説明

コーティング添加剤としてエポキシ化脂肪酸トリグリセリドを用いる肥効調節型肥料

ポリオール、イソシアナート、ワックスおよびエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含む混合物の反応生成物を含む少なくとも1つのコーティングにより覆われた粒状植物栄養素を含む肥効調節型肥料材料。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の分野
1つの態様において、本発明は、改善された機械的取扱(mechanical handling)耐性を有する肥効調節型肥料(本明細書を通して「CRF(controlled release fertilizer)」とも称する)に関する。別の態様において、本発明は、このようなCRFを製造するための方法に関する。
【0002】
従来技術の記載
肥料は、培地(growing media)において栄養素を補うために長年用いられている。
【0003】
近年、当該技術分野において、制御された量の植物栄養素を土壌または他の培地に供給するための技術に注目が集まっている。このことは、一方では、成長植物に不利とならぬよう栄養を与え、他方では、栄養素の過剰な供給を回避するように行われている。栄養素の過剰供給は植物に対して毒性をもたらし得るか、溶脱(leaching)により損失し得る。FUE(施肥効率(fertilizer use efficiency))において生じる改善は、肥料供給の程度と頻度を減少させることができる。
【0004】
米国特許第5,538,531号(Hudson et al.(Hudson))およびここに挙げられる従来技術は、肥効調節性を特定の植物栄養素に与えるための方法の概要を示している。特に、Hudson は、複数の水不溶性の耐摩耗性コーティングに覆われた水溶性肥料の中心部を有する肥効調節型粒状肥料生成物を教示している。少なくとも1つの内部コーティングは、列挙されるイソシアナートとポリオールとを反応させることにより誘導されるウレタン反応生成物である。外側のコーティングは、50℃〜120℃の範囲内の落下融点(drop melting point)を有する有機ワックスから形成されている。Hudson のプロセスは、特定の植物栄養素の周囲のウレタンコーティングを硬化させること、その後、この硬化したウレタンコーティングに有機ワックスである外側の層を塗布することを含む。
【0005】
米国特許5,803,946(Pectavich et al.(Pectavich))は、その表面に、ビウレット、ウレタンおよびキリ油を含む相互貫入高分子網目構造を有する尿素粒状植物栄養素を教示している。Pectavich は、さらに、植物栄養素にワックスを、高分子網目構造成分の塗布の前または後に塗布すると有利であることを教示している。
【0006】
米国特許第6,231,633(Hirano et al.)は、ウレタンおよび疎水性化合物(これはワックスであってよい)であり得る熱硬化性樹脂コーティングで被覆されている粒状肥料を教示している。
【0007】
米国特許第6,663,686(Geiger et al.(Geiger))は、ポリウレタンとワックスとを用いる徐放性のポリウレタンでカプセル化した肥料を教示している。特に、Geiger は、ワックスはCRFの別個のオーバーコートとしてのみ用いられる(Hudson により記載されるように)のでなく、ポリウレタンコーティングの成分としても用いられるプロセスを教示している。Geiger の記載する制御放出プロファイルを、比較的少ないコーティング材料で、比較的単純な手順により達成することができる(Geiger の例1〜3を参照のこと)。
【0008】
一般的に、ワックスをCRFのポリマーコーティングに加えて、栄養素放出の速度を制御する。これは言い換えれば、コーティング厚の低下を可能にして、コストを低下させる。つまり、CRF上のコーティングは典型的に非常に薄く、例えば、約3〜約50ミクロンのオーダーにある。実際的に、CRFは、その製造から肥料としてのその使用の間の広範囲に渡って取扱いを受けることとなる。例えば、製造後、CRFは通常運搬、包装、および輸送される。CRFの輸送は幾度となく行われる。例えば、1人以上のCRF製作者、配給業者、卸売り業者、小売業者、消費者等の間で行われる。消費者が所有すると、CRFは典型的には「開封」され、分配装置に移され、最終的には肥料として用いられる。つまり、その製造からその使用までの間のCRFのこのような取扱いの累積的作用で、CRFに典型的に設けられている比較的薄いコーティングは物理的な損傷を受けやすくなる。取扱い中にコーティングが損傷すると、肥料の栄養素放出速度プロファイルは著しく変化して、予測できない、および/または望ましくないCRFについての栄養素放出速度をもたらす。このことは、多くの商業的農業用途における悩みの種である。
【0009】
さらに、本発明は、場合によっては、ワックス含有量の増加が、コーティングの強度の低下と相関し得るということを見出した。より具体的には、ある種の状況下では、ワックス含有量があるレベルに達すると、肥料の機械的取扱耐性が低下し得る。特定の理論または作用機構に拘束されることを望まないが、この耐性における低下は、ワックスとポリマーコーティング間の不相溶性の結果であると考えられる。
【0010】
さらに本発明は、場合によっては、コーティングの剛性の上昇が、コーティングの強度の上昇と相関し得るということを見出した。より特には、コーティングの強度は、コーティングされた肥料の機械的取扱耐性を決定する。通常は、コーティングの強度上昇は、コーティングの剛性上昇を引き起こし得る。高い剛性はコーティングを脆くし得る。ある種の状況下では、コーティング強度が高くても剛性があるレベルに到達すると、コーティングされた肥料の機械的取扱耐性は低下し得る。特定の理論または作用機構に拘束されることを望まないが、この耐性の低下は、ポリマーコーティングの脆性の結果であると考えられる。
【0011】
ワックスのレベル、コーティング膜の強度および剛性が、肥料の放出速度プロファイルおよび機械的取扱耐性に影響を与え得る。ある種の状況下では、好ましいコーティングは、所望の放出速度プロファイルおよび/または薄いコーティングを達成するために高いワックス含有量と高い強度を有し得る。このことは、肥料の機械的取扱耐性における低下を引き起こし得る。
【0012】
Geiger により教示されるようにワックスがポリウレタンコーティング中に存在する、徐放性のポリウレタンでカプセル化した肥料は当該技術分野において有意な改善を示しているが、未だ改善の余地は残っている。特に、中でも種々のワックスレベルでの改善された機械的取扱耐性、並びにコーティング膜強度および剛性レベルを含む改善された性質を有する肥効調節型肥料を得ることは有利であろう。また、以下の特徴:(i)比較的薄いコーティング、(ii)信頼できる所望の栄養素放出速度プロファイル、および(iii)CRFの製造および使用の間の機械的取扱によるコーティングの損傷に対する抵抗性、の所望の組合せを有するCRFを製造することができることは有利であろう。
【0013】
発明の概要
上記した従来技術の欠点のうちの少なくとも1つを除去するまたは軽減する新規の肥効調節型肥料を提供することが本発明の目的である。
【0014】
肥効調節型肥料の製造のための新規方法を提供することが本発明の他の目的である。
【0015】
従って、1の態様において、本発明は、ポリオール、イソシアナート、ワックスおよびエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含む混合物の反応生成物を含む少なくとも1つのコーティングにより覆われた粒状植物栄養素を含む肥効調節型肥料を提供する。
【0016】
他の態様において、本発明は、少なくとも1つの、ワックスを含むポリウレタンコーティングにより覆われた粒状植物栄養素を含む肥効調節型肥料であって、ポリウレタンコーティングがさらに、肥効調節型肥料材料の機械的取扱耐性を改善するに効果的な量にあるエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含む肥効調節型肥料を提供する。
【0017】
さらに他の態様において、本発明は、粒状植物栄養素をポリオール、イソシアナート、ワックス、およびエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルと接触させる工程を含む肥効調節型肥料を製造するための方法を提供する。
【0018】
さらに他の態様において、本発明は、粒状植物栄養素をポリオール、イソシアナート、ワックス、および肥効調節型肥料材料の機械的取扱耐性を改善するに効果的な量にあるエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルに接触させる工程を含む肥効調節型肥料を製造するための方法を提供する。
【0019】
本発明の発明者等は、驚くべき、かつ予想外に、ポリオール、イソシアナートおよびワックスから形成されるコーティング中での添加剤としての(例えば、相溶化剤および可塑剤としての)エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの選択が、有利に、取扱いおよび貯蔵中の肥料の耐久性を改善することを見出した。具体的には、ポリウレタンコーティングのようなコーティングを使用して、肥料中の栄養素の周囲土壌への放出速度を特定の速度に制御することが知られているが、コーティングされた製品が機械的取扱(例えば、他の材料との配合、梱包、輸送等)に晒される場合に問題にしばしば直面する。つまり、コーティングが取扱い中に損傷を受けると、製品の放出プロファイルが大幅に変化し得る。
【0020】
驚くべきことに、添加剤としての(例えば、相溶化剤および可塑剤としての)エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの使用が、製品の放出プロファイルに対しての取扱いの有害な影響を減ずることが見出された。エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルは、従来見込まれていた相溶化剤および可塑剤と比較して、ポリオール、イソシアナートおよびワックスのコーティング配合を有する肥効調節型肥料の放出プロファイルに対する取扱いの有害な影響を減ずる能力において独特であると考えられる。換言すれば、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルは、ポリオール、イソシアナートおよびワックスコーティングを含むCRF材料の機械的取扱耐性を改善する能力において独特であると考えられる。
