それぞれの管を固定具上に配置して取り外すこと、ならびに栓を洗浄することは、通常は手動で実施する。大容量製造環境では、毎月数十万個以上の管がそのような取扱いを必要とし得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、コーティングした医療器具を生産するプロセスの全体的効率は、手間のかかる加工および取扱いステップを排除することによって向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書中に記載の方法は、コーティングした医療器具を形成する慣用方法を越える利点を提供し得る。本方法では、どの切断または二次操作よりも前に、押出し形成した連続管にコーティングをインラインで塗布する。コーティングするための個々の管の加工および取扱いに関連する非効率的な手間のかかるステップ(たとえば、それぞれの管の末端に栓をするステップ、固定具内に装荷するステップ)が回避され、したがって、より合理化された製造プロセスがもたらされ得る。
【0008】
本方法は、コーティングの塗布後に実施する二次操作(たとえば、接合および/または形成の操作)が、コーティングの完全性もしくは品質を実質的に損なわせず、コーティングした管と別の構造体との間の有効かつ信頼性のある接合の形成を妨げない場合に、可能である。そのような二次操作は、コーティングした管から移植可能または挿入可能な医療器具を形成するために必要であり得る。本方法は、短時間で硬化し得るコーティング配合物でも有利である。
【0009】
一実施形態によれば、本方法には以下のステップ、すなわち、流動可能な物質を押出し機の出口に押し通すことによって、連続長の押出管を形成するステップと;管を出口に押し通した後、押出管の連続長の少なくとも一部分上にコーティングを付着させることによって、連続的なコーティングした管を形成するステップと;
コーティングを付着させた後にコーティングした管を所望の長さに切断することによって、コーティングした管を形成するステップと;約15℃〜約375℃の範囲の温度でコーティングした管に1つまたは複数の二次操作を行うことによって、コーティングした医療器具を形成するステップとが含まれる。コーティングを付着させるステップは、連続的な形態で押出し機の出口から伸びる管の全長に、任意選択の冷却装置によって実施し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図に示す流れ図は、一実施形態による本方法のステップを特定する。最初に、流動可能な物質を押出し機の出口に押し通して連続長の押出管を形成し得る(110)。次に、押出管を、たとえば液体槽に通すことによって冷却し得る(120)。その後、押出管を、たとえば温風送風機を用いて乾燥させ得る(130)。次のステップでは、コーティングを押出管の少なくとも一部分上に付着させてコーティングした管を形成し得る(140)。コーティングした管は、硬化ステップをさらに受け得る(150)。コーティングを付着させた後、コーティングした管を所望の長さに切断して、遠位端および近位端を有する1つまたは複数のコーティングした管を形成し得る(160)。最後に、約15℃〜約375℃の範囲の温度でコーティングした管に二次操作を行って、コーティングした医療器具を形成し得る170。
【0011】
流動可能な物質を押出し機の出口に押し通して連続長の押出管を形成するステップは、当分野で知られている慣用の押出し装置を用いて実施し得る。流動可能な物質は、押し出すことができる任意の物質であり得る。好ましくは、物質には、たとえば、ポリアミド(たとえばナイロン)、熱可塑性炭化フッ素(たとえばフルオロエチレン−プロピレン(FEP))、ポリエーテルブロックアミド(PEBA)、ポリオレフィン、ポリイミド、ポリウレタン、またはポリ塩化ビニル(PVC)などの、1つまたは複数のポリマーが含まれ得る。一実施形態によれば、ポリマーはナイロンである。物質が押し出される速度は、たとえば、以下に記載する管の寸法および硬化時間などの下流のプロセス変数に応じて、広範に変化し得る。
【0012】
押し出すことができる管の任意の部位を、本明細書中に記載の方法を用いてコーティングし得る。たとえば、押出管の外径は、約0.1mm〜約60mmの範囲であり得る。より好ましくは、外径は約1mm〜約10mmの範囲であり得る。
【0013】
一部の実施形態では、押出管は、押出しステップの後に冷却ステップを受け得る。冷却は、押出管を液体槽に通すことなどによる当分野で知られている任意の冷却方法によって実施し得る。当分野で知られている標準のプラーを用いて押出管を液体槽に通して移し得る。一実施形態によれば、押出管は、冷却用に周囲温度に維持した長さ約3メートルの水タンクに入れたり出したりして通し得る。好ましくは、押出管は、押出しプロセス中に達した寸法を所望の許容範囲内まで維持するために、押出し機の出口を通したすぐあとに冷却する。たとえば、タンクを押出し機の出口の約10cm以内に配置し得る。
【0014】
冷却ステップに続いて乾燥ステップを行い得る。当分野で知られている任意の乾燥技術を用い得る。一実施形態によれば、乾燥ステップは、液体槽から出た際に温風を押出管の上部に送風することによって実施し得る。たとえば、押出管を液体槽から引き出し、槽から約10cmの距離に沿って配置した温風送風機を通り過ぎて運び得る。
【0015】