【0021】
本明細書において、「改善された機械的取扱耐性」とは、所定の配合のCRF材料(試験材料)のペイントシェーカー(Paint Shaker)試験(下記する)後の放出速度が、他の配合のCRF材料(対照材料)の同じ条件下でのペイントシェーカー試験後の放出速度と比較して遅いことを意味することを意図している。
【0022】
好ましい実施形態の詳細な記載
従って、1つの態様において、本発明は、少なくとも1つのコーティングにより覆われた粒状植物栄養素を含むCRF材料に関する。
【0023】
他の態様において、本発明は、ポリオール、イソシアナート、ワックスおよびエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含む混合物の反応生成物である少なくとも1つのコーティングにより覆われた粒状植物栄養素を含むCRF材料に関する。
【0024】
本発明のCRF材料に有用である粒状植物栄養素材料の選択は特に制限されず、当業者の理解し得る範囲内である。
【0025】
例えば、用いる植物栄養素材料は、Hudson に開示されているものから選択することができる。好ましくは、このような植物栄養素は水溶性化合物、より好ましくは窒素、リン、カリウム、硫黄、微量栄養素、およびこれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1つの要素を含有する化合物を含む。好ましいこのような植物栄養素は尿素を含む。植物栄養素の他の有用な例は、米国特許第5,571,303(Bexton)に教示されており、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウムおよびこれらの混合物である。有用な微量栄養素の限定されない例は、銅、亜鉛、ホウ素、マンガン、鉄およびこれらの混合物を含む群から選択され得る。
【0026】
好ましくは、コーティングは、植物栄養素材料を、植物栄養素材料の重量に基づいて約0.1〜約10重量パーセント、より好ましくは約0.5〜約5.0重量パーセント、最も好ましくは約0.7〜約4.0重量パーセントの範囲の量で覆っている。
【0027】
ポリオールの選択は特に限定されず、当業者の理解し得る範囲内である。ここでポリオールとは、イソシアナートとの反応性を示す活性水素含有化合物を指す。ポリオールは、単一のタイプポリオールであってもよいし、複数のポリオールの混合物であってもよい。例えば、ポリエーテル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジエンおよびポリカプロラクトンを含む群から選択される要素のヒドロキシル末端を有する骨格であり得る。好ましくは、このようなポリオールは、ヒドロキシル末端を有するポリヒドロカーボン、ヒドロキシル末端を有するポリホルマール、脂肪酸トリグリセリド、ヒドロキシル末端を有するポリエステル、ヒドロキシルメチル末端を有するポリエステル、ヒドロキシルメチル末端を有するポリフルオロメチレン、ポリアルキレンエーテルグリコール、ポリアルキレンアリーレンエーテルグリコール、およびポリアルキレンエーテルトリオールを含む群から選択される。より好ましいポリオールは、ポリエチレングリコール、アジピン酸−エチレングリコールポリエステル、ポリ(ブチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、およびヒドロキシル末端を有するポリブタジエンを含む群から選択され、例えば、英国特許第1,482,213号を参照されたい。最も好ましいこのようなポリオールは、ポリエーテルポリオールである。好ましくは、このようなポリエーテルポリオールは、約60〜約20,000、より好ましくは約60〜約10,000、最も好ましくは約60〜約8,000の範囲にある分子量を有する。
【0028】
特に好ましいクラスのポリオールは、約2〜約12個のヒドロキシル部位を含むポリオールである。好ましくは、このようなポリオールは低い当量および高い官能価を有するものである。好ましい当量は29〜400である。より好ましくは、当量は29〜200である。最も好ましくは、当量は29〜150である。本明細書中で用いるポリオールの官能価とは、基本単位(またはモノマー)の好ましい官能価を指す。好ましくは、ポリオールの官能価は約2〜約12、より好ましくは約3〜約8、最も好ましくは約3〜約6である。より好ましくは、このようなポリエーテルポリオールは、開始剤としてアミンを用いることにより合成する。最も好ましくは、ポリオールは、Huntsman Jeffol A480 (登録商標)、および他のポリオール、好ましくはヒマシ油の混合物を含む。
【0029】
さらに、ポリオールは脂肪酸トリグリセリド源、例えば大豆、トウモロコシ、カノーラ等(すなわち、天然の変性油を生成する)から誘導され得る。カノーラベースを含むこのような合成ポリオールの例は、Urethane Soy Systems Corp.(プリンストン,イリノイ)から3を超える官能価で市販されている。
【0030】
所定の比率および分子量分布を有するポリオールの混合物を用いることができ、例えば、エチレングリコールを含む Huntsman Jeffol A480(登録商標)または 800(登録商標)、オレオポリオールを含む Huntsman Jeffol A480(登録商標)または 800(登録商標)、ポリエチレングリコールを含む Huntsman Jeffol A480(登録商標)または 800(登録商標)、ポリプロピレングリコールを含む Huntsman Jeffol A480(登録商標)または 800(登録商標)、様々な官能価および分子量のポリプロピレン(またはポリエチレン)グリコール混合物を含む Huntsman Jeffol A480(登録商標)または 800(登録商標)である。
【0031】
コーティングの製造に用いるのに適しているイソシアナートは特に限定されず、これらの選択は当業者の理解し得る範囲内である。イソシアナートは単一のタイプのイソシアナートであってもよいし、異なるイソシアナートの混合物であってもよい。一般的に、使用に適するイソシアナート化合物を一般式
Q(NCO)i
により示すことができる。式中、iは2以上の整数であり、Qはi価を有する有機基である。Qは置換されているか、または置換されていない炭化水素基(例えば、アルキレン基またはアリーレン基)であり得る。さらに、Qは一般式
1−Z−Q1
により示すことができる。式中Q1はアルキレン基またはアリーレン基であり、Zは−O−、−O−Q1−、−CO−、−S−、−S−Q1−S−、および−SO2−を含む群から選択される。この定義の範囲に含まれるイソシアナート化合物の例は、ヘキサメチレンジイソシアナート、1,8−ジイソシアナート−p−ナフタレン、キシリルジイソシアナート、(OCNCH2CH2CH2OCH2O)2、1−メチル−2,4−ジイソシアナートシクロヘキサン、フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、クロロフェニレンジイソシアナート、ジフェニルメタン−4,4N−ジイソシアナート、ナフタレン−1,5−ジイソシアナート、トリフェニルメタン−4,4N,4O−トリイソシアナート、およびイソプロピルベンゼン−アルファ−4−ジイソシアナートを含む。
【0032】
他の実施形態において、Qはi価を有するポリウレタン基を示してもよい。この場合において、Q(NCO)iは、当該技術分野においてプレポリマーと一般的に呼ばれる化合物である。一般的に、プレポリマーは、化学量論過剰なイソシアナート化合物(上記したもの)と、活性水素含有化合物、好ましくはポリヒドロキシル含有材料または上記したポリオールとを反応させることにより調製することができる。この実施形態において、ポリイソシアナートを、例えば、ポリオール中のヒドロキシルの割合に対して、約5パーセント〜約200パーセント化学量論過剰な割合で用いることができる。
【0033】
本発明の方法に用いるのに適するイソシアナート化合物は、イソシアナートおよびジイソシアナートの二量体および三量体から、また一般式
[Q”(NCO)ij
を有するポリマージイソシアナートから選択することができる
(式中、iおよびjの双方は、2以上の値を有する整数であり、Q”は多官能有機基、および/または反応混合物中のさらなる成分として、一般式
L(NCO)i
(式中、iは1以上の値を有する整数であり、Lは単官能または多官能原子若しくは基である)
を有する化合物である)。この定義の範囲に含まれるイソシアナート化合物の例は、エチルホスホン酸ジイソシアナート、フェニルホスホン酸ジイソシアナート、=Si−NCO基を含有する化合物、スルホンアミド(QSO2NCO)から誘導されるイソシアナート化合物、シアン酸およびチオシアン酸を含む。
【0034】
例えば、英国特許第1,453,258も参照されたい。
【0035】
適するイソシアナートの限定されない例は、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート、1,4−ブチレンジイソシアナート、フルフリリデンジイソシアナート、2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアナート、4,4’−ジフェニル−3,3’−ジメチルメタンジイソシアナート、1,5−ナフタレンジイソシアナート、1−メチル−2,4−ジイソシアナート−5−クロロベンゼン、2,4−ジイソシアナト−s−トリアジン、1−メチル−2,4−ジイソシアナトシクロヘキサン、p−フェニレンジイソシアナート、m−フェニレンジイソシアナート、1,4−ナフタレンジイソシアナート、ジアニシジンジイソシアナート、ビトルエンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、ビス−(4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス−(3−メチル−4−イソシアナトフェニル)メタン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアナート、およびこれらの混合物を含む。
【0036】
特に好ましいイソシアナートの群は、Hudson に記載されているものである。
【0037】
好ましくは、イソシアナートは1分子につき約1.5〜約16個のNCO基を含有する。より好ましくは、イソシアナートは1分子につき約2〜約16個のNCO基を含有する。最も好ましくは、イソシアナートは1分子につき約3〜約16個のNCO基を含有する。
【0038】
好ましくは、イソシアナートは約10〜約50重量パーセントのNCOを含有する。より好ましくは、イソシアナートは約12〜約50重量パーセントのNCOを含有する。最も好ましくは、イソシアナートは約15〜約50重量パーセントのNCOを含有する。
【0039】
好ましくは、ポリオールとイソシアナートを、イソシアナート中のNCO基のポリオール中のヒドロキシル基に対する比が約0.5〜約3.0、より好ましくは約0.8〜約2.0、最も好ましくは約0.9〜約1.1の範囲内にあるような量で用いる。
【0040】
ワックスの選択は特に限定されず、当業者の理解し得る範囲内である。ワックスは単一のタイプのワックスであってもよいし、異なるワックスの混合物であってもよい。本明細書中で用いられるワックスなる語は、一般的に、コーティングに疎水性を与え得る物質を指し、通常のワックスに限定されない。ワックスは、例えば、脂肪酸オイル、アスファルト、蜜ろう、および石油製品を含む群から選択され得る。ワックスは、エステル、エーテルおよびアルコールを含む群から選択され得る。
【0041】
好ましくは、コーティングを製造するために混合物中で用いられるワックスは、アルファオレフィンワックス、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、および天然ワックスから選択され得る。適切なワックスは Hudson に記載されているもの、およびシリコンワックス(Dow Corning から市販されている)を含む。好ましいワックスは、少なくとも約20℃の、好ましくは約40℃〜約120℃の範囲内の、より好ましくは約50℃〜約120℃の範囲内の落下融点を有する。好ましくは、ワックスは実質的には、約40℃の温度以下で粘性を有さない。好ましいワックスはC20+アルファオレフィン、より好ましくはC20-100アルファオレフィンを含む。
【0042】
コーティングの製造における使用に適するエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルは特に限定されず、当業者の理解し得る範囲内である。エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルは単一のタイプのエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルであってもよいし、異なるエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの混合物であってもよい。エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルは、エポキシ化され得るいずれの天然のトリグリセリドオイルから誘導され得る。好ましくは、脂肪酸トリグリセリドオイル(エポキシ化前)は、植物油、脂肪酸油、樹木の種油(tree seed oil)、およびこれらの組合せを含む群から選択される。より好ましくは、脂肪酸トリグリセリドオイル(エポキシ化前)は、トウモロコシ油、カノーラ油、ひまわり油、大豆油、アマニ油、およびこれらの組合せから選択される。最も好ましくは、脂肪酸トリグリセリドオイル(エポキシ化前)は、大豆油を含む。脂肪酸トリグリセリドオイルをエポキシ化する方法は特に限定されず、当業者の理解し得る範囲内である。エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルは、脂肪酸トリグリセリドオイルからのさらに処理された製品である。これはトリグリセリドオイル中にエポキシド基を含む。エポキシド基を、トリグリセリド中の不飽和結合を酸化することにより、またはトリグリセリド中のグリコールを脱水することにより導入することができる。例えば、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを、脂肪酸トリグリセリドオイル中の二重結合を酸素または他の酸化剤、例えば過酸化物を用いて酸化することにより誘導することができる。エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイル中のエポキシド基の含有量は、脂肪酸トリグリセリド中の不飽和結合の含有量と酸化の程度に依存し得る。これは幅広い範囲に渡って変化し得る。エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイル中のエポキシド基の含有量は幅広い範囲に渡って変化し得る。適切なエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルは市販されており、例えば Elf Atochem Vikoflex 7170(登録商標)である。
【0043】
好ましくは、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルは、全体のコーティング重量に基づいて、約0.1〜約70重量パーセントの範囲の量で存在する。より好ましくは、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルは、全体のコーティング重量に基づいて、約1〜約60重量パーセントの範囲の量で存在する。最も好ましくは、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルは、全体のコーティング重量に基づいて、約1〜約40重量パーセントの範囲の量で存在する。
【0044】
好ましくは、ワックスとエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルは、全体のコーティング重量に基づいて、合計して約0.1重量パーセント〜約75重量%の量でコーティング中に存在する。より好ましくは、ワックスとエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルは、全体のコーティング重量に基づいて、合計して約1重量パーセント〜約70重量パーセントの量でコーティング中に存在する。最も好ましくは、ワックスとエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルは、全体のコーティング重量に基づいて、合計して約10重量パーセント〜約65重量パーセントの量でコーティング中に存在する。
【0045】
エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルとワックスの合計重量に基づいて、約0.5パーセント〜約100パーセントの量で加える。エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを、好ましくは、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルとワックスの合計重量に基づいて、約5パーセント〜約70パーセントの量で加える。より好ましくは、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルとワックスの合計重量に基づいて、約15パーセント〜約60パーセントの量で加える。最も好ましくは、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルとワックス混合物の合計重量に基づいて、約20パーセント〜約40パーセントの量で加える。
【0046】
エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルのワックスに対する比率は、用いる個々のエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイル、イソシアナート、ワックス、およびポリオールによって変化し得る。これらの成分の個々の組合せについての詳細は、本明細書を手にした当業者により容易に決定され得る。
【0047】
コーティングに加えるエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの量の好ましい範囲が存在する。一般的には、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルおよびワックスの所定の全含有量において、加えるエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの量が最適範囲よりも少ない場合には、ワックスとエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイル混合物中のエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの量が増加するため、CRFの放出速度は、エポキシ化脂肪酸トリグリセリド量が最適値に到達するまで減速する。加えるエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの量が最適範囲よりも多い場合には、ワックスとエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイル混合物中のエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの量が増加するため、CRF材料の放出速度は加速する。ワックスとエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイル混合物中のエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの量の最適範囲は、ペイントシェーカー試験(以下に記載)の前後のCRFによって異なる。
【0048】