コーティングは、液体コーティング配合物を用いて、たとえば、浸漬コーティング、噴霧コーティング、またはスピンコーティングを含めた当分野で知られている様々なコーティング方法のうちの任意のものによって押出管の少なくとも一部分に塗布し得る。液体コーティング配合物には、所望のコーティングを形成するために適切な前駆体または単量体が含まれ得る。そのようなコーティング配合物は、いくつかの市販の入手源のうちの任意ものから得られ得る。浸漬コーティングによってコーティングを押出管に塗布する一実施形態によれば、押出管の少なくとも一部分を、液体コーティング配合物が入った長さ約30mm〜約1mの範囲のコーティングタンクに入れたり出したりして通し得る。
【0016】
好ましくは、押出管に塗布するコーティングの厚さは、約1ミクロン〜約130ミクロンの範囲であり得る。より好ましくは、コーティングの厚さは、約30ミクロン〜約130ミクロンの範囲であり得る。
【0017】
好ましくは、コーティングは生体適合性物質から作製され得る。一実施形態によれば、コーティングは親水性コーティングである。親水性コーティングには、たとえば、アルキレングリコール類、メトキシポリエチレンオキシドなどのアルコキシポリアルキレングリコール類、ポリエチレンオキシドなどのポリオキシアルキレングリコール類、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドコポリマー、ポリアルキレンオキシド修飾したポリジメチルシロキサン類、ポリホスファゼン類、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、(メタ)アクリル酸のホモポリマーおよびコポリマー、ポリ(アクリル酸)、メチルビニルエーテルとマレイン酸のコポリマーを含めた無水マレイン酸のコポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)ホモポリマーおよびビニルピロリドンのコポリマーを含めたピロリドン、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(N−アルキルアクリルアルニド)(poly(N−alkylacrylarnide)を含めたアクリルアミド類、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレンイミン)、ポリアミド類、ポリ(カルボン酸)、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルスルホン酸、水溶性ナイロン類、ヘパリン、デキストラン、修飾デキストラン、ヒドロキシル化キチン、硫酸コンドロイチン、レシチン、ヒアルラノン(hyaluranon)またはその誘導体等の、1つまたは複数の親水性成分が含まれ得る。親水性ポリマーは、鎖構造、非架橋結合および−OH、−CONH、−COOH、−NH、−COO−、−SO、または−NR[式中、Rはアルキルもしくは水素である]などの親水性基を有する水溶性であり得る。
【0018】
一実施形態によれば、コーティングはヒドロゲルから作製され得る。用い得るヒドロゲルの例には、それだけには限定されないが、ポリエチレンオキシドおよびそのコポリマー、ポリビニルピロリドンおよびその誘導体、ヒドロキシエチルアクリレート類またはヒドロキシエチル(メタ)アクリレート類、ポリアクリル酸類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン無水マレイン酸および誘導体が含まれる。
【0019】
必要な場合は、コーティングは、当分野で知られている様々な硬化方法のうちの任意のものを用いた硬化または架橋結合ステップを受け得る。たとえば、照射、熱、空気、および/または化学物質を用いてコーティングを硬化させ得る。一実施形態によれば、紫外線照射を用いてコーティングを硬化させ得る。これは、コーティングした管を、コーティングを硬化させるために十分な時間の間、紫外光のパネルが含まれる通路を通して運ぶことによって実施し得る。コーティングを硬化させるための時間は管に塗布するコーティングの種類に依存し、たとえば約0.1秒間〜約180秒間の範囲であり得る。好ましくは、コーティングを硬化させるための時間は、約60秒間以下であり得る。より好ましくは、時間は約10秒間以下であり得る。さらにより好ましくは、時間は約3秒間以下であり得る。最も好ましくは、時間は約1秒間以下であり得る。
【0020】
コーティングには、1つまたは複数の生物活性剤も含まれ得る。本発明で用い得る生物活性剤には、それだけには限定されないが、本明細書中に記載の生物活性剤の任意の生物活性剤またはクラスを含む製薬上許容される組成物、ならびにその任意の塩および/または製薬上許容される配合物が含まれる。以下の表1は、生物活性剤のクラスおよび一部の対応する例示的な活性成分の非排他的なリストを提供する。任意の単一の生物活性剤または生物活性剤の組合せを本発明で用い得る。
【表1】











【0021】
生物活性剤を液体コーティング配合物内に取り込ませ、上述のようにコーティングプロセス中に押出管に塗布し得る。あるいは、コーティングを付着させた後に、コーティングした管に生物活性剤を塗布し得る。
【0022】
コーティングした管を、コーティングの塗布後に当分野で知られている管の切断技術を用いて所望の長さに切断し得る。所望の長さは広い範囲にわたって異なってよく、たとえば約1cm〜約600cmである。好ましくは、切断後に形成されるコーティングした管の長さは約10cm〜約300cmの範囲である。より好ましくは、コーティングした管の長さは約20cm〜約200cmの範囲である。それぞれのコーティングした管は遠位端および近位端を有する。一実施形態によれば、切断ステップは、いくつかの市販の入手源の任意のものから入手可能なロータリーカッターを用いて実施し得る。
【0023】