コーティング中のワックスの量に対してエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルのある量においては、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルはコーティングから流れ出るか、コーティングから新鮮な表面、または材料、例えば紙またはプラスチックフィルムにより抽出され得る。これは、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルは、大部分は液体状態で存在するためである。流出は、コーティング中でのエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの飽和のためである。エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが流れ出るか、またはコーティングから抽出される場合に、水透過のための流路が、コーティングに残る多孔構造のために形成され、これは放出速度を有意に上昇させ得る。エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルのワックスに対する正確な比率、およびポリマーコーティング化合物に対する正確な比率は重要である。正確な比率は、選択したエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイル、ワックス、およびポリマーコーティング成分の性質に従って決定する必要がある。成分の所定の選択について正確な比率を決定することは、当業者の理解し得る範囲内である。
【0049】
本発明の実施形態を以下の例に関連して示すが、これは本発明を限定する、または解釈するために用いるものではない。
【0050】
例1
この例において、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイル、すなわちエポキシ化大豆油(ESO)の添加の効果を、2.7%コート重量において実証した。
【0051】
2つの製品を製造し、1つはコーティング添加剤としてESOを含み、他方はESOを含まなかった。
【0052】
12インチの直径、5 1/2インチの長さを有するステンレス鋼の水平断熱ドラムを用いて、コーティング成分を粒状肥料に塗布した。エンクローズドバックプレート(enclosed back plate)を、可変速度駆動装置に取り付けた。フロントプレートは中央の8インチの開口部を有し、これを通じて基材とコーティング成分を加えた。内部で、ドラムは、4つの実質的に等しく間隔をあけた長手方向のじゃま板から構成され、それぞれ高さ約1/2インチであった。ドラムを、75fpmの周速度、または約24rpmで回転させた。ドラムと基材の内部温度を、可変設定電気加熱銃を用いて約60℃に維持した。コーティング成分を、各コーティング成分のための個々のシリンジを用いて加えた。シリンジにより、各コーティング成分の所望の量を1回の添加で加えることができた。
【0053】
グラムでの層あたりの重量に基づいて、コーティング成分の配合を表1に示す。
【0054】
各製品を作るために、1キログラム装入量の尿素肥料(SGN 260)を60℃で、それぞれ表1の配合に従って調製した3つのコーティング層によりコーティングした。各コーティング層を、調製・予熱(100℃)した、表1に設定した配合を用いた Huntsman Jeffol A480(ポリオール)および Chevron/Phillips Gulftene C30+(ワックス)の混合物であって、Elf Atochem Vikoflex 7170(ESO)を含むもの/含まないものをまず塗布することにより塗布した。即座にこの塗布に続いて、BASFイソシアナート#17(PAPI17)を塗布した。層間の硬化を3 1/2分のあいだ行った。
【0055】
最後のコーティング層を塗布し、硬化させた後、ドラムを回転させて、その間に周囲空気流をあてて製品を約40℃にまで冷却した。その後、製品をドラムから取り出して、ラベルを付した袋に入れた。このプロセスにより、2.7%の全コート重量を塗布した。
【0056】
製品の水放出プロファイルは、「ペイントシェーカー試験」の前後で決定し、CRFを比較的短時間でのかなりの機械力の作用に供し、これにより上記したCRFの現実的な取扱いを模倣することにより、CRFの機械的取扱耐性の評価を容易にする。
【0057】
「ペイントシェーカー」試験を、ペイントシェーカー機において行う。最初に200グラムのCRFを、6インチの直径、5 1/2インチの長さの金属缶で蓋を有するものの中に入れる。続いて、すりわり付き頭を有する8つの(1/4インチ×1/2インチ)マシンボルトと8つの(1/4インチ)頭角ナットを缶の中に入れる。その後、CRF、ナット、およびボルトを入れた缶を、ペイントコンディショナー/シェーカー(Red Devil, 1/4 H.P. model)に安全に入れる。試験サンプルをペイントシェーカー中で、1分間につき730サイクルの回数で6分間激しくコンディショニングした。駆動時間を電子タイマー(Gralab model 451)により制御し、ペイントシェーカーを前もってセットした時間で自動的に停止させる。ペイントシェーカーサイクルが完了した後、缶を取り出し、内容物を Tyler Standard 3 1/2メッシュスクリーンに通すことによりナットとボルトを除去する。CRFをパンに集め、放出速度分析のためにそのサンプル袋に戻す。
【0058】
その後、ペイントシェーカー試験の前後の肥効調節型肥料材料についての水放出速度プロファイルを決定した。分析において、Technicon AutoAnalyzer(登録商標)を較正し、Automated Determination of Urea and Ammoniacal Nitrogen(University of Missouri, 1980)に従って用いた。以下の手法を用いた:
1.15グラム(±0.1mg)のサンプルを秤量皿に正確に秤量する。サンプルの重量を記録する。このサンプルを125mLの三角フラスコに移す
2.75mlの脱塩水を加え、フラスコに栓をする
3.サンプルと水を、全ての粒子が沈むまで穏やかに回転させて混ぜる
4.サンプルを所定時間、一定の温度(典型的には室温)に放置する
5.フラスコを穏やかに回転させて溶液を混合し、溶液のみを100mLの容量フラスコにデカントする
6.脱塩水でサンプルをすすぎ、容量フラスコに加える
7.容量フラスコの体積にまでいっぱいにし、十分に混合する
8.試験を異なる時間について繰り返す場合には、工程2から始めて繰り返す
9.Technicon AutoAnalyzer II を稼動させたら、この溶液(必要な場合には要求される希釈を行う)のいくらかを分析のための Technicon サンプルカップに移す
10.結果を100万分の1のN−NH3で記録する(Shimadzu Integrator から直接読み取る)。
【0059】
製品の水放出プロファイルを表2に示す。
【0060】
表2に示す通り、2.7%のコート重量において、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含有するコーティングを有する肥料は、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含まないコーティングを有する肥料と比較して、改善された機械的取扱耐性を有した。ペイントシェーカー試験の後、放出された窒素のパーセンテージは、1日、7日および28日において、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含まないコーティングを有する肥料と比較して、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含有するコーティングを有する肥料についてはより低かった。
【0061】
例2
この例において、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイル(エポキシ化大豆油(ESO))の添加の効果を、2.1%コート重量で実証した。
【0062】
例1で用いた方法に従って、尿素肥料にコーティング成分を塗布した。本例のコーティング成分について、層あたりのグラムでの重量に基づく配合を表3に示す。
【0063】
製品を、上記したペイントシェーカー試験に供した。
【0064】
各製品の水放出プロファイルを、ペイントシェーカー試験の前後で決定した。本例の製品の水放出プロファイルを表4に示す。
【0065】
表4に示す通り、2.1%コート重量において、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含有するコーティングを有する肥料は、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含有しないコーティングを有する肥料と比較して、改善された機械的取扱耐性を有した。ペイントシェーカー試験後は、放出される窒素のパーセンテージは、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含有しないコーティングを有する肥料と比較して、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含有するコーティングを有する肥料についてより低かった。
【0066】
例3
本例において、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルとワックスの混合物中のエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイル(ESO)の量の効果を示す。
【0067】
ここで、ESO/ワックス混合物中のESOのパーセンテージを変化させた配合を用いて、例1で用いた一般方法に従って尿素肥料をコーティングした。本例の各製品について、コーティングの全重量は製品の2.7重量%であった。全コーティング重量に基づくESO/ワックス混合物の合計パーセンテージを55%に固定した。各コーティング成分について、層あたりのグラムでの重量に基づく配合を表5に示す。
【0068】
製品を上記したペイントシェーカー試験に供した。
【0069】
各製品の水放出プロファイルを、ペイントシェーカー試験の前後で決定した。本例の製品の水放出プロファイルを表6に示す。
【0070】
表6に示す通り、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルとワックス混合物中で5〜50パーセントのエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含有するコーティングを有する肥料は、一般的に、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含有しないコーティングを有する肥料と比較して、改善された機械的取扱耐性を示した。ペイントシェーカー試験後は、放出された窒素のパーセントは、一般的に、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含有しないコーティングを有する肥料と比較して、これらのパーセンテージのエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含有するコーティングを有する肥料についてより低かった。機械的取扱耐性は、ESO/ワックス混合物の合計重量に基づいて20〜30%のESO含有量において最も改善された。最適範囲は、全コーティング中でのESO/ワックス混合物の含有量、または他のパラメータにより変化し得る。
【0071】
例4
本例は、本発明によるCRFにおいての種々のポリオールの使用を示す。Huntsman A480、A800、および SD361 ポリオールを用いた。例1で用いた手法に従って、尿素肥料にコーティング成分を塗布した。本例の各製品について、コーティングの全重量は製品の2.7重量%であった。コーティング成分についての、層あたりのグラムでの重量に基づく配合を表7に示す。
【0072】
製品を上記のペイントシェーカー試験に供した。
【0073】
各製品の水放出プロファイルをペイントシェーカー試験の前後で決定した。本例の製品の水放出プロファイルを表8に示す。
【0074】
表8に示す通り、本発明によるコーティングの配合におけるポリオールの選択は、肥料の水放出プロファイルと機械的取扱耐性改善に影響を与え得る。
【0075】
例5
本例は、本発明によるCRFにおいての種々のイソシアナートの使用を示す。例1で用いた手法に従って、尿素肥料にコーティング成分を塗布した。本例の各製品について、コーティングの全重量は製品の2.7重量%であった。各コーティング成分について、層あたりのグラムでの重量に基づく配合を表9に示す。
【0076】
製品を上記のペイントシェーカー試験に供した。
【0077】
各製品の水放出プロファイルをペイントシェーカー試験の前後で決定した。本例の製品の水放出プロファイルを表10に示す。
【0078】
表2および4に示す一方で、本発明の利点が、表10に示すように異なるイソシアナートを用いるコーティング配合を有する肥料において観察され、イソシアナートの選択は、肥料の水放出プロファイルと機械的取扱耐性改善に影響を与える。
【0079】
例6
本例は、本発明によるCRFにおける種々のワックスの使用を示す。例1で用いた手法に従って尿素肥料にコーティング成分を塗布した。試験した3つのワックスは、Chevron/Philips Gulftene C30+、Chevron/Philips C30HA、および Calwax Amber 185 であった。本例の各製品について、コーティングの全重量は製品の2.7重量%であった。コーティング成分についての、グラムでの層あたりの重量に基づく配合を表11に示す。
【0080】
製品を上記のペイントシェーカー試験に供した。
【0081】
各製品の水放出プロファイルをペイントシェーカー試験の前後で決定した。本例の製品の水放出プロファイルを表12に示す。
【0082】
表12に示す通り、本発明によるコーティングの配合におけるワックスの選択は、肥料の水放出プロファイルと機械的取扱耐性改善に影響を与え得る。
【0083】
例7
本例において、ESOとワックス混合物の量の効果を、ESOのワックスに対する比率とは無関係に調べた。コーティングにおいて変化させたパーセンテージのESOとワックス量の3種の配合物を、例1の手法に従って尿素肥料に塗布した。ESO:ワックスの比率を30:70に保った。本例の各製品について、コーティングの全重量は製品の2.7重量%であった。コーティング成分について、層あたりのグラムでの重量に基づく配合を表13に示す。
【0084】
ペイントシェーカー試験の前後でのサンプルの水放出プロファイルを決定した。ペイントシェーカー試験を例1に従う手法により行った。サンプルの水放出プロファイルを表14に示す。
【0085】
表14に示す通り、本発明のコーティングを有する肥料の機械的取扱耐性は、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイル対ワックスの比率が一定に保たれている場合には、全コーティング混合物中のエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルとワックスのパーセントにより影響を受ける。
【0086】
例についての言及を含めて本発明を詳細に記載したが、当然ながら、例示した実施形態の多くの改変が、本明細書を手にした当業者には明らかであり、この改変は、本発明の意図および範囲から逸脱するものでない。
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリオール、イソシアナート、ワックス、およびエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを含む混合物の反応生成物を含む少なくとも1つのコーティングにより覆われた粒状植物栄養素を含む肥効調節型肥料材料。
【請求項2】
前記植物栄養素が水溶性化合物を含む請求項1に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項3】
前記水溶性化合物が、窒素、リン、カリウム、硫黄、微量栄養素、およびこれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1種の要素を含有する化合物を含む請求項2に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項4】
前記植物栄養素が尿素を含む請求項2に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項5】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルがエポキシ化天然油を含む請求項1に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項6】
前記エポキシ化天然油がエポキシ化植物油を含む請求項5に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項7】
前記エポキシ化植物油が、エポキシ化大豆油、エポキシ化カノーラ油、エポキシ化トウモロコシ油、エポキシ化ひまわり油およびエポキシ化アマニ油、並びにこれらの混合物から成る群から選択される請求項6に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項8】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、エポキシ化大豆油である請求項7に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項9】
前記エポキシ化天然油が、エポキシ化された樹木の種油(tree seed oil)を含む請求項5に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項10】
前記エポキシ化された樹木の種油は、エポキシ化キリ油、エポキシ化ヤシ油、エポキシ化オリーブ油、エポキシ化チェスナッツ油(chestnut oil)およびエポキシ化ココナッツ油、並びにこれらの混合物から成る群から選択される請求項9に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項11】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、全コーティング重量に基づいて、約0.1〜約70重量パーセントの範囲の量で存在する請求項1に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項12】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、全コーティング重量に基づいて、約1〜約60重量パーセントの範囲の量で存在する請求項11に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項13】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、全コーティング重量に基づいて、約1〜約40重量パーセントの範囲の量で存在する請求項12に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項14】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、前記ワックスと前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの合計重量に基づいて、約5〜約70重量パーセントの範囲の量で存在する請求項1〜13のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項15】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、前記ワックスと前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの合計重量に基づいて、約15〜約60重量%の範囲の量で存在する請求項14に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項16】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、前記ワックスと前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの合計重量に基づいて、約20〜約40重量パーセントの範囲の量で存在する請求項15に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項17】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルと前記ワックスが合計で、全コーティング重量の約0.1〜約75重量パーセントを構成する請求項1〜16のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項18】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルと前記ワックスが合計で、全コーティング重量の約1〜約70重量パーセントを構成する請求項17に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項19】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルと前記ワックスが合計で、全コーティング重量の約10〜約65重量%を構成する請求項18に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項20】