切断後、コーティングした管に約15℃〜約375℃の範囲の温度で1つまたは複数の二次操作を行って、コーティングした医療器具を形成し得る。一実施形態によれば、1つまたは複数の二次操作の温度範囲は約15℃〜約40℃であり得る。別の実施形態によれば、温度範囲は約100℃〜約375℃であり得る。あるいは、温度範囲は約140℃〜約210℃であり得る。1つまたは複数の二次操作には、たとえば、接合操作および/または形成操作が含まれ得る。
【0024】
本発明で用い得る接合および/または形成の操作の例には、たとえば、熱接合、接着接合、レーザー接合、溶剤接合、溶接、および成形(たとえば、挿入成形または圧縮成形)が含まれる。接合操作は、たとえば、熱、接着剤、照射、および溶剤を含めた当分野で知られている様々な接合剤の任意のものを用いて実施し得る。
【0025】
一実施形態によれば、コーティングした管は少なくとも1つの他の構造体と接合していてよい。図2に示すように、他の構造体は、たとえば、コーティングした管210内に配置された第2の管220であり得る。第2の管220には、たとえば2つのルーメンもしくは3つのルーメンなどの1つまたは複数のルーメンが含まれ得る。第2の管220は、たとえば1つまたは複数のポリマーなどのコーティングした管と接合させることができる任意の物質から形成され得る。使用し得るポリマーには、それだけには限定されないが、炭化フッ素類(たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE))、ポリアミド類(たとえばナイロン)、ポリエーテルブロックアミド類(PEBA)、ポリオレフィン類、ポリイミド類、ポリウレタン、およびポリ塩化ビニル
(PVC)が含まれる。一実施形態によれば、第2の管はPTFEから作製され得る。接合した構造体に強度を与えるために、巻きワイヤまたは他の支持構造体230を第2の管の外壁とコーティングした管の内壁との間にさらに配置し得る。好ましくは、支持構造体230は、接合プロセス中に、第2の管220の外壁がコーティングした管210の内壁と接触して接合することを妨げない。このプロセスは、たとえば本明細書中に参考として組み込まれている米国特許第6,939,337号に記載のように実施し得る。接合プロセス中に形成された接合した構造体200は移植可能または挿入可能な医療器具として用い得る。一実施形態によれば、接合した構造体200はカテーテルとして用い得る。
【0026】
コーティングした管を別の構造体と接合させる別の例では、図3に示すように、コーティングした管310の一方または両方の末端を末端同士で別の構成要素320と接合させ得る。他の構成要素320は、たとえば、先細管または先端であり得る。他の構成要素320もそれにコーティングが塗布されていてもよい。接合は、周囲温度で接着剤を用いて実施し得る。あるいは、接合は、たとえば溶接プロセスを用いて高温で実施し得る。そのようなプロセスは、コーティングした管310および他の構成要素320を、加圧下で末端同士を接合させながら、それらのそれぞれの融点を超える温度まで加熱し、その後、冷ますことを伴い得る。そのように形成された接合した構造体300は、たとえばカテーテルなどの移植可能または挿入可能な医療器具として用い得る。
【0027】
別の実施形態によれば、コーティングした管は1つまたは複数の形成操作を受け得る。形成操作は、たとえば成形などの当分野で知られている任意の形成方法を用いて実施してよく、たとえば、加熱金型またはダイの使用を伴い得る。
【0028】
形成操作を用いて、たとえば、コーティングした管の遠位端に先細先端を作ってもよい。一実施形態によれば、形成操作を実施するために、形成中にコーティングした管の寸法を維持するためにコーティングした管の内核すなわちルーメン内にピンを挿入し得る。その後、コーティングした管を、先細設計を有する金型の底部に置き得る。その後、金型の上部を下ろして管に圧力をかけ、熱を与え得る。形成後、金型を開いて形成された構造体を取り出し得る。図4にそのような形成された構造体400の例を示す。形成操作によって生じた先細末端420を有するコーティングした管410は、ダイレーターなどの移植可能または挿入可能な医療器具として用い得る。
【0029】
1つまたは複数の形成操作を接合した構造体にも適用し得る。たとえば、図2および図3に示す接合した構造体は、たとえば、図4に示す先細のコーティングした管を形成するための上述した形成操作などの形成操作をさらに受け得る。さらに、形成された構造体は1つまたは複数の接合操作を受け得る。たとえば、ハブを図4に示す先細のコーティングした管の近位端、または図2および図3に示した接合した構造体のいずれかと接合させ得る。
【0030】
本明細書中に記載の方法は、コーティングした医療器具を生産する慣用方法を越える利点を提供し得る。一慣用方法では、コーティングを塗布する前に連続長の押出管を1つまたは複数の管へと切断し得る。それぞれの管は、コーティングを塗布する前に形成および/または接合の操作をさらに受け得る。この手法では、コーティングプロセス中にコーティングが切断した管の内核すなわちルーメンに浸透しないことを確実にするために、それぞれの管を通常は個別に取り扱う。
【0031】
本方法では、どの切断または二次操作よりも前に、押出し形成した連続管にコーティングをインラインで塗布する。コーティングするための個々の管の加工および取扱いに関連する非効率的な手間のかかるステップ(たとえば、それぞれの管の末端に栓をするステップおよび固定具内に装荷するステップ)が回避され、したがって、より合理化された製造プロセスがもたらされ得る。
【0032】
本方法は、コーティングの塗布後に実施する二次操作(たとえば、接合および/または形成の操作)がコーティングの完全性もしくは品質を実質的に損なわせず、コーティングした管と別の構造体との間の有効かつ信頼性のある接合の形成を妨げない場合に可能である。そのような二次操作は、コーティングした管から移植可能または挿入可能な医療器具を形成するために必要であり得る。本方法は、たとえば数秒間以下などの短時間で硬化可能なコーティング配合物でも有利である。