前記コーティングが、前記粒状植物栄養素の重量に基づいて、約0.1〜約10重量パーセントの範囲の量で存在する請求項1〜19のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項21】
前記コーティングが、前記粒状植物栄養素の重量に基づいて、約0.5〜約5.0重量パーセントの範囲の量で存在する請求項20に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項22】
前記コーティングが、前記粒状植物栄養素の重量に基づいて、約0.7〜約4.0重量パーセントの範囲の量で存在する請求項21に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項23】
前記ワックスが天然ワックスを含む請求項1〜22のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項24】
前記ワックスが、天然油、石油製品、石油残渣、パラフィンワックス、およびこれらの混合物から成る群から選択される天然ワックスである請求項1〜22のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項25】
前記ワックスが合成ワックスを含む請求項1〜22のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項26】
前記ワックスがアルファオレフィンワックスを含む請求項25に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項27】
前記ワックスがC20+アルファオレフィンを含む請求項26に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項28】
前記ワックスがC20-100アルファオレフィンを含む請求項26に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項29】
前記ワックスがポリエチレンワックスを含む請求項25に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項30】
前記ワックスがマイクロクリスタリンワックスを含む請求項25に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項31】
前記ポリオールが約2〜約12個のヒドロキシル部位を含む請求項1〜30のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項32】
前記ポリオールが少なくとも1つのC10−C22脂肪族部位を含む請求項1〜30のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項33】
前記ポリオールが約29〜約400の当量を有する請求項1〜32のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項34】
前記ポリオールが約29〜約200の当量を有する請求項33に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項35】
前記ポリオールが約29〜約150の当量を有する請求項34に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項36】
前記ポリオールが約2〜約12の基本単位官能価を有する請求項1〜35のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項37】
前記ポリオールが約3〜約8の基本単位官能価を有する請求項36に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項38】
前記ポリオールが約3〜約6の基本単位官能価を有する請求項37に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項39】
前記ポリオールがヒマシ油を含む請求項1〜30のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項40】
前記ポリオールがポリエーテルポリオールを含む請求項1〜30のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項41】
前記ポリオールがポリエステルポリオールを含む請求項1〜30のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項42】
前記イソシアナートが、ジフェニルメタンジイソシアナート、トルエンジイソシアナート、脂肪族イソシアナート、これらの誘導体、これらのポリマー、これらのプレポリマー、およびこれらの混合物から成る群から選択される請求項1〜41のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項43】
前記イソシアナートが1分子あたり約1.5〜約16個のイソシアナート基を含有する請求項1〜41のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項44】
前記イソシアナートが約10パーセント〜約50パーセントのNCOを含有する請求項1〜41のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項45】
前記イソシアナートがポリマージフェニルメタンイソシアナートを含む請求項1〜41のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項46】
前記粒状植物栄養素が複数のコーティングにより覆われている請求項1〜45のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項47】
ワックスを含む少なくとも1つのポリウレタンコーティングにより覆われている粒状植物栄養素を含む肥効調節型肥料材料であって、前記ポリウレタンコーティングがさらに、エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルを、肥効調節型肥料材料の機械的取扱耐性(mechanical handling durability)を改善するに有効な量で含む肥効調節型肥料材料。
【請求項48】
前記植物栄養素が水溶性化合物を含む請求項47に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項49】
前記水溶性化合物が、窒素、リン、カリウム、硫黄、微量栄養素、およびこれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1種の要素を含有する化合物を含む請求項48に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項50】
前記植物栄養素が尿素を含む請求項48に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項51】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、エポキシ化天然油を含む請求項47に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項52】
前記エポキシ化天然油がエポキシ化植物油を含む請求項51に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項53】
前記エポキシ化植物油が、エポキシ化大豆油、エポキシ化カノーラ油、エポキシ化トウモロコシ油、エポキシ化ひまわり油およびエポキシ化アマニ油、並びにこれらの混合物から成る群から選択される請求項52に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項54】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、エポキシ化大豆油である請求項53に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項55】
前記エポキシ化天然油が、エポキシ化された樹木の種油を含む請求項51に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項56】
前記エポキシ化された樹木の種油は、エポキシ化キリ油、エポキシ化ヤシ油、エポキシ化オリーブ油、エポキシ化チェスナッツ油およびエポキシ化ココナッツ油、並びにこれらの混合物から成る群から選択される請求項55に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項57】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、全コーティング重量に基づいて、約0.1〜約70重量パーセントの範囲の量で存在する請求項47に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項58】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、全コーティング重量に基づいて、約1〜約60重量パーセントの範囲の量で存在する請求項57に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項59】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、全コーティング重量に基づいて、約1〜約40重量パーセントの範囲の量で存在する請求項58に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項60】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、前記ワックスと前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの合計重量に基づいて、約5〜約70重量パーセントの範囲の量で存在する請求項47〜59のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項61】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、前記ワックスと前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの合計重量に基づいて、約15〜約60重量%の範囲の量で存在する請求項60に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項62】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、前記ワックスと前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの合計重量に基づいて、約20〜約40重量パーセントの範囲の量で存在する請求項61に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項63】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルと前記ワックスが合計で、全コーティング重量の約0.1〜約75重量パーセントを構成する請求項47〜62のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項64】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルと前記ワックスが合計で、全コーティング重量の約1〜約70重量パーセントを構成する請求項63に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項65】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルと前記ワックスが合計で、全コーティング重量の約10〜約65重量%を構成する請求項64に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項66】
前記コーティングが、前記粒状植物栄養素の重量に基づいて、約0.1〜約10重量パーセントの範囲の量で存在する請求項47〜65のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項67】
前記コーティングが、前記粒状植物栄養素の重量に基づいて、約0.5〜約5.0重量パーセントの範囲の量で存在する請求項66に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項68】
前記コーティングが、前記粒状植物栄養素の重量に基づいて、約0.7〜約4.0重量パーセントの範囲の量で存在する請求項67に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項69】
前記ワックスが天然ワックスを含む請求項47〜68のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項70】
前記ワックスが、天然油、石油製品、石油残渣、パラフィンワックス、およびこれらの混合物から成る群から選択される天然ワックスである請求項47〜68のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項71】
前記ワックスが合成ワックスを含む請求項47〜68のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項72】
前記ワックスがアルファオレフィンワックスを含む請求項71に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項73】
前記ワックスがC20+アルファオレフィンを含む請求項72に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項74】
前記ワックスがC20-100アルファオレフィンを含む請求項73に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項75】
前記ワックスがポリエチレンワックスを含む請求項71に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項76】
前記ワックスがマイクロクリスタリンワックスを含む請求項71に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項77】
前記ポリウレタンが、ポリオールとイソシアナートの反応生成物である請求項1〜76のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項78】
前記ポリオールが約2〜約12個のヒドロキシル部位を含む請求項77に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項79】
前記ポリオールが少なくとも1つのC10−C22脂肪族部位を含む請求項77に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項80】
前記ポリオールが約29〜約400の当量を有する請求項77〜79に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項81】
前記ポリオールが約29〜約200の当量を有する請求項80に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項82】
前記ポリオールが約29〜約150の当量を有する請求項81に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項83】
前記ポリオールが約2〜約12の基本単位官能価を有する請求項77〜82のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項84】
前記ポリオールが約3〜約8の基本単位官能価を有する請求項83に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項85】
前記ポリオールが約3〜約6の基本単位官能価を有する請求項84に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項86】
前記ポリオールがヒマシ油を含む請求項77に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項87】
前記ポリオールがポリエーテルポリオールを含む請求項77に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項88】
前記ポリオールがポリエステルポリオールを含む請求項77に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項89】
前記イソシアナートが、ジフェニルメタンジイソシアナート、トルエンジイソシアナート、脂肪族イソシアナート、これらの誘導体、これらのポリマー、これらのプレポリマー、およびこれらの混合物から成る群から選択される請求項77〜88のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項90】
前記イソシアナートが1分子あたり約1.5〜約16個のイソシアナート基を含有する請求項77〜88のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項91】
前記イソシアナートが約10パーセント〜約50パーセントのNCOを含有する請求項77〜88のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項92】
前記イソシアナートがポリマージフェニルメタンイソシアナートを含む請求項77〜88のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項93】
前記植物栄養素が複数のコーティングにより覆われている請求項47〜92のいずれか一項に記載の肥効調節型肥料材料。
【請求項94】
粒状植物栄養素を、ポリオール、イソシアナート、ワックスおよびエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルと接触させる工程を含む肥効調節型肥料材料を製造するための方法。
【請求項95】
前記植物栄養素が水溶性化合物を含む請求項94に記載の方法。
【請求項96】
前記水溶性化合物が、窒素、リン、カリウム、硫黄、微量栄養素、およびこれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1種の要素を含有する化合物を含む請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記植物栄養素が尿素を含む請求項95に記載の方法。