【0033】
本明細書中に記載の方法を用いて、たとえば、診断用カテーテル、導尿用カテーテル、治療用カテーテル、ガイドカテーテル、誘導シース、血管ダイレーター、ステント、および気管切開管などの様々な移植可能または挿入可能な医療器具を製造し得る。
【0034】
したがって、前述の詳細な説明は、限定するものではなく例示的なものであると見なされることを意図し、本発明の精神および範囲を定義することを意図するのは、すべての相当物を含めた特許請求の範囲であることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】一実施形態によれる方法のステップを示す流れ図である。
【図2】本方法の一実施形態による同心円管と接合したコーティングした管の断面図である。
【図3】本方法の別の実施形態による末端同士で別の管と接合したコーティングした管の断面図である。
【図4】本方法の別の実施形態による先細先端を有するように形成したコーティングした管の断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動可能な物質を押出し機の出口に押し通すことによって、連続する押出管を形成するステップと;
押出管を出口に押し通した後、連続する押出管の少なくとも一部分上にコーティングを付着させることによって、コーティングした管を形成するステップと;
コーティングを付着させた後にコーティングした管を所望の長さに切断する、ことによって、コーティングした管を形成するステップと;
約15℃〜約375℃の範囲の温度でコーティングした管に1つまたは複数の二次操作を行うことによって、コーティングした医療器具を形成するステップと
を含む、コーティングした医療器具を生産する方法。
【請求項2】
コーティングを付着させる前に押出管を冷却するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
冷却するステップが押出管を液体槽に通すステップを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
冷却するステップ後に押出管を乾燥させるステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
コーティングした管を切断する前にコーティングを硬化させるステップをさらに含む、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
紫外線照射を用いて硬化させるステップを実施する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
硬化させるステップを約60秒間以下の時間実施する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
温度が約100℃〜約375℃の範囲である、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
温度が約15℃〜約40℃の範囲である、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
二次操作が接合操作を含む、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
二次操作が形成操作を含む、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
流動可能な物質が、好ましくはナイロンであるポリマーであり、押出管が押出ポリマー管である、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
コーティングが親水性コーティングである、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
親水性コーティングがヒドロゲルを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
コーティングの厚さが約1ミクロン〜150ミクロンの範囲である、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
コーティングした管の所望の長さが約20センチメートル〜約200センチメートルの範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
医療器具が、診断用カテーテル、導尿用カテーテル、ガイドカテーテル、治療用カテーテル、誘導シース、血管ダイレーター、ステント、および気管切開管からなる群から選択される、前述の請求項のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−525814(P2009−525814A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−554322(P2008−554322)
【出願日】平成19年2月7日(2007.2.7)
【国際出願番号】PCT/US2007/003310
【国際公開番号】WO2007/095040
【国際公開日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【出願人】(506326006)クック・インコーポレイテッド (27)
【出願人】(506324909)サビン コーポレイション (5)
【Fターム(参考)】