【請求項98】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、エポキシ化天然油を含む請求項94に記載の方法。
【請求項99】
前記エポキシ化天然油がエポキシ化植物油を含む請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記エポキシ化植物油が、エポキシ化大豆油、エポキシ化カノーラ油、エポキシ化トウモロコシ油、エポキシ化ひまわり油およびエポキシ化アマニ油、並びにこれらの混合物から成る群から選択される請求項99に記載の方法。
【請求項101】
前記エポキシ化植物油が、エポキシ化大豆油である請求項100に記載の方法。
【請求項102】
前記エポキシ化天然油が、エポキシ化された樹木の種油を含む請求項98に記載の方法。
【請求項103】
前記エポキシ化された樹木の種油は、エポキシ化キリ油、エポキシ化ヤシ油、エポキシ化オリーブ油、エポキシ化チェスナッツ油およびエポキシ化ココナッツ油、並びにこれらの混合物から成る群から選択される請求項102に記載の方法。
【請求項104】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、前記ポリオール、イソシアナート、ワックスおよびエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの合計重量に基づいて、約0.1〜約70重量パーセントの範囲の量で存在する請求項94に記載の方法。
【請求項105】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、前記ポリオール、イソシアナート、ワックスおよびエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの合計重量に基づいて、約1〜約60重量パーセントの範囲の量で存在する請求項104に記載の方法。
【請求項106】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、前記ポリオール、イソシアナート、ワックスおよびエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの合計重量に基づいて、約1〜約40重量パーセントの範囲の量で存在する請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、前記ワックスとエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの合計重量に基づいて、約5〜約70重量パーセントの範囲の量で存在する請求項94〜106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、前記ワックスとエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの合計重量に基づいて、約15〜約60重量パーセントの範囲の量で存在する請求項107に記載の方法。
【請求項109】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルが、前記ワックスとエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの合計重量に基づいて、約20〜約40重量パーセントの範囲の量で存在する請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルとワックスが合計で、前記ポリオール、イソシアナート、ワックスおよびエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの合計重量に基づき、約0.1〜約75重量パーセントを構成する請求項94〜109のいずれか一項に記載の方法。
【請求項111】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルとワックスが合計で、前記ポリオール、イソシアナート、ワックスおよびエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの合計重量に基づき、約1〜約70重量パーセントを構成する請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記エポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルとワックスが合計で、前記ポリオール、イソシアナート、ワックスおよびエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルの合計重量に基づき、約10〜約65重量パーセントを構成する請求項111に記載の方法。
【請求項113】
前記コーティングが、前記粒状植物栄養素の重量に基づいて、約0.1〜約10重量パーセントの範囲の量で存在する請求項94〜112のいずれか一項に記載の方法。
【請求項114】
前記コーティングが、前記粒状植物栄養素の重量に基づいて、約0.5〜約5.0重量パーセントの範囲の量で存在する請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記コーティングが、前記粒状植物栄養素の重量に基づいて、約0.7〜約4.0重量パーセントの範囲の量で存在する請求項114に記載の方法。
【請求項116】
前記ワックスが天然ワックスを含む請求項94〜115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項117】
前記ワックスが、天然油、石油製品、石油残渣、パラフィンワックス、およびこれらの混合物から成る群から選択される天然ワックスである請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記ワックスが合成ワックスを含む請求項94〜115のいずれか一項に記載の方法。
【請求項119】
前記ワックスがアルファオレフィンワックスを含む請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記ワックスがC20+アルファオレフィンを含む請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記ワックスがC20-100アルファオレフィンを含む請求項119に記載の方法。
【請求項122】
前記ワックスがポリエチレンワックスを含む請求項118に記載の方法。
【請求項123】
前記ワックスがマイクロクリスタリンワックスを含む請求項118に記載の方法。
【請求項124】
前記ポリオールが約2〜約12個のヒドロキシル部位を含む請求項94〜123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項125】
前記ポリオールが少なくとも1つのC10−C22脂肪族部位を含む請求項94〜123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項126】
前記ポリオールが約29〜約400の当量を有する請求項94〜125のいずれか一項に記載の方法。
【請求項127】
前記ポリオールが約29〜約200の当量を有する請求項126に記載の方法。
【請求項128】
前記ポリオールが約29〜約150の当量を有する請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記ポリオールが約2〜約12の基本単位官能価を有する請求項94〜128のいずれか一項に記載の方法。
【請求項130】
前記ポリオールが約3〜約8の基本単位官能価を有する請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記ポリオールが約3〜約6の基本単位官能価を有する請求項130に記載の方法。
【請求項132】
前記ポリオールがヒマシ油を含む請求項94〜123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項133】
前記ポリオールがポリエーテルポリオールを含む請求項94〜123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項134】
前記ポリオールがポリエステルポリオールを含む請求項94〜123のいずれか一項に記載の方法。
【請求項135】
前記イソシアナートが、ジフェニルメタンジイソシアナート、トルエンジイソシアナート、脂肪族イソシアナート、これらの誘導体、これらのポリマー、これらのプレポリマー、およびこれらの混合物から成る群から選択される請求項94〜134のいずれか一項に記載の方法。
【請求項136】
前記イソシアナートが、1分子につき約1.5〜約16個のイソシアナート基を含有する請求項94〜134のいずれか一項に記載の方法。
【請求項137】
前記イソシアナートが、約10パーセント〜約50パーセントのNCOを含有する請求項94〜134のいずれか一項に記載の方法。
【請求項138】
前記イソシアナートがポリマージフェニルメタンジイソシアナートを含む請求項94〜134のいずれか一項に記載の方法。
【請求項139】
複数のコーティングにより前記粒状植物栄養素を覆う工程を繰り返す工程をさらに含む請求項94〜138のいずれか一項に記載の方法。
【請求項140】
粒状植物栄養素を、ポリオール、イソシアナート、ワックスおよびエポキシ化脂肪酸トリグリセリドオイルに、肥効調節型肥料材料の機械的取扱耐性を改善するに有効な量で接触させる工程を含む肥効調節型肥料材料を製造するための方法。

【公表番号】特表2009−504546(P2009−504546A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525351(P2008−525351)
【出願日】平成18年8月9日(2006.8.9)
【国際出願番号】PCT/CA2006/001315
【国際公開番号】WO2007/016788
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(503009122)アグリウム・インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】